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2016年4月26日 (火)

・ 地方議員の逆襲佐々木 信夫【著】 第1章 なぜ、地方議員が問題なのか・17頁・・地方分権が始まったのに・19頁・・草の根が枯れる・4頁・その理由は「議会の活動が住民に伝わらない」が53%、「行政のチェック機能を果たしていない」が33%、21頁・これが政務活動費の使い方か・24頁・・議員達のための支出基準・27頁・

引用


 講談社現代新書 地方議員の逆襲佐々木 信夫【著】

内容説明

人口減少、自治体消滅の危機だから地方議員、地方議会にできることがある。中央からのバラマキではこの国は変われない。地方民主主義が日本を救う。大阪副首都構想のブレーンが提言!


目次

はしがき・3頁・16/10/14 7時25分13秒・

どうも地方の政治がパッとしない。輝きが見えない。地方分権と言われて久しいが、地域の自立、地方自立の動きが明確な形で表れてこない。今「地方創成がキィワードになっているが、現在の動きは中央指導、中央集権型地方創成ではないか。政府の振るタクトばかり見ている。戦後長らく続けられてきた自民党政治の得意技、補助金行政、地域指定のやり方に一喜一憂し、振り回されている。果たしてこんな事でよいのか。

・それをつくりだしている要因が、中央集権型システムをそのまま温存し、東京一極集中を事実上「是」とし、東京膨張を放置している点にあることは否めないが、同時に、自己決定・自己責任・自己負担を原則とする地方自治の担い手が、地域主導型の自立した地域づくりへの狼煙を上げるパワーに欠ける点だ。特に地方議会の、地方議員の動きにダイナミズムがない。もちろん、自ら掲げた大阪都構想や行政改革を必死にやり遂げようとする大阪維新の政治など一部の例外はあるが、全体として地方政治の顔が見えない。

・10年前、こんな調査がある。地方議会の現状に満足しているか、と生きたら「あまり満足していない」「まったく満足していない」が60%。3・


4頁・その理由は「議会の活動が住民に伝わらない」が53%、「行政のチェック機能を果たしていない」が33%、「地方議員のモラルが低い」が32%(重複回答)とある(日本世論調査会、2,006年12月実施)。

・それから10年経つが、同じ質問をしたらどんな答えが返ってくるだろうか。進取の気性に架けるのか、特権にあぐらをかいているのか、それとも適格者が選ばれていないのか。

・地方創成についても様々な提案が出ている。しかし、それは中央省庁からであったり、地元の金融機関、地方大学、マスコミからであったり、知事、執行機関からの提案であったりする。だが、肝心の住民代表の政治機関である「議会」からの提案はほとんどない。住民の民意を束ね、独自の地域主権の動きを強める、そうしたエネルギーが見えないのだ。なり手不足など地方選挙も低調で、地方で民主主義が失われているのではないか。

地方分権改革が始まって15年余りが経つが、今の動きは再集権化の動きとすら見える。

・それを食い止め、地方民主主義を再生させる道はないのか。そこに本書の問題意識があり、議論の焦点がある。地方が自ら変わらなければ、この国は変わらない。そのことを改めて確認したい。

・知事、市町村中らはあくまでも執行機関だ。二元代表制かでの決定機関は議会であり、様々な職層、地域、性差などを代表するのは公選職の議員からなる地方議会である。4・


5頁・なぜ、住民が感心するような、個性的な提案が地方議員の手によって行われないのか。それまでの箸の上げ下ろしまで中央省庁が差配する中央集権化の自治体と違い、2,000年の分権改革以後、地方議会は自治体の条例、予算、主要契約など経営の基本事項の決定者になっているのに、である。

・各大臣・・知事・・市町村長という国の指揮命令系統に組み込まれ、国の機関委任事務の処理に8割近くのエネルギーを費やしてきたのが、戦後半世紀以上続いた中央集権化の自治体だ。その環境は2,000年4月以降、地方分権一括法が施行されて変化したはずだ。

・大臣・・首長というタテの執行機関ルートでの指揮命令に従わされ、意志決定から事実上排除されていた地方議会。それが、地方政治の主役へと立ち位置が変わったのである。

・にもかかわらず、旧態依然とした活動が目立つ。そうこうしているうちに、地方議員のなり手すら減り始め、無投票の選挙区が3割に達する始末。

2,016年から政治参加の資格を18歳まで引き下げ、240万人の若者が政治に参加できる状況がつくられたのに、実態は逆の方向に動いている。地方議員のなりてがなく、地方議会がうまく機能していない、それを地方民主主義の危機とするなら、これを放置したらこの国は亡びる。

・私たちの生活に関わる公共サービスの約3分の2は、都道府県、市区町村という地方自治体から提供されている。5・


6頁・その地方自治体の意志決定者は、「地方議会だ。一つの国の中で、これほど地方自治体の活動量(ウエイト)が大きな国は、カナダと日本ぐらいである。それほど自治体の影響力の強い国であるにもかかわらず、肝心の地方議会が政治の中心になっていない。議会制民主主義が根のところから枯れている。

・首長は時々目立つ存在が表れるが、地方議会と地方議員の存在感は薄く、住民たちの関心も低い。たまに関心を呼ぶのは、号泣議員、セクハラ議員、暴力議員など地方議員の不祥事ということになる。これを例外的なものとみる見方もあるが、地方議員の劣化が著しくないか。少なくても住民からすると、地方政治への信頼が足元から崩れている感が強い。人口が減る時代へ、地域は総力戦で地方創成に取り組むべきなのに、こうした状況ではこの国の行く末は危うい。高等教育も普及し、歴史上、教育水準が最も高まった日本である。地方が蜂起できないはずはない。

・現在、日本には47都道府県、790市、928町村(745町、183村)、23区の特別区の1,788自治体がある。そこに働く地方議会の議員総数は3万3,438名。都道府県に2,613名、市区に1万9,576名、町村に1万1,249名の議員がいる(2,014年末)。この地方議員が各自治体の意志決定者である。6・


7頁・ただ、年齢形成や性別に極端な偏りがある。議員の年齢も高く、60歳以上が町村議で72%、市区議で55%、都道府県議で45%を占める。女性議員の比率は低く、区議で26%、市議で13%、町村議と都道府県議で9%。人口の半分以上が女性でもあるにもかかわらず女性議員は1割に過ぎない。

これは積亜出群を抜いて低い。女性民主主義という視点では、世界でワーストワンに近いのが日本の姿だ。

・個人や企業では解決できない公共領域について、160兆規模の行政活動が行われている日本。その約3分の2は地方が担っている。地方で「自己決定・自己責任」により行政活動が行われる地方分権の仕組みになっており、税金の使い方やサービスのあり方を自身の手で大きく変えられる。ある意味で、国政より地方政治の影響力が大きい仕組みだ。

・今、アベノミクスの一環として声高に「地方創成」が叫ばれているが、実際は如何に国が旗を振ろうが地方自身が変わらなければ、人口減少の解決も地域の再生も出来ない。20世紀の中央集権化とは異なり、地方政治の力が表出せず、それに対する関心も低い。

・地方政治の担い手、この大きな役割は地方議員が負っている。だが、市民は地元自治体に何名の議員がいるのか、ほとんど知らない。例えば日本で人口の一番多い東京都という地域。1,300万じんと民のもと、約10万人に一人の割合で都議会議員が選ばれており定数は127名。7・


8頁・その待遇は、月額102万円の報酬と年2回のボーナスで年収1,600万円近い。これに政務活動費が年間720万円加わり、国会議員並の待遇にある。ただ、その働きぶりとなると、都民の多くはほとんど知らない。

・日本で一番小さな自治体も東京都にある。人口170人程度の青ヶ島村(2,014年)。住民の半数が島外出身の役場職員や学校の教員、建設作業員とその家族。島民の平均年齢は30代後半と若い。ここにも村議会があり議員定数は6名。報酬は月額10万円、ボーナスを含め年収約150万円。この人口なら、議員の活動を知らない村民はいないと思うが、影響力はどうか。

・地方議員をめぐって、号泣議員に代表されるように代表されるように最近スキャンダルが目立つ。その様相、要因については本文で述べるが、従来から議員の数が多い、報酬が高いと言った批判が強かった。何が適正な報酬かモノサシがあるわけではないし、自治体の規模、地域で報酬の差は大きい。大雑把に言うと、県議で平均80万円市議で40万円、町村議で20万円の月額報酬。これに約3・5ヶ月のボーナスが加わる。報酬で比較すると、なぜか県議の2分の1が市議、市議の2分の1が町村議と、2分の1,2分の1の階層的な法則が見える。働きぶりにこうした差があるのか。人口規模が多くなれば報酬が高くなる、この意味するところは労働の難易度の違いなのかどうか。8・


9頁・地方議員が何も改革していない訳ではない。各地で努力している。中には議員数や報酬に大胆に切り込んだ自治体もある。維新改革とされる大阪の例。人口885万人の大阪府の府議会は、2,015年の統一地方選から定数109を88へ21議席カット、2,011年4月から報酬は月額93万円を65万円へ3割カットした。報酬は全国都道府県の最低で、定数の大幅カットと合わせ前例がない。生活者目線で見た改革とされるが、これが全国の議会改革のデルとなっているかと言えば、現段階では例外的な扱われ方だ。

・各議会の改革努力の中で、法律上の定数、上限定数と言った制限がなくなったこともあり、議員定数を見直す気運が見られる。明治半ばにプロシア(ドイツ)の議員定数を見本として始まったのが、日本の地方議員の定数。ようやく、地域に何名の議員が必要かと言った、「そもそも論」から見直し環境が生まれている。法律上の定数制限はなくなった。

・ただ、議会任せだと「集団的防衛本能」が働き、ほんの少しの削減でお茶を濁す傾向にある。市民の開いて議員定数の議論を始める時ではないか。議会のルールを定めた議会基本条例を作ったり、年4回だった会期制を通年議会制に切り替えたり、会派やグループで研究会や研修、調査活動を活発にするなど地道な改革努力も見える。その点、従来の「動かざること山の如し」と言う地方議会に対する見方は当たらない。しかし、その議会改革が地方民主主義の再生に向けた、大きな流れになっているかと言えば、疑わしい。9・


10頁・16/10/14 10時26分・

・一方で、議員のなりてが極端に減ってきている。2,015年春の統一地方選は投票率の大幅低下と無投票当選率の増加が特徴だった。議員選挙に限ってみると、無投票当選率は町村で21・8%、道府県で21・9%、市で3・6%、政令市で1・7%とこれまでで最も高い県議選の1人区などは3割近くが無投票当選。これは首長選にも波及し、町村長選で4割強、その後さみだれ的に行われている市長選を見ても、3割が無投票である。ついに知事選までそれが現れた。2,015年は岩手県と高知県の知事選が無投票だった。

・これに選挙があっても、事実上、選挙前から当選者が分かるような無風選挙を加えると、半数近くの地方選挙が無投票に近い状態。道府県議選の投票率も史上最低の45%で、有権者の半数以上が地方選に足を運んでいない。自分の住んでいる選挙区の投票率の低さすら知らない市民も多い。今日本の地方民主主義は草の根から枯れてきている。

・果たして、無投票当選というのは「当選」なのか。ゼロ評議員、ゼロ票議会の出現は、代表制民主主義における政治的正当性を失わせる。彼(彼女)らは仮面を付けた「みなし代表」に過ぎない。選挙の洗礼なき無投票当選に政治的正当性はない。便宜的に認めた無投票当選という制度は廃止したらどうか。今後人口減少に伴い、頼子の傾向が強まるとすれば、事実上、自治体官僚の支配する地方自治へと変容する。10・


11頁・

住民の住民による住民の為の政治を、自ら手放すことになってしまう。

・公共利用行きが拡大し、税負担が年々重くなる日本。その約3分の2を占めるのが自治体の活動だ。そこで議会制民主主義の空洞化が進むなら、この国はどこに行くか分からない。

・すでに行政を国に任せればよかった時代は終わっている。多くは地方の自己決定、自己責任に委ねられている。だが、地方に任せればうまく行く、その道筋はまだ見えていない。地方政治の出番なのにパワーが見えない。納税者に近いところでこそ一番問題が見えるはず。そこに政治行政を任せるのが民主主義の基本であり、地方分権の思想だが、未だにそれは教科書の世界に止まる。

地方政治に対する無関心の広まり、議員のなり手の枯渇、議席の固定、既得権益かなど、日本の地方民主主義は危機に立つ。地方政治をめぐり改革すべき課題は山ほどある。この課題について様々な角度から分析し提言する中で、解決の方途を見出したい。本書がこの国のあり方について、地域レベル、地方議員という窓を通して考える「よすが」となれば幸いである。


2,016年2月・佐々木信夫著

平成28年10月14日 金曜日

著者紹介 中央大学教授、法学博士。1948年岩手県出身。早稲田大学大学院政治学研究科修了、慶應義塾大学にて法学博士取得。東京都庁企画審議室などを経て、聖学院大学教授、94年から現職。2000年~01年カリフォルニア大学(UCLA)客員研究員。慶應義塾大学、明治大学、日本大学各講師、日本自治創造学会会長。現在、国の地方制度調査会委員、日本学術会議会員、大阪府・市特別顧問など兼任。専門は行政学、地方自治論。テレビ、ラジオ出演、新聞、雑誌でのコメント、各地での講演も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


第1章 なぜ、地方議員が問題なのか・17頁・


平成28年4月26日 火曜日

・地方議員、地方議会への疑問・


私たちは、身の回りにいる「地方議員」について知っているだろうか、残念ながら、意外と知らない人が多い。否、するすべがないというのが正直な話だろう。

たとえ知っていると言っても、多くの人は、地方議員について街中や冠婚葬祭で見かける、「議員バッジをつけた人たち」という程度の感じではないか。実際に、その人達が日常どんな活動をし、議会でどんなことを行っているのか、わからない。

しかも、地元の自治体にはどれくらいの数の議員がいて、どれくらいの報酬が月々支払われているのか。海外と比べて、議員の数は多いのか少ないのか、報酬は高いのか。都道府県の議会と市の議会、町村の議会で、議員のやることは同じなのか違うのか。どんな人が実際に議員になっているのか、そしてなれるのか。いずれも知らない。


そもそも地方議会は公務員なのか、それとも違うのか。公務員だとするなら、なぜ任期があるのか。17頁・


18頁・16/4/26 8時35分・

議員報酬が支払われていると言うが、その「報酬」というのは「給料(与)とは違うのか、同じなのか。


違うとすれば何が違うのか、なぜなのか。その報酬の根拠は何を基礎に算出されているのか。月給なのか、日当なのか、手当なのか。その額は地域よってなぜ違うのか。


国家公務員や地方公務員のように、給料表があって、地域によって大差がないというのが公務員給与だが、議員報酬の場合、そうした給与表に当たるものはあるのか。福島県矢祭町が議員報酬を日当制(日額3万円)にしているが、他はなぜそうしないのか。関心はあっても知るすべがない。そうしたことについて、一度たりとも議員から説明を受けたことはない。こうしたことが実際ではないだろうか。

身の回りを見ると、地方議員を「地域の世話役」くらいにしか見ていない住民が多い。口利き役が議員だと思っている人もいる。ひところ、誰に頼むとどぶ板の修理が早いかと言うところから「どぶ板議員」という表現が流行った、その頃は今と違うのか。もとより、世話役と言っても、実際の住民政活で困ったことがあれば、議員に相談するより役所の窓口に行った方が手っ取り早いと考えている人も少なくない。時には、勢い「地方議会はいらないのでは」といった話まで聞こえてくる。

議員の説明不足やアピールの下手さ、日常活動の怠慢といった点が合わさって、こうした議員像が生まれているように思う。18頁・


19頁・筆者は、選挙で選ばれた公選議員と選んだ住民がこうした関係にあることは不幸だと思っている。少なくとも代議制民主主義を標榜している以上、これを改める必要がある。本来、双方は信頼関係で成り立っている。

いずれが努力すべきか、住民もさることながら、まず議員自身からではないか。


・地方分権が始まったのに・19頁・


16/4/26 9時3分・

身近な議員のことがわからないと言っている間に、代議制民主主義はピンチを迎えている。何しろ、議員のなり手が極端に減ってきているのだ。それは地方民主主義の崩壊の始まりなのか、危惧を覚える。

本来、地方民主主義、小さなデモクラシーの仕組みは、住民が政治に参加し選んだ議員が住民の代表として、金(税金)の使い道、ルール(条例)の制定、主な公共施設の契約の決定までを担う仕組み。その効果がしっかりと住民に戻ってくる仕組みである。

その政治機関が地方議会だ。地方議会は住民の公共生活を預かる自治体の決定者であると同時に、住民に変わって行政活動の執行を監視する、民意を基礎に自ら政策や条例を提案し、さらに結果について住民に報告し意見を募る役割を担う。

こうした決定者、監視者、提案者、収約者という重要な役割を担う政治機関が地方議会である。19頁・


20頁・この機関としての地方議会がうまく機能しているかどうか。

どうも、議会の構成メンバーである地方議員の評判がもう一つ芳しくない。国政を担う国会議員にもいろいろ問題を抱えた議員が少なくない。地方議員だけが問題なのではないが、ただ、私たちの政活に密着した政治の二の担い手が地方議員だけに、そこを問題視したい。地方議員にもさまざまな問題が表出するたびに政治不信が深まってしまうのだ。

もちろん、住民のレベル以上の議員が選ばれることはないというのが政治学の教えるところだから、有権者のレベルはどうかと問われるかもしれない。しかし、公選職の議員は大衆に対し少数の指導者、マスに対してエリートなのだ。

地方分権が進み、地方議員の役割が拡大し、地域のことは地域で決める分権型国家体系に仕組みが変わっているにもかかわらず、政治代表の水準が上がってこない。否、劣化しているという見方すらある。これでよいのか、とてもそうは思えない。

地方分権の改革を進めたことにより、国が決めることより地方が決めることが圧倒的に増えた。地方議会、地方議員がしっかりしないとこの国の政治がおかしくなる。「地方創成」一つとっても地方議会発のメッセージがほとんど伝わってこない。個別の議員に接すると、頑張っている議員、輝いている議員も少なからずいる。ただ組織、機関としての地方議会の活動となると、ボス支配が横行しているのか、旧態依然とした「動かざる山のごとし」の様相も目につく。4年間一度も質問にすら立たない議員が相当いる。20頁・


・草の根が枯れる・21頁・


16/4/26 9時39分・

現在、都道府県、市区町村という地方自治体で約100兆円の金が使われ、私たちの日常の公共サービスを賄っている。何度も繰り返すがその規模は日本の行政全体の約3分の2だ。その使い道の決定者が公選の地方議員で、都道府県、市区町村を併せて約3万3,000余名なのである。

ただ、その選ばれ方を見ると、激しい競争の中で選ばれた議員が多いかと言えば、戦後18回の統一地方選が行われた2,015年の例だと、3割近くは事実上選挙の洗礼を受けない無投票当選者だった。仮面をつけた「見なし当選者」の代表者の割合が3割を占めると言い換えてもよい。

この要因は何なのか。現場に足を運ぶと、議員のなり手がないと嘆く市区町村も少なくない。一度引退した高齢議員を呼び戻して欠員補充をし、何とか再選挙になることを避けた町村も少なくない。

戦後70年、いつの間にか日本は、議会制民主主義の根幹をなす「草の根」が枯れ始めてしまっている。この現実を放置したまま、それぞれの自治体で行政が行われていく。有権者の民意はどこで反映されるのか。21頁・


22頁・16/4/26 9時55分・地方議員の職責の重要性からして、ここは強くモノを申さなければならない。そう考え、あえて筆を執ることにした。22頁・


・こんな非常識がなぜ?・22頁・ 

刑事事件も後を絶たない・23頁・


これが政務活動費の使い方か・24頁・16/4/26 10時4分・

2,000年以前の自治体は国の下請的な存在で、地方議会はその中でチェック機関視されていた。以後、地方分権の時代を迎え「地方議員」「地方議会」の役割は数段高いものが期待されるようになった。自治体の政策決定、立法機関としての役割がそれである。24頁・


25頁・そこで、地方分権改革が本格的か下2,000年に地方自治法(第100条)が改正され、「日本における地方議会の議員が政務調査研究等の活動のために支給される費用」として、国会の立法事務費(1人当たり年780万円を会派単位で渡し、使い道に領収書は必要ない)に準じて、「政務調査費」を条例でもうけるよう市区町村、都道府県の各議会に義務づけられた。

それが2,012年の地方自治法改正(同法第100条14項)で「政務活動費」に変わり、2,013年から実行に移された。従来の政務調査費に「調査研究その他の活動に資するため」という項目が加わった結果、何が起こったか。

かつての政務調査費と異なり、「政務活動費」は、政策立法のための調査研究費としての支出項目に限らず、各自治体は条例により、私設秘書らの人件費、自宅を含む事務所経費、自前の広報誌発行費、交通費など、選挙活動まで含む政治活動すべてに支出ができるように変えたのだ。

地方議員にとって、特に都道府県や政令市など大都市の大きな自治体にとって金額も大きいだけに、使途の拡大は魅力あるものとなったに違いない。

たとえば東京都議会の場合、議員1人当たり月額60万円(年間720万円)。大阪市議会の場合、議員個人なら月額50万円(年間600万円)、会派なら議員1人当たり月額60万円(年間720万円)。名古屋市議会の場合、議員1人当たり月額50万円(年間600万円)が支給されている、と言った具合である。25頁・


26頁・しかし、その使い道がどうもおかしい。中には新年会、忘年会、業界団体の会合への「会費」まで支出を「可」とする議会まで現れた。


たとえば都議会の例。2,014年8月はじめに2,013年度分の都議会の政府活動費として公開された8億4,000万円(議員1人当たり年間720万円)を見ると、当時の新聞報道では各種団体の主催する会合への参加費「会費」が2,023万円も含まれていたとされる。


この大半は新年会費だという。その年の2月に都知事選があっただけに、1月から2月に議員にかけて新年会費が集中てきに使われているようだ。一日に新年会を、数カ所も掛け持ちする議員にとって会費の負担は小さくない。それを政務活動費が肩代わりしてくれるなら、ありがたいというのがホンネだろ。しかし、そうした経費援助のために政務活動費があるわけではない。原資は税金だ


本経費が地方自治法100条に規定されている意味を考えてほしい。「百条調査権」と言われるように、国会の国政調査権と類似の強い権限を与えた地方議会の調査権の一環として政務活動費も100条の中に規定されている。その意味するところを考えるなら、飲食代や事務経費という発想はもともと出てこないはずだ。

マスメディアの報道を通じて知った都民からは、宴会の飲食費用まで都民が払うのかと疑問視する声が上がった。筆者もそれは当然の声だと思う。26頁・


・議員達のための支出基準・27頁・


都議会の例だと、政務活動予算の約95%が使われているが、その使われた8億4,000万円のうち、支出の最も多いのが「広報誌発行費」(約3億1,000万円)、次で雇い上げた職員の給与など「人件費」(約2億8,000万円)で全体の7割を占めている。人件費は個人が特定されるとして、領収書の金額や支払先は黒塗りされている(家族、親戚など身近な者に払っていないか、疑いたくなる処理の仕方だ)(2,013年度の支出例)。


自宅などに電話、FAX、パソコンを置いた部屋をつくり、そこが事務所だと称している者も多い。これを事務所経費だとして支出しており、それも相当額に上がる。

都議会の基準では、会議の弁当代も1人3,000円までは支出可能という。実際、自民党は、議員総会などで計5回、東京銀座の有名なすき焼き点から1コ2,100円の弁当を全議員分購入している。もとより、都議会の例でも全議員、全会派が同じだという訳ではない。弁当代は自民と民主以外は原則自費としている。飲食を伴う会合への支出は、圧倒的に自民が多く、次いで公明。共産はゼロ、民主もほとんどない。と言うのも、会派に所属する議員割りで政務活動費を配分した以後は、会派のルールに従って支出するため、こうした違いが出るのだという。

いずれ、政務活動費に充てることのできる経費の範囲を決めるのは「条例」に委ねられている。27頁・


28頁・16/4/26 11時21分・

法律の趣旨をねじ曲げ拡大解釈して、議員の使い勝手のよい費用にすり替えることは許されない。

全国の自治体で公開された支出例を見ても、7~8割は自分の事務所費や手伝いのパートへの賃金、自己PRのビラ代だという。ただ、今大きな自治体の例を述べたが大都市と地方都市、大規模な自治体と小規模な自治体では金額に大きな差がある。人口10万人以上の市町村の議員は、「そんなことを言われても、私たちの支給額は年間で10数万円ないし数十万円程度、それはヨソの世界の話だ」と首をかしげる。とはいえ、マスコミで大々的に報道されると、地方議員のすべてにそうした金が支給され、そう使われているように住民は思ってしまう。

ここは政令市や都道府県議会の金額の大きな自治体に絞って言うと、月々の報酬(80~90万円)とは別に支払われている政務活動費の使い方として、ビラ代やパートへの賃金が政策・立法のための活動費と言えるのか。何か勘違いしていないか。「第二生活費」ではないかと言われても仕方あるまい。住民目線で常識的に説明できない金の使い方はおかしい。これは税金なのだ。

議会側のコメントは、支出に違法性はなくルールに沿ったものだという。それでは聞きたい。地方議員同士の身内で決めた地方議会のルールが、その自治体の住民の常識にあうルールなのか、その金を使ってどんな成果を生んでいるのか。28頁・

29頁・平成28年4月26日 火曜日・2,014年度の都道府県の政務活動費について、支給額120億5,422万円のうち、9・3%の11億1,807万円が返還されたという。不適正支出分と未使用分と未使用分とされるが、厳しい監視の目の中、変換率が年々上がってきているという(朝日新聞、2,016年2月19日)。29頁・


2016年4月26日 (火)

・ 地方議員の逆襲佐々木 信夫【著】 第1章 なぜ、地方議員が問題なのか・ ・千代田区議会が画策した政活費のすり替え・29頁・・無風土壌が生む・「劣化現象」・31頁・ ・住民の監視の目がない・32頁・・競争なき選挙で悪貨は良貨を駆逐する・33頁・・議員という仕事に魅力とやりがいがない・35頁・・投票率は右肩下がり・37頁・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/29-095e.html

14:26 2016/04/26


 

ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・平成28年4月16日

2016年3月27日 (日)2016年までのブログページをいれて索引・0:28 2016/04/15

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/03/post-af38.html

4/20/2016


2016年4月22日 (金)ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・第5章・大胆なエネルギー政策と環境保護・55頁・平成28年4月22日 57頁・・・この再生可能エネルギーを積極的に導入し・58頁・・地球温暖化防止への挑戦・・無限の資源、風をエネルギーに・59頁・

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/04/55528422-341f.html

10:55 2016/04/22

 


第7章・社会を変える女性の力・89頁・平成28年4月20日

2016年4月20日 (水)ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・第7章・社会を変える女性の力・89頁・・政策実行に大きな指導力を発揮する大臣ポストのわりあい(41%)を見ると、デンマークは他の先進諸国の中でもぬきんでている。デンマーク以外の北欧諸国も同じように高い割合を維持しているが、この数字と民主主義の発展の度合いは比例している。94頁・

15:03 2016/04/20

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/789-7ab5.html

8:03 2016/04/20


2016年4月20日 (水)ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・第7章・社会を変える女性の力・89頁・・政策実行に大きな指導力を発揮する大臣ポストのわりあい(41%)を見ると、デンマークは他の先進諸国の中でもぬきんでている。デンマーク以外の北欧諸国も同じように高い割合を維持しているが、この数字と民主主義の発展の度合いは比例している。94頁・

15:03 2016/04/20


http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/789-7ab5.html

8:03 2016/04/20


http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/04/19805828415-01a3.html

16:33 2016/04/19


奄美振興の悲劇・地元民の思考は入れられない・官僚の考えが決定?!

田雲川・古代より橋はかからない・奄美市名瀬崎原田雲・奄美振興事業・鹿児島県離島振興課が戦後橋と道路のネットーワークを怠ってきた、日本国税を2兆円以上無駄に使われてきた、この地点は奄美大島の真ん中これが切れているために・奄美群島の経済効果は、計り知れない・民主主義国家では・国民主権者に決定権があります。

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/03/post-9f8f.html

7:47 2016/03/11平成28年4月19日


・地方分権が始まったのに・19頁・16/4/26 9時3分・  

・草の根が枯れる・こんな非常識がなぜ?・刑事事件も後を絶たない・これが政務活動費の使い方か・議員達のための支出基準・千代田区議会が画策した政活費のすり替え・無風土壌が生む・「劣化現象」・住民の監視の目がない・競争なき選挙で悪貨は良貨を駆逐する・議員という仕事に魅力とやりがいがない・投票率は右肩下がり・無投票当選の急増・ゼロ票議会・サラリーマン、女性が議員比率が低すぎる・議員定数は戦前の遺物・定数・報酬・カネ・

 

講談社現代新書 地方議員の逆襲佐々木 信夫【著】

価格 ¥907(本体¥840)講談社(2016/03発売)

サイズ 新書判/ページ数 246p/高さ 18cm

内容説明

人口減少、自治体消滅の危機だから地方議員、地方議会にできることがある。中央からのバラマキではこの国は変われない。地方民主主義が日本を救う。大阪副首都構想のブレーンが提言!

目次

第1章 なぜ、地方議員が問題なのか・17頁・平成28年4月26日 火曜日

・地方議員、地方議会への疑問・地方分権が始まったのに・草の根が枯れる・こんな非常識がなぜ?・刑事事件も後を絶たない・これが政務活動費の使い方か・議員達のための支出基準・千代田区議会が画策した政活費のすり替え・無風土壌が生む・「劣化現象」・住民の監視の目がない・競争なき選挙で悪貨は良貨を駆逐する・議員という仕事に魅力とやりがいがない・投票率は右肩下がり・無投票当選の急増・ゼロ票議会・サラリーマン、女性が議員比率が低すぎる・議員定数は戦前の遺物・定数・報酬・カネ・

第2章 地方民主主義と地方議員・48頁・

・地方議会が政治の停滞を招く・地方議員の仕事・議会活動への鋭い指標・オール与党か現象・なぜ首長優位か・なり手不足・地方自治とは?・議会制デモクラシー・明治、そして戦前・戦後、そして現在・2,000年の地方分権改革・地方議会における与党と野党・議会は広義の野党機能・立ち位置の変化・住民自治と議会・

第3章 地方議員の待遇・76頁・

議員バッチは通行証・バッジのない議員像・公選職に就く意味・給与のように払われる地方議員の「報酬」・地方議員は非常勤特別職・報酬の決め方・差の大きい議員報酬・これでは非常勤に近い?・経験年数を加味しない報酬・名古屋の乱とは・報酬は地域の上位20%が妥当・報酬は議席の数で決まる・国会議員と地方議員との比較・日本の議員は世界一?!・政活費の支給額を削減するのが「改革」ではない・海外視察・・・透明性を高めよ・第三者の監視機関が必要・

 

第4章 地方議員と選挙・107頁・

・戦前と戦後の地方議員・議員の決め方・条例定数制度・常任委員会の構成数で決めるのはどうか・海外の市町村議員数との比較・無投票を根絶する改革を・地方議員のなり手を増やすには・サラリーマン議員・5時から議会・クオータ制導入・議員活動の実像・議員は忙しいのか・議員の兼業実態・都市部は土日・夜間議会へ・

第5章 地方議会、地方議員は変われるか・135頁・

・地方議会は役割総括主義へ・住民の中に入れ・与野党の意識払拭・会議の自由化で議員提案を増やす・議会基本条例は必置・すぐやれる議会改革・政策に強い議員へ・職員と連携を・地方議会に法制局を・政策官庁議会へ脱皮せよ・

 

第6章 地方議員の政策形成入門・154頁・

自ら考え・自ら決める議会へ・政策のプロセス・議員立法が自治体を元気にする・いろいろな分野に広まる議員立法・自治体が政策官庁へ・政策とは何か・行政と公務員、民間との関係・違う政治と行政の役割・政策・・4つの類型・政策形成とは・政策目標の設定・政策の手段・人口減少と経営シフト・政策手法の転換・政策を磨くこと・政策評価とは・施策評価の基準・説明責任(アカウンタビリティ)・違反者を見逃すな・議員は言いっぱなしでよいか・議員に説明責任あり・

 

第7章 「大阪都構想」と地方民主主義・192頁・

・住民投票の意義・住民投票3つのタイプ・大阪都構想と住民投票・住民投票までの政治過程・現場で見た住民投票・大阪の衰退止まらず・大阪都構想の本質は何か・食い違う双方に意見・改革挑戦の意義・実現までのステップ・東京一極集中を変える・「都構想」再挑戦、波高し・政府機関の地方移転始まる・副首都構想を検討せよ・副首都の概念づくり・省庁の減反減量政策・

終章 地方からこの国を新しくする・223頁・

・地方議員は地域から国を帰る覚悟を・地方創成は幻想か・垂直的統合がネック・新たな国の形・人口減少予測と地方議員・地方創成の柱立て・国は少子化対策、地方は地域の活性化に専念してはどうか・地方創成への見方・「大都市=豊かか」時代の終焉・ベッドタウンが危ない・地方創成、新たな視点・地方が変われば国は変わる・「地方先端時代」に地方議員がやるべきこと・

参考文献・246頁・平成28年4月26日 火曜日

著者紹介

 

佐々木信夫[ササキノブオ]

中央大学教授、法学博士。1948年岩手県出身。早稲田大学大学院政治学研究科修了、慶應義塾大学にて法学博士取得。東京都庁企画審議室などを経て、聖学院大学教授、94年から現職。2000年~01年カリフォルニア大学(UCLA)客員研究員。慶應義塾大学、明治大学、日本大学各講師、日本自治創造学会会長。現在、国の地方制度調査会委員、日本学術会議会員、大阪府・市特別顧問など兼任。専門は行政学、地方自治論。テレビ、ラジオ出演、新聞、雑誌でのコメント、各地での講演も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

出版社内容情報

 

「大阪都構想」には未来がある! 地方改革研究の第一人者が示す地方議員、地方議会改革の教科書。地方からこの国はまだ変えられる。

地方議会、地方議員が大きく変わり、この国を引っ張る存在になれば、日本は地方から見事に生まれ変わることができるはずだ。では、地方議員は地方議会はどうすれば変わることができるのか? 

著者は、東京都庁勤務経験などをもとに最近では「大阪都構想」で地方行政に一石を投じた橋下徹前大阪市長のブレーンとしても活躍。地方活性化、地方改革の理論的支柱として新たな国のかたちを提言し続けてきた。

政務活動費の不正使用疑惑にまみれたあの「号泣会見議員」が象徴的だが、自治体住民からあまりに乖離した地方議会、地方議員を住民の手に取り戻すことはまだできる。選挙制度、議会運営をどう改革するか? 地方議員の最大の仕事である政策立案の方法論とは? 誤解されてばかりいた「大阪都構想」の本当の利点とは? 

全地方自治体職員、全地方議員必読の新しい「教科書」をお届けする。

 

第1章 なぜ、地方議員が問題なのか

第2章 地方民主主義と地方議員

第3章 地方議員の待遇

第4章 地方議員と選挙

第5章 地方議会、地方議員は変われるか

第6章 地方議員の政策形成入門

第7章 「大阪都構想」と地方民主主義

終章 地方からこの国を新しくする

 

【著者紹介】

5:42 2016/04/26


・産前産後休暇制度・・父親休暇制度・98頁・


この制度には三種類の有給休暇がある。一つ目は「母親休暇制度」で、出産予定日の四週間前から、出産後14週間まで取得される。二つ目は「父親休暇制度」で、出産後14週間の期間内で二週間取得でき、収入の82%が支給される。三つ目は「両親(育児)休暇制度」で、出産後15週目から父親・母親合わせて10週間取れる。ただし二人が同時に取得することはできない。「母親休暇制度」、「両親休暇制度」を利用したときの休業中は、失業給付最高額と同額(月額税込みで1万1,300クローネ、約20万3,000)が支給される。

「父親休暇制度」は二週間という短期間なのと、キャリアや収入の上で目立った影響はないので、父親自身、積極的に消化しようとしている。また職場の雰囲気も休暇を認める方向に動いているので、取得することに抵抗が少ない。一方、「両親(育児)休暇制度」は父親・母親合わせて10週間取れることになっているが、現実には母親が最初から最後まで消化する率が圧倒的に多い。1,990年の調査では、母親の方が休んだ理由として、(1)母乳を与えるのは母親であるから、(2)父親の方が収入が多いから、(3)父親が休職するのが難しいから、(4)家族で決める問題ではないから(筆者注・母親の自己決定で休むと言うこと)、(5)母親が育児を受け持った方がよいから、などが父親、母親ともに同じ割合で回答されている。98頁・


99頁・16/4/22 8時49分・

1・については、デンマーク保健省がアレルギー予防のためには生後六ヶまでは母乳で育てることを奨励していることが関係あるようだ。(2)については、民間企業はパブリックセクターよりは高収入だが、雇用保障度が低く。長期休暇制度を取りにくい事情がある。そのためか、はじめの「父親休暇制度」を取得した割合は、1,995年現在、対象となる父親の半分以上の58・2%(初年度1,985年には41%)だったが、「両親(育児)休暇制度」で父親が取る割合は5%(1,985年では3%)だった。

「両親(育児)休暇」を使って休暇を取る人の大多数が女性であるため、この制度はじめから不平等制を含んだ曖昧な制度としてフェミストから批判を受けている。99頁・16/4/22 8時57分・


100頁・

それと産休を取る圧倒的多数の女性が長期に職場を離れるため、女性が職場で町になるケースは少ないのが実情だ。

しかしデンマークの育児休業制度は子育て支援の有効な制度であるばかりではなく、教育休業などの他の休業制度と並んで、長期休暇中の代替え要員として失業者に就労機会を提供する労働市場政策としての役割も担っている。

日本の育児休暇制度では、子どもが一歳に達するまでの間、一人の子どもに対して一回利用でき、その間の休業期間中は雇用保険から休業直前の給与の40%が給付金として支給される。2,003年から公務員の場合三歳まで育児休業が認められたが、子どもが一歳を過ぎれば給付金はなく無休となる。子ども未来財団の調査(2,001年)では、男性の育児休暇取得について、「希望はあるが現実的には難しい」という男性が子育て層で36%、こどものいないきこんそうで55・6%、「ぜひ機会があれば所得する」は全体の10%前後となっている。

取得できない理由としては、「収入が減少し家計に影響する」や「仕事の量や責任が大きい」、「職場の理解が得られない」という理由とともに、「男性は子育てよりも仕事を優先すべき」、「女性の方が子育てに適している」とする理由が20%を超えている。子育てに男性が積極的にかかわれる制度の改善と、環境つくりをさらに積極的に推進することと併せて、子育てについての男性の意識改革が求められる。

厚生労働省は2,002年秋に男性の育児休業取得を促進し、併せて少子化対策との一環として、男女別の取得目標値を公表した。100頁・


101頁・それによると、今後2,3年以内に男性の取得率目標を10%、女性80%としたが、現状では1999年度調査では男性0・42%、女性56・4%である。2,000年では男性の取得率はわずかに0・55%である。

2,002年では0・33%と言う極めて低い数値となっている。男性の育児休業の目標と現実には大きな隔たりがある。国、公共機関、それと企業が少子化に歯止めをかけるために、将来を見据えた相当思い切った改革が必要である。

デンマークでは、男女が利用できる産前産後休業制度、育児休業制度による子育て支援の拡充、保育施設の充実、離婚率の減少、政府の児童福祉を重視する観点からの家族政策推進などによって、合計特殊出生率が1,983年の1・37から2,001年現在1・73までに上昇した。すでにデンマークは少子化を克服した国という評価もされている。

女性の社会参加や自己決定を阻むさまざまな制度や意識のバリアを撤廃し、子育て支援を強力に推進することが求められる。さらに女性に対する雇用、労働条件、能力活用などの面で差別的な処遇をなくし、女性が働きやすい環境を実現することも、少子化を脱して出生率を高めることにつながるのだと理解すべきであろう。

101頁・平成28年4月22日 金曜日

終わり7章・


 



高い就業率が介護や保育の社会化に・90頁・

デンマークが福祉先進国、生活大国としての地位を築くことができたのはなぜか。

その背景には、この国の女性に力がある。北欧諸国は女性の社会進出の著しいことで知られているのが、その一つの指標である15歳以上の全人口に占める労働力人口(労働力率)を見るとそれがよくわかる(図表5/1参照)。高い就業率を保つ理由としては、経済発展による労働力の需要が急速に高まり、雇用の機会が急速に拡大したせいもあるが、現実的には共働きしないと高い税金の負担ができないという事情がある。


二つ目にはアメリカほどではないが、まだ離婚率(人口千人で2・54,1,999年)が高く、母子家庭が増えているため、子供を持つ女性が働く場合が多い。従って保育園の数は多い。そして三つ目には、高等教育を受けた女性の就業や社会参加の意欲が高いという指標がある。しかし、女性の社会進出が促進された背景には、1,921年に女性が軍隊や牧師以外のあらゆる職強につく権利が保障されたことが大きい。


デンマークでは多くの女性が社会に進出することによって、働きやすい環境整備はもとより、福祉や医療などの分野でも制度や行政によるサービスの充実がめざましく発展するきっかけとなった。世界的に誇れる高齢者への福祉サービスの充実は、人口の高齢化と言うよりも女性の社会進出の結果だと言った方がよい。多くの女性が働きに出ているので、高齢者のケアは社会全体の責任となった。


これによって24時間いつでも対応してくれるきめ細かな訪問介護、訪問介護のシステムが制度化されてきたのである。90頁・


91頁・平成28年4月20日 水曜日

デンマークで女性が社会に進出するようになったのは、1,960年代以降のこの国の経済発展による労働力不足がきっかけとなり、1,970年代はその傾向が特に際立った。1,960年から1,995年の間に、女性就業人口が61万6,000人から130万5,000人へと、およそ70万人が増加したが、一方、同じ期間にいわゆる専業主婦の数は82万9,000人から29万人へと、およそ54万人激減する。


この現象が高齢者介護サービスや保育施設を必要とする家庭の増大をもたらし、これらのサービスに行政、とくに地方自治体(コムーネ)の責任で取り組む結果となった。91頁・


92頁・平成28年4月20日 水曜日

もちろんデンマークでも以前は高齢者の介護は女性が担っていた。しかし、女性の就業率が65%を超える1,970年代に介護や育児を担いきれなくなって行政によるサービスの拡充が必然となった。そして女性有権者が過半数を占める立場を利用して、公的な介護システムを確立するように政治家に圧力をかけた。それと同時に女性は、男性と同等の立場で職業に就く自由を求めたのである。


女性が男性と同等に働く機会を得ているとはいえ、男女の賃金はからなずしも同等ではない。デンマークでは、同意一の仕事についている場合は平等な賃金が保障されているが、男性は高給を得る仕事についているものが多いので、平均すると年額で120万円ほどの差があるようだ。


一般的に見て女性の賃金はすべての国において男性より低い。雇用形態、就業実態などによる違いが反映していると見られるが、それでも男女の賃金格差、つまり男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)の国際比較では、概して北欧諸国ではそれほど開いていない。ILO(国際労働機関)「労働統計年鑑」(2,002年版)によれば、フィリピン94・3,オーストラリア88・5、エジプト87・8,スウェーデン84・5、デンマーク82・7、と続く。フランス、オランダは八割を切っているし、アメリカは意外と低く、七割に届かない。日本はさらに低く65・3で、男性の六割強の水準である(図表7・2参照)。


高い税金を払っても、その見返りとして介護や保育をはじめ、医療、教育、老後の生活が保障されているので、多くの女性が気兼ねなく社会参加できるわけである。税率を引き下げて、その分介護や保育の量・質とともに削減される事態となれば、女性の社会進出が阻まれ、せっかく築いてきた女性の社会的な地位やリーダーシップが後退し、それが社会全体の大きな損出につながることは容易に想像できる。92頁・


93頁・データの・

94頁・すでに紹介したように大多数のデンマークの納税者が、現在の高い税率を維持しても、行政サービスを低下してほしくないという反応を示したのは、もっともなことである。また、デンマークにおいてヨーロッパ統一通貨ユーロの導入に多くの女性が反対したのは、導入によって税率型の導入国に見合って引き下がられて、現在の高い水準の福祉や医療サービスが維持されなくなるのではないかと危惧したためであったという点もうなずける。94頁・


・政治の舞台にも進出・94頁・

デンマークでは女性の社会進出によって、生産活動に必要な労働力が供給され、経済や社会の発展を促し、GDPを国際的にもトップクラスに押し上げたばかりではない。夫婦共働きによって家計尾所得が増えると同時に国にとっては税収の増となり、社会資本の充実がもたらされた。

もちろん女性の社会的発言力やリーダーシップが発揮され、社会的な場面に限らず、政治の世界にも女性の力が発揮される。図表7・3は、世界の主要国の世辞的領域での女性の占める割合を示したものである。

女性議員の割合(37%)、政策実行に大きな指導力を発揮する大臣ポストのわりあい(41%)を見ると、デンマークは他の先進諸国の中でもぬきんでている。デンマーク以外の北欧諸国も同じように高い割合を維持しているが、この数字と民主主義の発展の度合いは比例している。94頁・


95頁・平成28年4月20日 水曜日

日本は女性の議員数や大臣ポストの数においても他の先進諸国と比較してもかなり低い。深刻化し女性にとっても相当影響ある少子高齢化問題に対して、政治の領域で女性の立場から発言し、行動することが結果的に狭められていることは、日本全体にとって大きな国家的損失と言うべきであろう。

なお、2,003年1月現在のOECD加盟国の女性議員の割合を示すランキングを図表7・3に紹介しているので参照されたい。

デンマークで女性の積極的な政治参加を可能にした素地はかなり古い。19世紀後半頃から女性に地位向上を目指す動きが見られ、1,857年には職業の自由が女性にも与えられる。1,871年には「デンマーク女性協会」が教育を中心として活動を開始している。1,885年に「女性労働者連盟」が結成され、女性も政治活動や労働争議に参加するようになった。1,908年に地方議会への女性の選挙権が認められた、さらに1,915年に憲法改正によって女性や使用人に参政権が与えられた。95頁・


96頁・16/4/20 14時52分

参政権がイギリスで1,918年、アメリカで1,920年、スウェーデンでは1,921年であるので、デンマークはかなり早い時期に女性の政治参加の道を開いたわけである。日本で女性の参政権が与えられたのは敗戦のとし、1,945年でデンマークより30年後である。

1,918年に初めて女性が国会議員に当選し、1,924年には世界(もちろんデンマークでも)最初の女性文部大臣が誕生した。また、1,993年に男女同権省が設置されている。例年デンマークは政党に所属する数に関係なく、全閣僚に占める女性大臣の割合は世界でもトップクラスの国の一つである。28歳という若い女性大臣が出ているが、まだ女性の首相は誕生していない。96頁・


・子育て支援・・育児休業制度・96頁・

デンマークの女性が高い割合で就労している背景には、子育てをしながら仕事を継続できる制度や、働きやすい環境、保育施設の充実などが強力な後押しとなっている。女性が出産後も働き続けるためには、行き届いた子育て支援の制度やサービスが不可欠である。特に共働きが一般的なデンマークでは夫婦が働きながら協力して子育てにかかわれる有給の育児休暇が改正労働市場法(1,994年)によって制度化され、働きながら子育てをする夫婦を支援している。

これによる育児休暇制度を利用できるのは、日割り疾病手当の受給資格がある雇用労働者及び自営業者、日割り失業手当の受給資格のある者、そして生活保護受給者である。九歳未満の子どもを養育する保護者(父親、母親)は、子ども一人につき、それぞれに最高52週間までの育児休業が認められている。96頁・


97頁・16/4/22 5時41分・

しかしこの権利が保障されているのは、(1)一歳未満児の保護者に対する26週間までと、(2)一歳以上八歳までの子どもの保護者に対する13週間で、この場合は雇い主との合意は必要ない。


しかし、それ以上の休暇、(1)の場合だと26週間、(2)の場合だと39週間は雇い主との合意(契約)が必要になる。いずれにせよ、52週、要するに一年間は育児休暇が取得できるわけだが、最近女性の法務大臣が三週間しかとらなかったので、国民からブーイングが出たそうである。制度を推進すべき政府高官の立場でありながら、しかも女性であるのに一年間使える有給の育児制度を有効に使っていない、と言うことであろうか。


育児休業期間中は育児休業手当として、それぞれ受給資格を有する日割り手当の満額が支給されるが、生活保護受給者は金銭扶助の支給額が減額される。また育児休業期間中は、三歳未満児は公立の保育施設は利用できないことになっている。97頁・


98頁・16/4/22 5時51分・

三歳から八歳児の場合は、最高半日まで保育施設を利用できる。自営業者はこの育児休業期間中は事業を中断しなければならない。育児休業期間流、自分で自分の子どものケアをする者には、コムーネは手当とは別に年額3万5,000クローネ(63万円)までの範囲内で補助金を交付できる。98頁・


ここまで

 

ここまで

ここまで

 

 

 


・政治の舞台にも進出・子育て支援・・育児休業制度・産前産後休暇制度・・父親休暇制度・

ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・平成28年4月16日

2016年3月27日 (日)2016年までのブログページをいれて索引・0:28 2016/04/15

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/03/post-af38.html

4/20/2016


2016年4月20日 (水)第6章・成熟した民主主義・第6章・成熟した民主主義・自分たちのことは自分たちで決める。そのための話し合いを納得のいくまで続け、主張する84頁・重要な政策決定や行政による意志決定の過程で、一方的に行政が決めてしまうのではなく、住民を計画段階から関与させ、科学技術は社会をどう強調しあうべきか。これについて科学には素人の人たちが、専門家からの情報にもとづいて判断するコンセンサス会議というものがある。デンマーク国会の技術委員会が1,989年から始めたもので、素人シロウト・の委員を選び、協力してくれる専門家を探して会議を組織する。84頁・http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/684-10de.html

5:00 2016/04/20


2016年4月19日 (火)ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・ 第6章・成熟した民主主義・73頁・・自由の尊重・76頁・・責任ある自由・78頁・・同姓の結婚を認める・79頁・・家族のとらえ方・81・平成28年4月19日

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/67328419-1766.html

10:19 2016/04/19


2016年4月18日 (月) 点数で評価しない・・国民学校・197頁・200頁・どの学校にも理事会組織があり、学校運営に保護者、生徒も加わり、彼えらの意見が十分に反映されている、と言った点を指摘している。201頁・203頁・一人一人を大切なものとして彼らの個性を尊重し、それぞれの能力や才能をできる限り伸ばす。

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/197-dba8.html

8:50 2016/04/18 


2016年4月16日 (土)ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク (MINERVA21世紀福祉ライブラリー) – 2004・2 野村 武夫 (著) 第12章・一人一人を大切にする教育・187頁・6)障害児教育・197

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/minerva21-20042-d374.html

10:30 2016/04/16 


ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク (MINERVA21世紀福祉ライブラリー) 単行本  – 2004/2 野村 武夫   (著)  

福祉最先進国として知られるデンマーク。いったいどんな国なのか。なぜ世界一住みやすい国と言われるのか。福祉教育に長年携わってきた著者が、医療、福祉、環境保護、教育と各方面の最新の動向をレポート、今や福祉政策の世界的な基本理念となったノーマライゼーションという思想を生んだ国の素顔に迫る。  

福祉最先進国として知られるデンマークは一体どんな国なのか。医療、福祉、環境保護、教育と各方面の最新の動向をレポート、福祉政策の世界的な基本理念となったノーマライゼーションという思想を生んだ国の素顔に迫る。

単行本: 225ページ出版社: ミネルヴァ書房 (2004/02)発売日: 2004/02

 目次

第1章・デンマークという国・1頁・

農耕に適した国土・少子化を歯止めがかかる・女王のいる国・国土は狭くとも・・近年は工業国として成長・経済大国ではなく・自由、博愛、平等を求めて、協同組合の設立・農村社会の近代化に貢献・

第2章・世界で最も住みやすい国・19頁・

住みやすさの証明・貧富の差が少ない・平和・・福祉を発展させる条件・デンマーク人の暮らし・余暇を楽しむ・・年間六週間の有給休暇・失業しても安心できる・年金制度・

第3章・充実した医療サービス・35頁・

入院患者の九割が治療サービスに満足・家庭医・・悩み事の相談まで対処・患者の自己決定を尊重・自宅で看取る・

第4章・税金は高くても・43頁・

所得税は50%、消費税は25%・政治意識も高い・負担減でサービス低下には否定的・税金の使い道・貯蓄・・生活の質を豊かにするために・税金は国に預ける貯金・

第5章・大胆なエネルギー政策と環境保護・55頁・

原子力発電計画を放棄・再生可能エネルギーへの転換・地球温暖化防止への挑戦・無限の資源、風をエネルギーに・・風力発電・普及を支える風力電気の買い取り義務制度・廃棄物処理にも高い税金・ゴミの六割をリサイクル・環境に優しいホテル・強力な権限を持つ環境保護NGO・環境保護と福祉は同一線上に・

第6章・成熟した民主主義・73頁・

民主主義の歩みと民衆運動・自由の尊重・責任ある自由・同姓の結婚を認める・家族のとらえ方・大切なことは話し合いで・コンセンサス会議・

第7章・社会を変える女性の力・89頁・

高い就業率が介護や保育の社会化に・政治の舞台にも進出・子育て支援・・育児休業制度・産前産後休暇制度・・父親休暇制度・

第8章・世界に広がるノーマライゼーション・105頁・

バンク・ミケルセンのこと・ノーマライゼーションはヒューマニゼーション・障害者福祉制度の基本理念として・ノーマライゼーションとバリアフリー・びわこミレニアム・フレームワーク・障害者、女性の政策決定への参画・障害者差別禁止法の提唱・

第9章・世界的な水準を誇る高齢者福祉・123頁・

高齢者のとらえ方の変化・高齢者福祉の三原則・三原則はどのように生かされているか・一人一人を大切に・新規のプライイェムは建設禁止・住居の形態・高齢者住宅が主流・オッテラップの介護住宅・

第10章・利用者本位の高齢者ケア・143頁・

統合型ケア・統合型高齢者センター・在宅生活を支えるサービス・予防訪問・高齢者委員会・介護専門職の養成・給料を得ながら学べる・医学や看護を重点に学ぶ・・上級社会保険看護士の教育・

第11章・障害者の権利保障と行政の取り組み・161頁・

障害者福祉の原則・障害者の権利保障・在宅生活支援のサービス・・ソノスー自治体の取り組み・労働をとおして生きがいを・・アッセンスの重複障害者ワークショップ・デイセンター・生活支援センター・・コルディング市・レイフさんを訪ねる・・ケア付きマンションの生活・精神障害者に対する援助・ヘルパーを自分で雇う・・「オーフース方式」・

第12章・一人一人を大切にする教育・187頁・

民主主義をはぐくむ・デンマークの教育制度・点数で評価しない・・国民学校・いじめはほとんどない・教育現場の新しい悩み・

第13章・デンマークから何を学ぶか―人間尊重社会への課題・205頁・

・・人間性尊重社会への課題・福祉の発展と民主主義・教育の目標・生活をともにする全人教育・障害者の地域生活支援・福祉はその社会のあり方の反映・

参考文献・215頁・おわりに・219頁・デンマーク略年表・224頁・

4/16/2016 9:06 AM

 

福祉大国の国民性を知る

教科書ですっと習ってきた、福祉大国としての北欧。一方で聞かされてきた、わが国と比べて異常に高額な税金。

死ぬまで安心。だけど税金がとっても高ーい国。・・・そんな国で生活できる?

 

わたしが北欧に対して、なんとなく抱いてきたこのようなよくわからないイメージを、きれいさっぱり払拭してくれた貴重な一冊です。

 

デンマークを歴史・経済・土地・国民性など、さまざまな視点から国際比較することで、福祉大国としての成立条件が明らかにしていきます。

論調は批判にも肯定にもかたよらず、どちらかといえば淡々と事実を紹介していきますので、

デンマーク的なやり方が正しいかそうでないかの判断は、あくまで読者に任せられていると感じました。

 

そういうことで、内容は濃いのですが、けっしておしつけがましくないのも美点です。

 

ただひとつ明らかなことは、デンマークで生きていくためには、高い自己決定を求められるということでしょう。

日本とデンマークにもっとも大きなちがいがあるとすれば、これかもしれません。

8:24 2016/04/16

 

http://www5.synapse.ne.jp/takita/oomae%20kenniti%20%20gyousei.html#jititai

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15:40 2016/04/12

 

引用・自治体をどう変えるか (ちくま新書) [新書]  佐々木 信夫 (著)

自治体をどう変えるか (ちくま新書) [新書]  佐々木 信夫 (著)

財政規律を失った国家の破綻、存在感が薄れる府県、平成の大合併など、わが国はいま明治維新、戦後改革に次ぐ、大改革が求められる「第三の波」に遭遇している。行政活動の三分の二を担う地方は、二〇世紀の集権下で行われてきた他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。豊富なデータに基づく具体的な提言を行いながら、「官」と「民」の関係を問い直し、分権下の地方自治、新たな自治体経営の方向を示す。

内容(「MARC」データベースより)

 

明治維新、戦後改革に次ぐ「第三の波」に遭遇している今、地方は他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。現実を見据えた分析に基づき、「官」と「民」の関係を問い直し、新たな自治体経営の方向を示す。

平成28年2月26日 金曜日

新書: 254ページ出版社: 筑摩書房 (2006/10)発売日: 2006/10

はじめに・9頁・

目次

第1章 変化する行政環境・17頁・

・1・構造改革の潮流・17頁・

・2・国から地方へ・20頁・

・3・官から民へ・23頁・

・4・経済環境の変化・26頁・

・5・労働市場、職業観の変化・29頁・

・6・成長戦略の危なさ・33頁・

・7・新たな「公共」の台頭・37頁・

第2章 地方分権―国と地方の攻防・43頁・

・1・地域格差をどう見る・43頁・

・2・争点化する「地方」のあり方・43頁・

・3・国土の均衡から個性化へ・56頁・

・4・地方再生のアイディア・60頁・

第3章 政策官庁としての自治体・63・

・1・地方分権の意義・63頁・

・2・マニフェストと政治・69頁・

・3・政策官庁をめざす・73頁・

・4・経営改革の実践・77頁・

・5・政策スタイルの転換・83頁・

第4章 自治体の政策活動・87・

・1・政策をつくる意義・87頁・

・2・政策過程とは何か・92頁・

・3・政策を形成する・97頁・

・4・政策を評価する・104頁・

・5・問われる行政責任・108頁・

第5章 議会をどう変えるか・・115頁・

1、議会は政治の中心・115頁・

「自治体の決定者」

「官から民へ」の構造改革は、民間経済を活性化させた一方で、地方に様々な「格差」を生じさせた。今後、日本の政治は強者の論理ではなく、「弱者」の論理に立って組み立てなおす必要がある。とくに生活を守る地方政治の視点はそこに注がれよう。

日本の行政は三分の二が地方自治体によって担われている。これだけの地方の活動量が大きい国はカナダと日本ぐらいだが、その中で特に予算や条例、政策を決める地方議会のあり方が問題となる。なぜなら、地方議会が自治体活動の基本的な意思決定者だからである。

116頁、

現在、都道府県、区市町村を合わせて約45,000人の地方議員がいる。彼らは非常勤の特別職公務員として、地域の世話役から政策決定まで幅広く活動している。議員の数が多い、報酬が高い、条例提案が少ない、住民の意見を聞かないなど様々な批判もあるが、大事なことは自己決定・自己責任を求められる地方政治の中心は議会であるという点だ。

2/13/2014 2:44:10 PM

「脇役から主役へ」

2000年の分権改革で日本の地方議会の権限は飛躍的に拡大した。それまで自治体はあたかも国の下部機関のように、自治体業務の七、八割りを国の機関委任事務の執行に費やしてきた。大臣の地方機関として首長を位置づけ、国の業務を執行委任するという機関委任事務制度が存在したからで、これについて地方議会は審議権も条例制定権も予算の減額修正権も持たなかった。

自治体においては議会は「脇役」の存在に過ぎなかった。

だが、分権改革でこの制度は全廃された。議会は自治体の全ての業務に審議権も条例制定権も持ち、全てが予算審議の対象になった。不必要な仕事はなくすることもできるようし、予算を修正することも可能だ。まさに議会が地方政治の「主役」に躍りだしたのである。

法改正で年四回に限られていた定例会の回数制限もなくなった。年間70日程度しか開かれなかった地方議会を「通年議会」とすることも可能である。これから地方議会をどう変えるのか、地方から日本の政治を変える試金石となる。

117・

2議会に期待される役割・117頁・

「議会とは何か」

地方自治の政治機関は首長と地方議会である。議会には地域住民の意思と利益を代表し、条例、予算、主要な契約などを決定する役割と、それを執行する執行機関を監視する役割がある。さらに地域内の利害を調整し、地域社会をまとめ上げ安定させる役割もある。議会は討論に始まり討論に終わる。議会は「万機公論」に決するところに存在の意義がある。

同時に、議会は民意を鏡のように反映する住民参加の広場でもある。本来、住民にとっての拠り所は、執行機関でなく、議決機関である議会にあると言っても過言ではない。ひろく住民代表として選ばれた多数の議員からなる議会は、地域のニーズ、職層のニーズ、年齢層のニーズ、性別の違いから生じるニーズを幅広く自治体行政に反映できる住民の窓口と言ってよいからである。

118・

しかし、どうも現実は違う。様々なルートを通じて住民との対話を深めているのは首長である。残念ながら議会は、個々の議員はともかく、機関としての議会は組織的に住民との対話を進めている様相はない。制度的に期待されている役割と実際の運営にこれだけ大きなギャップがある機関もめずらしい。その点、地方議会は危機にあると言ってもよい。

「待ったなし議会改革」

議会の位置づけが脇役から主役に変わった。しかし、議会改革の動きは鈍い。確かにこれまで議会も改革努力をしている。だがそれは行革型の議会改革、定数減などの量的改革に止まり、立法機能の強化など議会の質的改革には至っていない。

議会の位置が単なるチェック機関から立法機関へと構造的な変化を遂げているにもかかわらず、それに応える自覚的な改革が行われえいない。多くの議員に役割変化お認識が乏しいからではないか。

これまで地方議会は自治体改革の中で「聖域」に近い存在だった。確かに首長サイドから議会改革を提案すること自体、お門違いであろう。しかし、そのことが議会を聖域化し改革を遅らせたかもしれない。選挙で当選したものは絶対的存在と思っているなら、あまりにも狭量な発想だ。世界の地方議会は若者、女性の登用を含めどんどん変化している。

今後は、選挙年齢を18歳に引き下げるなど、どんどん質を高める改革を進めなければならない、もはや議会も「聖域なき改革」の対象と言わなければならない。

119頁、

「重要さます政治」

地方議会に限らないが、政府の活動は「政治」があって「行政」がある。行政機関の意思を追認するのが政治の役割ではない。先導的に将来ビジョンを示し、規制秩序を変え、主要な公共的決定を行うのが政治の役割であり、そのもとで執行機能を担うのが行政の役割である。決定領域の拡大する地方分権が進むと、地方政治は飛躍的に重要さが増す。

今後、財政状況はますます厳しくなろうし、少子高齢化も進もう。財政破綻や地域の崩壊が現実化するかもしれない。そうならないよう自治体の舵をしっかり取る。そこでの政治的な決断、経済的な判断が自治体の死命を制することになる。

かつて炭鉱で栄えた北海道の夕張市が国の管理下で再建を進める財政再建団体になることを申請した。観光事業の失敗も響き、雪だるま式に借金が増え、一般会計120億円の財政規模に対し外郭団体まで含め600億円を超える負債を抱え、事実上財政破綻した。

毎年出る赤字を短期借入金で糊塗する財政運営に対し、議会はチェック機能すら果たせなかった。予算も決算も執行部提案どおり追認してきた結果がこの始末だ。破綻の責任は議会にもある。議会が機能せず、舵取りを間違うとこうした結果を生む。今後そうした破綻予備軍の自治体は少なくない。改めて決定者である議会のあり方が問われている。

120・

「二元代表性」

日本の地方自治は、首長と議員をともに有権者の直接投票で選ぶ「二元代表制」を制度の根幹にすえている。これは国会議員だけを直接選挙で選び、あとは国会が内閣総理大臣を指名し、内閣総理大臣が執行機関としての内閣を組織する「一元代表制」を採用する国の制度とは、根本的に異なっている。

そもそも二元代表制は、首長に執行機関の役割を、議会に議決機関の役割を期待し、双方の機関が原則独立の関係にある制度(大統領)である。ただ日本の場合、住民が代表を選ぶ過程では大統領制度的な手法を取りながら、自治体の運営過程では議会に首長の不信任議決権を与え、首長に議会解散権を与えるという議院内閣制的な手法を加味している。

しかも住民は、いったん選んだ首長と議員について、有権者の三分の一以上の署名をもって任期途中での解職を請求し、議会の解散を求めるリコール権を持っている。これは地方自治の成熟しているアメリカなどにも見られない極めて独特な制度だ。首長と議会と有権者という三つの機関が、相互に抑制的均衡関係を保てるよう工夫されているのである。

二元代表制は、議会と首長に対し、お互いに住民を代表する政治機関として、民意の反映を競い合う関係を求めている。

121・

しかし現実は、首長優位と言われるように、圧倒的に執行機関が強く、議会は執行機関の提案を追認する形になっている。本来は、そうあってはならない。議会は政治機関として、提案された議案を審議決定するだけでなく、自らが提案者でなければならない。

議会の強みは、民意を鏡のように反映できる点にある。多様な地域、多様な職域から選ばれた議員は、多様な意見を持っている。それを政策に反映できるよう議会に環境グループ、福祉グループ、産業グループといった多様な政策集団をつくり、現場から鋭く問題を提起し解決策をどんどん政策として提案するなら、地方議会の評価は大きく変わろう。

3・行革としての議会改革・121頁・平成28年2月26日

「役割意識の改革」

誤解を恐れずに言うと、首長は政治家ではあるが執行機関(行政)の代表であって、支持決定の中心者とは言えない。議会制民主主義において、自治体における政治機関の中心は政治家集団からなる議会である。

122・

その議会は、第一に政策や予算の決定者、第二に執行機関の監視者、第三に政治争点の提起者であり、制作の提案者である。

「1・政策や予算の決定・・執行機関への監視・・争点定期と政策提案・・」

だが、これまでの議会は執行機関を監視する役割・2・のみが重視され、政策決定者・や争点提起者、政策提案者・の役割は手薄な状況にあった。議会はチェック機関だという見方がこれである。

しかし、これではならない。もっとも、議員自身に聞くとその役割認識は本来の姿からはまだ遠い。慶応大学の政治研究グループが調査した議員(都道府県)の役割認識に関する調査によると、県会議員の仕事は第一位が政策の審議決定であり、第二位が世話役・相談役、第三位が行政監視・批判だという。政策立案については第四位に止まっている。

これが市町村議員になると、図にはないが「世話役・相談役」と「行政監視・批判」の役割が上位を占めるようになる。

この認識の違いはやはり問題であろう。市町村議員とて地域の世話役を中心に活動する時代は終わったのではないか。政策立案や政策審議に多くの時間を割くのが、これから期待される議員の役割である。

123頁、14/2/14 6時29分14秒・

これまでも議会は政策努力を続けている。しかし、その本質は、政治改革としての議会改革ではなく、行政改革としての議会改革に止まっている。議員定数の削減など「量的」な面の改革が中心だった。今後もこうした面での改革努力は必要だが、それが議会改革の本丸ではない。分権化に伴う議会改革の本丸は政治の「質」を高める改革、つまり政治改革としての議会改革である。

「議員定数の問題」

よく議員が多過ぎると言われる。それに応えようと各議会は議員数を削減してきた。これまで市議会は全国ベースで見ると法定定数の25%に当たる6000名を削減している。さらに、平成の大合併で旧町村議員を中心に1万人近い議員の削減が行われている。

124頁、平成26年2月14日・平成28年2月26日 金曜日

 

 

 

 

第6章 急がれる公務員改革・139頁・

・1・公務員問題とは何か・139頁・

・2・公務員改革の動き・142頁・

・3・NPMと公共ビジネスマン・144頁・

・4・人事行政・風土を変える・149頁・

・5・やる気を引き出す改革・153頁・

・6・人材育成の新たな視線・158頁・

第7章 深刻化する財政危機・163・

・1・財政再建待ったなし・163頁・

・2・地方財政の窮乏・166頁・

・3・三位一体改革・169頁・

・4・交付税をどうする・173頁・

・5・補助金をどうする・179頁・

・6・自治体の財政再建・182頁・

・7・財政破綻の回避・184頁・

第8章 市町村の将来―合併後・191・

・1・地域力の発想・191頁・

・2・平成大合併の特徴・195頁・

・3・平成大合併の意義・199頁・

・4・メリット・デメリット論争・201頁・

・5・公共サービスの適正規模・203頁・

・6・これからの合併問題・212頁・

・7・合併後の自治体経営・218頁・

第9章 府県の将来―道州制・221・

・1・なぜ道州制か・221頁・

・2・道州制の提言・226頁・

・3・道州制の導入の課題・231頁・

・4・道州制のゆくえ・234ぺーじ・

終章 国のかたち―分権国家・239・

・1・めざす国家像・239頁・

・2・さらなる分権改革を・246頁・

あとがき・251頁・平成28年2月26日

 

 

自治体は変われるのか地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

 

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

 

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし

著者の意見を好き勝手にしゃべっているだけ。飲み屋の親父談義。

5つ星のうち 5.0  自治体は変われるのか, 2009/7/20

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。そんなことを考えさせる一冊だった。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし, 2013/9/28

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

著者の意見を好き勝手にしゃべっているだけ。飲み屋の親父談義。

5つ星のうち 5.0  新たな自治体、新たな「公」の実現法, 2006/11/1

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

 

地方分権→地方主権のアイデア、事業官庁→政策官庁への提言、新たな「官」と「民」の役割と新たな「公」の実現アイデア、議会改革提案党等の豊富な提言がたくさん。新鮮で、大いに参考となる。それぞれの立場で参考として、改革に向け役割を果たす、ベースとなりうる。

5つ星のうち 5.0  知識が整理された, 2006/11/23

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

 

2000年に地方分権一括法が施行され、さらには地方自治体の合併が進みました。その結果、どうのように自治体は変わったか、変わろうとしたかについて検証し、また将来のあり方を述べた本です。将来の予測に関しても、良い点と注意点、メリットとデメリットという風にしっかりと先を見据えているので理解が進みました。

自治体の財政や政策、行政など地味な分野ですが、新聞などから得ていた断片的な知識がすっきりと整理されました。

14:28 2014/02/13

 

 

 

 

 

新たな「日本のかたち」 脱中央依存と道州制 [新書]佐々木 信夫 (著)

明治以来続く「中央集権体制」はすでに時代に合わず、いろんなところで限界を迎えている。広域圏を内政の拠点に、特色あふれる地域をつくり出す「道州制」への移行こそが急務である。自公政権に戻り「道州制基本法」が成立すれば、国の枠組みを変える取り組みが加速。地方をどう再生し、東京一極集中をどう解消するのか。新しい時代に合うよう規制を緩和し、ムダを省き、住民サービスを向上させる「新たな統治機構」へ刷新する。都庁の経験があり、現在は、大阪市・府特別顧問でもある著者が、道州制の道筋と日本再生について提言する。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

道州制移行か、大増税か岐路に立つ日本、あなたはどちらを選ぶ?地方をどう再生し、東京一極集中をどう解消するのか。新しい時代に合うよう規制を緩和し、ムダを省き、住民サービスを向上させる「新たな統治機構」へ刷新する。都庁の経験があり、現在は、大阪市・府特別顧問でもある著者が、道州制の道筋と日本再生について提言。

 

新書: 270ページ出版社: 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)

言語: 日本語発売日: 2013/3/9

目次

第1章 なぜ中央集権は限界か

第2章 分権社会は暮らしをよくする

第3章 道州制―そのイメージ

第4章 道州制をめぐる諸論点

第5章 東日本大震災と「東北州」

第6章 東京はどうなる?どう変える?

第7章 大阪をどうする?大阪都構想の行方

第8章 政令都市、地方の将来

終章 道州制をめぐるQ&A

 

自治体をどう変えるか (ちくま新書) [新書]  佐々木 信夫 (著)

 

財政規律を失った国家の破綻、存在感が薄れる府県、平成の大合併など、わが国はいま明治維新、戦後改革に次ぐ、大改革が求められる「第三の波」に遭遇している。行政活動の三分の二を担う地方は、二〇世紀の集権下で行われてきた他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。豊富なデータに基づく具体的な提言を行いながら、「官」と「民」の関係を問い直し、分権下の地方自治、新たな自治体経営の方向を示す。

 

明治維新、戦後改革に次ぐ「第三の波」に遭遇している今、地方は他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。現実を見据えた分析に基づき、「官」と「民」の関係を問い直し、新たな自治体経営の方向を示す。

新書: 254ページ出版社: 筑摩書房 (2006/10)発売日: 2006/10

目次

第1章 変化する行政環境

第2章 地方分権―国と地方の攻防

第3章 政策官庁としての自治体

第4章 自治体の政策活動

第5章 議会をどう変えるか

第6章 急がれる公務員改革

第7章 深刻化する財政危機

第8章 市町村の将来―合併後

第9章 府県の将来―道州制

終章 国のかたち―分権国家

自治体は変われるのか

地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

 

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

 

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし著者の意見を好き勝手にしゃべっているだけ。飲み屋の親父談義。

0  自治体は変われるのか, 2009/7/20

 

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

 

地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

 

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

 

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。そんなことを考えさせる一冊だった。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし, 2013/9/28

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

著者の意見を好き勝手にしゃべっているだけ。飲み屋の親父談義。

 5つ星のうち 5.0  新たな自治体、新たな「公」の実現法, 2006/11/1

: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

 地方分権→地方主権のアイデア、事業官庁→政策官庁への提言、新たな「官」と「民」の役割と新たな「公」の実現アイデア、議会改革提案党等の豊富な提言がたくさん。新鮮で、大いに参考となる。それぞれの立場で参考として、改革に向け役割を果たす、ベースとなりうる。

5つ星のうち 5.0  知識が整理された, 2006/11/23

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

2000年に地方分権一括法が施行され、さらには地方自治体の合併が進みました。その結果、どうのように自治体は変わったか、変わろうとしたかについて検証し、また将来のあり方を述べた本です。将来の予測に関しても、良い点と注意点、メリットとデメリットという風にしっかりと先を見据えているので理解が進みました。

自治体の財政や政策、行政など地味な分野ですが、新聞などから得ていた断片的な知識がすっきりと整理されました。

6:20 2014/02/08佐々木 信夫(ささき・のぶお)/中央大学経済学部教授専門分野 政治学  1948年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了、法学博士(慶應義塾大学)。東京都庁勤務を経て、89年聖学院大学教授、94年中央大学教授。2000年米カリフォルニア大学(UCLA)客員研究員、2001年から中央大学大学院経済学研究科教授・経済学部教授。専門は行政学、地方自治論。日本学術会議会員(政治学)、大阪市・府特別顧問、国会超党派道州制懇話会有識者委員など兼任。近著に『都知事―権力と都政』(中公新書)、『新たな「日本のかたち」』(角川SSC新書)、『地方議員』(PHP新書)、『大都市行政とガバナンス』(中大出版部)、『日本行政学』『現代地方自治』(学陽書房)など。NHK地域放送文化賞受賞。NHK「視点論点」、東京MXTVニュース、新聞、雑誌の解説ほか、各地の講演多数。 .

6:40 2014/02/08


平成28年2月26日 金曜日龍郷町の皆様・自治体の龍郷議員に大いに活躍して雇用を増やす・・・

1、議会は政治の中心「自治体の決定者」

「官から民へ」の構造改革は、民間経済を活性化させた一方で、地方に様々な「格差」を生じさせた。今後、日本の政治は強者の論理ではなく、「弱者」の論理に立って組み立てなおす必要がある。とくに生活を守る地方政治の視点はそこに注がれよう。

日本の行政は三分の二が地方自治体によって担われている。これだけの地方の活動量が大きい国はカナダと日本ぐらいだが、その中で特に予算や条例、政策を決める地方議会のあり方が問題となる。なぜなら、地方議会が自治体活動の基本的な意思決定者だからである。


116頁、大事なことは自己決定・自己責任を求められる地方政治の中心は議会であるという点だ。「脇役から主役へ」

2000年の分権改革で日本の地方議会の権限は飛躍的に拡大した。それまで自治体はあたかも国の下部機関のように、自治体業務の七、八割りを国の機関委任事務の執行に費やしてきた。大臣の地方機関として首長を位置づけ、国の業務を執行委任するという機関委任事務制度が存在したからで、これについて地方議会は審議権も条例制定権も予算の減額修正権も持たなかった。

自治体においては議会は「脇役」の存在に過ぎなかった。

だが、分権改革でこの制度は全廃された。議会は自治体の全ての業務に審議権も条例制定権も持ち、全てが予算審議の対象になった。不必要な仕事はなくするることもできるようし、予算を修正することも可能だ。まさに議会が地方政治の「主役」に躍りだしたのである。

117・2議会に期待される役割「議会とは何か」

地方自治の政治機関は首長と地方議会である。議会には地域住民の意思と利益を代表し、条例、予算、主要な契約などを決定する役割と、それを執行する執行機関を監視する役割がある。さらに地域内の利害を調整し、地域社会をまとめ上げ安定させる役割もある。議会は討論に始まり討論に終わる。議会は「万機公論」に決するところに存在の意義がある。

同時に、議会は民意を鏡のように反映する住民参加の広場でもある。本来、住民にとっての拠り所は、執行機関でなく、議決機関である議会にあると言っても過言ではない。ひろく住民代表として選ばれた多数の議員からなる議会は、地域のニーズ、職層のニーズ、年齢層のニーズ、性別の違いから生じるニーズを幅広く自治体行政に反映できる住民の窓口と言ってよいからである。

滝田 好治・大勝3113-1・☎69-3195

takita@po.synapse.ne.jp


 

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