«  点数で評価しない・・国民学校・197頁・子どもは授業を受ける機会ではない。あくまでも人間として尊重することが大切だ」と語った言葉が印象的だった。200頁・どの学校にも理事会組織があり、学校運営に保護者、生徒も加わり、彼えらの意見が十分に反映されている、と言った点を指摘している。201頁・203頁・一人一人を大切なものとして彼らの個性を尊重し、それぞれの能力や才能をできる限り伸ばす。 | メイン | 第6章・成熟した民主主義・自分たちのことは自分たちで決める。そのための話し合いを納得のいくまで続け、主張する84頁・重要な政策決定や行政による意志決定の過程で、一方的に行政が決めてしまうのではなく、住民を計画段階から関与させ、科学技術は社会をどう強調しあうべきか。これについて科学には素人の人たちが、専門家からの情報にもとづいて判断するコンセンサス会議というものがある。デンマーク国会の技術委員会が1,989年から始めたもので、素人シロウト・の委員を選び、協力してくれる専門家を探して会議を組織する。84頁・ »

2016年4月19日 (火)

ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・ 第6章・成熟した民主主義・73頁・・自由の尊重・76頁・・責任ある自由・78頁・・同姓の結婚を認める・79頁・・家族のとらえ方・81・・大切なことは話し合いで・83頁・


引用


第6章・成熟した民主主義・73頁・平成28年4月19日・


民主主義の歩みと民衆運動・74頁・



デンマークがなぜ進んだ福祉を実現することができ、そして生活大国としての発展が可能になったのか。その間に対しては、この国の民主主義について、その歩みや中身を知ることでその答えを見いだすことができるだろう。なぜなら福祉の制度やサービスの根底にあるのは、言うまでもなく人間の自由と尊厳を大切にし、人格として認めあり、人権を尊重するという価値観があるが、この価値観は民主主義の根底を支える根本的な原理であるからだ。


デンマークは10世紀から始まる古い王国で、17世紀後半から1,848年までは絶対王政による支配が続いた。しかし、その間に農民を中心として、自由と平等を求める農民運動が台頭する。


農民運動は勢いを増し、1,788年に半世紀にわたって農民の自由な移動を規制していた「土地緊縛制度」を廃止させるほど高まる。この農村での改革によって、次第に土地を保有する農民層の増大と古い農村共同体の解体が進んだ。農村社会の変化は、社会の矛盾に対する農民の意識の高めるとともに、自分たちの生活改善を目指す素地を育てたのである。


さらにデンマークでは18世紀のヨーロッパで大きな広がりを見せた啓蒙思想の影響や、近代的な義務教育制度(1,814年)の普及と識字率の向上などによって、農村地域で1,820年代の最初の民衆運動(宗教的覚醒運動)が起こる。この運動によって信仰に目覚めた人々による宗教集会、聖書による信仰の錬磨がはかられ、同時にそれは日常生活に根ざした彼らの個人的な価値観を創出する内的な力となった。74頁・


75頁・平成28年4月19日 火曜日


76頁・1,830年代には「近代デンマーク精神の父」とされるグルンドヴィ1783~1872)の感化を受けた人々がグルントヴィ派を組織する。彼らは後に社会の民主化目指すようになる。また、対話と相互作用による全人教育を目指したグルントヴィの教育理念は、こく民高等学校を生み出し、この学校の出身者たちの中から政治的社会的関心に目覚めた人々がデンマークの民主化運動の担い手となった。


このような草の根とも言える民衆の民主化のエネルギーは、1,848年の絶対王政を終焉させ、自由憲法制定を現実のものとする。さらに自由、平等、社会的権利が確立するに従い、19世紀後半以後の民主主義を基礎とする近代国家を実現させた。20世紀に入ってさまざまな社会保障や福祉政策が次々と制度化され、今日のような世界的にも高い水準を誇る福祉国家に発展する。まさに民主主義の発展があってこそ福祉の充実を見ることができたと言ってよい。

前章で述べたことだが、デンマークが原発によるエネルギー確保を放棄したいきさつの中で、当時の政府が原発推進に傾いていたとき、政府に対抗して原発の安全性や廃棄物処理の困難性などの問題から、原子力に変わるエネルギー源として風力発電の導入推進を実現させたのも民衆運動の成果だと言われている。76頁・平成28年4月19日 火曜日・


・自由の尊重・76頁・


伝統的にデンマークはできるだけ個人の自由を認める傾向が強い国である。個人の価値観、生き方、職業、教育、ライフスタイルなど、とのような形を選択するのは基本的には個人の自由である。76頁・


77頁・自由が尊重されると言うことは自己決定の大前提だ。だからできるだけ個人の自由を認めると言うことは、その人の自己決定を尊重しようと言うことである。

筆者はいろいろなプライイェム(ナーシングホームのこと。個室が建前だが日本で言う特別養護老人ホームに近い)を訪問したが、何時に寝ようが、起きようが、また何時に食事を取るか、食堂で食べるか、自分の部屋でとるか、いつシャワーを使うか、全く自由である。自由であるので今まで通りの仕方で生活を続けることができる。


プライイェムはすべて個室であるので、自分の好きなやり方で生活ができる。個室と言っても、リビングルーム、寝室、簡単な厨房設備、トイレとシャワー付きが一般的だ。そんな恵まれた生活環境だから自由に自分らしい生活の仕方ができると言えばそれまでだが、そのようなプライイェムでも新規に建設することは法律で禁止されている。


日本では考えられないことだが、なぜ禁止されているのか。デンマークでは介護が必要となる高齢者を、施設ではなくできる限り在宅で生活できるよう支援するのが原則となったためである。別に理由としては、たとえ恵まれた個室であっても、プライイェムが施設である以上、個人の自由な生活が何らかの形で制約されることになる。それは自由な生活を営む権利を制限するものであるし、人間的ではないというのがその理由。77頁・平成28年4月19日・


・責任ある自由・78頁・


学校でも、教師はできるだけ生徒達をコントロールするのではなく、生徒のやりたいことをやらせる。

ボーゼンセにある国民学校を訪問したときのこと。ここは幼稚園から、中学までが一つになっている学校だが、ある幼稚園クラスを見学したとき、絵を描いている子ども、おもちゃで遊ぶ子ども、友達と遊んでいる子どもなどさまざまだったが、その中で女の子が一人お弁当を食べていたのが目に入った。教室には先生がいるが、特にその女の子に注意する様子はない。

日本だと弁当は決まった時間に皆で一緒に食べるのが普通だが、それがごく当たり前のような光景だったのが印象的だった。先生は子ども達にものを大切にすることと、後片付けはちゃんとすることは守らせるが、それ以外自由にさせているとのことだった。自由な雰囲気を大切にすると言うのがこの学校全体の方針のようだ。

しかし、自由だからと言って何をしてもよいというわけではない。自由にはいつも責任が伴う。自己決定は尊重されるが、その自由を行使したことに対しては責任を負わなければならない。78頁・


79頁・平成28年4月19日 火曜日

デンマークでは責任ある自由と言うことをよく耳にした。


学校教育の運営に関しても、大きな教育方針や目標は文部省で決めているが、学校独自の教育目標、教科書や教材などはそれぞれの学校で自主的に決めることができる。学校教育以外でも行政サービスの地方分権が進んでいて、福祉や医療の分野でも地方自治体の自由裁量の範囲をできるだけ広く認めていこうとしている。それは福祉や医療サービスは、住民の一番身近なところが責任を持って取り組む方が、実際的でより効果があるという考え方によっている。79頁・


・同姓の結婚を認める・79頁・


自由を大切にし、自由を損なうものには抵抗し打破するデンマークの国民性は、1,733年に始まった「土地緊縛制度」を撤廃に追い込んだ農民層の抵抗、18世紀の啓蒙思想やグルントヴィの教育運動、宗教的覚醒運動を端とした民衆運動、さらに1,849年の自由憲法制定など、一連の出来事に見られるように、民衆の民主化の高まりを糧にしながら形成されてきたと見てよい。当時力を蓄えた民主主義的価値を基盤に置く民衆運動の潮流が、その後の国民の生活様式や社会規範、文化的側面にも影響を与えるようになる。


1,960年代に見られたいくつかの現象は、デンマークを開かれた自由な社会へと導くものであった。たとえば、1,967年のポルノグラフィー文書とポルノ図画の解禁、70年の堕胎を当事者の判断に委ねる法の制定、70年代のウーマンリブ運動を経て、89年には同性愛者の「登録パトナーシップ制」を法制化して、デンマークは同姓の結婚を世界で最初に認める国となった。79頁・


80頁・平成28年4月19日 火曜日

報道についても、この国は最も自由な国の一つである。

2,001年にアメリカの民間団体「フリーダムハウス」が、ニュースの内容に影響を与える法律屋規制、政治権力や経済界からの圧力や検閲の度合いから採点して自由度を六段階に分けた。Aが最も自由で、Bが自由、Cはやや自由、Dハヤや不自由、そしてFが最も不自由という分類である。A(最も自由)にはデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイルランドの北欧五ヶ国のほか、オーストラリア、ベルギー、ドイツ、オランダ、ニュージーランドなど16ヶ国が並ぶ。B自由)はカナダ、フランス、イタリア、日本、韓国、台湾、アメリカ、イギリス、など58ヶ国・地域で、C(やや自由)にはインド、ブラジル、メキシコなど21ヶ国となっている。


D(やや不自由)はインドネシア、ロシア、パキスタンなど29ヶ国、E(不自由)にはイラン、マレーシア、シンガポールなど32ヶ国が上げられ、そして、最も不自由のFにはイラク、中国、朝鮮民主主義人民共和国、キューバなど28ヶ国・地域が入っている。この調査報告で見ると、概して報道の自由と民主主義の度合いは比例しているように見える。80頁・


・家族のとらえ方・


伝統的な価値観や見方から脱却した自由で新しい理解の中では、家族のとらえ方も日本とは大きく違っている。デンマークでは一人一人が家族を構成する独立した単位としているので、単身者であっても「世帯」ではなく、「単身者を基礎とする家族」として位置づけている。80頁・


81頁・だから片親と子どもの場合であっても「シングル・ペアレント・ファミリー」として正式な家族として分類される。社会の成り立ちを考えると、デンマーク社会が「個人単位制社会」であるとするなら、日本の場合は「夫婦・家族制単位制社会」と見ることができるだろう。

日本では伝統的なとらえ方として、家族とは両親と子どもで構成すると理解されることが多いので、片親と子どもだけの家族を「欠損家族」という場合がある。デンマークでは一人一人が家族を構成する単位なので、欠損家族という扱いはなく、少なくとも「欠損」というような差別的なとらえ方はしない。

また、日本のように婚姻届を出さないと法律上の夫婦とされないとのと違って、事実婚が認められているので、生みの親が非法律婚だからと言って子どもが法的に、また社会的に差別されることはない。親同士の婚姻形式と子どもの自身の立場は別個のものというとらえ方が一般的だからである。


デンマークに限らず、事実婚が広く容認されている北欧諸国やヨーロッパ北部の国では、婚外子が全体の子どもに占める割合も高い(図表6/1参照)。同姓であっても「登録パートナーシップ制」によって結婚が認められているので、同じ住居であっても「登録パートナーシップ制」によって結婚が認められているので、同じ住居に二世代までの複数の人が住んでさえいれば、婚姻、血縁、性別に関係なく家族として見なされる。

だから、誰がどんな形でどういう関係で家族となっているかは他人にとってはどうでもいいことになる。夫婦は共働きが一般的であるので、経済的に依存し合うことが少なく、純粋に愛情だけで結びついており、家族の内面的なつながりを大切にする傾向が強いようだ。81頁・


・大切なことは話し合いで・83頁・


新しいことを決める場合にお互いに意見を自由に出し合いながら決める、一人一人の利害にかかわることは当事者同士の話し合いによって一致点を見出す、これは民主主義の基本的ルールである。

お互いの意見を大切にしながら、できるだけ多くの人の理解を得て物事を決め実行に移すことは、健康的で開かれた社会を育てる上で不可欠なことである。


デンマークでは国民に関係する重大な政策はもちろんだが、日常の生活に大きな影響を与える事柄については話し合いで決めたり、市民の意見を行政に反映させることの大切にしてきた。たとえば、ゴミの焼却から排出されるダイオキシン類の汚染が湖底に及ぼす影響が指摘されると、1,970年ダイン法律で規制され、その家庭で市民の意見が反映された形で焼却炉の技術改良がなされた。さらに政府の環境省がリーダーシップを発揮して、ポリ塩化ビニールを用いた製品の規制を他国に先駆けて実行した。


また再生可能な自然エネルギーによる電力確保は、単に地球温暖化の原因になる二酸化炭素排出防止と言うことだけではない。自然エネルギー導入が、地域の雇用創出とともに、その導入を巡って地域住民と行政が直接対話を重ねるので、これが民主主義の活性化につながるという効果が期待されているという。

83頁・


2016年4月20日 (水)第6章・成熟した民主主義・第6章・成熟した民主主義・自分たちのことは自分たちで決める。そのための話し合いを納得のいくまで続け、主張する84頁・重要な政策決定や行政による意志決定の過程で、一方的に行政が決めてしまうのではなく、住民を計画段階から関与させ、科学技術は社会をどう強調しあうべきか。これについて科学には素人の人たちが、専門家からの情報にもとづいて判断するコンセンサス会議というものがある。デンマーク国会の技術委員会が1,989年から始めたもので、素人シロウト・の委員を選び、協力してくれる専門家を探して会議を組織する。84頁・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/684-10de.html

5:00 2016/04/20


・自由の尊重・責任ある自由・同姓の結婚を認める・家族のとらえ方・大切なことは話し合いで・コンセンサス会議・

4/19/2016 9:29:22 AM


ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・平成28年4月16日 

ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク (MINERVA21世紀福祉ライブラリー) 単行本  – 2004/2 野村 武夫   (著)  

福祉最先進国として知られるデンマーク。いったいどんな国なのか。なぜ世界一住みやすい国と言われるのか。福祉教育に長年携わってきた著者が、医療、福祉、環境保護、教育と各方面の最新の動向をレポート、今や福祉政策の世界的な基本理念となったノーマライゼーションという思想を生んだ国の素顔に迫る。  


福祉最先進国として知られるデンマークは一体どんな国なのか。医療、福祉、環境保護、教育と各方面の最新の動向をレポート、福祉政策の世界的な基本理念となったノーマライゼーションという思想を生んだ国の素顔に迫る。

単行本: 225ページ出版社: ミネルヴァ書房 (2004/02)発売日: 2004/02

 目次

第1章・デンマークという国・1頁・

農耕に適した国土・少子化を歯止めがかかる・女王のいる国・国土は狭くとも・・近年は工業国として成長・経済大国ではなく・自由、博愛、平等を求めて、協同組合の設立・農村社会の近代化に貢献・

第2章・世界で最も住みやすい国・19頁・

住みやすさの証明・貧富の差が少ない・平和・・福祉を発展させる条件・デンマーク人の暮らし・余暇を楽しむ・・年間六週間の有給休暇・失業しても安心できる・年金制度・

第3章・充実した医療サービス・35頁・

入院患者の九割が治療サービスに満足・家庭医・・悩み事の相談まで対処・患者の自己決定を尊重・自宅で看取る・

第4章・税金は高くても・43頁・

所得税は50%、消費税は25%・政治意識も高い・負担減でサービス低下には否定的・税金の使い道・貯蓄・・生活の質を豊かにするために・税金は国に預ける貯金・

第5章・大胆なエネルギー政策と環境保護・55頁・

原子力発電計画を放棄・再生可能エネルギーへの転換・地球温暖化防止への挑戦・無限の資源、風をエネルギーに・・風力発電・普及を支える風力電気の買い取り義務制度・廃棄物処理にも高い税金・ゴミの六割をリサイクル・環境に優しいホテル・強力な権限を持つ環境保護NGO・環境保護と福祉は同一線上に・

第6章・成熟した民主主義・73頁・

民主主義の歩みと民衆運動・自由の尊重・責任ある自由・同姓の結婚を認める・家族のとらえ方・大切なことは話し合いで・コンセンサス会議・

第7章・社会を変える女性の力・89頁・

高い就業率が介護や保育の社会化に・政治の舞台にも進出・子育て支援・・育児休業制度・産前産後休暇制度・・父親休暇制度・

第8章・世界に広がるノーマライゼーション・105頁・

バンク・ミケルセンのこと・ノーマライゼーションはヒューマニゼーション・障害者福祉制度の基本理念として・ノーマライゼーションとバリアフリー・びわこミレニアム・フレームワーク・障害者、女性の政策決定への参画・障害者差別禁止法の提唱・

第9章・世界的な水準を誇る高齢者福祉・123頁・

高齢者のとらえ方の変化・高齢者福祉の三原則・三原則はどのように生かされているか・一人一人を大切に・新規のプライイェムは建設禁止・住居の形態・高齢者住宅が主流・オッテラップの介護住宅・

第10章・利用者本位の高齢者ケア・143頁・

統合型ケア・統合型高齢者センター・在宅生活を支えるサービス・予防訪問・高齢者委員会・介護専門職の養成・給料を得ながら学べる・医学や看護を重点に学ぶ・・上級社会保険看護士の教育・

第11章・障害者の権利保障と行政の取り組み・161頁・

障害者福祉の原則・障害者の権利保障・在宅生活支援のサービス・・ソノスー自治体の取り組み・労働をとおして生きがいを・・アッセンスの重複障害者ワークショップ・デイセンター・生活支援センター・・コルディング市・レイフさんを訪ねる・・ケア付きマンションの生活・精神障害者に対する援助・ヘルパーを自分で雇う・・「オーフース方式」・

第12章・一人一人を大切にする教育・187頁・

民主主義をはぐくむ・デンマークの教育制度・点数で評価しない・・国民学校・いじめはほとんどない・教育現場の新しい悩み・

第13章・デンマークから何を学ぶか―人間尊重社会への課題・205頁・

・・人間性尊重社会への課題・福祉の発展と民主主義・教育の目標・生活をともにする全人教育・障害者の地域生活支援・福祉はその社会のあり方の反映・

参考文献・215頁・おわりに・219頁・デンマーク略年表・224頁・

4/16/2016 9:06 AM

 

福祉大国の国民性を知る

教科書ですっと習ってきた、福祉大国としての北欧。一方で聞かされてきた、わが国と比べて異常に高額な税金。

死ぬまで安心。だけど税金がとっても高ーい国。・・・そんな国で生活できる?

 

わたしが北欧に対して、なんとなく抱いてきたこのようなよくわからないイメージを、きれいさっぱり払拭してくれた貴重な一冊です。

 

デンマークを歴史・経済・土地・国民性など、さまざまな視点から国際比較することで、福祉大国としての成立条件が明らかにしていきます。

論調は批判にも肯定にもかたよらず、どちらかといえば淡々と事実を紹介していきますので、

デンマーク的なやり方が正しいかそうでないかの判断は、あくまで読者に任せられていると感じました。

 

そういうことで、内容は濃いのですが、けっしておしつけがましくないのも美点です。

 

ただひとつ明らかなことは、デンマークで生きていくためには、高い自己決定を求められるということでしょう。

日本とデンマークにもっとも大きなちがいがあるとすれば、これかもしれません。

8:24 2016/04/16

 

http://www5.synapse.ne.jp/takita/oomae%20kenniti%20%20gyousei.html#jititai

http://www5.synapse.ne.jp/takita/oomae%20kenniti%20%20gyousei.html#jititai

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2015/09/279169-859a.html

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http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/10/1-18-833c.html

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http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/10/633-8020.html

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http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2015/09/14327916-6d31.html

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http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2015/09/post-fe81.html

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http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/10/6-27107-4f9e.html

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/10/7-1fc4.html

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/10/8-151012-165219-2539.html

15:40 2016/04/12


197頁・


点数で評価しない・・国民学校・


デンマークの社会は、個人の価値観や自由(自己決定)を尊重し、それぞれの生活の仕方を認める傾向が強いが、このような民主主義の理念は教育現場で実践され、育てられている。特に国民学校では、民主主義を教えることが学校教育の自由な役割となっているが、それでは民主主義を基本とした教育や実践は、具体的にどのような形で行われているのだろうか。その点についてボーゲンセにある国民学校の教頭ビャルネ・トゥルストラップ市から話を聞くことができた。197頁・


198頁・写真・199頁・16/4/18 8時25分

この学校は全校生徒460人、諸職員45人で、655人の両親が協力者となっている。三つの特殊学級があり、ここでは勉強について行けない12名の子どもが学んでいる。学校では他人を尊重することの大切さを教え、毎日の学校生活の中で子どもの自由な考えを受け入れ、他人を尊重するという民主主義を学ばせている。教師は子どもの自由な考え方や自己決定を大切にする。

子どもをコントロールするのではなく、子どもがやりたいことをやらせる。そして遊びを通じて他人との関係や協力の仕方、ルールの大切さなど、社会性を育てることに主眼を置いている。幼稚園クラスでは、他人がいること、他人との関係を遊びをとおして知り、社会性を育てる。読み書きなどの学習を一切禁止手遊ばせているという。小学校では子どもに自信と新しいことに挑戦する勇気を持たせる。そして役割と責任を果たす機会を与えている。

生徒を点数で評価したり順序づけをしないので、成績表はない。だから成績によってクラス分けをすることもない。かつてはそのようなクラス分けがあったが民主的でないとして廃止された。学習面での様子は親としての面談の時に教師が話す。クラスは少人数(定員は最大で28名)で、しかも担任は卒業するまで同じクラスを持ち続けるので行き届いた指導ができる。


大きな教育目標は国のよって決められているが、教え方、教科書、教材はそれぞれの学校の自由である。授業は一人一人の生徒の能力に合わせているので教科書は生徒によって違う。教科書に生徒を合わせるのではなく、生徒に教科書を合わせる、と言った方が適切だ。場合によっては同じクラスで合っても、二つのグループに分けて違う教科書を使用することも珍しくない。199頁・


 200頁・・机の並び方も自由で、全員が黒板に向かって授業を受けるスタイルもあるが、グループごとに机を寄せてグループで学習したり、全員の机をコの字型に並べて先生が中に入って一人一人の学習の様子を見て回るというような光景を見ることができた。


デンマークでは人を何によって評価するのか。その基準はデンマークと日本では大きな違いがある。デンマークでは日本のように学校の成績や学歴、職業などで評価しない。結果よりもそれに至る過程でどれだけ努力したかと言うことが評価される。


教頭は、「この国では大人になっても、どんな職業に就いたかと言うよりも、その仕事にどれだけ誇りと喜びを持って取り組んでいるかと言うことに価値を置いている。また人にはそれぞれ違った才能や能力があり、その水準を最大限に延ばすことが大切だと考えられている」という。そして最後にトォルストラップ共闘が、「子どもは授業を受ける機会ではない。あくまでも人間として尊重することが大切だ」と語った言葉が印象的だった。200頁・16/4/18 16時35分・


いじめはほとんどない・200・

日本で大きな社会問題となっているいじめや校内暴力といった現象は、デンマークにもあるのだろうか。先ほどのトゥルストラップ教頭によれば、デンマークでは一人一人の考え方や他人を尊重することが教えられるので、日本のような陰湿ないじめはほとんどないという。ただ、子どもは大変正直なので、素直な反応として、たとえばマニュキアをする女の子への冷やかしと言った、ごく自然な行動はある。200/


201頁・


また、女の子は男の子と比べて成長が早いので、男の子に対するからかいに対して、男の子が「俺だって!」と言った反抗の態度を取るなどはよく見受けられることだ。


いじめや不登校の現象が発生することが予想される場合は、当事者となる子どもに専念し、原因を排除するように心がける。いじめや不登校がほとんど見受けられない原因としては、学校自体が小さく少人数(だいたいは1クラス20名前後)なので、担任の目が行き届くのと、一年生から七年生まで同じ教員が担任を務めるので、教師が子どものことをかなり綿密に把握できることがその理由だと考えられている。


担任には教科で最も授業時間数の多い国語の教師がなり、次に多い数学の教師が副担任となる。

校内暴力に関しては、起こる前に教師が手を打つが、起こった場合は暴力行為をする生徒と親と校長が徹底的に話し合う。


デンマークではいじめや不登校がほとんど見られないことを実際に確かめた武庫川女子大学の白石大介教授は、その考えられる理由として、(1)デンマークの歴史的に自由、平等、共生、連帯という理念が、ごく自然に国民性として根付いていること、(2)教育システムに多用な選択肢があり、日本のように教育の方向性が均質化、画一化されていない、(4)幼児教育では遊びが重視され、集団になじむことや人間関係の形成に重点が置かれていること、(5)どの学校にも理事会組織があり、学校運営に保護者、生徒も加わり、彼えらの意見が十分に反映されている、と言った点を指摘している。201頁・


・教育現場の新しい悩み・202頁・


平成28年4月18日 月曜日

デンマークでは難民を積極的に受け入れているが、一方で、それに伴って学校での文化摩擦が生じ、教師たちが対応に苦慮している。特にソマリアからの難民の子どもたちが入学するようになってきて、そのことが浮き彫りになっているようだ。オーデン市のセデン・スコーレ国民学校のハラルド・イェンセン校長は「デンマーク人は小さいときに厳しいしつけを受け、あとは比較的自由に育てられるのだが、ソマリア人はその逆で、小さいときは自由で、大きくなってからは宗教的戒律で厳しく育てられるようだ。

何か問題が起こったときも、デンマーク人は話し合いで解決を図ろうとするが、ソマリア人は違った方法で解決を図る傾向があるように思える。このような文化的な差異が教室内の生徒間の人間関係に微妙な影を落としている」と語る。

また、トゥルストラップ教頭によれば、イランをはじめとするイスラム教国出身の外国人労働者の子どもたちが入学するようになったが、体育の授業が終わってシャワーを浴びるとき、デンマークの子どもたちは人前で裸になるのをなんとも思わないのだが、イスラム教国出身の子どもたちは嫌がる傾向がある。だから、シャワーの時間をずらすとか、別の場所でさせると言ったような、運営上の難しい問題が起きているという。

また別の問題として、男性教師が少ないと言うこと。反対に女性教師が多くなる傾向があり、未婚の母や離婚による母子家庭が多いデンマークでは、普段でも子どもが身近に大人の男性と接触をする機会が少ないのに、学校でも接する大人の大半が女性と言うことは、果たして子どもにとって望ましいことかという点で問題を感じると語っていた。202頁・


203頁・一人一人を大切なものとして彼らの個性を尊重し、それぞれの能力や才能をできる限り伸ばす。

他人には自分と違った考え方や価値観があり、それを尊重することが大切だということを学ぶ。知識の伝達だけではなく、民主主義の基本となる平等、自由、権利と義務を学校生活の中で学ばせる。画一的な授業ではなく、生徒それぞれの能力に応じた授業の展開。平均20名前後という少人数なので十分目が行き届くクラス運営・・・。

このような教育を受けた人々によってデンマークの民主主義と市民社会が担われているわけである。デンマークの福祉はこのような民主主義の精神に裏打ちされた社会で発展したが、その基盤の形成に大きく貢献したのがデンマーク教育であることを痛感した。福祉の充実と発展には何が必要なのかを改めて考えさせられる。203頁・16/4/18 17時39分・


 

ここまで 


第12章・一人一人を大切にする教育・187頁・


民主主義をはぐくむ・188頁・16/4/16 9時10分・

世界最高水準を誇るデンマークの福祉を実現させたものは何か。

もちろん平均50%の所得税、25%の消費税という世界でも類を見ない行成による財源も不可欠な要素だが、それよりも遙かに重要な要素は、デンマークの市民社会に定着している民主主義である。民主主義の基本的な理念、つまり一人一人を平等で、かけがえのない人間として尊重し、個人の自由を最大限認め、その人の生き方、生活の仕方をできる限り大切にする態度が市民の生活に根付いている。人間としての尊厳を認め、一人一人の生き方や自己決定を大切にする姿勢から、一人一人を大切にする福祉が実現する。デンマークの福祉を学ぶときには、それを育てて発展させたこの国の成熟した民主主義の存在を忘れてはならないだろう。

このデンマークの民主主義は、長い歴史を経て民衆が勝ち取った貴重な財産であるが、その民主主義を市民生活の重要な規範として豊かにはぐくんだのがデンマークの教育である。教育とは民主主義を体験して学ぶことではないのかと思わされるほどで、年齢が低い時期の教育ほどその傾向が強いように思われる。事実、日本の小・中学校に当たる国民学校(フォルケスコーレ)の教育方針の中心は、生徒に民主主義を教えることであるとされる。

オーデンセ市にあるセデン・スコーレ国民学校を見学したとき、校長のハラルド・イエンセン市は、ここの学校の目的について次のように語ってくれた。


「大切なことは子どもたちが人間として大切なことを学び、人間として成長していくことだ。188頁・


189頁・自分の意見を発表できることも重視している。学校の役割は子どもの成長を手助けすることにある。

そして子どもたちが民主主義を身をもって学び、身につけることを大切にしている。人間の平等、権利と義務について、また社会における自由と言ったことも学ばせる」。

ボーゲンセにある国民学校でも、重要な教育目標の一つとに民主主義をかかげていた。ホームルームは民主主義を体得する大切な機会とされ、ホームルームは話し合いを重視し、物事を決める家庭で、他人の意見を尊重することを学ぶ。人の意見を聞くことで自分と違う考え方があることを知り、自分の意見が尊重されることを知って、他人の意見を尊重することの必要性を学ぶのであるそして、自分の意見をはっきり述べることが大切だと学ぶと同時に、他人の意見に耳を傾けることの大切さを理解する。

お互いに聴き合うことが大切にされ、誰かが意見を言い始めると周囲の者はおしゃべりをやめて耳を傾ける。人の話を聞かないでおしゃべりを続けている場合は、近くの者が小声で注意する。

反論したい者は手を上げ、相手の発言が終わるまで黙って待っている。指名されないうちに発言することはない。みんなが納得できる結論が出るまでとことん話し合う。このような民主主義を身につける訓練が常日頃から積み重ねられているのだ。189頁・16/4/16 9時41分・ 


デンマークの教育制度・189頁・

191頁・・1/就学前教育・0~3歳までが保育園、3~6歳までが幼稚園で、この期間中は読み書きを教えることは禁止されている。理由は保育園や幼稚園は子どもが初めて社会と接するところなので、読み書きよりもみんなと仲良くなることが大切とされるからだ。

園にいる間は、子どもたちは自分の好きな遊びを自由に選んで遊ぶ。そして遊びをとおして自由を学ぶしかし自由は責任をともなうものであるので、遊んだ後はおもちゃの後片付けをさせたり、大きい子は小さいこの面倒を見たりするように言われ、自由と責任を自然に身につけさせる。

さらに障害者に対する偏見を持たないようにするため、なるべく小さい時期か障害のある子どもと可能な限り同じ施設に通園させるのがよいとされている。小さいときから障害者と接することで、子どもたちはこの社会に男や女、老人ばかりではなく、体の不自由な人などいろいろな人がいると言うことを理解するようになる。「いわゆるゼロ学年学級と呼ばれる就学前教育のクラス。教師は床に座って子どもたちの目線に合わせている」191頁・


192頁・16/4/16 9時56分・

両親が共働きの家庭が多いせいか、筆者が見学したある国民学校の幼稚園クラスでは、子どもたちがパンを作っていた。親が帰宅するまでにおなかがすいたときに備えて、自分で食べるパンを作れるようにとのことであった。

就学前教育のもう一つの特徴は、国民学校に入学する一年前に、ゼロ年生学級という準備教育と言うものがあり、6~7歳までの子どもたちが通う。この学級でも読み会を教えてはならないことになっているが、生徒が希望すれば教えてもよい。社会見学として警察や消防署などを見学する。これは自分がどんな町に住んでいるかを知るためである。就学全教育は子どもが国民学校に抵抗なく入るための準備をするところとなっている。

(2)国民学校(フォルケスコーレ)

デンマークには九年間の教育を受ける義務はあるが、学校に行く義務はない。家庭で学校に見合った教育ができるならば、学校へ行かなくてもよい。どこでどんな教育を子供に受けさせる

かは国が決めるのではなく、親の権利とされている。しかし大抵の子どもは国民学校に通う。

国民学校は小中学校の区別のない一年生から九年生までが通う公立の学校で、一クラスの定員は28人とされている。30人の入学者である場合でも、15人の二クラスにしなければならない。

わずか二名多いと言うことで一クラスのままにしておくことは許されない。たいがいは一クラス20名前後である。192頁・16/4/16 10時12分


193頁・授業は生徒の個性や学習能力に合わせて進められるので、使う教科書や教材が複数あると言うことも珍しくない。授業は生徒の個性に合わせて進められるので、全員に同じような試験を課するようなことはない。様子ルウに試験がないと言うこと、通信簿もない。点数をつけて生徒の学力を評価することがないので、クラス中で何番目の成績だというようなこともない。

九年間の教育期間中、試験があるのは最終学年の九年生のみで、この試験は国が行う統一試験であるが、決して席次を決めるのが目的ではなく、卒業後の進路の参考にするものである。生徒が希望しなければ受けなくてもよい。

国民学校の運営は、かつては教育委員会(現在、教育委員会という制度はない)がかかわっていたが、現在は学校の理事会が責任を果たしている。構成は七人保護者代表、二人の教師、そして生徒代表で、校長、副校長は理事会に出席できるが投票権はない。理事会では予算や学校行事などを審議する。生徒の理事は、授業や学校の運営には発言できるが、人事案件には投票できない。

しかし教育現場に不可欠の当事者として、生徒を理事会という重要な意志決定機関の構成員として位置付け、民主的なプロセスで学校運営に参加させていることは、日本の状況と比べると注目に値する。

(3)高等教育・

九年間の義務教育の後に世界にもまれな10年生クラスというのがある。10年生クラスへの継続は義務ではないが、このクラスは高等学校や専門学校へ進学するにあたって、まだ学力的に、あるいは情緒的に不足していると思うものが入る。193頁・


194頁・16/4/16 11時9分・

約50%の生徒が10年生に進学するという。

デンマークでは高等学校進学率は35~40%ぐらいで、高等学校は高等教育を基盤にしてさらに上級学校を志望するものが進学する。入学試験はないが、九年間の授業に理解度から入学の可否が判定される。

高等学校に進学しないものは自分なりたい職種の専門学校へ進む。職業別専門学校がほとんどの職種にわたって設置されていて、修業年限は三年である。小さいときから自分の個性にあった教育を受けてきているので、高等学校には入れなかったと言って劣等感を持つようなことはないし、親も子どもが高等学校に行かなかったと言って失望することもない。

(4)大学、上級専門学校・

高等学校あるいは高等学校卒業と同等の学力を有するものは、大学やその他の上級専門学校に入学試験なしで入学できる。194頁・


195頁・

16/4/16 11時16分・平成28年4月18日 月曜日

大学への進学者は比較的少なく、医師、獣医師、薬剤師、弁護士、エンジニア、高校教師などを志望するものが進学し、修業年限は六年である。

上級専門学校には国民学校の教師、ソーシャルワーカー、福祉施設職員、看護師、理学療法士、作業療法士などを志望するものが学ぶ。

たとえば国民学校教師や福祉職員になるには、セミナーと呼ばれる修業年限四年の日本の大学に相当する学校に入学する。高校を卒業してすぐ入学する必要はなく、ポイントシステムを利用して入学するケースが認められている。これは職場経験や外国旅行、国民高等学校在籍などの経験がポイントとして加算され、入学が許可されるポイントに充当できる。この制度を利用して入学した学生の平均年齢は25歳前後となり、その結果、新任教師は27歳前後となるため、社会経験豊富な先生が教壇に立つと言うことになる。

大学、上級専門学校とも授業料は一切無料で、その上奨学金が月3,600クローネ支給される。これは18歳になると子どもは親元を離れて学ぶので、彼らに対する生活支援という意味もある。

(5)国民学校(フォルケホイスコーレ)

世界に例のないデンマーク独特の教育機関で、1,844年に最初の国民高等学校がシュレスヴィヒの南部ロディンに開設された。

国民高等学校の生みの親とされるグルンヴィは、学問の試験のためとか、資格を取るためにあるのではなく、自分が納得するため、自己形成のためにするものであると考え、自由と対話による相互理解を重視した全人教育を目指した。

こく民高等学校は高等学校ではなく、「民衆の大学」という意味があり、その特徴は、(1)入学資格は17・5歳以上、(2)全寮制であること、(3)校長ともう一人の教師は学校敷地内に居住すること、(4)試験をしてはいけない、(5)資格を与えてはいけない、と決まっている。195頁・


196頁・16/4/18 7時27分・現在デンマークに約90校がある。

グルントヴィの教育思想は現在のデンマークの教育の根底をなすものであり、彼の教育理念がデンマークの国民的精神ともなって、今日もなおデンマーク社会に大きな影響を与えている。

(6)障害児教育・197・

デンマークでは、どんなに重い障害があっても、子どもは教育を受ける権利がある。また、障害のために普通学校に行けない子どもや勉強について行けない子どもであっても特別の教育を受ける権利が保障されている。障害児の教育機会には次のタイプがあって、(1)同じ教室で障害のない子どもと一緒に勉強する、(2)ある特定の科目だけ同じ学校の中にある特殊学級で学ぶ、(3)養護学校で勉強する、の三つである。どのタイプをその子にいいかは心理判定員が判定するが、最終決定は親がする。

教育を受ける権利は平等にあるが、ここで言う平等とは、障害の程度にかかわらず、障害のない子どもと全く同じ教育を受けさせなければならないと言うことではない。障害や理解力の程度によって、障害児教育を専門とする学級や学校で学ぶ場合もある。かつてはノーマライゼーションの観点から、知的障害の子どもが、普通の学級でほかの子どもと同じように学ぶことが重要だとされた時期があった。しかし今では知的障害児は、彼らのための特殊学級や養護学校で教育を受けさせるのが最適であるという理解が一般的になっているという。196頁・


197頁・平成28年4月18日 月曜日

身体障害のある子どもの場合、一般の学校で授業を理解できるならば補助者をつけて通学できる。

養護学校では各自治体によって運営形態や教育内容は違っており、どこの養護学校でも子どもの障害や個性にてきしたカリキュラムを組んでいる。だいたいは地域の養護学校に通うが、その子に適した学校が、その子に適した学校がない場合は、遠くの学校に通う。

筆者が訪問したコルディング市にある養護学校は、普通の学校では授業について行けない子どもが学んでいた。この学校がその子どもに夫妻私医かどうかは、最初の二週間の子どもの様子を見て、心理判定委員、校長、担任が話し合って決める。学校では障害のある子どもに自信を持たせることによって、卑屈にならず、価値ある人間であることを自覚させることに主眼をおいていた。上級生になると、社会勉強やその子どもに会う職業に就けるように職場実習を行う。

196


197頁・16/4/18 8時3分

点数で評価しない・・国民学校・

ここまで

 

 

ここでデンマークの教育がどのような仕組みになっているのかを見てみよう。全体の就学システム

点数で評価しない・・国民学校・いじめはほとんどない・教育現場の新しい悩み・

第13章・デンマークから何を学ぶか―人間尊重社会への課題・205頁・

・・人間性尊重社会への課題・福祉の発展と民主主義・教育の目標・生活をともにする全人教育・障害者の地域生活支援・福祉はその社会のあり方の反映・

参考文献・215頁・おわりに・219頁・デンマーク略年表・224頁・

4/16/2016 9:06 AM

ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク・平成28年4月16日

 ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク (MINERVA21世紀福祉ライブラリー) 単行本  – 2004・2 野村 武夫   (著)  

福祉最先進国として知られるデンマーク。いったいどんな国なのか。なぜ世界一住みやすい国と言われるのか。福祉教育に長年携わってきた著者が、医療、福祉、環境保護、教育と各方面の最新の動向をレポート、今や福祉政策の世界的な基本理念となったノーマライゼーションという思想を生んだ国の素顔に迫る。

 

内容(「MARC」データベースより) 

福祉最先進国として知られるデンマークは一体どんな国なのか。医療、福祉、環境保護、教育と各方面の最新の動向をレポート、福祉政策の世界的な基本理念となったノーマライゼーションという思想を生んだ国の素顔に迫る。

単行本: 225ページ出版社: ミネルヴァ書房 (2004/02)発売日: 2004/02

 目次

第1章・デンマークという国・1頁・

農耕に適した国土・少子化を歯止めがかかる・女王のいる国・国土は狭くとも・・近年は工業国として成長・経済大国ではなく・自由、博愛、平等を求めて、協同組合の設立・農村社会の近代化に貢献・

第2章・世界で最も住みやすい国・19頁・

住みやすさの証明・貧富の差が少ない・平和・・福祉を発展させる条件・デンマーク人の暮らし・余暇を楽しむ・・年間六週間の有給休暇・失業しても安心できる・年金制度・

第3章・充実した医療サービス・35頁・

入院患者の九割が治療サービスに満足・家庭医・・悩み事の相談まで対処・患者の自己決定を尊重・自宅で看取る・

第4章・税金は高くても・43頁・

所得税は50%、消費税は25%・政治意識も高い・負担減でサービス低下には否定的・税金の使い道・貯蓄・・生活の質を豊かにするために・税金は国に預ける貯金・

第5章・大胆なエネルギー政策と環境保護・55頁・

原子力発電計画を放棄・再生可能エネルギーへの転換・地球温暖化防止への挑戦・無限の資源、風をエネルギーに・・風力発電・普及を支える風力電気の買い取り義務制度・廃棄物処理にも高い税金・ゴミの六割をリサイクル・環境に優しいホテル・強力な権限を持つ環境保護NGO・環境保護と福祉は同一線上に・

第6章・成熟した民主主義・73頁・

民主主義の歩みと民衆運動・自由の尊重・責任ある自由・同姓の結婚を認める・家族のとらえ方・大切なことは話し合いで・コンセンサス会議・

第7章・社会を変える女性の力・89頁・

高い就業率が介護や保育の社会化に・政治の舞台にも進出・子育て支援・・育児休業制度・産前産後休暇制度・・父親休暇制度・

第8章・世界に広がるノーマライゼーション・105頁・

バンク・ミケルセンのこと・ノーマライゼーションはヒューマニゼーション・障害者福祉制度の基本理念として・ノーマライゼーションとバリアフリー・びわこミレニアム・フレームワーク・障害者、女性の政策決定への参画・障害者差別禁止法の提唱・

第9章・世界的な水準を誇る高齢者福祉・123頁・

高齢者のとらえ方の変化・高齢者福祉の三原則・三原則はどのように生かされているか・一人一人を大切に・新規のプライイェムは建設禁止・住居の形態・高齢者住宅が主流・オッテラップの介護住宅・

第10章・利用者本位の高齢者ケア・143頁・

統合型ケア・統合型高齢者センター・在宅生活を支えるサービス・予防訪問・高齢者委員会・介護専門職の養成・給料を得ながら学べる・医学や看護を重点に学ぶ・・上級社会保険看護士の教育・

第11章・障害者の権利保障と行政の取り組み・161頁・

障害者福祉の原則・障害者の権利保障・在宅生活支援のサービス・・ソノスー自治体の取り組み・労働をとおして生きがいを・・アッセンスの重複障害者ワークショップ・デイセンター・生活支援センター・・コルディング市・レイフさんを訪ねる・・ケア付きマンションの生活・精神障害者に対する援助・ヘルパーを自分で雇う・・「オーフース方式」・

第12章・一人一人を大切にする教育・187頁・

民主主義をはぐくむ・デンマークの教育制度・点数で評価しない・・国民学校・いじめはほとんどない・教育現場の新しい悩み・

第13章・デンマークから何を学ぶか―人間尊重社会への課題・205頁・

・・人間性尊重社会への課題・福祉の発展と民主主義・教育の目標・生活をともにする全人教育・障害者の地域生活支援・福祉はその社会のあり方の反映・

参考文献・215頁・おわりに・219頁・デンマーク略年表・224頁・

4/16/2016 9:06 AM

 

福祉大国の国民性を知る

教科書ですっと習ってきた、福祉大国としての北欧。一方で聞かされてきた、わが国と比べて異常に高額な税金。

死ぬまで安心。だけど税金がとっても高ーい国。・・・そんな国で生活できる?

 

わたしが北欧に対して、なんとなく抱いてきたこのようなよくわからないイメージを、きれいさっぱり払拭してくれた貴重な一冊です。

 

デンマークを歴史・経済・土地・国民性など、さまざまな視点から国際比較することで、福祉大国としての成立条件が明らかにしていきます。

論調は批判にも肯定にもかたよらず、どちらかといえば淡々と事実を紹介していきますので、

デンマーク的なやり方が正しいかそうでないかの判断は、あくまで読者に任せられていると感じました。

そういうことで、内容は濃いのですが、けっしておしつけがましくないのも美点です。ただひとつ明らかなことは、デンマークで生きていくためには、高い自己決定を求められるということでしょう。日本とデンマークにもっとも大きなちがいがあるとすれば、これかもしれません。

8:24 2016/04/16


 2016年4月16日 (土)ノーマライゼーションが生まれた国・デンマーク (MINERVA21世紀福祉ライブラリー) – 2004・2 野村 武夫 (著) 第12章・一人一人を大切にする教育・187頁・6)障害児教育・197

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/04/minerva21-20042-d374.html

10:30 2016/04/16


2016年3月27日 (日)2016年までのブログページをいれて索引・10:28 2016/04/15

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/03/post-af38.html

10:29 2016/04/15


http://www5.synapse.ne.jp/takita/oomae%20kenniti%20%20gyousei.html#jititai

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http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/10/8-151012-165219-2539.html

15:40 2016/04/12 


引用・自治体をどう変えるか (ちくま新書) [新書]  佐々木 信夫 (著)

自治体をどう変えるか (ちくま新書) [新書]  佐々木 信夫 (著)

財政規律を失った国家の破綻、存在感が薄れる府県、平成の大合併など、わが国はいま明治維新、戦後改革に次ぐ、大改革が求められる「第三の波」に遭遇している。行政活動の三分の二を担う地方は、二〇世紀の集権下で行われてきた他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。豊富なデータに基づく具体的な提言を行いながら、「官」と「民」の関係を問い直し、分権下の地方自治、新たな自治体経営の方向を示す。

内容(「MARC」データベースより)

 

明治維新、戦後改革に次ぐ「第三の波」に遭遇している今、地方は他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。現実を見据えた分析に基づき、「官」と「民」の関係を問い直し、新たな自治体経営の方向を示す。

平成28年2月26日 金曜日

新書: 254ページ出版社: 筑摩書房 (2006/10)発売日: 2006/10

はじめに・9頁・

目次

第1章 変化する行政環境・17頁・

・1・構造改革の潮流・17頁・

・2・国から地方へ・20頁・

・3・官から民へ・23頁・

・4・経済環境の変化・26頁・

・5・労働市場、職業観の変化・29頁・

・6・成長戦略の危なさ・33頁・

・7・新たな「公共」の台頭・37頁・

第2章 地方分権―国と地方の攻防・43頁・

・1・地域格差をどう見る・43頁・

・2・争点化する「地方」のあり方・43頁・

・3・国土の均衡から個性化へ・56頁・

・4・地方再生のアイディア・60頁・

第3章 政策官庁としての自治体・63・

・1・地方分権の意義・63頁・

・2・マニフェストと政治・69頁・

・3・政策官庁をめざす・73頁・

・4・経営改革の実践・77頁・

・5・政策スタイルの転換・83頁・

第4章 自治体の政策活動・87・

・1・政策をつくる意義・87頁・

・2・政策過程とは何か・92頁・

・3・政策を形成する・97頁・

・4・政策を評価する・104頁・

・5・問われる行政責任・108頁・

第5章 議会をどう変えるか・・115頁・

1、議会は政治の中心・115頁・

「自治体の決定者」

「官から民へ」の構造改革は、民間経済を活性化させた一方で、地方に様々な「格差」を生じさせた。今後、日本の政治は強者の論理ではなく、「弱者」の論理に立って組み立てなおす必要がある。とくに生活を守る地方政治の視点はそこに注がれよう。

日本の行政は三分の二が地方自治体によって担われている。これだけの地方の活動量が大きい国はカナダと日本ぐらいだが、その中で特に予算や条例、政策を決める地方議会のあり方が問題となる。なぜなら、地方議会が自治体活動の基本的な意思決定者だからである。

116頁、

現在、都道府県、区市町村を合わせて約45,000人の地方議員がいる。彼らは非常勤の特別職公務員として、地域の世話役から政策決定まで幅広く活動している。議員の数が多い、報酬が高い、条例提案が少ない、住民の意見を聞かないなど様々な批判もあるが、大事なことは自己決定・自己責任を求められる地方政治の中心は議会であるという点だ。

2/13/2014 2:44:10 PM

「脇役から主役へ」

2000年の分権改革で日本の地方議会の権限は飛躍的に拡大した。それまで自治体はあたかも国の下部機関のように、自治体業務の七、八割りを国の機関委任事務の執行に費やしてきた。大臣の地方機関として首長を位置づけ、国の業務を執行委任するという機関委任事務制度が存在したからで、これについて地方議会は審議権も条例制定権も予算の減額修正権も持たなかった。

自治体においては議会は「脇役」の存在に過ぎなかった。

だが、分権改革でこの制度は全廃された。議会は自治体の全ての業務に審議権も条例制定権も持ち、全てが予算審議の対象になった。不必要な仕事はなくすることもできるようし、予算を修正することも可能だ。まさに議会が地方政治の「主役」に躍りだしたのである。

法改正で年四回に限られていた定例会の回数制限もなくなった。年間70日程度しか開かれなかった地方議会を「通年議会」とすることも可能である。これから地方議会をどう変えるのか、地方から日本の政治を変える試金石となる。

117・

2議会に期待される役割・117頁・

「議会とは何か」

地方自治の政治機関は首長と地方議会である。議会には地域住民の意思と利益を代表し、条例、予算、主要な契約などを決定する役割と、それを執行する執行機関を監視する役割がある。さらに地域内の利害を調整し、地域社会をまとめ上げ安定させる役割もある。議会は討論に始まり討論に終わる。議会は「万機公論」に決するところに存在の意義がある。

同時に、議会は民意を鏡のように反映する住民参加の広場でもある。本来、住民にとっての拠り所は、執行機関でなく、議決機関である議会にあると言っても過言ではない。ひろく住民代表として選ばれた多数の議員からなる議会は、地域のニーズ、職層のニーズ、年齢層のニーズ、性別の違いから生じるニーズを幅広く自治体行政に反映できる住民の窓口と言ってよいからである。

118・

しかし、どうも現実は違う。様々なルートを通じて住民との対話を深めているのは首長である。残念ながら議会は、個々の議員はともかく、機関としての議会は組織的に住民との対話を進めている様相はない。制度的に期待されている役割と実際の運営にこれだけ大きなギャップがある機関もめずらしい。その点、地方議会は危機にあると言ってもよい。

「待ったなし議会改革」

議会の位置づけが脇役から主役に変わった。しかし、議会改革の動きは鈍い。確かにこれまで議会も改革努力をしている。だがそれは行革型の議会改革、定数減などの量的改革に止まり、立法機能の強化など議会の質的改革には至っていない。

議会の位置が単なるチェック機関から立法機関へと構造的な変化を遂げているにもかかわらず、それに応える自覚的な改革が行われえいない。多くの議員に役割変化お認識が乏しいからではないか。

これまで地方議会は自治体改革の中で「聖域」に近い存在だった。確かに首長サイドから議会改革を提案すること自体、お門違いであろう。しかし、そのことが議会を聖域化し改革を遅らせたかもしれない。選挙で当選したものは絶対的存在と思っているなら、あまりにも狭量な発想だ。世界の地方議会は若者、女性の登用を含めどんどん変化している。

今後は、選挙年齢を18歳に引き下げるなど、どんどん質を高める改革を進めなければならない、もはや議会も「聖域なき改革」の対象と言わなければならない。

119頁、

「重要さます政治」

地方議会に限らないが、政府の活動は「政治」があって「行政」がある。行政機関の意思を追認するのが政治の役割ではない。先導的に将来ビジョンを示し、規制秩序を変え、主要な公共的決定を行うのが政治の役割であり、そのもとで執行機能を担うのが行政の役割である。決定領域の拡大する地方分権が進むと、地方政治は飛躍的に重要さが増す。

今後、財政状況はますます厳しくなろうし、少子高齢化も進もう。財政破綻や地域の崩壊が現実化するかもしれない。そうならないよう自治体の舵をしっかり取る。そこでの政治的な決断、経済的な判断が自治体の死命を制することになる。

かつて炭鉱で栄えた北海道の夕張市が国の管理下で再建を進める財政再建団体になることを申請した。観光事業の失敗も響き、雪だるま式に借金が増え、一般会計120億円の財政規模に対し外郭団体まで含め600億円を超える負債を抱え、事実上財政破綻した。

毎年出る赤字を短期借入金で糊塗する財政運営に対し、議会はチェック機能すら果たせなかった。予算も決算も執行部提案どおり追認してきた結果がこの始末だ。破綻の責任は議会にもある。議会が機能せず、舵取りを間違うとこうした結果を生む。今後そうした破綻予備軍の自治体は少なくない。改めて決定者である議会のあり方が問われている。

120・

「二元代表性」

日本の地方自治は、首長と議員をともに有権者の直接投票で選ぶ「二元代表制」を制度の根幹にすえている。これは国会議員だけを直接選挙で選び、あとは国会が内閣総理大臣を指名し、内閣総理大臣が執行機関としての内閣を組織する「一元代表制」を採用する国の制度とは、根本的に異なっている。

そもそも二元代表制は、首長に執行機関の役割を、議会に議決機関の役割を期待し、双方の機関が原則独立の関係にある制度(大統領)である。ただ日本の場合、住民が代表を選ぶ過程では大統領制度的な手法を取りながら、自治体の運営過程では議会に首長の不信任議決権を与え、首長に議会解散権を与えるという議院内閣制的な手法を加味している。

しかも住民は、いったん選んだ首長と議員について、有権者の三分の一以上の署名をもって任期途中での解職を請求し、議会の解散を求めるリコール権を持っている。これは地方自治の成熟しているアメリカなどにも見られない極めて独特な制度だ。首長と議会と有権者という三つの機関が、相互に抑制的均衡関係を保てるよう工夫されているのである。

二元代表制は、議会と首長に対し、お互いに住民を代表する政治機関として、民意の反映を競い合う関係を求めている。

121・

しかし現実は、首長優位と言われるように、圧倒的に執行機関が強く、議会は執行機関の提案を追認する形になっている。本来は、そうあってはならない。議会は政治機関として、提案された議案を審議決定するだけでなく、自らが提案者でなければならない。

議会の強みは、民意を鏡のように反映できる点にある。多様な地域、多様な職域から選ばれた議員は、多様な意見を持っている。それを政策に反映できるよう議会に環境グループ、福祉グループ、産業グループといった多様な政策集団をつくり、現場から鋭く問題を提起し解決策をどんどん政策として提案するなら、地方議会の評価は大きく変わろう。

3・行革としての議会改革・121頁・平成28年2月26日

「役割意識の改革」

誤解を恐れずに言うと、首長は政治家ではあるが執行機関(行政)の代表であって、支持決定の中心者とは言えない。議会制民主主義において、自治体における政治機関の中心は政治家集団からなる議会である。

122・

その議会は、第一に政策や予算の決定者、第二に執行機関の監視者、第三に政治争点の提起者であり、制作の提案者である。

「1・政策や予算の決定・・執行機関への監視・・争点定期と政策提案・・」

だが、これまでの議会は執行機関を監視する役割・2・のみが重視され、政策決定者・や争点提起者、政策提案者・の役割は手薄な状況にあった。議会はチェック機関だという見方がこれである。

しかし、これではならない。もっとも、議員自身に聞くとその役割認識は本来の姿からはまだ遠い。慶応大学の政治研究グループが調査した議員(都道府県)の役割認識に関する調査によると、県会議員の仕事は第一位が政策の審議決定であり、第二位が世話役・相談役、第三位が行政監視・批判だという。政策立案については第四位に止まっている。

これが市町村議員になると、図にはないが「世話役・相談役」と「行政監視・批判」の役割が上位を占めるようになる。

この認識の違いはやはり問題であろう。市町村議員とて地域の世話役を中心に活動する時代は終わったのではないか。政策立案や政策審議に多くの時間を割くのが、これから期待される議員の役割である。

123頁、14/2/14 6時29分14秒・

これまでも議会は政策努力を続けている。しかし、その本質は、政治改革としての議会改革ではなく、行政改革としての議会改革に止まっている。議員定数の削減など「量的」な面の改革が中心だった。今後もこうした面での改革努力は必要だが、それが議会改革の本丸ではない。分権化に伴う議会改革の本丸は政治の「質」を高める改革、つまり政治改革としての議会改革である。

「議員定数の問題」

よく議員が多過ぎると言われる。それに応えようと各議会は議員数を削減してきた。これまで市議会は全国ベースで見ると法定定数の25%に当たる6000名を削減している。さらに、平成の大合併で旧町村議員を中心に1万人近い議員の削減が行われている。

124頁、平成26年2月14日・平成28年2月26日 金曜日


 

 

 

 

第6章 急がれる公務員改革・139頁・

・1・公務員問題とは何か・139頁・

・2・公務員改革の動き・142頁・

・3・NPMと公共ビジネスマン・144頁・

・4・人事行政・風土を変える・149頁・

・5・やる気を引き出す改革・153頁・

・6・人材育成の新たな視線・158頁・

第7章 深刻化する財政危機・163・

・1・財政再建待ったなし・163頁・

・2・地方財政の窮乏・166頁・

・3・三位一体改革・169頁・

・4・交付税をどうする・173頁・

・5・補助金をどうする・179頁・

・6・自治体の財政再建・182頁・

・7・財政破綻の回避・184頁・

第8章 市町村の将来―合併後・191・

・1・地域力の発想・191頁・

・2・平成大合併の特徴・195頁・

・3・平成大合併の意義・199頁・

・4・メリット・デメリット論争・201頁・

・5・公共サービスの適正規模・203頁・

・6・これからの合併問題・212頁・

・7・合併後の自治体経営・218頁・

第9章 府県の将来―道州制・221・

・1・なぜ道州制か・221頁・

・2・道州制の提言・226頁・

・3・道州制の導入の課題・231頁・

・4・道州制のゆくえ・234ぺーじ・

終章 国のかたち―分権国家・239・

・1・めざす国家像・239頁・

・2・さらなる分権改革を・246頁・

あとがき・251頁・平成28年2月26日

 

 

自治体は変われるのか地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

 

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

 

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし

著者の意見を好き勝手にしゃべっているだけ。飲み屋の親父談義。

5つ星のうち 5.0  自治体は変われるのか, 2009/7/20

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。そんなことを考えさせる一冊だった。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし, 2013/9/28

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

著者の意見を好き勝手にしゃべっているだけ。飲み屋の親父談義。

5つ星のうち 5.0  新たな自治体、新たな「公」の実現法, 2006/11/1

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

 

地方分権→地方主権のアイデア、事業官庁→政策官庁への提言、新たな「官」と「民」の役割と新たな「公」の実現アイデア、議会改革提案党等の豊富な提言がたくさん。新鮮で、大いに参考となる。それぞれの立場で参考として、改革に向け役割を果たす、ベースとなりうる。

5つ星のうち 5.0  知識が整理された, 2006/11/23

レビュー対象商品: 自治体をどう変えるか (ちくま新書) (新書)

 

2000年に地方分権一括法が施行され、さらには地方自治体の合併が進みました。その結果、どうのように自治体は変わったか、変わろうとしたかについて検証し、また将来のあり方を述べた本です。将来の予測に関しても、良い点と注意点、メリットとデメリットという風にしっかりと先を見据えているので理解が進みました。

自治体の財政や政策、行政など地味な分野ですが、新聞などから得ていた断片的な知識がすっきりと整理されました。

14:28 2014/02/13

 

 

 

 

 

新たな「日本のかたち」 脱中央依存と道州制 [新書]佐々木 信夫 (著)

明治以来続く「中央集権体制」はすでに時代に合わず、いろんなところで限界を迎えている。広域圏を内政の拠点に、特色あふれる地域をつくり出す「道州制」への移行こそが急務である。自公政権に戻り「道州制基本法」が成立すれば、国の枠組みを変える取り組みが加速。地方をどう再生し、東京一極集中をどう解消するのか。新しい時代に合うよう規制を緩和し、ムダを省き、住民サービスを向上させる「新たな統治機構」へ刷新する。都庁の経験があり、現在は、大阪市・府特別顧問でもある著者が、道州制の道筋と日本再生について提言する。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

道州制移行か、大増税か岐路に立つ日本、あなたはどちらを選ぶ?地方をどう再生し、東京一極集中をどう解消するのか。新しい時代に合うよう規制を緩和し、ムダを省き、住民サービスを向上させる「新たな統治機構」へ刷新する。都庁の経験があり、現在は、大阪市・府特別顧問でもある著者が、道州制の道筋と日本再生について提言。

 

新書: 270ページ出版社: 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)

言語: 日本語発売日: 2013/3/9

目次

第1章 なぜ中央集権は限界か

第2章 分権社会は暮らしをよくする

第3章 道州制―そのイメージ

第4章 道州制をめぐる諸論点

第5章 東日本大震災と「東北州」

第6章 東京はどうなる?どう変える?

第7章 大阪をどうする?大阪都構想の行方

第8章 政令都市、地方の将来

終章 道州制をめぐるQ&A

 

自治体をどう変えるか (ちくま新書) [新書]  佐々木 信夫 (著)

 

財政規律を失った国家の破綻、存在感が薄れる府県、平成の大合併など、わが国はいま明治維新、戦後改革に次ぐ、大改革が求められる「第三の波」に遭遇している。行政活動の三分の二を担う地方は、二〇世紀の集権下で行われてきた他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。豊富なデータに基づく具体的な提言を行いながら、「官」と「民」の関係を問い直し、分権下の地方自治、新たな自治体経営の方向を示す。

 

明治維新、戦後改革に次ぐ「第三の波」に遭遇している今、地方は他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。現実を見据えた分析に基づき、「官」と「民」の関係を問い直し、新たな自治体経営の方向を示す。

新書: 254ページ出版社: 筑摩書房 (2006/10)発売日: 2006/10

目次

第1章 変化する行政環境

第2章 地方分権―国と地方の攻防

第3章 政策官庁としての自治体

第4章 自治体の政策活動

第5章 議会をどう変えるか

第6章 急がれる公務員改革

第7章 深刻化する財政危機

第8章 市町村の将来―合併後

第9章 府県の将来―道州制

終章 国のかたち―分権国家

自治体は変われるのか

地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

 

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

 

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし著者の意見を好き勝手にしゃべっているだけ。飲み屋の親父談義。

5つ星のうち 5.0  自治体は変われるのか, 2009/7/20

 

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地方分権といわれて久しい。市町村合併も進んでいる。公務員改革や三位一体改革も具体的になってきた。

 

しかし、現実の自治体に務める公務員としては、その変化はまったく一般の職員に届いていないというのが実感である。(というかうちの自治体では、という意味だが)

 

この著者が言うような改革を進めていくためには、特に公務員の改革を進める必要がある。うちの自治体でも、職員数はこの数年で何百人という規模で減っている。しかし、仕事は減らない。しかも、業務改革も進まない。中途半端で、無目的な外部委託があるだけ。仕事の質、サービスは低下するばかりだ。組織は相変わらず、縦割り。幹部は上しかみないで仕事をする。果たして、本当に分権の担い手として、私たちは役に立つのか。そんなことを考えさせる一冊だった。

5つ星のうち 1.0  著者の意見を言いっぱなし, 2013/9/28

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5つ星のうち 5.0  新たな自治体、新たな「公」の実現法, 2006/11/1

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地方分権→地方主権のアイデア、事業官庁→政策官庁への提言、新たな「官」と「民」の役割と新たな「公」の実現アイデア、議会改革提案党等の豊富な提言がたくさん。新鮮で、大いに参考となる。それぞれの立場で参考として、改革に向け役割を果たす、ベースとなりうる。

5つ星のうち 5.0  知識が整理された, 2006/11/23

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2000年に地方分権一括法が施行され、さらには地方自治体の合併が進みました。その結果、どうのように自治体は変わったか、変わろうとしたかについて検証し、また将来のあり方を述べた本です。将来の予測に関しても、良い点と注意点、メリットとデメリットという風にしっかりと先を見据えているので理解が進みました。

自治体の財政や政策、行政など地味な分野ですが、新聞などから得ていた断片的な知識がすっきりと整理されました。

6:20 2014/02/08佐々木 信夫(ささき・のぶお)/中央大学経済学部教授専門分野 政治学  1948年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了、法学博士(慶應義塾大学)。東京都庁勤務を経て、89年聖学院大学教授、94年中央大学教授。2000年米カリフォルニア大学(UCLA)客員研究員、2001年から中央大学大学院経済学研究科教授・経済学部教授。専門は行政学、地方自治論。日本学術会議会員(政治学)、大阪市・府特別顧問、国会超党派道州制懇話会有識者委員など兼任。近著に『都知事―権力と都政』(中公新書)、『新たな「日本のかたち」』(角川SSC新書)、『地方議員』(PHP新書)、『大都市行政とガバナンス』(中大出版部)、『日本行政学』『現代地方自治』(学陽書房)など。NHK地域放送文化賞受賞。NHK「視点論点」、東京MXTVニュース、新聞、雑誌の解説ほか、各地の講演多数。 .

6:40 2014/02/08

平成28年2月26日 金曜日龍郷町の皆様・自治体の龍郷議員に大いに活躍して雇用を増やす・・・

1、議会は政治の中心「自治体の決定者」

「官から民へ」の構造改革は、民間経済を活性化させた一方で、地方に様々な「格差」を生じさせた。今後、日本の政治は強者の論理ではなく、「弱者」の論理に立って組み立てなおす必要がある。とくに生活を守る地方政治の視点はそこに注がれよう。

日本の行政は三分の二が地方自治体によって担われている。これだけの地方の活動量が大きい国はカナダと日本ぐらいだが、その中で特に予算や条例、政策を決める地方議会のあり方が問題となる。なぜなら、地方議会が自治体活動の基本的な意思決定者だからである。

116頁、大事なことは自己決定・自己責任を求められる地方政治の中心は議会であるという点だ。「脇役から主役へ」

2000年の分権改革で日本の地方議会の権限は飛躍的に拡大した。それまで自治体はあたかも国の下部機関のように、自治体業務の七、八割りを国の機関委任事務の執行に費やしてきた。大臣の地方機関として首長を位置づけ、国の業務を執行委任するという機関委任事務制度が存在したからで、これについて地方議会は審議権も条例制定権も予算の減額修正権も持たなかった。

自治体においては議会は「脇役」の存在に過ぎなかった。

だが、分権改革でこの制度は全廃された。議会は自治体の全ての業務に審議権も条例制定権も持ち、全てが予算審議の対象になった。不必要な仕事はなくするることもできるようし、予算を修正することも可能だ。まさに議会が地方政治の「主役」に躍りだしたのである。

117・2議会に期待される役割「議会とは何か」

地方自治の政治機関は首長と地方議会である。議会には地域住民の意思と利益を代表し、条例、予算、主要な契約などを決定する役割と、それを執行する執行機関を監視する役割がある。さらに地域内の利害を調整し、地域社会をまとめ上げ安定させる役割もある。議会は討論に始まり討論に終わる。議会は「万機公論」に決するところに存在の意義がある。

同時に、議会は民意を鏡のように反映する住民参加の広場でもある。本来、住民にとっての拠り所は、執行機関でなく、議決機関である議会にあると言っても過言ではない。ひろく住民代表として選ばれた多数の議員からなる議会は、地域のニーズ、職層のニーズ、年齢層のニーズ、性別の違いから生じるニーズを幅広く自治体行政に反映できる住民の窓口と言ってよいからである。

滝田 好治・大勝3113-1・☎69-3195

takita@po.synapse.ne.jp

 


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