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2016年11月

2016年11月13日 (日)

命を守る東京都立川市の自治会・ 佐藤 良子 (著) 議員提案を増やす・議会基本条例は必置・すぐやれる議会改革・政策に強い議員へ・職員と連携を・地方議会に法制局を・政策官庁議会へ脱皮せよ・ ・・ 奄美大島は・長期衰滅の危機に立ち向かう・・・大河のように止めなく・・

引用


命を守る東京都立川市の自治会 (廣済堂新書) 佐藤 良子 (著) 内容紹介


全国でも珍しく「100%加入を誇る自治会」。それが東京都立川市大山自治会。このキーマンが佐藤良子氏(70)。彼女は、「自治会町会」の概念を変える活動をしてきた。子育てに悩む女性をサポートするボランティアに属する人数500人近く、そして東日本大震災の被災世帯を約200世帯引受け。組織を立て方やノウハウを公開。


ふるさとづくり大賞総理大臣賞、全国防災まちづくり大賞を受賞し、「日本で一番住みたい団地」とまで言われる大山団地(東京・立川市)。青少年対策、高齢者対策などでユニークな取り組みを実現するこの自治会の根底にあるのが“向こう三軒両隣”の精神。命を守り、人を救う自治会のあり方を解き明かします。

新書: 175ページ出版社: 廣済堂出版 (2012/3/22)

言語: 日本語・発売日: 2012/3/22


はじめに・3頁・


皆さんは、「自治会」という言葉に、どんなイメージをお持ちでしょうか。

町内のお祭り。お年寄りの朝の草むしり。何に使われているのかよく知らない会費。そんな、「何か自分とは関係ない集まり」だと思っている方も、少なくないのかもしれません。

私が東京都立川市にある大山団地の自治会会長になった頃にも、面と向かって「自治会なんてジジイ会だよ」と言われたことがありました。

現代社会に暮らす人々は、都市部に近づくほど、地縁社会に期待したり、関わったりする度合いが薄れるのかもしれません。

と真のマンションほどでもないにせよ、郊外に位置する大山団地でも、引っ越してきたからと言って挨拶されることもなく、いつの間にか隣に知らない人が住んでいた、と言う話を耳にします。3・


4頁・そういう方は、自治会への関心も薄いものです。入居案内には「引っ越してきたら自治会に連絡を取るように」と明記してありますが、私たちが入居に気がついて連絡を取るまで音沙汰なし、と言うことも少なくありません。

しかし、そういう方たちも、東日本大震災で被害を受けたり、あるいは自分自身はさほどでなくとも、自身がもたらした大きな被害を見聞きした時に、危機に際して頼りになるのは隣近所であり、自分たちが住んでいる地域のコミュニティだと言うことを、改めて実感したのではないでしょうか。

被災者の方々が、同じ地域の人たちと一緒に避難したいと考えたのは、たとえ建物はなくなってしまっても、同じ地域で生活を共にしてきた人たちがいることが心の支えとなり、安心感に繋がっていたのっだと思います。また、避難場所はバラバラになってしまっても、いつかは自分たちのコミュニティを取り戻そうと活動されている方々を見るたび、本当に頭が下がります。一人では、一家族だけで立ち上がれなくても、地域全体で協力すれば立ち上がることが出来る。それがコミュニティの底地からなのだと、改めて思い知らされました。4・


5頁・そんな震災の影響もあってか、私のところには最近、急増しています。

私が提唱している「向こう三軒両隣」を基本にしたコミュニティ作りを、自分の地元も参考にしたいと考える人々が増えたからではないでしょうか。

私は大山自治会の会長になった時から、「向こう三軒両隣」が機能すれば、子供の虐待や高齢者の孤独死を防ぐことが出来る、と呼びかけてきました。事実、大山自治会では、平成16年から現在に至るまで、孤独死ゼロを実現しています。

大山自治会の活動内容が、すべての自治会に取り入れられるわけではないかもしれません。ただ、試行錯誤しながら進んできた私たちの姿をお見せすることで、現在、町内会や自治会に携わる方たちの活動のヒントになったり、これまで自治会に何の興味も持たなかった方が、地域のコミュニティに関わって見ようと思うきっかけになれたら、と言うのが、この本に込めた私の願いです。

大山自治会・会長・佐藤良子

平成28年11月14日 月曜日

共同体(きょうどうたい)とは コミュニティ(英語:community):英語で「共同体」を意味する語に由来。同じ地域に居住して利害を共にし、政治・経済・風俗などにおいて深く結びついている人々の集まり(社会)のこと(地域共同体・3:29 2016/11/14


目次


序章 私たちは東日本大震災にこう対処した・

3・11の大山団地・14頁・

突然の被災者受け入れ・16頁・

三宅島の教訓を生かして・20頁・

費用負担は明確に・22頁・

内職で心のケアを・24頁・

日頃から地域と連携しておくことが重要・27頁・


第1章 私が自治会長になった理由・

大切なのは加入率より会費納入率・32頁・

不満があるなら役員になるしかない・34頁・

改革へ準備を進めた2年間・37頁・

自治会はジジイ会ではない・39頁・

私が会長になれた理由・41頁・


第2章 住民に必要とされる自治会を目指して

24時間体制で安心できるまちづくりを・44頁・

役員例例会は出席率一〇〇%・48頁・

幽霊対策から電球交換まで・50頁・

「市能工商」を柱に・54頁・

住民が作るイベントを目指す・56頁・

不満は自分で改革しよう・


第3章 コミュニティビジネスで財政を強化

会計は誰でも見えるように・68頁・

会計納入率はほぼ一〇〇%の理由・

自治会も自主財源を・71頁・

自治会保険・76頁・

繰越金は五〇〇万円以上に・77頁・

無償だから意味がある・78頁・

平成22年度の収支報告書・80頁・

第4章 自立した町づくりに必要なこととは

「五気」を大切に・84頁・

知り合うことが町を守る・87頁・

新しい人たちに一任する・90頁・

行政もサービス業・94頁・

行政に協力するメリット・98頁・

他団体との連携が不可欠・100頁・

第5章 地域ぐるみで子どもを育てる

子供たちのやる気を応援したい・104頁・

大山ママさんサポートセンターの設立・107頁・

中学生も動いてくれる・111頁・

母親が子供と向き合えるように・113頁・ 


第6章 自分たちで守る防災防犯

3種類の自治会名簿・118頁・

ゲーム感覚での防災訓練・121頁・

住民全員に防災マニュアル・123頁・

日頃の備え、十箇条・125頁・

「あいあいパトロール隊」が抑止力・127頁・

悪徳商法をどう撃退するか・130頁・ 


第7章 「向こう三軒両隣」で孤独死を防ぐ

高齢者が笑顔で住める町に・134頁・

両隣を見守って孤独死ゼロに・135頁・

見守りに企業とも連携・140頁・

火災を未然に防ぐ・141頁・

路上駐車を減らして事故を防ぐ・143頁・

体験から生まれた「終焉ノート」144頁・

自治会で葬儀を出す・150頁・


第8章 いきいきと輝く創年を目指して

都営団地の役割・154頁・

介護不要の「創年クラブ」に・156頁・

高齢者の「たまり場」を作る・158頁・

モラルのない大人を救うために・161頁・

ほめることで仲間を増やす・163頁・


自治会は地縁社会の入り口・166頁・

自治会は地縁社会の入り口・166頁・16/12/13 6時38分・古くて時代にそぐわなくなった自治会を改善していかなければならないと思って始めた改革。166・


167頁・実行するには勇気も必要でしたし、度胸もいりました。今までなじんできたモノを変えるわけですから、私の中にも葛藤はありました。が、よりよいシステムが構築できれば、住民の方に喜んで貰えるはずだと信じて、それを支えに進んできました。

私の目標は、「大山自治会を地縁社会にすること」です。無縁社会が当たり前になりつつある現代にはそぐわないように思われるかもしれません。しかし、「向こう三軒両隣」の精神で孤独死ゼロが実現できたように、地縁の方の協力があってこそ、住民の命を守る自治会ができるのだと考えています。

東日本大震災を経て、地域のコミュニティの必要性を日本中が実感させられた今こそ、自治会活動にもっと目を向けてほしいと思っています。

自治会がなかなか新しい取り組みを行えないのには、会長の任期が1年と短いところにも原因があるのでは。改革したい思いはあっても、1年で何ができるのか。そう考えてしまうと、あきらめてしまいがちです。また、自分が改革の旗を振ってしまったら責任も大きくなってしまう。自分にはできないかもしれないと弱気になってしまうため、とりあえず任期の1年を無事にやり過ごそうと考えてしまうのではないでしょうか。167・


168頁・もっと勇気を持って、旗を振ることが大切です。私のように、旗を振る前に同じ思いの仲間をつくり、理解を深めておくことができれば、矢面に立つ事も怖くはなくなります。

大山自治会の場合は、本当にたくさんの方々の支援と協力があったからこそ、いろいろな事が現実のものとなり、それらは地域に根付いた活動に成長しつつあると言えるでしょう。まだまだ課題は山積していますが、私が自治会という組織と、そこに参加してくれる皆さんの熱意があれば、どんな難関も乗り越えていけると信じています。

これを読んで頂いている皆さんには、少しでも大山自治会の取り組みをヒントにして貰い、各地で地縁社会が復活し、心豊かな生活を取り戻す事ができる事を願っています。

平成28年12月13日 火曜日


ここまで

 地縁社会にすること・

「ちえん【地縁】社会的結合の基本契機が地理的近接性と,それにまつわる生活関連(相互扶助など)にある場合を指す。しかし地理的近接性がただちに社会的結合を導くわけではなく,たとえば前近代社会では,一定の地理的範囲の人びとの生活関連が相互に織り成すかたちで,重畳的・重層的な小宇宙,地域社会的統一を形成していた。このことは,地縁性と血縁性とを一本の太い線とする村落社会の共同体結合にとくに特色づけられる。人びとの小宇宙の解体と地縁,血縁性の紐帯(ちゆうたい)の稀薄化をもたらす近代社会を挟んで,現代社会では再度新しい地縁性の見直しがテーマ化している。

6:32 2016/12/13

 地縁(チエン)とは - コトバンク 

https://kotobank.jp/word/%E5%9C%B0%E7%B8%81-565172

デジタル大辞泉 - 地縁の用語解説 - 住む土地に基づいてできる縁故関係。「地縁社会」 →血縁.

地縁団体とは - 鳥取市

http://chiiki.city.tottori.tottori.jp/tottori-jichiren/chien.html

町又は字の区域、その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて 形成された団体で、いわゆる自治会、町内会等がこれにあたります。 ただし、スポーツ 同好会のように特定の目的の活動を行う団体や、老人クラブ、女性会、子ども会等の 構成 ・

6:30 2016/12/13


あとがき・169頁・

大山自治会組織図・175頁・

9:04 2016/11/13

 

東京都立川市の自治会・佐藤良子・

33頁・昭和38年度の入居開始当時から、団地の住民全員に自治会への加入を義務づけている。

34/不満があるなら役員になるしかない、自治会へのクレームも、

35頁・問題があると感じた点に三つありました。一つは夏祭りと運動会しか次に、役員に対する会長の人事権が強すぎたこと。

役員の改選期には、会長自身が行って(人事権)

そして、三つ目に、会計の不透明さです。

38頁・お金の使い方について、あまりうるさく言うものですから、当時の会長は「それなら自分でやれ」と思ったのでしょう。

次に、住民が納得できる役員当時の会則は、団地が作られた昭和38年当時のものが、

39頁・自治会はジジイ会ではない。

40頁・三役(会長、副会長、会計)の選出方法を、

41頁・推薦投票を人たちには、選びっぱなしで終わりでなく、自分が選んだ人たちが力を発揮できるよう、バックアップやサポートを呼びかけました。

41頁・私が会長になれた理由。

44頁・24時間体制で安心できる町づくりを。

46頁・大山自治会には専用の事務所があります、月、水、金の九~一五時までひらいています。自治会室に、

48頁・役員定例会は出席率一〇〇%。

49頁・地域内の情報を住民全員が共有化出来るように努めています。

68頁・会計は誰にでも見えるように?

69頁・会費納入率は100%の理由、班のメンバーお宅を廻って集金する形を、住民の安否を確認。

70頁・自治会費・一ヶ月¥四百円・

71頁・自治会も自主財源を主な収入四種・1・会費・2・管理費¥千五百円・立川市から補助金も、

72頁・コミュニティビジネスです。1・公園管理・2・公営駐車場管理も・

76頁・自治会保険・

78頁・無償だから意味がある・会長手当の年間¥三万円。

84頁・「五気」を大切に、自分たちの町は自分たちで守る。

85頁・うちの役員たちは、みんな前向きです。よし、みんなでやろう。

87頁・知り合うことが町を守る、

88頁・一人でも多くの人と顔見知りになってほしい。

89頁・実行委員会方式は、この点で有効です。

90頁・新しい人たちに一任する。

94頁・行政もサービス業・

98頁・大山MSCを設立した翌年でした。

99頁・平成23年2月、立川市から要請された「生ゴミ分別・資源化モデル事業」にも協力・

100頁・他団体との連携が不可欠・

104頁・子供たちのやる気を応援したい。

107頁・大山さんサポートセンターの設立・大山MSCの仕組み・

111頁・中学生も動いてくれる・

113頁・母親が子供と向き合えるように・

116頁・「向こう三軒両隣」

118頁・3種類の自治会名簿・

127頁・「あいあいパトロール隊が抑止力に」

130頁・悪徳商法をどう撃退するか・

135頁・自治会に「ある部屋から異臭がする」

140頁・見守りに企業とも連携・

141頁・火災を未然に放ぐ・

143頁・路上駐車を減らして事故を防ぐ・

144頁・体験から生まれた「終焉」ノート・

150頁・自治会で葬儀を出す・

154頁・都営団地の役割・

155頁・新に360世帯を受け入れることになります。

156頁・介護不要の「創年クラブ」に・

158頁・高齢者の「たまり場」を作る・

161頁・モラルのない大人を救うために・

164頁・よく、子供は褒めて伸ばせと言いますが、大人こそ、もっと褒めるべきです。

166頁・自治会は地縁社会の入り口・

 

平成28年11月13日

 

 

公務員の年金積立金は手をつけず「サラリーマンの積立金を株に投入」許せるかマネー 2014.11.7溝上 憲文(みぞうえ・のりふみ)ジャーナリスト

 PRESIDENT Online  溝上憲文=文

国民の年金資産を市場運用にさらす 安倍政権が公的年金の積立金約130兆円の半分をリスクの高い株式市場に投じようとしている。

 

運用を担当するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の現在の基本ポートフォリオ(資産構成)は国債60%、日本株12%、外国債11%、外国株12%。それを日本株25%、外国株25%にまで高め、国債を35%まで下げることを10月31日にGPIFが発表した。

 

しかも日本株の許容範囲は±9%、外国株±8%であり、最大で67%までの株式運用が可能となる。金額にして50%は65兆円、67%だと87兆円を株式に注ぎ込もうというのである。

 

だが、積立金の中身は老後に支給される基礎年金と2階部分の報酬比例年金であり、いうまでもなく会社と従業員が拠出する年金保険料が財源になっている。余裕資金どころか、損失が発生したら将来世代の年金カットにつながりかねない大事なお金であり、しかも株式比率は分散投資の域を超えている。

 

法律では「積立金の運用は、専ら被保険者のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」と定めている。だからこそ安全資産である国債比率を60%にしていたのである。

 

にもかかわらず、なぜリスクの高い運用比率の見直しを行ったのか。その狙いは、年金資産の拡大と同時に株式投資による日本経済の活性化という成長戦略の実現にある。

 

GPIFの運用見直しの発端は、2013年6月に閣議決定された日本再興戦略。その中で公的資金の運用(分散投資の促進等)リスク管理体制等のガバナンス、株式への長期投資におけるリターン向上を目的に有識者会議で検討することが明記された。

 

これを受けて7月に甘利明経済再生担当大臣の下に「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」が発足したが、メンバーのほとんどが積極運用派の学者や民間の金融専門家で占められ、年金の専門家は1人もいなかった。

 

報告書が11月に出されたが、運用見直しの理由として「被保険者の利益を優先する資金運用は、結果的に、日本経済に貢献することになり、また、各資金は、資金運用により経済成長の果実を享受する立場にもあることから、経済成長と資金運用との好循環が期待される」とバラ色のシナリオを描いている。

 

資産拡大と経済成長の二兎を追う作戦だが、果たしてそんなにうまくいくのか。

「俺が倍に増やしてやるから、このカネを使わせろ」

 

そもそも年金資産は市場運用にさらす性質のお金ではないし、給付を確実に実施するのが大前提だ。それを経済成長に使うこと自体が法律を逸脱している。政府のやり方は、たまたま年金資産に目をつけて「俺が倍に増やしてやるから、このカネを使わせろ」というギャンブル的発想に近い。

 

年金の専門家の中には有識者会議の報告書に批判的な意見も出ている。

 

たとえば、報告書には米国、カナダ、ノルウェー、オランダ、スウェーデンの5カ国の年金の運用の基本ポートフォリオの事例を挙げて日本の公的年金がいかに国債の運用に偏りすぎているかを示している。

 

しかし、日本総合研究所調査部の西沢和彦上席主任研究員は比較対象の年金が決定的に間違っていると批判する。

 

「米国のカリフォルニア州職員退職制度(カルパース)とオランダ公務員総合型年金は公的年金の上乗せ部分の企業年金。カナダとスウェーデンは公的年金制度の2階部分の積立金、日本で言えば報酬比例部分だ。カナダ、スウェーデンの1階部分は税方式による最低保障の年金であり、運用もされていなければ、2階部分の運用結果の影響を受けることもない。ノルウェーの政府年金基金グローバルは年金という名前はついているが、同国の年金制度とは直接関係なく、しかも原資は石油事業収入であり、年金保険料ではない。これに対して日本の場合は運用成績しだいでは基礎年金も影響を受ける。年金制度の本質を見ないで比較することは決定的に間違っている」

 

日本の公的年金制度は、1階部分が全国民共通に支給する基礎年金(国民年金)、2階がサラリーマンに支給する厚生年金、そして3階が企業独自に支給する企業年金の3層立てになっている。つまり、諸外国では日本の基礎年金に相当する最低保障年金は運用リスクにさらされていないというのだ。

 

アメリカには全国民を対象とした日本の厚生年金と国民年金に相当する最低保障年金の積立金がある。しかし、この全額が非市場性の国債で運用されている。じつはクリントン政権時にこの積立金の一部を株式に投資すべきという案が政権内から出たことがある。

 

「その時に当時のグリーンスパンFRB議長は『積立金の一部を株式に投資することは間違いなく資本市場と経済の効率性をリスクにさらすことになる。どんなに手を尽くしたとしても、積立金を政治的圧力から遮断できるかは疑問である。陰に陽に圧力がかかり、積立金の生産的な利用とは異なる資産構成になってしまう』と批判している。有識者会議はなぜアメリカが国債でやっているかを何も学んでいない」(西沢氏)

 

グリーンスパン氏は年金が毀損するだけではなく、政治家に利用されることで健全な資本市場にも悪影響を与えると指摘しているのだ。金融先進国アメリカですらも国民共通の年金は堅く守られているのに対し、日本の場合は運用成績しだいでは基礎年金も影響を受けることになる。

なぜ公務員の年金は一切手を付けないのか

 

もう一つの最大の問題点は運用成績が悪く、年金資産が失われた場合の対策について有識者会議はもちろん、政府首脳の誰もが言及していないことだ。現状では、仮に損失が発生すれば即座に償却しないで後で取り戻すという仕組みであり、いわば将来世代に先送りされることになる。

 

この点について経団連の幹部もこう言っている。

 

「そもそもGPIFが何のために運用しているかといえば将来世代の年金保険料の負担を少しでも軽くするためだ。当然、毀損した場合の対応は議論するべきだ。ただし、年金保険料の引き上げだけで対処するのは避けてほしい。今の受給世代と現役世代の負担と受益の関係を考えると、受給世代と現役の負担世代の双方が応分の負担をすべきだろう」

 

つまり、受給者の年金額の給付カットと現役世代の保険料の値上げで損失を穴埋めするべきだという。じつは公的年金の2階部分を運用しているカナダとスウェーデンには、損失が発生した場合は受給者の年金額カットと現役世代の保険料値上げで穴埋めするというルールがある。そうしないと将来世代の年金額に影響を与えるからだ。

 

当然、日本でも1階の基礎年金までも運用のリスクにさらそうというのであれば、そうした仕組みが必要になるはずだ。

 

ところが、そんなルール作りをしないままに多額の年金資産を株式に投じようとしている。そもそも最大の得票層である高齢者の年金額をカットする提案を政治家がするとは思えない。そうなると、現役世代の保険料値上げという不公平な仕組みしかない。すでに今の現役サラリーマンは高齢者に比べて年金の受益と負担の関係がアンバランスになっており、これ以上の格差の拡大が許されるのか。

 

ところで、年金積立金を実際に運用するのはGPIFの担当者ではない。

 

運用委託先の投資顧問会社のファンドマネジャーであり、GPIFは運用成績をチェックするだけの間接運用である。巨額の資金の運用について元外資系ファンドマネジャーはこう言う。

 

 「日本株と外国株比率が50%を超えるとポートフォリオ的に見ても怖い。経済成長率が1%もないのに2~3%の運用利回りを出すのは大変難しい。現役のファンドマネジャーであれば10人中8人はできないと言うだろう。国債は元本の確実性が高いが、株は倒産すればゼロになる。(株で運用する)25%は年金資産の33兆円に相当するが、リーマンショックのように6割も下がれば、日本株だけで20兆円近くの資産が吹っ飛ぶことになる」

 

もちろん、好不況によって株価は変動し、数十年単位の長期の運用であれば損失は取り戻せるかもしれない。

 

じつは、今回の国債比率を引き下げて株式投資を増やした理由の一つとして、今は日銀の国債買い入れで超低金利にあるが、アベノミクスで脱デフレが達成されると金利上昇(国債価格の下落)を招く恐れがあり、それを回避するためだと言われている。

 

もしそうなら、安倍政権の成長戦略の第一の矢(金融戦略)が招いたひずみであり、それを回避するために年金資産の国債比率を下げるというのは、あまりにご都合主義的な考えではないか。

 

もう一つ。来年10月にはサラリーマンの厚生年金と公務員の共済年金が一元化される予定だ。しかし、共済年金の積立金は独自に運用されることになっている。制度は同じなるが、運用は別なのだ。現在の共済年金の資産構成割合は国債70%以上、日本株は8%にすぎない。

 

運用を担当する厚労省・GPIFの職員は公務員だ。つまり自分たち公務員の年金積立金には手をつけずに、サラリーマンの積立金を不安定なマネーゲームに費やそうしていることになる。

 

安倍首相は今年1月の世界経済フォーラム年次会議の演説で「日本の資産運用も、大きく変わるでしょう。1兆2000億ドルの運用資産をもつGPIFについては、そのポートフォリオの見直しを始め、フォーワード・ルッキングな改革を行います。成長への投資に、貢献することとなるでしょう」(首相官邸HP)と述べている。

 

大切な年金資金を株式市場に流すことを各国の代表者はどう受け取ったのだろうか。よく国民がOKしたものだと驚いた首脳もいたのではないか。

http://president.jp/articles/-/13826?page=3

7:19 2016/09/21

 

異端のススメ 単行本  – 2013/12/14 林 修 (著), 小池 百合子 (著) 

5つ星のうち 4.1        11件のカスタマーレビュー

 東大法学部を出て長銀に入るも即退社、予備校講師となって47歳でブレーク、という異端児・林修先生が、ついに永田町に殴り込み!? 対する小池百合子議員も、日本の大学をやめ、カイロ留学からアラビア語を操るキャスターを経て政界へ、日本初の女性首相なるかと囁かれる異色のキャリアの持ち主。二人の“異端"たる生き方は、悩める現代人にとって目から鱗! 猛烈な速度で変化し続ける“今"を生き抜くための指針や活力となる一冊です。

 内容(「BOOK」データベースより) 

学年でただ一人のエジプト留学。大手銀行を5カ月で退社―人と違うことを恐れるな!独自の人生を歩んできた二人に学ぶ「生きづらい現代」を勝ち抜く極意。

商品の説明をすべて表示する

単行本: 190ページ出版社: 宝島社 (2013/12/14)

言語: 日本語・発売日: 2013/12/14

目次

第1章 異端児時代

第2章 社会でも異端

第3章 異端がブレーク

第4章 異端から見るネット社会

第5章 異端たれ日本人

第6章 「女性=異端」では困る時代

第7章 異端児を生み出す教育論

第8章 異端な改革論

第9章 異端のススメ

人生の参考になる対談!, 2014/7/28

異端のススメ (単行本)

林修氏と小池百合子氏の一期一会の対談。とても参考になりました。「異端」というのはまだ誰も踏み込んだことのない道への転身と常識を覆す決断を意味します。林氏は銀行マンから予備校講師への転身、小池氏はアナウンサーから政治家への転身。前者は東大特進クラス専科の講師、後者は女性大臣ならではの発想の実現。共に人生の転機を自己判断で乗り切り、才能を開花させていきます。話題は政治・社会・経済・教育と多岐に及びますが、感心したのは二人が少子高齢化社会の改善を提言していることです。日本社会の活力の回復はここにかかっていると思います。教育の改善も面白いですが、日本史必修は正しいにせよ、日本史も世界史の一部として考える視点が必要かと思います。そして何よりも重要なのは、二人が個性的な人生を歩むことができた基盤は、家庭教育にあったということです。その意味で林氏が憂慮していた家庭教育・男子教育の崩壊は今後の日本の可能性を左右する重要な問題であると実感しました。若者にお薦めの一冊です。

4:14 2016/09/20

女性が活きる成長戦略のヒントvol.1 20/30(にぃまる・さんまる)プロジェクト。 (女性が活きる成長戦略のヒント vol. 1) 単行本(ソフトカバー)  – 2013/6/28

小池 百合子 (著, 編集),    上野 通子 (著),    森 まさこ (著),    小渕 優子 (著), & 7 その他 単行本(ソフトカバー): 240ページ

出版社: プレジデント社 (2013/6/28)言語: 日本語・発売日: 2013/6/28

目次

小池百合子(女性が暮らしやすい国はみんなにとっていい国だ2020年までに全リーダーの30%を女性にします!やれば、できます。できないのは、やらないから)

上野通子―何回泣かされても、前例をつくっていく。それが私の仕事小渕優子―「男性」とは、意外に繊細で、なかなか立ち直れない生き物なんです片山さつき―どうすれば「男社会」で圧倒的なキャリアを築けるか?

金子恵美―何をしても「女のくせに」。私は戦う、それが絶望的であっても佐藤ゆかり―適切な実力の評価こそが、「女性リーダー」を増やす道島尻安伊子―なぜ、台所の発想なら、政治を変えられるのか?

野田聖子―「社会人として、母として」多様性ある社会での女の生き方三原じゅん子―「三原じゅん子に抜かれるくらいなら…」と車で体当たりされた宮川典子―あなたにとって、何が優先なの?いま、何を一番したいの?〔ほか〕

4:16 2016/09/20


第6章 地方議員の政策形成入門


・154頁・平成28年10月19日・


自ら考え・自ら決める議会へ・地方議員が今一番問われているのは、政策能力をいかに高めるかだ。そして議会提案、議会審議の質をいかに高めるかである。


・地方議会は国会に代わり、地域のことは地域で決める「地方主権時代」の政治主体である。そこでは決定者、監視者、提案者、集約者の4つの役割が期待されている。地方議会の役割の重要性は強調してもしきれない。言い換えれば、これは地方議員の役割がいかに重要であるかを意味する。


・2000年の地方分権改革以降、知事、市区町村は国から委任された大量の機関委任事務を処理する必要はなくなった。下請け的な役割を期待された事業官庁自治体から、今や分権時代の政策官庁自治体への脱皮が期待され、地域の政治が重要な時代となった。


・地方議会は政治の主役として、自治体の条例、予算、主要な契約のすべてを決定する決定者の役割が大きくなり、また自らの政策を提案する提案者の役割や、民意を吸収し政策に反映する集約者としての役割もクローズアップされてきた。154・


155頁平成28年10月20日 木曜日・

・例えば大阪と構想を進めるか、否か。これまでの政令市制度をやめ、府と市を合体し「都」を創出、270万大阪市は5つに分割し基礎自治体としての特別区に移行する。この都構想をめぐる大阪の在り方を決める中心に市議会があり、府議会がある。


決して「国が決める」ものではない。住民投票が課されているので、最終的には住民が決めるものだが、しかし関係条例の整備まで含めると、両議会の役割は決定的だ。2015年5月の住民投票でわずかの差とはいえ、いったん否決された大阪と構想だったが、同年11月のダブル選挙で推進勢力の「大阪維新の会」推薦の二候補の勝利により、再び大阪と構想をめぐる論争が議会を中心に始まることになった。今や地方議会は地域の在り方を決める重要なカギを握ることになった。


「国が考え、地方が行う」(中央集権)時代から、地方が「自ら考え、自ら行う」(地方分権)時代へと、大きくパラダイム転換した。ゆえに、地方議会の在り方が問われるのだ。

155頁・平成28年10月20日・


・政策のプロセス・・155頁・


この章では、地方議会に自治体というひとつの地方政府の中でどのような役割を期待され、政策過程の中でどのような立ち位置と役割になるのか、政策形成の核心に触れる問題のついて考えてみたい。


・公共分野における問題解決の技法を「政策」という。それは政策の形成、実施、評価という一連のプロセスからなる。本来、この政策過程は、国は国、地方は地方とそれぞれの政府内において自己完結することが望ましい。


・ところが、長らく中央集権体制のもとにあった日本では、各分野とも政策の形成は「国」、実施は「地方」、評価は「国と地方」で受けるという形で政策過程がバラバラに分割されていた。農政を企画するのは農水省、それを実施するのは都道府県の農林部であり市町村であった。「国が考え、地方が行う」という仕組みの下では、行政責任の所在があいまいであった。その政策の実行で問題が解決しない場合、その原因が政策の形成過程にあるのか、はっきりしない。このあいまいさが無責任な政策遂行にもつながりかねなかった。

これをなるべく国には国、地方は地方で政策過程が自己完結的に運用できるようにする、それが地方分権の狙いである。とりわけ「補完性の原理」に基づき、身近な基礎自治体を中心に政策を運営できるようにしようというのが地方分権改革の考え方である。


・そこで作動する原理は自己決定・自己責任・自己負担の原則だ。政策の形成活動も実施活動も自治体に統合され、156・


157頁・その結果責任も自治体が負うことになる。経営破たんや政策の失敗の責任は議会及び首長といった政治家が、政策の個別具体的な執行上の失敗は行政責任として担当の管理職、監督職など自治体職員が負うことになる。157・平成28年10月20日・


議員立法が自治体を元気にする・157頁・平成28年10月20日 木曜日・

議員が政策形成に乗り出す時代。これは単に自治体の行政に住民代表の声を反映することに止まらない。自治体の組織風土を変え、政策官庁へ踏み出すよい契機となるのだ。


・少ない、少ないといわれながらも、地域によっては先駆的な立法活動を行っている議会もある。本州最東端のまち、岩手県宮古市(人口5万6000人)。ここで初の議員立法による「地産地消条例」が産声を上げ、市政の重要な政策として生かされ、各地に波及している。2009年、地域の在り方、農水産業に危機感を持つ有志議員らの提案で「宮古市食育および地産地消の推進基本条例」が可決。それを受け、市側は「地産地消推進計画」策定。市と生産者等、市民が一体となって


4つの基本理念・

1・健康で文化的な地域社会の形成に寄与する地産地消・

2・農水産業や他の産業の振興に寄与する地産地消・

3・農林水産業の持続的な経営に寄与する地産地消・

4・農林水産物の生産に必要な環境の保全に寄与する地産地消)を謳い、その後、本格的に市政の重要な地産地消政策へと進んでいる。157・


158頁・要は、地域で取れた農産物、水産物を自分の地域でまず有効な形で消費する体制をつくる。例えば学校や保育所の給食食材、市民、観光客を相手の産地直売所の充実、市内の事業者、飲食店で地元産品を徹底利用、付加価値をつけて加工品として対外的に販売する、といったことを全市あげて体系的、本格的に取り組むということ。さらに「野菜ソムリエ」「食の匠」と称し人材育成にも取り組んでいる。

今なら、地方創世の取り組みとしてどこにもありそうな話だが、パイロット的に始めるにはリスクも伴うだけに、立ち上げエネルギーは相当なもの。

いろいろ反対意見もあるものだ。自らも農業、漁業を営む議員らが自分らの問題意識をエネルギーに手探りで、「条例化」に結びつけたことは、まさに生活者感覚に優れた議員らのなせる業。致富創生は与えられるものではない。自らの問題意識から地元が立ち上がらないとダメ。補助金、交付金をもらえるから式の中央依存の地方創世のやり方では、早晩行き詰る。補助金が終わった段階ですべてが消えるからだ。こうした例は枚挙にいとまがない。魂を入れずして、何が地方創世か。宮古市議の心意気に学びたい。158・


・いろいろな分野に広まる議員立法・158・

16/10/20 7時42分


そう数は多くはないが、地に足がついた議員立法だなあという例もある。「小樽市地酒普及の促進条例」「小金井市アスベスト飛散防止条例」「逗子市空き家等の適正管理に関する条例」「名古屋市児童を虐待から守る条例」「名橋市ばりばり食育条例」「大東市マナー条例」「大津市子どものいじめの防止に関する条例」「田辺市紀州梅酒による乾杯及び梅干しの普及に関する条例」「奈良市カラスによる被害の防止条例」「古賀市深夜花火規制条例」など、なるほどと思う議員立法だ(全国市議会議長会「市議会の活動に関する実態調査」2,014年より)。

・もとより、議員立法として条例提案しても否決される例も少なくない。少数会派などによる提案の場合、日の目を見ないことも多い。実際、提案数の半分近くが否決されているようにも見える。議員のパフォーマンスだという見方から葬り去られる例もあろう。

ただ、会派の議席数だけで賛否を決めるやり方は、二元代表制の趣旨からすると正しくはない。少数意見であっても、市政、町政などにプラスと考えられるものはどんどん活かすこと。そうしないと議員立法は萎む。

これは議員自身の自殺行為にもなろう。生活に密着した行政を営む基礎自治体の場合、女性議員の意見や少数会派の意見にもっと耳を傾けるべきではないか。ともかく、選挙で選ばれてくる者は、首長であろうと議員であろうと住民に責任を持つ立場だ。変に国会の真似をし、与野党に分かれ、数で押し切る、国政政党と同じような行動しか取れない地方議会ならいらないと言われても仕方がなかろう。

159・


160頁・二元代表制かの地方議会の議員たちには、公選職として首長とそれぞれが1対1の論戦をして、いずれが民意を代表しているかを競う関係にあることが期待されているのだ。そうした前提に立って、各地の議員の政策活動が活発になるよう望みたい。160・16/10/20 8時33分・


・自治体が政策官庁へ・160・


これからの自治体に求められるのは、政策官庁としての自治体づくりを目指すことである。これまで日本では自治体を地方政府と呼ばず、地方公共団体と呼んできた。地方公共団体を普通地方公共団体と特別地方公共団体に分け、前者を都道府県、市町村としてきた。

しかし、欧米流の理解をするなら、いずれにせよ、地方公共団体は「団体」であって政府ではない。今でも国の省庁官僚は自治体を「団体」と呼び捨てるように言うが、これは間違いである。すでに分権後は、団体ではなく「政府」へと制度的位置づけが変わっている。官僚諸氏は自治体を団体と呼ぶのをやめるべきだ。その意識転換は重要である。

・なぜ、日本では戦後も自治体を地方政府と呼ばず、地方公共団体と呼んできたか。政府と呼ぶにふさわしい基本的な一つの機能が欠落していたからと理解でされる。これまでの地方公共団体には、地域の政治機能(政治体)と事務事業の執行機能(事業体)の2つの機能はあったが、自らの政策を創出する政策機能(政策体)はなかった。160・


161頁・3つの機能が必要なのに、2つの機能しかなかった。だから、地方公共団体であり、これは事業官庁としての自治体、「事業自治体」なのである。

・しかし、これからは3つめの機能、政策形成を担う「政策体」が加わり、強化される必要がある。この3機能を備えた自治体こそが地方政府であり、それは政策官庁としての自治体、「政策自治体」と呼ぶことが出来る。

・本格的に財政も厳しい時代を迎える今後、日本の地方政治において自治体をどう変えるか、そのポイントは政策官庁としての自治体をどう生み出すかにある。いかに効率性・効果性の高い政策を作れるか。地方議会は各自治体を政策官庁化する核に位置する。もっとも、誤解があってはならないが、自治体とはいえ、政策作りは役所が独占する時代ではない。住民やNPO,企業、大学、金融機関などの共同により政策作りを進める。共同を可能にする政策自治体づくりが公共政策の新たな方向となる。161・16/10/22 3時45分・


・政策とは何か・161・


私たちの社会は、住民焼き牛の自由な活動によって成り立っている。しかし、そこには個人や企業では解決できない様々な矛盾、問題が生じてくる。人口減少にせよ、環境問題にせよ、交通問題、福祉問題にせよ、そうだ。161・


162頁・16/10/22 4時1分・また、みんなで共同で使う道路や公園、集会施設などの社会資本の整備は企業の自由な活動からは提供されない。

・経済学ではこうした問題領域を「市場の失敗」と呼んでいる。こうした市場の失敗領域、つまり個人や企業では解決できない問題、いわゆる公共問題について、国や自治体が責任を持って解決しようというのが公共政策である。公共政策を略して「政策」という。

・ここでは政策を「問題解決の技法」と定義しておこう。国や自治体が行う問題解決の技法、それが政策である。政策の具体的な表現は国の法律、予算、政令、各省庁の規則、政策指針、大臣答弁と言った形を、また首長の施策方針、地方の条例、予算、選挙公約を頂点とする一連の行政計画という形を取る。

・最も、政策には抽象的なレベルから具体的なレベルまで階層がある。政策・・施策・・事務事業というようにである。

・自治体の内部で見ると、本庁の企画部門で扱うのが政策とすれば、各事業部門や出先機関での仕事の多くは施策の遂行であり、事務事業の執行という理解も成り立つ。

・もとより、これまでの日本は環境政策にせよ、福祉政策にせよ、自治体内で政策、施策、事務事業があたかも一つの工場の製品作りのように完結する仕組みにはなかった。

・国が立案し、地方が執行する図式の中では、多くの分野で政策は国が作り、自治体は、施策、事務事業を担ってきたと言ってよい。162・


163頁・そうした仕組みの中では、自治体に政策を自ら考える組織風土も育たなかったし、それを担う政策立案型の職員も育たなかった。議員についても同様だ。

・ともかく、これからは国の行う政策領域、地方の行う政策領域が比較的明確になっていこう。少なくも県も市町村も8割を占める「自治事務」については、自分の政策領域と考えてもよい。これを拡大するも縮小するも、他分野と統合するも、廃止するも自由だという前提に立って自治体は政策を組み立てるべきだ。その視点は「霞ヶ関が責任を持つ」のではなく、「住民に責任を持つ」だ。さらに今後、与えられた自治事務だけでなく、地域特有の問題領域に対し、独自の政策を構想する政策フロンティアへの挑戦が必要となろう。

とくに人口減少や地域づくりについては、地域間競争に打ち克つ必要がある。

163・16/10/22 4時33分・


・行政と公務員、民間との関係・163・


・もっとも、政策を「問題解決の技法」と簡素に表現しても、具体的には様々な場面がある。直接、役所が事業主体になって行う政策(公共事業)もあるが、市民や企業など民間活動に何らかの動機づけを促す政策もある。補助金や規制行政などはその例だ。

行政と民間活動の関わりは、大きく4つの場面からなっている。163・


164頁・16/10/22 4時42分・

1・行政が民間活動を規制する形で関わる(規制行政)

2・行政が民間活動を助成で関わる(助成行政)

3・行政が民間活動のサービス不足を補う形で関わる(補完行政)

4・行政が直接サービスの供給主体として関わる(直接行政)

・これらの4つの場面について、政策は「活動する案」を企画・立案・決定する「作成の段階」と、それを具体化する予算・事業執行の「実施の段階」に分けられる。

・本来は、一つの自治体で「企画活動」と「執行活動」が連続して行われるのが望ましいが、これまでは国が企画活動を中心に行い、自治体は国の補助金と通達に沿い「執行活動」を中心に担う仕組みにあった。これが、戦後半世紀以上続いた集権融合型の中央地方関係下の自治体であり、そこでは国が政策官庁であり、自治体の事業官僚という図式だった。この中で議会は国の事業執行を追認し、自治体の実施に「イエス」の許可を与える役割が多かった。


・この蔵々が2,000年の地方分権一括法の施行でなくなった。各省大臣の部下として、公選の知事、市区町村長を地方機関と位置づけ、国の機関委任事務の施行を通達で命令する上下主従の関係もなくなったのである。

・もとより長年、事業官庁になれきった自治体に突然、政策官庁の役割を果たせと言っても、そう容易ではない。164・16/10/22 4時59分・


165頁・もう15年経つが、地方創成一つ取っても、中央集権型地方創成の様相が強い。現場では依然旧来の行動スタイルが残っている。国の指示がない限り、すべてをルーチン的に処理し、大過なく済まそうという組織風土がそれである。

・そうであってはならない。行政と民間活動との4つの関わりの中に、政策の介在する領域は十分にある。これを認識し、裁量権を駆使しながら、住民の目線で満足度の高い政策作りを目指し相違・工夫を重ねる、それがこれからの自治体の仕事スタイルだ。議会も同様である。

・従来の国の示したモノサシを金科玉条とし、何の創意工夫もしない自治体と、持てる力を使ってあらゆる創意・工夫をして政策に改善を加え、新たな政策を次々に生み出していく自治体とでは、この先10年も経つと大きな「政策差」が生じよう。

・残念ながら、その差を「格差」とは言わない。それは明確な能力差である。

政策差が「個性」として形成されてこそ、政策分野でも地域づくりにおいても「多様性」が生まれてくる。それが地方分権を進めるねらいである。政策に個性や多様性を生み出すのは各自治体の独自の政策活動、工夫以外にない。165・


16/10/22 5時16分・


・違う政治と行政の役割・政策・166頁・


・各自治体が行う政策活動の個別の政策は、それぞれ形成・・実施・・評価、そして形成へのフィードバックとひとつのサイクルを描く。この政策プロセスを少し詳しく分解したのが上の図である。


それは1・課題設定(問題、課題の整理)、

2・政策立案(解決方法の設計)、3・政策決定(政策の公式決定)、

4・政策実施(細目を定め具体化)、

5・政策評価(政策の効果判定)の5つのプロセスからなる。


・しからば、この場面は誰が担うのか。よく議員に聞くと、自分らはこれとは関係ないという。強いて言えば「政策決定の場面かな」と言う。確かに、その答えは間違いではないが、基本的に認識不足だ。決定場面のみに関わるなら、議員の日常の政治活動はいらない。166・


167頁・また住民に変わって、自治体活動を政策面から統制することも出来まい。

・そうではない。分権化によって、政策過程は基本的に各自治体で完結するようになったと見てよい。そこで政治と行政の関わり、役割分担を認識することが需要となる。


大きく政治と行政を分けると、1・と3・と5・の場面は政治の役割(公選議員の役割)であり、2・と4・の場面は行政の役割(首長と補助機関の公務員)と言うことになる。もとより、これは連続した過程であり、どこまでが政治でどこまでが行政の役割だと明確に線を引くのは難しい。

しかも政治の仕事は首長、議員が、行政の仕事は公務員が担うと言った単純な役割図式にもなるまい。


・だが2,000年地方分権化以来、議会は1・から5・までの多くを役所任せ、首長任せ、役人任せできたきらいがある。これまで政策や条例を提案するのは首長の役割で、議員はそれをチェックするのが役割だと考えてきた。

議会が政策過程で重要な役割を期待されながら、十分でなかったのはその認識の浅さにも要因がある。3・の政策決定は議会の大きな役割だが、それに加え、議会は1・、3・、5・、が基本的な役割でもあることを再認識しなければならない。官民協働の時代をにらむなら、NPOや企業、住民らも1・の課題設定に止まらず、4・の政策実施、さらに政策評価を住民の手で行う。5・の過程での関与も期待される。167頁・16/10/22 5時54分・



2016年10月16日 (日)引用・地方議員の逆襲佐々木 信夫【著】・地方議会は役割総括主義へ変化せよ・機関としての議会改革も喫緊の課題だ。 目標?龍郷町を日本で初めての、人口増・一万人にする、町に変えて行くには町民、全員で考えて物事を決めて決定して、実行を?・奄美大島は・長期衰滅の危機に立ち向かう・引用家庭ゴミを発電燃料に 爆発事故12年目の再挑戦

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/10/12-d021.html

8:39 2016/10/16


・議会基本条例は必置・


143頁・平成28年10月16日 日曜日・

このところにきて、ひとつよい動きもある。機関としての議会が自律性を高める方向での議会基本条例の制定が全国に広がりつつあることだ。自治体の憲法とされる自治基本条例の制定も広まりを見せるが、自らを律する議会基本条例を作り、議会活動を充実させようという取り組みの意義は大きい。


2,006年5月に北海道栗山町が議会基本条例を初めて制定後、神奈川県湯河原町、三重県議会(同年)、三重県伊勢市(2,007年)と続き、この約10年の間に市レベルで言うと約4割の市議会で議会基本条例を制定している。


2,013年末現在の市議会における議会基本条例の制定状況は、次の頁の表のようになっている。全市区(812)のうち、約4割の市が議会基本条例を制定している。議会基本条例の制定自体、金のかかるはなしでないこともあってか市の規模による制定状況にあまり差はない。表にはないが、都道府県でも町村でも特別区議会でも大差はない。ひとつの望ましい姿だと評価したい。

・なぜ議会基本条約が必要かと言えば、住民に対してと言うより、議会内のガバナンス(内部統制)を高める役割が大きい。そもそも、自分らの議会は何をするところか、そのルールはどうあるべきかよく分からないと言う話が以前からあった。これを変えようという点で議会内のルールブックに近いえ面がある。その大きな背景には地方議会自身の危機感がある。


議会不要論も出ているが、それより地方分権の始まりで地方議会が決定者、監視者、提案者、集約者としての役割を果たすことが緊要だと認識するようになったからだ。特に改革派首長のいた県や市は早くから制定にこぎつけ、改革派首長に触発されて議会改革に取り組んできた経緯がある。首長と論戦をするイメージ。これが他の自治体へ波及していった。


・議会基本条例は、自ら定める議会ルールである。そのねらいは議会のあり方、討論など議会運営の体系化総合化を図ろうとする点にある住民と歩む議会、議員同士が討論する議会、首長ら執行機関と切磋琢磨する議会の変貌をねらう。

・議会基本条例で定めるべきポイントは次の諸点になろう。144頁・


145頁・


1・ねらい・地域の代表機関として、議会の役割を明治と信頼される議会づくり。

2・議会の原則・決定、提案、集約の4つの機能を十分発揮できる体制へ。

3・議員の原則・議員の役割、活動の心得、政治論理、政策提案の活性化。

4・議長と首長・二元代表制の制度趣旨を尊重、権力の抑制均衡関係を保つ。

5・討論の仕方・議員同士の討論を増やし、可能な限り執行機関に依存しない体制へ。

6・公開の原則・委員会全部の公開、情報公開審議状況報告、パブリックコメント。

7・政務活動費・政策立案・立法活動に限定。個人・会派ではなく政策グループ単位で。

8・議会報告会・年間計画に基づき、主要会期ごとに地区別報告会、懇談会を定例化。

9・付属機関・市政の主要課題に対応するため専門調査期間と法制局(共同)を設置。

10・事務局体制・議長局長を特別職に位置づけ、事務局スタッフの増強など体制強化。


 政策に強い議員へ・148


平成28年10月17日 月曜日・

これから地方議員にとっての大きな課題は、立法能力の向上ではないか。そのためには、サポート組織として法制局や法政相当を置く「制度の改革」が必要である。一方、現行の仕組みをうまく生かしているかどうかをチェックし、必要なら「運用の改革」も求められる。さらにそれを動かす議員の「意識の改革」も必要と思われる。

・制度上の壁があったらそれを変える制度改革は必要だ。ただ最近目につく議員の問題は、勉強しない、立法や調査活動をしない、職員や執行機関任せで「執行部案」が出てくるのを待っている、と言った「待ちの政治姿勢」である。つまり、運用、意識面の改革問題も大きいのである。


・繰り返すが、これからの議会はチェック機関の役割を果たす以上に、立法機関の役割を果たすことが重要だ。議会自らが政策論争をし、執行機関の提案内容を独自に修正し、執行機関の提案内容を独自に修正し、自ら様々な政策提案を行うこと、これがこれから求められる地方議会であり、地方議員の姿である。自治体自身、従来の事業官庁型の体質から抜け出し、政策官庁型の自治体へ変わらなければならない。その中心的な政治機関である議会は政策議会に、議員も政策は議員に変わらなければならない。そうならないと、地方分権を進めた意味がなくなってしまう。148頁・


平成28年10月17日 月曜日・

・職員と連携を・149頁・


・そこで問いたいのが職員との関係である。なんと言っても、議員の身近な行政の専門家は当該自治体の職員である。ただ、職員(公務員)は、よく「議会は鬼門」だと言う。触らぬ神に祟りなし、出来れば議員とあまり深い関係を持ちたくないと思っている職員が多いのも事実。議員の質問攻めにあい、管理職としての失格の烙印でも押されたら大変だ、と言うことかもしれない。

・一方、議員からは、どの部署にどのような情報があり、どのような職員がいるかも知らない、結果としては政策情報が少なく、スタッフもいないので「条例の提案」などは出来ないという声が上がる。同じ屋根の下で仕事をしながら、議員と職員が疎遠な関係にあるようでは、地方分権はうまく行かない。

・地方分権は自己決定・自己責任・出水から政策をつくること。もとより、それは何も議員自身が直接政策を作れと言っているのではない。政治家である議員と専門家である職員が連係プレーの中でよい政策をつくればよい。議員と職員はよきパートナーであり、政治と行政が連液プレーを行うことが期待されている。

・市民が何を求め、地域が何で困っているのか、直感的に判っているのは議員である。外から民意を吸収してくることは政治家がお得意な分野だ。しかし、一般的に議員は専門知識に乏しい。149・


150頁・16/10/17 8時0分・

これに対し職員は議員の様々な要求や提案を加工し、政策に仕上げる技術を持っている。政策面では職員のほうが知識も経験も豊富であろう。議員は素人でもよいが職員は専門家でなければならない。

そこで政治家の運んでくる様々な民意を、専門家としての職員集団が政策として加工する。それをアウトプットして住民サービスに反映する。そうした自治体内での連係プレーが行われてこそ、地域にとって望ましい政策が生まれる。

・それぞれの議員が、福祉や教育、子育て環境、農業、ごみ、観光、道路、地産地消など、得意な分野について実情を調べ、地域づくりに明確なビジョンを持って質問をすれば、職員はそれに目を開かれ、真剣に勉強するはずだ。職員の人材育成は首長の役割でもあるが、じつは議員、議会の役割だと言うことも見落としてはならない。政務活動費はそれの調査研究に使う。職員と議員が一緒に勉強会を行っても何も問題はない。


・古くからあるような、議員が職員に質問をつくらせ、その答弁を事前に貰い、それを委員会や本会議で互いに間違いのないように読み会う・・・こうしたことを続けていても何も生まれない。こうした関係を保つことが、職員に対する優しさだとか、議員に対するサービスだ、とお互いに考えているようでは、単なるなれ合いの関係に過ぎない。職員と議員が一定の緊張感と連帯意識を持って自治体を運営する、それが政策官庁としての議会のあり方である。150頁・


・地方議会に法制局を・151頁・平成28年10月17日・

・議員の立法活動、質問作成などをサポートする制度として、地方議会の広域連携機関として「○○圏法制局」を創設してはどうか。「宮城県栗原広域圏法制局」と言ったイメージ。そこに非常勤の専門委員として東北大などの法科大学院の出身者を雇ったらどうか。

・国際的に見ると、日本の法曹人口はまだ少ない。アメリカで見るとアメリカでミリと人口10万当たりの法曹人口は約400人。イギリス、ドイツでも約230~250人である。それに対し日本は、人口10万人に対して約30人という割合である。欧米との訴訟文化の違いもあるが、少しずつ増えているとはいえ、それにしても日本は法律専門家が少ない国だ。

・では、困っているところがないかと言えばそうではない。例えば47都道府県、20政令市、さらに1,700余りの市区町村の議会では、議員の条例提案件数が極端に低く、機関としての立法能力をどう高めるかが大きな課題となっている。市町村の場合、人口も面積もバラバラだから個別に各市町村議会が法制局を持つことは無理だが、30万~40万人の広域市町村圏なら共同設置が可能ではないか。都道府県や100政令市は単独設置も可能だろう。そこで提案したい。昨今、使途について問題視されている政務活動費の半分を「法制局設置、維持」費に投入し、議員立法をサポートする機関としたらどうか。

その専門家として法科大学院出身者を雇ってはどうか。「文系の医学部」との触れ込みで始まった日本の法科大学院。151・


152頁・しかし12年経った今、危機に立たされている。この大学院は研究者養成ではなく、専門家としての法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的に設立された専門職大学院。2,004年4月に多くが開設され、当初、法科大学院68校、約5,600名の定員という大振りなもので始まった。


当然ながら応募者も殺到。社会人を辞めて進学するものも多く見られ、各大学とも10倍以上に達する狭き門であった。政府の構想では、司法試験予備校中心の人材育成を辞め、対話型の思考力を養う教育により、もっと柔軟な立法能力もある人材を輩出し、修了すると7~8割が司法試験に合格するとされていた。だが、現実は違った。合格率は2~3割止まりである。とはいえ、以前の司法試験毎年500名まで増やした。しかしこれ自体、多いとされ、1,500名程度まで減らす動きにある。152・


・政策官庁議会へ脱皮せよ・152・


・とはいえ、優秀な人材が集まっているのが法科大学院である。その卒業生は法律の専門家だ。ここで言う地方法制局で雇う人材は、必ずしも司法試験合格者に限定する必要はない。法科大学院修了者(法務博士)専門職)立ちを専門委員(非常勤)として組織的に雇えばよい。152・


153頁・議員は条例提案の種となる「「問題意識をレポート」すればよい。それを他の法令や条例との整合性も見ながら条文化してくれるのがここで言う広域法制局だ。もちろん、議員立法だけでなく、執行機関提案の条例審議や予算についても、一定の専門知識を活かしてサポートして貰える可能性が高い。頼りになる法的スタッフだ。

そうした中から、将来法科大学院出身の地方議員が続々誕生してくるかもしれない。いずれ、欧米的な法律専門家の活躍の場裁判絡みだけでなく、立法や行政活動の場まで広げると、法科大学院縮小の流れも止まるのではないか。地方も助かるのである。

・ともかく、立法能力、政策形成能力を高めるのが議員らの研鑽努力のテーマである。今後も議員の絶対数は減り続けるだろう。少数精鋭型の地方議会の姿が一般化しよう。そこで呼ばれた一人ひとりの議員は、地域民主主義の代表、担い手として強い改革意識と進取の気性をもって政策を提案し地方活性化に取り組むべきである。

当面、各地に立ちはだかるテーマは人口減少に対し、同地域の再生を構想していくかだ。各議会で地方創世の在り方について常設の特別委員会をおいて、各界各層の代表も入れて中長期のビジョンを作ったらどうか。そうした中から、政策官庁型の自治体、政策官庁型の地方議会が姿を現してくるのではないか、筆者はそこに期待している。153頁・



・すぐやれる議会改革・145・


議会基本条例も含め、すぐやれる議会改革は幾つもある。その視点は、従来の「行政改革」(量的改革)」としての議会改革から「政治改革(質的改革)」としての議会改革へシフトすることである。それは多くが自力改革で出来る内容である。例えば、次のようなものが挙げられる。145・


146頁・

1・議会の自律性を高める議会自身のルール制定(例・議会基本条例)

2・執行機関を交えない、議員同士の討論機会の創出(本来は議員だけが原則)

3・議会主催の各地域での市民への議会報告会、対話集会(住民との対話)

4・議員立法を支える広域市町村での「議会法制局」の共同設置

5・議会の会期日数を大幅に増やし、定例会の月例化(審議時間の確保充実)

6・各議員の期毎の採決行動の公表、質問・提案に対する市民の評定(点数化してもよい)

7・議会で予算研究会を常設(財政の勉強をし、毎年、首長に予算教書を提出)

8・監査・統制機能の強化(行政監察、監査機能を持つ専門的付属機関を)

9・議員の活動執務室(1議員1執務机、インフラ整備、政策スタッフの非常勤雇用)

10・まちづくり、子育て支援、少子高齢化対策、地産地消研究会など創設(政策グループ化)

11・子ども議会を定例化(議会の学習機械を子どもの頃から育む)

・議会は本来、市民主権を土台とする市民の選挙によって成り立つ市民の「代表機関」だ。にもかかわらず、選挙が終われば、首長の翼賛機関と化し、国の下請け機関としての自治体の追認機関に成り下がってしまう。これでは何のための代表機関か分からない。

議会は特権を持つわけではなく、市民主権による選挙、つまり市民の信託に基づいて存在する議会だから、逆に市民の直接発動によって議会あるいは議員はリコールされ、また市民のイニシアティブによる条例制定、改廃請求も行われる。146・


147頁・平成28年10月17日・

議会が機能しなければ住民投票の活用も広がっていこう。「市民の代表機関」となるにはこれまでと逆の考え方を取る必要がある。

単に従来の「議会会議規則」に依存するのではなく、自治体の「基本条例」あるいは「議会基本条例」を作成し、招集、組織、会期、公開、参加などの規定を自らつくること。そのうえで審議、調査、立法をめぐる権限を広げる改革を行うべきではないか。

・その時、首長が市民会議などで行っているのと同様に、議会が主催して市民会議を開くことも大切ではないか。閉じた議会では何の進歩もない。開かれた議会に変わることだ。公聴会、参考人という形も一歩進め、彼らが議会の討議にも実質的に参加できるようにすれば専門性を高めることも可能となる。主権者である市民をいつまでも「傍聴者」あるいは「陳情・請願者」に止めておくのも問題だ。

アメリカのように、市民が議場で反対意見を述べると行ったところまで開いたらどうか。それはすぐには無理だろうが、参考人らが議員の討論に加わる仕組みぐらいは考えるべきだ。市民が主役であり、議員が真の代表となるよう、地方議会は市民自治の代表機関として蘇生すべき時が来ている。147・


ここまで平成28年10月17日


講談社現代新書 地方議員の逆襲佐々木 信夫【著】人口減少、自治体消滅の危機だから地方議員、地方議会にできることがある。中央からのバラマキではこの国は変われない。地方民主主義が日本を救う。大阪副首都構想のブレーンが提言!


第5章 地方議会、地方議員は変われるか・135頁・平成28年10月16日 日曜日

・地方議会は役割総括主義へ変化せよ・

機関としての議会改革も喫緊の課題だ。

まず、第2章でも書いたが、地方議員と地方議会の役割について今一度簡単に確認しておこう。次の頁の図のように地方議会の主な役割は、まず、自治体の団体自治に必要な予算、条例、主な契約などの主要案件の決定者である。同時に首長に代表される執行機関の活動の監視者であり、膨大な予算の執行や条例、契約に関する行政活動を監視、批判する役割を持つ。

さらに最近重視される役割として、議員自らが政策論争をし、首長提案の政策変更を迫るだけでなく、自ら様々な政策や条例を提案者としての役割がある。亦機関としての議会が有権者に議会の判断を説明し、争点の提起や民意の集約などを行う集約者がある。

こうした4つの役割を期待されながら、従来の議会は自ら「チェック機関」だと称してきた。135・


136頁・首長や執行機関の監視統制を行う機関が議会であると言う認識からだ。これ自体は間違っていないし、重要な役割であるが、しかし議会の役割を一点に集約して「チェック機関」だとするところに問題がある。

・特に地方分権が進む中、国の下請け的機関として国の機関委任事務の処理を大幅に担い、そのことに議会は関与できなかった時代とは違う多くの仕事は自己決定・自己責任を原則に自治体自らが決める自治事務に変わっている。この決定者が議会である。それには首調停案の議案を審議し、イエス、ノーの答えを出して終わるような形式審議ではダメ。

・議員同士で案件を深く掘り下げ、同時に自らの議員立法を行う提案者でなければならない。さらに議会が機関として住民の中に入って行くこと、そこで議会自身の採択態度争点を説明し、住民の意見を集約してくる活動が不可欠だ。136・

要するに地方議会は、従来の2・の役割重点主義から、2・から4・までをバランスよく議会活動に反映する役割総括主義へ変わらなければならない。 

地方自治の本旨と議会の関係図式

1・公共政策の

決定者

団体自治

2・執行機関の

監視者

住民自治

3・政策など

提案差

住民自治

4・民意の意見の

集約者

住民自治

地方議員自身は議員と議会の役割をどう考えているか。慶應義塾大学の政治研究会の調査によると、地方議員(例・都道府県議員)の役割認識は1・政策の決定、2・世話役・相談役、3・行政監視・批判、4・政策の形成の順となっている(同大学21COE・CCC調査データ、2,005年8月9)。

10/16/2016


・これが市町村議員になると、むしろ「世話役・相談役」と「行政監視・批判」の役割が上位を占めるようになる。この認識の違いはやはり問題である。市町村議員とて、地域の世話役を中心に活動する時代は終わったのではないか。政策立案や政策審議に多くの時間を割くのがこれから期待される議員の役割である。

・これまでも議会は改革努力を続けてきている。しかし、その本質は、政治改革としての議会改革ではなく、行政改革としての議会改革に泊まっている。議員定数の削減など「量的」な面の改革が中心だった。今後もこうした面での改革努力は惜しんではならない。

・しかし、それが議会改革の本丸ではない。分権化に伴う議会改革は政治の「質」を高める改革が最も大事である。地方民主主義の担い手たるべく、政治改革としての議会改革を進めると、これが議会改革の本丸である。137・


138頁・自治体自身、従来の事業官庁から政策官庁へ脱皮していくこと。その牽引力を担うのが議会である。「議会が変われば自治体も変わる」、議会改革の基本的な意義はここにある。

10/16/2016 9:38 AM・



・住民の中に入れ・138頁・

・地方議会の存在は住民参加の延長として捉えなければならない。住民の直接投票による住民参加もそうだが、これまで住民参加と言えば、ほとんど首長とその補助機関である執行部門の意志決定への参加を意味していた。議員の間からは、首長による住民参加の推進は議会の権限を侵害するものだという意見すら見られた。執行権がないとの認識からか、議会は住民参加を促進する視点を持たなかったと言っても過言ではない。


しかし、これは二元代表制に関する深い認識を欠いていると言わざるを得ない。執行機関としての首長が呼びかける住民参加と、議会が呼びかける住民参加とは意味合いが異なる。住民参加は、議会にとって、首長とは別個に、選挙で選ばれた住民の代表者としての、その代表性を高め、しかも合議体としての議会の持ち味である地域社会の統合力(地域における意見、利害の相違・対立を調整し合意を形成する能力)を高める手段なのだ。

・議会が主催して住民との討論や対話集会を一般化すれば、それは単に民意の具体的な吸収に役立つのみならず、議員も住民が提起する問題に対し説明し説得する能力を高めることになる。138・


139頁・住民参加は政治機関として議会の能力を研ぎ澄ます絶好の機会となる。

議会がこれまでのように執行機かをチェックする機能を持つだけでなく、立法機関としての機能を身に付けていく為には、町づくりの将来構想案や特定の政策テーマを取り上げ、議会主催で住民討論会を開くと行った試みが不可欠と言える。争点を明確化し民意を形成する、こうしたところに政務活動費を充てるべきだ。139・


16/10/16 10時5分・

与野党の意識払拭・


議会における与野党意識も、首長優位と大きく関係する。はたして二元代表制の下で議会に与党、野党はあるだろうか。仮にあると考え、議会がむやみに首長の与党的な行動に走ったり、野党的な行動に走る事は自らの存在意義を否定することになる。ましてオール与党化した議会、オール野党化した議会など、その存在は無価値に等しい。

・首長の多選やマスコミが注目する有名人の首長就任で、時の首長権力が強くなればなるほど与党的な議会活動が活発になることがある。それは多くの場合、首長選挙から始まる。最初の首長選挙で特定候補者を支持した議会内の政党・会派は、その候補者が当選してくるとその首長に対して自らを「与党」と考え、また首長側もそのグループを「与党」とみなす。139・


140頁・その首長の提出案件でも、審議過程において首長ら執行機関の職員を抜きに、議員同士だけで討論している議会は極めて少ないのが現状である。掘り下げが極めて不十分だ。

・こうした現状をどう変えたらよいか。いっそのこと、職務として議員に1任期1条例の提出を義務づけてはどうだろうか。議員立法にはある程度の専門的な法律知識が必要だが、衆参両院の例に倣い、立法活動をサポートし法令審査を担当する地方議会「法制局」を自治体共同で設置したらどうか。政策条例のテーマは農政、福祉、教育、まちづくりなど山ほどある。議員は条例を作り立法能力を磨く事だ。幸い、毎年3,000人近い学生が法科大学院を修了するようになった。

彼らのうち法曹(弁護士、検事、裁判官)の資格を得られるものは2,000人に満たない毎年半数は他の職業を目指すことになるわけで、各地で地方議会法制局をつくれば彼(彼女)らにも法律知識を活かす場が生まれ、議会にとっても優れた立法サポーター立法サポーターを雇えることになる。

・さらに各議会に議員執務室(1人1席の執務机)を創設すべきだ。人口10万人以上の都市議会はともかく、それ以下の市町村議会には議員執務室がないのが一般的だ。あるのはサロン的な議員控え室のみ。自治体の職員には非常勤でも執務机が与えられているのに、なぜ、住民の代表である公選議員には執務机すらないのか。この一点を見ても、いかに議員が議会を拠り所に「議員活動」をしていないかが分かろう。ここを拠点に住民と面談すればよい。142頁・


・議会基本条例は必置・

143頁・平成28年10月16日 日曜日・

このところにきて、ひとつよい動きもある。機関としての議会が自律性を高める方向での議会基本条例の制定が全国に広がりつつあることだ。自治体の憲法とされる自治基本条例の制定も広まりを見せるが、自らを律する議会基本条例を作り、議会活動を充実させようという取り組みの意義は大きい。


2,006年5月に北海道栗山町が議会基本条例を初めて制定後、神奈川県湯河原町、三重県議会(同年)、三重県伊勢市(2,007年)と続き、この約10年の間に市レベルで言うと約4割の市議会で議会基本条例を制定している。

2,013年末現在の市議会における議会基本条例の制定状況は、次の頁の表のようになっている。全市区(812)のうち、約4割の市が議会基本条例を制定している。議会基本条例の制定自体、金のかかるはなしでないこともあってか市の規模による制定状況にあまり差はない。表にはないが、都道府県でも町村でも特別区議会でも大差はない。ひとつの望ましい姿だと評価したい。

・なぜ議会基本条約が必要かと言えば、住民に対してと言うより、議会内のガバナンス(内部統制)を高める役割が大きい。そもそも、自分らの議会は何をするところか、そのルールはどうあるべきかよく分からないと言う話が以前からあった。これを変えようという点で議会内のルールブックに近いえ面がある。その大きな背景には地方議会自身の危機感がある。

議会不要論も出ているが、それより地方分権の始まりで地方議会が決定者、監視者、提案者、集約者としての役割を果たすことが緊要だと認識するようになったからだ。特に改革派首長のいた県や市は早くから制定にこぎつけ、改革派首長に触発されて議会改革に取り組んできた経緯がある。首長と論戦をするイメージ。これが他の自治体へ波及していった。


・議会基本条例は、自ら定める議会ルールである。そのねらいは議会のあり方、討論など議会運営の体系化総合化を図ろうとする点にある住民と歩む議会、議員同士が討論する議会、首長ら執行機関と切磋琢磨する議会の変貌をねらう。

・議会基本条例で定めるべきポイントは次の諸点になろう。144頁・


145頁・

1・ねらい・地域の代表機関として、議会の役割を明治と信頼される議会づくり。

2・議会の原則・決定、提案、集約の4つの機能を十分発揮できる体制へ。

3・議員の原則・議員の役割、活動の心得、政治論理、政策提案の活性化。

4・議長と首長・二元代表制の制度趣旨を尊重、権力の抑制均衡関係を保つ。

5・討論の仕方・議員同士の討論を増やし、可能な限り執行機関に依存しない体制へ。

6・公開の原則・委員会全部の公開、情報公開審議状況報告、パブリックコメント。

7・政務活動費・政策立案・立法活動に限定。個人・会派ではなく政策グループ単位で。

8・議会報告会・年間計画に基づき、主要会期ごとに地区別報告会、懇談会を定例化。

9・付属機関・市政の主要課題に対応するため専門調査期間と法制局(共同)を設置。

10・事務局体制・議長局長を特別職に位置づけ、事務局スタッフの増強など体制強化。平成28年10月16日・



・与野党の意識払拭・会議の自由化で議員提案を増やす・議会基本条例は必置・すぐやれる議会改革・政策に強い議員へ・職員と連携を・地方議会に法制局を・政策官庁議会へ脱皮せよ・ 

目次

はしがき・3頁・16/10/14 7時25分13秒・

どうも地方の政治がパッとしない。輝きが見えない。地方分権と言われて久しいが、地域の自立、地方自立の動きが明確な形で表れてこない。今「地方創成がキィワードになっているが、現在の動きは中央指導、中央集権型地方創成ではないか。政府の振るタクトばかり見ている。戦後長らく続けられてきた自民党政治の得意技、補助金行政、地域指定のやり方に一喜一憂し、振り回されている。果たしてこんな事でよいのか。

・それをつくりだしている要因が、中央集権型システムをそのまま温存し、東京一極集中を事実上「是」とし、東京膨張を放置している点にあることは否めないが、同時に、自己決定・自己責任・自己負担を原則とする地方自治の担い手が、地域主導型の自立した地域づくりへの狼煙を上げるパワーに欠ける点だ。特に地方議会の、地方議員の動きにダイナミズムがない。もちろん、自ら掲げた大阪都構想や行政改革を必死にやり遂げようとする大阪維新の政治など一部の例外はあるが、全体として地方政治の顔が見えない。

・10年前、こんな調査がある。地方議会の現状に満足しているか、と生きたら「あまり満足していない」「まったく満足していない」が60%。3・

4頁・その理由は「議会の活動が住民に伝わらない」が53%、「行政のチェック機能を果たしていない」が33%、「地方議員のモラルが低い」が32%(重複回答)とある(日本世論調査会、2,006年12月実施)。

・それから10年経つが、同じ質問をしたらどんな答えが返ってくるだろうか。進取の気性に架けるのか、特権にあぐらをかいているのか、それとも適格者が選ばれていないのか。

・地方創成についても様々な提案が出ている。しかし、それは中央省庁からであったり、地元の金融機関、地方大学、マスコミからであったり、知事、執行機関からの提案であったりする。だが、肝心の住民代表の政治機関である「議会」からの提案はほとんどない。住民の民意を束ね、独自の地域主権の動きを強める、そうしたエネルギーが見えないのだ。なり手不足など地方選挙も低調で、地方で民主主義が失われているのではないか。

地方分権改革が始まって15年余りが経つが、今の動きは再集権化の動きとすら見える。

・それを食い止め、地方民主主義を再生させる道はないのか。そこに本書の問題意識があり、議論の焦点がある。地方が自ら変わらなければ、この国は変わらない。そのことを改めて確認したい。

・知事、市町村中らはあくまでも執行機関だ。二元代表制かでの決定機関は議会であり、様々な職層、地域、性差などを代表するのは公選職の議員からなる地方議会である。4・

5頁・なぜ、住民が感心するような、個性的な提案が地方議員の手によって行われないのか。それまでの箸の上げ下ろしまで中央省庁が差配する中央集権化の自治体と違い、2,000年の分権改革以後、地方議会は自治体の条例、予算、主要契約など経営の基本事項の決定者になっているのに、である。

・各大臣・・知事・・市町村長という国の指揮命令系統に組み込まれ、国の機関委任事務の処理に8割近くのエネルギーを費やしてきたのが、戦後半世紀以上続いた中央集権化の自治体だ。その環境は2,000年4月以降、地方分権一括法が施行されて変化したはずだ。

・大臣・・首長というタテの執行機関ルートでの指揮命令に従わされ、意志決定から事実上排除されていた地方議会。それが、地方政治の主役へと立ち位置が変わったのである。

・にもかかわらず、旧態依然とした活動が目立つ。そうこうしているうちに、地方議員のなり手すら減り始め、無投票の選挙区が3割に達する始末。

2,016年から政治参加の資格を18歳まで引き下げ、240万人の若者が政治に参加できる状況がつくられたのに、実態は逆の方向に動いている。地方議員のなりてがなく、地方議会がうまく機能していない、それを地方民主主義の危機とするなら、これを放置したらこの国は亡びる。

・私たちの生活に関わる公共サービスの約3分の2は、都道府県、市区町村という地方自治体から提供されている。5・

6頁・その地方自治体の意志決定者は、「地方議会だ。一つの国の中で、これほど地方自治体の活動量(ウエイト)が大きな国は、カナダと日本ぐらいである。それほど自治体の影響力の強い国であるにもかかわらず、肝心の地方議会が政治の中心になっていない。議会制民主主義が根のところから枯れている。

・首長は時々目立つ存在が表れるが、地方議会と地方議員の存在感は薄く、住民たちの関心も低い。たまに関心を呼ぶのは、号泣議員、セクハラ議員、暴力議員など地方議員の不祥事ということになる。これを例外的なものとみる見方もあるが、地方議員の劣化が著しくないか。少なくても住民からすると、地方政治への信頼が足元から崩れている感が強い。人口が減る時代へ、地域は総力戦で地方創成に取り組むべきなのに、こうした状況ではこの国の行く末は危うい。高等教育も普及し、歴史上、教育水準が最も高まった日本である。地方が蜂起できないはずはない。

・現在、日本には47都道府県、790市、928町村(745町、183村)、23区の特別区の1,788自治体がある。そこに働く地方議会の議員総数は3万3,438名。都道府県に2,613名、市区に1万9,576名、町村に1万1,249名の議員がいる(2,014年末)。この地方議員が各自治体の意志決定者である。6・

7頁・ただ、年齢形成や性別に極端な偏りがある。議員の年齢も高く、60歳以上が町村議で72%、市区議で55%、都道府県議で45%を占める。女性議員の比率は低く、区議で26%、市議で13%、町村議と都道府県議で9%。人口の半分以上が女性でもあるにもかかわらず女性議員は1割に過ぎない。

これは積亜出群を抜いて低い。女性民主主義という視点では、世界でワーストワンに近いのが日本の姿だ。

・個人や企業では解決できない公共領域について、160兆規模の行政活動が行われている日本。その約3分の2は地方が担っている。地方で「自己決定・自己責任」により行政活動が行われる地方分権の仕組みになっており、税金の使い方やサービスのあり方を自身の手で大きく変えられる。ある意味で、国政より地方政治の影響力が大きい仕組みだ。

・今、アベノミクスの一環として声高に「地方創成」が叫ばれているが、実際は如何に国が旗を振ろうが地方自身が変わらなければ、人口減少の解決も地域の再生も出来ない。20世紀の中央集権化とは異なり、地方政治の力が表出せず、それに対する関心も低い。

・地方政治の担い手、この大きな役割は地方議員が負っている。だが、市民は地元自治体に何名の議員がいるのか、ほとんど知らない。例えば日本で人口の一番多い東京都という地域。1,300万じんと民のもと、約10万人に一人の割合で都議会議員が選ばれており定数は127名。7・

8頁・その待遇は、月額102万円の報酬と年2回のボーナスで年収1,600万円近い。これに政務活動費が年間720万円加わり、国会議員並の待遇にある。ただ、その働きぶりとなると、都民の多くはほとんど知らない。

・日本で一番小さな自治体も東京都にある。人口170人程度の青ヶ島村(2,014年)。住民の半数が島外出身の役場職員や学校の教員、建設作業員とその家族。島民の平均年齢は30代後半と若い。ここにも村議会があり議員定数は6名。報酬は月額10万円、ボーナスを含め年収約150万円。この人口なら、議員の活動を知らない村民はいないと思うが、影響力はどうか。

・地方議員をめぐって、号泣議員に代表されるように代表されるように最近スキャンダルが目立つ。その様相、要因については本文で述べるが、従来から議員の数が多い、報酬が高いと言った批判が強かった。何が適正な報酬かモノサシがあるわけではないし、自治体の規模、地域で報酬の差は大きい。大雑把に言うと、県議で平均80万円市議で40万円、町村議で20万円の月額報酬。これに約3・5ヶ月のボーナスが加わる。報酬で比較すると、なぜか県議の2分の1が市議、市議の2分の1が町村議と、2分の1,2分の1の階層的な法則が見える。働きぶりにこうした差があるのか。人口規模が多くなれば報酬が高くなる、この意味するところは労働の難易度の違いなのかどうか。8・

9頁・地方議員が何も改革していない訳ではない。各地で努力している。中には議員数や報酬に大胆に切り込んだ自治体もある。維新改革とされる大阪の例。人口885万人の大阪府の府議会は、2,015年の統一地方選から定数109を88へ21議席カット、2,011年4月から報酬は月額93万円を65万円へ3割カットした。報酬は全国都道府県の最低で、定数の大幅カットと合わせ前例がない。生活者目線で見た改革とされるが、これが全国の議会改革のデルとなっているかと言えば、現段階では例外的な扱われ方だ。

・各議会の改革努力の中で、法律上の定数、上限定数と言った制限がなくなったこともあり、議員定数を見直す気運が見られる。明治半ばにプロシア(ドイツ)の議員定数を見本として始まったのが、日本の地方議員の定数。ようやく、地域に何名の議員が必要かと言った、「そもそも論」から見直し環境が生まれている。法律上の定数制限はなくなった。

・ただ、議会任せだと「集団的防衛本能」が働き、ほんの少しの削減でお茶を濁す傾向にある。市民の開いて議員定数の議論を始める時ではないか。議会のルールを定めた議会基本条例を作ったり、年4回だった会期制を通年議会制に切り替えたり、会派やグループで研究会や研修、調査活動を活発にするなど地道な改革努力も見える。その点、従来の「動かざること山の如し」と言う地方議会に対する見方は当たらない。しかし、その議会改革が地方民主主義の再生に向けた、大きな流れになっているかと言えば、疑わしい。9・

10頁・16/10/14 10時26分・

・一方で、議員のなりてが極端に減ってきている。2,015年春の統一地方選は投票率の大幅低下と無投票当選率の増加が特徴だった。議員選挙に限ってみると、無投票当選率は町村で21・8%、道府県で21・9%、市で3・6%、政令市で1・7%とこれまでで最も高い県議選の1人区などは3割近くが無投票当選。これは首長選にも波及し、町村長選で4割強、その後さみだれ的に行われている市長選を見ても、3割が無投票である。ついに知事選までそれが現れた。2,015年は岩手県と高知県の知事選が無投票だった。

・これに選挙があっても、事実上、選挙前から当選者が分かるような無風選挙を加えると、半数近くの地方選挙が無投票に近い状態。道府県議選の投票率も史上最低の45%で、有権者の半数以上が地方選に足を運んでいない。自分の住んでいる選挙区の投票率の低さすら知らない市民も多い。今日本の地方民主主義は草の根から枯れてきている。

・果たして、無投票当選というのは「当選」なのか。ゼロ評議員、ゼロ票議会の出現は、代表制民主主義における政治的正当性を失わせる。彼(彼女)らは仮面を付けた「みなし代表」に過ぎない。選挙の洗礼なき無投票当選に政治的正当性はない。便宜的に認めた無投票当選という制度は廃止したらどうか。今後人口減少に伴い、頼子の傾向が強まるとすれば、事実上、自治体官僚の支配する地方自治へと変容する。10・11頁・

住民の住民による住民の為の政治を、自ら手放すことになってしまう。

・公共利用行きが拡大し、税負担が年々重くなる日本。その約3分の2を占めるのが自治体の活動だ。そこで議会制民主主義の空洞化が進むなら、この国はどこに行くか分からない。

・すでに行政を国に任せればよかった時代は終わっている。多くは地方の自己決定、自己責任に委ねられている。だが、地方に任せればうまく行く、その道筋はまだ見えていない。地方政治の出番なのにパワーが見えない。納税者に近いところでこそ一番問題が見えるはず。そこに政治行政を任せるのが民主主義の基本であり、地方分権の思想だが、未だにそれは教科書の世界に止まる。

地方政治に対する無関心の広まり、議員のなり手の枯渇、議席の固定、既得権益かなど、日本の地方民主主義は危機に立つ。地方政治をめぐり改革すべき課題は山ほどある。この課題について様々な角度から分析し提言する中で、解決の方途を見出したい。本書がこの国のあり方について、地域レベル、地方議員という窓を通して考える「よすが」となれば幸いである。

2,016年2月・佐々木信夫著

平成28年10月14日 金曜日

著者紹介 中央大学教授、法学博士。1948年岩手県出身。早稲田大学大学院政治学研究科修了、慶應義塾大学にて法学博士取得。東京都庁企画審議室などを経て、聖学院大学教授、94年から現職。2000年~01年カリフォルニア大学(UCLA)客員研究員。慶應義塾大学、明治大学、日本大学各講師、日本自治創造学会会長。現在、国の地方制度調査会委員、日本学術会議会員、大阪府・市特別顧問など兼任。専門は行政学、地方自治論。テレビ、ラジオ出演、新聞、雑誌でのコメント、各地での講演も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

 

 

第1章 なぜ、地方議員が問題なのか・17頁・平成28年4月26日 火曜日

・地方議員、地方議会への疑問・地方分権が始まったのに・草の根が枯れる・こんな非常識がなぜ?・刑事事件も後を絶たない・これが政務活動費の使い方か・議員達のための支出基準・千代田区議会が画策した政活費のすり替え・無風土壌が生む・「劣化現象」・住民の監視の目がない・競争なき選挙で悪貨は良貨を駆逐する・議員という仕事に魅力とやりがいがない・投票率は右肩下がり・無投票当選の急増・ゼロ票議会・サラリーマン、女性が議員比率が低すぎる・議員定数は戦前の遺物・定数・報酬・カネ・

第2章 地方民主主義と地方議員・48頁・

・地方議会が政治の停滞を招く・地方議員の仕事・議会活動への鋭い指標・オール与党か現象・なぜ首長優位か・なり手不足・地方自治とは?・議会制デモクラシー・明治、そして戦前・戦後、そして現在・2,000年の地方分権改革・地方議会における与党と野党・議会は広義の野党機能・立ち位置の変化・住民自治と議会・

第3章 地方議員の待遇・76頁・

議員バッチは通行証・バッジのない議員像・公選職に就く意味・給与のように払われる地方議員の「報酬」・地方議員は非常勤特別職・報酬の決め方・差の大きい議員報酬・これでは非常勤に近い?・経験年数を加味しない報酬・名古屋の乱とは・報酬は地域の上位20%が妥当・報酬は議席の数で決まる・国会議員と地方議員との比較・日本の議員は世界一?!・政活費の支給額を削減するのが「改革」ではない・海外視察・・・透明性を高めよ・第三者の監視機関が必要・

 

第4章 地方議員と選挙・107頁・

・戦前と戦後の地方議員・議員の決め方・条例定数制度・常任委員会の構成数で決めるのはどうか・海外の市町村議員数との比較・無投票を根絶する改革を・地方議員のなり手を増やすには・サラリーマン議員・5時から議会・クオータ制導入・議員活動の実像・議員は忙しいのか・議員の兼業実態・都市部は土日・夜間議会へ・

第5章 地方議会、地方議員は変われるか・135頁・

・地方議会は役割総括主義へ・住民の中に入れ・与野党の意識払拭・会議の自由化で議員提案を増やす・議会基本条例は必置・すぐやれる議会改革・政策に強い議員へ・職員と連携を・地方議会に法制局を・政策官庁議会へ脱皮せよ・

 

第6章 地方議員の政策形成入門・154頁・

自ら考え・自ら決める議会へ・政策のプロセス・議員立法が自治体を元気にする・いろいろな分野に広まる議員立法・自治体が政策官庁へ・政策とは何か・行政と公務員、民間との関係・違う政治と行政の役割・政策・・4つの類型・政策形成とは・政策目標の設定・政策の手段・人口減少と経営シフト・政策手法の転換・政策を磨くこと・政策評価とは・施策評価の基準・説明責任(アカウンタビリティ)・違反者を見逃すな・議員は言いっぱなしでよいか・議員に説明責任あり・

 

第7章 「大阪都構想」と地方民主主義・192頁・

・住民投票の意義・住民投票3つのタイプ・大阪都構想と住民投票・住民投票までの政治過程・現場で見た住民投票・大阪の衰退止まらず・大阪都構想の本質は何か・食い違う双方に意見・改革挑戦の意義・実現までのステップ・東京一極集中を変える・「都構想」再挑戦、波高し・政府機関の地方移転始まる・副首都構想を検討せよ・副首都の概念づくり・省庁の減反減量政策・

終章 地方からこの国を新しくする・223頁・

・地方議員は地域から国を帰る覚悟を・地方創成は幻想か・垂直的統合がネック・新たな国の形・人口減少予測と地方議員・地方創成の柱立て・国は少子化対策、地方は地域の活性化に専念してはどうか・地方創成への見方・「大都市=豊かか」時代の終焉・ベッドタウンが危ない・地方創成、新たな視点・地方が変われば国は変わる・「地方先端時代」に地方議員がやるべきこと・

参考文献・246頁・平成28年4月26日 火曜日

 

出版社内容情報

 

「大阪都構想」には未来がある! 地方改革研究の第一人者が示す地方議員、地方議会改革の教科書。地方からこの国はまだ変えられる。

地方議会、地方議員が大きく変わり、この国を引っ張る存在になれば、日本は地方から見事に生まれ変わることができるはずだ。では、地方議員は地方議会はどうすれば変わることができるのか? 

著者は、東京都庁勤務経験などをもとに最近では「大阪都構想」で地方行政に一石を投じた橋下徹前大阪市長のブレーンとしても活躍。地方活性化、地方改革の理論的支柱として新たな国のかたちを提言し続けてきた。

政務活動費の不正使用疑惑にまみれたあの「号泣会見議員」が象徴的だが、自治体住民からあまりに乖離した地方議会、地方議員を住民の手に取り戻すことはまだできる。選挙制度、議会運営をどう改革するか? 地方議員の最大の仕事である政策立案の方法論とは? 誤解されてばかりいた「大阪都構想」の本当の利点とは? 

全地方自治体職員、全地方議員必読の新しい「教科書」をお届けする。

 

第1章 なぜ、地方議員が問題なのか

第2章 地方民主主義と地方議員

第3章 地方議員の待遇

第4章 地方議員と選挙

第5章 地方議会、地方議員は変われるか

第6章 地方議員の政策形成入門

第7章 「大阪都構想」と地方民主主義

終章 地方からこの国を新しくする

 

【著者紹介】

5:42 2016/04/26


10万本のシバ桜で・高齢化した山村が元気になった話・山口県周南市・大通理地区の取り組み・

育成したシバザクラの苗を持つ井上正幸さん・


圧巻なシバザクラ。これを見る為に11戸(うち農家6戸)しかいない鹿野地集落に毎年5万人がやってくる。「公園に咲くシバザクラより、普通の集落に咲く花のほうが雰囲気があっていい」というファンが多い(井上正幸さん提供、以下1も)ゲンダイ農業2016.8.

・シバザクラをきっかけに村が一変・


先月号のカラー口絵で紹介した山口県周南市・大道理地区のシバザクラ。春になると棚田の畦一面に、10万本の色鮮やかなシバザクラが咲き乱れる。この圧巻な景色を一目見たいと次々にお客さんがやってきて、今では毎年5万人が訪れる観光名所となっている。

大道理地区は、戸数にして200戸、人口は400人ほどの静かな山村(13の集落からなる昔の村)だ。少子高齢化が進み、高齢化率は52%を超えた。加えて、店がない、食堂がない、金融機関がない、病院がない。316頁・

317頁・中山間地域特有の不便さを抱えており、「このままでは元買い集落になってしまう」と危惧されていた。

ところがシバザクラをきっかけに、この村がいっぺん。「自分たちの地域は自分たちで守る」と、高齢者が困らない仕組みをみんなで作ったり、母ちゃんたちが弁当加工に燃えたり、空き屋を活かして外から人を呼び込んだり、ここ数年で急に活気づいてきたのだ。一連の取り組みにも関わってきた井上正幸さん(72歳)に話を聞いた。

・危険な座の草刈りをどうするのか・


「こんなにいろいろなことが起こるとは正直思っても見ませんでした(笑)。最初は畦の草刈りを何とかしたい。ただそれだけだったんです」

まずはシバザクラを植えたきっかけから。井上さんの家の大道理地区の中心部に近い鹿野地集落にあり、ここでシバザクラヲ植えたのだ。かつては1aほどの小さな田んぼが連なる棚田だったところを平成7年に基盤整備として、10a区画にした。しかし傾斜がきついところで基盤整備をすると、どうしても大きな畦になる。約3・5haの田んぼにhaの畦が出来、高さは11㍍を超すところも出来た。そんな畦の草刈りは過酷だし危なくてしょうがない。

317・


318頁・この集落の農家は井上さんを含めて六戸で、みんな六十歳を超えている。事故が起きる前に何とかしようと、ことあるごとにみんなで話し合い、畦を防草シートで覆うことにした。

ただ、シートで覆っただけでは味気がない。だったらシートの上から花を植えようか。綺麗なものなら気分もいい。イワダレソウ、マツバギク・・・、いろいろ検討した結果、一番色の多いシバザクラに決めた。

そして平成20年に裁植をスタート。高齢者集団六戸でやるので、急がないと寿命のほうが早く来る。目標は三年でhaすべてをやることにした。

しかし、作業はかなり大変だ。そこに六人それぞれが、勤めていた時代の友人知人などに声をかけ、ボランティアをお願いしてみると、おもしろがってくれる人が結構いて、地域内外から多くの人が集まってくれた。土日・祝日を中心に作業を進めたところ、目標どうり三年で1ha、10万本をすべて植えることが出来たのだ。

・補助金に頼らない・


驚くべきは、10万本の苗を一本も買わずにすべて挿し芽で増やしたことだ。「そもそもお金もなかったし、補助金には頼りたくなかった」と言う井上さん。と言うのも、定年まで市の職員をして農政の仕事に30年以上携わってきた中で、補助事業に取り組んで長続きしなかった事例を多く見てきたからだ。下火になると次の補助金を探す場合が多く、そういうところは必ずダメになる。最初は身銭を切ってでも自分たちがやるという姿勢で取り組まないと、物事はうまくいかないと井上さんは思う。

苗は園芸店で買うと一本100はするが、シバザクラは雑草のようなもので簡単に挿し芽で増やせる。地区では庭に少し植えている家が多いので、最初はその株から芽をかき集め、それを挿し芽にして、およそ半年で定植できる苗に育てた。休耕地の一角に苗場を儲け、育成苗作業も地区人に呼び掛けて手伝ってもらった。花を育てるのは楽しいようだ。多い時は50人ほどが応援に来てくれた。318頁・


319頁・こうして毎年三万~四万本の苗を育てたことで、三年で10万本を植えることが出来たのだ。

防草シートはha分で約150万円かかる。これは最初はロクとの農家で負担したが、二年目からは県の方から声がかかり、一部を助成して盛ることになった。

・維持していく為の緑化協力金・


植栽して2~3年たつと地元の新聞やテレビが大々的に取り上げたおかげで、県内から多くの人が押し寄せてきた。これにはみんな驚いたし、困ったことに農作業が出来なくなってしまった。花が咲くのは四月初めから終わりまで。しかしお客さんが沢山いるので機械の出し入れが出来ない。どうするか。またもや話し合い。「こうなったらもうしょうがない。せっかくここまで来てくれるんだから、ベストな形で花を見てもらおう。田植えは少し遅らせてもいい」という結論に至った。

しかし、違う問題も勃発。防草シートは張ってしまえば、草が生えない、管理がいらない、とはならなかったのだ。シートに穴を開けて花を植えると、植え穴から雑草がバンバンは得てくる。綺麗に維持するには、年四回程度草取りが必要だ。それから防草シートの下はなぜかモグラが増える。モグラが歩くとその場所は土が盛り上がり、花が枯れてしまう。枯れた隙間が出来ると見栄えが悪いので植え直しも必要だ。つまり、ちゃんと維持して行くには膨大な管理が必要だったのだ。319・


320頁・実際、ヨソの地区でシバザクラヲ始めたが、数年で見る影もなくなったという事例がある。おそらく植えてからの管理が出来なくなったからだろう。

自分たちだけで維持管理をしていくのは大変だ。かなり手間をかかるのに、お客さんにはタダで見てもらう。

これをどうかと言うことで再度みんなで話し合い、維持管理酢をする為の緑化協力金という形で一回200円の寄付をお願いすることにした。10万本植えた翌年からは「芝桜祭り」を開催。祭り期間中は集落の入り口にテントを張って案内所を作り、そこで協力金をもらうのだ。ただし金儲けではないので一回払えばその年は何回来てもいい。パスカードを作り、二回目以降はそれを見せればフリーで入れるようにした。

お客さんは五万人ほど来るが、リピーターが多いので、ワンシーズンで集まる協力金は400万円ほど。農家六戸で組織した百笑倶楽部でこのお金を管理して、作業に参加してくれた人や祭りの手伝いをしてくれた人に時給七百円出労賃を支払うようにした。そのほか仮設トイレを設置したり、案内の看板を立てたり、お客さんが快適に見学する為の必要な道具などもすべてこのお金から賄っている。

・地区住民みんなで夢プランを策定・


自分たちの地域が綺麗になってくると嬉しくなるものだ。さらに、こんな山奥の集落にあれだけの人がやってきて、口々に「いいところだね」と言われると、何か新しいことをしたいという気持ちが芽生えてくる。これは鹿野地区の人に限ったことではなかった。手伝いに来てくれた人を中心に、地区内の多くの人にも同じような気持ちが芽生えた。

シバザクラヲ植えた二年目に、市がたまたま将来の夢を地域ごとに作る「夢プラン」の策定を進めていて、大道理でもすぐに取り組むことにした。井上さんが実行本部長となり、地区200戸全戸が参加する「大道理をよくする会」を立ち上げて、二年かけて夢プランを作ることになった。ただし住民全員で話し合うのは無理なので、13ある集落(一集落多くても25戸ほど)から、策定委員を二人ずつ出してもらうことにした。 

・・この時に、井上さんがこだわったのは、自治会長や団体長などをやっているふだんから声の大きい人は策定委員には入れないようにしたことだ。声が大きい人だと、いい悪いは別にして、大抵その人の意見に流れてしまう。一方、日頃声には出さなくてもよく考えていて、いい意見を持っている人もいる。320・


321頁・そんな人の意見を発掘したいと思ったからだ。そう各集落にお願いすると、意外にすんなりと20人ほどのメンバーが集まった。半分は女性だ。そうしてつきに1~2回集まって意見を出し合い、素案が出来たところで自治会長などにも見て貰い、絵に描いたもちにならないようにプランを練り上げていった。そして、出来ることから実行して行ったのだ。

・・次々にプランが実現!・


プランの一番大きな柱になったのが高齢者に優しい地域にすること。まずは生活に不便を感じている人を手助けする為の「便利屋さん」をスタートさせた。

電球の交換や屋敷周りの草刈りなど、日常のちょっとした困ったことを地域でやれる人が手伝ってあげる仕組みだ。無料の場合もあるし手間賃を少しでももらう場合もある希望者は多く、今は草刈りの依頼が多いという。

車を使えない高齢者の足も深刻な問題だった。バスや電車がないので一番近い7~8㍍離れた隣町の病院やスーパーに行くのも困難。321・

高齢者の生活の足を支える「もやい便」。平成27年10月から本格運行。地域内は片道100円。病院やスーパーのある隣町までは片道200円。利用者が多い。

322頁・そこで軽自動車「もやい便」を運行させた。予約すれば格安で利用できる。これは市の事業として一緒に取り組んだ。試験運用で利用者が多かったので、本格運用となった。また高齢者同士が楽しんで交流できる「サロン」も開設。これも人気がある。

さらに、芝桜が咲いて元気になった総勢17人の地域のおばちゃんたちによる農産物加工グループ「ほたる工房」も立ち上がった。芝桜祭りのお客さんや視察に来る人に地場産野菜で弁当を作ったり、地域内の独居老人に福祉弁当を作ったり、今は注文が絶えない状況になっている。

・年々増加する空き屋の有効利用も始まった。ひとまず一軒の空き屋を使って移住希望者に一週間のお試し移住体験をしてもらう「夢有民の家」を開設し、移住希望者の相談に乗る「里の案内人」も五人設置した。その結果、現在までに30~70代のご家族が移住した。

夢プランで一番時間をかけて話し合ったのは、九校になった小学校をどのように活かすかだ。議論の重ねた結果、市の指定管理を地区で受ける形で「夢求の里交流館」という地域活動拠点を作ることになり、それも最近実現した。拠点が出来たおかげで、様々な活動がスムーズに運用出来るようになってきた。ちなみに交流館の初代館長は井上さんである。

・逆流通という発想で・


・プランを実施してからたった五年でいろいろなことが実現した。井上さんは今振り返ってみるに、策定委員に声の大きな人を入れなかったことがよかったと思う。集落の中で本当に必要とされている声を拾えたから、これだけスムーズに事が動いたのではないかと思うのだ。

井上さんは今後に向けてこんな事を考えている。今は年寄りが街に出ていくのがいよいよ難しい時代になってきた。車を運転できない人が急増いているからだ。しかしみんな畑を持って野菜を作っている。


323頁・ではどうやってその野菜を流通させるのか。直売所もない、農協への出荷も出来ないのであれば、逆転の発想で、畑に来て野菜を収穫してくれる消費者を呼び込めばいい。そんな逆流通の流れが出来ないか。交流人口を増やしながら知恵を絞っていけば、もっと年寄りが元気になれる仕組みが作れるのではないかと思うのだ。井上さんは来年の芝桜祭りで何か仕掛けてみたいと考えているところだ。

平成28年9月28日 水曜日


なぜ、私は「人は生かされ過ぎてはいけない」と思ったのか ライフ 2014.11.8 PRESIDENT Online  フリーライター 相沢光一=文介護費用の9割は誰が払っているのか

父を看取った後、私はケアマネージャーをはじめ、お世話になった介護サービス事業者の方々に電話や手紙で感謝の意を伝えました。

私自身は「父に対してもっとできることがあったのではないか」という悔いがなかったわけではありませんが、介護に関しては確かな技術や知識を持ったうえで、プロの方々に父や私の不安を取り除く心のこもったサービスをしてもらえたからです。

その後、当欄での介護体験談の原稿依頼を受けたこともあって再度それらの人たちに連絡をして話を聞きました。その中に取材を超えて介護の現状と今後に対する危機感を吐露してくれた人がいます。

体験談の原稿にもたびたび登場する介護用品レンタル会社のIさんと訪問看護師のWさんです。

今回は、その時に聞いた「介護の危機」に対する事業者の本音と思われる話を書こうと思います。

「介護保険というのはありがたい制度だな」     父の介護が始まってから、しみじみ思いました。要介護認定を受けると、介護にかかる費用負担は1割で済むからです。

たとえば、最初に必要になった介護用電動ベッド。

背の部分が上がるだけでなく、体がずり落ちるのを防ぐため足の部分も少し上がるという配慮の行き届いたベッドです。この1カ月のレンタル料金が1万2000円。     それが介護保険のおかげで、1200円で借りられました。また、訪問看護や訪問入浴といったサービスの料金は1回につき1万円前後でしたが、約1000円で済みました。この額ならさほど負担ではなく、費用面の不安を考えることなく介護に専念することができます。

ありがたいと感謝する一方で、「この制度を続けていて国は大丈夫なんだろうか」とも思いました。たとえば1万円のうち利用者の1割負担を除いた9000円。これは介護保険から事業者に支払われるわけですが、それに必要な費用(財源)は被保険者(40歳以上)が納めた介護保険料と公費(国、都道府県・市町村の税金)で賄われています。

この比率は介護保険料50%、公費50%。つまり半々です。 http://president.jp/articles/-/13824?utm_source=0917 8:14 2016/09/17


32頁・平成28年9月16日 金曜日


・役場職員の使命を再認識した・

多くの人との出会いの中で学んだことは数え切れないほどありますが、何よりも、人はひとりでは生きていけないと言うことを考えさせられました。自分ひとりで生きられるというのは大きな錯覚であって、人と人とは支え合って生きていること、必ず他人の労働があって生きているのであり、共同意識がなくなっては人間の社会は築けないと言うことです。


地域社会は尊いものであり、地方自治とは一人ひとりの生活を守り保障していくものだと言うことにも改めて気づきました。そのために、全力を挙げて町を築くこと、それが私たち役場職員の使命であります。32・


公務として働くことは、「あなたたち職員がいてくれたからよかった」と町民に言われることではないかと思います。

矢祭町議会が早い時期に合併をしないで行くという決断をした為に、矢祭町民は合併しないでいくもう一つの選択肢もあると言うことを知り、小学生を含めみんなでこれからの町づくりを考えるきっかけにもなりました。

8月1日からスタートした行財政改革も、素案づくりの段階では何度もくじけそうになりましたが、日本全国から矢祭町を訪れてこられた方々の郷土を思う熱い心が支えとなり、私たち職員に大きな力と勇気を与えてくれました。


・職員のプロジェクトチームでつくった行財政改革案・33頁・


8月1日、矢祭町役場では、大規模な機構改革と人事異動が実施され、行財政改革がスターとしました。

この行政改革は、四月の統一地方選挙で六期目の根本町政がスタートした時に始まります。


「合併しない宣言」をして一年半を過ぎた四月の町長選挙では、他薦という弊害も考慮して五期で町政に終止符を打つという町長に対して「合併しないで自立していくことを決めた船の船長が、船から降りてどうするのだ」という町民の強い要請を受けて、六期目の根本町政はスタートしました。33・


34頁・「合併してもしなくても国に金がないのだから、将来の財政は厳しい。10年後には、50人でやっていける強い体制づくりをしたい」と言うことが町政の大きな目的でした。古張助役は、若手職員八名を集めて、行財政改革プロジェクトチームを発足させました。

「役場組織の中で、何でもいいから思っていることをさらけ出して話してほしい」という助役に、山椒は遠慮がちに話し始めた職員たちも、堰を切ったように話し出しました。そこには、合併をしない宣言をしてからと言うもの、職員の間にも現状のままではだめだという危機感があったように思えます。


・次の日から、仕事の終わった後の六時から九時まで毎晩集まり、話し合いは続けられました。二回目の会議の冒頭、町長より「自立をしていく今後の町づくりに対する皆さんの考えや思いをそれぞれ論文にまとめて提出するように」と指示がありました。この提出レポートが、改革素案を作り上げる議論のたたき台となりました。その間に、先進地と言われる福島県の三春町や栃木県の西方町に調査に行くなどしながら、三ヶ月かかって行財政改革の素案はまとめられていきました。

改革素案は、全部で14項目に分かれていますが、そのすべてがチームのメンバーが今まで役場職員として働いた経験に基づいて提案したものです。そして、「自律を目指していく今後の町づくり」のためには、行財政改革が必要であり、その目的も、住民サービスを低下させず、「安心して豊かに暮らせる町、住民一人ひとりが大切にされる町を作る」ことを目指すことに起きました。34・


35頁・改革の柱は、10年後を見据えて職員は50人体制にして人件費の削減を図ることにあります。現在の職員数83名を50人にするとなると、30名の削減(約2・5億円の削減)となりますが、これは団塊の世代が10年後には定年を迎える為、10年間かけて退職者不補充と言うことで目標を達成することにしております。


また、50人体制にする為には、課を統合して組織のフット化を図らなければなりません。これまでの七課を五課一室に改め、係長・係制度を廃止しグループ制にしました。今までの係長・係制度は、その係の範囲を超えて仕事をすると言うことが無く、忙しくても他の係が応援すると言うことがありませんでした。


例えば、税務課の徴収係長は一人の係で、一人でも係長でした。徴収は、この係長の仕事であるからと言って他の職員は手伝わない風潮があり、そのため滞納額が年々累積していったという事実がありました。「係長制度が邪魔になるのではないか」というプロジェクトチームの声は、そうした職場の実態を物語ったものです。


このような弊害をなくす為、グループ制を導入し、係の枠を超えてともに職務を遂行していくシステムにしました。「担当者がいないので分かりません」と言うことのないように、グループ内の職務遂行マニュアルも作って他の仕事を分かるように研修をしていくこととしました。35頁・


38頁・

グループ制の特徴は、グループ内のグループ長は誰でも成りすし、また一度グループ長になったら以後グループ長のままと言うことはありません。誰でも仕事に精通し、統率力があれば年齢に関係なく選ばれることになります。年功序列制度の廃止により、若手職員が能力を発揮し、グループ長の登用により、仕事に対するやりがいを持つことが出来ます。38・


平成28年9月16日

・フレックスタイム制度の導入で、残業手当返上・38・


次、窓口業務にフレックスタイム制度を採用した件ですが、私たち職員は、八時三十分から五時十五分が通常の勤務時間であり、時間を過ぎれば超過勤務手当を要求してきました。それは、長い間、公務員としての慣習となっていました。(住民は)「必要があれば、この時間帯で役場に来ればいいのではないか!」と。

フレックスタイム制度の導入については、大きく議論が分かれました。

「毎朝六時に道路脇に立って遠くに仕事に行く車を待っている人がいる」「帰りはいつも八時過ぎになるそうです」

「会社に勤めている為、役場の勤務時間内では用事を済ませることが出来ない」「町民の為に役場の窓口はある」・いつの間にか、最も大事なこのことを、私たち役場職員も忘れていました。38・


39頁・

町民の利用しやすい時間の設定をすべきであると言うことになり、平日の朝は七時三十分から八時三十分まで一時間早く開始し、夕方は、五時十五分から六時四十五分まで一時間三十分延長しました。休日については、八時三十分から五時十五分まで、職員二名で対応し、住民票・戸籍の謄抄本や印鑑証明の交付、税金・手数料の納付、各種届出書の受理をすることとしました。

窓口業務のフレックスタイムに従事する職員は、朝一時間早く出勤した職員は、一時間早く帰り、夕方遅く従事する職員は、朝10時出勤としました。また、休日出勤した職員については、週休日の振り替えや代休とし、手当等の支給はしないことになりました。39・


・民間委託の考え方・39頁・


また、一部組織の見直しを行い、民間委託をすることにしました。

現在、矢祭町学校給食センターには、職員二名と給食料理員である委託職員が五名います。

嘱託職員は、正職員が定年で辞めた後を補充する為一年契約の嘱託職員として働いています。今回の機構改革の中では、嘱託職員の見直しをすべきであるという議論も踏まえ、職員の定数削減をする前提として実態調査を行いました。

学校給食センター嘱託職員は、学校の日程と同じ勤務となる為(夏休み、冬休み等の休業日には調理業務がない為)、一年を通して効率的な勤務は難しいと言う問題がありました。39・


40頁・学校給食センターを宿泊施設のユーパル矢祭に隣接して新築したのを契機として、学校給食センターの管理運営を矢祭振興公社に業務委託することとしました。これにより、学校給食センター委託職員も矢祭振興公社の職員となります。

デイサービスセンター館山荘については、社会福祉法人・矢祭福祉会に管理運営を委託することとしました。これは、矢祭福祉会もデイサービスセンター館山荘と同じくデイサービスを提供している事業所であり、同じ地域の人をそれぞれのバスで送迎するなど競合するという問題がありました。

管理運営を一本化し、経費の健全化と効率化を図りたいというものです。また、職員については、これまで六人全員が嘱託職員でしたが、矢祭福祉会に採用替えにすることとしました。職員身分の安定化が図られ、仕事に対する意欲もはしてデイサービスの質の向上が図られることになります。40・平成28年9月16日・


・全職員が参加して滞納整理・出張役場制度・役場消防隊・40・平成28年9月16日・

次に、全職員による税金などの滞納整理という課題です。これまで税務課の職員は、課税をすれば税務の仕事は終わり、税金はひとりでに入ってくるものであるという考え方が大勢を占めていました。また、徴収については徴収係長ひとりに任せっきりで、滞納額が年々累積していきました。ここでも係長・係制度の弊害を垣間見ることが出来ました。40・


41頁・これを改革していく為には、すこしでも出るものを切り詰め、自主財源である町税を確保することが至上命題となります。そのため、特別職を含めた全職員で班を結成し、恒常的に徴収にあたることとし、「滞納者ゼロ作戦」を展開することとしました。六月のスタートから現在までで、滞納額7,000万円に対して630万円を納めてもらいました。訪問する中で、「職員はもう何年も徴収にこない」とか「職員が徴収に来ないので、もう納めなくてもいいと思った」という声もありました。

しかし、広報などで、「滞納者ゼロ作戦」が周知されていくと、次の訪問時には、町民も進んで納入して頂けるように変わってきています。

また、出張役場制度(地区駐在員)は、一人ひとりの顔の見える行政を進める為に何が必要かと言うことから、制度化されました。41・


42頁・窓口フレックスタイムを導入したので、すべての町民が利用しやすくなったのではないかという声がありましたが、役場より遠く離れた山間地の住民や一人暮らしのお年寄りの方が対象から抜けておりました。やはり職員は、自分の所在地で、地域住民と接し、職員自らが地域のリーダーとなり、その地域作りの担い手になるべきであるというのが結論です。


役場職員は自分の住んでいるところを担当地区として、住民のニーズに応え、税金・水道料・保育料等の収納及び各種届け書の預かり、証明書類の代行申請、役場からの文書の配布等を行うことにしています。特に、地クニは、町議会議員や農業委員、民生委員、教育委員等各種委員がいますので、これらの方々と連携して、町の行政執行機関のミニ版として、自宅を役場と位置付けた活動をすることを目標に掲げました。

・最初の実践としては、九月十五日に行う敬老会の通知1,500通余りのハガキ、封書を、担当区域に配布することをお願いしました。職員が本人に手渡しながら「今年も敬老会に是非来て下さい」と声をかけて訪問しました。

「役場の人も、今年は一軒一軒手渡しで大変だない、ご苦労さん」と労いの言葉をかけてくれる方や「今度は俺たちも役場にあんまり無理なことは頼めないね」と苦笑する方など反応はいろいろでしたが、配布が終わって何だかうれしい気持ちになりました。職員が動けば、それに呼応して住民も動いてくれるのではないかと思いました。42・


43頁・また、敬老会の対象者は70歳以上の高齢者なのですが、特に一人暮らしの方については、「どうですか、元気ですか」と声をかけて健康状態を見ることも出来ます。

こうして、全町一斉に高齢者訪問の日となりました。郵便料金の削減はもちろんですが、職員が地域の中で活動することが顔の見える行政であり、公務の基本であると改めて実感しています。

役場職員で、消防隊も結成しました。近年、過疎化・高齢化が進み、町の消防団に入る人が少なくなってきた為、有事の際には、消防団と共に消防団OB会の協力を得て消火活動に当たることとしました。また、現役の消防団員は、昼間は、会社に勤めている為、「町民の命と暮らしを守る」ことを第一に考えている矢祭町にとって、職員が率先してこれに当たることが求められています。43・


44頁・そこで、役場消防隊の結成となりました。団員は全職員が対象で、女性職員も加入しています。

ここまで

ここまで

・行財政改革を評価・検証する委員会の創設・44頁・平成28年9月16日 金曜日

さらに、矢祭町の行財政機構改革を評価する為に、新たに自立推進委員会を創設することにしました。 

・自立自治体づくりと財政・44頁・


・財政状況(普通会計)とその特徴・

矢祭町の普通会計の規模は、平成14年度(2,002年度)の歳入決算額で43億7,600万円であり、うち町税や繰入金等の自主財源が10億4,000万円(23・8%)、地方交付税や国・県支出金等の依存財源が33億3,600万円(76・2%)となっています。44・


45頁・次に、経常的経費と臨時的経費に区分けした場合、人件費など経常的経費に充てる一般財源は25億9,500万円です。

同じ平成14年度の標準財政規模(地方交付税法により算定される地方公共団体の一般財源の標準規模)は25億2,700万円で、先の経常的経費に充てる一般財源とほぼ同額になり、標準的な行政サービスを行う為には、およそ26億円が必要になると言うことです(平成15年度の一般会計当初予算は31・7億円、うち投資的経費3・2億円を除くと28・5億円です)。

こうした財政の全体状況を、過去10年間の決算で見ると、平成5~9年度までの平均で50億5,600万円、平成10~14年までの平均で46億1,700万円で、特に、平成5~7年度までの三年間の平均は54億4,800万円にもなっています。このうち平成七年度は58億100万円と、この10年間では最大の決算額です。それは標準財政規模の2・4倍にもなっています。

こうして決算額となった理由は、主に普通建設事業費の増減にあります。平成5~9年度まで五カ年の平均額は19億7,800万円で、平成10~14年度までの五カ年平均10億900万円の二倍にもなります。特に、平成5~7年度の参加年平均は24億8,400万円で、標準財政規模以上の普通建設事業費を使っていたことになります。45・


46頁・昭和60年度~平成10年度の14年間は普通建設事業費が毎年10億円を超えており、20億円を超える年度も三年度あります。普通建設事業費の規模が大きくなった理由は、豊かな郷土の創造を目指した矢祭町総合計画に基づくインフラ整備が計画的かつ集中して実施されたことにあります。

次に、普通建設事業費の内訳を見てみましょう。昭和60年度~平成2年度までの普通建設事業費総額82億2,200万のうち、補助事業費は57億2,500万円で、単独事業費は24億9,700万円と、比率では7対3の割合となっています。46・


47頁・自主財源が乏しい町としては、国や県の補助事業を積極的に活用し、県内では最初の事業等の導入も図りながら事業を実施してきました。また、事業推進の為、県の担当部局へ町長が自ら何度も足を運んで地域指定を得た事業もあります。

平成に入ってからは、補助事業の在り方についての社会的批判も高まり、また採択基準や地域指定が厳しくなったこと、人口や地域面積等の問題で採択基準外になる事業もありました。47・


48頁・さらに、事業種目等も補助事業では対応できないものがあり、町の単独事業と比較的町の負担が少ない県営事業へシフトして、インフラ整備を進めてきました。平成28年9月16日・

ここまで

 

 

 


ないせいふきゅう「内省不疚」の心でまちをつくる―「合併しない宣言の町」の自立推進計画 単行本  – 2003/10 ・根本 良一 (著),    保母 武彦 (著)


 自立だからこそ、住民たちのくらしに合った行政改革が可能である。福島県矢祭町が職員のチームで作った行政改革理念と具体的改革案。2002年刊「合併しない宣言の町・矢祭」の続編。

 著者略歴・根本/良一1937年生まれ。1983年から矢祭町長。現在6期目   保母/武彦・1942年生まれ。島根大学副学長。自治体問題研究所理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 単行本: 100ページ出版社: 自治体研究社 (2003/10)言語: 日本語・発売日: 2003/10


目次

はしがき・3頁・


1 行政改革は住民の暮らしを守るためにこそある・根本良一・9頁・


・誇りと自信の持てる町づくり・10頁・


・宣言の反響に私たちも驚く・12頁・


・無理な市町村合併は、真の行政改革にならない・14頁・


・人づくり・未来づくり・17頁・平成28年9月13日 火曜日・

我が町では、国際社会の中で堂々と生きていけるようにと言う願いを込めて、中学三年生全員を対象にした海外派遣事業と、複式学級への非常勤講師配置事業、語学教員の採用などを実施しています。

・海外派遣研修の前身は、平成3年(1,991年)に行われた海外派遣研修事業で、中学生16名・町民12名が参加しました。ところが、この事業に参加してアメリカ西海岸へ派遣された中学生の親は、多くが役場の職員だったのです。役場担当課は、くじ引きだったというのですが、住民の中からは不満が続出しました。くじは誰が引いたのか。それは校長先生だというのです。残念ながら、そこに公務員としての本質を見たような気がしました。

教育は平等でなければなりません。「貧しきことは憂えずとも、等しからざることを憂える」ですから、役場がこんなことをやっていては教育になりません。17頁・

18頁・そこで、一大決心をして中学三年生全員を海外派遣研修事業に参加させることを考え、教育委員会に指示すると共に、中学校の校長にも要請しました。

・財政的にどうするか。これも頭をよぎった問題です。当時、故郷創生事業として全国の市町村に一億円が交付され、それを我が町では基金として積み立てていました。この利息を使えば、親の負担は国内の修学旅行の経費ぐらいで財政的には十分まかなえます。

・しかし、実現までには様々な抵抗や問題がありました。まず、中学校では、修学旅行の日程は前年の四月に決まるので、変更は出来ないという問題が出されました。また、県の教育事務所や県教育委員会、文部省からも「修学旅行は二泊三日、国内に限ることが決まっていると言う指導」を受けることになってしまいました。18・

19頁・驚いた私は、県教育委員会に直談判しました。

「いつ修学旅行は国内に限る、ときまったのですか?」という質問に、「昭和20年」という答えが返ってきました。そこでも、私は公務員という人間像を見たように思いました。粘り強い押し問答の末、承諾は得たものの、今度は中学校の先生と保護者の理解を得るまでに、さらに二年がかかりました。

こうして実現した海外派遣研修事業は、今年で10周年を迎えました。五日間のオーストラリア研修ですが、参加した中学生は延べ1,098名となりました。

教育の平等という課題は、小学校でもありました。町内の小学校は五校あるのですが、このうちの二校は、複式学級です。ある日、教室をのぞいてみると、一年生と二年生が互いに背を向けていて、一年生は国語で先生が朗読、二年生は黙って算数の問題を解いていたのです。これでは、平等の教育にはなりません。

小中学校は町立の運営ですから、町独自で教員を採用して複式学級を無くしたと思いました。この時も、県教育委員会の強い抵抗に遭いましたが、それを乗り越えて毎年に明の臨時教員を採用(一年契約)し、複式学級の補完の目的で小学校へ送り出しています。

・思えば、私の発想が公務員という発想からかけ離れているのか、あるいは異質なのか、職員や関係者との間で激論になったり、実現するまで長い時間がかかったりしています。しかし、私は、他の市町村がどうなのかではなく、矢祭町に何が必要かを考えてほしいと、職員に言ってきました。19・

20頁・16/9/13 9時11分・

ここまで・

・人づくり・未来づくり・17頁・


・職員の意識改革こそ行政改革の決め手・20頁・

・職員の意識改革こそ行政改革の決め手・20頁・平成28年9月13日・


・地方分権が声高に叫ばれて、自治体行政の改革はスタートしたはずです。しかし、平成の大合併とともに、有事関連法や住民基本台帳ネットワークなど、国民・住民を管理する仕組みが作られつつあるように思えてなりません。現在は、財政構造改革という政策のなかに市町村合併も組み込まれ、人口の少ない小規模町村は、まるで国のお荷物のように論じられています。

建前は自主的合併であることから直接の強制策は取れず、従って、国は、小規模町村、特に人口一万人未満の町村に対しては地方交付税の削減策で兵糧攻めを強行しています。20・

21頁・その結果、任意協議会を設置した市町村も増え、やむなく合併の道を選択する為に法定協議会に移行する市町村も増えてきました。矢祭町以外の東白川郡の三町村(棚倉町・他鮫川村)も福島県内では第1号の合併となるはずでしたが、7月13日に行われた住民投票の結果、二町村が反対多数となり、法定協議会は解散となりました。二町村とも合併すれば周辺部となる地域です。

この住民党投票の結果からも分かるように、自分たちの地域の問題や自治体行政の問題は、自分たちで考え判断したいと言うことです。町や村の行政は、総務省が言う「人口が少なく小さな役場は行政能力がない」から合併して自治体の行政の効力を高めるという行財政の効力論では語れないと言うことです。

・町政を担当しながら疑問を持ちづけてきたことの一つに、特別職報酬の決め方という問題があります。例えば、矢祭町長の報酬を決めるにも矢祭だけで決められず、東白川郡町村長等特別職報酬審議会に諮って町村ごとに格差を付けて決定し、その後、町村議会に上程して決めると言う仕組みでがあります。図らずも、今年六月の定例議会の頃は、郡内の三町村は合併する予定でしたから、三町村には気兼ねなく、町の条例で特別職(町長、助役、収入役、教育長)の報酬を切り下げて、年収で総務課長と同額に改正しました。根拠は、町長始め特別職は、どう見ても総務課長以上には働いていないと思うことにあります。

平成の大合併論は、見方を変えれば、全国の自治体に地方分権のあり方を考える機会を与えたことにもなります。そうした意味で言えば、今年四月から職員のプロジェクトチームを中心にして取り組まれてきた「矢祭町の行財政改革」とそれを受けて八月に実施された機構改革は、矢祭に取っての「平成の大改革」と言えるものです。21・


23頁・私が一番うれしかったことは、「市町村合併をしない宣言」の後、職員自ら役場職員として公務の役割に気づき始め、少ない財源のなかで自立の為に何が必要かと言う研究が行われ、町の行財政改革素案として提案されたことです。素案づくりには三ヶ月を要しましたが、職員のなかには以前から町づくりや職員の意識改革についての考え方を暖めていた職員もいました。

この段階で、私が支持したことはただ一つで「10年後は職員50人体制でいきたい。50人体制でも行政サービスの質を落とさないと行財政改革を目指す。50年後、100年後もびくともしない町づくりを目指したい」と言うことです。職員間の激論や様々な紆余曲折を乗り越えて、素案としてまとまりました。

提案された行財政改革案は、専門のコンサルや地方自治の専門家が作ったものとは違って荒削りの行財政計画です。しかし、「50人体制でいく矢祭には、係長ポストは弊害になるから係長職は返上する」ということから始まる、血の通った提案でした。

・昨今では、町づくり条例の制定がブームになっています。それも、町づくりの一つでしょう。我が町では、条例ではありませんが、地域の独自性を活かし、地域の環境と歴史・特性を把握することから模索しようという取り組みです。役場職員が意識を変えて、役場の組織や機構、財政を住民の目線で考えるシステムに変えようという意義ある活動です。22・


23頁・今回の機構改革では、役場職員の自宅を開放して事務の取り次ぎなどを行う「出張役場」制度に始まりました。住民は役場に出向かなくても、職員の自宅で、住民票や戸籍謄本の申し込みしたり、税金や公共料金を納付するなど、簡単な事務はここで対応しようというものです。本庁舎内の職員63名全員に、出納員辞令を交付し、領収印も預けました。これも、地域に信頼される役場職員になろうという試みの一つです。

23頁・


「小さくとも輝くフォーラム」で流れが変わる・中学生も一緒に視察・役場職員の使命を再認識した・29頁・平成28年9月14日・


一番多かったのは、平成14年11月、地方制度調査会で「今後の基礎的自治体のあり方について」という西尾試案が出されてからでした。この頃の視察研修会場では「やはり合併は避けては通れないのではないか」という意見へと変化し、「このままでいくと人口1万人未満の町村は法的地位を奪われてしまう」と将来に対して不安の意見が相次ぎました。この頃の視察に訪れた議会は、ほとんどが任意合併協議会へ参加していました。


さらに、「合併をしないといっても財政的に何か秘策はあるのか」「合併しないといっても交付税に頼っているのではないか」などと、表面から矢祭町を批難して帰っていく町村も現れました。「合併しなければ財政は破綻してしまう」「合併したほうが特例債で余裕が出来るのではないか」などの意見もありました。遠く鹿児島県の離島の皆さんは、船や飛行機を乗り継いで矢祭町を訪れました。「離島を合併してどうなるというのか」という悲壮な叫びに近い言葉に、平成の合併論は効率だけでははかれない不合理さがあると感じました。

それらの声は、自分の町や村の行く末を心配してのことでした。誰も自分の町や村が無くなって好いと思うはずがありません。

その後、合併の動きが変化してきたのではないかと考えられることがありました。それは、今年の2月22日・23日に長野県栄村で開催された「小さくても輝く自治体フォーラム」の様子がマスコミを通して各方面に伝わった後のことです。29・


30頁・五月には、日本で一番面積の小さな村と言われる三重県鵜殿村議会が訪れました。七月には、鳥取県智頭町議会が訪れましたが、その後再び一人で智頭町から訪れた議員もいます。「あのとき、詳しくお話が出来なかったので、もう一度やってきました」と言うことでした。「新田」という集落で戸数17戸、子どもから大人全部で50人しかいないと言うことでしたが、しかし、その集落の取り組みには、渡した大人全部で50人しかいなと言うことでしたが、しかし、その集落の取り組みには、私たちが感動しました。


NPO法人を立ち上げて、ロッジや喫茶店、民宿を経営しているとのこと。「町の財政も厳しいのだから自分たちのことは自分たちで考えてやらなければいけません」と淡々と話すのです。毎月講師をお願いして講演会を聞き、政治・経済・文化の勉強をしているとのことでした。集落で作った「第三次総合計画書」を持参され、「村を守って生きていきたい、そして元気な子どもの笑い声が聞きたい」と結んでありました。この集落には、平成の合併は全然無関係に思えました。効率化だけで進められる平成の合併論の中で、日本の「桃源郷」を思いました。いつか必ず訪れてみたい町の一つです。

視察研修の中での発言も、確実に変わっていきました。「合併しなくてもいいのではないか」「ここに来て矢祭町が頑張っている様子を見たら、うちのほうが財政力指数も高いし、合併しなくてもやれるのではないかと思うようになった」などと、発言に大きな変化が見られるようになりました。30・


31頁・視察の申し入れの際に「合併しないで単独でやっていきたいので、矢祭町へ伺って話がしたいのです」と堂々と電話をかけてくる町村がある時は、電話を受けた私たちもうれしくなります。最近では、視察に訪れる市中村に大きな変化が現れました。合併してもしなくても財政は厳しいのだから、町づくりを先に考えるという動きです。

 


31・中学生も一緒に視察・

今年七月から八月にかけての視察研修は、中学生から大学生が多く、夏休みの自由研究や卒業論文を書く為にと矢祭町を訪れました。町長は「中学生以上だったら十分に市町村合併の問題も理解できる」として大人と一緒に考え、判断する力を持ってもらおうと歓迎し、中学生にも議員の指圧研修会場に参加してもらっています。

茨城県の私立高校二年生の女子生徒は夏休みの自由研究として市町村合併問題をテーマにして論文を書きたいとのことでした。各地からやってきた議会議員の中に入り、大人と一緒に研修会場に入りましたが、質問の時間には、「町長さん、21世紀の未来に残せる町づくりとは、どんな町づくりをしょうとしているのですか」という質問が出ました。女子高校生の瞳が輝いているように思えました。

また、東京の私立中学校の男子生徒は「僕たちの学校では、卒業論文は原稿用紙50枚を一年半かかって論文に仕上げます。合併しないと宣言した矢祭末のことがずっと気になっていました。31・


32頁・僕の友達のほとんどが、テーマに市町村合併問題を選びました」と話しました。

・町長は、「この平成の大合併論議は、合併した方がよいのか、合併しない方がよいのかをあなたたちが証明するのです。だから私たちは真剣なのです」と力説する場面もありました。町内の小学六年生から、役場にメールが届き、「今、学校では社会科の時間に合併問題を研究しています。矢祭町は合併しない宣言をしましたが、合併すると言うことはどういうことですか?教えて下さい」という質問が届きました。

私たちは、その質問に「合併すると言うことは、いくつかの町や村が一つになって大きくなることです。町内の小学校も統合し、学校が遠くなってしまうのです。中心に人は集まってもその周辺はどうなるでしょうか」と返事を書きました。32頁・


ここまで

ここまで

 

 

ここまで


・窮しくとも義を失わず・23頁・

2 「合併しない宣言」から行財政改革へ・職員プロジェクトチーム・25頁・

・視察の方々との対話で、自治体職員としての生き方も変わった・26頁・

・視察ラッシュの渦中に・最初は恐る恐るの視察も・

「小さくとも輝くフォーラム」で流れが変わる・中学生も一緒に視察・役場職員の使命を再認識した・

・職員のプロジェクトチームでつくった行財政改革案・33頁・

・係長制度をやめ、グループ制に・フレックスタイム制度の導入で、残業手当返上・民間委託の考え方・全職員が参加して滞納整理・出張役場制度・役場消防隊・行財政改革を評価・検証する委員会の創設・自立自治体づくりと財政・44頁・財政状況(普通会計)とその特徴・今後の財政見通し・「財政保障システム・地方交付税と臨時財政対策債について・町税の確保・財政運営上の当面の課題・歳入の確保・歳出の抑制・

 

3 矢祭町の「自立」と「行革」に学ぶ・保母武彦・61頁・

・地方自治確立における「合併をしない矢祭町宣言」の意義と教訓・62頁・

・矢祭町の行政機構改革は何を目指すか・66頁・

・現状に対する認識・町づくり、行政改革の目標と理念・町職員の基本姿勢・財政運営改革の基本視点・

矢祭町の行政機構改革とその評価・76頁・

行政サービスのあり方の改革・行政サービスを支える行政機構の改革・

・自立する強い地域をつくるために・81頁・町づくりの主体をどうするか・「地域自治組織」役場を代行できるか・固定観念にとらわれない自治機構づくり・首長のリーダーシップ・

・資料・91頁・

7:33 2016/09/13 


内省ふきゅうの心でまちをつくる・

平成28年9月13日

熊本観光情報サイト「旅ムック」HOME|熊本グルメ|熊本の郷土料理|熊本繁華街特選店|熊本夜の店ナイトスポット|熊本偉人伝vol.13 加藤清正

 旅ムック79号 加藤清正シリーズ 熊本偉人伝 vol.13

 加藤清正かとう  熊本偉人伝 荒廃した肥後・熊本を土木事業によって再生暴れ川・白川を制して熊本城を中心とした城下町を形成 現代の田畑も潤す

400年前の灌漑システム

干拓、港・街道の整備脈々と受け継がれた清正の事業

熊本城  加藤清正 熊本偉人伝 加藤清正

加藤清正生没年:安土桃山時代 永禄5年6月24日(1562年7月25日) 豊臣秀吉の腹心として数々の武功を挙げた加藤清正。賤ヶ岳七本槍や朝鮮出兵での虎退治のように武断派のイメージが強いが、天正16年(1588)から居城となった熊本では、土木事業や商業政策でも優れた手腕を発揮した。

清正が入国した当時の熊本は、肥後国人一揆によって領地は荒廃。菊池川、白川、緑川、球磨川という四大河川が洪水を起こし、人家や田畑に甚大な被害を与えていた。そこで清正は、土木事業によって領地を再生させ、農業生産力の増大、安定によって肥後藩経済の礎を構築。民心の立て直しを果たし、死後400年経った今でも「清正公さん(セイショコさん)」と人々に親しまれている。

 

暴れ川・白川を制して熊本城を中心とした城下町を形成  清正の土木技術が優れていることは、築城の名手として知られることでもわかるだろう。熊本城をはじめ、名古屋城、江戸城、文禄・慶長の役に際して築かれた名護屋城(現唐津市)や蔚山倭城(韓国)など、数々の築城に携わったが、そのうち二つが日本三大名城に挙げられるのは、天賦の才としか言いようがない。

清正入国以前の隈本城(古城)は中世の小規模な城であったため、防御の強化には新たな築城が必要であった。そこで清正が立てた計画は、茶臼山一帯の城塞化と、白川・坪井川の流路を改修し城下町を整備拡張すること。しかし、当時の白川は大きく蛇行し、加えて坪井川と井芹川の3本の川が入り乱れて氾濫が起きやすい状況であった。そこでまず白川を直線化し、城の外堀としての防御機能を持たせた。また、白川と切り離された坪井川は、城の内堀として茶臼山の裾を流し井芹川へ合流。井芹川は下流の二本木付近で白川と合流していたが、石塘(背割堤)を築いて分離させ、新たな坪井川として河口の高橋(現在の百貫港、熊本市小島町)まで一本の川につなげた。

白川・坪井川の河川改修の結果、旧坪井川一帯に一大武家屋敷を構成することができ、改修によって水量と水深が確保された坪井川は城下町と有明海とを結ぶ物流ルートとなり、大正時代まで重要な役割を果たすこととなった。

 現代の田畑も潤す400年前の灌漑システム 鼻ぐり井手2

▲鼻ぐり井手(内部)水流の川底をさらう力は、通常の水路の約10倍ともいわれる。

鼻ぐり井手3▲鼻ぐり井手(外観)このように特色のある仕組みは全国でも例がなく、他の場所で見る事が出来ない為、現代でも土木工学の研究対象として注目されている。

 

鼻ぐり井手1カマボコ型にくり貫いた岩盤に水流がぶつかり、渦を巻きながら土砂とともに水流穴(鼻ぐり穴)から送出される。

清正の土木事業は城下町だけに留まらず、各地で治水や新田開発のための灌漑が行われた。なかでも、当時の灌漑システムが現在でも田畑を潤しているのが、菊陽町馬場楠から熊本市大江渡鹿までの総延長13㎞の灌漑用水路・馬場楠井手の「鼻ぐり」だ。馬場楠井手は、馬場楠堰とともに慶長13年(1608)に築造。阿蘇に源を発する白川は火山灰土壌のため、火山灰土砂の堆積がひどく、堰から白川の水を引く井手の管理も一苦労であった。さらに菊陽町の曲手から辛川の区間は、地上から井手底までの深さが約20mもあり、人力でヨナ(火山灰土砂)を排出するのは困難。そのために清正が考案したのが、水力を利用して土砂を次々に下流へ排出するという「鼻ぐり」という仕組みだ。

「鼻ぐり」の造りは、岩盤掘削時、2~5mの間隔で高さ4m、幅1mの仕切岩盤を残し、水の通る下辺に直径約2mの穴を交互にくり抜いたもの。上流より流れ来る水は、「鼻ぐり」を通過時に渦を巻きながら流れる事になり、この水の動きによって火山灰は舞い上がり、底に堆積することなく下流に流されていく。隔壁に開けた水流穴の形が牛の鼻輪を通す穴に似ていることから、「鼻ぐり」と呼ばれるようになった。この工法は全国的にも類がなく、清正が整備した当時は約80基あったが、現在では24基を残すのみとなっている。

ほかにも、白川の下井出堰、渡鹿堰、菊池川の石堰による付け替え、緑川の鵜の瀬堰、球磨川の遙拝堰など、四大河川の治水と灌漑にも着手した。

 

干拓、港・街道の整備。脈々と受け継がれた清正の事業

加藤清正

 加藤神社で毎年7月第4日曜日に開催される清正公を偲ぶお祭り。子供から大人まで参加し、熊本市中心部を神幸行列で賑わせる。

 

加藤清正頓写会 本妙寺にて清正公四百年御報恩頓写会大法要

清正は入国の翌年、天正17年(1589)に玉名市横島の干拓にも着手。以来、干拓は加藤氏から細川氏へと引き継がれ、江戸、明治、大正と続き、昭和42年(1967)に潮止めが行ったのを最後に、現在にいたっている。 広大な八代平野の大部分も干拓によって造られたものだが、この干拓の歴史の先鞭をつけたのも清正だ。清正は、八代の北、千丁町(現八代市)の新牟田あたりを干拓し、球磨川に設けた遙拝堰から引いた水を農業用水とした。

ほかにも、菊池川の改修とともに造られた玉名市の「高瀬船着場」(現在は跡地)、古来から活用されてきた港を再整備し、軍港・商港として発展した川尻の「御蔵前船着場」(現在は跡地)を設置。豊前、豊後、薩摩、日向の四街道を設け、海上・陸上ともに交通路の整備にも力を尽くし、この事業は細川家にも受け継がれていく。  清正が領主として肥後国を統治したのは24年。その間にも、名護屋城普請や朝鮮出陣などがあり、実際に熊本に腰を据えていたのは実質15年ほどだ。この短期間に、熊本城を建設しながら多くの暴れ川から城下町と田畑を守る治水工事を行い、荒れた土地を肥沃な田畑に改造するという土木工事を成し遂げことは、現代の土木技術から見ても驚異的なことだ。

「その土地を念入りに調べ、川下の人々の迷惑にならないようにし、川守や年寄りの意見をよく聞くこと」。これは、清正が工事担当者に注意した言葉だが、自身の知恵やアイデアだけでなく、飯田覚兵衛(いいだ かくべえ)、森本儀太夫(もりもと ぎだゆう)をはじめとした優れた部下たちの意見に耳を傾けたことも、事業がスムーズに運んだ所以だろう。また、莫大な人手をまかなうため男女問わずに動員されたが、事業の多くは農閑期に行われ、きちんと給金を払ったため、民衆は喜んで協力したという。

清正が400年後の熊本を見据えていたかどうかはわからないが、現場でも先頭に立ったという土木事業の片鱗が、熊本の随所で今なお息づいている。

参考文献/伝記 加藤清正(矢野四年生 著)

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  6:39 2014/11/28

 

 

400年前の灌漑システム 鼻ぐり井手(内部) 水流の川底をさらう力は、通常の水路の約10倍ともいわれる。 ... 阿蘇に源を発する白川は火山灰土壌のため、火山灰土砂の堆積がひどく、堰から白川の水を引く井手の管理も一苦労であった 6:14 2014/11/28

 

http://tabimook.com/kuma/kato_kiyomasa2/index.html

現代の田畑も潤す400年前の灌漑システム

                        ▲鼻ぐり井手(内部)水流の川底をさらう力は、通常の水路の約10倍ともいわれる。 ▲鼻ぐり井手(外観)このように特色のある仕組みは全国でも例がなく、他の場所で見る事が出来ない為、現代でも土木工学の研究対象として注目されている。 カマボコ型にくり貫いた岩盤に水流がぶつかり、渦を巻きながら土砂とともに水流穴(鼻ぐり穴)から送出される。清正の土木事業は城下町だけに留まらず、各地で治水や新田開発のための灌漑が行われた。なかでも、当時の灌漑システムが現在でも田畑を潤しているのが、菊陽町馬場楠から熊本市大江渡鹿までの総延長13㎞の灌漑用水路・馬場楠井手の「鼻ぐり」だ。馬場楠井手は、馬場楠堰とともに慶長13年(1608)に築造。阿蘇に源を発する白川は火山灰土壌のため、火山灰土砂の堆積がひどく、堰から白川の水を引く井手の管理も一苦労であった。さらに菊陽町の曲手から辛川の区間は、地上から井手底までの深さが約20mもあり、人力でヨナ(火山灰土砂)を排出するのは困難。そのために清正が考案したのが、水力を利用して土砂を次々に下流へ排出するという「鼻ぐり」という仕組みだ。 「鼻ぐり」の造りは、岩盤掘削時、2~5mの間隔で高さ4m、幅1mの仕切岩盤を残し、水の通る下辺に直径約2mの穴を交互にくり抜いたもの。上流より流れ来る水は、「鼻ぐり」を通過時に渦を巻きながら流れる事になり、この水の動きによって火山灰は舞い上がり、底に堆積することなく下流に流されていく。隔壁に開けた水流穴の形が牛の鼻輪を通す穴に似ていることから、「鼻ぐり」と呼ばれるようになった。この工法は全国的にも類がなく、清正が整備した当時は約80基あったが、現在では24基を残すのみとなっている。  ほかにも、白川の下井出堰、渡鹿堰、菊池川の石堰による付け替え、緑川の鵜の瀬堰、球磨川の遙拝堰など、四大河川の治水と灌漑にも着手した。

平成26年11月28日

 

 

 

http://www.city.aso.kumamoto.jp/

http://www.fujidream.co.jp/

フジドリームエアラインズは、2009年7月23日、拠点である富士山静岡空港から小松、熊本、鹿児島への定期航空路線を開設いたしました。

当社は、日本各地を小型リージョナルジェット機で結び、航空業界における新たなビジネスモデルに挑戦します。現在は7機の小型ジェット旅客機、エンブラエル170/175を用いて運航、2010年6月には信州まつもと空港から札幌、福岡線を開設。2010年10月から名古屋小牧=福岡線を開設し、熊本、いわて花巻、青森、新潟、高知、山形へと路線を拡大しています。

地域と地域を空路でダイレクトに結ぶリージョナル航空事業には、地方都市の皆様の利便性を高め、地域社会・経済の活性化に貢献するという重要な役割があります。安全で快適な空の旅を創造し、就航先および、その近隣地の皆様の暮らしと社会をより便利に、より豊かにしていく、それがわたしたちの目標です。

ぜひ、この新しいフジドリームエアラインズの翼をご利用いただき、各地へお越しくださいますよう、皆様のご利用を心よりお待ちしております。

フジドリームエアラインズ 代表取締役会長 鈴木 与平

株式会社フジドリームエアラインズ シンボルマークFDAのシンボルマークは、静岡の象徴、富士山をモチーフにしています。

「朝日が富士山に降り注いで輝いている」日本人なら誰もが安堵し、高揚感を覚えるあの光景を、静岡県の明るい未来と掛け合わせました。

カラフルなロゴは、太陽の当たり方によって、色々な姿を見せる富士山を表しています。

3本の白いラインは、飛行機の航跡を表現したものです。

 

会社名 "株式会社フジドリームエアラインズ

Fuji Dream Airlines Co.,Ltd. (FDA) "

本社 〒424-8703 静岡県静岡市清水区入船町11-1

事業内容 航空運送事業

設立 平成20年6月24日

就航日 平成21年7月23日

資本金 4億9300万円

株主 鈴与株式会社 100%

代表取締役会長 鈴木 与平

代表取締役社長 須川 恒次

6:33 2014/11/28



引用2016年8月21日 (日)千葉市長 熊谷俊人市長メッセージ(みなさんの平成28年度予算~一人一人に目を注ぐ予算~)みなさんの平成28年度予算~一人一人に目を注ぐ予算~新年度予算は財政健全化と千葉市の活性化のバランスを取りながら、市民の暮らし支援を意識した予算となっています。予算使い切りを防ぐため、創意工夫によってコスト削減を図った場合、翌年度以降に自由枠として削減分を配分するインセンティブ予算を導入・国に先駆けて事業仕分けを実施するなど、徹底した事業の見直し(93億円)

10:07 2016/08/21

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/08/2828-bbdd.html

9:53 2016/08/21


127頁・市長と職員とで違うところは、市長は多くの権限を持つ・平成28年7月25日 月曜日


2,010年4月24日、夕張市長に就任して一年という月日が流れました。全国最年少市中の年齢も私が一つ年を取り、30歳から31歳となりました。


今まで、一年という時間をこれほど濃密に生きたことはありませんでした。何か夢中になっている時が過ぎるのはあっという間とよく言いますが、その通り、まさにあっという間の一年でした。

振り返れば、長年勤めた都庁を退職し、東京から夕張へ。そして、人生初の選挙。その後、市長就任と結婚。盆正月が、イヤクリスマスまで一緒に来たような忙しさでした。

とにかくこの一年、身にしみて感じたのは体力がなければ続かない仕事だと言うことです。126・


127頁・体力勝負の仕事と言いましたが、ふだん市長がどのような仕事をしているのかわからないという人は多いのではないでしょうか。私自身、学生の頃は市長が具体的にどのような仕事をしているのか正確に理解していませんでした。

市長の仕事は簡単に言えば、町の将来を考えて計画を作ったり、予算を作ったり、町のルールである条例を作ったり、税金を課税・徴収したりと、様々なことを市役所の職員と一緒に行っています。

市長と市役所の職員とで違うところは、市長は市民から直接選挙により選ばれた人(公選職と言います)であるという点です。後述しますが、これは大きな違いであり、だからこそ市長は多くの権限を持っています。

仕事を進めていくなかで、今後の方向性について、いくつかの選択肢があるとします。それぞれの選択肢にはメリット・デメリットがある場合、最後は誰かが決断して、答えを出さなければなりません。市議会も市長と同じく市民を代表する機関ですが、市役所としての答えを最終的に決めるのは市長です。そのため、市長は多くのことを知り、常に的確な答えを出すため不断の努力が求められます。127・


128頁・


このような市役所での仕事の他、市長は市の代表者として、市内外の様々な行事にも参加しています。

市長として仕事をしてみて、この一年間で丸一日休んだ日は片手で数えるほどです。市長という仕事は「ここまでやれば合格」というものではありません。合格かどうかは、四年に一回の選挙で市民が判断します。当然のことですが自分で合格は出せないのです。

夕張がどうすればさらに良くなるのか。今、何ができるか、を常に考えて、前へ前へと進んでいかなければなりません。立ち止まったらいけない仕事なのです。

ドラえもんに登場する道具で「とピーロボット」というものがありました。人形の赤い鼻を押すと自分そっくりのロボットができるという優れものです。おそらくこのコピーロボットが発売されたら多くの市民は迷わず買いに走るでしょう。

課題も多い町ほど、やるべきことは星の数ほどあります。体がもう一つあったらと思うたびにコピーロボットが頭に浮かびます。128・


129頁・特に夕張市は財政破綻した影響で、自由に使えるお金は全くないと言っても過言ではありません。お金がないなかでどうやって町を元気にしていくのか。今までにない新たな発想が必要です。「前例のないこと」が求められています。しかしこの「前例のないこと」というのは簡単ですが実行するためには「前例」という高い壁を乗り越えていかなければなりません。

市長という仕事は、その壁を乗り越えていくのか否か、壁の先を予想しながら決断していかなければいけません。成功すれば町にとってプラスになりますが、失敗をすれば次の選挙で首になるかもしれません。そのような選択を毎日毎日繰り返し、挑み続けていかなければならない仕事なのです。129・



2016年7月22日 (金)やらなきゃゼロ!財政破綻した夕張を元気にする・全国最年少市長の挑戦・・鈴木直道・2,012年12月・113頁・夕張市には小学校が一校だけしかありません。東京23区に621平方㌔より広い763㎞・・118頁・全国最低の行政サービス、全国最高の住民負担・121頁・毎年26億円返済という重圧・・・皆さん私どもの手で島を活性化しませんか

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/07/201212-3c9e.html

5:34 2016/07/25


140頁・さらなる負担増、水道料金の値上げ・

市長就任後の六月、上下水道課から水道施設について説明を受けることになりました。140・


141頁・市内にある二つの浄水道は1,960年代に建設されたもので、老朽化が進んでおり、今のまま放置すると断水するリスクすらあるというのです。また、定期的に交換が必要となる部品についても、施設が古すぎるため部品の在庫が少なく、事故発生時には復旧が遅れてしまうリスクもあるという説明を受けました。

施設建設当時の1,960年代は、夕張市の人口の最盛期でした。約12万人の人たちが夕張に住んでいました。そのような大規模な施設を人口が10分の1以下の約1万人となった現在も使い続けているのですからとても非効率な状態です。

なぜここまで施設が老朽化するまでほうっておいてしまったのか聞くと、夕張市は財政破綻の前に多額の観光投資などは積極的に行ってきたが、水道施設のような市民生活に直結するような投資は計画的に行ってこなかったというのです。もし、人口減少と共に町のインフラも縮小していくことを計画的に実施していたのなら、今のような非効率な状態になるまで放置することは防げたかもしれません。

・・炭鉱の閉山によって人口が激減することはわかっていましたが、当時の夕張市は観光投資にお金をつぎ込み人口減少に歯止めをかけようとしました。141・


142頁・16/7/26 4時13分・

結果として、市民生活に直結するような水道施設や住宅の整備などは後回しにされました。そして、財政破綻を迎えてしまったため、役割を終えた多くの観光施設と共に計画的な整備を行ってこなかったインフラが今に引き継がれる形となってしまったのです。

「水」というのは、生きていく上で必要不可欠です。しかも問題を解決するためには多額の資金が必要となります。そしてそれを負担していくのは市民なのです。

そこで私は、浄水道の更新と水道料金の値上げに関して「住民説明会」を行うことにしました。そしてその場で水道料金の値上げに関するアンケート調査も実施することにしました。住民説明会では浄水道の現在の状況塗工心の必要性を訴え、それに伴う水道料金の値上げについて説明しました。会場に来る人たちの多くは、今でも高い水道料金を値上げするなんて考えられない」という気持ちだったと思います。

料金の値上げに関して二つの選択肢を示しました。1・2,010年から10%の値上げ。142・


平成28年7月26日 火曜日

143頁・


・2・2,016年から14%の値上げ。しかし、この選択肢を示すに当たって事務方より意見がありました。それは「この二つの選択肢を示してしまうと、値上げという問題を2,016年に先送りするとの回答が多数を占めてしまうのではない」といくのです。そのため、・2・の選択肢は初めから入れない方がいいのではないかという意見です。

私はすぐにこう答えました。

「確かに、負担増は先送りしたいと考える人たちが一定数いるかもしれません。大切なのは負担増を先送りにすると言うアンケート調査ではなく、現在の浄水道の悲惨な状況や将来に対する問題について、市民と共有できているのか否かです。その問題認識に差があるなら、それを埋めようとすることを行政側から一方的に放棄してはならない。仮にそのような回答が多数ならば、また説明会を開いてきちんと市民に説明していかなければならないことです」と。143頁・


144頁・私は担当の職員から「本当にいいのですね」と念を押されました。財政破綻以降、市民の意見を聞く機会が少なかった夕張市では当然の反応だったかもしれません。しかし、これだけの負担を将来にわたって去らないお願いしなければならないのに、こちらで選択肢を一方的に決定して丁寧な説明もなしに値上げをしてしまったら、「また市役所が勝手に・・・」と言うことになってしまいます。

市民の多くが納得した上で負担をお願いするという形を目指さなければ行政との信頼関係も構築できません。そしてそれは夕張市が残念ながらないがしろにしてきたことでもありました。

・そうした過程を経て、水道料金値上げに関する住民説明会は実施されました。各地区で説明会を行いアンケート調査も行いました。そしてその結果は市民の約八割が・1・の「2,012年から10%の値上げ」というものでした。この結果を見て、市民の苦しい状況にあっても次世代に負担を先送りすることなくしっかりと自分たちが問題と向き合っていこう」という強い意志を感じました。そしてこの結果を出したのは、日常業務に追われるなかでも分かりやすく丁寧な説明を心がけた市役所の職員の力でもありました。144・


145頁・16/7/26 8時51分・2,012年8月、社会保障と税の一体改革について国会で審議が行われ、社会保障の安定財源として、消費税が現在の5%から2,014年4月に8%、2,015年10月10%に引き上げられることになりました。このことを大小は別として、私は夕張市の水道料金の値上げの問題と共通する部分があると思っています。当初、国民の多くは消費税増税について必要性を理解し、賛成するとの意見も多くありました。

しかし、法案成立に至までの与野党の対応を見つめるなか、政治不信は高まり残念ながら消費税増税はもとより、その多くの政治決断に対しても国民の信頼を失う結果となってしまいました。

それはなぜかと考えて見ると、消費税増税による負担増で生活が苦しくなることは誰でもわかります。しかしその先に、どのような未来があるのかが明確に示されてなかったことにその原因があるのではないでしょうか。さらに言えば、そこで必要なのは丁寧な説明であり、一番身近な立場でその説明を実施する私たち市町村がその未来を語れないのでは国民の理解を得られません。

例えば必要な政策だが、反対されるだろうからあえて丁寧な説明はしないという決断をしたとします。145・


146頁・16/7/26 9時5分・しかしその政策が実施され、それが国民生活に影響を与え始めれば遅かれ早かれその決断に対して、国民の政治不信は高まり、十分な説明がなかったと言うこと納得がいかないという声が当然ですが上がってくることになります。決断すするためにあたって、なぜそれが必要なのか私たちは逃げずに説明しなければなりません。

そしてできないことはなぜできないかを丁寧に説明していく。この繰り返しこそが国民との信頼関係を回復するのです。それは硬い石に水滴が落ち、いつしか穴を開けるように気の遠くなるような時間がかかる世界かもしれませんが、未来の日本を担っていく政治の役割だと思います。もちろん今の時代100人の人間がいて全員が賛成すると言うことはあり得ないことです。しかし、少しでもそれに近づけていく努力を放棄してはならないのです。

・水道料金でも消費税でも、たとえ苦しくとも値上げをしたその先に、次世代が幸せに暮らせる未来があるのならば頑張ろうという気持ちなれるのではないでしょうか。そしてその光を示すことができるのも互いの信頼関係の上にある政治の役割だと思います。146頁・


16/7/26 9時32分

ここまで

来年度予算の概算要求に向け、各方面から予算に関する数多くの要望が寄せられている。昨日も、道内各地から多くの皆さんが予算要望のため私の事務所を訪問された。

 

今日もそうした要望の方が多い。それらに対応するため、明日まで都内滞在の予定だ。都内は雲が多く、 雨が落ちてもおかしくない雰囲気だ。北海道は、今日から明日にかけて、強い雨になるという。

 

地域によってバラツキはあるもののあまりスッキリした天候にならず農作物への影響も心配される。

1)イラク戦争2003年のイラク戦に、日本も賛同し、それに加担した。

この戦争に関する、イギリスの公式調査報告書、いわゆるチルコット・レポートが、7月6日に発表された。日本の新聞でも、取り上げたところも多かったが、参院選投票日前ということもあり、あまり大きな話題になることはなかった。

7月7日付のニューヨーク・タイムズに、イラク問題の専門家であるカーン・ロス氏が、このチルコット・レポートに関する思いを寄せている。以下その中からの抜粋だ。

レポートの結論ははっきりしている。当時のイギリス政府は、戦争の必要性を誇張した。(戦争以外の)その他の選択肢を検証し尽くす前に軍事行動に打って出た。イギリス政府は、イラク侵攻を成功させるための準備を十分に行わなかったため、 その後の統治政策にも失敗した。

 

侵攻開始直後から今日に至るまで、13年間にわたってイラク国民が耐え忍んだ混乱と暴力を鑑みれば、占領を計画した者たちの無責任ぶりは明らかだ。

==以上、引用終了==

このチルコット・レポートは、多くの資料と100人を超える関係者からの聞き取りによってイラク戦争が完全な誤りだったことを明らかにしている。そしてカーン・ロス氏は、このレポートの隠れた目的を次のように説明する。

「自らの過ちを理解する能力や、過ちを修正できる能力が政府にあることを示し、国民を安心させること」この指摘は、極めて大切なものだ。翻って我が日本政府どうなのか。チルコット・レポート発表を受けても、官房副長官の一人は、記者の質問に答えるかたちで、イラク戦争支持の考えは変わりない

かのような発言をしている。

これでは日本政府には、過ちを理解し修正する能力がないことになってしまう。

こんなことで良いとは思われない。来る臨時国会中に、改めて政府の見解を問わねばならない。カーン・ロス氏は、別な重要な指摘もしている。

当時のバウエル米国国務長官が、アルカイダの格下の戦闘員をフセインのテロ仲間と誤った認識を発表した。

 

そのことが、ISを誕生させる要因の一つになっていることだ。つまりイラク戦争は、そもそも存在しない危機を煽って戦争を行い、地球規模の不安定化という危機を作り出したと、カーン・ロス氏は指摘する。

安倍政権は、こうしたイギリスの報告書や識者の指摘を受けてもイラク戦争を正当化するならば、真っ当な自己評価のできない、極めて危うい政権と言わざるを得ない。

さあ今日も、確実に前進します。

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やらなきゃゼロ!財政破綻した夕張を元気にする・全国最年少市長の挑戦・・鈴木直道・2,012年12月・

2頁・平成28年7月23日・退職金ゼロ、年収は200万円ダウン・

「知事、私は都庁を辞めます。辞めて夕張市長になります」

「お前はとんでもない勘違い野郎だな!」

2,010年11月末、私は夕張市長選挙へ立候補するため、東京都を退職しました。その日の午後、西新宿の東京都庁七階の知事応接室にて、私は石原慎太郎東京都知事と向き合っていました。知事応接室は一際天井が高く、独特の緊張した空気が漂っています。それだけでも圧倒されそうな雰囲気ですが、身長180㌢を超える長身の石原知事が目の前にいるとその空気はより一層色濃くなります。

そんな今まで感じたことのない空気のなか、夕張市長選挙へ立候補することを伝えた私に石原知事は「とんでもない勘違い野郎だな」と言い放ちました。2・

3頁・その言葉を聞いた瞬間、私の頭の中には「勘違いやろう」と言われたことに対する心当たりを探すことで一杯になりました。

まず出てきた心当たりは、

「あっ、「夕張市長になります」と言ってしまった。まだ出馬表明すらしていないのに。「夕張市長選挙へ立候補したいと思います」だったのか」

次に、「今日は特に忙しく、機嫌が悪い日だったのかもしれない。話すタイミングを誤ったか」など、数秒間にも満たない時のなかで、様々なことが頭の中に駆け巡りました。しかし、今振り返り、冷静に考えてみると、当時29歳の若造が「夕張市長になります」と突然言いに来たら、多くの人は「勘違いするな」というのかもしれません。

確かに、不景気の影響で安定した公務員の人気が高まるなか、ましてや全都道府県のなかで最も給与の高い東京都の職員を自ら退職し、全国最低レベルの報酬である夕張市の市長選挙に挑むと言った私を、周囲は驚きの表情で見つめていました。3・

4頁・職場の同僚など99%の人たちからは「馬鹿なことを考えるな」「少し冷静になれ」「休みを取って落ち着いて考え直せ」など言われていました。

さらに石原知事からも「勘違い野郎」と一喝され、正直とても残念な気持ちになりました。しかし、石原知事はこう続けました。

「イヤ、何事も勘違いから生まれる。あとさきを考えずがむしゃらにやるうちに、当時は「勘違いだ」と言われていた「夢」が現実になる。だから裸一つで夕張へ行く。そういうお前は俺は殺しはしない」

当時29歳、東京都を退職した時点で私を応援してくれるという人たちは、夕張にはたったの七人。しかも皆、選挙は全くの素人です。そこで、石原知事にアドバイスを求めました。4・

5頁・「知事、一つアドバイスをいただきたいのですが」「夕張の人口は?」「約一万人です」「相か、とにかく全員と会え、今すぐ夕張に行って、夕張市民全員にお前の思いを伝えろ、以上」私は、「はい。わかりました」と石原知事に伝え、知事応接室を後にしました。

約一週間後の12月上旬最低限の荷物を旅行鞄に詰め込んで、羽田空港から新千歳空港への「片道切符」を握り島、私は夕張へと旅発ちました。

北海道夕張市の人口は約一万人。夕張メロン(「コラム」参照)で有名な町です。しかし、この夕張市は他の事態と違うところがあります。それは日本でい唯一、事実上、5・


6頁・財政が破綻し、財政再生団体(「コラム」参照)へ移行した自治体であると言うことです。最近の話題と言えば、国家単位ですがギリシャにおける財政危機が大きなニュースになりました。しかし、財政破綻とは具体的にどういいうことなのか。よくわからないという人が多いのではないでしょうか。

夕張市は2,007年から、今から約50年前の1,950年代に制定された「地方財政再建促進特別措置法(「コラム」参照)」に基づき「財政再建計画」を策定する「準用財政再建団体」へと移行しました。この計画は、町の再生や地域の再生については二の次とされ、赤字解消のみに全力を尽くすというものでした。当然、計画に対する批判の声は多くの市民から上がっていました。

一方、市民の声を菊川であるはずの夕張市は、18年間で353億円もの巨額な赤字を解消する計画の円滑な実施を、北海道及び国から強く求められていて、抜本的な計画変更はおろか軽微な計画の変更であっても、制度上は総務大臣の同意がなければできない極めて難しい状況下にありました。6・


7頁・そもそも法の趣旨は財政の再建であって、地域の再生では無いのだから当然と言えば当然なのかもしれません。

しかし、現実には地域の再生が無ければ、財政の再建も果たせません。その意味から財政の再建と地域の再生は「車の両輪」だと言うことができます。厳しい財政の再建を果たした先に夕張が疲弊して無くなってしまうのでは何の意味もありません。財政再建団他と他の事態との決定的の違いは、地域再生のための施策が実施できないことと言うことができます。

その後、当たらし法律「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(通称・財政健全化法)」ができ、赤字比率などが一定の基準を超えると、自治体による自主的な財政の健全化が困難であるとして、「財政再生計画」を策定することが義務づけられるようになりました。7・


8頁・この「財政再生計画」に沿って運営される自治体を「財政再生団体」と呼びます。夕張市はその新しい法律が施行されたことにより、2,010年に「財政再建団体」から「財政再生団体」へと移行しました。

財政が破綻すると、お金に困るというニュアンスは広く理解されていると思います。実際にその通りで、全国最低の行政サービス、全国最高の住民負担」と揶揄されるほど、行政サービスを徹底的に圧縮せざるを得ない状態になりました。

財政破綻した直後、夕張市役所の職員の給与は、年収ベースで平均四割カットとなりました。市長に至っては七割カット。そして交際費、退職金も無いという、全国に1,719ある市町村のなかでも最低レベルの報酬となりました。

現在、市長報酬の最高額は、横浜市の市長で月額142万円。それに比べ、夕張市の市長の月額は25万9,000円。8・


9頁・手取りにすれば20万円に満たない金額となります。東京都の若手職員であった私の年収よりも200万円近く安い報酬です。

しかも人口一万人の姿勢を預かる重責と322億円もの借金を背負うのですから、そんな私の決断を「バカだ」とする意見は至極当然、まっとうなものかもしれません。しかも、選挙ですから勝つか負けるかはわかりません。選挙に落ちればただの人です。そんななかでの挑戦は一見無謀でしかないと映るでしょう。

しかし、私は今でもその決断を後悔してはいないし、とても誇りに思っています。9・平成28年7月23日


42頁・平成28年7月23日 土曜日・1,000人も集まった街頭演説・

告示日を迎え、投票日まであと一週間。人生で初めて選挙カーに乗り込み、マイクを持って市内を回ると目の前には驚きの光景が広がっていました。

雪の降るなか、アパートの窓という窓から「頑張れ、応援しているよ」と声をかけてくれる人たち。みんな一軒一軒歩いてだってきた人たちです。東京では選挙カーが回ってきても「うるさいなあ」と言って窓を閉めてしまうのが当たり前の光景になっていますが、寒いなか、いつ回ってくるともしれない選挙カーをずっと待っていてくれた人たちが大勢いました。日が暮れて暗くなってくると窓からペンライトを振って応援してくれる人もいました。

平成28年7月23日


53頁・16/7/23 7時59分・

「違うな。もうお前は都職員の代表じゃない。日本の若者の代表として頑張れ」と激励してくれました。

・全国一高齢化率の高い夕張市に全国一若い市長が誕生・


2,011年4月24日午後八時、開票が始まり、私は支援者や報道陣の待つ事務所から少し離れた自宅で、ちちと固唾をのんで小さなテレビの画面にかじりついていました。午後九時過ぎ、野球中継のテレビ画面の下のテロップで「当・鈴木直道」の文字。大急ぎで事務所へ向かうとたくさんの人たちが泣いて喜んでくれていました。

後から、この夕張市長選挙の投票率は82・6%であったと言うことを聞きました。53・


54頁・直前に行われた東京都知事選挙でも投票率は57・8%だと言うことを考えると、この82・6%と言う数字は驚異的です。

それだけ、多くの人たちが夕張市の未来を真剣に考えたと言うことです。

・一票の重みと言うことを肌で感じた出来事がありました。それは目の不自由な方が私に、一票を入れたいという言う一心で、投票用紙に「鈴木直道」と書く練習を必死でして、選挙当日、自分の字で私に一票を入れてくれたという話を聞きました。むろん、代筆を頼めば、簡単に投票することはできます。しかしその方は自分で書いた文字で夕張の未来を私に託して下さったのです。54・


55頁・こうして、たくさんの人たちの思いをウケ、私は財政破綻をした夕張市の市長となったのです。その時、私は丁度一ヶ月前に30歳を迎えたばかりであり、全国最年少の市長となりました。

「全国一高齢者率の高い夕張市に全国一若い市長が誕生した」というニュースは、全国でも話題になりました。

こうして思い返してみると、あらためて驚くことも多いのですが、夕張に来るまでの私は本当にごく普通のどこにでもいるような若者でした。

夕張は私たちのなかの「何か」を変えた土地です。現に夕張には、この知に縁もゆかりもないのにこの土地を忘れられずに舞い戻ってくる人が少なからずいます。私と夕張との出会いは、東京都から夕張市には県職員として出向してきた2,008年に遡ります。55・


56頁・平成28年7月23日 土曜日・


91頁・市民の声を聞くこと自体に市役所は消極的になり、結果としては市民の市役所に対する信頼関係はさらに低下知るという悪循環のなかにありました。

この町の流れを抜本的に変えるためには大きな力が必要でした。夕張市、北海道、そして国をも動かす力。私は、その力を集める時期について、財政健全化法に基づく新たな計画として「財政再生計画」が策定される好機を逃がしてはならないと思うようになっていました。


・あなたの声を国に届けます・


派遣され約半分が経った夏、国とのやりとりのなかでこんな話がありました。上京した際に総務省の担当者に呼ばれ、意見交換をした時のことです。その時の言葉が今でも忘れられません。91・


92頁・それは私の方から、夕張市の厳しい実状を一通り説明した後の一言でした。「夕張市も厳しいが、他にも厳しい自治体は全国に山ほどある」

呼び出して話を聞きたいと言っていた側から、この発言があったことには驚きましたが、この発言が国の姿勢を象徴しているように感じました。全国に財政状況等が厳しい自治体は多々あること、これは疑いない事実です。しかし、そのことをもって、厳しい自治体に対する国として果たすべき責任や役割を放棄する理由にならないと思いました。

夕張市民は北海道民であり国民だと言うことを果たしてわかってくれているのでしょうか。

その全国共通の課題とも言える夕張が抱える難題を解決するため、共に連携し、知恵を出し合おうという姿勢が、北海道及び国には求められるはずなのです。

夕張では市役所での仕事が終わると、土日を含め毎日のように地域の人たちと共に話し合い、共に活動してきました。当初、私の派遣期間は一年間でしたが、自ら一年間の延長を申し出ていました。その理由は、「一年では何も形にはできないが、二年目はその一年間の経験や地域との関係を基に、具体的な行動が実施できるのでは」と考えていたからです。92頁・平成28年7月23日・


106頁・夕張はその当時は札幌以上の都市とも言われ、「札幌にはないものも夕張にはある」と言われていました。いつまでも町の明かりが絶えないことから「不夜城」とも呼ばれていたそうです。人口の最盛期(1,960年代)には約12万人もおり、学校も小学校22校、中学校九校、高校六校があり(現在は小中高のすべてが各一校)、当時の写真を見るとまるで東京の渋谷や原宿のように商店街には人が溢れています。

盆踊りや夏祭りのときは数日間に渡って祭りが続き、やぐらの周りに何重もの踊りの輪ができたそうです。また、市内の一番大きな小学校では一学年11クラスもあり、一つのクラスの人数は50人ほどいたという話も聞きました。106・


107頁・毎朝、数千人もの小学生達が学校へと向かう様子は、今では想像もつきませんが「当時は本当に活気があったなあ」としみじみ話をしていた人もいました。

夕張は炭坑の町でしたから、電気、ガス、水道、病院などの施設はなんと民間の炭鉱会社が持っていました。しかも利用料は「無料」です。鞄一つで夕張に来てもお金を稼ぐことができる仕組みが整っていたのです。

炭鉱での労働は狭いトンネルのなかで石炭を掘り続け、いつ落盤事故やガスの噴出があるかわからないという、死と隣り合わせの過酷なものでした。それゆえ、厚遇でなければ労働力を確保することができないという側面もありました。事実、夕張では炭鉱で働くなかで、昨日まで一緒に働いていた仲間が次の日には遺体となって炭鉱から帰ってきたという体験をした人たちが大勢います。

命を懸けた仕事であるがゆえに、いつ死ぬかわからないという不安はいつも付きまとい、「宵越しの金は持たない」とばかりに、貰った給料をすぐに使ってしまうことも多かったそうです。107・


108頁・そんななか、1,962年の「原油の輸入自由化」をきっかけに「石炭から石油へ」を合い言葉に国のエネルギー政策は石炭から石油へと転換していくことになりました。そして石油がエネルギーの中心に取って代わると共に、石炭は安価な海外炭へと切り替わり、国内炭は需要は減り炭鉱は閉山に追い込まれていきました。

そして、炭鉱の閉山が相次ぐなか、1,981年には北炭夕張新炭鉱ガス特出事故が発生。燃え続ける炭鉱を守るため、坑内でまだ生きているかもしれないとの家族を炭鉱会社が説得し、坑内に川の水を注水。108・


109頁・最終的には93人もの死者を出した大惨事となりました。その後、炭鉱を守るための注水も虚しく、経営は行き詰まり翌年閉山することになりました。

町を支えた基幹産業である炭鉱の会社も相次いで撤退してしまい、残った住宅、水道施設や病院などを市が買い取ることになりました。こうした炭鉱の閉山に伴う後処理には1,979年から1,994年の15年間で584億円が投入され、332億円の地方債を発行せざるを得ない状態になりました。

これらのことは夕張にとって痛手となりました。その規模は夕張がこの時点で既に一度財政破綻したと言ってもおかしくないほどのものでした。109・


110頁・平成28年7月23日・


6頁・地方財政再建促進特別措置法・353億円・

8頁・財政再建団体から財政再生団体へと・

19頁・一方、母子家庭で懸命に私を育ててくれた母は、

24頁・一軒ずつの距離が遠いの・

78頁・1,068億円・

83頁・夕張ではボランティア活動が盛んです。

87頁・市役所の若い人たちが余りこうした場に参加しない。

90頁・再生市民アンケートに込められた思い。

91頁・市民の声を聞くこと自体に市役所は消極的になり、

92頁・「夕張市も厳しいが、他にも厳しい自治体は全国に山ほどある。

93頁・全世帯を対象とした住民アンケート調査の実施です。

99頁・調査報告書を手渡しました。

104頁・「財政再建団体へと・

106頁・小中高のすべてが各一校。

109頁・1,979年から1,994年の15年間で584億円が投入され、332億円の地方債を発行せざるを得ない。

112頁・353億円の借金を抱えて財政破綻、自分たちの裁量で使える財源の八倍という赤字を抱えることになりました。


113頁・夕張市には小学校が一校だけしかありません。東京23区に621平方㌔より広い763㎞・


奄美大島広さ・面積712.35 km2・東京23区・622.99㎢


113頁・夕張市には小学校が一校だけしかありません。東京23区に621平方㌔より広い763㎞・平成28年7月23日 土曜日

・人口12万人が今では1万人・

夕張市には小学校が一校しかありません。しかし、夕張市の面積は東京23区(621平方㎞)よりも広い763平方㎞です。もし東京23区内に小学校が一校しかなかったらどうなるでしょうか。通学も大変、もちろん歩いていけるような距離ではありません。


114頁・

夕張市の子どもたちは冬は毎朝マイナス10度を下回るような寒さの中で、長時間バスに乗って学校に通っています。夕張市にも元々は小学校が地区ごとにたくさんあり、みんな歩いて学校に通っていました。しかし、人口が減り、子どもたちも減ってしまったことで小学校はたった一つになってしまいました。

夕張市の人口は現在約1万人。最盛期には1,960年の人口は約12万人。この約50年間で人口は10分の1以下になりました。そして現在も人口は減り続けています。

12万人の市民を抱えていた頃は、小学校もたくさん必要だったし、水道などの公共施設も大きなものが必要でした。しかし今では、人口も減り、子どもたちも減ってしまったことで小学校はたったの一つになってしまいました。

夕張市の人口は現在約1万人。最盛期の1,960年の人口は約12万人。この約50年間で人口は10分の1以下になりました。そして現在も人口は減り続けています。

12万人の市民を抱えていた頃は、小学校もたくさん必要だったし、水道などの公共施設も大きなものが必要でした。しかし今では、人口も減り、そんな大きな施設は必要ありません。廃校となった学校、誰も住まなくなり廃墟となった住宅。放置されれば時の流れと共に古くなり、痛んでいく様子が町の至る所で見られます。114・


115頁・平成28年7月25日・


118頁・全国最低の行政サービス、全国最高の住民負担・


118頁・全国最低の行政サービス、全国最高の住民負担・平成28年7月25日 月曜日・

夕張市には「図書館」がありません。現在「図書コーナー」という形で本を寄贈して貰ったり、北海道の図書館から本を借りたりして、図書の貸出業務を行っています。

一方で、一部の都市では住民のために図書館が午後九時まで開館していたり、ネットで貸し出し予約ができたりするなど、多くのサービスを展開しています。118・

119頁・夜に仕事から帰ってきて図書館で好きな本でも借りることができる自治体もあれば、夕張市のように図書館の運営もままならない状況にある自治体もあります。

自分たちが住んでいる町以外の自治体が、どんなサービスを行っているのか。なかなか知る機会はないと思います。東京に住んでいた頃は、駅前にも図書館があり午後九時まで開館していて、いつでも新しい本や雑誌を手に取ることができました。住むところによってこんなにも違いがあるものかとあらためて驚いたものです。このように、あることが当たり前で空気のような存在とも言われるのが行政サービスです。

夕張市では財政破綻により、この行政サービスをできる限り削減して借金の返済に回すことになりました。「全国最低の行政サービス、全国最高の住民負担」というのは財政破綻をした当時、夕張の現状を表す表現としてよく報道などで使われていました。全国で最も高い税金を払っているのにもかかわらず、最低水準の行政サービスしか受けることができない。119・


120頁・そんな夕張の状況を表した言葉でした。

四年前、私が夕張で初めて暮らして驚いたのは下水道料金の高さでした。一人暮らしだったため、それほど下水道料金も気にしたことはなかったのですが、それでも送られてきた明細表を見て、「あれ?高いな」と思ったことを覚えています。

調べてみると財政破綻以降、夕張市の下水道料金は10立方㍍当たり1,470円から2,440円に値上げされていました。私が東京都目黒区に住んでいた頃の倍近い金額でした。

こうした負担増や削減は「人の命に関わるもの以外はすべて見直しの対象となる」と言われたほど厳しいものでした。確かに図書館、公衆トイレ、市民会館や敬老パスなどはなくとも市民の命に直接関わるものではないかもしれません。

しかし、高齢化が進み、図書館やサークル活動などを生きがいにして過ごしている高齢者は多いのです。また、幼い子どもを抱える母親にとっては地域でのサークル活動などで得られるものもたくさんあるでしょう。120・


121頁・ただ心臓が動いて息を吸っていると言うことが生きると言うことではありません。地域を愛する人たちが、そこで充実した生活を送れるようにならなければ、そこに住んでいることに意味などありません。

財政再建計画というものは「財政」を立て直すための計画であって、そこに住んでいる人の生活や実情が計画には入っていませんでした。まさに机上の計算で作られた計画でした。誰がそのような地域に住みたいと思うでしょうか。

18年後、借金は返すことができても、そこに夕張に住む人たちの笑顔はあるのだろうかという思いがありました。121・


121頁・毎年26億円返済という重圧・


121頁・毎年26億円返済という重圧・平成28年7月25日・

今まで述べてきたような行政サービスの削減によって、夕張市は17年間で借金をほぼ返し終わり、他の自治体と同じ運営のできる自治体になると言う財政再建計画を策定しました。しかし、地域にはそこに住んでいる人たちがいて多くの子どもたちも成長していきます。121・


122頁・夕張の歴史等長い観点から見ると、財政再建計画の期間である17年間はほんのひと時の出来事かもしれません。しかし、今、夕張でクラス人たちにとっては、一人の赤ちゃんが生まれて成人式を迎えるまでの間、そのほとんどをこの環境のなかで生活をしなければならないと言うことなのです。

17年間という期間は余りにも長すぎるし、日本の歴史から見ても過去最長の期間となっています。返済金額は毎年約26億円。しかし夕張市の標準財政規模は約50億です。家庭にたとえれば、500円の収入で食費、水道光熱費などを出して、そのうえ260万円もの借金返済をする感覚です。

そのお金は住民税や固定資産税などの税金、事業などを削減して生み出した財源と国からの交付される地方交付税などから支払われています。今後、夕張市の努力で今まで以上に大幅な削減が実施できるようなものは見あたりません。これ以上削減できないものが大半を占めます。収入が少ないからと言って事業が削れる段階にないと言うことができます。122・


123頁・16/7/25 4時47分・

住むところによって受けることのできる行政サービスに大きな差があることが年々大きな問題となっています。そのため、地方に住む人たちが少なくなっています。

全国にあるほとんどの自治体は、国からの地方交付税などを財源に自治体を運営しています。地方交付税を貰わずに運営できているいわゆる「不交付団体」と言われる自治体は東京都などのごく僅かな都市のみです。

不交付団体はそのような天で国に依存指定兄自治体だと言えます。そのため、自由な発想で様々な独自の行政サービスを展開することができるのです。一方、夕張市は東京都とは正反対で国から地方交付税がなければ自治体として成り立たない団体です。

しかも唯一の財政再生団体であり、何をするのにも総務大臣の同意が必要なのです。17年間、2,013年より毎年平均約26億円の返済というのは、夕張の実態やその計画によってそこに住む人がどのような影響を受けるのか、その先に未来はあるのかと言うことが十分に考慮されていないのです。123・

平成28年7月25日


127頁・市長と職員とで違うところは、市長は多くの権限を持つ・

135頁・満天の星が輝く、

142頁・浄水所の更新水道料金の値上げ、「住民説明会」を行う・

147頁・国・北海道および夕張市の三者協議で・

148頁・政治家は大きな方向性を示すと共に、

149頁・地域のことは地域に住む住民が責任を持って決める。

151頁・東京23区よりも広く網の目のように張り巡らされた地下鉄もない。

155頁・企画部門が独立存在していなかった。

また、夕張市役所における組織・機構にも問題がありました。どこの自治体や民間企業にも独立した企画部門があります。企業で言えば、時代のニーズに即した商品を企画・立案する。企業の業績を大きく左右する大変重要な部門です。当然のことですが「お金が無いから、新しいことを考えなくて好い」とは決してならないでしょう。むしろお金がないからこそ、その厳しい状況のなかで何ができるのか、どうすれば新しい商品を生み出すことができるのかが求められるはずです。これは市役所でも同じことなのです。

さらに夕張市役所の状態を分かりやすくたとえれば、お金が一万円ほどあれば500円のものを買うことは簡単なことかもしれません。しかし、1,000円しか無くて500円のものを買う時は少し躊躇するでしょう。155・

156頁・しかし、その大変重要な企画部門が夕張市役所には独立して存在していなかったのです。そのため、500円をどう生み出すか。500円の値段は安くならないのか。代替え案はないのかなど最も考えなければならない自治体なのです。

 

そこで私は市長就任直後の2,011年7月、「まちづくり企画室」という独立した企画部門を新設しました。そして同室をまちづくりにかかる施策を実現するための市長特命チームとして位置付けました。このまちづくり企画室が新設されたことで、財政部門と企画部門で「どうすれば新しい施策を実現することとができるのか」と議論する機会が生まれました。通常の組織であれば当たり前のことですが、財政部門には企画部門が実現したいとう施策を財政再建計画へ反映させるための課題を整理する。

企画部門は前述したとおり「ゼロ円で500円のものを」という発想で新しい施策を企画・立案する。お互いの立場でよりよいものをと議論し、ときにはぶつかり合いながら作り上げていく。このような通常の組織であれば当たり前の組織・機構が夕張市役所には整備されていなかったのです。156頁・

157頁・まちづくり企画室を新設した直後、私は同室のチームとさっそく新しい施策に取り組みました。まさに「ゼロ円で500円のものを」生み出す取り組みです。

2,011年10月、道中と道東をつなぐ道東自動車道(夕張・・占 間)開通しました。高速道路を利用する人たちが増加する反面、一般道を利用する人たちが減少し、夕張市が通過自治体になってしまうという懸念がありました。そのため、私は道路を管理しているネクスコ東日本に対して「夕張については自由に高速を乗り降りできるようにしてほしい」と提案していました。

目的地までの間、途中での乗り降りを無料にする仕組みです。

夕張で途中下車したいがお金が余計にかかるからやめようという人たちもいます。降りなければ「ゼロ」。地域にお金は落ちません。

 159頁・無い部署がありました。それは企業誘致や慣行に関する仕事をしている「産業課」です。企業誘致は人口減少や財政難に苦しむ自治体にとって、雇用の拡大や税収増に繋がる特に力を入れて取り組むべきものです。

・夕張は   や新千歳空港まで車で一時間、そして札幌まで一時間半という地の利の良さがあります。しかし、夕張と聞くと不便なところにあるのだろうというイメージがあります。その現実都のギャップをしっかりとPRして埋めていかなければなりません。また、企業誘致のみならず交流人口を増やすためには観光にも力を入れていかなければなりません。

しかし、その仕事を独立して行う部署が存在していなかったため、残園ながら手つかずの状態が続いていました。そうした状況を打開するため、「やらなきゃゼロ!」の精神で産業課を新設することにしたのです。

 

産業科を新設したことで、今まで手つかずであった企業誘致に力を入れることができました。夕張の地の利の良さと売れ残っていた工業団地九割引という大胆な価格を全国にPRしました。159・

160頁・

 

 

161頁・市民との対話こそ源・平成28年7月22日 金曜日・

「市民の皆様の声を聞きます」「市民の声が第一です」とはよく政治家が選挙の際に口にする言葉です。政治家にとって民意に寄り添うことはとても大切なことです。しかし、皆さんは実際に自分の住んでいるまちの市長と話をしたことがありますか?「あります」と答える人は少ないのではないでしょうか。住民が何万人もいる自治体であれば、市長と頻繁にあって話をすることはなかなか難しいことです。しかし、夕張市は現在約1万人という小規模な自治体です。小さな町だからこそできることがあります。私はそんな夕張市だからこそ、市長と直接会って話をすることを制度化することが可能ではないかと考えました。

東京都から派遣職員時代にしないで活動していた時も、直接会って話をするなかで見えてきたことがたくさんありました。今の私の原点はその対話にあったとも言えると思います。そして対話を通して見えてくるもののなかには、町をよくするヒントが隠されているのです。161・

162頁・平成28年7月22日

そうしたヒントを自らの足で探さなければ、現場との距離が遠くなり市長という立場になれてしまいます。

そこで私は「市長と話そう会」という制度を作りました。公務で時間が取れないこともありますが、時間さえ合えば、基本的に24時間365日、私が市内のどこへでも行って話をすると言うものです。

5人以上の集まりであれば誰でも市役所に申し込みをすればOKです。「

平成28年7月22日

164頁・世界中から注目されて・

167頁・夕張の未来のモデルケースに・平成28年7月22日 金曜日・

現在、若い世代が政治への関心が薄いという問題が取り上げられることがあります。私が公約として実行しているもののなかに「東京都との連携」があります。2,012年の夏にこの連携の一環として「高校生夕張キャンプ」というものを実施しました。東京都内の高校生が夏休みを利用して「夕張」を体験するという事業です。7月から8月にかけて開催し、三期に分かれて計134人の高校生が夕張を訪れ、農業やスポーツを通じて市民と交流しました。

一気では、東京都の商業高校や農業高校の生徒達が、夕張メロン農家での農作業体験などを通じて、夕張を以下に全国にPRしていくのかを、自らが学校で学んだ技術を生かして考えました。167・

168頁・二期と三期では東京都のスポーツ強豪校が夕張の雄大な自然のなかで道内の強豪校と試合をするなどして交流を深めました。

事業に参加した高校生達と夕張の高校生達が交流する場面がありました。最初こそ夕張の高校生達は、都会の高校生と言うことでどんな生徒が来るのか、どんな交流になるのかと緊張気味だったようです。それは都内の高校生も同じでした。しかし、想像とは違ったようで意気投合。すぐに友達になった生徒も多くいたようです。

私は東京都から来た高校生達への挨拶で、

「皆さんは夕張へ来て、道を歩く人たちは少ないし、高齢者も多いので、驚いた人も多いかと思います。けれど、今の夕張は日本が借金を抱えて、高齢化が進むなかで、これからの日本の姿になるかもしれません」

と伝えました。そして参加した高校生には「負の遺産ツアー」とも言われる施設見学や、地域の人たちの話を聞いたりする時間も取りました。168頁・

169頁・平成28年7月22日

都内の高校生達は「高齢化」や「財政破綻」

171頁・「政治」と聞くとつい一線を引いてしまいそうになりますが、

 

176頁・未来モデルを目指して・

177頁・筋力トレーニング・

178頁・高齢化率約44%。

182頁・早期再生モデルを目指す・

183頁・語り合いこそ知恵の源・

185頁・市営住宅が4,000戸・

193頁・広い夕張市は、中学校を11年度に小学校六校をそれぞれ一校に統合、

199頁・夕張も大変だが、他の自治体も大変だ。

203頁再建努力世界も注視・

206頁・「明日」を開く三者協議・

210頁・友情の都バス、市民の足に・

平成28年7月21日


皆さん私どもの手で島を活性化しませんか

私は荒れた先祖の田雲の山林を採石業者の破壊から守り・アダン・ソテツ・シャリンバイなどで増やし・自然の状態に戻して来ました、自然の状態で、未来に残しました。

貴重な予算は税金・行政職員には、予算の優先順位などを考えて予算を組んでいません、を奄美大島の中程の田雲川には橋を架けないで、経済的な島の人々の生活向上はできない。

・役人さまでは創意工夫はできないし、予算を例年通り、使い国民の貴重な血税を、使い方を? 考えないから奄美大島のネットワークが切れているのに・対策を考えないで・和光・おがみ山ルートを強行して・太平洋側に道路を作ってこなかった、この損出は大きいのです、LCCが2便も都会から飛んでくる時代に、受け皿を考えない自公の政治・

ガソリン税自動車は月平均一軒あたり、8,000円×1,000軒では800万円も一ヶ月に払っている血税を有効に活用しましょう?

役人にはできない・未だに奄美市の土木課は計画ないと申します?!

田雲川に橋があったら・田雲線を整備したら・戸口から田雲まで人が住んでいない?!

アマシンは本来、島の経済的自立のためなのに、行政職員には責任もノウハウもありません?組織がそうなっていいます、職員に奄美大島の再開発を任せてきました。

仕事しては、林業・牧畜・農業など・滞在型リゾート民宿など?地元の聡明なる主婦の仕事が増え、雇用増で元気な離島社会が実現?山林を管理して赤水を流さなければ豊かな海に戻る戦後この仕事に投資をしてこなかった政治?私たち国民の手で計画プランを作り実行していきませんか?

鹿児島県奄美市名瀬崎原田雲534・瀧田 好治・0997-69-3195

takita@po.synapse.ne.jp平成28年7月21日



地元の皆さん考えませんか?!!

アマシンは本来、島の経済的自立のためなのに、行政職員には責任もノウハウもありません?無能な職員に奄美大島の再開発を任せてきました。役人にはできない?!

貴重な予算は税金・なのです、島の中間点の田雲川には橋を架けないで、島の人々の生活向上はできない。ガソリン税は毎月+消費税も入れて、平均一軒あたり、8,000円・も支払っているのに、奄美市の土木課は予算がないからと計画してないという。

行政職員には、予算の優先順位など、・役人は創意工夫はできない、予算を例年通りつく、国民の貴重な税金を、使い方を?職員にはできない・・改革は・税金の使い方~予算案・・行政職員・・町長で案を、議会議員は~行政職員に踊らされている。

田雲橋があったら、奄美大島の経済的の向上・奄美大島人口増可能の島100㎞を約1時間で繋ぎ、バス交通業が可能・人々の移動の自由化で活性化、できる税金の無駄を省ける公立学校の統廃合で余った学校をホテルなどに再活用する・税金を安くできる、奄美空港から瀬戸内町まで約1時間で行けたら、大島は受け皿として海山の見える・民宿・滞在型 リゾートを、賢い主婦の仕事が生まれる。

田雲橋と田雲線があったら、この間約7㎞に人が一人も住んで言いない・小さなリゾートで都会の人が海を眺めながら、山歩き、海岸歩きで、休養できる、

予算は優先順位を、田雲橋は順位が上位だ、島に住む国民が計画プランを考えて、実行していけば、島の発展は間違いない?

瀧田 好治

takita@po.synapse.ne.jp

平成28年7月20日



平成28年7月19日 火曜日・週刊現代・16年5月28日号・

全国民必読ぶちぬき15頁・・!就職するなら公務員。高い給料と退職金・年金、休み放題、充実の福利厚生、そして仕事の責任は問われません・

役人だけが幸せな国・増税で国民に負担は強いても、自分たちの既得権益は死守する・・・それが彼らの行動原理だ。「官尊民卑」という時代遅れな言葉がふさわしい公務員天国の実態。

第一部・民間はヒーヒー言っているのに・血税でラクちん人生を満喫する公務員達・第二部・検査は何かが起きてからやるんです・もちろん、仕事なんかしていません?!

第一部・民間はヒーヒー言っているのに・血税でラクちん人生を満喫する公務員達・「財政赤字だから増税」と国民を脅す一方で・

役人達はいつの間にか自分たちの給料だけ上げていました・

・バブル崩壊後も右肩上がり・

今年1月、改正給与法が成立し、国家公務員の給与が2年連続引き上げられることが決まった。「一般職の平均年間給与は6万円ほど増えて、667万円。本性の課長クラス酢で約15万円増の屋久1,196万円になります。

2年連続に引き上げは、24年ぶり、バブル期以来です」(経済ジャーナリスト磯山氏)90年代初頭のバブル崩壊後、日本経済はじりじりと後退し、失われた10年とも20年とも言われる時代が続いてきた。民間企業の多くでボーナスや給料のカットが当たり前になり、もはや給料は「上がるモノ」ではなく「下がるモノ」というムードが定着しつつある。

だが、そのような右肩下がりの経済など、どこ吹く風というように余裕綽々シャクシャク・と生きている人々がいる。公務員だ。

「民間に比べて著しく高い公務員の給与がボーナスをこのまま放置すると、日本という国は役人に食いつぶされてしまう」と危惧するのは、政治アナリストの伊藤氏だ。

43頁・「民主党政権は公務員の人件費を2割削減することを目標に掲げましたが、支持母体の連合労組の抵抗にあって、何もできませんでした。現安倍政権においては、公務員制度改革や行政改革という言葉すら聞かれなくなった。

「公務員天国」に対する批判はずっとありますが、その実態は数十年前から変わっていません」

・実際、どれくらいの官民格差が存在するのだろうか。昨年4月時点での国家公務員(行政職)の平均月収は40万円8,472円。最もこの額には各種手当てなどが含まれておらず、実際には前述のようにさらに多くの額を受け取っている。一方で民間企業の平均月収は29万3,833円8国税庁「民間給与実態統計調査」より)。官民の格差はおよそ1/4倍である。

許し難いのは、「財政赤字を穴埋めするために増税が必要」という論理を振りかざし、国民に痛みを強いる一方で、公務員は自分たちの給料だけ上げ続けてきたという事実だ。

・実際、バブル崩壊時の91年には国家公務員の平均月収は28万5,790円と、民間企業の29万3,000円より少なかった。それから四半世紀、日本経済を支えるサラリーマン達が血のにじむような努力をしながらも、給料アップとは無縁で働いてきたのに対し、公務員はあたかも高度経済成長にあるかのような「右肩上がり」を享受してきたのだ。

・元財務官僚の高橋陽一氏が、公務員の給料が決められるカラクリを解説する。「公務員の給料は、人事院が決めています。人事院は、従業員50人以上、事業所規模50人以上の企業をサンプルに平均給与を算出し、祖霊もとづいて国家公務員の給与を決めていると言っています。しかし、これは国民を欺くテクニックです。

・実際に人事院がサンプルにしているのは、後者の「事業所規模50人以上」の企業です。50人いる事業所が全国に10ある企業であれば、社員は500人以上いることになる。つまり、人事院は中小企業は初めから勘定に入れず、上位1~2%程度の大手一流企業だけを参考にして、公務員の給料を決めているのです。

・政府は全社の給与データを把握しています。本来なら、民間企業すべての給与のデータをもとに公務員の給与を決めるべきです。ところが前者の平均値を参考にすると、公務員の給与は激減してしまう。それで既得権益を守ろうとカラクリを仕掛けているのです」

・各種「手当」でウハウハ・

高給に見合う働きをしてくれるなら、公務員が一流企業並の給与をもらっていても納得がいく。だが、仕事内容が同じであっても、官民の格差は埋めがたいモノがある。総務省の資料によると、都道府県の学校給食員は民間の調理師と比較して、約1/4倍の給与をもらっている。同じくバスの運転手の官民格差は1・43倍、守衛は1・83倍、用務員は1・86倍もの格差がある。

・しかも公務員である限り、リストラにあう可能性はほとんどゼロで職の安定性が保証されている。これぞまさに「官尊民卑」以外の何ものでもない。

・公務員達は、自分たちの給料を低く見せることに必死だ。著書に「公務員の異常な世界」があるジャーナリストの若林亜紀氏が語る。

「毎年、6月・12月になると、内閣人事局から国家公務員のボーナス額が発表されますが、昨年6月は「1/975ヶ月分=62万円」と発表された。しかし、人事院の給与報告書を見ると、平均月給が約42万円なので、ボーナス額は83万円になるはず。約20万円もズレがありました。

・実は、62万円というのは管理職でない、つまりヒラの公務員のボーナス額なのです。事務系の国家公務員は全国に14万人いますが、このうち過半数が管理職以上でヒラは半分に過ぎない。発表されたボーナス額は、係長以下の若手の給与だけを反映している「まやかし」の数字なのです」

・いかにも既得権益を守るために役人が考えそうな手だ。

・加えて、公務員は各種手当ても充実している。43頁・

44頁・平成28年7月19日 火曜日・平成28年7月20日 水曜日・

「かつては、メガネを買っただけでもらえる「メガネ手当や」、親睦会に参加したらもらえる「元気回復手当」、映画を見たり野球観戦に行ったりするともらえる「観劇・観戦手当」など、信じられないような手当てを支給している自治体もありました。さすがにマスコミに報じられて批判が巻き起こり、廃止されたものも多いですが、未だに民間の基準から考えると首をか傾下宅なるような手当もありますね」(若林氏)

・例えば「独身手当金」。これはけんっこんしないひとが結婚祝いを受け取っていないことを穴埋めするための手当だと言うが、それならそもそも何のために「結婚祝い」を渡しているのか、わからない。

・他にも「精神的緊張感を伴う」窓口業務について払われる「窓口手当」。悪質なクレーマーだらけの窓口ならわからなくもないが、実際にはそれほど緊張し強いる窓口があるとは思えない。このような不適切な手当は、たとえ廃止されても次から次へと新しく増設されるのでたちが悪い。

・このように日本社会は、民間のサラリーマンからはあの手この手で血税を搾り取りながら、自分たちの既得権益には目をつむる役人達ばかりが甘い汁を吸う構造になっている。来年4月には消費税が8%から10%に増税される予定だが、それ以前にメスを入れるべき既得権益はまだあるはずだ。

・掛け金が少なくて、支給額が多い・「年金」充実で公務員の老後だけは安泰です・

・月5万円以上も多い・

「昨年10月より、サラリーマンの年金制度である厚生年金が公務員の救済年金が一体化されました。年金の官民格差は解消されたように見えますが、それ以前に加入していた期間は旧制度で計算されるので、年金における公務員優遇は未だ続いています」こう語るのは、年金問題に詳しいジャーナリストの岩瀬達哉氏だ。

「共済年金では、厚生年金には存在しない、職域年金という部分がありました。つまり、公務員は基礎年金(国民年金)+共済年金+職域年金と3階建ての手厚い年金制度を享受してきたのです」(岩瀬氏)

・実際、公務員の年金支給額は民間平均に比べて月5万円以上、年間60万以上も高い。10年度の厚生年金の平均受給額が16万5,000円(基礎年金含む)だったのに対し、国家公務員共済年金は21万7,000円、地方公務人共済年金は22万5,000円も支払われている。加えて共済年金加入者は、厚生年金加入者に比べて、納める保険料も少なくて済んだ。

・職域年金という制度は、「民間には企業年金という3階部分があり、それに相当するもの」として説明されてきた。しかし実際、企業年金があるのは一部の優良企業だけだ。

・しかも企業年金は、サラリーマン達が自分たちで稼いだカネを積み立て運用している「自前のカネ」。一方で職域年金の元手は税金から支払われている。

・45頁・血税をネコババして、自分たちの年金制度を充実させているわけだから厚かましいというほかない。

制度の一体化で、このような不平等は解消されつつあるとはいえ、過去に積み上がった官民格差が解消されるようになるには今後何十年もかかるだろう。また職域年金も、以前よりは給付水準が引き下げられたとはいえ、「年金払い退職給付」と名を変えて存続することになる。

・そもそも、厚生年金と共済年金の一体化が、単に官民格差の解消のためだけに実現されたと考えるのは間違いだ。

・実は、公務員は脇世代の採用を絞っているため、現役世代が年金受給世代を支えきれない、いびつな人口構造になっている。共済年金は現役世代1・52人が1人の年金受給者を支えなければならない(厚生年金では2・32人)。

・つまるところ官民格差解消を隠れ蓑にしながら年金を一元化して、公務員だけでは維持できない共済年金制度を民間サラリーマンにも支えてもらおうという魂胆なのだ。

・公務員が恵まれているのは年金制度だけではない。退職金の官民格差もかなりのものだ。

「民間では、退職金の額を計算するのに在籍していた全期間の給与額を平均した数値を用います。しかし、公務員の退職金を退職時の、最も給与が高い時期の数値をもとに計算される。当然のことながら、民間より手厚い額が受け取れます」(前出の岩瀬氏)

・国家公務員が定年まで勤めた場合の退職金は、平均で約2,167万円(14年度)天下りなどのために早期退職をして、退職金の上積みをした場合は平均で約2,781万円も受け取っている。

・一方で、民間はどうか。そもそも4社に1社は退職金制度自体が存在しない。従業員10人~49人の中小企業の場合、大卒で約1,282万円。従業員100人~299人の会社でも1,718万円(大卒)と、公務員とかなりの開きがある。

国家財政の危機を煽りながらも、役人帯は抜け目なく、ちゃっかりと自分たちの老後を安心設計しているのである。45頁・平成28年7月20日 水曜日・

・休日は民間の倍・

ああ幸!こんなに休んでこんなに福利厚生・サボったもの勝ち・

「公務員は初年度から年次有給休暇が20日ももらえます。消化率も民間より高く、好きな時に休みやすい環境にあることは確かです。なかには、まるまる2週間休んで海外旅行に出かける「強者」もいましたよ」

・こう語るのは、自身も役所勤めの経験があるジャーナリストの若林氏だ。ちなみに労働基準法に基づけば、民間サラリーマンが公務員と同じく20日の有給休暇の権利を得るためには、6年間も勤務する必要がある。厚生労働省の資料によると、民間の労働者が取った有給休暇の日数はねんに8・8日(14年度)。一方、国家公務員は13・1日と4日以上多く休んでいる。

・これだけ見ると、それほど大きな差はないように思えるかもしれない。しかし、実態は違う。「公務員には20日の有給休暇の他にも、男性育児休暇、夏期休暇、官公署への出頭休暇、ボランティア休暇、結婚休暇、保育や子の看護のための休暇病気休暇と、人生のありとあらゆるリスクに備えた有給休暇制度があるため、旅行や休息以外のために年次休暇を取る必要がないのです」(若林氏)。45・

46頁・平成28年7月20日


龍郷町を国民と主権者の政治を・話し合いで・役人が決めるのではなく・国民が決めていく・

目標?龍郷町を日本で初めての、人口増・一万人にする、町に変えて行くには町民、全員で考えて物事を決めて決定して、実行を?

龍郷町議員と主権者に、つながる主権者とのパイプは、メールアドレスで繋ぐ、町長以下、龍郷町の幹部は作業日誌を記録して、主権者が判断してどんどん公表していく、通信簿は国民の権利、です。

2・主権者・町民との約束・役所は、貴重な国民の税金・保険料を使う立場ですから、1円の無駄も許されない、国民の生活向上に使うには。

龍郷町と、国民の間の契約書・条例化が必要だ。

議員には主権者が通信簿をつける必要、条例化して日常の日記を公開して、町民の審判を受ける、

有識者と役人で政策を決めるのではなく・龍郷町議員が提案・条例化・議員同士が議論を初めて決めていく。

龍郷町内に・資金を回す仕組みを作る・空き家など・風力・松などをペレットで発電・生ゴミ・糞尿などをバイオマスで、ガス発電、上澄み液を肥料にして、

大美川・他を草刈りして土手を守る対策して、桜など植えて、きれいな龍郷町で観光客を呼び込み空き家などを利用して民宿、雇用対策、昔の山道で散歩コースを案内して、人々を楽しむ

全国の若者達を農地を使わせる仕組みを、作り、呼び込む、

貴重な雨水を溜め池文化を生かす、田んぼの復活水管理必要だ。

平成28年7月4日 月曜日

 

みんなで力を出して、知恵と努力で捻出した財源で、脱霞ヶ関、村長が・働かない職員を民間量販店に研修に出したら、職員も働き出した、

 

奄美大島ではなかった、雇用対策を、とりあえず、人口1万人を目標にして、龍郷町の企画管理で・

まずは、山林の管理、龍郷町は緑の多さは、人口比で世界一だと思う、黒松を燃料にして、電力発電で働く場を確保、イジュウの樹を育てて、販売、河川の管理、をして大美川・仲勝川・戸口川すべて桜並木、草木管理で美しい龍郷町を、

 

農地の100%活用・農業委員会を活用して・全国から若者を呼び込み農業経営をしてもらう、東横インを誘致・土地を提供したらノウハウを持って、経営して・龍郷町の女性を雇用してくれます・が働ける場所です・奄美大島五町村で奄美大島を新型バスで・送迎します・低額の運賃を・

 

鹿児島県大崎町が成功したゴミの完全分別で・中間処理場でこれも民間の会社で作ったほうが国の補助金より安価で・雇用が生まれる・生ゴミは完全堆肥化に・分別のゴミは問屋が引き取りに・集落の収入になります、これは家内と一緒に・視察して資料もあります・

 

龍郷町を経営、コンセプト・

 

他地区の人々と話し合いは有意義と思いますので?

突然のお願いで驚かれたと思いますが?

奄美群島は仕事を掘り起こしすれば・可能性が多いの・山も川も・海も手当をしてあげないと育たない!!?一緒にやりましょう?

奄美ターミナルビル株式会社は・鹿児島県と奄美群島市町村で作りました・資本金は税金で・株式は奄美群島市町村と一部は他の人で・これは税金ですので・国・奄美市町村の税金なので・返すべきもの・株式を売却して・公開すれば・国民はその金を予算として使えます。

日本全国で・空港の経営の民営化が始まっています。

奄美大島も・働く場を作って行くには、奄美空港を苦しくとも経営をして、今の社会は航空機で旅行、移動する時代です、現在の笠利空港は・ろくな食事と、泊まる場所もない、レンタカーを使わないと、国民は移動もできないのは、公共バスを限りなく安価に、利用促進を考える仕組みを作る。

行政がやると非能率なことが多いので、国民が経営に参加しよう!?

今奄美大島の雇用対策を・何事も自分たちでやる覚悟を・失敗から学ぼう・

奄美群島市町村は・鹿児島県職員の指導に従ってきた、行政の仕事は市町村が十分にカバーできる、奄美群島合計職員 2・004人・を奄美群島国民が養って、長野県下條村は、村長が、何事も村民全体が働き、少子化対策を克服しました?!

 

2016年1月20日 (水)「生活道路はあなたたちで造ってください」2009年10月15日・日本の未来が見える村長野県下条村、出生率「2・04」の必然、霞が関を頂点とした中央集権的な行政システムが日本の国力を奪っている。霞が関は省益確保に奔走、特殊法人は天下りの巣窟となっている。効果に乏しい政策を検証もなく続けたことで行政は肥大化、国と地方の二重行政と相まって膨大な行政コストを生み出している。・「民間企業に比べれば、役所の業務は無駄だらけ。役所のスリム化は今からでもできるし、最初にやらなければならない」と伊藤村長は言う。この10年、

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/01/20091015204-eaee.html

10:11 2016/06/22

引用・自治体をどう変えるか (ちくま新書) [新書]  佐々木 信夫 (著)

財政規律を失った国家の破綻、存在感が薄れる府県、平成の大合併など、わが国はいま明治維新、戦後改革に次ぐ、大改革が求められる「第三の波」に遭遇している。行政活動の三分の二を担う地方は、二〇世紀の集権下で行われてきた他者決定・他者責任の経営から早急に脱皮しなくてはならない。豊富なデータに基づく具体的な提言を行いながら、「官」と「民」の関係を問い直し、分権下の地方自治、新たな自治体経営の方向を示す。内容(「MARC」データベースより)

2015年9月13日 (日)・・・議会は政治の中心・自治体の決定者」・116頁・脇役から主役へ」120頁・

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2015/09/post-fe81.html

10:17 2016/06/22平成28年6月21日 火曜日

面談して良い対策を立てませんか?+

http://www5.synapse.ne.jp/takita/#rinkuhe

takita@po.synapse.ne.jp

大島郡龍郷町大勝3113-1

瀧田 好治

平成28年6月23日 木曜日

奄美新聞・引用

町の方針は変えない・」クルーズ船問題・徳田町長ら現地視察・龍郷町・

龍郷町芦徳集落におけるクルーズ船寄港地建設計画に関して受け入れを断念する方針を示していた徳田康光町長は27日、役場担当課長らと共に海上から現地視察を行った。

今日28日には芦徳集落住民を対象にした説明会や意見交換会を予定している。現地視察を終えた徳田町長は「昔から知っている場所だったが、改めて素晴らしいところだと感じた。自然と共存し、保護しながら龍郷町を発展しながら龍郷町を発展させる計画を考えていきたい」と語った。

・同視察には徳田町長を始め、関係担当課長ら10人が参加。徳田町長らは龍郷集落の港を午後2時に出発し、1時間かけて計画案が出されている芦徳集落の北側の海岸線を巡り、周辺環境を線上から確認した。

・計画案の中で取り上げられたアクティビティ施設予定の海岸や大型船が寄港する桟橋の設置付近では船の速度を落としてじっくり確認する場面も見られた。

・今回の視察について徳田町長は「もともと知らない場所ではなく、陸上からの視察は行ってきた。しかし、やはり海の上から見ることは大事と思い実施したと説明。徳田町長は19日の会見で受け入れ断念表明しており、クルーズ船会社(ロイヤル・カリビアン社)には地元関係者を通じて報告しているという。「(クルーズフナ会社からの)返事はまだ無い。今後、町の方針を変えるつもりはなく、この先新たな会社の話が出ても地元の意見がダ字だと思っているので、情報をオープンにしていきたい」とした。

平成28年7月28日


篠原・逢坂産記事・

勝山浩平様・お付き合いをお願いします、他地区の人々と話し合いは有意義と思いますので? 

突然のお願いで驚かれたと思いますが? 

私は昭和10年生まれ・父母の故郷へ平成7年・東京から定年を迎え帰郷して・故郷を開墾手入れをしながら現在に至りました。妻の親の出身が大棚ですので、墓参しに参ります。勝山さんと友人になりたいと考えております、どうかお聞き入れて下さるようにお願いします。

奄美の将来などを共に考えていきたいと思っています。

 宜しくお願いします。

大島郡龍郷町大勝3113-1

瀧田 好治

0997-69-3195

takita@po.synapse.ne.jp

平成28年6月13日 月曜日

勝山浩平氏・平成28年6月11日 土曜日・

かつやま・こうへい・5月の村議選ではトップ当選を果たし、今期4期目を迎えた。地元名音で昔から楽しんできた釣りなど海遊びは趣味の一つ。「最近量が減ってきた」というがお酒も大好き。大島高校の同級生だっためぐみ夫人と(42)との間に中学生の娘と、今春小学校に入学した息子。41歳・

平成28年6月13日・5月31日に開かれた大和村臨時議会で、指名推薦を受けて第32代議長に就任した。村議会8議員の中では最年少。

 

 パレット・テーブル・

 大和村議会だより

大和村議会は、8名の議員で構成され、常任委員会は総務建設委員会があります。

村議会議員紹介ページはこちら ◾議員は全員常任委員会に所属しています。

◾議会運営委員会の委員は、4人で構成されています。

◾議会だよりは、年に4回発行され、編集委員には議会運営委員会のメンバーがなっています。

◾議会では、村政策の決定や行財政運営等、事業の実施を適性・適法になされているか、公平・効率的で民主的に行われているかを監視しています。

◾常に住民の福祉向上を考え、村民の立場で活動しています。 

議会だより

http://www.vill.yamato.lg.jp/yamato03/yamato38.asp

0997-57-2111/

Oosakisann/6/13/2016

 

 

16:25 2016/06/11

歩行アシストロボット・

 

大和村名音280・

0997-58-3232・

携帯・090-4773-5175

 大和村議会議長・になった・勝山浩平氏・平成28年6月11日 土曜日・

かつやま・こうへい・5月の村議選ではトップ当選を果たし、今期4期目を迎えた。地元名音で昔から楽しんできた釣りなど海遊びは趣味の一つ。「最近量が減ってきた」というがお酒も大好き。大島高校の同級生だっためぐみ夫人と(42)との間に中学生の娘と、今春小学校に入学した息子。41歳・

平成28年6月13日・5月31日に開かれた大和村臨時議会で、指名推薦を受けて第32代議長に就任した。村議会8議員の中では最年少。緊張感や重責を感じながらも「ベテラン議員の指導も頂、議員がそれぞれ、選挙で訴えてきた政策を村政に具現化できるようにしていきたい」。議会の舵取り役に意欲を示した。

「小さくとも光り輝く村へ」を将来の理想像に、村は今年度から総合戦略に上げた各施策を順次スタートさせた。村政の一翼を担う議会の立場から人口減少対策を喫緊の課題に挙げる。

「県内でも屈指では」と村の子育て支援策に自信をのぞかせる一方で、「働く場が少ないことは(人口減少の)大きな要因につながる。

企業や創業を考えている若い人も増えてきている。その際の支援や、住宅環境整備などの充実も」。

また、14年度から事業着手された、主要道名瀬・瀬戸内線、国直・名瀬根瀬部感トンネルの開通に期待を込め「大きなチャンス。交流人口の拡大増加が見込める。村の魅力をさらに見出し、発信していき、Uターン・Iターン者を呼び込めたら」と話した。

ミカンコミバエ発生・進入に伴う緊急防除区域が早ければ7月9日にも解除される方針が先日示される方針が先日示されたが、村が主産地である奄美の代表的果実「奄美プラム(スモモ)」は収穫期を迎え、集出荷作業が本格的にはじまっている。「まほろば館で販売しているスモモソフトクリームに加え、今年はタンカン味を加え、今年はタンカン味を開発する予定。タンカンを初め福本盆地でつくられる大根、芋などの野菜も人気が高い。関係団体と協力しながら、付加価値を高めて販売できる方法なども研究していきたい」。農業振興への思いも強い。

有志議員らと共に議会改革の志し、14年に「村議会基本条例」、翌年には村議会議員政治論理条例」が制定され、議会力の向上だけでなく、日曜議会や夜間議会を設けるなど住民により近い村政・村議会を目指してきた。

「新人議員2人も、条例に盛り込まれる勉強会に参加してもらいながら、議会活動を早く学んでもらえたら。今後も議員達が自ら出向いて議会報告会や、村民と語る会などを設けて、その声を行政に提案したり、政策に反映させたい」。引き続き、議会の活性化にも情熱を傾けていく。平真樹記者・

平成28年6月13日 月曜日  


大和村議選立候補者  

当 勝山 浩平(41)無所属現  182

当 前田 清和(47)無所属新  168

当 奥田 忠廣(71)無所属現  164

当 蔵  正(52)無所属現   140

当 宮田  到(67)無所属現  136

当 重信 安男(49)無所属新  101

当 民  文忠(61)無所属現  99

当 池田 幸一(80)無所属現  92

  勝 三千也(56)無所属新  79

   江﨑 貞信(69)共産新   51

  開票率100%、21時確定

 15:02 2016/06/11

 

エームサービス・山村俊夫社長・社員食堂・売り上げ¥1599億円・現場力・病院・学校・ホスピタリーカンパニー・プレゼンテーション・

食育・健康日本食文化・コミュニケーション・フードサービス広島球団・バーベキューエリア・CCダンス・多彩なメニュー

政府・家庭をホテルに・民泊・進め・大田区・特区・

体験漁業を・

 

 

新聞記事・平成27年10月28日・伊藤氏に出馬要請へ・次期知事選で県町村会・

鹿児島県町村会(会長・東大崎町長)は2016年夏の実施が見込まれている鹿児島県知事選挙に対して26日、現職の伊藤祐一郎氏(67)に四期目への出馬要請を決めた。後日、正式に要請する方針。伊藤氏はこれまで自身の進退について態度を明らかにしておらず、今後の動向が注目される。

喜界町で同日開かれた定期総会の席上、米満湧水町長が、緊急動議として伊藤氏への出馬要請を提案。

出席首長の満場一致で決議した。伊藤氏周辺も含め、公の場で鹿児島県知事選へ向けた動きが出たのは初めて。

鹿児島県伊藤知事は04年の知事選に初出馬し当選。現在三期目。16年7月27日に任期満了を迎える。県町村会は、鹿児島県伊藤知事が要請に応じた段階で推薦を表明する。平成27年10月28日 水曜日

鹿児島県町村会

鹿児島県町村会 

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鹿児島県町村会 鹿児島県の町村情報 観光、行政、イベント等どをお届けします。

 町村会とは

町村会事務局内関係団体名簿

町村一覧(町村長名簿)

町村会による情報システム共同化で事業コストを削減[1]鹿児島県町村会 www.j-lis.go.jp/lasdec-archive/its/bestpractice/.../e1.html


地方公共団体の財政状況は厳しさを増し、情報セキュリティ対策のための予算を確保 することが厳しい状況となっている。こうしたなか、鹿児島県町村会では、機器の購入や 業務の委託を他団体と共同で行うことにより、同じ機器や業務を一括で発注しコスト削減  ... 

全国町村会役員名簿

www.zck.or.jp/aboutus/yakuinmeibo.html

副会長政務調査委員(行政委員会), 村 上 英 人, 宮城県町村会長, 蔵王町長. 副会長 政務調査委員(経済農林委員会), 古 口 達 ... 委員会), 黒 木 定 藏, 宮崎県町村会長, 西米良村長. 政務調査委員(経済農林委員会), 東 靖 弘, 鹿児島県町村会長, 大崎町長  ...

鹿児島県市町村情報センター

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鹿児島県市町村情報センターでは自治体の情報化推進に対し、既存業務システム における電算維持管理費の抑制と高度情報化に伴い年々増大する情報化経費の適正 化を目的に事業推進を行っています。 本センターでは、「資源(人材・情報・知識)の共有 」・「 ...

http://tva-kagoshima.jp/

http://www.tva-kagoshima.gr.jp/link/link.html

8:33 2015/10/28

7/4/2016 8:38:41 AM



週プレ通!メルマガ《CLUB 週プレ!》 Vol.492==6/15/2016

池田和隆の政界・斬鉄剣!!!タブー全開!権力と既得権益のブ厚い岩盤をブッタ斬る!!038・国会の最終日、なぜ議員会館は官僚達で埋め尽くされるのか?

・腹の底で馬鹿にしにしながら全与党議員に「お礼参り」・

池田・「ついに通常国会が閉会しました。政界用語で「常会」と呼ばれる通常国会は1月から始まって150日間ほど開催されます。

今週は、毎年この時期に永田町で繰り広げられる、ある風物詩的な光景を紹介しましょう。その裏に、ある重大な真実が隠されているからです」

・風物詩的な光景?・

池田・「閉会した当日の衆議院と参議院の議員会館内は、縦横無尽に歩き回る大量の霞ヶ関官僚達で埋め尽くされています。彼ら国会議員に「お礼」をするため、与党議員全員に対して挨拶回りをしているのです」

・何対するお礼なの?・

池田・「各省が作成した法案を通常国会で成立させてくれたことに対するお礼です。例えば、こんな感じです。「あ!△△先生!!□□省でございます。○○法では大変お世話になりました。誠に有り難うございました」と。この一見なんでもないように見える光景に、非常に重大な意味が隠されている。役人達は徹底して低姿勢ですが、実は腹の底の奥で国会議員をバカにして、高笑いしているのです」

・どういうこと!?・

池田・「これを理解するには、まず永田町と霞ヶ関に与えられた権限と役割を再認識する必要がある。

この国のルール、つまり法律を作る「立法」という強力な権限を持っているのは国会です。ビジネスでもスポーツでもどんな世界でも、ルールを作る側が一番強いに決まっている。

だから、この国で最も強い権力を持っているのは国会なのです。その構成員である国会議員を選挙で選べるから、民主主義が成り立つわけです」

・一方、霞ヶ関の役割は?・

池田・「国会がルールに基づき、内閣と国会が決めた政策を「執行」するのが霞ヶ関の役割です。

でも、現実を見てください。ほとんどすべての法案が、霞ヶ関の役人達が作成しています。その法案を内閣に上げ、閣議決定されたものが国会審議を経て採決される。本来、この国で最強の権力を持っているはずの国会議員は、何もせずに採決を行うだけのマシーンに成り下がっているのです」

・とはいえ、最終的な決定権は国会にあるんでしょ?・

池田・理屈ではそうですが、現実はそうなっていない。例えば、今回の国会で成立した法律は70本以上もあります。先ほど通常国会の会期は150日間だと言いましたが、土日祝日を除けば約100日に過ぎない。70本以上の法案を100日でちゃんと審議できますか?

結局、与党議員にとって上司に当たる内閣が決定した法案には、与党議員が全員賛成するだけ。逆に、野党議員は何もかんがえずに、自動的に反対するだけなんです」

・つまり、霞ヶ関の各省庁が作った法案が内閣に渡った時点で、実質的には成立が決まってしまっていると言うことか。・ 

池田・「その通り。行政機関の霞ヶ関が事実上、立法権までも手にしている。自分たちでルールを作れて、その執行もできるのでは、まさにやりたい放題。

しかもここが一番重要で深刻なのですが、役人を選挙で選ぶことができない。つまりこの国は、民主的なプロセスを得ていない連中によって支配された独裁国家なのです」

・ここでようやく、通常国会の閉会日に繰り広げられる風物詩に潜む「闇」が見えてくる。

池田・「役人達は、とにかく低姿勢で国会議員に挨拶回りをする。与党の幹部議員に対しては局長級が出向く。霞ヶ関官庁の局長ともなれば、その社会的な「格」は大企業の社長以上。自尊心の高い国会議員達はいい気持ちになり、満足しちゃう。

法案も考えずに、ラクをして偉くなった気分になれるのだから。ちなみに影響力を持たない若手議員に対しては、課長や室長級が出向きます。彼らは表向き、目上である国会議員に低姿勢を貫きますが、南進では上から目線で値踏みしながらコントロールしている。そして日本国民を完全に支配しているのです」

平成28年6月18日 土曜日

平成28年6月15日 水曜日


大臣秘書経験者が明かす、政治家の接待&買収はこんなにスゴかった!

週プレNEWS 11月4日(火)6時0分配信・ 政治家たちのセコすぎるゴマかし行為が続々と発覚している。ついには大臣までもがワインやうちわを有権者に配ったことで辞任に追い込まれる始末だ。

そこで本誌は、ほかにもさまざまな違反行為が横行しているだろうと確信。調査を進めてみると、予想を超えるほどハードな接待&買収工作の実態が明らかになった。

最初に話をしてくれたのは、第1次安倍内閣時に農林水産大臣だった松岡利勝(としかつ)氏(故人)の政策秘書を務めていた池田和隆(かずたか)氏(47歳)。

「秘書はもう辞めていますし、松岡さんは故人ですが、お世話になった代議士を悪く言うような証言はできません。しかし、私が秘書をやっていた20年弱の間に目撃したことを“個人名抜き”でお話しすることならできます」

 

大臣クラスの政治家ともなれば、東京と地元にそれぞれ多数の秘書を抱えている。池田氏が務めた政策秘書とは、秘書のなかでもナンバーワンのポジション。現職の大物政治家たちがひっくり返るような事実もたくさん知っている人物なのだ。 

彼が証言してくれた政界接待の実態は、ワインやうちわなど吹き飛んでしまうほどスケールの大きいものだった。

「国会議員が安定して選挙に勝ち続けるためには、選挙の際に票をまとめてくれたり、熱心なボランティアの選挙運動員を大量に集めてくれたり、具体的な行動で支援してくれる人たちをどれだけ多く抱えているかが非常に重要なのです。

そういった支援者たちが次の選挙でも協力してくれるよう、彼らのご機嫌を取るのは当然の流れです。だって仕事や家事を休んでまで無給で選挙運動を手伝ってくれた人たちに対して、当選したらほったらかしでは恩知らず扱いをされてしまう。そんな評判が立ってしまえば次回の当選など望めません。

問題はご機嫌取りの内容です。資金力のある政治家ともなれば、後援会の幹部とその家族をまとめて海外旅行に連れていったりする例もあります。飛行機をまるごと一機チャーターして、東京や大阪の国際空港まで行かずとも地元の空港から海外に直接飛ばしちゃいます。買収行為にならないように参加者からは格安の会費を徴収するのですが、お得感満点の内容で喜ばせるのです」

そんな大規模な接待、一体おいくら万円かかるのか?

 

「政治家は地元の空港に影響力を行使できるので着陸料を安くしてもらえるし、航空会社も旅行代理店も国土交通省から免許を受けている事業だから国会議員に気を使ってくれて安くしてもらえる。連れていく人数と行き先にもよりますが、だいたい300万から400万円くらいで済む感じでしょうか」(池田氏)旅行以外ではどのような接待があるのだろう?

「都会の選挙区だとゴルフのプレー代って高いですよね? 高級なゴルフ場は3万円以上するし、高額な会員権を持つ人が同行しないとプレーもできない。そこで口利きのできるゴルフ場に頼んでプレー代を1万円とかにしてもらい、支援者たちからは会費を払ってもらってコンペを開催する。会費を取れば買収行為にはなりませんからね。

さらに政治家が口利きできる企業に頼んで、協賛してもらう形で高額な賞品を無償提供してもらうんです。例えば20万円くらいする大型テレビとか、そういうクラスの賞品を数社から出してもらい、コンペやビンゴ大会などを盛り上げるのです。

夏であれば屋形船を借り切って東京湾をクルーズさせたり、政治家によってやり方や規模はいろいろですね」(池田氏)

これは池田氏が現役だった第1次安倍内閣時代以前の中選挙区制時代から小選挙区制導入初期に行なわれていた例で、公職選挙法や政治資金規正法が厳しくなるにつれ、少しずつ派手な接待から地味な接待にシフトしているようだが、依然として接待行為は盛んに行なわれているようだ。

■この続きは発売中の週刊プレイボーイ46号にてご覧いただけます。

(取材/菅沼慶)

■週刊プレイボーイ46号(11月4日発売)「政界おもしろ接待&買収大全」より(本誌ではさらに秘書たちが実名で告白!)

15:59 2016/03/20

平成28年6月18日 土曜日


評判は散々なのに大出世の菅官房長官が官邸を牛耳れる理由

週プレNews  2015年5月11日 06時00分  (2015年6月7日 21時02分 更新) 

菅義偉官房長官の様子がどうもおかしい。地味で堅実なキャラで感情を表に出さないタイプの政治家だったのに、一部では官房長官という要職に長く就くことで権力者としての意識が強くなり、傲慢になったのではないかという声まで聞かれるほどだ。

現在の評判について、菅氏と仕事で接する機会の多い霞が関官僚たちに話を聞いてみると、その評価は総じて低い。「どうしてそんな人が官房長官にまで上り詰めることができたのか」という疑問が湧くほどだ。

そこで、菅氏が出世できた理由の一端を知る人物に話を聞いてみた。証言してくれたのは、第1次安倍内閣で農林水産大臣だった松岡利勝氏の大臣秘書官を務めていた池田和隆氏だ。

「松岡さんが事務所費問題や献金問題などで野党やマスコミからバッシングを受けていたとき、ウチの事務所に真っ先に駆けつけて声をかけてくれたのが菅さんでした。松岡さんと菅さんは派閥も違うし、それまでなんの交流もありませんでした。当時の官房長官だった塩崎さんなどは最後までひと声もかけてくれなかったのに(笑)」

菅氏は松岡氏に、どのような声をかけたのか?

「1回目の訪問時はとにかく『大丈夫だから』と勇気づけてくれていましたね。

そのときの松岡さんは言葉にこそ出しませんでしたが、内閣のほかの閣僚たちがどう思っているのかが気になっているようでした。政権維持のためにはさっさと辞任しろと思っているんじゃないかと、内心では不安だったのです。…

驚くべきことに菅さんは、そんな松岡さんの心中を察してくれたのです。最初の訪問の翌日だったと思いますが、再び事務所に来て、『○○さんも××さんも(当時の閣僚たちの名前)こう言ってたよ。だから大丈夫。頑張ろう!』と言ってくれたのです。

菅さんは付き合いのない人にも機敏な心配りができていたのだから、ほかでも同じような行動をとっていたに違いありません。一度でもそんな心遣いを受けた人なら、何かあったら菅さんに協力しようと思うのが人情というものでしょう」(池田氏)

菅氏は意見が食い違う議員たちを水面下で調整してまとめるのが得意とされる。だから、いろいろな政権で重用されるのだ。それを可能にさせているのは、多くの人の心をつかむ行動を積み重ねた結果なのかもしれない。

前出の自民党幹部関係者も菅氏の“成長”を証言する。

「昔の菅さんは確かに勝負勘がなかったけど、苦い経験を積み重ねた結果、今となっては政局を見る目が養われたと思います。

その証拠に、前回の解散・総選挙のタイミングは最高だったでしょう。解散時期の情報管理とリークの加減も素晴らしかった。この前の沖縄県知事選では自民党が推す候補者が負けるといち早く見越し、仲井眞知事(当時)に普天間基地の辺野古野移設を選挙前に承認させたのも見事だった」

勝負勘を身につけ、政権も安定している。しかし、最近の菅氏は記者会見でケンカ腰の受け答えをしてしまうなど、やたらと不機嫌なのが目立つ。…

週プレNews  2015年5月11日 06時00分  (2015年6月7日 21時02分 更新) 

それはなぜか?「ひとつの原因は、例えば自衛隊を『わが軍』と言ってしまったり、安倍さんの言動が粗くなっていること。今秋の自民党総裁選も無風決着が確定的で、超長期政権が現実的になってきた。緊張感が薄れ、安倍さんに油断が生まれています。以前のように菅さんの忠告もあまり聞かなくなっています」(自民党議員A氏)

沖縄の基地問題もストレスになっているようだ。

「沖縄の普天間基地移設問題について、菅さん個人は、沖縄県民を気遣いながら事を進めるべきだという考えのはず。しかし官房長官はあくまで首相の部下だから、安倍さんの意向に沿って、政府見解として公式発言をする責任がある。

(基地の移設を)『粛々と進める』という発言も、おそらく不本意だったはず。でもその発言が翁長沖縄県知事から『上から目線』と抗議された。さらに大きなストレスがたまっているに違いありません」(自民党議員A氏)

官房長官とはいえ、首相という上司に仕える“中間管理職”。世のサラリーマンと似たようなジレンマやストレスで不機嫌になり、時にケンカ腰にも映っているようだ。(取材・文/菅沼 慶)

http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20150511/Shueishapn_20150511_47575.html?_p=3

http://www.bing.com/search?q=%e6%b1%a0%e7%94%b0%e5%92%8c%e9%9a%86+%e6%9d%be%e5%b2%a1&FORM=QSRE3

16:01 2016/03/20

引用

池田和隆の斬鉄剣!!!第1次安倍政権崩壊の震源地だった男・タブー全開・権力と既得権益のブ厚い岩盤をブッタ切る!!元農林水産大臣秘書官。1967年生まれ・熊本県出身。「農林族議員のドン」と呼ばれた故松岡利勝元農林水産大臣の秘書を16年務め、国家権力や利権、国の意思決定の実態を内側から目撃し続けた知られざる重要人物。第1次安倍政権の崩壊も、実はこの男が震源地だったのだ!

3/18/2016 4:34 PM

27・新国立の成果大問題に見るこの国の根深い無責任体質・

・国家を大危機に陥れても出世しちゃう官僚たち・・

・不手際が止まらない新国立競技場の問題、今度は、聖火台の場所が決まっていないという、意味不明な事態に陥っている。

・池田・「競技場の建設と運営の主体であるJSC(日本のスポーツ振興センター)は、聖火台はオリンピックに関する部分で、それはオリンピック組織委員会の管轄だと責任をなすりつけた。オリンピック組織委員会会長の森喜郎元首相は悪いのは文部科学大臣だと言う。遠藤利明五輪担当相に至っては、ザハ案のときに議論した気がしたけれど忘れていたと、およそ大臣とは思えないような弁解をしています」

・低レベルなやりとりだ・・・。

・池田・「これ、日本が大昔から抱える構造的な欠陥なんです。重要なことをすべて役人が決め、国家的な大失態が発生したラ政治家に責任を取らせる。だから本当の責任の所在が分からず、結局うやむやになるんです。このままでは、永久に根本的な解決はできません」

・過去の具体例を挙げると?・

・池田・「事例は無数にあります。日本の役人支配と無責任体質が昔から変わらないことが分かるよう、古い例と新しい例を挙げてみましょう。

 

・日露戦争の開戦前、陸軍省の砲兵課長は、一日当たり約360発の砲弾が必要だとする報告を上げ、次官も大臣もそれを了承しました。しかし実際に開戦してみると、「奉天の戦い」では一日に約8万発もの砲弾が使用されたのです。当初の目論見とは、実に200倍以上のズレがあったのです。

 

・慌てた陸軍省は、開戦後に日本中の工場をフル稼働させ、輸入もして、何とか乗り切った。しかしこの歩兵課長、日本を存続の危機に陥れるミスを犯したのに、責任を取るどころか、その後に大出世をしたのです。

・最近の例では?・

・池田・「消費税でしょうか。大蔵省(現財務省)は当初、法人税や所得税などの直接税の税率を緩和するため、間接税である消費税を導入しょうと説明していた。しかし、その後の不景気で税制が減り、法人税も所得税もほぼ下がらなかった。

・私かも財務省は自らの過失をうやむやにするため、消費税を社会保障費に充てる税だと方針転換をする。現在、社会報償費は年間で30兆円以上です。赤字国債発行額を除けば、日本の税収はだいたい40兆円。法外な社会保障費を減らす努力をしなければ、とても消費税だけでは追いつくものじゃない」

・消費税の失敗についても、だれも責任を取らないの?・

・池田・「その通り。景気は予測できなくても、人口構成比から見れば少子高齢化の加速は100%確実でした。しかし、財務省は消費税を導入しておきながら社会保障費の増大は放置し、財政赤字を大幅に膨張させた。

それなのに財務官僚たちは全員出世して、最高の天下り先へと散っていった。当然、厚労省の官僚も同罪です。

むしろ、デフらスパイラルで日本経済がマイナス成長を続けていた時も、霞が関は概算要求額を増やし続け、毎年のように「史上最高額」と勝ち取っているのです!」

・東京オリンピックの関連組織にも、責任を取らずに出世した代表格的な元官僚がいる。

・池田・「武藤敏郎オリンピック組織委員会事務総長です。彼は消費税導入に深くかかわり、大蔵省と財務省で事務次官まで上り詰めた。退官後は日本銀行の副総裁につき、現在に至ります。

 武藤氏は、五輪エンブレムのパクリ問題について、「専門家が関与し、責任を分担して結果を出す。組織として誰かが責任を取るという議論は分かるが、どこの誰に責任があるのかと言う議論はすべきではない」と会見で述べている。

 分かりにくい言い回しですが、発言のママです。責任の所在を明確にせず、誰が悪いのかをうやむやにして、失敗しても誰も責任を取らずに済む仕組みを守るための「ザ・官僚」的な発言なのです。決してだまされてはいけません。

平成28年3月18日 金曜日

平成28年6月18日 土曜日

平成28年3月20日

泰阜村では、必要な介護サービスは充分に受けて、自宅で暮らし続けてほしいとの願いから、限度額を超えたサービスは全額村が負担することにしています。

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/03/post-acc1.html

6:15 2016/03/18

6/18/2016 8:33:34 AM

8:26 2016/06/18

  鹿児島県大島支庁長・均衡ある発展に全力・奄美の有利性生かして・南さつま市出身。熊本大学卒。1,980年県庁入り。障害福祉課長や保健福祉課長、農地調整監、食の安全推進課長などを務めた。前回の奄美勤務では釣りざんまい。支庁の釣りクラブにも所属していた。「今回の赴任で、島の緑の美しさ、自然の豊かさを再認識した。存分に楽しみたい」。58歳。平成28年4月15日 金曜日役人が・越権行為・奄美群島市町村長が行うことを一役人が申している・群島市町村長は責任をとり総辞職せよ?!役に立たない鹿児島県会議員・予算の無駄を見逃

7:47 2016/06/18 

大臣秘書経験者が明かす、政治家の接待&買収はこんなにスゴかった!

http://www5.synapse.ne.jp/takita/ikeda%20jimintou%20kitanai.html

8:20 2016/06/18


引用・

拡張予定の奄美空港視察・IT事業者と意見交換も・鹿児島県議会企画建設委員・

鹿児島県議会の軒建設委員会(藤崎剛委員長、委員10人)は16日、行政視察のため奄美大島入りをした。2,016年度から大幅な拡張工事を行う奄美空港のターミナルベルなどを視察。委員らは、格安航空会社(LCC)乗り入れに伴う利用者増などで手狭な施設の現状を認識し、混雑緩和に向けた工事の必要性について理解を深めた。

同空港ターミナルビルの拡張工事は18年度までの3年間。1階の到着ロビーと2階の出発ロビーを広げ、延べ床面積を現在の4,443㎡から約7,500㎡とする。

設備面では、1階の手荷物受取所にあるベルトコンベヤーと搭乗時に使用するボーディングブリッジを1基ずつ増設し、利用者の搭乗、到着時の混雑緩和を図る。

委員らは、拡張や設備の充実化が予定されている出発ロビーや手荷物受取所などを視察し、多客期の混雑の深刻さを理解。藤崎委員長は「厳しい財政状態の中だが、奄美の将来の発展に繋がる施設改修であり、重要」と述べた。

一行は、奄美市の情報通信技術(IT)関連事業者とも意見交換し、地域のIT産業の現状なども認識した。

視察は18日までの3日間。名瀬市区選出の永井章鹿児島県議会議員と向井俊夫鹿児島県議会議員も一部、同行する。17日は奄美市住用町の総合流域防災(河川)事業現場や、瀬戸内町の加計呂麻島物産館などの視察を予定している。

平成28年5月19日 木曜日


Img_2683 国民の税金で・民間のターミナル会社・鹿児島県知事・奄美市長他・がターミナル会社の取締役を務めている・国民の税金を使う場所が違う?!鹿児島県議会は無用の長物だ?!

IMG_2683.JPGをダウンロード


地元紙の

6・13・奄美空港ビル拡張を知事に要望・群島航路対策協など3団体・自然遺産登録後の観光客増も見越し・JAC4路線を補助・与論~奄美、新たに・県離島航空路線協・「鹿児島総局」奄美の12市町村長や国、県、航空会社の関係者らで構成する県奄美地域離島航空路線協議会(会長・古川県企画部長)

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/06/jac-ca04.html

2015.6.22.


2015年11月21日 (土)追加・奄美12市町村の首長や議会議長などで構成する各種協議会は1日、和朝山様・奄美群島のために、朝山様は奄美市長のみに専念すべきです・二つの会社の取締役を辞めて、他にたくさんの人に、仕事を譲るべきです、役得で・給与をもらい・奄美振興事業インチキを?!岡田 章宏 (編集), 自治体問題研究所 (編集) 現在、日本に浸透しつつある新たな行政管理手法、NPMの現状と特質を分析し、自治体に現れた問題点を横浜市と堺市を素材に紹介。イギリス、スウェーデン、ドイツといったヨーロッパの国々の動向と変化を検証する。

これが奄美群島の現実です。


私はゼロ歳から19歳までの人々が余りにも可愛そうでなりません・将来負担


http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/11/post-3e84.html

8:56 2016/03/22 


2016年3月11日 (金)

奄美振興の悲劇・地元民の思考は入れられない・官僚の考えが決定?!田雲川・古代より橋はかからない・奄美市名瀬崎原田雲・奄美振興事業・鹿児島県離島振興課が戦後橋と道路のネットーワークを怠ってきた、日本国税を2兆円以上無駄に使われてきた、この地点は奄美大島の真ん中これが切れているために・奄美群島の経済効果は、計り知れない・民主主義国家では・国民主権者に決定権があります。

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/03/post-9f8f.html

 9:01 2016/03/22


一人一票実現国民会議 TOPへ戻る あなたの一票は ほんとうは何票でしょう?・・生ごみ・池田町・未来を変えた島の学校――隠岐島前発・日本はなぜ、アメリカに金を盗まれるのか?~狙われる日本人の金融資産・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/06/top-134e.html


田中 克(京都大学名誉教授) ・「森里海(もりさとうみ)で自然再生を」

1943年滋賀県大津市生まれ 京都大学農学部水産学科に入学、大学院に進み、長崎県にある西海区水産研究所で、タイやヒラメなどの研究一筋の生活を過ごされました。

この研究で水際、海岸線がタイやヒラメの稚魚を育むゆりかごであることを突きとめると同時に、海岸線が埋め立てなどで消失している現実に直面しました。

 人と自然、自然と自然をのつながりを破壊したのは、半世紀余り続く高度経済成長ではなかったか、自然とのつながりを取り戻し、自然とともに歩む持続社会を築こうと田中さんは2003年京都大学に森里海連環学という学問を立ち上げました。

 現在は柳川市のNPOとともに有明海の再生を目指し、東北では森は海の恋人運動で、地域や住民と連携して森里海連環学の実践に取り組んでいます。

現場主義で現場からいろんなことを考えたり、と言う事で東北から柳川までを行ったり来たりしています。

 震災前から日本の海がドンドン環境が悪化して来て、生き物がいなくなる兆候が現れてきて、一番象徴的なのが有明海と言う事で、この海を何とかしないと日本の沿岸は良くならないという背景があり、調査をしようと、ボランティアチームを結成して、有明海にかかわっていた人達が気仙沼でも動き出しました。 昨年はシーカヤックで宮城県下を15日間海を回りました。

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/07/post-989e.html

2015,7,26、


引用


日曜・夜間議会開催へ・大和村議会・議会基本条例制定、4列目・大和村議会は、19日、「大和村議会基本条例」を制定した。議会報告会、日曜議会、夜間議会の開催や当局側と議員間の議論の質を高める目的で、行政側の反問権導入などを盛り込んだ。奄美群島内での議会基本条例制定は、奄美市、知名町、与論町に次いで4自治体目。条例は同日から施行した。

同日開かれた12月定例議会最終本会議で、議会基本条例制定案が議員提案された。提案理由で勝山議員は「独自の議会運営のルールを順守し、実践することにより、村民に信頼され、存在感のある豊かな議会を築きたい』などと述べた。議長を除く議員7人のうち5人が賛成、2人が辞退し、賛成多数で可決した。

同条例は「議会および議員の活動原則」「自由討議の拡大」「議員の身分及び待遇、政治論理」など全9章で構成する。条例制定をめぐっては、議員5人で構成する村議会基本条例特別委員会(池田幸一委員長)を今年6月の定例議会で設置。

開かれた議会の実現に向けて村民の意見を条例に反映し、議会改革を推進しようと、8月以降、全集落を対象に10ヵ所で「議会と語る会」を開いた。

同委員会では議員の論理に関する政治論理条例の制定も目指しており、19日の定例議会で村政治論理条例調査特別委員会が設置された。議会基本条例第8章の第20条に定めた「議員の政治論理」の項目をより具体化し、条例制定案として来年3月以降の定例議会で提案する方針。

2014年12月20日・

平成27年6月21日 日曜日



引用


家庭ゴミを発電燃料に 爆発事故12年目の再挑戦  (1/2ページ)2015/5/26 6:30

家庭のゴミがエネルギー資源になる――。かつて多くの自治体を振り向かせた夢の燃料プランがあった。ゴミ固形燃料(RDF)。家庭ゴミをペレット状にして、燃料として再利用しようとするものだ。しかし2003年、先頭を切って導入していた三重県で爆発死亡事故が発生すると、増設の機運は一気に萎んだ。そんな「かつての夢」の実現に、今春から動き出した北海道の自治体がある。人口減少が加速する地域で新たな選択肢として名前が挙がったRDF。再びブームは訪れるだろうか。

北海道倶知安町の工場で、ゴミ固形燃料(RDF)の製造は今年3月から始まった。1日17トンの一般ゴミを処理できる

北海道倶知安町の工場で、ゴミ固形燃料(RDF)の製造は今年3月から始まった。1日17トンの一般ゴミを処理できる 

■家庭ゴミの処理コスト、焼却に比べて6割に

屋外に積まれた直径5センチほどの円柱状のペレットの山。まだ作りたてなのか、湯気を立てている。外目にはふわふわとしているように見えるが、プラスチックのゴミを足し熱を加えており、触ってみると固い。

羊蹄山麓の町、北海道倶知安町で今年3月から稼働しているRDFの製造設備。地元の廃棄物処理会社、ニセコ運輸(倶知安町)が建設し、周辺の7町村と一般廃棄物の処理契約を結んでいる。1日17トンの家庭ゴミを処理する能力があり、RDFを同6~7トンほど製造している。

環境省が昨年度調査した資料によると、RDFの製造設備は全国に52カ所ある。しかし、その多くは03年までに竣工されたもの。05年以降に竣工した施設は倶知安を除けば、わずか3カ所にとどまっている。

再生可能エネルギーに焦点が当たる中で、すっかり忘れ去られていたRDF。なぜ、今、焦点を当てたのか。倶知安町の担当者はコスト面を最大のポイントにあげた。町の試算では15年間の維持管理費や補修費を加えても、焼却処理に比べて6割のコストで済むとはじいている。

人口減が加速する地方の中小の都市では、十分な処理ができる大型施設を新たに建設する資金的な余裕は乏しい。今回、ニセコ運輸の投資額は建物や付随施設を加えても3億円弱。自治体側は1キログラムあたり38円の処理費用を支払うものの、大型の焼却炉を自前で新設するよりも割安に済むという。

RDFが注目を集め始めたのは1990年代半ばのこと。当時はゴミ焼却場から発生する有害物質のダイオキシンが大きな問題になっていた。焼却炉内が低温になると発生するとされたダイオキシン対策として、多くの自治体が焼却炉の改修を迫られた。その過程で注目されたのがゴミをそのまま燃やすのではなく、エネルギー資源に加工、活用するRDFだった。政府の補助対象にもなり、90年代後半から全国で次々にRDFの製造プラントが立ち上がった。


■爆発事故、生ゴミ発酵の異常発熱が原因・ニセコ運輸の工場で製造が始まったゴミ固形燃料・ニセコ運輸の工場で製造が始まったゴミ固形燃料

ただ、導入当初から、不特定多数が排出するゴミの質が不安視されていた。03年の事故も多くの生ゴミが含まれていたことが原因だった。RDFをためておくサイロの中で、水分を含んだRDFの発酵が進み、異常発熱を起こし、爆発事故を起こすに至ってしまった。

ほかの導入地点でもRDF燃料の質は常に問題になった。生ゴミだけではない。スナック菓子やケチャップなど塩分を含むものが大量に含まれたゴミでRDFを作ると、塩素が発生し、燃やした炉を傷める要因になる。

99年に稼働した静岡県の「御殿場・小山RDFセンター」はこの塩素問題に苦しんだ。当初、RDFを引き取り、燃料として利用すると手を挙げていた地元企業が塩分の含有を嫌って次々と撤退。作ったRDFが大量に余る事態に陥った。買い手を探し、多額の輸送コストを支払って山口県や秋田県まで運んだほどだった。ゴミ処理を共同化している御殿場市と小山町は焼却処理に回帰。RDF施設は完成から16年となる今年3月、閉鎖に追い込まれた。

危険で燃料としての価値も低い――。そんな評価が定着しつつあったRDF。新たに導入する倶知安町では分別の徹底で乗り切れるとみている。ゴミ処理を共同で実施する7町村では05年から生ゴミの分別収集を開始している。燃えるゴミとの分別はすでに定着しており、安全性のリスクは少ないとみた。

それでも、不特定多数の人が排出する一般ゴミだ。不適物が入ってくるのは止められないだろう。施設側では万全を期すために人の手を使う。生ゴミや塩分が多く含まれているゴミをベルトコンベヤーで運ぶとき、7~8人が目視ではじくようにしているという。

 ■環境省、中小都市での利用価値を再評価

倶知安町がRDFを選択した背景には、焼却炉の新規立地が難しいことも影響している。この地域では、かつては7町村が別々に可燃ゴミを処理していたが、ダイオキシン対策を広域で進めるため、12年前から一括処理に移行した。ただ、処理施設の周辺住民は広域からのゴミの流入が恒常化することを危惧し、15年3月末をもって、炉の利用を終了するとの協定書を締結していた。新たな場所に炉を作ろうとしても、住民の反発は強く、適地はなかなか見つけられない。

環境省もここに来て、中小都市でのRDFの利用の価値を見直している。ゴミ焼却発電の発電効率が平均12%なのに対して、RDFを発電燃料に使えば熱回収効率は28%、熱利用すれば80%にもなる。「RDFは中小規模の自治体ではゴミの処理を効率よくできる場合もある」(廃棄物対策課)

ダイオキシン対策として全国のゴミ焼却施設の見直しが進められてから10年以上が過ぎた。各地の自治体では次のゴミ処理のあり方について検討が進む。特に焼却施設の立地は多くの地方が頭を悩ませている。燃料の受け入れ先の選定や、質の維持などの課題をクリアできれば、家庭ゴミにエネルギー源として、もう一度、光が当たるかもしれない。

(札幌支社 宇野沢晋一郎)

11:08 2015/06/20


世界初の全線「架線レス」 台湾に次世代路面電車  建設ITジャーナリスト 家入龍太 (1/3ページ)2015/6/19 6:30

ケンプラッツ

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87637550T00C15A6000000/?df=3

日本経済新聞社・

http://www.nikkei.com/

低床で乗り降りしやすいLRT(次世代路面電車)の導入を検討する自治体が日本でも増えているが、台湾・高雄市で建設中のLRTは、全線にわたって架線がないのが特徴だ。軌道敷の80%には緑化が施され、駅舎も緑に覆われたデザインを採用するなど、景観や環境に配慮した設計になっている。従来の路面電車とは異なるLRTについて合意形成を行うため、高雄市政府は3Dやバーチャルリアリティー(VR)を活用した動画を作り、ネット上で公開している。

 高雄で建設中のLRT路線図。緑色の区間が第1期工事(資料:高雄市政府)

高雄で建設中のLRT路線図。緑色の区間が第1期工事(資料:高雄市政府)

台湾第2の都市・高雄で市内をぐるりと囲むように走る、全長22.1kmのLRTの建設工事が行われている。そのうち、海側を走る8.7kmの第1期工事区間は現在、急ピッチで工事を行っており、2015年末に開業する予定だ。

■秘密は蓄電装置にあり

このLRTには大きな特徴がある。電力で走る電車にもかかわらず、全線にわたって駅間には架線がないことだ。

その秘密は、車両に搭載された「キャパシター」という蓄電装置にある。実は、各駅には車両の停車スペースの上にごく短い架線が取り付けてあり、停車するたびにパンタグラフを上げて架線に接触させる。

そして停車中の20~25秒という短時間でキャパシターに充電し、次の駅まで走行する電力を車両に蓄えるという仕組みだ。充電が終わったら、またパンタグラフを下げて走行を続ける。

 [左]完成した駅で試験中の車両。軌道上には架線が見当たらない [右]各駅にはごく短い架線が設置してあり、停車中にパンタグラフを上げて車両のキャパシターに充電する(写真:いずれも家入龍太)

[左]完成した駅で試験中の車両。軌道上には架線が見当たらない

[右]各駅にはごく短い架線が設置してあり、停車中にパンタグラフを上げて車両のキャパシターに充電する(写真:いずれも家入龍太)

また、走行中にブレーキをかけるとモーターが発電し、その電力(回生電力)をキャパシターに充電できるので省エネにも貢献する。

このLRTシステムは、スペインのCAF製のものだ。高雄市政府捷運工程局のチーフエンジニア、シ・メイメイ氏は、「一部区間で架線レスにしたLRTの例は他国でもあるが、全線にわたって架線をなくしたのは高雄市が世界で初めて」と胸を張る。

架線レスLRTの仕組み。1.キャパシターに満充電して駅を出発する、2.駅間を走行するときは、車両に搭載したキャパシターの電力を使う、3.ブレーキをかけるとモーターが発電し、その電力をキャパシターに回収して再利用できる、4.駅に到着するとパンタグラフを上げてキャパシターを再充電する(資料:高雄市政府捷運工程局)

架線レスLRTの仕組み。1.キャパシターに満充電して駅を出発する、2.駅間を走行するときは、車両に搭載したキャパシターの電力を使う、3.ブレーキをかけるとモーターが発電し、その電力をキャパシターに回収して再利用できる、4.駅に到着するとパンタグラフを上げてキャパシターを再充電する(資料:高雄市政府捷運工程局)

LRT、架線レス、キャパシター、路面電車、台湾、日本鋼管

次世代路面電車 全国走るか 自治体が構想 (2015/6/15 14:00) [有料会員限定]

地方交通会社へ財投出資 車両刷新しやすく (2015/2/3 0:17) [有料会員限定]

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銀座―臨海部1本で 東京高速バスレーン構想 (2014/12/19 7:00)

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完成した駅で試験中の車両。軌道上には架線が見当たらない

世界初の全線「架線レス」 台湾に次世代路面電車

低床で乗り降りしやすいLRT(次世代路面電車)の導入を検討する自治体が日本でも増えているが、台湾・高雄市で建設中のLRTは、全線にわたって架線がないのが特徴だ。軌道敷の80%には緑化が施され、駅舎も…続き (6/19)

視線で画面や機器を操れる「FOVE」

様々な企業から仮想現実(バーチャルリアリティー=VR)用のゴーグル(ヘッドマウントディスプレー=HMD)が登場しているが、日本発の有望な装置がお目見えした。秋葉原に開発拠点を置くベンチャー企業が開発…続き (6/19)

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87637550T00C15A6000000/

高雄市が導入を進めるLRTの注目ポイントは、架線レスのほかにもう一つある。それは、信号制御に導入した「路面電車優先システム」だ。

高雄市政府捷運工程局の建物(左)とチーフエンジニアのシ・メイメイ氏(右)(写真:家入龍太)路面電車優先システムのイメージ図(資料:高雄市政府捷運工程局)

路面電車優先システムのイメージ図(資料:高雄市政府捷運工程局)

道路と平面交差することの多いLRTは、道路の信号によって停車を余儀なくされるため、定時運行が難しい面もある。そこで高雄市では、路面電車が近づくと、路面電車を優先的に走行させるように信号を制御し、定時運行と利便性の向上を図るシステムを導入したのだ。

■軌道敷の80%を緑化

高雄のLRTは、架線がないことですっきりしたデザインとなるのに加えて、80%の軌道敷を緑化して、さらに景観面や環境面を引き立てる。レールには安全性の高い溝付きレールを採用している。

最新技術を取り入れたLRTだけに、駅舎などのデザインも洗練されている。台湾の先住民族であるアミ族の民族衣装に使われる色彩も取り入れた。

[左]工事中の軌道。80%は緑化される [右]安全性の高い溝付きレールを採用(写真:いずれも家入龍太)

[左]工事中の軌道。80%は緑化される[右]安全性の高い溝付きレールを採用(写真:いずれも家入龍太)

例えば、高雄国際空港につながる地下鉄との乗換駅「前鎮之星(C3)」は、アミ族の民族衣装に使われる赤、黒、オレンジのカラーでデザインされている。

[左]高雄国際空港につながる地下鉄との乗換駅「前鎮之星(C3)」。アミ族の民族衣装に使われる赤、黒、オレンジのカラーでデザインされている [右]前鎮之星駅をまたぐ歩道橋とエレベーター。スタイリッシュなデザインだ(写真:いずれも家入龍太)

[左]高雄国際空港につながる地下鉄との乗換駅「前鎮之星(C3)」。アミ族の

高雄市政府によると、LRTの設計や施工には特に、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)は使っていないと言う。

ただし、市政府はCGアニメーションを活用した動画を作成し、YouTubeに公開している。台湾では、一部の建設会社や大学がBIMやCIMの活用に力を入れていることもあり、こうしたCGアニメーションはごく当たり前のものになっている感があった。架線のないLRTや緑化した軌道敷など、これまでの路面電車とは違った乗り物に対する市民の理解や合意形成の促進に、IT(情報技術)が一役買っている形だ。

[左]緑化された軌道敷や屋根上緑化された駅舎のイメージ(資料:高雄市政府捷運工程局) [右]旧市街地にある愛河橋の完成イメージ(資料:高雄市政府捷運工程局)

[左]緑化された軌道敷や屋根上緑化された駅舎のイメージ(資料:高雄市政府捷運工程局)

[右]旧市街地にある愛河橋の完成イメージ(資料:高雄市政府捷運工程局)

家入龍太(いえいり・りょうた)

1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/

11:17 2015/06/20


まだGHQの洗脳に縛られている日本人 単行本(ソフトカバー)  – 2015/5/26

ケント・ギルバート (著) 内容紹介

 「WGIPをご存知ですか? あなたの歴史観は根本から間違っているかもしれません」と本書の帯で謳うのは、40年近く日本に住む米国人弁護士のケント・ギルバート氏だ。

戦後占領期にGHQ(連合国軍総司令部)は、日本に施した「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)」というマインド・コントロールによって日本人を徹底的に洗脳し、「愛国心」と「誇り」を奪った。それから約70年、日本人はその洗脳にいまだ縛られており、それに乗じて近年では中韓の反日工作が凄まじいが、それらがとんでもない捏造であり、悪質なプロパガンダにすぎないことを確信した著者は読者に、こう強く訴える。〈一方的な「嘘」や「プロパガンダ」に負けないでください。そして、今こそ日本人としての「愛国心」と「誇り」を取り戻してください。そのために必要な「知識」を学び、それを堂々と主張できる「勇気」を持ってください。〉

全日本人、必読!   内容(「BOOK」データベースより)

 WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)をご存知ですか?あなたの歴史観は根本から間違っているかもしれません。 単行本(ソフトカバー): 220ページ

出版社: PHP研究所 (2015/5/26)発売日: 2015/5/26

目次

第1章 WGIPで失われた日本人の愛国心(強すぎた日本軍を心の底から恐れた連合軍軍事力の重要性を語らない日本の政治家と教師とマスコミ ほか)

第2章 韓国よ、あなた方こそ歴史に学んで恥を知れ(安倍首相による憲法成立過程の歴史的事実の指摘GHQが定めた三〇項目の報道規制 ほか)

第3章 中国よ、「アジア諸国にとっての脅威」はあなた方だ(アメリカ国内にはびこる中国ロビー中華人民共和国(PRC)は日本と戦争をしていない ほか)

第4章 わが祖国アメリカよ、いつまで「反日プロパガンダ」を続けるのか(ルーズベルトとスターリンが夢見た「世界二分割統治計画」戦前から日本本土爆撃と占領計画を立案 ほか)

第5章 わが愛する日本よ、そろそろ「洗脳」から解放されよう(「宮刑」に処せられた日本GHQの政策が効きすぎた日本 ほか)

日本への愛と日本人へのメッセージ, 2015/5/26

: まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

「とにかく日本人の皆さんには、自分と自らの国に誇りをもって生活して欲しい。気づいていないかもしれませんが、日本人に生まれた皆さんは、間違いなく幸せです。私の祖国、アメリカが行わせた戦後教育と偏向報道などによって、長いあいだ自信を喪失していたかもしれませんが、自虐的な発想はそろそろやめにして、堂々と胸を張っていただきたい。健全な愛国心と高い道徳心とを両立させた、誰からも尊敬される日本人を目指してください」。

米カリフォルニア州弁護士でありタレントとしても有名なケント・ギルバート氏が、歴史問題に揺れる日本と日本人に対してのメッセージを綴った本。全編にわたって、日本への愛と日本人への敬意及び激励で貫かれていることが特徴である。

韓国と中華人民共和国(本書では中国ではなくPRCと呼ばれている)の歴史認識のおかしさについての指摘や反論は近年いろいろな本に書かれていることと共通しているところが多いが、GHQの占領政策として実在が確認されたWGIPとその影響や安倍首相のアメリカ連邦議会での演説の成功といった比較的最近の情報も加えられている。フランクリン・ルーズベルトとトルーマンの違いをスターリンとの関係の違いで際立たせているところは、賛否はともかくわかりやすい。また、多くの日本人が気づいていない点として、日本の大手新聞社だけでなく”The Japan Times”をはじめとする日本で売られている英字新聞の歴史認識にも問題があり、これら日本国内で英語で書かれた記事が世界に拡散する情報源のひとつとなっている可能性を指摘している点は考えさせられた。

 祖国アメリカでの話や、日本に来てからのことも時々振り返っている。19歳のときに宣教師として初めて日本に派遣されるときには「とにかく、何から何までアメリカと反対と思え」と言われて、実際その通りだったようだが、かえって「祖国アメリカをより深く理解するきっかけにもなった」という。そして、「日本の何が好きかというと、まずはその秩序と曖昧さのまじりあった感じです」と、ユーモアを交えながら例を挙げたりしている。

 時々ニュースになる日本の戦後70年の談話についても、「改めての謝罪など、まったく不要です」とし、世界平和を推進して人類全体の発展に寄与する未来志向のものにすべきだと持論を述べている。憲法改正についても、アメリカは20回以上も憲法を変えている、としている。

読みながら、この人は日本が本当に好きなんだな、と思った。同時に、こんなに礼儀正しくまじめな日本に対して、事実とはいえないことを大きく騒いで世界的にプロパガンダを仕掛ける近隣諸国やそれにネタを提供する国内の一部の人々に対しての憤り及びそれらに対して論理的な反撃やそのための勉強が十分ではないことにいささか歯がゆさを覚えていることも伝わってきた。

  知日派, 2015/5/27: まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

ケント・ギルバート氏の単独著作を初めて読んでみた。2章の韓国について論じた項は所謂嫌韓本を何冊か読んでいると内容の重複が見られるので正直なところ余り目新しさは無い。3章の中国ー本書では英語名であるPRC(People's Republic of China)と呼んでいるーについては余り関連書籍を読んだことが無かったので中々興味深かった。分量的には2,3章と余り違いないが4章のアメリカではGHQ占領下におけるWGIPの影響などについて論じておりここは流石多くの視座が含まれていると感じられ、寧ろ日本とアメリカの関係についてのみ論じたものを一冊の書として読んでみたいと思った。終章では日本に向けたエールを送ってくれているが非常に理性的な筆致も相まって清涼感のある読書体験を味わえる。日本人として学ぶべき部分も多いだろう。

  いい意味で期待外れ, 2015/6/2: まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

しょせんアメリカ人の日本人観や歴史観などオリバーストーンの「なぜ私の出会った日本人は善良な人たちなのに日本軍は中国で残虐行為をおこなったのだろう?」というような浅はかなものと思っていたが、いい意味で期待はずれでした。新しい知見を得ることができました。英語で出版してください。

  日本をよく知るアメリカ人が明かす「偽りの通説」と「歪められた精神」。, 2015/6/4

: まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

GHQによる洗脳から今なお解けずにいる日本人に向けて、マス・メディアの報道からは決して知り得ない、終戦までの日朝・日支関係や日米開戦に至るまでの経緯などを説く好著。日本人に迎合したりアメリカを擁護したりすることなく、公正な立場でありのままの事実を述べる著者の態度には好感が持てるし、弁護士活動やタレント活動の合間を縫ってこれだけの知識と考えを身に付けた著者の努力と思考力には敬意を表する。太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、中国を「PRC」と呼び、満州を「満洲」と表記するなど、言葉へのこだわりも相当強く、俄仕立ての似非評論家とは明らかな一線を画している。

 本書を読み、慰安婦強制連行を今なお世界各地で主張する韓国人の狂態の原動力は、日本人への強烈な劣等感に他ならず、彼らは、自分たちに劣等感を懐かせる日本という存在を貶めることで何とか精神の均衡を手に入れようと努めなければならないまでに深く心を病んでいるのだ、ということが今さらながらに痛感された。嘘を叫べば叫ぶほど、自らが精神病者であることを世間に晒すことになる、ということに彼らが気が付くことは、永遠にないのであろう。

支那事変における日本軍と共産党軍の関係の喩えは面白いと思ったし、戦後、共産党軍が国民党軍に勝てた経緯もよく理解できた。毛沢東の大躍進政策は、殆どお笑いの世界である。これほど間抜けな指導者への批判を片言隻句も口に出来ないとは、何という憐れな国であろうか。

わたくしは、空襲と原爆投下という反則技のホロコーストで日本との戦争に勝ったに過ぎない上に(わたくしに言わせれば、反則で勝ったことは勝ったことにならない)、戦後、土足で日本に上がり込み、言論を弾圧し、社会制度を破壊し、東京裁判という茶番劇を恥ずかしげもなく敢行し、占領憲法を押し付けたアメリカという国は、日本人にはおよそ想像も付かないまでに野蛮かつ傲慢かつ狡猾な国である、と思っている。「アメリカは正義の国で、アメリカは日本に民主主義をもたらしてくれた。」と信じ込んでいる日本人は今なお大勢いるのであるから、黒いものを白と思い込ませる彼らの情報操作能力には恐れ入る。ただ、「もし日本の降伏があと半年早いか、ルーズヴェルトがあと半年長く生きていたら、日本の戦後がもっと悲惨なことになったのは確実です。」という本書の言葉を読み、やはり日本という国は、どんなことがあっても亡びないようになっているのだ、ということを思ったし、本書の読後感とは別に、最近は、『アメリカが占領期間中にやろうとしていたのは日本という国を地上から抹殺することに他ならず、もしこれが他の国であったら、彼らの思惑通りになっていたであろうが、そうならずに済んだのは、日本人の際立った精神性の高さ故なのだ。』ということを考えるようになっている。

心優しきディープ・スロートの紛れも無き正統続編、「不死鳥の国・ニッポン second(もしくはnext)」! ('▽`)アリガト!, 2015/5/30 : まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

本書のタイトルと帯の謳い文句を見て、「これって知ってる話ばかりじゃ・・・」と思った

人は多分、自分だけでは無いハズ。その予感は半分当たりで半分外れでした。まずは本書の魅力を、☆の数の内訳とともに大別すると以下のようになります。☆☆  たしかに半分ほどは知っている話。ですが、生粋の米国人であるギルバートさんが語るだけに、得られる知見は非常に大きかったです。加えて、一般的な米国人の考えとギルバートさん自身の考えを分けて紹介しています。

☆☆☆  一つ一つの事例がムチャクチャ面白い。この人にしか経験できない事例もあって、爆笑必至。 (*≧∀≦*)以下に各章の中から、爆笑事例に限って感想を少しづつ。購入の参考になれば(各章タイトルの☆の数は爆笑度。多ければ楽しく、少なければマジメな章)。 まえがき  ☆1

我が国を褒める外国人は数あれど、地方をここまで激賞する人が、ステファン・シャウエッカーさん以外にいるとは思いませんでした。さすが「アメリカ合衆国の建国以来、最も多くの日本人と接した経験のある米国人」と自負するだけあります。そうそう、第二章で彼の国と引き較べて我が富山県を褒めて下さり、ありがとうございます。 ('▽`)アリガト!

  第一章  WGIPで失われた失われた日本人の愛国心  ☆2

第一章は短い章で、第二章以降にぶった斬っていくことになるモノたちを紹介しています。多分、最初は顔見せ程度で終わらせようとしていたんでしょうが、始まって4ページの途中で、既に筆はトップギアに。 (゚∀゚ ) ぶった斬りだした瞬間に「Оops!」と慌てて気付いて、怒涛の終了です。

  第二章  韓国よ、あなた方こそ歴史に学んで恥を知れ  ☆5

ギルバートさんは別に面白いことを言っているわけではないのですが、一つ一つの事例がブッ飛び過ぎて爆笑必至の章です。内容が、大概の人が知っていることなど20ページも読めば忘れてしまうほど。

「米国テキサス州と当時の朝鮮半島を比較して考察した人」というのはリトル巨人くんのことでしょうか?

NТТ労働組合大阪支部の悪行は初耳で、もっと深くぶった斬って欲しかったですね。個人的に本書で最も面白かったのは、日本共産党の女性議員のちょっとイイ話。彼女の人権・平等意識が嘘八百だということがよくわかります。それにしても、駐韓米国大使を襲ったヒゲもじゃテロリストを紹介するあたりに、本書の新しさがわかります。

  第三章  中国よ、「アジア諸国にとっての脅威」はあなた方だ  ☆4

そもそも本書では、序盤から「PRC」なる謎の単語が出てきますが、その意味が本章で明らかになります。因みに「PRC」を初めて見たときに、自分は「P&G」と勘違いしてしまいました。許せ、「P&G」。 (^O^)本章は、前章と同じく知っている話題がしばらく続きますが、一つ一つの事例がブッ飛び過ぎて(以下略)。

ギルバートさんが蛇蝎のように嫌っている職業があることは、テキサス親父との対談本でも紹介されていますが、本章では、それをより詳しく解説。「福建省名誉市民」なる称号とともに、どれもダンジョン最深部で手に入るレア・アイテムのSPを開放しなければ就けないモノばかりです。灰になってもお断りですが。 ( ^∀^)

 第四章  わが祖国アメリカよ、いつまで「反日プロパガンダ」を続けるのか  ☆4

本章は母国の話ということもあって、ギルバートさんの筆の冴えにも磨きがかかります。話題の中心は、ルーズベルトとスターリン。二人が狂人であることに論は俟ちませんが、テヘラン会談での「ねェ~ヨシフぅ、何人殺すぅ~?」発言には、同席したチャーチルに本気で同情してしまったほどです。こいつら二人ともウッドロー・ウィルソンと並んで、ニャルラトホテプの化身か、ヨグ=ソトース(by夢幻の軍艦大和)に違いありません。後半のプロパガンダの話は、話題の新しさもあって大変面白かったです。とくにマイケル・ムーアをはじめとする米国の映画人の胡散臭さは必見。 ヽ〔゚Д゚〕丿スゴイ

 第五章  わが愛する日本よ、そろそろ「洗脳」から解放されよう  ☆5本章はもう一つの母国の話とあって、ギルバートさんの筆の冴えにも(以下略)。そして、斬って斬って

斬りまくっての「千手波動斬舞」状態。ほとんどゴッドサイダー・阿太羅です。 (・∀・)イイネ!!まずはJR北海道の労働組合に、「ちゃんと線路を敷け」と挨拶がわりの撫で斬り。我らが北岡伸一「the☆侵略」教授がイラク戦争時におっしゃった「大量破壊兵器はある」発言は必見。

教授の人となりが実によくわかるステキなエピソードでした。 (//∇//)

さらにギルバートさんが不倶戴天の怨敵と認める組織の話は、先述の対談本でも紹介されていますが、斬れ味はこちらの方が上。最後には、返す刀で元祖リアル・ショッカー日教組に、必殺の稲妻重力落としを振り下ろします。どれも必見ですが、本筋とは関係ない部分に最も興味を引く文言があったので紹介。

1  道路料金の変動制導入の発案者がギルバートさんだったこと (゚∀゚ )

2  日の丸の旗が世界で最も売れているのは韓国 ('▽`)アリガト!

 

   おわりに  日本は世界の大国だ  ☆1

「あとがき」に来て、ようやくギルバートさんもスピードを緩めてくれまして、多くの日本人が持つ「国連信仰」の危うさと間違いを強く指摘して本書を静かに締めようとしていたようですが、「ノルウェーあたりから『かんしゃく持ちで手に負えない』と指摘され」たバカをやっぱりぶった斬り。 (^▽^)最後の最期まで怒りは収まらなかったようです♪

・・・以上です。読後の感想としては、「あぁ、これは『不死鳥の国・ニッポン』の続編なんだなぁ」でした。「不死鳥の~」の時より1年半を経て、ギルバートさんの進化した部分、深くなった部分が実によくわかりました。表向き参戦して間もないように見えるギルバートさんが、実は昔から人知れずバチバチと戦っていたことが本書を読むだけでも本当に楽しくわかってしまいます。

さらに一連の著作を読めば、心優しきディープ・スロートの言葉の一つ一つが、昨日今日のものでないことに気付くでしょう。併せて読むと、尚良し!全てが絶対オススメ!

このレビューが参考になれば幸いです。 (^ω^)

日本推し, 2015/5/28: まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

他の著書と重複箇所も多少はあるが、見事な論理展開だと驚かされた。単独著書だが、密度は対談と同じくらいある。頭もいいし胆力の有る知日家。読んでて励みにもなった。良著。

  ケント・ギルバートさんに感謝します: まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

 

WGIPの真相をアメリカ人が精査し事実を分かりやすく書いている本。第三者が発信する情報は信憑性、信頼性もより強化します。日本人は戦後失われてきた大和魂を今一度取り戻さなければなりません。日いずる国日本、日本人よもっと自信を持ち誇り高く生きよ!

 おすすめですよ。正しい歴史観, 2015/6/5 : まだGHQの洗脳に縛られている日本人 (単行本(ソフトカバー))

大変読みやすく、私が今まで信用筋から見聞きした情報と合致しており膝を叩くような思いがしました。また著者の純粋な日本愛を感じられました。

9:06 2015/06/20

 


奄美大島は・長期衰滅の危機に立ち向かう・・・大河のように止めなく・・

1・大司誠・たいし・まこと1950年、龍郷町瀬留生まれ。横浜市立大学文学部卒業後、南海日日の記者として入社・記者として本場奄美大島紬の流通問題、「南部大島開発問題」などに取り組む。練馬区役所を定年退職後、ビデオジャーナリストとして長期衰滅の危機に瀕する全国、奄美大島の地域経済の「新世紀版」づくりについての検証、考察を進めている。

奄美でも、復帰後、国の特別措置法に基づいく復興・・振興・・振興開発事業が、間断なく60年の長きにわたって行われてきているにもかかわらず、人口減少など地域経済の長期衰退の傾向が続いており、かって名瀬市が人口を吸い寄せて人口を増やし成長を続けていた頃の「南部大島問題」が、今では、奄美大島全体の問題になってしまっています。

それを深刻な形で象徴しているのが、農家の高齢化、一次産業離れなどによる耕作放棄地の増大と農地の原野化です。奄美大島全体の休耕地率は27・0%と、全体の3分の1に迫る高い水準に達しています。特に大和村(67・7%)。龍郷町(47・5%)、瀬戸内町(34・2%)の耕作放棄地の高さが際立つっています(2011年7月現在)。

生活保護率も県や全国平均に比べると非常に高い水準で推移しています。12年度の千人当たりの生活保護者の割合を示す生活保護率(千分比、パーミル)は、瀬戸内町が最も高く(75・3%、奄美市75・5%、大和村65・1%、龍郷町39・3%、宇検村27・1%となっています。同年度の鹿児島県や国の保護率は、それぞれ19・3%、16・9%となっており奄美群島の保護率の高さが際立っています。

人口の減少も、特に島嶼地域である沖縄と比較すると、その深刻さが浮き彫りになります。1950年の奄美群島の総人口は22万2779人。沖縄県が69万8827人で、奄美のおよそ3倍でした。ところが2013年現在では、奄美の総人口116,908人(同年3月)に対して、沖縄県は1,417,771人(同11月)で、奄美のおよそ12倍に増大しています。

このように、長年の国の特別措置事業にもかかわらず、まるで大河の流れのようにとめどもなく続いている奄美大島の地域経済の長期衰退傾向を生み出している内在的な原因事情は、いったいどこにあるのでしょうか。

「地方創生」が国家レベルの本格的な共同課題となり、政府主催の全国的コンペが行われ、その真価が問われている奄美大島の5町村は、「創生」に向けた「総合戦略」の策定作業に入っていますが、右の原因事情や旧来の取り組み・アプローチの限界性についての分析と総括を既にしっかりと終えているのでしょうか。主催者・公共の形成者としての市民の側はどうなのでしょう。

平成27年6月13日 土曜日

 

・・分業論の視点・総合戦略不在・・

2・60年にも及ぶ国の特別措置事業にもかかわらず、まるで大河の流れのように止めどもなく続いている奄美大島の地域経済の長期衰退傾向を生み出している原因事情は、いったいどこにあるのでしょうか。

そこでは中央政府の政策による日本経済の不均衡発展や猫の目のような貿易政策の変転、経済のグローバル化などマクロレベルの原因事情が大きく影響していることは明らかです。

しかし、創生への総合的戦略を構想し構築していくうえで重視すべきは、そうした外在的な原因事情以上に、奄美大島の地域経済社会の歴史や政治行政や民間経済主体側に存する問題性や限界性など内在的な原因事情であろうと思われます。こうした原因事情をどれだけ克服することができるかによって、外圧的な原因事情に対する抵抗力や対応能力に違いが出てくるからです。

筆者は、奄美大島に内在する最も重大な原因事情は、民間の経済主体のレベルにおいても、その活動を政策的・財政的に補完する5市町村の政治行政のレベルにおいても、「地方地場資本の蓄積体制(態勢)」を自覚的の総合的戦略的に追及する体制(態勢)がいまだに採られていないところにあると考えます。

地方創生のためには、地方地域経済の「新生基盤」づくりを果たさなければなりません。「新生基盤」づくりとは、「地方地場資本の蓄積体制(態勢)」づくりのことです。

自明のことですが、「地方地場資本」が蓄積されるためには、地域経済内部で生産された経済価値が、地域内に適正に留保され分配されて、組織的・社会的分業を形成し維持・拡大していく方向で再投資されなければなりません。

そのためには、1・まず、農林水産業など「第一次産業」が食糧などの自給機能をまず十分に果たした上で、地元市場を対象とする「地域産業」や全国市場を対象とする「地場産業に可能な限りの地場産原料を供給し、2・「地域産業」自身も外部からの財貨の移入によって地域の消費生活を高めるだけではなく、その内部構成で製造関連業種の比重を高めて、地元一次産業との相互依存関係を深める。

3・そして「第一次産業」と「地場産業」の振興によって域外からの「外貨」流入を増やし地域内部の資金循環を増大させる・・・このような結びつき(「組織的・社会的地域分業態」の形成)を通休止実現していくことが必要となります。4・そのためには、それを担う民間レベルの経済的な共同主体と、その取り組みをしっかり政策的、財政的に補完する政治的行政的な共同主体が存在しなければなりません。

ところが、地域経済の立場からすればきわめて当然と思われる、このような「自律的主体的な経済的分業論の視点」に基づく総合的で戦略的な政策施策は行われてきませんでした。地域経済至上さまざまな原因事情によって右のようなパッケージの形成は厳しく禁止され阻害され、実質的に放置されてきました。

15/6/13 10時32分41秒・・

・・阻害、放置された地域分業態・・

・3・奄美大島をはじめ奄美群島は鉄を産出しませんし、外海離島という知事的条件もあって鉄文化の移入も遅れたため、これが奄美農業の生産力の発展を著しく遅らせる要因になったと言われています。

むろん、群島全体はおろか、奄美大島全体を優勢な階級が統一支配する「自前の地方国家(政府)」を樹立したことも、歴史上まだ一度もありません。

遠い昔、北部以外はほとんど山地ばかりの奄美大島では、シマ(自然集落)は多数の入り江の奥に、それぞれ分散する形で存在していました。そうした地理的条件・物理的な交通環境が影響して、島内のシマ相互間の交易は未発達で、それぞれのシマの経済活動は長い間、人々が生活していくための共通の目的の下で相互に依存し合う自給的で自己完結性の強い組織的分業(=地域社会による「組織的分業」の原型に近いレベル)にとどまっていたと考えられます。

対外的な社会的分業も十分な発達は見られませんでした。ただ、奄美のサンゴ礁が夜光貝の方向であったためにその頃の重要な螺鈿(ラデン)などの工芸品の材料として、イグサによる琉球むしろなどとともに移出され、見返りに本土や大陸から鉄を移入して島の生産力を前進させていたとされています。

ところが、薩摩藩による封建的・早熟的な植民地主義的支配がはじまると、奄美の各シマの自然的経済は、藩が取り仕切る広域的な社会的分業の中に取り込まれていきました。薩摩藩は、鹿児島内陸部ではハゼ、屋久島は屋久杉、大島が黒糖、沖永良部島や与論島は米、琉球はウコンというように島ごとに分業制を敷きました。

奄美大島は「島全体としての組織的社会的地域分業態」を内発的に形成しきれない分散状態のまま、封建権力の主導する植民地主義的な広域的社会的分業体制に組み込まれ、私的売買も金銭の流通そのものも厳しく禁圧されていったのです。

このように、奄美大島では、地方地場資本の蓄積と域内再投資を可能にする「経済循環の場」と「自律的な政治的・経済的共同主体」のパッケージの形成が、18世紀以降、歴史的に徹底して禁圧され(1713~1872年)明治前半期の薩摩藩庁(鹿児島県庁)と鹿児島豪商による「植民地的経済支配(惣買入れ制)ソウカイイレセイ」の継続と「近代改革潰し」によって阻害され(1873~1891年)、そして、明治の半ば以降は、鹿児島県制による53年間にわたる「大島郡分離独立予算制度」の施行(1,888~1,940年)により完全に放置されて、古い仕組みが存続。

経済・政治面での近代化の恩恵から疎外されました。敗戦後の日本国から行政分離・米国軍政施行が、さらに追い打ちをかけました。

まさに連綿と続くこのような地域経済史上の原因事業と負の遺産としての植民地的な分散状況こそが、奄美大島の地方地場資本蓄積の著しい乏しさをもたらしている淵源です。

大司誠さん・平成27年6月13日 土曜日・ 


・5・動かざること山のごとし・「紬業界」・・

「南部大島振興問題」と「大島紬の産地体制(態勢)確立問題」を「自律的・主体的な経済的分業論の視点」から課題モデルとして捉えると、両社には大きな質的・段階的な違いが認められます。

南部大島問題は「組織的社会的な地域分業態」そのものがいまだに十分に形成されていない分散的な状態から、農林業や水産業など既存の第1次産業を基盤にしてどのようにしてそれを形成し成長させていくかという問題です。

これに対して大島紬の産地体制(態勢)確率の問題は、明治半ば以来、島の声明産業と呼ばれるまでに成長発展してきた地場産業としての「組織的社会的な地域分業態」のハイスペック(仕様)化を、いかにして実現するか。

世代交代が進む低成長時代の新しい和装市場と韓国紬問題が象徴する地球社会時代の大競争をたくましく生き抜いていくような「自己革新性を備えた問題解決型の組織的社会的地位気分業態」へと、いかにして進化させていくかという問題であったと言えます。

例えば、1972年以降、協同組合運動の思想に基づいて、分散状態にあった小規模生産者たちの支援・組織化を進め、全農などの協力を得て不況時の買い支え(男物紬)事業まで実現した「笠利町農協』。同時期に、集散地問屋との共存を図りつつも、独自の図案・意匠の開発など、問屋への全面的依存状態からの脱却を追求した「奄美産元(株)」。

そして77年以降、名瀬をはじめ奄美群島内の小規模市場品生産者たちの販売活動(価格実現)を担う仲買人たちの組織化を進めていった「大島紬販売協組」。これらの動きを全体として捉えるならば、奄美産地が新しい経済状況に対応して「産地問屋」の創出など自らの存続と発展のために総合的な体制(態勢)を確立していこうとしていたことは明らかです。

残念ながら、これらの取り組みは挫折し、その後、この問題での抜本的な効果的な取り組みが実現しないまま、状況は深刻化していきました。なぜ、伝統の地場産業は、ハイスペック化を果たせないまま、わずかこの30年余りの間に産地消滅の瀬戸際にまで衰退してきたのでしょうか。

そこには、不況時の産地の共同利益(男物紬の買い支え事業)に反するような個々の業者抜け駆けや足引っ張り、「利益は自社に、損害・責任は共同組織へ」、経営と資本の未分離といった同業組合的「株式会社」の限界性(奄美産元)など、個々の業者や団体など経済主体レベルの原因事情がありました。

しかし、最大の原因・事情は、まるで山のごとく動かなかった本場奄美大島紬協組にありました。不況の度に公的支援に頼り続け、「適正価格の実現」や「不況対策」などスローガンは見事に掲げ続けるもののそれに実効性を持たせる制度的基盤づくりには動かず、政争に追われ、そして、ハイスペック化を担う全産地的な協調協働の態勢(広域的な経済的協働主体)づくりには最後まで動かなかったからです。

平成27年6月14日

2016年11月19日 (土)

反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本・相川 俊英 (著)アベノミクスの「地方創生」は画に描いた餅!このままでは国土は強靭化どころか弱体化し、多くの市町村が破綻・消滅する!・・ 第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし・


http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/04/post-e46e.html

11/21/2016


第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし・


・ジリキノミクスへの取り組み・98頁・


村を蘇らせた「働く公務員」~“「崖っぷち型」ジリキノミクス”福島県泉崎村・100頁・平成28年11月18日

「短くても半年、それも2人ずつ何とか受け入れて頂けないでしょうか?」

「職員を減らしているので増えるのは困ります。無理です」

「そこを何とかお願いします。・東北の下條村・を目指したいのです。受け入れて頂けるまで何日も寝泊まりする覚悟で参りました」


2,010年2月のある日のことだった。2人の男性が応接間で向かい合い、こんなやりとりを続けていた。長野県下條村の村役場の応接室だった。

懇願されて困り果てた表情を見せるのは、下條村の伊藤喜平村長。

・一方、要求が受け入れられるまでテコでも動かないと悲壮感を漂わせていたのが、福島県泉崎村の久保木正大村長だ。前年11月に就任したばかりの新人村長だった。直線距離で数百キロメートルも離れた福島から、不退転の決意で訪ねてきたのである。

それは、泉崎村の職員を下条村役場で長期研修させたいという異例の申し入れだった。

市町村職員が県や国、研究機関などに研修目的で出向する事例はよくあることだが、村の職員が他県の村で長期研修をするというのは聞いたことがない。短期日程での視察で済ますのが、通例でもあるからだ。100・

101頁・実は、泉崎村の久保木村長は、自らが村議会運営委員だった時に下條村を視察し、様々な取り組みの説明を下條村の担当者から受けて、深く感銘した体験を持っていた。


・人口4,000人ほどの小さな山村に過ぎない下條村は、行政関係者の間から「奇跡の村」と呼ばれていた。財政改革を徹底し、全国のトップクラスの健全財政を運営していたからだ。


下條村の「財政力指数」(必要経費を税収で賄える割合)はわずか「0・221」と低いが、実質公債比率(一般財源に占める借金返済額の割合)はマイナス五・四%出、なんと全国ベスト3位。実質公債比率がマイナスを記録しているのは、交付財措置付きの借金を繰り上げ償還していることによる。


経常収支比率(一般財源に占める義務的経費の割合)は65・1%と6年連続で6割台を維持。また、村の実質的な借金残高が約一億一四〇〇万円に対し、基金残高は約六〇億円にも上っていた。一般会計の歳出額が約二四億二〇〇〇万円ほどなので、その2年半分に相当する(いずれも2,013年度決算)。101・

102頁・16/11/18 7時41分・ 


・「奇跡の村」の役場改角に学ぶ・102頁・

無駄をトコトン省き、仕事の効率化を追求し続けた下條村の伊藤村長の手腕は、確かに注目に値する。

・伊藤村長は1,992年の村長就任直後から、役場職員の意識改革に乗り出した。当時としては常識外れとも言える職員の民間企業への研修など、役場改革を断行した。ピーク時に五九人いた職員を37人にまで減らし、「少数精鋭」に変えた。「お役所仕事」を一掃し、職員を働くプロ集団に育て上げたのである。

コウした役場の奮闘ぶりに、住民たちも呼応した。村が提案した建設資材支給事業を受け入れ、小規模の道路や農道、水路の施工を住民自らが行うようになったのだ。

また、下條村は下水道を合併浄化槽に一本化する決断を下していた。国から手厚い補助が出る公共下水や農業集落排水事業よりも、トータルコストが少なくて済むと判断したからだ。実際、その通りの結果となった。

・下條村は一連の財政改革によって捻出した財源を、少子化対策などに充てた。子育て世代専用の村営住宅の建設や子供の医療費無料かなどである。こうして山間部に広がる小さな下條村が、全国有数の高い出生率を誇る自治体となったのである。102・


103頁・応接室でのやりとりがしばらく続いた。何度も頭を下げる泉崎村の久保木村長に根負けし、下條村の伊藤村長がとうとう「1人ずつなら・・・」と受け入れを承諾した。

こうして2,010年4月から、福島県の小さな村から長野県のより小さな村への職員派遣が実施されることになった。研修は1名ずつ、半年間ごととなった。

それにしてもなぜ、泉崎村の久保木村長はこれほどまでにこだわったのか。村の悲惨な財政状況がその背景にあった。

先述の通り、北海道夕張市が2,007年3月、国の管理下で再建を進める「財政再建団体」となった。環境事業に失敗し、巨額の負債を抱えていたことが表面化したのである。夕張市の突然の財政破綻に住民のみならず全国民が驚愕し、日本中に夕張ショックが広がった。自治体財政の危うい実態に関心が集まるようになり、誰もが「我が町の財政は大丈夫か」と不安を抱くようになった。

実は、日本中が夕張ショックに見舞われる数年前に、別の自治体がすでに財政破綻していた。夕張市のような全国的な知名度を持つ自治体ではなく、どこにでもあるような地味な小規模自治体であったため、大きな話題になることはなかった。その破綻自治体というのが、他でもない福島県泉崎村だった。103・


104頁・16/11/18 8時14分・

・イケイケ路線でがけっぷちに・104頁・平成28年11月18日・

福島県泉崎村は白河市に隣接する小さな農村で、人口約6,600人。福島県南部の一寒村に過ぎなかったが、東北新幹線の開業で村を取り巻く環境は大きく変貌した。

・1,982年に新白河駅が開設され、新幹線新駅に隣接する泉崎村はバラ色の夢を描くようになった。1,991年には東北新幹線の東京乗り入れが実現市、村は沸きに沸いた。「我が村が東京への通勤圏になった」と喜んだのである。

・実際、泉崎村が1,984年から造成をはじめた住宅用分譲地(430区画)は完売し、その後も村役場に問い合わせの電話が殺到した。当時の村長は豪腕で知られた人物だった。「日本一豊かな村に」を公約に掲げ、イケイケの拡大路線を貫いた。新たな住宅用分譲地や工業団地の造成、さらには大規模公園墓地の造成まで目いっぱい手を広げた。

・しかしその時すでにバブル経済は崩壊していた。泉崎村のイケイケ路線は完全に裏目に出てしまったのである。進出予定企業が相次いで注視を宣言し、新たな住宅用分譲地も売れたのは180区画のうちわずか12区画だった。


土地の販売代金で造成工事費などを支払うという計画が完全に破綻し、村早く六八億円もの負債を抱えてしまった。104・


105頁・これは当時の村の標準財政規模(約二四億六七〇〇万円)の約二・8倍に当たる途方もない額で、泉崎村はにっちもさっちもいかない状況となった。

・この事実が明らかになる前に豪腕村長が突然辞任し、村は大騒ぎとなった。


2,000年2月に村長選挙が実施された。結果は前村長の後援会青年部長だった小林日出夫氏の当選となった。対立候補とわずか46票差という大激戦だった。

村内で建築業を営む小林氏は、行政経験はもちろん議員経験もゼロ。泉崎村の財政破綻の詳細について、知るよしもなかった。後援会幹部として後継候補の擁立に奔走したが、財政破綻の事実を知る役場幹部は逃げ回り、自らが出馬せざるを得なくなったのである。105・

平成28年11月18日ここまで


・国に頼らぬ自主再建の道・105頁・


小林新村長は村の財政状況の説明を聞き、初めて耳にした財政破綻の事実に言葉を失った。

・しかし新村長は、直ちにその事実を村民に公表した。地区ごとに住民説明会を開催し、村の窮状を村民に知らせて協力を求めたのである。


・そして、議会で議論を重ねた末に、国の管理下に入る財政再建団体ではなく、村債の発行が出来なくなる自主再建の道をあえて選ぶことにした。


・夕張市のように財政再建団体になれば、行政サービスは否応なく最低水準に落ちる。そうなれば工業用地や住宅用地も売れなくなり、村民の負担が増えることになる。105・


106頁・苦しくとも自主再建の道を選び、粘り強く土地を売っていくほうが良策だと判断したのである。

・小林村長は福島県に日参し、県の財政支援を取り付けた。県から低利の融資を受け、負債の大部分を占めた農協からの高利の貸し付けの返済に充てたのである。

村は2,000年度に「自主的財政再建計画」を策定し、人件費や各種補助金のカットと言った歳出削減に乗り出した。借金が出来ないので単独事業は原則として行わず、ちょっとした道路の補修などは役場職員が対応することにした。

・また、分譲地の販売促進による歳入確保にも全力をあげた。住宅用分譲地の販売価格を下げ、すでに買った人にはその差額を返金した。また、村の分譲地を購入して住宅を新築した人を対象とした「ゆったり通勤奨励金」を新設した。村内の対象となる分譲地から村外に電車通勤する場合、三〇〇万円を限度に補助金を交付する大胆な策だった。

・泉崎村は、宣伝活動にも必死に取り組んだ。小林村長を先頭に、議員や職員、住民が東京の銀座で分譲地の宣伝ビラを配って歩いた。大型バスで村を案内する「現地無料招待会」などを開き、村民自らがソバを打って参加者をもてなしたりもした。

・アイデアマンだった小林村長は、2,007年に泉崎村から約200キロメートル離れた東京・銀座まで歩く「財政再建行脚」を行った。分譲地のPRを狙ってのことだ。106・


107頁・16/11/18 9時9分・翌2,008年も2回目を実施し、12月27日に泉崎村の自宅を出発して大晦日にゴールの銀座にたどり着いた。

・こうした村を挙げての販売活動が評判を呼び、分譲地が売れ出した。負債の山は少しずつ小さくなっていった。

ところが、泉崎村は思いもしなかった悲劇に見舞われる。2,009年9月、必死に財政再建に取り組んでいた小林村長が急死したのである。

107・平成28年11月18日・


「少数精鋭」役場の仕事ぶり・107・

・リーダーを突然、失うことになった村は再び大騒ぎとなった。急遽、村長選が行われることになり、2,009年11月に久保木正大氏が新村長に就任した。

先に紹介したやり取りは、そのわずか3ヶ月後のことだった。

「以前から役場のスリム化が急務と考えていましたが、職員数を削る話ですので、どうしても職員に抵抗感があります。下條村は考えられないような数の職員で、実際に仕事をしっかりこなしています。どうやって仕事をこなしているのか、生で実態を見せて貰い、うちの職員に学ばせた地と考えていました」

・こう語る泉崎村の久保木村長は、素早い行動力と粘りを発揮し、下條村から受け入れ承諾を引き出したのである。107・


108頁・久保木村長は、派遣する職員を40代の課長補佐クラスから自ら選び出し、業務命令で半年間ずつ送り込んだ。その第1号となる職員が下条村役場に単身でやってきたのは、2,010年4月だった。

・最初はものすごく緊張しました。役場の廊下を歩いている時も体がふわふわしている感じがしました」

こう振り返るのは、この研修職員第1号となった泉崎村の星雅之さんだ。少ない人数で仕事をしっかりこなす下条村役場の組織体制や配置、使途との仕方などに着目した。


・職員一人ひとりが実によく働き、一人二役や三役をしていること。仕事をする上での横のつながりが強く、職員が各課をまたいで働いていることなど、星さんにとって驚きの連続だった。

また、下條村は4つの課(泉崎村は当時11課)しかなく、業務の割り振りと配置も独特だった。星さんは、それが住民サイドに立って作り上げられたものだと実感した。

星さんはいろいろな地域活動にも参加させて貰った。そこで目にしたのは地域のまとまりや結びつきの強さだった。

・そして、飲み会の席で地元の人が漏らしたこんな言葉に、強い衝撃を受けたという。

「俺たちは自分たちが副村長になったつもりで村をよくしようとしているんだ」108・


109頁・16/11/18 15時5分・


険しいゴール・109頁・

下條村研修の半年はあっという間に過ぎた。泉崎村に戻った星さんは、全職員お前で研修方向を行い、後任者にバトンタッチした。

泉崎村職員の下條村研修は、2,014年9月末まで続いた。半年間の研修を体験した職員は9人に上った。

・泉崎村は2,013年10月25日、土地造成事業の失敗で抱えた巨額な負債の完済を果たすことが出来た。13年間に及ぶ自主再建の険しい道のゴールに、やっとの事でたどり着いたのである。

・久保木村長は、「ようやく他所並みになりました。過去のつまずきを反省材料にして、健全財政を貫いてきたい」と語る。

歳出削減を続けてきた泉崎村は職員採用を抑え、新規採油は13年間でわずか3人。久保木村長の就任時(2,009年)に91人いた職員が、現在(2,014年)は70人に減少している。村は少数精鋭路線を確立させるため、2,014年4月に役場組織の大改革に踏み切った。一一あったかを下條村と同じように4課に再編し、係長を亡くしてグループ長に変えたのである。

職員が自分の仕事だけをするのではなく、職員全体で仕事に取り組み組織にしようというものだ。109・


110頁・役場全体を下條村のような「働く公務員集団」に磨き上げようという、不退転の決意の表れである。

絶体絶命の危機に直面した場合、事態を打開するには必死に努力するしかない。歯を食いしばってひたすら頑張るのみである。そんな苦境の時ほどリーダーの良し悪しが鍵となる。

・陣頭に立ち、熱意をほとばしらせて取り組む人物を選び抜くことが重要だ。泉崎村は小林さんと久保木さんという2人のリーダーを選び、住民と職員が一丸となって行財政改革の努力を愚直までに重ねた。

・逃げずに真摯に進めてきたことが、負の遺産との決別に繋がったと言える。

問題は、状況が好転してからもその姿勢を貫けるかどうかではないか。


福島県泉崎村

・「財政自律度」ベスト438位・

・「住民1人当たりの借金残高」ワースト650位・

・「税の納付率」ワースト172位・

・「自治体選挙における投票率」・

村長選挙68・09%(2,013年10月13日)ベスト447位・

村会議員選挙79・43%(2,011年9月18日)ベスト323位・

・「豊かさ度(財政力指数)」ベスト614位・111頁・


平成28年11月18日 金曜日


地方の光となった図書館~「退路断ち切りがた」ジリキノミクス」福島県矢祭町・111頁・

全国でいち早く「合併しない宣言」112頁・

世にも珍しい住民手作り図書館・113頁・

冷ややかだった専門家も認めた・117頁・

「子供司書制度」で心の教育・118頁・

・自治体が抱える時限爆弾~「伝統・風土型」ジリキノミクス」神奈川県秦野市・120・

・ハコモノメタボを筋肉質に改善・123頁・

・地域資源を生かし切る~「先人の教え尊守型」ジリキスト」島根県雲南市・125頁・

・地域を育てていく使命・127頁・

・自力で開発するオリジナル商品・129頁・

・「クラゲで世界一」~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト」山形県鶴岡市・131頁・

反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本(ソフトカバー)  – 2015/3/19

 

相川 俊英 (著) 内容紹介

 

アベノミクスの「地方創生」は画に描いた餅!

このままでは国土は強靭化どころか弱体化し、多くの市町村が破綻・消滅する!

出生率の低下、東京一極集中で、2040年には市町村が半減すると言われている。

これは地方自治体の多くが、中央官庁お仕着せの政策とばらまかれる補助金、すなわち「タリキ(他力)」に頼ってきたツケに他ならない。一方で、国に頼らず独自のアイディアと取り組み(「ジリキ(自力)」)で自治体の再生・活性化を成功させた「奇跡の市や村や町」がある。

過疎化から人口増に逆転させた村、シャッター商店街をよみがえらせた町……。

彼らはいかにして自分たちを守り、未来を切り開いたのか。その奇策とは!?

ローカルアベノミクスのまやかしに警鐘を鳴らす地方自治取材のスペシャリストが、地方再生の特効薬「ジリキ(自力)ノミクス」を提唱する!

「自律度」「豊かさ度」「税納付率」「投票率」ほか独自集計の市町村ランキングも多数掲載。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

お仕着せの政策とばらまかれる補助金では地方創生などできない!わが道を行く「ジリキ(自力)ノミクス」でよみがえった自治体、それぞれの奇策とは!?

 

 

商品の説明をすべて表示する 単行本(ソフトカバー): 226ページ

出版社: 講談社 (2015/3/19)言語: 日本語発売日: 2015/3/19

目次

第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・

(行政、住民、政治の「じゃんけん」・16・

・自治体は「分譲マンション」・19頁・

・タリキノミクスとジリキノミクス・21頁・

グーの上にカスミとベイ・24頁・

客(住民)を客とも思わぬ体質・27頁・

「水は足りている」のに作るダム~「公共事業の迷走」宮崎県川南町・29頁・

改修の要望がいつの間にか新設に・30頁・

「新たな水はいらない」農家ばかり・32頁・

「ジリキノミクス」5つのメリット・34頁・

第2章 納税者が知るべき「自律度」ランキング

・独自に全市町村をランキング・38頁・

「財政自律度」ランキング・39頁・

「住民1人当たりの借金残高」ランキング・42頁・

「税の納付率」ランキング・43・

「自治体選挙における投票率」ランキング・45・

第3章 後悔先に立たず「タリキノミクス」の落とし穴

「豊かな自治体」の顔ぶれ~「財政力指数」ランキング・64頁・

カネが溢れていても人が増えない~“「財政力指数」ベストワン”愛知県飛鳥村・67頁・

財政難から富裕村へと大変貌・69頁・

カネがあっても人を呼び込めない・70頁・

「タリキノミクス」自治体の4分類・73頁・

富裕自治体からの転落~「あぐら型」タリキノミクス」神奈川県南足柄市・75頁・

企業からの税収頼みの危なさ・78頁・

「橋本ポピュリズム論」の誤解「放蕩型」タリキノミクス」大阪市・81頁・

大阪市民の厚遇とハコモノ充実度・82頁・

教育環境の劣悪化で学力・体力低迷・84頁・

とどまった既得権の洗い流し・86頁・

コンパクト化が再生の鍵~「過保護感覚マヒ型」「タリキノミクス」北海道夕張市・88頁・

ハコモノづくりの打ち出の小槌・91・

第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし・

・ジリキノミクスへの取り組み・98頁・

村を蘇らせた「働く公務員」~“「崖っぷち型」ジリキノミクス”福島県泉崎村・100頁・

・「奇跡の村」の役場改角に学ぶ・102頁・

・イケイケ路線でがけっぷちに・104頁・

国に頼らぬ自主再建の道・105頁・

「少数精鋭」役場の仕事ぶり・107・

険しいゴール・109頁・

地方の光となった図書館~「退路断ち切りがた」ジリキノミクス」福島県矢祭町・111頁・

全国でいち早く「合併しない宣言」112頁・

世にも珍しい住民手作り図書館・113頁・

冷ややかだった専門家も認めた・117頁・

「子供司書制度」で心の教育・118頁・

・自治体が抱える時限爆弾~「伝統・風土型」ジリキノミクス」神奈川県秦野市・120・

・ハコモノメタボを筋肉質に改善・123頁・

・地域資源を生かし切る~「先人の教え尊守型」ジリキスト」島根県雲南市・125頁・

・地域を育てていく使命・127頁・

・自力で開発するオリジナル商品・129頁・

・「クラゲで世界一」~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト」山形県鶴岡市・131頁・

・不名誉な称号「落ちこぼれ水族館」133頁・

・オセロゲームのような大逆転劇・134頁・

・住民主導バス路線開設~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト千葉県印西市・137頁・

・利用者本位のバス事業・139頁・

・シャッター商店町の起死回生策~「試行錯誤型」ジリキスト・愛知県岡崎市・142頁・

・豊富な専門知識とおもてなしの心・144頁・

・「三方よし」の発想・146頁・

芸術家やIT企業家が続々移住~「人材集約型」ジリキスト」徳島県神山町・149頁・

・日本の田舎をステキに変える!・150頁・

・ユニークな移住支援活動・153頁・

第5章 「ローカル・アベノミクス」に騙されるな

・これまでの公共事業とこれからの公共事業・158頁・

・なぜ「タリキノミクス型」が多いのか・160頁・

・加速する土建政治の十倍返し・162頁・

「忘れられたダム事業」の復活~「タリキノミクス型公共事業」熊本県・164・

・亡霊「立野ダム事業」・166頁・

・二の次にされた白河河川改修・168頁・

・身の丈事業と驚くべき村民力~「ジリキノミクス型公共事業」長野県下条村・170頁・

・住民が村道や水路を整備・補修・171頁・

・下水道ではなく合併浄化槽を選択・172頁・

・国策による負の連鎖「土砂災害」・175・

・スギ・ヒノキの人工林が山を壊した・176頁・

・ダムは森林再生にはつながらない・179頁・

・力技だけでは土砂災害に勝てない~「森林再生」ジリキスト」神奈川県相模原市・180頁・


第6章 地方創生の特効薬とは何か・

・地域活性策の「失敗の歴史」・186頁・

・地域活性化予算を虚しく消化・188・

・スローガンで終わる地域活性・189頁・

・大合併でばらまいた毒まんじゅう・191頁・

・地方創生の見本「四万十ドラマ」~「清流と森」ジリキスト」高知県四万十町・192頁・

・ローカル・ローテク・ローインパクト・194頁・

・国策に従わずに守り続けた広葉樹林・196頁・

・循環経済で「地元の創り直し」・198頁・

・疲弊地方の再生拠点「郷の駅」・200頁・

・カネ・ヒト・モノの連結決算・201・

・真の地方創生を示した若き実業家・~「地元創り直し」ジリキスト」徳島県美波町・203頁・

・「半X半IT」で業績拡大・204頁・

・「ソトとナカ」の交流・206頁・

「ジリキノミクス」の3本の矢・208頁・

・あとがき・・「地域主権」と「住民自治」への道・213頁・

平成27年4月2日

8:14 2015/04/02・反骨の市町村・

2016年11月21日 (月)

反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本 – 2015・3・19 相川 俊英・・・ 第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・


2016年12月24日 (土)奇跡の村 地方は「人」で再生する (集英社新書) 新書–2015年10月16日 相川 俊英 (著) 少子化対策に目覚しい成果をあげて全国の自治体関係者から「奇跡の村」と呼ばれている長野県下條村など、独自の移住促進策で「消滅論」に抗う各地の山村を取材した、希望のルポルタージュ。 ・・反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/12/20151016-fcc6.html

6:15 2016/12/24


2016年11月21日 (月)

亡国予算―闇に消えた「特別会計」 単行本 – 2009・4・28 ・北沢 栄(著) だれも知らない日本国の裏帳簿―国を滅ぼす利権財政の実態! 石井 紘基 (著)そのほかいろいろ・ http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/11/post-2806.html 5:55 2016/11/27


2016年11月21日 (月)反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本 – 2015・3・19 相川 俊英・・・ 第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/11/2015319-1-a8f5.html

2:08 2016/11/21


http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/04/post-e46e.html

11/21/2016


だれも知らない日本国の裏帳簿―国を滅ぼす利権財政の実態!  – 2002/1

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/11/post-2806.html

11:44 2016/11/21



「田中角栄を葬ったのは誰か」シンポジウム「田中角栄」(全編)視聴回数 6,765 回・2016/07/26 に公開■シンポジウム「田中角栄」■期日:平成28年7月26日(火)5時開場 5時30分開演・場所:憲政記念館講堂

主催:日本一新の会・(株)K&Kプレス・ゲストスピーカー小沢一郎(衆議院議員)石井 一(元自治大臣)「冤罪」(田中角栄とロッキード事件の真相)著者

大下英治(政治評論家)・パネラー佐高 信(評論家)早野 透(元朝日新聞記者)平野貞夫(元参議院議員)「田中角栄を葬ったのは誰か」著者植草一秀(経済学者)

https://youtu.be/-azD53mPWi8

6:19 2016/11/18


(公式)植草一秀氏(政治経済学者)「安倍政治の本質とブレイクスルーの方策」 チャンネル登録364 ・視聴回数 10,622 回・2016/06/03 に公開・第14回世界友愛フォーラム(主催:東アジア共同体研究所)に政治経済学者の植草一秀氏をお招きし、講演していただきました。

https://youtu.be/AYaIEPu5vTk

4:45 2016/11/18


反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本 – 2015・3・19 相川 俊英 (著) 内容紹介

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/04/post-e46e.html


http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/04/post-e46e.html

11/21/2016


まえがき

・アベノミクスでは地方創生はできない・1頁・

日本の政治は戦後一貫して、「国土の均衡ある発展」を金看板に掲げてきた。地域住民の生活向上を目指し、全国津々浦々でインフラ整備を進めてきたのである。

巨額の税金が投じられることになったが、そのおかげで生活基盤の地域差は少なくなり、日本どこに住んでいても一定の利便性を享受できるようになった。国指導で進められた公共事業の成果と言える。

しかし、ハード面での「国土の均衡ある発展」が進展すると同時に、東京など大都市部に富と人が集まるようになっていった。一方で地方からの人口流出が加速し、過疎地域が生まれ広がっていった。地方の衰退である。

国は税金を投入することで地方の疲弊を抑えようとした。ハード事業を中心とする手厚い支援である。地方の側も国の支援を望み、頼みとした。それは単に財政面だけではなく、政策面においてもだ。地域の実情を横に置いたまま、国が一方的に提示する政策をそのまま採用し続けていた。自分たちで創意工夫する努力を怠るようになっていったのである。


商品の説明をすべて表示する 単行本(ソフトカバー): 226ページ

出版社: 講談社 (2015/3/19)言語: 日本語発売日: 2015/3/19


目次


第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・


・行政、住民、政治の「じゃんけん」・16・

政治や行政への不満や不信が日本中を覆いつくすようになって、すでに久しい。

自分たちの思いを汲み取らずに動く政治や行政に怒り、嘆き、それどころか関心を失っていく人たちが後を絶たない。自分とは関係ないものだと政治や行政にそっぽを向いてしまうのだ。

だが、この世の中に政治や行政と無関係に生きられる人など存在しない。人間誰もが社会的な存在であるからだ。政治や行政の影響から逃れることはできない。それは、関心のあるなしとは別次元の話である。

そもそも我々住民にとって政治や行政とはいかなるもので、「行政、住民、政治」はどのような関係性にあるのだろうか。


この三者を「じゃんけん」に関係に置き換えて説明する人がいる。誰もが知っているグー(石)チョキ(ハサミ)、パー(紙)のじゃんけんである。

パーは政治家で、このパーに勝るチョキが住民だ。選挙によってパーの政治家をただの人に変えることができるからだ。チョキには勝てない政治家もグーの役人にはめっぽう強い。16・


17頁・16/11/19 11時25分・

だが、政治家にからっきし弱い役人も住民には強気だ。上から目線で住民を見下ろし、いんぎん-ぶれい慇懃無礼に接する役人がなんと多いことか。

こうした実態から住民と政治家、役人の抑制均衡関係をわかりやすく「じゃんけん」に例えているわけだ。それは、この三者を三つ巴の関係と捉えているからだ。

その三つ巴の関係が、現在、非常に歪んでしまっている。

・最大の原因はチョキ(住民)にある。ハサミが小さくなり、しかも、開きが悪く、切れ味が著しく低下してしまっている。チョキの機能が落ちるにつれ、パー(政治家)は弛緩してしまい、どんどん劣化していった。チョキに切られるという不安や恐れが薄れ、切磋琢磨する必要がなくなってしまったからだ。

・その結果、パー(政治家)はどんどん小粒化・劣悪化していき、実質的にグー(役人)の一人勝ちになっていった。これが政治(政治家)と行政(役人)、住民の三者による「じゃんけん」関係の歪んだ現状である。

だが、政治と行政、住民の関係を「じゃんけん」関係と捉えるのは、そもそも大きな間違いだ。本質的にはそういう関係ではなく、また、そうであってもならない。17頁・16/11/20 5時16分・


18頁・三者の関係を理解する上で最大のキーポイントとなるのが、「税金」だ。

税金とは何か。

「我々や我々の子や孫が生活をしていく中で、さまざまな社会的な課題を抱えることになる。そうした社会的な課題を解決するために、皆であらかじめ出し合う金」が、税金である。

その税金の集め方と使い方、さらには生活していく上での様々なルールを作るのが、政治だ。つまり、政治が、税金を使って解決すべき社会的課題か否かの判断を下すのである。

もちろんそれが税金を使うべき社会的な課題かどうかの判断基準は一定でなく、時代や社会状況、地域によって変わる。

・重要なのは、税金を支払っている人たちの合意や納得に基づく決定であるか否かである。

・税金が決定した税金の集め方、使い方に則って実務をとり行うのが、行政(役人)だ。つまり、本来は政治(政治家)が行政(役人)をコントロールしなければならない。

では、その政治の担い手は誰か。日本社会は主権在民となっている。つまり、われわれ一人ひとりの有権者が政治の担い手であり、税金の集め方と使い方、そして社会のルールづくりの主役なのだ。

ところが、残念ながら現実はそうなってはいない。先ほど説明したように、ゆがんだ形での「じゃんけん」関係が形成され、グー(役人)の一人勝ちとなっているのが実態である。18・


16/11/21 0時53分・


・自治体は「分譲マンション」・19頁・


本来の住民と政治(政治家)、行政(役人)の三者の姿を例えるならば、「じゃんけん」関係ではなく「分譲マンション型」関係というべきだろう。

分譲マンションの場合、区分所有権を持つ住民らが管理組合を組織する。そして、自分たちの中から役員を選び、管理組合のトップ(理事長)を選ぶ。

・管理組合はマンションの維持管理や保守、修繕などについて議論し、方針を決める。実務は管理組合ではなく、委託された管理組合が行う。この管理会社が、行政つまり役所に当たる。管理などにかかる経費の原資は区分所有者が支払う管理費で、これが税金に当たる。

・マンション管理組合の役員会に当たるのが議会で、理事長は国政ならば内閣総理大臣、地方自治体ならば首長ということになる。国政の場合、選挙で選ばれた管理組合の役員の中から総理大臣を選ぶが、地方自治体の場合は役員選挙とは別に、管理組合トップの選挙を行うことになっている。二元代表制である。

マンション管理組合の理事長の役割は、住民の代表として管理会社をマネージメントすることだ。管理や点検、修繕などの方針や予算などを取りまとめ、管理組合の役員会や総会に諮るのは建前となっている。19・


20頁・平成28年11月21日

実際のマンションの場合、そこに居住していない(区分所有していない)人が理事長になることはあり得ないが、地方自治体の首長は住民以外の人でも選挙に当選すればなれる。

・その点を除けば、マンションの管理組合と地方自治体の構造はきわめてよく似ている。

・ところが、実情を見ると、区分所有者の多くがマンション全体の管理に関心を払わず、役員会が機能していないケースが多い。理知場や役員のなり手がなかなか現れず、居住環境の維持や改善は自分たちの日常の問題にもかかわらず、総会に出席しない住民さえ少なくない。なかには管理費を滞納する居住者まで現れる。

こうなると管理組合は機能を充分に発揮できなくなり、理事長も単なるお飾りになってしまう。いつの間にか、委託先の管理会社の社員が実質的な理事長になってしまうのである。つまり、行政(役人)がすべてを取り仕切ることになる。

先ほど紹介した歪んだ「じゃんけん」関係でグー(役人)が一人勝ちになるというのは、こういうことを指している。

では、管理会社への丸投げが進むとどうなるか。居住者の要望や都合よりも管理会社の都合が優先されることになりがちだ。20・


21頁・例えば、マンションの駐輪場を広くしたいといった居住者の生活実感に根ざした要望よりも、事業費の大きくて業者にとって「うまみ」のある外壁の塗り替え工事などが優先されたりする。毎月の管理費が高くなり、その割には、本来居住者が望んでいるような住環境の維持や改善が一向に進まぬ事態となるのである。

ではなぜ、管理会社への丸投げが行われてしまうのか。

マンション居住者には「管理することはめんどくさい」「暇はない」「余裕はない」「カネは払っているのだから、誰かに任せたい」という思いがある。

自治体における「お任せ民主主義」というのが、まさしくこれである。21・


平成28年11月21日・ここまで・

第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし・


・ジリキノミクスへの取り組み・98頁・


村を蘇らせた「働く公務員」~“「崖っぷち型」ジリキノミクス”福島県泉崎村・100頁・平成28年11月18日

「短くても半年、それも2人ずつ何とか受け入れて頂けないでしょうか?」

「職員を減らしているので増えるのは困ります。無理です」

「そこを何とかお願いします。・東北の下條村・を目指したいのです。受け入れて頂けるまで何日も寝泊まりする覚悟で参りました」


2,010年2月のある日のことだった。2人の男性が応接間で向かい合い、こんなやりとりを続けていた。長野県下條村の村役場の応接室だった。

懇願されて困り果てた表情を見せるのは、下條村の伊藤喜平村長。

・一方、要求が受け入れられるまでテコでも動かないと悲壮感を漂わせていたのが、福島県泉崎村の久保木正大村長だ。前年11月に就任したばかりの新人村長だった。直線距離で数百キロメートルも離れた福島から、不退転の決意で訪ねてきたのである。

それは、泉崎村の職員を下条村役場で長期研修させたいという異例の申し入れだった。

市町村職員が県や国、研究機関などに研修目的で出向する事例はよくあることだが、村の職員が他県の村で長期研修をするというのは聞いたことがない。短期日程での視察で済ますのが、通例でもあるからだ。100・

101頁・実は、泉崎村の久保木村長は、自らが村議会運営委員だった時に下條村を視察し、様々な取り組みの説明を下條村の担当者から受けて、深く感銘した体験を持っていた。


・人口4,000人ほどの小さな山村に過ぎない下條村は、行政関係者の間から「奇跡の村」と呼ばれていた。財政改革を徹底し、全国のトップクラスの健全財政を運営していたからだ。


下條村の「財政力指数」(必要経費を税収で賄える割合)はわずか「0・221」と低いが、実質公債比率(一般財源に占める借金返済額の割合)はマイナス五・四%出、なんと全国ベスト3位。実質公債比率がマイナスを記録しているのは、交付財措置付きの借金を繰り上げ償還していることによる。


経常収支比率(一般財源に占める義務的経費の割合)は65・1%と6年連続で6割台を維持。また、村の実質的な借金残高が約一億一四〇〇万円に対し、基金残高は約六〇億円にも上っていた。一般会計の歳出額が約二四億二〇〇〇万円ほどなので、その2年半分に相当する(いずれも2,013年度決算)。101・

102頁・16/11/18 7時41分・ 


・「奇跡の村」の役場改角に学ぶ・102頁・

無駄をトコトン省き、仕事の効率化を追求し続けた下條村の伊藤村長の手腕は、確かに注目に値する。

・伊藤村長は1,992年の村長就任直後から、役場職員の意識改革に乗り出した。当時としては常識外れとも言える職員の民間企業への研修など、役場改革を断行した。ピーク時に五九人いた職員を37人にまで減らし、「少数精鋭」に変えた。「お役所仕事」を一掃し、職員を働くプロ集団に育て上げたのである。

コウした役場の奮闘ぶりに、住民たちも呼応した。村が提案した建設資材支給事業を受け入れ、小規模の道路や農道、水路の施工を住民自らが行うようになったのだ。

また、下條村は下水道を合併浄化槽に一本化する決断を下していた。国から手厚い補助が出る公共下水や農業集落排水事業よりも、トータルコストが少なくて済むと判断したからだ。実際、その通りの結果となった。

・下條村は一連の財政改革によって捻出した財源を、少子化対策などに充てた。子育て世代専用の村営住宅の建設や子供の医療費無料かなどである。こうして山間部に広がる小さな下條村が、全国有数の高い出生率を誇る自治体となったのである。102・


103頁・応接室でのやりとりがしばらく続いた。何度も頭を下げる泉崎村の久保木村長に根負けし、下條村の伊藤村長がとうとう「1人ずつなら・・・」と受け入れを承諾した。

こうして2,010年4月から、福島県の小さな村から長野県のより小さな村への職員派遣が実施されることになった。研修は1名ずつ、半年間ごととなった。

それにしてもなぜ、泉崎村の久保木村長はこれほどまでにこだわったのか。村の悲惨な財政状況がその背景にあった。

先述の通り、北海道夕張市が2,007年3月、国の管理下で再建を進める「財政再建団体」となった。環境事業に失敗し、巨額の負債を抱えていたことが表面化したのである。夕張市の突然の財政破綻に住民のみならず全国民が驚愕し、日本中に夕張ショックが広がった。自治体財政の危うい実態に関心が集まるようになり、誰もが「我が町の財政は大丈夫か」と不安を抱くようになった。

実は、日本中が夕張ショックに見舞われる数年前に、別の自治体がすでに財政破綻していた。夕張市のような全国的な知名度を持つ自治体ではなく、どこにでもあるような地味な小規模自治体であったため、大きな話題になることはなかった。その破綻自治体というのが、他でもない福島県泉崎村だった。103・


104頁・16/11/18 8時14分・

・イケイケ路線でがけっぷちに・104頁・平成28年11月18日・

福島県泉崎村は白河市に隣接する小さな農村で、人口約6,600人。福島県南部の一寒村に過ぎなかったが、東北新幹線の開業で村を取り巻く環境は大きく変貌した。

・1,982年に新白河駅が開設され、新幹線新駅に隣接する泉崎村はバラ色の夢を描くようになった。1,991年には東北新幹線の東京乗り入れが実現市、村は沸きに沸いた。「我が村が東京への通勤圏になった」と喜んだのである。

・実際、泉崎村が1,984年から造成をはじめた住宅用分譲地(430区画)は完売し、その後も村役場に問い合わせの電話が殺到した。当時の村長は豪腕で知られた人物だった。「日本一豊かな村に」を公約に掲げ、イケイケの拡大路線を貫いた。新たな住宅用分譲地や工業団地の造成、さらには大規模公園墓地の造成まで目いっぱい手を広げた。

・しかしその時すでにバブル経済は崩壊していた。泉崎村のイケイケ路線は完全に裏目に出てしまったのである。進出予定企業が相次いで注視を宣言し、新たな住宅用分譲地も売れたのは180区画のうちわずか12区画だった。


土地の販売代金で造成工事費などを支払うという計画が完全に破綻し、村早く六八億円もの負債を抱えてしまった。104・


105頁・これは当時の村の標準財政規模(約二四億六七〇〇万円)の約二・8倍に当たる途方もない額で、泉崎村はにっちもさっちもいかない状況となった。

・この事実が明らかになる前に豪腕村長が突然辞任し、村は大騒ぎとなった。


2,000年2月に村長選挙が実施された。結果は前村長の後援会青年部長だった小林日出夫氏の当選となった。対立候補とわずか46票差という大激戦だった。

村内で建築業を営む小林氏は、行政経験はもちろん議員経験もゼロ。泉崎村の財政破綻の詳細について、知るよしもなかった。後援会幹部として後継候補の擁立に奔走したが、財政破綻の事実を知る役場幹部は逃げ回り、自らが出馬せざるを得なくなったのである。105・

平成28年11月18日ここまで


・国に頼らぬ自主再建の道・105頁・


小林新村長は村の財政状況の説明を聞き、初めて耳にした財政破綻の事実に言葉を失った。

・しかし新村長は、直ちにその事実を村民に公表した。地区ごとに住民説明会を開催し、村の窮状を村民に知らせて協力を求めたのである。


・そして、議会で議論を重ねた末に、国の管理下に入る財政再建団体ではなく、村債の発行が出来なくなる自主再建の道をあえて選ぶことにした。


・夕張市のように財政再建団体になれば、行政サービスは否応なく最低水準に落ちる。そうなれば工業用地や住宅用地も売れなくなり、村民の負担が増えることになる。105・


106頁・苦しくとも自主再建の道を選び、粘り強く土地を売っていくほうが良策だと判断したのである。

・小林村長は福島県に日参し、県の財政支援を取り付けた。県から低利の融資を受け、負債の大部分を占めた農協からの高利の貸し付けの返済に充てたのである。

村は2,000年度に「自主的財政再建計画」を策定し、人件費や各種補助金のカットと言った歳出削減に乗り出した。借金が出来ないので単独事業は原則として行わず、ちょっとした道路の補修などは役場職員が対応することにした。

・また、分譲地の販売促進による歳入確保にも全力をあげた。住宅用分譲地の販売価格を下げ、すでに買った人にはその差額を返金した。また、村の分譲地を購入して住宅を新築した人を対象とした「ゆったり通勤奨励金」を新設した。村内の対象となる分譲地から村外に電車通勤する場合、三〇〇万円を限度に補助金を交付する大胆な策だった。

・泉崎村は、宣伝活動にも必死に取り組んだ。小林村長を先頭に、議員や職員、住民が東京の銀座で分譲地の宣伝ビラを配って歩いた。大型バスで村を案内する「現地無料招待会」などを開き、村民自らがソバを打って参加者をもてなしたりもした。

・アイデアマンだった小林村長は、2,007年に泉崎村から約200キロメートル離れた東京・銀座まで歩く「財政再建行脚」を行った。分譲地のPRを狙ってのことだ。106・


107頁・16/11/18 9時9分・翌2,008年も2回目を実施し、12月27日に泉崎村の自宅を出発して大晦日にゴールの銀座にたどり着いた。

・こうした村を挙げての販売活動が評判を呼び、分譲地が売れ出した。負債の山は少しずつ小さくなっていった。

ところが、泉崎村は思いもしなかった悲劇に見舞われる。2,009年9月、必死に財政再建に取り組んでいた小林村長が急死したのである。

107・平成28年11月18日・


「少数精鋭」役場の仕事ぶり・107・

・リーダーを突然、失うことになった村は再び大騒ぎとなった。急遽、村長選が行われることになり、2,009年11月に久保木正大氏が新村長に就任した。

先に紹介したやり取りは、そのわずか3ヶ月後のことだった。

「以前から役場のスリム化が急務と考えていましたが、職員数を削る話ですので、どうしても職員に抵抗感があります。下條村は考えられないような数の職員で、実際に仕事をしっかりこなしています。どうやって仕事をこなしているのか、生で実態を見せて貰い、うちの職員に学ばせた地と考えていました」

・こう語る泉崎村の久保木村長は、素早い行動力と粘りを発揮し、下條村から受け入れ承諾を引き出したのである。107・


108頁・久保木村長は、派遣する職員を40代の課長補佐クラスから自ら選び出し、業務命令で半年間ずつ送り込んだ。その第1号となる職員が下条村役場に単身でやってきたのは、2,010年4月だった。

・最初はものすごく緊張しました。役場の廊下を歩いている時も体がふわふわしている感じがしました」

こう振り返るのは、この研修職員第1号となった泉崎村の星雅之さんだ。少ない人数で仕事をしっかりこなす下条村役場の組織体制や配置、使途との仕方などに着目した。


・職員一人ひとりが実によく働き、一人二役や三役をしていること。仕事をする上での横のつながりが強く、職員が各課をまたいで働いていることなど、星さんにとって驚きの連続だった。

また、下條村は4つの課(泉崎村は当時11課)しかなく、業務の割り振りと配置も独特だった。星さんは、それが住民サイドに立って作り上げられたものだと実感した。

星さんはいろいろな地域活動にも参加させて貰った。そこで目にしたのは地域のまとまりや結びつきの強さだった。

・そして、飲み会の席で地元の人が漏らしたこんな言葉に、強い衝撃を受けたという。

「俺たちは自分たちが副村長になったつもりで村をよくしようとしているんだ」108・


109頁・16/11/18 15時5分・


険しいゴール・109頁・

下條村研修の半年はあっという間に過ぎた。泉崎村に戻った星さんは、全職員お前で研修方向を行い、後任者にバトンタッチした。

泉崎村職員の下條村研修は、2,014年9月末まで続いた。半年間の研修を体験した職員は9人に上った。

・泉崎村は2,013年10月25日、土地造成事業の失敗で抱えた巨額な負債の完済を果たすことが出来た。13年間に及ぶ自主再建の険しい道のゴールに、やっとの事でたどり着いたのである。

・久保木村長は、「ようやく他所並みになりました。過去のつまずきを反省材料にして、健全財政を貫いてきたい」と語る。

歳出削減を続けてきた泉崎村は職員採用を抑え、新規採油は13年間でわずか3人。久保木村長の就任時(2,009年)に91人いた職員が、現在(2,014年)は70人に減少している。村は少数精鋭路線を確立させるため、2,014年4月に役場組織の大改革に踏み切った。一一あったかを下條村と同じように4課に再編し、係長を亡くしてグループ長に変えたのである。

職員が自分の仕事だけをするのではなく、職員全体で仕事に取り組み組織にしようというものだ。109・


110頁・役場全体を下條村のような「働く公務員集団」に磨き上げようという、不退転の決意の表れである。

絶体絶命の危機に直面した場合、事態を打開するには必死に努力するしかない。歯を食いしばってひたすら頑張るのみである。そんな苦境の時ほどリーダーの良し悪しが鍵となる。

・陣頭に立ち、熱意をほとばしらせて取り組む人物を選び抜くことが重要だ。泉崎村は小林さんと久保木さんという2人のリーダーを選び、住民と職員が一丸となって行財政改革の努力を愚直までに重ねた。

・逃げずに真摯に進めてきたことが、負の遺産との決別に繋がったと言える。

問題は、状況が好転してからもその姿勢を貫けるかどうかではないか。


福島県泉崎村

・「財政自律度」ベスト438位・

・「住民1人当たりの借金残高」ワースト650位・

・「税の納付率」ワースト172位・

・「自治体選挙における投票率」・

村長選挙68・09%(2,013年10月13日)ベスト447位・

村会議員選挙79・43%(2,011年9月18日)ベスト323位・

・「豊かさ度(財政力指数)」ベスト614位・111頁・


平成28年11月18日 金曜日


地方の光となった図書館~「退路断ち切りがた」ジリキノミクス」福島県矢祭町・111頁・

全国でいち早く「合併しない宣言」112頁・

世にも珍しい住民手作り図書館・113頁・

冷ややかだった専門家も認めた・117頁・

「子供司書制度」で心の教育・118頁・

・自治体が抱える時限爆弾~「伝統・風土型」ジリキノミクス」神奈川県秦野市・120・

・ハコモノメタボを筋肉質に改善・123頁・

・地域資源を生かし切る~「先人の教え尊守型」ジリキスト」島根県雲南市・125頁・

・地域を育てていく使命・127頁・

・自力で開発するオリジナル商品・129頁・

・「クラゲで世界一」~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト」山形県鶴岡市・131頁・

反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本(ソフトカバー)  – 2015/3/19

 

相川 俊英 (著) 内容紹介

 

アベノミクスの「地方創生」は画に描いた餅!

このままでは国土は強靭化どころか弱体化し、多くの市町村が破綻・消滅する!

出生率の低下、東京一極集中で、2040年には市町村が半減すると言われている。

これは地方自治体の多くが、中央官庁お仕着せの政策とばらまかれる補助金、すなわち「タリキ(他力)」に頼ってきたツケに他ならない。一方で、国に頼らず独自のアイディアと取り組み(「ジリキ(自力)」)で自治体の再生・活性化を成功させた「奇跡の市や村や町」がある。

過疎化から人口増に逆転させた村、シャッター商店街をよみがえらせた町……。

彼らはいかにして自分たちを守り、未来を切り開いたのか。その奇策とは!?

ローカルアベノミクスのまやかしに警鐘を鳴らす地方自治取材のスペシャリストが、地方再生の特効薬「ジリキ(自力)ノミクス」を提唱する!

「自律度」「豊かさ度」「税納付率」「投票率」ほか独自集計の市町村ランキングも多数掲載。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

お仕着せの政策とばらまかれる補助金では地方創生などできない!わが道を行く「ジリキ(自力)ノミクス」でよみがえった自治体、それぞれの奇策とは!?

 

 

商品の説明をすべて表示する 単行本(ソフトカバー): 226ページ

出版社: 講談社 (2015/3/19)言語: 日本語発売日: 2015/3/19

目次

第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・

(行政、住民、政治の「じゃんけん」・16・

・自治体は「分譲マンション」・19頁・

・タリキノミクスとジリキノミクス・21頁・

グーの上にカスミとベイ・24頁・

客(住民)を客とも思わぬ体質・27頁・

「水は足りている」のに作るダム~「公共事業の迷走」宮崎県川南町・29頁・

改修の要望がいつの間にか新設に・30頁・

「新たな水はいらない」農家ばかり・32頁・

「ジリキノミクス」5つのメリット・34頁・

第2章 納税者が知るべき「自律度」ランキング

・独自に全市町村をランキング・38頁・

「財政自律度」ランキング・39頁・

「住民1人当たりの借金残高」ランキング・42頁・

「税の納付率」ランキング・43・

「自治体選挙における投票率」ランキング・45・

第3章 後悔先に立たず「タリキノミクス」の落とし穴

「豊かな自治体」の顔ぶれ~「財政力指数」ランキング・64頁・

カネが溢れていても人が増えない~“「財政力指数」ベストワン”愛知県飛鳥村・67頁・

財政難から富裕村へと大変貌・69頁・

カネがあっても人を呼び込めない・70頁・

「タリキノミクス」自治体の4分類・73頁・

富裕自治体からの転落~「あぐら型」タリキノミクス」神奈川県南足柄市・75頁・

企業からの税収頼みの危なさ・78頁・

「橋本ポピュリズム論」の誤解「放蕩型」タリキノミクス」大阪市・81頁・

大阪市民の厚遇とハコモノ充実度・82頁・

教育環境の劣悪化で学力・体力低迷・84頁・

とどまった既得権の洗い流し・86頁・

コンパクト化が再生の鍵~「過保護感覚マヒ型」「タリキノミクス」北海道夕張市・88頁・

ハコモノづくりの打ち出の小槌・91・

第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし・

・ジリキノミクスへの取り組み・98頁・

村を蘇らせた「働く公務員」~“「崖っぷち型」ジリキノミクス”福島県泉崎村・100頁・

・「奇跡の村」の役場改角に学ぶ・102頁・

・イケイケ路線でがけっぷちに・104頁・

国に頼らぬ自主再建の道・105頁・

「少数精鋭」役場の仕事ぶり・107・

険しいゴール・109頁・

地方の光となった図書館~「退路断ち切りがた」ジリキノミクス」福島県矢祭町・111頁・

全国でいち早く「合併しない宣言」112頁・

世にも珍しい住民手作り図書館・113頁・

冷ややかだった専門家も認めた・117頁・

「子供司書制度」で心の教育・118頁・

・自治体が抱える時限爆弾~「伝統・風土型」ジリキノミクス」神奈川県秦野市・120・

・ハコモノメタボを筋肉質に改善・123頁・

・地域資源を生かし切る~「先人の教え尊守型」ジリキスト」島根県雲南市・125頁・

・地域を育てていく使命・127頁・

・自力で開発するオリジナル商品・129頁・

・「クラゲで世界一」~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト」山形県鶴岡市・131頁・

・不名誉な称号「落ちこぼれ水族館」133頁・

・オセロゲームのような大逆転劇・134頁・

・住民主導バス路線開設~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト千葉県印西市・137頁・

・利用者本位のバス事業・139頁・

・シャッター商店町の起死回生策~「試行錯誤型」ジリキスト・愛知県岡崎市・142頁・

・豊富な専門知識とおもてなしの心・144頁・

・「三方よし」の発想・146頁・

芸術家やIT企業家が続々移住~「人材集約型」ジリキスト」徳島県神山町・149頁・

・日本の田舎をステキに変える!・150頁・

・ユニークな移住支援活動・153頁・

第5章 「ローカル・アベノミクス」に騙されるな

・これまでの公共事業とこれからの公共事業・158頁・

・なぜ「タリキノミクス型」が多いのか・160頁・


・加速する土建政治の十倍返し・162頁・

「忘れられたダム事業」の復活~「タリキノミクス型公共事業」熊本県・164・

・亡霊「立野ダム事業」・166頁・

・二の次にされた白河河川改修・168頁・

・身の丈事業と驚くべき村民力~「ジリキノミクス型公共事業」長野県下条村・170頁・

・住民が村道や水路を整備・補修・171頁・

・下水道ではなく合併浄化槽を選択・172頁・

・国策による負の連鎖「土砂災害」・175・

・スギ・ヒノキの人工林が山を壊した・176頁・

・ダムは森林再生にはつながらない・179頁・

・力技だけでは土砂災害に勝てない~「森林再生」ジリキスト」神奈川県相模原市・180頁・


第6章 地方創生の特効薬とは何か・

・地域活性策の「失敗の歴史」・186頁・

・地域活性化予算を虚しく消化・188・

・スローガンで終わる地域活性・189頁・

・大合併でばらまいた毒まんじゅう・191頁・

・地方創生の見本「四万十ドラマ」~「清流と森」ジリキスト」高知県四万十町・192頁・

・ローカル・ローテク・ローインパクト・194頁・

・国策に従わずに守り続けた広葉樹林・196頁・

・循環経済で「地元の創り直し」・198頁・

・疲弊地方の再生拠点「郷の駅」・200頁・

・カネ・ヒト・モノの連結決算・201・

・真の地方創生を示した若き実業家・~「地元創り直し」ジリキスト」徳島県美波町・203頁・

・「半X半IT」で業績拡大・204頁・

・「ソトとナカ」の交流・206頁・

「ジリキノミクス」の3本の矢・208頁・

・あとがき・・「地域主権」と「住民自治」への道・213頁・

平成27年4月2日

8:14 2015/04/02・反骨の市町村・

大勝老人クラブ全体の人数、と大勝全図・2023龍郷町新首長に聞く・・・犬と鬼-知られざる日本の肖像・アレックス・カー 怒りと悲しみを込めて現代日本の病理を暴く。破壊される自然環境、ちぐはぐな都市建築、日本の魂を崩壊させる官僚政治。慢性的に進行する日本の「文化の病」を、丹念に掘り起こし亡国予算―闇に消えた「特別会計」官僚のポケットマネーと化した、特別会計にメスを! 2009・4・28 ・北沢 栄著・・・・・・ だれも知らない日本国の裏帳簿―国を滅ぼす利権財政の実態! 石井 紘基 (著)そのほかいろいろ・



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竹田龍郷町長・龍郷町全員参加の条例・必要性!!税金の使いかた・一銭の無駄なく使う・将来ある子供の教育に使う・先行投資です!

町長が自ら先頭に立って行政を行う!現場を飛んでみて指示をする?下条村を習い・職員を3分の1にする?

竹田町長自ら率先垂範・人に先立って、模範を示すこと。

待ったなし。・大勝の未整理地の土地・半田川土手の整理し、龍郷町に民に竹田町長自ら大勝の吉田健二さん相続人を説得して、この農地を使い、まだ奄美にない道の駅などを考えたらと思います。

指導・目的に向かって教える導くこと。
役人・職員は竹田町長自ら指導してやって見せる?
職員も啓発・知識を開き起こし理解を深めること「彼の著書に大いにーされた。「自己―」現場・物事が現在行われている、または実際に行われた、その場所。
全員参加で働こう・・ゼロ歳から100までが・知恵を出し参加する?

はてなの政策です
ハガキ52円×6,000枚・有効に使えば子供の育成に使えたと思う。31万2千円・
私はこう考える・龍郷町の宣伝になるので各家庭で10枚以上を購入して、とお願いすれば、龍郷町民は理解できます、奄美大島のPRを皆様してくださいと言えば!

鹿児島県大島郡龍郷町大勝3113-1

瀧田 好治
平成29年12月11日



竹田龍郷町長殿

龍郷町全員参加の条例・

合理的な龍郷町まちづくりを全員参加で・

龍郷町民は話し合いで問題を解決できる・

龍郷町長は大切な人・町民を繋げる人・6,000人との対話を?

龍郷町民と龍郷町長と365日語りまちづくりを建設する精神・

老若男女が参加できる龍郷町?

何処で?語り合う龍郷町役場で第一日曜日・

町民ならだれでも参加して意見が言える・仕組み町長が議長を務める・

特に集落単位で・自立したまちづくりを考えて豊かな龍郷町にします・


鹿児島県大島郡龍郷町大勝3113-1
瀧田 好治
平成29年12月6日 水曜日


新首長に聞く・知名町長に当選した・今井力夫氏・南海日日新聞・
3日執行された知名町長選挙で今井力夫氏が三つ巴戦を制して当選した。4日、当選証書を受け取った今井氏に新町長としての抱負などを聞いた。
・勝因は何か・「7ヶ月間、町内隅々までしっかりと語る場を持てたことが一番大きいかなと思う」・
・2278票という得票をどう受け止めた。「2200~2300は取りたいと思いはあった。訴えに賛同してくれた人を呼んでくれるという、人と人とのつながりが結び付いたと思う」
・「町政一新」を望む声を強く感じたか。「遊説していても町民の方から、町を変えてほしいと。その変えるには二通りあったようだ。ひとつは経済の活性化。もう一つは「私たちを向いてよ、私たちのために働いてよ」という事を感じた」・激戦だった。しこりは残らないか。「私の一挙一動にあると思っている。3人の立候補者があり、それぞれの支持者がそれぞれの思いを持っていたと思う。別の候補者に投票した皆さんに精一杯私の考えを理解してもらえるように考えを伝えたい。言葉じゃなく形として行動に表してこそ納得していただけると思っている。選挙が終わればノーサイド。この街をどう良くしていくかという視点で対応していきたい」
・市町長、まずは何を。「公約に挙げたものを取り組んでいかなければならない。そのための組織をしっかり作り上げなければならないと思っている」
・副町長など人事は。「方向性が違うと思えば彼らは彼らの判断をするでしょうが、いったん議会で決まったことを私が反故にすることはできない。それが民主主義。三役に限らず役場全体の組織をしっかりしていく必要がある思う。行政については評価制度を導入し、その評価に基づいた取り組みを模索してきたい。役場職員には素晴らしい人材が多々いる。その能力を引き出していきたい。リーダーとして指示指導するだけでなく率先垂範してやって見せることも大事だと思っている。町民の負託に応えられるような組織にしていきたい」
・懸案の新庁舎建設はどうする。「造るとなると町財政に大きな負担が掛かる。この庁舎が使えないのか、細かいデータを見てからの判断になるかと思う」
・目指すリーダー像は。「リーダーはまず先を見なきゃいけない。世の中がどう流れていくかギャッチしておかなきゃいけない。アンテナを張ってないとみられない。二つ目はスタッフの能力を最大限引き出していくという事かな。そして経済をどう立て直していくか。町の基幹産業は農業だが、これはこれ、これはこれとセパレートされていた感じがする。農業、地場産業、観光をセットにした経済活性化に取り組んでいきたい。特に観光は、永良部ではまだ手が付けられていなかった部分。
これが大きくなってくると雇用は広がってくる。トップセールスに力を入れる。日本全国で人口減少、人口減少と言っているけど、トップは軽々しく言っちゃいけないと思う。自分の取り組みが不足しているという自負の念やまだまだ手を打っていかなければという思いを持つべきだ」・自己分析を。
「よく言えば行動力がある。悪く言えばせっかち」聞き手佐藤雅哉・
インタビュー後記・奄美の首長としては新種だろう。質問を振れば立て板に水の答え。数多くの引き出しを持ち、冗談も挟みながら多様な切口で返す。既定のスペースに収めるため、どこをどう削ろうか苦労した。「自分は中継ぎピッチャー。マウンドに立った瞬間からバッターを抑えなきゃならない」とも。自己分析にもあるように行動は。初経験の町政というマウンドに立つが序盤から飛ばしそうな雰囲気だ。
平成29年12月5日


地域 ›  地域を元気に 高知の廃校利用サテライトオフィスが成功した理由
持続性のカギは移住者の割り切りと、受け入れ側の意識改革
2017.9.20(水) 中村 祐介
相川コミュニティセンター
 高知空港から山間部に向かって車で1時間程度走るとたどり着く、高知県土佐郡土佐町。早明浦ダムを見ながら、「道の駅土佐さめうら」を超えた先に、目的地の小学校はあった。そこはいま小学校とは異なる使われ方をしているという。
バブル時に作られたというこの学校施設は広く、高い天井が印象的だ。外からの印象は寂れた廃校だったが、中に入ると白い壁やしっかりと磨かれ光っている木の床が美しい。現在は「相川コミュニティセンター」として地域の集い場としてだけでなく、光インターネット回線を完備させた「シェアオフィス相川」として活用されている。
管理をしているのは、れいほくNPO。もともとは1階のみが地域とのコミュニティーエリアとして利用されていたというが、今では1階だけでなく2階、3階部分も会議室やオフィススペースへと生まれ変わっていた。ちなみに「れいほく」とは、嶺北地域のことで、四国の大河である吉野川の源流域で、四国の水瓶と称される早明浦ダムのある中山間地域を指す。

相川コミュニティセンターへ入る。中はとってもきれい
れいほくNPOで事務局長を務める高橋誠さんは、もともとこの町の生まれ。だが、進学、就職と東京に出ていたため、自分も移住者に近い存在と笑う。
今回はこのNPOの取り組みについて、高橋さんと、オフィスを構えるサンファースト株式会社の伊藤俊介さんに話を伺った。
あの神山町ではなくゼロから携われる嶺北エリアへ
嶺北エリアに移住して3年目という伊藤さんは静岡県出身。高知県とはなんの縁もないが、小さいころから山が好きで現在は念願の田舎生活を満喫している。
「東京にいるころは、月に3日は登山をしていました。小さいころから山が好きで今日も朝7時半から地域の人と農作業を手伝ってきたんですよ」
東京で働いている間も、山好きは変わらなかった。しかし、仕事のキャリアをつくるには東京がいい。そこで出会った仲間がシンガポールで起業。これも縁だと、自身もシンガポールへ行き、ITエンジニアとして働いていたという。そしてシンガポールで、IT企業であるサンファーストの社長、畠山陽一氏に出会う。同社は現在、本社を横浜市のみなとみらいに置いている。
「一緒にシンガポールで食事をしていたとき、彼が興味があると持っていた高知県のシェアオフィスのパンフレットを見せてもらったのがきっかけでした。サテライトオフィスを考えていて、高知に行ける人を探していると。僕自身、そろそろ田舎に行きたいと思っていたので、その場でぜひと話をしました」

ITエンジニアとしてサンファーストのサテライトフィスで働く伊藤俊介さん
伊藤さんは、多くのIT企業がシェアオフィスやサテライトオフィスを構える場所として有名な徳島県・神山町のことを知っていた。だからお隣の高知県への移住もイメージしやすかったのだという。
「神山にはすでにIT企業が多く、今さら行ってもどうかなと思っていました。せっかくやるならゼロから携わりたいと、高知県により魅力を感じたんです。また、嶺北(れいほく)エリアから高知市内まで車で40分。神戸までも3時間なんですよ。冬は寒いけれど夏は涼しく、秋は山がきれい。それでいて移動も便利なので理想的な環境ですね」
伊藤さんの仕事はアプリの制作。そのため作業はネット環境が整っていればどこでも可能だ。
「ここの回線は1ギガで、利用している人が少ないからか、東京と比べても圧倒的に速度が速く、ストレスを感じることはありません。ちなみにさらに山奥になる自分の住んでいる村も、携帯の電波は届きませんが、村がWi-Fiを飛ばしています。横浜の本社とのやり取りは基本的には電話やチャット。お客さんや仕事相手と直接顔を会わせるのではなく、本社とのやり取りがメインなので問題を感じることはありませんね」
普段は、午前10時から10時半に出社し、午後20時から23時の間に帰宅する。車での移動なので仕事が終わってから飲みにいくことはないが、ランチタイムにお弁当を食べながら棚田を見るのが楽しいという。お手本のような田舎暮らしだ。

伊藤さんが普段働いているスペース。基本は1人なので、スカスカだ
「田舎で暮らすためにITの仕事をしている」
伊藤さんは仕事のために移住したのではなく、田舎暮らしを楽しむために移住し、ここで生業としてITの仕事を選んでいる。
「実は働くことへのモチベーションというよりも、ここに住むために働いているという気持ちの方が強いんです。ITの仕事は生業のためと割り切るのもいいんじゃないかと思っています」
本当は林業などに興味があり、そちらの仕事もやっていきたいと考えている。そこで現在、実際に空いた時間に林業をしているという。
林業の仕事では1日働いておよそ8000円稼ぐことができるそうだ。だが、本業のITの仕事の収益性にはほど遠い。
「朝から体動かして、やっと8000円。だから林業なんてやらなくなるよね」
伊藤さんにそう語りかけるのは高橋さんだ。「ITのほうが間違いなく稼げるだろう」と続けると、伊藤さんも苦笑しながら同意する。それでも伊藤さんは、週3日ITの仕事をして週2日林業、という風に徐々にITの仕事を減らしていきたいのだという。
「山が大好きなので山が汚いのが許せないんです。害獣があふれるのも、山が汚れているからです。実際に身体を使うので大変ですが、林業をしている最中は自分でも生き生きしていると思います」

れいほくNPO事務局長の高橋誠さん
受け入れる側の意識改革が必要
「高知だから住んでいるというわけではなく、居心地がいいからこの町にいます。この町は外からの人を受け入れやすいのかもしれません」
そう言う伊藤さんに高橋さんもうなずく。
「このあたりは、むかし、早明浦のダム事業などで外から人が入ってくる時代がありました。その後も、それぞれの町へ帰らずにそのまま住んでいる人が多い。ここはもともと移住者の町なのかもしれませんね」と高橋さん。
早明浦ダムは1963年に着工され、1975年およそ40年前に竣工したダムだ。高さ106メートルで、四国地方最大のダムである。このダム事業で、多くの人々が集まってきたという。嶺北エリアには、もともと移住者を受け入れやすい町の気質があったのかもしれない。
だが、それでも高橋さんが指摘するのは行政の受け入れ態勢だ。
「自分もこの町に住んでいたのは小学6年生までなので、移住者に近い。その経験から受け入れ側の重要性に気がついています。シェアオフィスやサテライトオフィスをつくって移住者を受け入れるといっても、箱だけ用意すればいい、時々役場の人間が様子を見に来ればいい、という考え方ではやはりだめですね。同じ空間で時間を過ごすことが大切です。そうすることで問題点も分かるし、移住者の人たちとコミュニケーションも取れる。
 自分の役割は、移住者の人たちと地域の人たちをさらにつなぐことだと思っています。伊藤さんも参加してくれていますが、私は地域の剣道の指導をしていて、大会にも出ています。そういう風に地域の人と交流することも私の仕事です」
田舎に憧れを持ち移住してきた伊藤さんは、生業のためにと割り切って生活費を稼ぎ、日々の暮らしを楽しんでいる。それも移住者の心構えとしては必要な点だろう。だが、それだけでなく、高橋さんのように、移住者に寄り添い、地域の人ともつながる役割を持つ人がいることで初めて移住プログラムがうまくいくのだ。

2人は剣道の師弟関係でもあるという。
世界が注目、「移住者を選ぶ」過疎の町 (2017.9.4)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51035?pd=all
5:52 2017/12/05


古賀茂明氏講演・改革はするが戦争はしない・主催秘密法語法違憲訴訟原告団・
引用「改革はするが、戦争はしない」――元経産官僚・古賀茂明氏が語る新基盤「フォーラム4」~三重県松阪市長・山中光茂氏と対談、安倍政権の外交安全保障政策を糾弾 2015.3.29
記事公開日:2015.4.6取材地:三重県 テキスト動画
「安倍さんは、人質殺害のリスクより、(自分にとっての)もっと大きなリスクがあると考えたのではないか。米国も英国も人質事件を知っていた。それにもかかわらず、安倍さんは『テロに屈せず』中東に行き、同盟国の支援まで約束した。『あいつは使えるヤツだ』と英米豪仏に褒められて、安倍さんにとっては、今回の中東訪問は『大成功』でしょう」──。
 「イスラム国」による邦人人質事件の際に、報道番組の中で「I am not Abe」と発言した古賀茂明氏は、このように述べて、外務官僚は安倍総理の中東訪問の前に、邦人が拘束されている情報を伝えていたはずだ、との見解を語った。
2015年3月29日、三重県松阪市の農業屋コミュニティ文化センターで、ピースウイング代表で松阪市長の山中光茂氏と、元経産省官僚の古賀茂明氏の対談が開催された。はじめに山中氏、続いて古賀氏が講演をしたのち、2人の対談が行われた。
山中氏は、「日本の70年間の平和は、安保条約ではなく、かつて侵略国家になった大きな反省と悔しさがあったから成し遂げられた。日本は平和主義を徹底する憲法9条を、国民の意思で守ってきたことに、もっと誇りを持つべきだ」と主張し、このように続けた。
「武力を通じて平和が作れる、という理想論はあり得ない。国際紛争を解決する手段として、永久に武力を放棄するという、交戦権を否認する憲法の理念を、たかが内閣の閣議決定で覆すような国家の方向性には、市民運動で『NO』を突きつけなければいけない」
【三重】「次回選挙で叩き落とせ!」小林節氏、9条の不備を懸念しつつも、安倍政権の「憲法破壊」を非難 ~山中市長との対談で 2014.9.11
【集団的自衛権行使容認】「市民が、当たり前の生活を送ることができなくなる」〜岩上安身による山中光茂・松阪市長インタビュー 2014.8.23
山中光茂 松阪市長「集団的自衛権の閣議決定は違憲!国家賠償請求を行なう」 〜「ピースウイング」発足会見 2014.7.17
「改革はするが、戦争はしない」という基本理念を掲げて、「フォーラム4」を立ち上げた古賀氏は、難しく考えず、当たり前に思ったことを言って、普通に平和な生活を楽しみたいという思いで参加してもらえれば、と話した。
その上で、「今、普通の生活が侵されつつある。なんか変だと思いましょうよ。良くするためには、ちょっとでも何かしましょうよ。そういう人たちが集まってほしい」と呼びかけて、賛同を募った。
【第202・203号】岩上安身のIWJ特報!「日本が『戦争なしでは生きられない国』になってしまう」 元経産官僚・古賀茂明氏インタビュー 2015.4.2
「政府にとって一番重要なのは西側(アメリカ)との連携」人質解放が優先ではなかった!? 安倍政権の対応「真剣に検証を」 元外務省国際情報局長・孫崎享氏に岩上安身が聞く 2015.1.31
記事目次
当たり前の幸せを「愚かな為政者によって壊されてはならない」
愚かな為政者を想定して生まれた憲法
戦争は憎しみの連鎖を広げるだけ
なぜ、安倍さんは人気があるのか?
改革はするけど、戦争はしない
安倍さんの「積極的平和主義」は「積極的軍事主義」
口を開けていればネタがもらえる大手マスコミ
なぜ、私が「I am not Abe」と言ったか
「安倍は使える」と英米豪仏に褒められた中東訪問
アメリカと共に戦うことの意味とは
「明日、戦争になるかもしれない」とわかってもらいたい
米軍がいなかったら中国は攻めてきますか?
「安倍さんの背中にはドクロマークがついている」
■ハイライト
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/240840
https://youtu.be/mj-uhkW9bfw
5:26 2017/12/05

https://www.bing.com/search?q=%E5%8F%A4%E8%B3%80%E8%8C%82%E6%98%8E%E6%B0%8F%E8%AC%9B%E6%BC%94%E3%83%BB%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%AF%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8C%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AF%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%83%BB%E3%83%BB&qs=n&form=QBRE&sp=-1&pq=%E5%8F%A4%E8%B3%80%E8%8C%82%E6%98%8E%E6%B0%8F%E8%AC%9B%E6%BC%94%E3%83%BB%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%AF%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8C%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AF%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%83%BB%E3%83%BB&sc=0-22&sk=&cvid=A9ECD853659E44B7A6037AE869E71902
12/5/2017

古賀茂明さんフォーラム提唱者・選挙フェスタ神奈川の集い・主催市民連合横浜・ミナカミ・後藤さん見殺しは野望実現のためのパフォーマンス・
平成29年12月4日
: 植草一秀: 第1910号 金融資産所得分離課税撤廃が最重要課題
「植草一秀の『知られざる真実』」2017/12/03
金融資産所得分離課税撤廃が最重要課題 第1910号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2017120312100642723
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-43289.epub
TPPの論議で明らかになったことは、TPPに代表される多国籍企業の利益優先=ハゲタカファーストの政策が、日本に対する外からの圧力=外圧による政策ではなく、安倍政権自身が推進している、日本の国策であるという事実だ。

2012年12月の総選挙に際して、安倍自民党は「ウソつかない TPP断固反対 ブレない日本を耕す!自民党」と大書きしたポスターを貼り巡らせて選挙を戦った。そして、TPPに盛り込まれる可能性があるISD条項について、「国の主権を損なうようなISD条項に合意しない」ことを公約として明示した。

有権者は、安倍自民党がTPPに反対であると理解して投票行動を決めたと思
われる。しかし、安倍首相は総選挙から3ヵ月も経過しない2013年3月15日に、TPP交渉に参加する方針を表明した。「詐欺」そのものの政治である。このTPPから米国が離脱した。安倍政権は米国抜きのTPPはあり得ないとしてきた。

TPPの最終合意文書を修正する考えはないことも明言した。TPP最終合意文書を見直ししないために、米国の態度が明らかになる前に日本が批准、承認することを急いだのである。

ところが、米国がTPPから離脱して最終合意文書を見直さない限り、TPPが発足する可能性はなくなった。すると、安倍政権はTPP最終合意文書の見直しを表明した。

言葉に対する責任というものが存在しない。

安倍自民党はISD条項が、国の主権を損なうものだから合意しないとしてき
たはずだが、いまでは、TPP交渉参加国のなかで、ISD条項を盛り込むこ
とをもっとも熱心に主張しているのが日本である。日欧EPA交渉では、欧州がISD条項は主権を損なうものであるとして、これに反対しているのに、日本がISD条項を盛り込むことを主張し、交渉が暗礁に乗り上げている。

安倍政権は選挙の際の公約を一方的に破棄して、国の主権を損なうISD条項
を盛り込むことを強引に主張しているのである。

ここから明らかになることは、安倍政権が主権者国民の利益ではなく、多国籍企業、世界市場支配を目論む巨大資本の利益を最優先して政策運営を行っていることだ。

そして、TPPが発効していないにもかかわらず、主権者国民の利益を損な、ただひたすらハゲタカ巨大資本の利益を極大化するために、国内のさまざまな制度を激しいスピードで改変し始めている。
種子法を廃止し、水道法を改定している。食品の添加物規制、残留農薬規制を、ハゲタカ巨大資本の言いなりになって、激しい勢いで改変しているのである。

安倍政権は「国民ファースト」ではなく「ハゲタカファースト」の姿勢で政策を運営している。TPPも日欧EPAも、そして、種子法廃止や水道法改定、食品添加物規制緩和、残留農薬規制緩和、遺伝子組み換え規制緩和などの施策も、外からの圧力によって、安倍政権が望まないのに推進されてしまっているのではなく、安倍政権が外圧もないなかで、国内政策として推進しているものなのである。

外圧が敵なのではない。

敵は内側に存在する。

安倍政権そのものが、主権者国民にとって敵対的な政策を推進する本尊なので
ある。
主要農作物種子法廃止で、米、麦、大豆の公共品種の保全が行われなくなる。これまでは、主要農作物の種子は公的関与の下で安価に供給されてきた。国民の主食の確保のために、主要農作物の種子が公的関与の下に置かれてきたのである。

しかし、この施策は種子を独占し、これを利益の源泉にしようとするハゲタカ
資本にとっては目障りな存在である。そこで種子法を廃止し、ハゲタカ資本が日本国民の主食の種子を独占管理下に置くための行動が推進されているのである。

ハゲタカ資本による種子の独占支配を、安倍政権が全面支援する構図。「国民ファースト」ではなく「ハガタカファースト」の安倍政権の基本姿勢が如実に表れている。1989年に米国のエコノミストであるジョン・ウィリアムソンが用いた「ワシントン・コンセンサス」という言葉がある。

ワシントンを本拠とするIMF、世銀、米国政府が主導する、経済危機に見舞われた国に適用する政策パッケージに関する合意のことである。その中心に置かれるのは、規制撤廃、小さな政府、民営化、市場原理主義である。これらの施策が推進されるなかで、グローバルに活動を展開する多国籍企業が実質的な収奪を進める。

つまり、ワシントン・コンセンサスそのものが、ハゲタカ巨大資本の利益拡大
の戦術そのものになっているのである。ハゲタカ巨大資本は、世界経済を支配下に収めて、利益を極大化させることを狙っている。そのための戦術が、規制撤廃、小さな政府、民営化であり、すべての経済行動を市場原理によって統制しようとする。

安倍政権が推進している政策は、まさにこれである。この政策の是非を、私たちが問わなければならないのだ。安倍政権は法人税減税を推進する一方で、消費税増税を推進している。消費税が導入された1989年度の税収が54.9兆円。これは、2016年度の税収55.5兆円とほぼ同額である。しかし、この27年間に、日本の税収構造が激変した。所得税が4兆円、法人税が9兆円減額になった一方で、消費税収が14兆円増えた。

つまり、法人税減税、所得税減税を実現するために、消費税が14兆円も増加
されたのである。

所得税と消費税の最大の相違は、所得税が「能力に応じた負担」をベースとするのに対して、消費税は「能力に逆行する負担」になる点にある。所得税の場合、夫婦子二人の片働き世帯の場合、年収285万円までは所得税負担がゼロである。
他方、所得が多い者の税率は55%に達する。課税における所得税中心主義は、「能力に応じた課税」をベースにする考え方である。これに対して、消費税中心主義は、大衆課税の強化=富裕層優遇をベースにする考え方なのである。財政活動の財源である税収において、法人税と所得税の比率を引き下げ、消費税の負担だけを激増させている。

消費税は二重の意味で逆進性を有している。第一は、所得がゼロの者に対する税率と所得が10億円の者に対する税率が同じであること。第二は、零細事業者の場合、消費税増税を価格に転嫁できない。この事業者が、所得がゼロで、税負担能力がない場合でも、消費税の納税義務を負う。

不当な納税負担がこの零細事業者に課せられるのである。
安倍政権は法人税減税を推進し、消費税増税を推進している。所得税は本来、超過累進税率構造を有する「能力に応じた課税」を実現する制度であるが、現実には、その基本を破壊する制度が内包されている。
それが、金融資産課税に対する税の減免である。

利子配当所得、株式譲渡益課税については、分離課税が実施されており、本
来、高税率が課せられる個人が低税率の適用を受けている。

「能力に応じた課税」

が、実質的に破壊されているのだ。日本の上場企業の外国人持ち株比率は3割を超えている。5割を超えている企業も多数存在する。つまり、上場企業の多くが、もはや日本企業とは言えない状況になっている。このことを背景に、ハゲタカ巨大資本が法人税減税を要求し、その穴埋め財源として消費税増税を主張しているのだ。

資本家層の所得の中心は金融資産所得である。この金融資産所得が分離課税で軽減されている。安倍政権が推進している経済政策は、こうして見ると、すべてが悪い意味で整合的なのである。
世界経済の支配をもくろむハゲタカ巨大資本。このハゲタカ巨大資本の要望通りに動いているのが安倍政権である。TPPの推進、各種規制撤廃政策、法人税を減税して消費税を増税する政策、所得税については、富裕層の金融資産課税だけを優遇する政策。
これらのすべてが、主権者である国民ではなく、ハゲタカ巨大資本の利益極大
化のための施策なのである。

国民の大多数は、富裕層でもなければハゲタカ巨大資本でもない。収奪される中低所得者層なのだ。この中低所得者層が安倍政治を支持することは完全な自己矛盾なのである。圧倒的多数の一般国民が、この真実に気付けば、安倍政権はあっという間に吹き飛ぶ存在なのだ。

主権者国民は、一刻も早く、安倍政治の本質に気付き、この政権を消滅させる
べきである。
本メールマガジンに対するご意見、ご感想は、このメールアドレス宛に返信を
お願いいたします。
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著者:植草一秀(政治経済学者)
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17:48 2017/12/03

コンピュータプラットフォーム > プリンタ、スキャナスーパー活用術 "道具使いの名人"として知られる「文具王」こと高畑正幸氏。Macを使いこなし、また以前からScanSnapに注目していたという文具王が語る、家庭で出る紙のスッキリ整理術。
放っておくとどんどん増える家庭の紙。基本は、用事が済んだ紙から捨てる。

毎日毎日、自宅に流れ込む物や紙。特に私は自宅が仕事場でもあるので、気をつけていないと、どんどん増えてしまうのは常に悩みのタネです。あたりまえですが、捨てなければその分増えてしまいます。

私は団地に住んでいますから、帰宅するときはまず集合郵便受けから紙類を出したら、まずマンションの広告みたいな完全に不要なものは、その場で設置されたゴミ箱に捨てます。残りを手に持って帰宅したら、その場で全て開封。手帳と財布に挟んであるレシートや名刺なども取り出します。私信以外はその場で不要な物はゴミ箱に廃棄。レシートは、経費として処理するもの以外を捨てて、振込用紙とか、宅急便の不在通知などは、再配達などの手配をしたら、作業が済むまでは目につくところに貼っておきます。私信は前々回にお話したように、スクラップします。宅急便もたくさん来ますが、購入した家電や雑貨などは受け取ったらその場で開梱。製品と説明書と保証書を取り出したら、商品のパッケージや箱もとっておかずにすぐに捨ててしまいます。これだけでもかなりの量のゴミを毎日捨てています。

文具王の場合、用事が残っている紙は、作業が済むまで見えるところに貼り付け。
今後不要と判断したものは捨てていかないと、紙が増える一方です。

しかしこれでも、まだかなりの紙が机の上に残ります。大半は一過性のもので、用事が済んでしまえば捨てても問題のないものが多いはずですが、ちょっとしたことで捨てるかどうか迷うものも少なくありません。もちろん、しばらく使わなかったものは、捨ててしまってもたいした問題にはならないというのもわかるのですが、やはり心理的な抵抗はありますし、捨ててしまったあと、困ってもだれも助けてはくれません。
ルールに則って紙を整理。迷ったら、スキャン!
そんなときにScanSnapがあれば、「いつか見返すことがあるか否か」ではなく、「もし必要になったときに原本が必要か否か」で判断できます。目の前の書類が「いつか必要になるか否か」を考えるのは未来予測ですから、とても難しい。それに対して、「原本保管が必要か否か」はルールですから、簡単に決められますし、原本が必要な書類はかなり少なくなります。

たとえば、製品などに付いてくる書類の中で、取扱説明書はもしかしたら使うかもしれないけど、二度と見ないかもしれない書類です。しかし保証書は万が一の時には、基本的には原本がないと意味のないものです。
なので私の場合、保証書は迷わず保管。取扱説明書は迷ったらスキャン、です。取扱説明書に保証書がくっついている場合は、断裁して全部スキャンしたあと、保証書の部分だけを保管しています。
「原本保管が必要」な保証書は、迷わず保管。
残すか捨てるか迷うものは、スキャンして捨ててしまいましょう。

取扱説明書の他にもちょっと気になるチラシ、パスワードや各種設定方法、自治体などのお知らせやルール、連絡先など必要事項が書かれたはがきなどは、とりあえずスキャンして捨てます。私は文房具関連の展示会などに行ったときにはたくさんのチラシや資料をもらってくることがありますが、それらもほとんどはその場でスキャンして捨ててしまいます。
スキャンしておけば、場所もとらず、必要なときいつでも見られる。

スキャンしたものは特に細かく整理しているわけではありませんが、Evernoteに、「取扱説明書・保証書」や、「アカウント・設定」といったフォルダを作ってそこに放り込んであります。取扱説明書などはWEBで検索しても見つかる場合もありますから、このフォルダは滅多に開く事はないかもしれません。ある意味デッドストックに近いものですが、場所をとることもなく、もし必要になっても手元にあって見ることができるという安心感は、紙を捨てる勇気を持つための保険でもあります。
※パソコンではEvernoteクライアントから、オフラインであっても同期済みのノートを見ることができます。iOS端末やAndroid端末のEvernoteアプリの場合は、プレミアム会員になっていれば、オフラインでノートを見られるように設定ができます。
滅多に見ないデータになってしまっても、万一必要なときに「いつでも見られる」ことには価値があると思います。Evernoteでは、整理をしなくても検索で目的のものを探し出せるので、簡単です。

捨てることに慎重な人の背中も押してくれるScanSnap×Evernoteで、片付けが捗る!

紙をスキャンしてデジタル化する行為は、保存して見返すためだけではなく、目の前のかさばる書類を捨てるためにもとても有効です。しかも速くて簡単なScanSnapをEvernoteに連携すれば、捨てるかどうするか、迷っている間にもワンプッシュでスキャンできてしまいます。最初に保管する方法さえ決めてしまえば、スキャンは迷うより簡単です。


高畑正幸 たかばたけ・まさゆき
1974年、香川県生まれ。TVチャンピオンで3度優勝し「文具王」の異名を持つ。文房具の企画デザインからマーケティング、執筆、販売など様々な活動を行なっている。また、さまざまな媒体を通して、本当に実践できる便利な仕事術を提案している。

著作権の対象となっている新聞、雑誌、書籍等の著作物は、個人的または家庭内、その他これらに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする場合を除き、権利者に無断でスキャンすることは法律で禁じられています。
また、スキャンして取り込んだデータは、私的使用の範囲でしかご使用になれません。
http://scansnap.fujitsu.com/jp/howto/part3-no24.html
7:34 2017/12/03


コンピュータプラットフォーム > プリンタ、スキャナ > スキャナ > スキャナ活用・導入事例 カラー イメージ スキャナ
スキャナ活用・導入事例仕事で使う!導入事例こんなところにScanSnap
ScanSnap iX500 機能編(1分58秒)
https://youtu.be/eLaRO5cDQKs

7:20 2017/12/03
https://youtu.be/eLaRO5cDQKs

ScanSnapは親しみやすい道具

ScanSnapは、ただのスキャナではありません。
読み取る紙を差し込んでスキャンボタンをワンプッシュ。それだけでスイスイ吸い取るようにスキャンして、どんどんPDFファイルにしてくれる、手間いらずの画期的なスキャナです。 ScanSnapは、使いこなしに理解や習熟が必要な「ちょっと専門的な機材」ではなく、買ったその日から活用できる「親しみやすい便利な道具」なのです。
今日、「情報を制するものがビジネスを制する」といわれています。 そして、各企業では「情報を制する」、すなわち「情報を有効に活用する」ためIT化を推進していますが、残念ながらあふれかえる情報(書類)に埋もれているのが実情のようです。

http://scansnap.fujitsu.com/jp/howto/

7:31 2017/12/03
スーパー活用術
ScanSnap 整理術
名刺整理術
家計簿・会計整理術
写真整理術
年賀状整理術はない意外なところでScanSnapが大活躍!
スキャナ活用
名刺整理術名刺整理でお困りの方へ
家計簿・会計術レシート・領収書をスキャンするだけ!お金・時間の節約術を紹介します。
思い出の写真を楽しく整理昔の写真が眠っていませんか?
スキャンすれば、皆で楽しめるようになります。
年賀状整理術
年末年始はデジタル大掃除!
"文具王的・ScanSnap活用術"を紹介します。


まずはこれ!ScanSnapとは? ScanSnap ムービーギャラリー
動画ですぐに、各製品の機能や活用方法が分かります。
ScanSnap整理術書類の山をデジタル整理!
マンガ 「とりこめ!スキャン家族」これを読めば1家に1台ScanSnapが欲しくなる!?
http://scansnap.fujitsu.com/jp/howto/index-2.html

6:58 2017/12/03
https://youtu.be/h54Cw5ZX35Q

http://scansnap.fujitsu.com/jp/
7:08 2017/12/03
「ScanSnap Cloud」※とは、コンピュータやタブレット、スマートフォンを使わずに、様々なクラウドサービスにスキャンデータを直接つなげるサービスです。
スキャンした原稿を「レシート(領収書)」「名刺」「文書」「写真」の4つの種別に自動的に判別し、お客様がご利用するクラウドサービスに振り分けて保存します。
※iX500・iX100をお買い上げのお客様、iX500・iX100をお使い頂いているお客様へ無償提供いたします。
www.pfu.fujitsu.com/imaging/scansnap-cloud/

7:09 2017/12/03
https://youtu.be/RXN99_REct8
https://youtu.be/h54Cw5ZX35Q
http://www.pfu.fujitsu.com/imaging/scansnap-cloud/user/
7:12 2017/12/03

From: 衆議院議員 逢坂誠二 mag2 0000258665 [mailto:mailmag@mag2tegami.com] Sent: Sunday, December 3, 2017 5:40 AM
To: takita@po.synapse.ne.jpSubject: 12月3日 その3754『逢坂誠二の徒然日記』(5451)
寒い。函館の朝は、氷点下3度だ。完全に真冬の様相だ。もちろん北海道では、もっと気温の低いところばかりだが、氷点下3度は寒い。

1)昭和から天皇陛下が再来年(2019年)の4月30日に退位され、皇太子さまが翌5月1日に即位されることが決まった。
昭和生まれの私にとって、こうしたことは二度目のことになる。政府は、国民生活への影響や宮中行事、それに政治日程も考慮しながら、退位や元号を改める改元の日程などの検討を進めた。
退位の日程が4月末となったのは、再来年の春には統一地方選挙が予定されるほか、新年度予算案の国会審議も行われていることなどを考慮し、「静かな環境」で平穏無事に一連の儀式などを終えるためにはこうした時期を避けることが望ましいということのようだ。来週8日にも陛下の退位の日となる特例法の施行日を閣議で正式に決定することになる。
====
大きな時代の変わり目だ。昭和、平成、そして新時代・・・、次はどんな時代になるのだろうか。予測し難い時代だが、国民のために全力を尽くさねばならない。
さあ今日も確実に前進します。
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2017.12.3
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まぐまぐの送信登録・解除は以下。
http://ohsaka.jp/magazin.html
6:09 2017/12/03

日本の正しい未来世界一豊かになる条件 (講談社+α新書) 新書 – 017/11/21
村上 尚己 (著) 内容紹介
正しい経済政策が続けば、人口減少でも財政赤字でも、一人当たりGDPは世界1位に!
世界標準の投資家は知っている日本経済の実力。
・人口減少が続く日本経済は低成長やデフレで当然
・借金大国日本では増税が最優先の政策
・日本の財政は危機的な状態で国債バブルは崩壊する
・日本人は貯蓄好きで起業が苦手
・日本人の生産性は低い
全部間違いです!
成長力は人口だけでは決まらない。国債は借金ではなく私たちの金融資産。生産性はGDPが増えれば上がる――。
日本経済の「超」基本認識が変わります!

目次◎
イントロダクション 低成長とデフレは必然なのか?
第一章 近未来小説「ゼロ成長の日本」
第二章 消費者が喜ぶはずの物価下落がなぜ大問題?
第三章 デフレは「人の価値」も下落させる
第四章 若者の貧困化を放置する社会
第五章 「人手不足は悪」報道の正体
第六章 本当は国の借金はゼロ
第七章 経済格差を許容する中高年世代の自己満足感
第八章 バブルから学ばないのは反省し過ぎる人たちだ
結び 緊縮という病

デフレは低所得者を増やすことで経済格差を広げるが、同時に「世代間の経済格差」を拡大させる。デフレと高失業によって現役世代は「経済的な虐待」を受ける一方、高齢者の中でも金融資産を蓄積してきた人々は、デフレによって相対的に豊かさを高めることができる。かれらが自らの経済状況を主観的にみれば、「日本経済は十分豊かになった」との考えに至りやすい。
日本において長年デフレの害悪が軽んじられてきた原因は、こうした「デフレ既得権益者」とも呼べる人たちが世論に影響して、デフレと停滞を望む声を上げていたことが影響していると私は考えている。かれらにとっては、デフレと低成長でリスクをとる挑戦者がなかなか報われない「温い状況」がむしろ理想なのかもしれない。
だが、デフレが続けば経済的な豊かさを実感できない多くの人々は報われず、閉塞感に苦しむ。経済停滞を容認したり清貧を理想としたりする議論が目立つが、その多くは現実をみない空虚な議論であるようにしか私には思えない(本文より抜粋)。
内容(「BOOK」データベースより)
人口減少でも財政赤字でも一人当たりGDPは1位に!「ゼロ成長の日本」衝撃のラストシーンを回避せよ!日本経済の超基本認識が変わる。
商品の説明をすべて表示する

登録情報 新書: 176ページ出版社: 講談社 (2017/11/21)言語: 日本語
発売日: 2017/11/21目次
イントロダクション 低成長とデフレは必然なのか?
第1章 近未来小説「ゼロ成長の日本」
第2章 消費者が喜ぶはずの物価下落がなぜ大問題?
第3章 デフレは「人の価値」も下落させる
第4章 若者の貧困化を放置する社会
第5章 「人手不足は悪」報道の正体
第6章 本当は国の借金はゼロ
第7章 経済格差を許容する中高年世代の自己満足感
第8章 バブルから学ばないのは反省し過ぎる人たちだ
結び 「緊縮」という病
マクロ経済学の見地からは、経済成長こそが幸福で安定した生活を国民にもたらす。投稿者温泉大好き。ベスト50レビュアー2017年11月24日
形式: 新書
1990年代から20年もの間続いたデフレの原因や、数年前からようやく始まった経済状況の好転をこのまま持続させる方策などを、正しい経済理論と客観的なデータに基づいて説き明かした本。著者は、幾つもの証券会社に勤務した後、現在は外資系企業でマーケット・ストラテジストを務めている人であるが、知見の正しさ・的確さにはいずれも目を瞠るべきものがある。想像するに、著者の周囲には、「何が何でも増税だ!」と目論む財務省が垂れ流すデタラメ経済理論をそのまま奉じている同業者は数多くいるであろうが、それに全く惑わされることなく、こうして徹頭徹尾全うな経済理論を展開できる人は稀有であろう。第一章の近未来小説で、中国の経済成長が今後も続くと予想している点には同意し難いものの、「第二章以降の記述内容は、髙橋洋一氏や三橋貴明氏の主張と完全に一致している。」と言えば、これらの著者の読者なら、本書の内容は大方推察が付くはずである。
マクロ経済学を論じる上で注意しなければならないのは、「国全体の経済動向は、個人の生活実感や考えの延長で捉えてはならない。」ということである。「デフレで物価が下がれば、それだけ生活が楽になるのだから、インフレにならない方がよい。」と本気で考え、「国の借金が増えることは、家計の借金が増えること同様、不健全なことであり、避けるべきである。」と信じ込まされている人には、「自分の周囲半径三メートルの範囲で起きていることが関心の全てであるような視野狭窄な人にはマクロ経済学を論じる資格はないんだよ。」「家計の発想をそのまま政府部門に持ち込んでいるから、そういう噓に騙されるんだよ。」と申し上げたい。経済が持続的に成長してこそ、雇用が安定し、失業率が下がり、個人の所得が増え、それに伴い消費も増え、企業の業績が上向き、従業員を含む利害関係者にその恩恵が及ぶ、という好循環が生まれるのである。そして、民間部門でこのような循環を生むことが出来ない局面では、財政出動と金融緩和で景気を上向かせる必要があるのである。「経済成長がそんなに大事なのか。」という主張は、ミクロの視点とマクロの視点の区別も付かない認識不足の人間の妄言でしかない。
なお、著者は、20年に及ぶデフレの原因を、政府や中央銀行の採った政策が間違っていたからだ、としているものの、わたくしはむしろ、彼らが何らかの成心から、故意に日本経済の成長を妨げるような政策を採用したのだと考えている。何故なら、デフレ下で政府が採るべき正しい対応如きを彼らが心得ていないはずがないからである。
正しい目線
投稿者BB@hk2017年11月27日
アジアで日本だけがデフレ。日本にずっと暮らしていると視点が世界動きからずれてくる。そんな中にあって筆者の視点は極めてズレがないのは凄いと思う。一人でも多くのデフレ視点から脱却できない日本エコノミスト読んで欲しい一冊。
上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒! (講談社+α新書)山下 智博¥929
6:02 2017/12/03


過剰コンプライアンスが生む日本企業の不正ドミノ・郷原信郎氏マル激トーク・オン・ディマンド 第869回(2017年12月2日)
 神戸製鋼に続き、東レの子会社や三菱マテリアル子会社など日本を代表する素材メーカーで製品検査データによる改ざんが発覚し、衝撃が広がっている。
 不正が発覚した会社ではいずれも「安全性に問題はない」と説明しているが、不正を行った東レ子会社の東レハイブリッドコードと三菱マテリアル子会社の三菱電線ではいずれも社長が更迭されているし、そもそも長年にわたる不正が発覚した以上、その言葉に疑義が生じるのは避けられない。相次ぐ老舗企業による不正の発覚に、日本ブランドの信用の失墜につながることを懸念する声も上がり始めている。
 なぜここに来て日本の有名企業の不正発覚が相次いでいるのか。そもそもそれは本当に「不正」だったのか。
 企業コンプライアンスに詳しい弁護士の郷原信郎氏は、一連のデータ改ざんは問題だとしながらも、商品の安全性に直結するレベルの不正と、安全性には影響しないが、取引企業間の取り決めからは逸脱していたというレベルの形式的不正は区別して考える必要があると指摘する。そして、経産省が企業間の取り決めから逸脱したレベルの不正についても、積極的に社会に向けて公表するよう指導するようになったため、これまでは表沙汰にならなかった形式的な不正までがメディアに大きく取り上げられ、あたかも安全性に問題があるかのような不安を煽る形になっていることには問題があると言う。
 日本の企業文化には顧客が要求した品質は満たしていないが不良品とまではいえない製品については、特採(特別採用)として一時的に出荷を容認する慣習がある。納期や数量を勘案すれば、誤差の範囲として取り扱ったほうが得策だということで、これまで企業間で例外として処理されてきたものだった。特採は最終製品の品質に影響を与えないことを前提とする一時的な措置であることが前提だったが、一流メーカーの中には自社ブランドに対する信頼に胡坐をかき、特採レベルの「誤差」についてはデータを改ざんする慣習が常態化していたところも少なからずあった。それがここに来て、一気に露呈しているのだ。
 郷原氏はこうした一連の「不正」や「データの改ざん」に問題がないと言っているわけではない。しかし、最終製品に安全上の問題が生じないことを前提に、あくまでB to B(企業間)の契約上処理されるべき問題が、本質的な安全問題として社会問題化すれば、企業側に過剰コンプライアンス心理が働き、結果的に形式的不正を生む構造がますます覆い隠されることになりかねないと郷原氏は言う。内容やレベルに関係なく「不正」や「改ざん」といった言葉が一律に使われることで、構造的な不正が修正される方向ではなく、隠蔽される方向に向かってしまう可能性が高いというのだ。
 素材メーカー3社のデータ改ざんの合間に、日産やスバルなどの自動車メーカーによる無資格者の検査問題というものも浮上しているが、それも新車を一台一台検査する必要があるのかというそもそも論を横に置いたままの「不正」論争になっている点に、疑問があると郷原氏は指摘する。そもそも検査員の資格は社内的なものであり、実際の検査の内容も資格を要するような難易度の高いものではなかったのだ。
 これは日本に限ったことではないかもしれないが、日本のとりわけ製造業の現場では長年、職人気質の技術者の「経験や勘」に頼った品質管理が行われてきた。しかし、国際化が進み、コンプライアンスが叫ばれるようになった結果、そうした明文化されないノウハウに頼った品質管理ではなく、より明文化された客観基準による管理が必要になった。管理職は対外的な必要性からそうした基準の制定を進めるが、現実を反映しない基準や守れるわけがないような基準を押し付けられた現場では、そうした基準が空文化しているケースも多い。
 そもそも企業間の取り決めに基づく特採の公表を求める経産省の判断が妥当なものなのか。一連の「不正」をメディアは正しく報道し、それは社会に正しく理解されているのか。法令の安全基準に現場の声を反映させ、より現実的で遵守が可能な製品基準をつくらなければ、今後も形式的な不正はなくならないだろうと指摘する郷原氏と、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

郷原 信郎(ごうはら のぶお)
弁護士
1955年島根県生まれ。77年東京大学理学部卒業。同年三井鉱山入社。80年司法試験合格。83年検事任官。公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検検事、広島地検特別刑事部長、長崎地検次席検事などを経て2006年退官。桐蔭横浜大学法科大学院教授、名城大学教授などを経て2012年郷原総合コンプライアンス法律事務所を設立し代表に就任。著書に『思考停止社会』、『法令順守が日本を滅ぼす』、『青年市長は“司法の闇”と闘った』など。
https://youtu.be/BgIL_jgeEM0
九条の会・ひがしなだ10周年記念講演会「立憲主義と民主主義を取り戻そう・共同の前進を背景に遠望を語る」小林節・内田樹・
http://youtube.com/
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%80%8C%E7%AB%8B%E6%86%B2%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%A8%E6%B0%91%E4%B8%BB%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%88%BB%E3%81%9D%E3%81%86%E3%83%BB%E5%85%B1%E5%90%8C%E3%81%AE%E5%89%8D%E9%80%B2%E3%82%92%E8%83%8C%E6%99%AF%E3%81%AB%E9%81%A0%E6%9C%9B%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E3%80%8D%E5%B0%8F%E6%9E%97%E7%AF%80%E3%83%BB%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9%E3%83%BB
https://youtu.be/Vc0geZinu_c
12/3/2017 5:44 AM

5:49 2017/12/03


平成29年3月9日 木曜日・散歩にて、ぎんなむ・草木・おおみ川の柳田橋ふち・


Imgp0983


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 犬と鬼-知られざる日本の肖像- | アレックス・カー |本

https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%A8%E9%AC%BC-%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%96%E3

Amazonでアレックス・カーの犬と鬼-知られざる日本の肖像-。アマゾンならポイント還元 本が多数。アレックス・カー作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また犬と 鬼-知られざる日本の肖像-もアマゾン配送商品なら通常配送無料。・日本の社会システムの文化

http://home.hiroshima-u.ac.jp/utiyama/ISIS-1.4.W.html

1)アレックス・カーの「犬と鬼─知られざる日本の肖像」. アレックス・カーは日本で 生まれ、大学生活はアメリカで送りながらも日本が好きで生活の場を京都の近くに求め ています。彼は自分の著作【文献6】で、人びとを引きつける魅力を失った日本の姿を 日本の

アレックス・カー - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A

アレックス・カー(Alex Arthur Kerr、1952年6月16日 - )は、アメリカ合衆国出身の東洋 文化研究者、著述家。 来歴・人物[編集]. メリーランド州ベセスダ ... 留学中に ヒッチハイクで日本中を旅し、旅の途中で訪れた徳島県祖谷に感銘を受け約300年前の 藁葺き屋根の古民家篪庵を購入し修復し居住する。 ... 対談集 九つの問答(司馬遼太郎 、朝日新聞社(朝日文庫)、1997年); 犬と鬼 -- 知られざる日本の肖像--(講談社、2002 年); Dogs ...出版社別文庫新刊案内 - e-hon

13:36 2016/12/17


犬と鬼-知られざる日本の肖像- ・・アレックス・カー (著) 日本で育ち、日本をこよなく愛するアメリカ人である著者が、怒りと悲しみを込めて現代日本の病理を暴く。破壊される自然環境、ちぐはぐな都市建築、日本の魂を崩壊させる官僚政治。慢性的に進行する日本の「文化の病」を、丹念に掘り起こしてわれわれ日本人に突きつける、衝撃の1冊。

コンクリートで固められダムになる美しい山河や、全長の55%もがブロックやテトラポッドで覆われている海岸。不法投棄の産業廃棄物の山と、そこから流れ出すダイオキシン。電線が空中を走り、けばけばしい広告看板をつけたビルがごちゃごちゃと建ち並ぶ街なみ。そして、全国に増え続ける多目的ホール、テーマパーク、人工島、高速道路などの無意味なモニュメント。こんな光景を美しいと思っている日本人はひとりもいないだろう。なぜこんなものを作ったのか、なぜこんな国になってしまったのかと著者に問われるのは、まったくお恥ずかしい限りである。

著者がその原因として指摘するのは、責任が不明瞭なまま機能してしまう行政システムと、その根本にある日本独特の官僚制度である。外国人の視点で見ると、日本の官僚制度の奇異さがよくわかる。天下りで個人的な利益を得る、特殊法人の運営で省庁が潤う、族議員とパイプを作り政界とも通じる。この馴れあいシステムによって、多額の公金が本当に必要なところには施されず、官僚にメリットを与えるところに注がれる。

自分たちに従順におとなしく従う国民を、都合よく作りだす教育システムまで官僚は作ったのだと著者は言う。子どもたちは足並みそろえて行動することを強要される。がんばることは美徳と教えられるが、これはひどい環境でも耐え忍べということだ。教育制度不信から子どもの塾通いが増え、子どもはいつも忙しくてがんじがらめになる。そしてその後の大学生活で、成績など問われず無為に遊んで過ごせば、分析的な思考法や独創的な発想能力、自然環境に対する愛情などを持たない骨抜きの腑抜けができあがるのは当然だ。

韓非子の故事から取ったというタイトルは、抜本的な解決が難しい日本の諸問題を「上手に本物らしく描くのが難しい犬」にたとえ、日本で行われている数々の無意味な施策を「どうとでも描ける想像物である鬼」にたとえて付けられている。

外国人が日本に対して何かを要求するのはおかしいという信念から、本書には「日本はこうすべきである」という表現はいっさいない。が、1900年代前半の、大日本帝国の拡大とその後の悲劇的結末へのプロセスと同じ道筋を、今また日本はたどっているという著者の警告を、われわれは真摯に受けとめるべきだろう。(篠田なぎさ)

数々の文化遺産、美しい国土、すぐれた教育制度、世界一の個人貯蓄。それがありながら、なぜ日本は道を踏み外すのか?

『美しき日本の残像』(新潮学芸賞)の著者による衝撃的日本論!

肌で感じる痛切さがあり、率直で熱烈、有益で強烈だ。――(ファイナンシャル・タイムズ)

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979年、エズラ・ヴォーゲル)、『日本/権力構造の謎』(1989年、カレル・ヴァン・ウォルフレン)、そして本書。過去10年で最も重要な日本論。――(バロンズ)

『犬と鬼』は、日本に対する愛のムチとでもいうべき本だ。日本人はこの本を不愉快な批判として片づけるのではなく、耳を傾け新しい道を切り開く指針とすべきだろう。――(ニューズウィーク)

この重要で意外とロマンチックな本には、明快で鋭い観察があふれている。――(ニューヨーク・タイムズ)

『犬と鬼』は戦後日本の成長と失墜に少しでも興味がある人にとって必要不可欠だ。――(ウォールストリート・ジャーナル)

日本の政治指導者は国家と国民に恐ろしい犠牲を払わせた。その大きな代償をきちんとした筆致で率直に明らかにしている。――(ドナルド・リッチー)

日本人、そして我々のためにも、この本が「常識に還る」動きに貢献することを望んでいる。

――(カレル・ヴァン・ウォルフレン) 商品の説明をすべて表示する登録情報

単行本: 392ページ・出版社: 講談社 (2002/4/25)言語: 日本語

発売日: 2002/4/25

目次

国土―土建国家

治山・治水―災害列島

環境―ステロイド漬けの開発

バブル―よき日々の追憶

情報―現実の異なる見方

官僚制―特別扱い

モニュメント―大根空港

古都―京都と観光業

新しい都市―電線と屋上看板

鬼―モニュメントの哲学

「マンガ」と「巨大」―モニュメントの美学

総決算の日―借金

国の富―お金の法則

教育―規則に従う

教育のつけ―生け花と映画

国際化―亡命者と在日外国人

革命は可能か―ゆでガエル

 

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外国人だからこそ書ける"本当のこと"

 

投稿者acrophobia2012年6月15日

 

最初にこの本を読んだ時に我が意を得たりと思いました。

常識的な日本人なら誰でも気が付いていながら、指摘しなかった、或いは気が付かないふりをしていたことをズバリとついてます。

カー氏の指摘に耳の痛い思いをする人が多いと思いますし、今後も現実から目を背ける人もいるでしょう。

土建国家日本の本質。

この本が書かれてから10年以上経ちますけど、日本の国土の破壊は続いています。

人口も自動車も減り続けてるのに国債を発行して作られ続ける高速道路、マンションが増え続ける京都の街並み。

それにも拘わらず、「美しい日本」と言う言葉が溢れかえっても誰も疑問を呈さない。

日本人と言うのは自分の見たくないものを無意識に視界の外に追いやる技能が備わってるのだろうか?

少なくとも自分はそうなりたくないものである。

無題

投稿者akina2009年1月12日

建築家、香山壽夫氏が『都市デザイン論』のなかで推薦しておられたので購入しました。香山氏は信頼できる方だと思っているので、本書についても大筋では信用しています。

都市景観問題についてはわたしも感心がありましたが、官僚制度のいかなる部分と関連があるのか、判然とせずにいました。緻密な分析ではありませんが、ガイドラインとして、本書は有用だと思います。

しかし、個々の実例についてはその分析の正確さに少し不安があります。

日本の官僚制と結びついた悪しき巨大プロジェクトの一例として、カー氏は故黒川紀章氏の「東京計画2025」(1987年)を挙げていますが、おそらく筆者は黒川氏の著作、提案を読んでいないか、あるいは意図的に無視しています。カー氏は3万ヘクタールの人工島を造るという案について、「…ひとつの山脈をまるごと削り、埋め立て用の土砂八四億立方メートル(スエズ運河の掘削で生じた土砂の一二五倍)を採取しなくてはならない」、「ひとつの山脈を削り取って東京湾に島を造る」おぞましい案であると述べています。

しかし、黒川氏の案では、土砂は「ひとつつの山脈を削り取って」得るのではありません。それは環境的見地から黒川氏自身が否定しています。「土の採取そのものが新しい計画を生み出し、価値を持つように計画した」のです。

土砂の採取は房総運河の掘削、東京湾の浚渫、房総新都心の造成、都市廃棄物によってなされます。運河の造成はかつて水の町であった潤いある東京の姿を取り戻す試みであり、同時に都市防災の見地から提案されます。東京湾に溜まったヘドロを浚渫し、水質改善を行う。進行する湾岸の埋め立ての代替として、それらの土砂で人工島を造り、生態系密度の高い浅瀬や渚を守ろうという環境配慮から発想された提案ともなっています。人工島によって土地を確保し、東京内に緑をふやそうというのもその一部です。

黒川氏は文化、環境、経済などをふまえた上で、社会に対するマニフェストとしてこの案を出しており、カー氏のいう単なるモニュメントとは異なります。そういった環境配慮の側面(そもそも水の問題が黒川氏の発想の出発点なのですが)をすべて無視し、巨大さだけを強調するのは誠実ではないと思います。

この案が何の見当も加えられず、実現される可能性があるというカー氏の日本制度に対する問題提起は有用かもしれません(とは言っても黒川氏の計画はあくまで「緊急提言」ですが)。しかし、数字と規模の大きさだけで読者を驚かせ、(嘘を混ぜて)「巨大プロジェクト」は良くないと黒川氏を批判をするのであれば、それこそ筆者が非難する統計のマジックと大差はないでしょう。

黒川氏の著作を一つでも読めばわかることですから、同様のミスリード(あるいは誇張表現)は他にもあるかと思われます。

本書は一視点としては有用でしょうが、個々の実例分析については、不安があります。その意味で、星三つとしました。

外国人だからこそ書ける"本当のこと"投稿者acrophobia2012年6月15日

 

最初にこの本を読んだ時に我が意を得たりと思いました。常識的な日本人なら誰でも気が付いていながら、指摘しなかった、或いは気が付かないふりをしていたことをズバリとついてます。カー氏の指摘に耳の痛い思いをする人が多いと思いますし、今後も現実から目を背ける人もいるでしょう。

土建国家日本の本質。

この本が書かれてから10年以上経ちますけど、日本の国土の破壊は続いています。人口も自動車も減り続けてるのに国債を発行して作られ続ける高速道路、マンションが増え続ける京都の街並み。

それにも拘わらず、「美しい日本」と言う言葉が溢れかえっても誰も疑問を呈さない。日本人と言うのは自分の見たくないものを無意識に視界の外に追いやる技能が備わってるのだろうか?

少なくとも自分はそうなりたくないものである。

【忙しくても読んでおきたい一冊。】問題があることを認識しながら既存のシステムに依存し、苛立ちを感じつつも、打開策を見出すことなく煩悶しているこの国の姿が歯切れのいい言葉で分かりやすく、鋭く描かれている。著者が描いたこの「日本の肖像」は、私個人の姿のようでもあり、世界中が抱えているじれんまのようにも思え、読後、頬を思いきり張られたような痛みが残った。巻末にまとめて参考文献が記載されていると、それぞれの問題について、もっと深く知りたいという人のために役立つと思う。

「この国はどこか狂っている。」と感じている人に手にとって欲しい本。

無題形式: 単行本 建築家、香山壽夫氏が『都市デザイン論』のなかで推薦しておられたので購入しました。香山氏は信頼できる方だと思っているので、本書についても大筋では信用しています。

都市景観問題についてはわたしも感心がありましたが、官僚制度のいかなる部分と関連があるのか、判然とせずにいました。緻密な分析ではありませんが、ガイドラインとして、本書は有用だと思います。

しかし、個々の実例についてはその分析の正確さに少し不安があります。

日本の官僚制と結びついた悪しき巨大プロジェクトの一例として、カー氏は故黒川紀章氏の「東京計画2025」(1987年)を挙げていますが、おそらく筆者は黒川氏の著作、提案を読んでいないか、あるいは意図的に無視しています。カー氏は3万ヘクタールの人工島を造るという案について、「…ひとつの山脈をまるごと削り、埋め立て用の土砂八四億立方メートル(スエズ運河の掘削で生じた土砂の一二五倍)を採取しなくてはならない」、「ひとつの山脈を削り取って東京湾に島を造る」おぞましい案であると述べています。

しかし、黒川氏の案では、土砂は「ひとつつの山脈を削り取って」得るのではありません。それは環境的見地から黒川氏自身が否定しています。「土の採取そのものが新しい計画を生み出し、価値を持つように計画した」のです。

土砂の採取は房総運河の掘削、東京湾の浚渫、房総新都心の造成、都市廃棄物によってなされます。運河の造成はかつて水の町であった潤いある東京の姿を取り戻す試みであり、同時に都市防災の見地から提案されます。東京湾に溜まったヘドロを浚渫し、水質改善を行う。進行する湾岸の埋め立ての代替として、それらの土砂で人工島を造り、生態系密度の高い浅瀬や渚を守ろうという環境配慮から発想された提案ともなっています。人工島によって土地を確保し、東京内に緑をふやそうというのもその一部です。

黒川氏は文化、環境、経済などをふまえた上で、社会に対するマニフェストとしてこの案を出しており、カー氏のいう単なるモニュメントとは異なります。そういった環境配慮の側面(そもそも水の問題が黒川氏の発想の出発点なのですが)をすべて無視し、巨大さだけを強調するのは誠実ではないと思います。

この案が何の見当も加えられず、実現される可能性があるというカー氏の日本制度に対する問題提起は有用かもしれません(とは言っても黒川氏の計画はあくまで「緊急提言」ですが)。しかし、数字と規模の大きさだけで読者を驚かせ、(嘘を混ぜて)「巨大プロジェクト」は良くないと黒川氏を批判をするのであれば、それこそ筆者が非難する統計のマジックと大差はないでしょう。

黒川氏の著作を一つでも読めばわかることですから、同様のミスリード(あるいは誇張表現)は他にもあるかと思われます。本書は一視点としては有用でしょうが、個々の実例分析については、不安があります。その意味で、星三つとしました。

日本と景観

投稿者kebab2002年8月4日・日本の景観に関する限り、著者の視点には共感できる。ストックホルムから東京に戻ってきたとき、この国の都市政策には景観という概念が存在しないのではないかと感じた事を思い出す。

日本の官僚制の弊害や、景観への無策について日頃から問題意識を持っている人にとって特に驚くべき事は何も書かれていないが、この本をきっかけに様々な情報源にあたってみるのも悪くないと思う。

発展途上国思考の国・日本は経済的には最先進国の一つであるにも拘らず、政治・経済・社会の根底には未だに国力増強・国土開発を主目的とする途上国的思考が流れている、と著者は述べています。 本書は大方の日本人が日々、疑問や怒りを抱いている日本の現実に、アメリカ人の著者が正面から怒りをぶちまけた日本論です。 何故、古く、美しく、伝統ある町並みをぶち壊して京都タワーや京都駅ビルのような怪物建築が建てられてしまうのか? これ以上高速道路が必要なのか? 本来、人間ならば我慢すべきではないこと(通勤地獄、長時間労働、公金横領、過度な老人支配)にも、何故日本人は文句を言わず堪え忍ぶのか? 他人が我慢することによって誰が得をするのか? これ以上、日本を汚してはならないと切に願い、何かをしなければならないと考えているすべての人にお薦めしたい。 本当なら、日本人に著して欲しかった本ですね。

この国の行く末を憂う まずおもて表紙の写真を見て,一瞬肌寒さを感じる。

ありふれた一軒の民家が山すそに建っている。家の前は広大な農地。 これだけだと,ごくありふれたのどかな山里風景である。まさに,日本を代表する農村風景といったところか。

ただ,この家の背後には,高速道路であろうか,山すそをかすめるように水平方向に直線が走る。そして,この構造物を維持するために,広大な規模のコンクリート構造物が山の斜面を覆うのである。道路下には,コンクリートの直壁が築かれ,無骨な壁面が広がる。そして道路上斜面は,まるで子供のブロックを組み立てたように,様々なタイプの法面用コンクリートブロックが覆う。きわめつけは,ブロックを斜面に縫い付けるためのアンカー。

アメリカ人でありながら,日本を愛し,日本に住み続ける著者が,現代の日本そして日本人に対し大いなる苦言を呈したのが本書である。

日本という国の経済構造が,公共工事を中心とした産業連関からなり,この国はいまや,恵まれた自然を食いつぶしていくことでしか運営していけない「土建国家」となりはててしまったことに対し,指摘をする者は多い。しかし,それらのほとんどは,世界でもたぐいまれなる豊かな自然を有する国土の荒廃を嘆く論調に終始する。

しかし,この著者はさらに一歩筆を進め,そのような荒廃を招いた日本人の心の退廃,そしてそのような退廃を生み出した,様々な日本のシステムにまで言及している。われわれは,これから自分達の国をどうしていくべきか,著者の最後通牒ともいえるこの本の主張に真剣に耳を傾け考えていく必要がある。

それも手遅れでなければよいのだが。

現代の日本人が、意識し、知っておくべき問題点

経済大国、先進国といわれるようになって数十年たつのに、生活の豊かさ、生き易さを感じにくくなっている、現代の日本。その日本について、始めから終りの17章まで、日本に住む日本人にとっては、耳の痛い指摘ばかりでした。

その厳しさに正直、日毎に覚悟を決めて1章ずつ読むのがやっとであったと告白します。親日家の外国人の多くが日本賛美の言葉を並べる一方で、こうした問題点の切り口で語られる本は少ないでしょう。

日ごろ何となくおかしいと思っていた事、公然の秘密となっている世の中の仕組みなどについて遠慮なく指摘しズバリと書いていますが、解決策については提言を避けています。

解決方法は、日本に居る日本人が考え、行うしかないのです。問題点を素直に認め、何十年も前に決めた『鬼』計画の実行を止め、変えていくこと。筆者の言葉を借りれば、『実』のある体系に組直すことでしょう。

我々の生活を変える鍵がどこにあるのかを意識し、行動に移すために読んでおくべき本だと思います。

特に政治家の方には必読ではないかと思いました。

外人の目から見た日本、というのはよくある話で、西欧かぶれにはうなずけても、ホントに日本のことを考えている人間には、なんか納得がいかないもの。でも、この本はかなり鋭い。なぜか。きっと著者が日本に住みながら、キチンといろいろな実践をしているからではないか。その重さがあるから、説得力があるのだろう。とはいっても、そんな外人は数多いる。それでもいいのは、やはり空論ではなく実地に調べているからだろう。やはり、クロフネしかないのだろうかと思ってしまう日々だが、本書は勇気を与えてくれるということでは、お前たち自力でやれと励ましてくれるということでは、ゆで蛙の形容がピッタリのたそがれ日本にはいい刺激と思ってしまう。

教育の荒廃と日本の荒廃

本書を読むと、どんなに前向きで意気揚々とした人でも一瞬、厭世的になってしまいそうだ。それほど、日本の現実が切羽詰まったものになっていることを知らされるからである。あらゆる角度からこんなに徹底的な指摘を受けると、遣りきれなさで怒ることもできなくなる。その中でも一際、深刻なアイテムが”教育”であることを、読者は思い知ることになるだろう。

決して金やモノの呪縛のせいではない。大元は心である。すべてはそこから始まる。その心をつくるべき”教育”の荒廃が今日(こんにち)のすべての原因だと、評者も思う。自然に親しみ、自然と共生してゆく思想が消え失せた代わりにあらゆる価値を金(かね)で推し量る世の中にしてしまった”教育”の杜撰さ(為政者にとっては巧みさ)がずっと省みられることなく今に至っていることこそ悲しむべき問題なのだ。

誰もがうすうす気づいていたとしても、結局どうにもならなかった”見えざるマインドコントロールシステム”の圧倒的な力……。それにがんじがらめになって洗脳されてしまった大人の世代が少しでも目覚めて自分を取り戻すことは火急の課題だが、やはり、子供へのまともな”教育”を最優先しなければ、本当に日本の未来はない。ともかく、アレックスが”外からの眼”で眺めたからこそ、この本は成ったように思われる。

日本人なら徒らに暴露的、あるいは自虐的になるだけで、どう頑張っても冷静には書けそうもないからだ。

しかし、アレックスの視線と嘆きは驚くほど日本人の心そのものである。加えて、アレックスが日本を本当に好きでなければこれほど事細かに追求はしなかったであろう。そこが救いになっている。日本の政治家は必見の書では?

投稿者ジダン田2004年1月4日

「官僚はオンのボタンは押せてもオフのボタンは押せない仕組みになっている。」オンのボタンを押すことが住民の幸せにつながり、予算もつくこのシステムのおかげでどんどん美しい日本を切り崩していく。

外国人からみた厳しい日本の現実に目を向け 一度素直に見直すことは我々日本人にとって本当に必要なことではないだろうか。本書は教育や文化環境、経済 多岐にわたって日本のおかれた問題を指摘している。効率とか便利さを追い求める代償として、日本的文化や美しさを失っていく現在進行形の現実をこの本を読んで改めて衝撃を受けた。

13:37 2016/12/17

 

悪法! ! 「大麻取締法」の真実 ~「金の卵」を意識的につぶしている実情を知ろう 単行本(ソフトカバー)  – 2012/8/7 船井幸雄   (著)

内容紹介

10兆~30兆円の経済効果が期待できる日本の「宝」を自ら取り戻そう! この法律を廃棄すればわが国は豊饒な国となれる! ! ! 戦後、GHQが日本に作らせた大麻取締法は実は日本の国力を削ぐための陰謀の可能性があった。もともと日本にある大麻は薬物として使用できるものではなく、皇室の伝統行事とも絡み、日本人の衣食住に欠かせないものであった。それなのに禁止されているのは石油業界や酒類業界、そして既得権益を守る官僚主義に原因がある! 大麻取締法という支配の道具を国民の手に取り戻そう!

10兆~30兆円の経済効果が期待できる日本の「宝」を自ら取り戻そう。この法律を廃棄すれば、わが国は豊饒な国となれる。登録情報

単行本(ソフトカバー): 241ページ出版社: ビジネス社 (2012/8/7)

言語: 日本語・発売日: 2012/8/7

目次

序章 大麻についての大誤解

第1章 大麻の有効性を認めないで厳罰に走る日本

第2章 多種多様な良い効果を持つ大麻の可能性

第3章 なぜ大麻は規制されたのか、その真実

第4章 大麻取締法は国家の陰謀か?

第5章 大麻取締法の撤廃や上手な運用で日本は豊かになれる

13:34 2016/12/17

 

悪法・大麻取締法の真実・船井幸雄・戦後日本が失ったもの・犬と鬼・知られざる日本の肖像・

下條村自立(律)宣言~ 村民との協働による村づくりと、村民一人ひとり

の顔が見え体温が感じられる行政を目指して ~国は「三位一体の改革」によって地方交付税と補助金を大幅に削減し、地方へ財源移譲して、地方分権の推進と地方の自立を目指しています。そのためには、市町村合併によって自治体規模を大きくし、行財政基盤を強化することが最も近道であると考えています。

しかし、「変革期における市町村のあり方研究会」の報告にありました様に飯田下伊那地域は、全国でも稀に見る合併しても効果が出にくい地域であります。下條村としても合併研究委員会において検討を重ねた結果、ここ10年来の徹底した行財政改革と資材支給や合併浄化槽等の村民参加の促進によって、仮に地方交付税が4割削減されてもゆるぎない財務体質となっており、自律的な自治体構造が既に完成しているという認識に至りました。

3回の地区懇談会を経て、本年2月に、20歳以上の全ての村民3,279人を対象にアンケート調査を実施したところ、2,865人(回答率87.37%)の方からご回答をいただき、自立(律)に賛成が2,110人(73.6%)、反対が110人(3.8%)とほとんどの方が自立(律)を望まれているという結果が得られました。

この結果を重く受け止め、本日この合併研究委員会において、下條村としては現在のまま自立(律)でいくよう全会一致で決定されましたことを、村民の皆様にご報告申し上げます。

村民の皆様が自立(律)に村の未来を託していることに改めて身が引き締まるとともに、右肩下がりの社会経済情勢の中にあって自立(律)の道を歩むことは資料でお示しした様に、今まで以上のご協力をいただかなければなりません。

今後は新しい地方自治確立の大きなうねりの中、広域連携等による行政効率化を模索しながら、村民の皆様の更なるご理解とご協力によってより住みやすい魅力ある村づくりに邁進して参る覚悟でございます。

平成16年2月26日       下條村長

下條村の将来についてのアンケート結果(20歳以上の全村民対象)

アンケート回答者数   2,865 人アンケート対象者数         3,279 人(配布日:平成16年2月 2日)

アンケート回答率     87.37 %(回収日:平成16年2月16日)

 問1.あなたの性別は?     人数  構成比

男性    1,411 49.3%        ・女性 1,438 50.2%        ・記入なし16         0.6% 計2,865     100.0% 問2.あなたの年齢は?

20歳代        334   11.7%       

30歳代        372   13.0%       

40歳代        423   14.8%       

50歳代        473   16.5%       

60歳代        434   15.1%       

70歳代        513 17.9%        

80歳以上     312 10.9%        

記入なし       40.1%         計    2,865 100.0%

 問3.あなたのお住まいの地区は?

阿知原・小松原        273   9.5% 

粒良脇・大久保        371   12.9%       

山田河内       529   18.5%       

親田    570   19.9%       

新中原・北又・合原   541   18.9%                 入野    259   9.0% 

         五部落 311   10.9%                 記入なし       11     0.4% 

          計    2,865 100.0%

 問4.あなたの職業は?

農林業 491   17.1%                 自営業 225   7.9% 

         会社員 823   28.7%                 公務員 133   4.6% 

         主婦    408   14.2%                 学生    431.5%     

         無職    534   18.6%                 その他 197   6.9% 

         記入なし       11     0.4%   計    2,865 100.0%

 問5.あなたの通勤・通学地は?

下條村 967   33.8%                 飯田市 606   21.2%       

阿南町 64     2.2%           阿智村 25     0.9% 

泰阜村 14     0.5%           下伊那郡       80     2.8% 

県外    38     1.3%           その他 74     2.6%

記入なし       997   34.8%                  計    2,865 100.0%

 問6.地区懇談会等への参加有無は?

ある    870   30.4%                 ない    1,929 67.3%       

記入なし       66     2.3%            計    2,865 100.0%

 問7.自立(律)でいくことに賛成ですか?       

         賛成    2,110 73.6%       

         反対    110   3.8% 

わからない    602   21.0%       

記入なし       43     1.5%     計 2,865 100.0%     

8:25 2016/12/16

 

下記は町長、町議会議長ほか主な関係者にコピイを配布しました。

下條村伊東村長を囲んでの会派勉強会の報告   (H20年11月  黒岩)

11月5日長野市で私と同志議員4名(6人のうち2名は所用欠席)にて、伊藤村長を囲んで、先方の話しを聞くだけでなく、当町の実情を踏まえた質疑応答など、集中的・効率的な勉強会を行いました。下條村は人口4200人余りの小さな村ですが、今期5選目の伊藤村長の独自の発想力と、驚くべき実行力のもとで県下トップクラスの健全財政を確立し、それをベースとして積極的な地域活性化策で少子化、人口減に歯止めをかけた「奇跡の村」として全国で有名です。

財政健全度を示す一つの指標である実質公債費比率(借金負担の大きさ)では、下條村は県下81市町村のうち常にベスト3に入り、一方当町はH19年度で下位から28番目です。また行政の貯金にあたる基金総額は30億円に近く(人口が約3.5倍の当町は約25億円)、村の人口は平成2年に比べ約10%増、出生率は1.97(全国平均1.36)、町税の収税率100%(当町はH19年度は約70%)と言う状況です。

観光不況とは言え、わずか10数年でなぜこんな違いが出てきたのか、当町にとって何か参考になることはないかと言うのが今回の勉強会の目的でした。伊藤村長のお話を伺って我々議員グループが感じたのは、当町では周辺状況が違うので、今からそのまま下條村を真似ることは出来ませんが、基本的な姿勢と、発想力と、実行力は、是非とも学ばなければならない、それから具体的な施策の一部は非常に参考になる、と言うことでした。

我々の事前勉強と当日のお話から、いくつかポイントを例示します。

① 健全財政が確立できた一番大きなポイントは汚水処理について下水道方式でなく建設、維持コストが格段に安い(一概には言えないが、5分の1位?)合併浄化槽式を採用したこと。この決定をするに当たっては、国の誘導に盲従せず、且つ周囲との横並びではなく、自分達のしっかりした考えがあったからこそ出来た。(当町では農村部でも下水道は既にほぼ出来上がってしまっているので、それを前提に次善策を考えざるを得ない。)

 

② また町の公共投資額を極力抑えた。例えば200万円程度迄の道路建設修理などは、いくら住民から要求があっても一切拒否し、資機材供給ならば行なうことにした。結局住民は資材の供給を受け、機材を借り入れて自分達の労力奉仕でやれば、何年も予算待ちなどせず、道路もすぐ良くなることに気がついた。この方式の工事は累計で1200件になる由。費用は5分の1以下?

当初は、税金を払って居るのだから町がやるべきだと不満であった住民も、やって見れば、即効性があり、お金の面でも将来を含めて結局住民の得になることが判って、住民の結束と意識改革と言う副次効果もあった。

③ 行革は財政改革の切り口から入るのが、数字が示せて判り易いと。また職員の意識改革が必須である。これは一見乱暴な方法でやった。わざと行政の一番忙しい時期に、職員6名ひと組で、それぞれ1週間ずつホームセンターの売り場第一線の激しい職場に放り込んで研修させた。職員は否応なしに民間の仕事が如何に多忙か、お客に対するサービスとはどの様なものかを認識した。全員一巡し一年も経たぬうちに職員の意識が変わったのが目に見えた。

④ 上記の意識改革と並行して職員数を大幅に減らし、行政をスリム化した。現在人口1000人当りの職員数は9.0人。(当町は12.6人。)

職員は従来の様に縦割りでなく一人で何役も張り切ってこなすことで仕事に自主性と張り合いが出て、士気も高くなった。

⑤ 隣の地域中核都市である飯田市との関係においては、従来は勤務者を飯田市に取られてベッドタウン化して人口減、高齢化と言う受け身の状況にあったが、発想を転換して、積極的に良質・活発で住み易いベッドタウンにすることで、逆に飯田市から若年層を吸収して定住させた。グレードの高い村営住宅を毎年計画的に建設(平成2年から15年までに168戸)して、安く(3万6千円)提供している。入居条件は、子供を増やす予定があること、及び地域の共同活動に積極的に参加する意思があること。県の補助金を受けるとこのような独自の入居条件をつけられなくなるので、県の補助を蹴とばして全部村費で建設した。また子供の医療費は中学卒業まで100%行政が負担。人口増により国の交付金も増えるし、若年人口率17.3%(県下3位)で、村が活性化し、住み易く近くに職場があると言うことで、定着率も高まり、地域人材育成にも効果をあげている。

⑥ 農産物加工施設建設、図書館建設、文化交流施設など、産業・文化面の活性化の工夫も大きな効果を挙げて、地域にたいする住民の誇り、愛着を高めている。

(以下は私の個人的な感想です。)

下條村の場合でも、物事すべてスムーズに行った訳ではないでしょうし、また伊藤村長ワンマン批判もあるでしょう。(首長は孤独だと述懐して居られた。)また今年7月の5選目の際は、少ないとは言え25%の批判票もあります。然し伊藤村長の果断な実行力を裏打ちしているのは、おそらく素直な反省力・軌道修正力と、率直なお人柄、ではないかと思いました。人間だれしも大なり小なり誤ちはありますが、概して行政と言う組織は誤ちを認めず、言い訳と過去の正当化、組織防衛に走りがちです。しかしそれでは反省力も、軌道修正力も、果断な実行力も生まれません。   以上

13:28 2009/12/03

平成28年12月16日 金曜日


大麻解禁の真実 単行本  – 2016/3/14 矢部 武 (著)


NHKアナウンサーの危険ドラッグ所持、CHAGE&ASKAのASKAによる覚せい剤使用など、

ここ数年、「麻薬」を巡るニュースが後を絶たない。

しかし、日本以上の“ドラッグ大国"と言われるアメリカではここ数年で、大麻の解禁が進んでいる。

すでに4州が合法化、18州が非犯罪化した。いったい、これはなぜなのか。

 日本では所持していただけでも逮捕されるのに、なぜ米国では若者から老人まで大麻を吸ってもいいのか。

なぜ、日本では大麻解禁の動きが起きないのか。

 欧州から米国に広がった大麻解禁の動きが日本にも押し寄せるのは間違いない。

 日本の麻薬の現状、大麻が解禁されない裏側を徹底レポートする。

内容(「BOOK」データベースより)

欧米で解禁が進む「大麻」なぜ日本ではタブーなのか?日米の違法薬物の現場を取材するジャーナリストが見た「麻薬」の実態。

単行本: 235ページ出版社: 宝島社 (2016/3/14)言語: 日本語発売日: 2016/3/14

 目次

第1章 地下に潜った「危険ドラッグ」

第2章 米国でも氾濫する「合成ドラッグ」

第3章 そもそも麻薬とはなにか?

第4章 なぜ米国では大麻解禁が進むのか?

第5章 日本人と大麻の隠蔽された歴史

第6章 ヘロイン、LSD―ドラッグ文化の現実

第7章 “麻薬大国"米国の社会的コスト

第8章 米国の「対麻薬戦争」の現場を歩く

第9章 驚くべき医療用大麻の効用

第10章 日本の薬物対策の遅れた現状


害についての記述も

欧米では大麻が解禁されているのですから、日本も解禁しましょうという簡単な話ではありません。大麻に薬としての効能があるのも確かですが、毒にもなる場合もあり、その事について書かれていたのが印象的でした。

 解禁されている国では、単純に解禁しているのではなく、危険性のある物については検査する体制が整っており、また依存症の人間が回復するためのケアも充実しているそうです。それに対して日本は、取り締まりばかり厳しくしており、薬物の検査体制が不十分で対応が後手後手に回っており、依存症の人間が回復するためのケアも十分ではありません。ゆえに逮捕されても軽い罪で済んでしまい再犯を繰り返すと言う結果になっています。

8:47 2016/12/12

 

医療大麻の真実 マリファナは難病を治す特効薬だった! 単行本  – 2015/10/7 福田一典 (著)

諸外国において、その治癒効果が認められ活用されている大麻。大麻が多くの病気に効果があることには、すでに膨大な証拠があります。

がんやALS(筋萎縮性側索硬化症)、緑内障や喘息、てんかん等の様々な病気の治療に効果が高いマリファナが使えない現実を変えていくには?

 

本書では、英語圏の論文や最新事例を元に現役日本人医師がその有効性を検証、製薬会社との癒着なき医療を目指す医師だけでなく、難病に悩む多くの人々も気づくべき事実を網羅。

 次世代医療に不可欠な大麻を多角的に知る機会を与えてくれる、初心者から医師まで必携の書です。

 《《目次》》

第1章 大麻の医療使用の歴史 1830年代に英国で大麻の医療利用が始まった

第2章 大麻はタバコや酒よりも害が少ない

第3章 大麻草成分に反応する体内システム

第4章 がん治療と医療大麻

 第9章 大麻取締法第四条:大麻の医療使用の禁止

(※本書より一部抜粋)

出版社からのコメント

昨今、先進国では医療大麻が急速に合法化されています。

本書では、大麻の成分がもたらす病状改善のメカニズムや実験報告と臨床例を多く掲載しています。

その有効性と安全性は高く実用的で、マリファナへの理解が高まり現状を打破すれば身近な医療機関でも大麻による治療が可能となるのです。

マリファナの真実を理解するにつれ、過去のネガティブなイメージは一掃されることでしょう。

 商品の説 単行本: 224ページ出版社: 明窓出版 (2015/10/7)言語: 日本語

発売日: 2015/10/7

目次

第1章 大麻の医療使用の歴史 1830年代に英国で大麻の医療利用が始まった

第2章 大麻はタバコや酒よりも害が少ない

第3章 大麻草成分に反応する体内システム

第4章 がん治療と医療大麻

 第9章 大麻取締法第四条:大麻の医療使用の禁止

(※本書より一部抜粋)

医療大麻を医学的見地から解説した書

投稿者新垣 実2015年11月19日

 

 

医療大麻に関する書物はこれまでにも多くが出版されているが、本書は医師が書いただけあって、医学的な側面から詳説されており非常に内容が濃い。疾患別によくまとめられており、大麻も有効利用すれば多くの難病の患者さんを救うことができるということが理解できる。一般の読者には多少難解な部分もあろうが、エンドカナビノイドシステムやシグナル伝達に関する記述は、これを専門とする世界の研究者がまさに研究を行っている最先端情報であり、日本のほとんどの医師が知らない内容であると言っても過言ではない。日本の医学常識はもはや世界の非常識なのかもしれないと考えさせられる書物である。一般の読者はもとより、ぜひ多くの医師に読んでもらいたい一冊である。

素晴らしい内容を分かりやすく書かれた医療大麻の全てが分かる本

投稿者本格派ベスト500レビュアー2015年11月2日

大麻は、優れた医薬品、耐久性のある繊維、食品など様々な用途に利用可能、人類にとって極めて有能な植物であることを、現代の人々の多くは忘れ(させられ)ている。

本書は大麻の利用法のうち、医薬品としての側面にスポットライトを当てた内容である。

世界中で3500年にも渡って使い続けられ、様々な疾患に対して有効でかつ副作用がほとんどない安全な薬用植物でありながら、1937年に米国でマリファナ課税法によって大麻の医療応用や研究が制限されたのは謎とされている。

米国では1840年代からマリファナはアメリカで最も人気のある鎮痛剤であり、1842年から1900年までの間、大麻草は全ての医薬品の半分を占めていた。当時、アメリカ薬局方は大麻草を100種類以上の疾患に効く主要な医薬品として記載していたという。

それが現在では、米国の規制物質法において、大麻はヘロインと同じスケジュールⅠ(濫用の危険があり、医学的用途がない)(!)に分類されている。

この謎に関する回答はこの本にはないが、「政治的なものか?」とは書かれている。

私の得た別の情報源からの情報によれば、医薬品以外にも優れた繊維として利用されていた大麻が、石油から作られる医薬品と化学繊維を販売する上で目の上のたんこぶになると考えた、スタンダードオイルのロックフェラー一族によって禁止されたというのが真相のようだ。

大麻の薬効の広さには驚かされる。

コレラ、神経痛、痛風、破傷風、狂犬病、悪液質、がん、HIV感染症やエイズ、緑内障、吐き気、慢性疼痛、多発性硬化症、てんかん、けいれん発作、クローン病やその他の炎症性腸疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、C型肝炎、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病など。がんやエイズの他に多くの免疫性疾患にも有効なのだ。

 

大麻は他の麻薬、更にはタバコやアルコールと違って致死量がない。

また、依存性もヘロイン、コカイン、更にはニコチン、あるこーる、カフェインよりも低いのである。英国の臨床系学術雑誌としてはトップクラスの「ランセット」が、大麻は医学的に極めて安全であることを断言する一方、2003年には「タバコは非合法化すべきだ」と主張しているほどだ。

 

ここまでが第2章までに書かれており、「大麻とは何ぞや」を知りたい人にとってはここまでで充分だろう。

第3章では大麻の薬効成分が効く仕組みが述べられているが、専門的な内容で一般人には理解が難しいので飛ばして読んで構わない。

第4章以降は、大麻が様々な病気に効く証拠について述べられているが、作用機序(効くメカニズム)は不明なものが多く、大麻を使って治療したい病気がある人が読めばいいと思う。

 

それにしても、アメリカからの強制で大麻を禁止された日本が、世界では多くの国で解禁の進む中、先進国で唯一大麻を全面禁止したままというのは一体どういうことなのだろう?一度作られた制度を見直そうとしないのは日本の悪い面の典型と言えよう。

 

大麻の医薬品としての安全性と万能とも言える適用範囲の広さを、非常に分かりやすく解説してくれており、読んでいて明るい未来が開けるようで実に楽しい気分にさせてくれる気持ちの良い本である。

現職の医師が書いたことに意義がある。みんなで近くの図書館にリクエスト出しましょう。

8:49 2016/12/12

 

悪法! ! 「大麻取締法」の真実 ~「金の卵」を意識的につぶしている実情を知ろう 単行本(ソフトカバー)  – 2012/8/7

船井幸雄   (著) 内容紹介

10兆~30兆円の経済効果が期待できる日本の「宝」を自ら取り戻そう! この法律を廃棄すればわが国は豊饒な国となれる! ! ! 戦後、GHQが日本に作らせた大麻取締法は実は日本の国力を削ぐための陰謀の可能性があった。もともと日本にある大麻は薬物として使用できるものではなく、皇室の伝統行事とも絡み、日本人の衣食住に欠かせないものであった。それなのに禁止されているのは石油業界や酒類業界、そして既得権益を守る官僚主義に原因がある! 大麻取締法という支配の道具を国民の手に取り戻そう!

 内容(「BOOK」データベースより) 


10兆~30兆円の経済効果が期待できる日本の「宝」を自ら取り戻そう。この法律を廃棄すれば、わが国は豊饒な国となれる。

単行本(ソフトカバー): 241ページ

出版社: ビジネス社 (2012/8/7)言語: 日本語・発売日: 2012/8/7

 目次

序章 大麻についての大誤解

第1章 大麻の有効性を認めないで厳罰に走る日本

第2章 多種多様な良い効果を持つ大麻の可能性

第3章 なぜ大麻は規制されたのか、その真実

第4章 大麻取締法は国家の陰謀か?

第5章 大麻取締法の撤廃や上手な運用で日本は豊かになれる

と多くの人に読まれるべき、重要な著作です。今一度大麻に関する事柄を熟議する場所を設けてみんなで議論するべきではないでしょうか。

悪法「大麻取締法」の真実

「大麻」に関する歴史から、効能、日本の現状までが良くわかった。

これはもっ

投稿者napt2013年12月15日

形式: 単行本(ソフトカバー)と多くの人に読まれるべき、重要な著作です。今一度大麻に関する事柄を熟議する場所を設けてみんなで議論するべきではないでしょうか。

事実を受け止めましょう! 形式: 単行本(ソフトカバー)

自分の父は筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)で亡くなりました。もし大麻が認可されていれば、父は助かってたのかも知れないと思うと残念でなりません。

悪法、大麻取締法の真実

悪法大麻取締法の真実ー金の卵を意識的につぶしているの実情を読んでこれが事実としてなら国民がこの事実がわかるようなんとかしてもらいたいとかんじました

米国と日本は真の友人であると思っている方必読の書

戦後まで日本では普通に栽培されていた麻がどんな経緯で大麻となったか?

大麻と聞くと危険薬物と条件反射で思ってしまう方は、必読の書。

ただの麻に"大"とつける愚挙は、

某宗教団体の教祖、中◯ 隆氏が大◯ 隆◯と名乗って格付けを高くしているのと同じ理論。

麻は麻であって、"大"などの文字など要らない。もし、必要と思うなら、自分所有の麻製品を大麻製品と呼ばなきゃいけない。

どれだけ米国が戦後の日本をクイモノにしてきたか解る本です。

予想以上の内容でした

タイトルは過激ですがとても考えさせられました。~「行政」という名の機械は致命的に重要な部品が一つ欠けている。それはブレーキだ~原子力問題も教育問題も社会保障問題も根は同じ~。購入以来3年「積読」して2016年に読みましたが、現在でもお勧めします。

簡略化されていて分かりやすく説明されている

大変興味深い内容に感銘いたしました。ありがとうございました。

日本🗾の文化であるので、1919年に人種平等法を唱えた日本国家神道精神で、平和的に地球生命を守り続けましょう。1907ハーグ条約第43条にも違反しています。 支配国は、その国の法令も制度も変えてはならない。

悪法「大麻取締法」の真実

「大麻」に関する歴史から、効能、日本の現状までが良くわかった。

悪法も法なり

タバコが危険ドラッグの入り口であると同様に大麻は覚醒剤の入り口と言える。そこにはもはや人間として偉大な仕事を成し遂げようという精神の飛躍はなくただ自らの生命と快楽を貪ろうという頽廃的人間中心主義とでも呼ぶべき疾患が観察される。大麻を始めとした薬物が蔓延する文明は確かに閉鎖系において平和であったがそこでは人身御供などの野蛮性、さらに外敵の侵入など環境変化に適応する高度な精神性は持ち得ず、つまりはことごとく滅んでしまった。煙草や大麻は文明を滅ぼす。

 

なるほど確かに資本主義的弱者や構造的敗者の慰みの為に大麻が必要であるという指摘には一理ある。しかしそれはやはり麻酔のごとき異例の事態であり大麻が当たり前の世の中とはすなわちユートピアではなくディストピアであろう。大麻擁護・復活論とは要するに癌化した文明の陥る精神遅滞現象と言える。

8:52 2016/12/12 


大麻解禁の真実・矢部武・平成28年12月9日・

アメリカで巻き起こる・大麻解禁ブームの裏事情。合法化の波は、いずれ日本にも!?

今年2月・元プロ野球選手の清原氏が覚醒剤取締法違反の罪で逮捕されたことをきっかけに、再び世間の大きな注目を集める事になった「薬物」の問題。

・一般に「ハードドラッグ」と呼ばれる覚醒剤やヘロイン、コカインなどがじわじわと日本社会を蝕む一方で、従来の法規制の網を逃れた「脱法ハーブ」などの広がりも、ここ数年大きな社会問題となっている。

・そんな中、年間4万7,000人もが薬物の過剰摂取で命を落としている「麻薬大国」のアメリカで、なんと「大麻(マリフアナ)の合法化」が進んでいるという。

・なぜ、アメリカは大麻解禁に動き出したのか、大麻は本当に危険なのか?アメリカの麻薬問題に詳しいジャーナリストの矢部氏が現地取材を元に、その背景に迫ったのが本書だ。

・アメリカで近年、大麻使用の合法化が進んでいると知り、驚きました。いつ頃から、この動きが始まったのでしょう?

・矢部・カルフォルニア州で、医療用の大麻が合法化されたのが今から約20年前になります。画期的だったのは、2,012年にコロラド州とワシントン州でシコウ用の大麻が合法化されたことです。その後、オレゴン州など2州でシコウ用大麻を合法化していて、その数は今後さらに増えるものと思われます。

・その背景には何があるのでしょうか?・

矢部・主に3つの理由があります。ひとつは90年代以降、「医療用大麻」の合法化と普及が進み、その幅広い医療効果が明らかになってきたこと。二つ目は、その過程で大麻の持つ健康への害が、多くの人が考えているよりも遙かに小さいことが証明され、たばこやアルコールと同様に一定のルールを設ければ、そのリスクは十分にコントロールできるものだと言うことが分かってきた。

そして三つ目が、大麻の所持や使用を禁止したり、犯罪者を取り締まったりするための社会的、経済的なコストが大きすぎるという点です。

アメリカで薬物関連の逮捕者は年間150万から160万人に上り、そのうち半数近くが大麻で捕まっていますから、その社会的コストは莫大です。

・そもそも、本当に、大麻は安全なのでしょうか?麻薬や覚醒剤など、他のドラッグと大麻では何が違うのですか?

矢部・アメリカでは「ハードドラッグ」や「処方薬」などの過剰摂取で年間約4万7,000人が亡くなっていますが、大麻過剰摂取が原因でなくなった人は報告されていません。

大麻には致死量がないと言われています。私が取材した薬物専門医も「大麻をすって深刻な病気になったり、命を落としたりという話は聞いたことがない」言っていました。

また、米国医学研究所(IMO)が行った依存症に関する研究によれば、使用者の中で依存症になる人の割合が最も高いのはタバコで32%、次にヘロイン23%、コカイン17%、アルコール15%と続き、大麻は最も低い9%です。

・それに、何回もふかし続けるタバコと違い、1,2回の吸引で十分な効果が得られる大麻は気管や肺に与える影響もタバコよりも小さいので肺がんになるリスクも少ないのです。

・ただ、大麻を吸っての運転とかは危なそうですよね?

矢部・もちろん、大麻を数と反応が緩慢になるので自動車の運転は危険ですし、酒やタバコと同じように未成年への健康リスクはありますから、合法化に際して一定の制限は必要でしょう。コロラド州では21歳未満の使用を禁止しています。

こうしたルールさえ守れば、大麻はそれほど危険なものではありません。それをヘロインや覚醒剤、コカインと同様のハードドラッグと見なすのはおかしいと言うことに多くの人が気づき始めているのです。

・それではなぜ、大麻の使用は長年に渡って禁止されてきたのでしょうか?

矢部・アメリカで大麻の使用を禁止する法律が制定されたのが1,937年です。一説によれば、これは33年に廃止された「禁酒法」(消費のためのアルコールの製造、販売、輸送を全面的に禁止した法律)で仕事を失った連邦捜査官に、新たな「取締」の対象を与えるためにつくられたと言われています。

また、戦後の日本で大麻が全面的に禁止されたのも、このアメリカの法規制がそのまま日本に「輸入」されたからです。

ちなみに、アメリカの大麻禁止法はその後、69年にいったん廃止されますが、ごりごりの保守派だったニクソン大統領が70年に「薬物規制法CSA)」を制定し、大麻を禁止しました。その際、大麻の健康へのリスクは低いと言う報告書を強引に握りつぶしたと言われています。

「薬物規制法」による薬物の危険度をします分類では、大麻はヘロインと共に最もリスクが高いグループに分類され、その下のコカインや覚醒剤よりも危険だと言うことになっている。こうした矛盾が明らかになってきたからこそ、いま、アメリカで大麻解禁への動きが広がり始めているわけです。

・アメリカでの変化を受けて、将来、日本でも大麻が解禁される日が来るのでしょうか?

・矢部・日本では大多数の人たちが大麻をヘロインや覚醒剤のようなハードドラッグと同じようなものだと考えていますし、そうした認識が変わるにはまだまだ長い時間が必要でしょう。

しかし、医療用の大麻についてはできるだけ早期に認めるべきではないか、と言うのが私の考えですね。これまでの研究で、医療用の大麻には非常に大きな臨床応用の可能性があることが明らかになりつつあります。

すでに大麻の成分を使用したてんかん治療薬がイギリスの製薬会社によって実用化されているほか、多発性硬化症、糖尿病、アルツハイマー病などの治療への応用も期待されています。

医療用大麻の合法化によって、こうした新薬の開発を積極的に進めることは、超高齢化社会を抑えている日本にとっても大きな意味があるはずです。

また、大麻に対する根拠のない偏見や誤解を取り除き、「本当に危険な薬物」と「そうでない薬物」の違いをより多くの人たちが認識することが大切です。

それが、覚醒剤やヘロインと言ったハードドラッグはもちろんのこと、脱法ドラッグや脱法ハーブなどの「本当に危険な薬物」から人々の命を守ることにも繋がると思うのです。

平成28年12月10日

 平田牧場・丸菱産業株式会社

『独裁者』『民主主義の破壊者』と散々な言われ方をされてきた僕ですが、私人に戻った今だからこそ、皆さんにお話したいことがたくさんあります。府知事、市長在任中に、メディアで報じられたことは全体の中のほんの一部。しかも、いちいち訂正するのが間に合わないほどに好き勝手に報じられました。僕が何を考え、大阪府、大阪市の改革、そして大阪都構想を目指したのか。小さな弁護士事務所の代表から38歳で政治家に転身した僕が、いかにして数万人規模の役所組織をマネジメントしたのか。資金も組織もない中でいかにして政党を作り上げ、マネジメントしたのか。それまでの役所の常識・行動様式とぶつかり合い、いかにして前例のない大胆な改革を実行したのか。そういった本当に価値のある話は、メディアは報じてくれないんです。だから自慢話を織り交ぜながら(笑)、皆さんのビジネスに少しでもお役に立ててもらえればという気持ちで全てを話すためにメールマガジンを始めます。僕を散々に批判してくれた人たちとも、今まで以上に議論を戦わせていきたいと思っていますので、どうぞよろしく。

2016年11月15日【2017年1月の配信についてのおしらせ】1週目の火曜日(1日3日)はメールマガジンの配信はお休みとなります。5週目の火曜日(1月31日)は配信予定です。 2016年10月18日【11月の配信についてのおしらせ】5週目の火曜日(11日29日)はメールマガジンの配信はお休みとなります。 2016年4月5日公式メールマガジンの配信を開始しました。今後は毎週 火曜日(月4回)発行予定です。 2016年3月23日公式メールマガジンの購読申込を開始しました。 

メルマガサンプル 学者やコンサルでは伝えられない 橋下徹の「問題解決の授業」[Vol.1]2016年4月5日 配信

■私人となった今、メールマガジンを発刊するわけ

2008年に大阪府知事に就任し、その後、大阪市長となって任期を終えるまでの8年間は、まさに戦いの連続でした。

僕もこう見えて普通の人間ですからね。38歳弁護士、テレビに出て多少名前は知られているが、何か特別な能力を持っているわけでもない。そんな状態で府知事選に立候補し、役所に乗り込んで改革のため、一生懸命汗水たらして頑張りました。

今振り返ってみても、しんどくなかったと言えば嘘になります。でも、僕が政治家になろうと思った最初のきっかけは、デタラメな税金の使い方を正して、将来の大阪のためになるように、税金の使われ方を公平・公正にしたいと考えたことです。その目標を達成しようとすれば、批判が巻き起こるのは当然。既得権益者に流れるお金をストップしようというのですから。

さて、8年間戦い終えて、今となっては一私人となった僕が、なぜメールマガジンを始めるのか。それは僕が政治家として活動してきた中で、稀有な経験をたくさんしてきたからです。その話に価値を見出してくれる人に対して、従来のメディアのように制限を受けることなく、思いっきり発信したい。世間に影響力を持つ人は、電子媒体の力に注目している人が多いですしね。

いきなりいやらしい話になってしまうかもしれませんが、僕の経験を全部無償で提供するというのは、ちょっと違うなと思いました。「税金で学んだくせに」と文句を言われるかもしれないけど、府政・市政において、公人として果たすべき役割については、精一杯やってきたつもりですから、そこで何か言われる筋合いはないだろうというのが僕の結論です。

では、僕が得た知見には、どんなものがあるでしょうか。たとえば、組織のマネジメントについてです。しかも、規模としては超弩級、数万人クラスの役所を、どうやって改革したのかという話。どうですか、興味あるでしょう。

■僕が乗り込んだ大阪府庁は、本当にデタラメな組織だった

少し、大阪府庁についての話をしましょう。大阪府庁に乗り込んで最初に驚いたのは、その危機意識のなさです。財政上、非常にまずい状況にあるにもかかわらず、「倒産しない組織」という刷り込みが強く残っている。意思決定の流れ、思考過程、行動様式、ありとあらゆるところに、「倒産しない」と考えていることが表れていました。

府庁で最初の幹部会議を開いた際、財政担当の副知事以外は、副知事という要職にありながら、府の財政状況を知らなかった。大阪府庁で部長というと、企業でいうところの執行役員ぐらいのクラスですが、この部長たちも知らない。知っていたのは財政担当副知事と財政当局の一部のみ。そもそも、民間でいう役員クラスが集まる役員会議というものが、大阪府には存在しなかった。

民間であれば、そうはいかないはず。自分が勤めている会社が膨大な借金をしていて、それがどんどん積み上がっていっていることがわかっていれば、この会社はどうなるんだろう、自分の雇用はどうなるんだろうと心配するだろうし、役員であれば、会社を倒産させないために必死になるはず。

最近では、ガバナンスを利かせた企業経営をしないといけないということが盛んに言われていますが、あの頃の大阪府庁にガバナンスなんて概念は存在しませんでした。

大阪府の職員は教員、警察官も入れると全部で8万人を超えます。大阪市も3万5000人超。それだけの人数を抱えた組織で、まったくガバナンスが利いていないという状況を、ちょっと想像してみてください。経営者の方であれば、それだけで胃が痛くなるのではないでしょうか。

僕は大阪府知事就任前、10名規模の小さな法律事務所を経営していました。弁護士という肩書を持っていたとしても、収入がなければ倒産は免れない。だから、日々経営に頭を悩ませていましたよ。顧客に満足してもらうにはどうすればいいか、サービスをよくするにはどうすればいいか、経費を収入の範囲内でどう抑えるか。弁護士やコメンテーターとしての活動の合間に、そんなことをずっと考えていた僕からすると、当時の大阪府庁はまったく信じられない状態だったわけです。

まあ、これは何も大阪府に限ったことではないでしょう。都道府県の多くは、知事は総務省から天下ってきます。僕は大阪府庁の横にある知事官舎も要らないと言いましたけど、全国の天下りの知事たちは「とんでもないことを言ってくれる」という感じだったでしょうね。知事たちは、知事官舎に地元財界の有力者なんかを呼んで食事会をする。それが地元の人にとってはステータスだし、知事も殿様気分です。江戸時代の幕藩体制がそのまま残ってるような世界なんです。大阪の知事官舎は公館に切り替えて、会議室として使うようにしましたから、もう、殿様気分を味わうことはできなくなりましたけどね。

このメルマガで発信したいのは、そんな状態だった大阪府や大阪市の職員に、どうやって危機意識を持ってもらい、改革の意思を根付かせたかということがひとつ。それから、無責任な発言で大阪の改革にケチをつけてきた人々に対して、新たな立場から、再び反論していきたいということもあります。

■在任中の批判にも、今こそじっくりこたえられます

僕は在職中、学者やコンサルタントからたくさんの攻撃を受けました。僕自身も彼らに徹底反論してきましたが、彼らの意見の多くは的外れで、現場で起こっていることが見えていないし、今すぐ対処すべきことをわかっていない。しかも、何ら責任を負っていない立場からの放言なんです。

責任ある意見と責任のない意見はまったく違います。僕は政治家時代、外部から多くの有識者を登用しましたが、そういった人々は、ほかの学者・コンサルと違って、無責任な態度は取れなくなります。役所の中に入って、組織を動かそうとすると、単なる意見、提言だけでは組織は動かない。実行できる責任ある意見と、組織を動かすマネジメント力が必要で、学者はもちろん名だたるコンサルでもその力がないことがよくわかりました。

僕は独善的にトップダウンで物事を決めていったと思われているかもしれませんが、僕が最終的な決定を下す前に、幹部や有識者たちが徹底的に議論を尽くしていました。でも、議論を尽くしてみて、右に舵を切るのがいいのか、左に舵を切るのがいいのか、本当にわからなくなることがあるんです。ただはっきりしているのは、今までと同じではだめということ。そこで僕が政治家として、その都度判断し、思い切って舵を切った。

そこでの判断基準は、正直言って、僕の単純な基準に従いました。大胆な方向でいくのか、おとなしめの方向でいくのか。僕は議論が行き詰まったときは、必ず大胆な方向に進むようにしていました。これは政治家時代から、ずっと同じです。僕に批判を浴びせていた人たちは、自分が当事者として、どちらの道がいいのか本当に悩むけれども、とにかく判断をしなければいけないというときに、あんなくだらない頓珍漢な批判を浴びたらどうなるか。僕以上に怒り狂って反論するでしょうね。

本当にぎりぎりの場面で、そこに至るまでにどのような議論があったか、僕が何を考えて選択を行ったか。それを明らかにします。そうすると学者やコンサルの批判がいかに頓珍漢かが明らかになりますよ。ほんと日本には使える学者、コンサルがいかに少ないか。

■トランプ大統領、大いに歓迎。発信したいことは山ほどあります

それから、メディアに対しても言いたいことはいっぱいあります。在任中は、メディアの取材能力のなさに辟易しましたから。現場の記者はそれぞれに頑張っているんだろうけど、本質部分について正確に突っ込んでこれる人はほとんどいませんでした。それは、現場というよりも、かつて記者だったデスクや本社側に問題があるのかもしれません。とっつきにくい本質の部分を避け、視聴者が喜ぶ表面的なものしか報じない。

実は政治評論家も同じで、的確に本質を突ける人は皆無だった。僕への批判も的外れでしたけど、そんなもの、改革に邁進しているときに、いちいちまともに相手にしていられませんでした。当時の指摘がいかにおかしいものであったかを説明できる余裕が、今になってようやくできたので、こちらも皆さんにお伝えしていきたい。

それに加えて、時事問題についての自分の考えも発信したい。最近の話題でいえば、僕は“トランプ大統領”が実現したら、政治が刺激を受けると思いますね。こんなことを言うと、「橋下は独裁者としてシンパシーを感じているんだろう」と言い出す人がいるかもしれませんが、はっきり言って、独裁なんて今の社会では無理ですよ。彼が大統領になったとしても、共和党にだってタカ派からハト派までそろっているし、優秀な官僚たちも大勢いる。トランプ氏の言うことが本当にむちゃくちゃだと判断したら、官僚たちは「仕事を進めない」ことで抵抗ができる。

米国民が彼に期待しているのは、メキシコとの国境に、メキシコの出費で壁を作らせることではなく、政治を変えることなのだろうと僕は思っています。既得権益と結びついた政治家出身の大統領では、それが無理だと米国民はわかっている。だからトランプ旋風が巻き起こるんです。

とまあ、僕はこんな性格ですから、こんな物議をかもしそうなことも、積極的に発信していくつもりです。加えて、読者であるビジネスマンの皆さんの悩みに答えられるなら、全力で知恵を絞りたいと思っています。MBAの授業や、コンサルに頼んで高額の報酬を払っても絶対得られないような経験をし知見を得てきたこの橋下徹のメールマガジンに、今後もぜひご注目ください。

■その他コンテンツ

http://hashimoto.president.co.jp/#

4:20 2016/11/30 


議会とは、国民の代表であるので、課題の分からないでは、ならない?国民に優しく説明する氏名と責任がある、

徹底的な行革を、求め続ける、議員との伝える、に条例でメールを持つ義務を与えて、これを後悔して、国民が評価する議員を、

地方創成は議員次第、雇用増の、血税の使い方を決定する、真の代表だ。

議員の力は首長以上、知ろう、働かそう、よりよい龍郷町作りには議員の力を、国の法整備、自治体の法政上から地方自治体の、

国民の幸福度を向上する、議員は専門的な審議をして貰わないと、

3/龍郷町に住む、人々は皆友人です。日本一の龍郷町を皆様と共に、作り上げて、若い人に夢のある豊かな社会を、つくりあげましょう。

20の集落同士をミニバスでつなぐ、ことで共同体の意識で、助け合いの龍郷町を?

ゴミの完全分別でゴミ処理費の削減・した打てに中間処理場で、30人ぐらいの雇用をつくりだす、これも国の補助金事業だと、建設費用が高くなるので民間資金で工場を(鹿児島県大崎町で視察してきました)

農業委員会は仕事をして、こうさきほうきちはなくす、これも承認権がある議員さんの仕事が、条例で決めても、提案権を使っても、

職員はタテワリで仕事をやっていては町民の負担できない、横断的に仕事をして、下條村並に少数精鋭で

議員様は、町の万能者、国民との対話を大切に、連絡場所を明記、副業を禁止して大切な議員活動を、

都道府県幸福度ランキング

女性の活躍に向けて、移住者の幸福度を、

 

皆さん私どもの手で島を活性化しませんか

私は荒れた先祖の田雲の山林を採石業者の破壊から守り・アダン・ソテツ・シャリンバイなどで増やし・自然の状態に戻して来ました、自然の状態で、未来に残しました。

貴重な予算は税金・行政職員には、予算の優先順位などを考え、を奄美大島の中程の田雲川には橋を架けないで、経済的な島の人々の生活向上はできない。

・役人さまでは創意工夫はできないし、予算を例年通り、使い国民の貴重な血税を税金、使い方を? 考えないから奄美大島のネットワークが切れているのに・対策を考えないで・和光・おがみ山ルートを強行して・太平洋側に道路を作ってこなかった、この損出は大きいのです、LCCが2便も都会から飛んでくる時代に、受け皿を考えない自公の政治・

ガソリン税自動車は月平均一軒あたり、8,000円×1,000軒では800万円も一ヶ月に払っている血税を?

役人にはできない・未だに奄美市の土木課は計画ないと申します?!

田雲川に橋があったら・田雲線を整備したら・戸口から田雲まで人が住んでいない?!

アマシンは本来、島の経済的自立のためなのに、行政職員には責任もノウハウもありません?組織がそうなっていいます、職員に奄美大島の再開発を任せてきました。

仕事しては、林業・牧畜・農業など・滞在型リゾート民宿など?地元の聡明なる主婦の仕事が増え、雇用増で元気な離島社会が実現?山林を管理して赤水を流さなければ豊かな海に戻る戦後この仕事に投資をしてこなかった政治?私たち国民の手で計画プランを作り実行していきませんか?

鹿児島県奄美市名瀬崎原田雲534・瀧田 好治・0997-69-3195

takita@po.synapse.ne.jp平成28年7月21日

11/30/2016



 亡国予算―闇に消えた「特別会計」 単行本  – 2009・4・28 ・北沢 栄(著)


官僚のポケットマネーと化した、特別会計にメスを! 


一般会計の実質5倍強に上る特別会計。そのわかりにくい内容と仕組みをやさしく解説し、さらに特別会計がどのように使われているか、また資金の注入先である公益法人の実態にも迫る。特別会計は、天下り先を培養する「官のサイフ」の機能を併せ持っている。その複雑怪奇な資金の流れや予算の使途の不明瞭さ、毎年約50兆円に上る一般会計からの繰り入れなどの奇妙な特性を明らかにしていく。独立行政法人「雇用・能力開発機構」「道路整備事業」などの具体的な事例を出しながらわかりやすく説明。そして最後に、特別会計に眠る50兆円規模の「埋蔵金」と10兆円規模のフローの不用金(使い残し)などを解明する。


内容(「BOOK」データベースより)

「隠された裏予算」特別会計の全貌を解明!官僚の官僚による官僚のための官製事業のカラクリと、特別会計の恐るべき高度な仕組みとは。


2016年11月21日 (月)

亡国予算―闇に消えた「特別会計」官僚のポケットマネーと化した、特別会計にメスを! 2009・4・28 ・北沢 栄(著)だれも知らない日本国の裏帳簿―国を滅ぼす利権財政の実態! 石井 紘基 (著)そのほかいろいろ・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/11/post-2806.html

5:55 2016/11/27


単行本: 296ページ出版社: 実業之日本社 (2009/4/28)発売日: 2009/4/28


目次


はしがき・1頁・ 


「国の特別会計」という複雑で分かりにくい、不可思議な会計もまた、この富士の眺め似ている。その現象は、「見る側の立場」で正反対になるからだ。特別会計を使う側、管理・監査する側、言い換えれば「官の側」から見た特別会計の視像と、これを遠くから見守るカネを使われる側の民衆、厳密に言えば特別会計の資金を税金や保険料で負担している国民の視像とが、ひどく異なるのは、けだし当然であろう。

財政悪化の折、特別会計の途方もない資金量、実態のわかりにくさ、無駄遣いの発覚から、財務省は徹底見直しを迫られる。情報開示の一環として、2,006年から毎年公表するようになった財務省の一般向けのサイト「特別会計の話」は長い間、闇に閉ざされていた洞窟の内部の一端をようやく国民に見せた。1・


2頁・しかし、このサイトを見ても、誰の目にも特別会計の形姿はぼんやりとしか浮かんでこないだろう。仮に、「やっと見えた」と思ったとしても、それは一方の側から眺めた富士の反面の印象に過ぎない。

反対側に立ってみる。すると、その風景はまったく違って見える。それは奇岩が積み上がった聳える嶮しい山だ。

望遠鏡で見回しても、裾野の森はなお薄い霧に覆われている。人の通っている気配はない。いや、鳥の舞う姿も見えない。山はシンと静まりかえって、沈黙しているようだ。

これが背面から見た特別会計の像だ。正面と背面とが異なる像は、まるで古代ローマの守神のようである。「真実」はどうなるのか。一体どちらが、実像なのであろうか・・。

ただし、背面の像は、正面の像がかぶる仮面(ペルソナ)を剥がしたものだ。法令が整えた厚化粧、これを取り払ってある。それは素顔に限りなく近い像のはずだ。

正面の像は通常の厚化粧をして身なりを整えた、よそ行く向けの顔なのに対し、背面はありのままに放り出された野生の素顔とも言える。これを「形式」対「実質」と言い換えてもいいだろう。2・


厚化粧のルールは、「法律」と「政令」、「府省令」などである。これですっかりシャンとして、たまに国民の前に姿を現す。その厚化粧姿は合法的だから、振る舞いに失敗しない限り、観客(国民)からヤジられる心配はなかった。いや、この舞台俳優は誰の目をも引く町肥満体だったにもかかわらず、不思議にも長い間、目立たなかった。

表舞台の国会にも現れず、マスメディアが注目することもなかった。少なくとも2,003年2月の衆議院財務金融委員会で、塩川正十郎財務大臣(当時)が、あの絶妙な比喩を使って特別会計の現状を説明するまでは。

・ようやくスポットリライトが浴びせられた「闇会計」・


「要するに、母屋(一般会計)ではおかゆ食って、辛抱しようとケチケチ節約しておるのに、離れ座敷(特別会計)で子供がすき焼き食っておる、そういう状況が実際行われておるんです」


塩川大臣は、上田清委員(当時)の「(日本国の)本当の財布は特別会計だ。こういうのにメスを入れない限り、この国はよくならない。大臣、御所見はいかがでしょうか」という質問に答えたものだ。

ここから「闇会計」とも言われた特別会計が、にわかにスポットライトを浴びるようになる。3・


4頁・この塩川発言を引き金に、財務大臣の諮問機関・財政制度等審議会などで特別会計の徹底見直しが検討され、改革への取り組みが急進展していく・・・。

しかし、ここで重要なことは、政府の改革見られる次のような特性である。

・その特性とは・・・


・1・特別会計の制度自治は疑わずに肯定し、制度の存続を前提に考えている。

・2・改革の柱は、数多い特別会計の「統廃合」にある。

この改革の特性から導かれるものは、必然的に微温的な改革、言い換えれば「お茶を濁す」程度の改革にならざるを得ない。さらに言えば、これまでの特別会計の歴史から見て、「官僚の官僚による官僚のための改革」にならざるを得ない。結果として、作られた法律には、核心部分となるはずの「特別会計制度について抜本的に見直す」との趣旨が抜け落ちている。

明らかに、政治がここでも法律作りを官僚に丸投げした結果、「法律の罠」を見過ごしたのだ。

なるほど、新に造られた「特別会計に関する法律」は、これまでのルーズだった特会の運営を規律を持ち込み、これを一定程度ただす働きはすることだろう。政府が、特会の統廃合を計画した工程表どおりに推進していけば、国民の目には「改革は着実に前進している」と映るに相違ない。4・


5頁・16/11/28 5時35分・

むろんその結果、「一定の部分的な前身」は可能だ。しかし、抜本的な改革は期待できない。むしろ従来同様、「めくらましのエセ改革」に終わるのは目に見えている。

特別会計の制度自体が問題なのである。それが存続している限り、制度を利用して官が手を変え、品を変えて事務・事業を存続させ、作り出し、公権力を背景に天下り先ネットワークを保持・発展させようとすることは疑いない。5・


「官僚内閣制」のバックボーンを検証する・

本書は、日本に特有の特別会計の巨大な資金量や特別な仕組み、資金の流れの異様な実態、会計上、事業上の諸問題を解き明かし、改革の具体策を提示する試みである。特別会計が、この国の官僚指導の「官僚内閣制」を支えるバックボーンと見るからである。

筆者の「冨嶽」を観測する位置は、政府側とは逆の裏側にある。そこに市民に混ざって陣取り、望遠鏡を手に眺め、時には現場まで出歩くこととした。共にいる市民の関心は、「自分や家族の生活をソコソコによくするには、どの程度、税金や保険料を負担していいのか」である。皆、「負担」と「受益」の等価交換について、関心があるのだ。

本書は以上の視座に立って、次のような構成で展開する。

序章では、現代日本の保守政治と行政と一体化しているために、「行政の失敗」によってダメージを受け、国民の信頼を失って没落を余儀なくされている必然性を述べる。5・

6頁・この行政の事業を資金源として支えてきた特別会計も、いまや国民から疑惑の目が向けられるようになる。廃止されても生き延びる独立行政法人「雇用・能力開発機構」を例に、その運営資金を賄う特別会計の陰の役割を暴く。

第1章では、特別会計が財政規模で一般会計の実質5倍強に上るマンモス会計であること。

それはまた、天下り先を培養する「官の財布」の機能を併せ持つため、その改革は行財政改革のマスターキーとなることを示す。

次いで、特別会計の変遷を追い、戦争によって数を増やした「戦争会計」とも言うべき特異な背景を述べる。さらに、その複雑怪奇な資金の流れや予算の使途の不明瞭さ、毎年約50兆円にも上る一般会計からの繰り入れなどの奇妙な特性を明らかにする。

第2章は、特別会計が一般会計に適用される財政法とは、「異なる定め」ができる有利さを生かし、積立金や余剰金などに共通のルールを作り、運用している実態を示す。資金繰りも自由自在、繰り越しも特別会計のみに認められる「特別扱い」の現実。さらに、予算のシーリングも設定されていない監視機能の不全ぶりを浮かべ上がらせる。


第3章では、野放図な出資や貸し付けに見られる特別会計の「無駄」を明らかにする。無駄遣いの背景にある各省庁の「わがモノ意識」の起源を探る。そして道路特定財源を意のままに使って道路整備事業を進める国土交通省のカラクリを明かす。6・


7頁・第4章では、現存する唯一の確かな財源となってきた「埋蔵金」のあり方と埋蔵量を示す。

特別会計に眠る50兆円規模の埋蔵金と10兆円規模のフローの不用金(使い残し)などを原資に、景気の急悪化に対応する基金を創設視、緊急の経済対策と医療、年金、介護、教育などの生活インフラ対策に投入する必要性を説く。さらに現行制度の廃止と、すべての会計の一般会計への統合のみが、究極の改革となることを主張する。

特別会計に関係する言語、とりわけ会計用語には聞き慣れない難解なものが多い。著者は、専門用語を一般市民の「標準語」に訳す翻訳者のつもりで、「できるだけわかりやすく」を胸に、本書の執筆に臨んだ。

本書が、読者の疑問に応え、改革への関心をさらに高めることになれば、著者にとってこれ以上の喜びはない。

「本書の表記について」「特別会計」については一般的な略称、「特会」、「独立行政法人」については同様に「独法」を折に触れ、使用した。なお、個別の特別会計の概要については、273頁・からの資料にまとめてある。7頁・


平成28年11月28日 月曜日


序章 浮上してきた「特別会計」問題―官僚の意のままに使われる国家予算・15頁・


行政と一体化する政治の大敗と没落・16頁・

「日本というシステム」の構造改革が必要」

特別会計等は官製事業の「資金源」・19頁・

特別会計の雇用保険料を注ぎ込んだ官製事業・しごと館失敗のツケは政府ではなく、国民が負うことになる・「独立行政法人」の「独立」は、有名無実のシロモノ・

天下りネットワークに使われる特別会計・25頁・

官製事業のほとんどは、赤字の垂れ流し・・事業が破綻しても、組織やトップは生き延びる・

「政」と「官」が演出するまやかし改革・30頁・

独立行政法人は、不良特殊法人の救いの神なのか?・天下り批判を避けるために、理事長ではなく理事職を狙う官僚OB・

特別会計の「埋蔵金」を独立行政法人に移転させる奇策・35頁・

都市再生機構の「随意契約」は、インサイダー取引と同じ・37頁・

14兆円の有利子負債を抱えても、「倒産」しない理由・

政府の行政改革は、形ばかりの「偽装改革」・42頁・

官僚の思いのままに、独立行政法人は操られる・

 

第1章 国民の目から隠された、特別会計の全体像・45頁・

―戦前に創設された特別会計が、現在もなお存続する理由・

特別会計とは何か・46頁・

特別会計の資金規模は一般会計の5倍・行政改革の「マスターキー」は特別会計・国債依存の借金経営のリスク・「埋蔵金」は一過性のものではない・天下り先を培養する「官の財布」

特別会計の変遷・57頁・

高度経済成長期に、戦後のピークを迎える・

特別会計は、なぜわかりにくいのか・63頁・

理由1・複雑怪奇な資金の流れ・理由2・財源の「入り」も不透明・理由3・予算の使途も不明朗・理由4・特別会計から法人への「出資」に、情報開示なし・理由5・財政規律の弛みが生む混乱・

肥大化する特別会計と奇妙な特性・85頁・

毎年、一般会計の6割を繰り入れ・特別会計の「国債」「地方」「社会保険」で繰り入れの9割・「借金漬け」が会計規律をズタズタにしてしまった・「沈黙の会計」として国民の目から逃れる・国民の財産であるNTT株が、特別会計に移し替えされた・「民は知らしむべからず」という官僚文化・複雑な仕組みで制度を温存する官僚的処世術・いよいよ改革の風が吹き始めた・改革の流れがせき止められないよう、監視が必要・


第2章 「特別扱い」を受ける特別会計の実態・111頁・

―「官」が自由自在に操る魑魅魍魎の世界

特別会計に従属する一般会計・112頁・


財政法が、特別会計の「特別扱い」を定める・同格以上に、「異なる定め」を認めた新「財政法」・「一般会計からの繰り入れ」は、諸官庁の判断に委ねられる・埋蔵金の「積立金」「余剰金」に新ルール・特別会計の余剰金は毎年、一般会計に繰り入れられることが可能に・特別会計の借金を一般会計が肩代わり・特別会計の借金は結局、国民が負担することになる・特別会計に借入金57兆円は、将来に禍根を残す・特別会計はいつでも自由に借金が出来る・繰り越しても、「特別扱い」される特別会計がある・予算以上の収入があれば、自由に使える「弾力条項」・

財務チェックの機能不全・139頁・


ようやく決算書に「経費別内訳」が添付・特別会計の闇に、一条の光が当たりつつある・特別会計に「シーリング」梨は、時代遅れ・

 第3章 特別会計の「ムダ」・147頁・


―損失の大穴は税金で補填、官製事業を支える幽霊会計・

損失の大穴は税金で補填、官製事業を支える幽霊会計・

野放図な不透明出資・148頁・


特別会計から法人に、15兆円近い出資・趣旨のハッキリしない出資金の主役・・一般会計からの繰り入れがあるからこそ、巨額の出資が可能に・・官製事業への支資金2,640億円が回収不能・・核燃料サイクル開発機構の解散・統合時に、巨額の損失処理・・巨額な補助金が、無駄の温床に・・

財政融資資金特別会計からの貸付金216兆円の行方・・国は「民」を助ける貸し付けを!

特別会計に対する各省の「我がモノ意識」の起源・166頁・


予算執行の最終責任は財務大臣ではなく、所管大臣・

道路財源は「蜜」の味・169頁・特別会計のほとんどが「築後30年」以上に・特定財源は複雑な水路を辿って、特別会計に流れ込む・・高速道路の通行料1,000円のカラクリ・・採算割れを恐れがある、スマートインターチェンジと言う名の「実験」・・道路財源の一般財源化に、全国知事会はなぜ反対したのか?・

道路整備特会の金の流用が発覚・・道路特定財雁が、天下り公益法人や自民党国会議員に流れた・・閣議決定を無視した「隠れ工法」で道路建設を推進・「抜け道高速」を造っては、高速道に編入・・

国交省は道路建設の独裁者か?・・高速道路会社の「借金なき建設」のカラクリ・機構と高速道路会社が結託して、未償還債務を調整・・法律による「借金引受限度額」で、機構を支援・・16/11/27 5時12分・ 


第4章 国民の前に明らかにする「究極の制度改革」・199頁・


―埋蔵金は毎年10兆円を掘り出せる大金脈

政府がついに埋蔵金の存在を認めた・200頁・


民主党の資産によれば、埋蔵金は15兆3,000億円・・規律なき繰り越しと積み立て・・特別会社の不用金10兆円強も、毎年活用できる・

財務省の特別会計見直し対象は、わずか3%・212頁・

特別会計改革の矮小化を図る財務省・

埋蔵金の真実・215頁・

余剰金42兆円は、消費税16・8%に相当する・・「積み立て埋蔵金」は、ほぼ50兆円規模に達する・・積立金は為替変動に対応というウソ・・埋蔵金50兆円で、経済危機に対応する新基金を・

埋蔵金の発掘・233頁・

特別会計からの貸付金9兆4,000億円を洗い出す・・18特別会計が使い残しの常連で、公共事業系が目立つ・・活用実績が1回しかない地震再保険特別会計・・埋蔵金を交付金という形で、独立行政法人に移転・・特別会計の資金で、最大の積立金を持つ雇用・能力開発機構・・

独立行政法人にも2兆円強の「埋蔵金」・・天下り公益法人にも、10兆円規模の「埋蔵金」・・道路関係の公益法人は随意契約で儲け、内部留保も膨大・・

・・日本版統合会計への道・255頁・

「統廃合」しても、人員や事業はそのまま継続・・天下り先法人を養うことが「自己目的化」・・無駄は特別会計、独立行政法人、公益法人と連鎖「れんさ」していく・・個別の特別会計の見直しより、「無駄の体系」の全廃を?・・

主要国の会計には、日本の特別会計のようなシステムはない・・特別会計の半分を占める国債整理基金の扱い・・究極の会計制度は、国民の目が届く「陸上競技場方式」・・

資料 各特別会計の概要と2009年度予算・273頁・

あとがき・292頁・


平成28年11月27日 日曜日

 官僚利権の本丸

日本経済の入門書を見ると、国家予算のページで疑問が生じる。四苦八苦してやりくりする一般会計の報道が脳裏をよぎるなか、その規模が5倍ほどもある特別会計が、殆ど詳述されることなく、あるとだけ記述されているからである。規模が巨大ということは、それだけ余力があると考えるのが大方において妥当する。果たしてどういうことなのか。本書は特別会計の徹底的な調査をもとに、その構造から金の流れまでを白日の下に晒した渾身の書である。特別会計のウソ、カラクリをこれでもかというほどに明かしていく。著者が述べているように、公式発表されているデータをつなぎ合わせても、特別会計の収支の全貌は見えてこない。つまり国民には特別会計の真実は知らされていないのである。そして特別会計の剰余金はそのまま官僚の利権となり、その借金は国民の負担となる。「政治は、積立金と不用金というストックとフローの両面から余剰資金(埋蔵金)を捕捉し、一般財源と借金減らし(国債償還)に活用することを、ただちに考えなければならない。消費税の引き上げは順序として、その後である」(p208)。特別会計を知り尽くした著者の言葉は重い。著者の提言する「究極の制度改革」は強烈である。特別会計だけにとどまらない、「ムダの体系」そのものの全廃を目指している。少しずつではあるが、時代もそれを求め始めているのではないか。本書を読むほどに、政治が要であることをも痛感させられる。そして政治を求め、方向づけるのは国民である。日本のありかたを、そして未来を考える上で、必読の一書ではないだろうか。

最後の聖域、特別会計 


まず、非公開の情報、あいまいな基準、会計テクニックで、複雑怪奇となった、特別会計を読み解いた著者をねぎらいたい。

そして、内容が事実なら、逮捕者がでてもおかしくない。

一般会計の約五倍、50兆円の予算が特別会計にあり、その予算がいわば、お手盛りできめられてゆく。そのお手盛りの内容が、本書の読みどころだ。またその不透明な会計によって生まれた金が、独立行政法人などのお小遣いになっていることにも、憤りを覚えた。

売国ミンス本より余程、有益な本

投稿者トリスメギストス2011年8月24日

自民党の創り上げた、天下り機構が以下に重負担を国民に強いているか如何に国益を損ねてるか之には描かれてないが如何に規制によって若者の職を奪ってるか、国民の殆どが知らない・・・よくこんな考えられないエゴな事を長々とできてるな、と本当あほらしく感じた。特別会計をなくせば消費税増税は全く必要ありません。

7:44 2016/11/26


亡国予算・

静かな暴走 独立行政法人 単行本  – 2005/9 北沢 栄 (著)  

内容(「BOOK」データベースより) 

行政改革の鬼子「独法」の実態!行政改革の「切り札」のはずの独立行政法人が、実際には「官の聖域」と化しつつある。自主運営をいいことに暴走する独法の現状を明らかにする。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

北沢/栄

1942年12月東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。共同通信社経済部記者、ニューヨーク特派員などを経て、フリーのジャーナリスト。行政改革問題を中心に調査研究・執筆活動に従事。オンラインジャーナルのホームページ「NAGURI COM」を1998年にジャーナリスト仲間と開設し、「さらばニッポン官僚社会」を連載中。05年4月より東北公益文科大学大学院教授(公益学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報


単行本: 264ページ出版社: 日本評論社 (2005/09)言語: 日本語・

発売日: 2005/09

 目次

第1部 プロローグ―「2000年行革大綱」で方向決まる

第2部 静かな暴走

第3部 国立大学法人化の衝撃

第4部 官業はなぜ無責任体制になるのか

第5部 改革とは何か

第6部 改革のマスターキー

 6:05 2016/11/26


 官僚社会主義―日本を食い物にする自己増殖システム (朝日選書) 単行本– 2002 11 北沢 栄(著)

なぜ日本は変われないのか―それは過去の「改革」が、「特殊法人」「天下り」「役人の行動倫理」など、問題の原因ではなく結果、深層ではなく表層ばかりに焦点をあててきたからだ。真の改革のためには、日本の政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない―ベストセラー『公益法人』の著者が、「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。  

日本の真の改革のためには、政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない。「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。

登録情報 単行本: 309ページ/出版社: 朝日新聞社 (2002/11)

言語: 日本語 発売日: 2002/11  


なぜ日本は変われないのか―それは過去の「改革」が、「特殊法人」「天下り」「役人の行動倫理」など、問題の原因ではなく結果、深層ではなく表層ばかりに焦点をあててきたからだ。真の改革のためには、日本の政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない―ベストセラー『公益法人』の著者が、「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。


 日本の真の改革のためには、政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない。「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。登録情報

 単行本: 309ページ

出版社: 朝日新聞社 (2002/11)言語: 日本語 発売日: 2002/11

 なぜ日本は変われないのか―それは過去の「改革」が、「特殊法人」「天下り」「役人の行動倫理」など、問題の原因ではなく結果、深層ではなく表層ばかりに焦点をあててきたからだ。真の改革のためには、日本の政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない―ベストセラー『公益法人』の著者が、「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。  

内容(「MARC」データベースより) 

日本の真の改革のためには、政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない。「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。

単行本: 309ページ

出版社: 朝日新聞社 (2002/11)

言語: 日本語発売日: 2002/11

なぜ日本は変われないのか―それは過去の「改革」が、「特殊法人」「天下り」「役人の行動倫理」など、問題の原因ではなく結果、深層ではなく表層ばかりに焦点をあててきたからだ。真の改革のためには、日本の政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない―ベストセラー『公益法人』の著者が、「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。

日本の真の改革のためには、政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない。「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。 

単行本: 309ページ


目次

第1部 「官細胞」の実態(「改革」の負の歴史

増殖する「官」細胞(規制

見えない政府長期計画特別会計))

第2部 ごまかしと隠蔽のテクノロジー(金融恐慌のルーツ・大和銀行事件と住専問題欺かれた改革―道路公団・郵政民営化

裏切られた改革―特殊法人問題

金融危機と官僚制)

第3部 隠された支配のシステム(官僚支配を支えるシステム

無責任を支えるシステム公務員改革という名の絶望パノラマ的展望)

調整不能のわが国の資金循環 

わが国の資金循環と本書を合わせてみると、歪んだ官僚制度の自己増殖がその根幹にあることは容易に理解できる。

 日本では、米英のように資本市場が機能しないのは、官による異常な規制介入の結果でもある。官僚による統制がいきわたったわが国で、実質的な構造改革はまったくすすんでいない。

サッチャー政権時代の英国経済に酷似してきた日本経済が再び成長軌道を辿るためにも、本書で紹介された事実は、いずれもっと深刻に議論されねばならなくなるだろう。

個人レベルでの参政意識が重要戦後復興期からバブル崩壊まで、官僚中心であまりにも成功しすぎた過去の成功体験から、官僚機構は抜け出せずにいます。好景気の時代とまったく同じ感覚で、不景気スタグフレーション時代も今まで通りの既得権を行使しようとして自ら失敗しています。

 官僚機構を統治するのは立法、すなわち国会なわけですが、現状では官僚のいいなりでとても統治なんてレベルには達していません。結局のところ、個人個人が国を動かしているんだという自覚を持って選挙に出向く習慣が欠如したこの国の風習がもっとも悪いのでしょう。

行政は国民が必要とする仕事だけをすべき

民主制社会のもとでは主権者たる国民が必要とする仕事をするのが行政の役割だと思います。よって行政は国民が必要とする仕事だけをすべきなのです。公務員を目指すみなさんもそのことをよく覚えてほしいと願っています。

5:54 2016/11/26


・議会とは何か」・

地方自治の政治機関は首長と地方議会である。議会には地域住民の意思と利益を代表し、条例、予算、主要な契約などを決定する役割と、それを執行する執行機関を監視する役割がある。さらに地域内の利害を調整し、地域社会をまとめ上げ安定させる役割もある。議会は討論に始まり討論に終わる。議会は「万機公論」に決するところに存在の意義がある。引用終わり

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2015/09/post-fe81.html

8/9/2016


追加・龍郷町議員は任期中は何事も、任期中は何事も、国民及び主権者に対し話し合い、説明を設ける、国民に上下はないのですから、何事も相談して決定する民主主義を、瀧田 好治は誓います。

 

また、龍郷町は龍郷町道を沢山作ってきましたが、これを利用していません、主なワークセンター農道は龍郷過疎基幹農道浦線、長さ1,550メートル幅は約8メートル、大美赤尾木線これは太平洋岸6,946㍍これも人が一人住まない地帯に、これを利用活用すれば、大幅にこようが発生します。

 

全国的にも評判のいい奄美大島・龍郷町を女性の皆様と協同して、お客様を楽しんで貰いませんか?LCCには家族連れが満席成るのに受け皿は、少ないので、龍郷町で、空き家を利用して、安価で楽しんでいただける、民泊をいたしましょう。私と協同で全国民を龍郷町に全国から奄美の豊かな海山からの景観を、見ていただき?

龍郷おこしをやりませんか・瀧田 好治の性格は嘘をつけない、言ったことは実行してきました、集落内家計の家計を守っている女性の皆様と、協同して働く場設けることを約束し、例題・・集落の水路で小型発電機売電して、空き家を利用して安価な清潔なカプセルを利用し民泊を、川の土手を管理して水害のない、桜並木で、人々を癒し、観光客を呼びませんか?

龍郷町を雑草のない・大美川の土手を草木を取り除き、龍郷町ゴミの完全分別

を行い龍郷町のゴミ処理費をゼロにした上に・中間処理場で多くの人を雇用し、分別した品物は販売できます、生ゴミは堆肥化して、畑に取り入れ、お年寄りの生きがい対策、野菜作りの人に安く提供し、海岸の清掃で浜遊びを、山林の昔の人が歩いた道を復活し、地元の人がガイド役として、トレッキングで健康で楽しく、人々の心を癒し?この仕事はほとんどが、女性向きの仕事です、集落の人々の生活が安定します、子育てのために手厚い資金を応援ができます。

 私は候補者として、任期中は国民主権者との対話を欠かしません、重ねてお約束します。

鹿児島県大島郡龍郷町大勝3113-1

℡0997-69-3195

takita@po.synapse.ne.jp

瀧田 好治

平成28年8月9日 火曜日


だれも知らない日本国の裏帳簿・

だれも知らない日本国の裏帳簿―国を滅ぼす利権財政の実態!  – 2002/1


石井 紘基 (著) あなたの未来は火の車。小泉改革がもたらす“痛み”の正体。

内容(「MARC」データベースより)

一般会計の裏に隠した318.7兆円の税金浪費「特別会計」、官制企業の打ち出の小槌「年金・郵貯」、お上がばらまく税金の大入り袋「補助金」…。国会議員である著者が、国勢調査権によって調査した日本の裏帳簿を暴く。

登録情報

単行本: 111ページ・出版社: 道出版 (2002/01)・言語: 日本語・発売日: 2002/01

目次


第1章 だれも知らない税金の使いみち・11頁・

・日本国のほんとうの予算・12頁・


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結論を言えば、一般会計の歳出が84・9兆円、一般会計との重複分を除く特別会計の支出が175・4兆円で、我が国の財政規模は260・3兆円となります。12・

・経済は政・官に侵蝕され“寝たきり”状態・14頁・



IMGP0849.JPGをダウンロード


日本の平成11年度のGDP(名目)は512兆円でした。これに対し、12年度予算の一般会計支出は260兆円、これに地方公共団体の支出約90兆円を加えると、純計で約350兆円です。12年度のGDPが11年度と同じ程度とすると、国と地方政府の支出350兆円は、実にその約70%を占めている。そのうえ、GDP数値の場合、政府支出分は、政府の支出の一部が金の流れの中でダブルカウントされます。

つまり、残りの30%さえ全部民間、つまり市場が生み出した付加価値とは言えないのです。GDPに対する政府支出額の国際比較では、金額、割合とも日本は異常に高いのです。もっぱら、政府がばらまく金を使うだけ。

市場から生み出されたものはごく僅かです。

・我が国の経済は、政・官によって著しく縮められ、拡大再生産が働かない。こうした体制のもとでは、政府の荒っぽい金遣いでふくれた国の運営コストが次々に国民負担となり、公共料金や税金が高騰します。14・


 ・税収2年分の借金大国・16頁・

・ツケを払わされるのはやっぱり国民・20頁・

・官僚と族議員が予算を決めるノーテンキな政治・22頁・

・「決算」もない・24頁・

・無力な会計検査院・26頁・


第2章 国のウラ帳簿―特別会計・27頁・

・利権財政の「御三家」・28頁・

・公共事業と特殊法人の利権構造・30頁・

・官僚が自由にあやつる裏予算・32・

・国民の知らないところで動く330兆円・34頁・

・国の逆マネーロンダリング・38頁・

・高速道路は金を敷き詰めたベルト・42頁・

・税金で業界支配を目指す・・石油特別会計・44頁・

・巨額の不良債権を抱える石油公団・46頁・

・行政が支配する港湾建設・・港湾整備特別会計・48頁・

・空港公団の無駄・空港整備特別会計・50頁・

・補助金をバラまく・・農業経営基盤強化特別会計・52頁・ 


第3章 「予算」といわない財政投融資計画の闇予算・55頁・

・利権大国の巨大な財布・56頁・

・具体的な使途がしめされない財投の闇会計・58頁・

・財投のウソとヘリクツ・60頁・

・新・財投のマヤカシ・62頁・

・国民の金を使って国民に損をさせる裏切り・64頁・

・国債買い切りオペは郵貯や年金の利回りを下げる・66頁・


第4章 経済を機能マヒにおとしいれる補助金制度・69頁・

・ヒモつき年間補助金50兆円超・70頁・

・公共事業の「箇所づけ」と国会議員の「手柄」・72頁・

・「ノー政」のハイエナたち・・農水省の補助金と土政連・74頁・

・政治家と土政連のおいしい関係・78頁・

・農水官僚は族議員を手なずける・80頁・

・一世帯当たり1億円の補助金・82頁・


第5章 権力の市場からの退却健全な経済をとり戻すための改革案・85頁・

・ドラスティックな改革が必要・86頁・

・改革は順序をまちがうと悲劇になる・88頁・

・「開発」「整備」「事業」法の廃止・90頁・

・公共事業、行政企業を廃止して、「生活事業」の発展を・92頁・

・地方分権と地方の自立・94頁・

・「特別会計」「財政投融資」「補助金」の廃止・96頁・

・特定財源の抜本見直し・98頁・

・「公務分限法」の制定・100頁・

 ・会計検査院の問題点・102頁・

・会計検査院の権限を強化・104頁・

・5年で国家予算を2分の1に・106頁・

・30兆円は構造改革の原資に・108頁・

・国債の新規発行をゼロにし、大規模減税で高度福祉社会を実現・110頁・

平成28年11月21日 月曜日 


日本の国家社会主義の実相

投稿者カスタマー2003年7月5日

形式: 単行本

著者の石井氏は2002年に右翼を装う人物によって刺殺されてしまった。しかし犯行動機が不自然極まりないものであったため、この事件には裏がありそうだと言われている。計画的な暗殺だったことは、この著作を読んで殆ど確信できる。何故なら石井氏はこの本で日本に群棲する土人たちが形成する封建的利権構造体について詳しく分析しているからであり、土人の首長たちは、このように事実を明らかにされることに、さぞ不満だったろうからである。

この本で石井氏は日本の主要な資本が国家を還流していることを指摘し、日本が表面的には資本主義を装っているものの、実相としては国家社会主義経済であることを明らかにしている。毎年一般会計予算成立が報道されるが、国家会計で数倍の規模をもつ使途特定税の会計である、特別会計は主に農林省、国土交通省の裁量で各地方に配分されているのだ。必要性も将来性も吟味されていない港湾計画や道路建設計画などの計画経済が何十年先まで組まれているのである。この国家社会主義という実相を裏付けるものとして石井氏は就業者人口の職業別分布を上げる。何らかの形で国家に関わって虚業で喰っている人間が実業より遥かに多いのだ。確かに国家には収税を通じた富の再配分という機能があるものの、国家社会主義を推進する日本の場合、一部の国家に寄生する連中に過剰配分されているという現状が明らかにされている。それが昨今独立行政法人という偽装のもとで増殖している国家企業体を通じて為されているのである。

このような事実を明らかにする力量と強い意志を持つ石井氏は日本にとって極めて重要で貴重な人物だったことは明らかである。彼の冥福を祈るとともに、この本を推薦す。

9:57 2016/11/21


2016年11月21日 (月)反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本 – 2015・3・19 相川 俊英・・・ 第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/11/2015319-1-a8f5.html

2:08 2016/11/21

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/04/post-e46e.html

11/21/2016


日本の政党政治史~事実を時系列で並べただけ、決して面白くはない ~2004. 10/1st

-明治維新後 維新以来の薩長の藩閥を中心とする専制政治に対する批判が高まり、土佐の板垣退助や後藤象二郎、佐賀の江藤新平などを中心に1874年、愛国公党を設立し1/17日に「民選議院設立の建白書」を政府に提出します。政府は受理しなかったものの、新聞「日新真事誌」に発表されて大きな反響を呼びました。

愛国公党は江藤が佐賀の乱をおこして解体となるも、板垣は同じく1874年に立志社を起して全国の自由民権運動の中心となります。1875年には、土佐を基盤とする立志社を中心に全国の自由民権政治団体の連合として愛国社を結成します。政府も話し合いに応じる姿勢を見せ、大坂会議によってじょじょに立憲政体をめざすという趣旨の詔書が出され、板垣や木戸孝允が参議復職して愛国社は崩壊します。しかし政府内部でもこのような妥協への反対は根強く「讒謗律」「新聞紙条例」を発布して言論を弾圧し、板垣はまもなく参議を辞し、愛国社は再び活動を再開します。

1877年、西南の役の最中に「国会開設、地租軽減、条約改正」の3大要領を掲げた建白書が出され、政府は受け取りを拒否したものの、その内容が国民に知れると自由民権運動が高まります。1880年、愛国社は国会期成同盟と改称し、片岡健吉・河野広中が中心となり、2府22県の87000人が署名した「国会開設請願書」を提出しますが政府は拒否します。また西園寺公望がこれに呼応する形で中江兆民らと短期間ながら「東洋自由新聞」を発刊してフランス流自由主義思想を吹聴し、その気運はさらに盛り上がるものの、政府は「集会条例」によって政治演説会や政治結社に厳しい弾圧を加えます。

しかし1878年に大久保利通が暗殺された事から、政府も譲歩を余儀なくされます。それまでの<上流の民権論>に対し、西南の役以降、武力による反政府闘争を断念した士族、地租軽減を求める農民、自由な経済活動を求める商工業者も運動に加わり<下流の民権論>が展開されますが、その理論的支柱となったのは「中江兆民」「植木枝盛」「大井憲太郎」などです。政治結社が全国的に結成され、建白書や請願書が政府・元老院に次々と提出されます。大久保暗殺の後、大隈重信を排撃して実権を握った伊藤博文もそうした声を無視できず、1890年を期して国会を開設すると発表するのです。

政党の結成

1881年に板垣退助が立志社を基盤に「自由党」を、1882年には政府を追われていた大隈重信を党首として「立憲改進党」が結成されました。自由党の論理的支柱は「中江、植木、大井」らであり、現政権に不満を募らせる士族、農民、台頭してきた資本家などの支持を集め、急進的な民主主義を標榜しました。「板垣死すとも自由は死なず」とは、1882年4月、岐阜で保守派士族に襲われ負傷した時の言葉です。立憲改進党には「前島密」「矢野文雄」「小野梓」「犬養毅」「尾崎行雄」らが集まり、地主、産業資本(特に三菱)、知識階級をその支持基盤として英国流の穏健で段階的な民主主義の展開を標榜し、得に矢野と小野が理論的支柱となりました。

一方、1882年には保守・国粋主義を標榜する「立憲帝政党」が「福地源一郎(桜痴)」らによって結党されています。保守的な学者や地方の役人が加わり政府の御用政党として行動しましたが、党勢は不振でした。

政府は厳しい弾圧を加える一方、民権運動の分断を謀ります。自由党の左派勢力が、困窮する農民、商工業者と組み、福島事件などの政府転覆や暴動を各地で起し、自由党は1884年10月に解散するに至りました。立憲改進党も大隈らの脱党にって活動を停止します。政府の弾圧と妥協、そして内部分裂のために運動は挫折したのです。

- 大日本帝国憲法(明治憲法)

政府はドイツ人法学者 [ Roesler]の説を採用し、天皇の名で公布する欽定憲法とする事に決定します。1882年には伊藤博文らがドイツ、オーストリアに派遣され[ Stein ],[ Gneist ], [ Mosse ]らの法学者からドイツ流憲法理論を学びます。1886年から伊藤博文を中心に「井上毅」「伊東巳代治」「金子堅太郎」らが[ Roesler ], [ Mosse ]らの助言を受けて憲法及び付属法を起草し、1889年2/11日、大日本帝国憲法が発布されたのです。翌1890年の国会の開設が決定しました。

1890年7月、最初の衆議院選挙が実施されましたが参政権は「25歳以上の男子で、直接国税15円以上を納める者」に限られ、これは全人口の1.1%でしかありませんでした。11月に開かれた最初の帝国議会は、薩長中心の政府に対して公然と反対する民党勢力が過半を占め、山形有朋を首班とする政府と議会は激しく対立します。政府は議会の反対する議案に対して「詔勅(天皇の名による命令)」を発し、さらに買収と妥協で切り崩しを謀り、ようやく議会を乗り切りました。

その後も政府は議会の解散し、また解散後の選挙ではあからさまな選挙妨害を行い、政府と政党は激しく対立します。しかし日清戦争が近付くと民意を代表する政党と政府は歩み寄り1892年第2次伊藤内閣では、政党政治家である板垣退助が内務大臣、大隈重信が外務大臣としてそれぞれ入閣しました。しかし大隈が薩摩出身の軍人と閣内で対立し辞任すると内閣は倒れます。

1898年、日清戦争後に組閣された第3次伊藤内閣も、軍備拡張計画とその費用を捻出するための増税案が、地主勢力を基盤とし板垣退助を党首とする「立憲自由党」および大隈重信を党首とする「進歩党」の猛烈な反対にあうと倒閣します。これを機に両党が合同して「憲政党」が成立し、大隈を首相(外相を兼務)板垣を内相とする日本最初の政党内閣、いわゆる「隈板内閣」が成立します。しかし内部の派閥争いが表面化し、板垣を党首とする旧自由党系の「憲政党」と大隈を党首とする旧進歩党系の「憲政本党」に分裂し、短期間で倒れました。

その後、山県有朋が第2次山形内閣を組織し政権を握ります。一方、伊藤博文はいわゆる超然主義を捨て、積極的に新政党を組織します。西園寺公望ら腹心の官僚出身者を集め、三井の資金援助を受けて1990年に「立憲政友会」を組織し、政友会を与党として第4次伊藤内閣が成立します。翌年に伊藤内閣が倒れると桂太郎が、次いで政友会総裁の西園寺が組閣し、日露戦争から大正初期にかけ、桂と西園寺が交互に政権を担当する、いわゆる「桂園時代」が続くのです。

労働運動

政府も1900年に「治安警察法」を制定し、労働運動を厳しく取り締りましたが、労働者の労働環境や待遇の改善を求める声は、労働者だけでなく国民の体質低下を憂える知識人や軍部からも高まります。1906年には「境利彦」「幸徳秋水」「片山潜」らにより日本で最初の合法無産政党である「日本社会党」が結党され、労働争議や普通選挙運動に活動しましたが、影響力を怖れた政府は1年余りで解散させます。1910年に「大逆事件」が起こると、政府はこれをきっかけに幸徳秋水を処刑し、社会主義運動に対する弾圧を強化しました。社会主義運動は、いわゆる「冬の時代」に入ったのです。

-大正デモクラシー

1911年、第2次西園寺内閣では日露戦争後の財政難から行財政改革を推進しました。しかし朝鮮の民族独立運動や中国の辛亥革命など内外の危機に直面していたため、軍部、官僚は陸軍2個師団の増強を求め、これが国会で拒絶されると、陸軍は上原勇作陸軍大臣を帷幄上奏(統帥権を法的根拠に、軍が直接天皇に意見具申する事)によって辞任し、軍部大臣現役武官制をたてに後任を出さず、西園寺内閣は倒閣します。政友党の尾崎行雄、国民党の犬養毅らは反発し、憲政擁護と閥族打倒をスローガンに「第1次憲政擁護運動」と呼ばれる民衆運動を起し、西園寺の後を次いで組閣していた桂内閣は50余日で倒れるのです。

大正の世となり、世界的な民主主義運動の中、国内でも吉野作造の提唱する「民本主義」など民主主義思想が普及し「大正デモクラシー」の時代を迎えます。1918年9月、寺内内閣が米騒動で倒れた後、元老の西園寺の推薦を受けた政友会総裁の「原敬」により、陸・海軍大臣、外相を除く全ての閣僚を政党政治家が占める、初の本格的な政党内閣が発足しました。爵位を持たなかった原敬は平民宰相と呼ばれました。

原敬は「普通選挙法への反対」「シベリア出兵の強化」など期待を裏切る事が多く、1921年には東京駅にて暗殺されます。その後、政友会総裁を継いだ蔵相高橋是清が組閣したものの、半年で倒れ、その後は再び軍閥・官僚内閣が続きました。これに対し、加藤高明の憲政会、高橋是清の政友会、犬養毅の革新倶楽部はいわゆる「第2次護憲運動」を展開し、1924~1932年、犬養毅首相が「5-15事件」にて暗殺されるまで、憲政会の後身である「立憲民政党」と「政友会」で、衆議院の議席の多い方が内閣を組織する慣わし「憲政の常道」が確立されました。

普通選挙法

原敬内閣は、参政権資格を「直接国税15円 →3円」に引き下げましたが、普通選挙自体は社会秩序を破壊する物として強く反対し、1920年に普通選挙法案が上程されると議会を解散しました。しかし1925年、第1次加藤内閣は治安維持法の成立と引換えに貴族院や枢密院の反対を押し切り、普通選挙制を成立させました。これは「納税額による制限を撤廃し、25才以上の成年男子全てに選挙権を、そして30才以上には被選挙権を付与する」という物です。ただし女性の参政権は認められていません。これによって有権者数は4倍になり、1928年には普通選挙法に基づく初の衆議院議院選挙が実施されています。(それに合せて治安維持法は強化されています)。

社会主義運動

大逆事件後、停滞していたものの、デモクラシーの隆盛とともに息を吹き返し、特にロシア革命の影響を受けて盛上がります。「堺利彦」「山川均」「河上肇」などが社会主義を唱え、「大杉栄」は無政府主義を唱えました。1920年、境や山川らによって日本社会主義同盟が結成され、同5/2日には日本初のメーデーが上野公園で行なわれました。1922年には非合法ながら日本共産党が結成されましたが、ただちに弾圧されました。

-昭和の時代へ

第1次世界大戦中の異常な好景気が過ぎ「戦後恐慌→ 震災恐慌 → 金融恐慌 →大恐慌」と恐慌の連続する時代を迎えます。1927年、憲政会による岩槻内閣は関東大震災の復興に際し発行された「震災手形(震災前に銀行が割り引いた手形で、震災で決済できなかった手形を担保に、各金融機関に日銀が融資した物)」の支払いを政府補償によって延期するための「震災手形整理法案」を上程する中、一部銀行がこの震災手形を経営不振の穴埋めに使っていた事が発覚します。また政府系特殊銀行である「台湾銀行」の多額の鈴木商店への不良債権が暴露され、全国の銀行に取り付け騒ぎが起き、金融恐慌となって企業倒産が多発しました。

内閣は緊急勅令によって事態打開を謀ろうとしますが、かねてからの協調外交(欧米と協調し日本の利権を確保する)に不満を持つ「枢密院(藩閥の影響を色濃く残す、天皇の諮問機関)」・軍部の反対から勅命は降りず、内閣は倒れます。ついで組閣をした政友会の田中義一内閣は、3週間のモラトリアム(支払猶予令)を出し、日銀から巨額の資金を財閥系5大銀行に緊急融資し、また中小銀行を整理し、一年掛りでようやく恐慌の波を抑えますが、ここに政党政治と財閥との癒着が名実ともに明らかにされたのです。

1928年6/4日、蒋介石の北伐に敗れた中華民国陸海軍大元帥張作霖(北洋軍閥奉天派)は、奉天へ向う特別列車ごと皇姑屯付近で爆殺されます。内閣は軍部責任者を処分しますが反発をかい、また天皇からも叱責され、総辞職します。ついで立憲民政党の浜口雄幸が組閣し窮乏する国家財政の中、緊縮財政を進めますが、蔵相井上準之介のよる金解禁の失敗もあり、国内の不況はさらに激化します。そして1929年10月、ニューヨークでの株価暴落に始まる史上最大規模の世界恐慌は、日本を含めた全ての資本主義国に波及し、国内でも未曾有のデフレとなり、企業倒産が相次ぎました。

財政家であった浜口首相は対外的には協調外交を復活させ、1930年4月には海軍の反対を押し切って「ロンドン海軍軍縮条約」に調印しますが、いわゆる「統帥権干犯問題」を引き起し、同11/14日には右翼青年によって東京駅にて狙撃され、翌年死亡します。経済政策の失敗、財閥などとの癒着から、国民は政党政治に対して失望の度合いを深めてゆきます。

ファシズムの台頭 & 戦争への道

日本は経済や国民生活の悪化を、海外への軍事的進出によって解決しようとします。1931年9月、関東軍は奉天郊外の柳条溝で鉄道を爆破し、これを中国の仕業だとして満州事変を起します。民政党の岩槻礼次郎内閣は不拡大方針を出しますが軍部はこれを無視し、半年ほどで満州を占領しました。新聞は「満州は日本の生命線」とするプロパガンダを張り、国民も熱狂的に支持したのです。国民の支持を背景に軍部の発言力は増大し、政府や内閣を無視し、それどころテロを起こす土壌になっていきます。

5-15事件

1931年 軍部急進派によるテロ計画(3月事件、10月事件)が起こりますが未遂に終わります。しかしその首謀者は軍部によって内密に処理され、寛大な措置はさらなるテロを助長する結果となります。1932年、前蔵相井上準之介と三井財閥の団琢磨が相次いで暗殺されます。同5/15日、海軍青年将校と民間右翼が首相官邸、警視庁、日本銀行を襲撃し、犬養毅首相が暗殺されます。後には海軍大将の斎藤実が組閣し、挙国一致の名において満州国の承認と国際連盟からの脱退を行ないます。次に組閣した海軍長老の岡田啓介も、1934年にワシントン海軍軍縮条約とロンドン海軍軍縮条約を破棄します。政党政治は終焉の時を迎えようとしていました。

2-26事件

1936年2/26日、陸軍内部の皇道派と統制派の抗争から、追い詰められた皇道派の青年将校により、蔵相高橋大蔵、内大臣斉藤実、その他が惨殺されます。2-26事件は、その思想的影響を与えていたのは北一輝です。対立する統制派は講師として東大の史学教授であった平泉澄を採用してますが、平泉自身は両派ともに距離をおいています。昭和天皇に南北朝時代について講議をした事もありますが、後醍醐天皇の南朝を賞賛し北朝筋である天皇に反論されたそうです。特に皇道派から、北一輝の国家社会主義思想に危険を感じた将校などがこの平泉学派に転向していたようです。統制派は革命的過激な思想と異なる保守的な平泉を容認していたようであり、事件後に皇道派が退潮した後、軍中央への思想的影響を与えています。

2-26事件の後に組閣した広田弘毅は、軍部の操り人形と化し、政党政治は終りました。軍部は政府の統制を離れ、逆に政治を支配するようになってしまったのです。(右「第3章」及び「Appendix」を参照)>「歴史認識と自虐史観」)。

-戦後、日本の再建

1945年8/15日、日本の一方的な敗戦で終戦を迎えました。日本を占領した米国GHQの指導により1946年11/3日「日本国憲法」が発布され、翌5/3日から施行されます。前文および本文103条からなり「主権在民」「基本的人権の尊重と男女平等」「戦争の放棄」などが謳われており、全て口語で書かれています。選挙法も改正され、初めて女性に参政権が付与されました。戦前、非合法であった日本共産党も合法となりました。

政党政治の再生

戦後初、新選挙法に基づく1946年4月の総選挙で第1党となったのは、政友会の流れを汲み吉田茂を総裁とする自由党でした。ちなみにこの時、社会党92名、共産党6名、そして39名の女性議員が当選しています。いすわりを画策する幣原内閣を倒し、第1次吉田内閣が組閣されますが、しかし膨大な戦時国債残高を抱え、しかも産業基盤を根こそぎ破壊されていた戦後においてハイパーインフレに対して有効な対策が打てませんでした。

1947年4月、新憲法に基づく初の総選挙において、進歩党の後身である「日本社会党」が第1党となり、社会党委員長の片山哲を首相に、民政党の流れを汲む「日本民主党」と連立内閣を組みます。しかし彼等も有効な政策を打ち出せず、徴税を強化してインフレを抑えようとしたため国民の不満は高まります。しかも「傾斜生産方式」(「鉄、石炭、電力」など、産業基盤となる分野に対して重点的に予算を投入し、再興を早める政策)による財閥の復興を推進するなどしたため、わずか1年で倒れました。

ついで民主党総裁の芦田均による連立内閣が汚職によって1年で倒閣し、その後は自由党の総裁となっていた吉田茂を首班とする内閣が1954年12月まで政権を担当したのです。この間、朝鮮戦争(1950年6月~1953年7月)特需による経済の浮上、1951年9月のサンフランシスコ平和条約調印(翌4月に発効)による国際社会への復帰、「日米安全保障条約」の調印など、戦後日本の大きな転換点となりました。

55年体制

吉田内閣の対米追従と再軍備政策に対し革新勢力は激しく反発し、自由党内でも左派の反発が高まります。1953年、自由党は分裂し、反吉田派は日本自由党と称し、さらに改進党と組んで「日本民主党」となります。1954年12月には吉田内閣は倒れ、吉田茂の後継となった「鳩山一郎」が組閣します。1955年、再び鳩山一郎が組閣し、さらに「日本民主党」と「日本自由党」の合同、いわゆる「保守合同」によって「自由民主党」が結党されます。一方、社会党は鈴木茂三郎を党首に右派と左派が合同し、ここにいわゆる「55年体制」が確立されたのです。

日本をアジアにおける対ソ反共の拠点としようとする米国の政策もあり、公職追放の解除により旧官僚体制が復活し、また旧財閥を中心とした大資本が再び形成され、これらが自民党と強く結びつき、その後、長く一党独裁で政権を担当する保守政権が確立されたのです。それは自民党第15代総裁である宮沢喜一の時、自民党が下野するまで続きました。1964年には戦前には非合法であった創価学会を母体とする公明党も結党され、信仰心を背景に強力な組織選挙を行ないつつ今に至っています。

革新勢力としては、1964年には安全保障政策を巡る対立から、日本社会党から民社党が分離します。しかしソ連を盟主とする共産主義体制の崩壊と政治の保守回帰の流れの中、革新勢力は今や全く勢力を失い、社会党の流れを汲む社民党は今や消滅の危機に瀕しています。共産党も、やはりその形態をあまり変えずに今日に至っているものの、国会における議席数は大きく減じました。革新勢力の影響力は、今や全く失われたと言っていいでしょう。

参考>「法治、主権在民、議会制民主主義

日本の政治の基本

~「法治国家」「主権在民」「議会制民主主義」~ 2004. 3/13th 

日本は「法治国家」であり「議会制民主主義」です。そして日本の法は「主権在民:国民が国家主権を有する事」を定めています。

「主権在民」と「議会制民主主義」

政治家とは、主権者たる国民が民主主義選挙によって選出した「国民の代表」です。その意味する事は「主権者たる国民の代表たる政治家の失政 = 国民の責任」という事です。それが「議会制民主主義」であり「主権在民」です。これに対し、以下のような反論があるでしょう。

> 国民の信任を裏切った時点で、まず政治家の責任を問うのが先だ

はい、選挙において有権者の信任を受けて当選した政治家には、国民の信任に応える責務があります。それを裏切った政治家に対し、国民は次の選挙で投票しない事によって落選させ「責任を取らせる事」ができます。それが「議会制民主主義」です。

さらに、以下のような反論もあるでしょう

> 「選挙の時だけ調子の良い公約をして。守れもしない公約などするべきでない

しかし「国民の信頼を裏切った政治家」に対し「その政治家を選出した国民の責任」もあるのです。「こんな公約、ホラだ。実現不能だ」と思うなら投票しなければ良い。信用して当選させて、公約を破られ裏切られたと思うなら、信じた自分がバカだったと反省し、次には落選させる事です。

自民党の「金権腐敗体質」「バラマキ」に対する批判があります。「消費税が 20%になったり、年金の受給年齢が100才になっては嫌だ」という主張があります。しかし現状とは、主権者たる国民が選択(選挙)を積み重ねた結果であり、未来もそうです。そうなっては嫌だと思うなら、主権者たる国民自身が変り、もっとましな政治家を選出しなければなりません。「自民党はバラマキする」と分かっていて自民党政権を選択し続けている以上、これはもう国民の責任という事になりますし、その結果については「自分で政治家を選んだんだから」と甘んじて受け入れなければなりません。それが「主権在民」であり「議会制民主主義」です。自民党政権が続いているのは有権者の意志です。文句があるなら、国民は「落選させる事」によって政治家に責任を取らせ、改革へと駆り立てなければなりません。

「日本は法治国家」

日本は「法治国家」であり、近代国家の政治運営とは「法の執行、その物」です。構造改革は停滞していますが、その原因は「日本は法治国家であり、議会制民主主義国家である事」です。私個人は、全体的には「法律が規定し制限している総理大臣の権限の範囲」で小泉首相はよくやっていると思います。「丸投げばかり、抵抗勢力に妥協を重ねる小泉首相はけしからん」「小泉首相は断固として抵抗勢力を排除し、改革を推進するべきだ」という意見がありますが、これは「小泉首相は法を無視し議会を無視し、独裁者たるべきだ」と言うに等しい暴論です。以下に「法」の枠組みによって雁字搦めの中、小泉はちゃんとがんばっているという実例を示しましょう。

  • 高速道路民営化     

以下のような批判があるでしょう。

> 一部の政治家たちの利権の為に高速道路を沢山作るのも、国民の責任なのか?

> それで、増税したり、年金受け取れなくなっても国民の責任になるのか?

まずこれには「自民党の政治家や官僚組織は、国家に寄生し国民の納めた税金にたかり、肥え太っている。国民はその犠牲者だ」という勘違いがあります。バラマキに依存し生計を営みつつ「公共事業を誘致してくれるのが良い政治家だ」「陳情しよう」という国民も多い。そう公約して当選している政治家も多い。この場合「建設を中止する事」こそが政治家を信じて投票した国民への裏切りであり、続行するのが「有権者との約束」です。政治家が国民の税金を浪費する姿は、そうゆう政治家を当選させ公共事業を誘致させ蟻のように利権にたかろうとする国民自身の姿と表と裏です。

高速道路の民営化計画については、もともと政府の保有株式比率を50%かそれ以上という計画であったのに対し、小泉首相ががんばって、1/3にまで引き下げさせています。自民党の抵抗勢力(道路族)とて、適法(かどうかは怪しいかも(笑))に実施された民主主義選挙によって選出された国民の代表です。それを無視して小泉首相が「政府の持ち株比率は無しだ」などと勝手に決めたらそれは「独裁」です。「法治国家」という枠組みの範囲で、精一杯、現実的な折衝を重ねた結果としての落としどころが「1/3」であり、文句や批判ばかり言っていないで、評価すべき所はきちんと評価してやらねばならないのです

それを安易に批判する人「無駄な公共事業を中止すれば財政再建できる」などと安易に考える人は、自ら先頭に立ち、建設業に従事する大勢の庶民に対し

 - 公共事業を陳情するのは止めよう

 - バラマキに依存して暮らすのを止め、明日から路頭に迷おう

と言ってきかせる努力をしているとでも言うのでしょうか? 国民にその気があれば「むやみと公共事業をバラマく政治家を落選させる事」「官僚をきちんと指導監督しない政治家を落選させる事」どちらも可能であるはずです。

  • FTA:Free Trade Agreement

メキシコとの FTAが、どうやら合意のメドがたちました。

日本は既に高度に発展した先進国です。FTAによって安い海外農産物や畜産物の輸入が増える事と、工業製品の輸出における不都合による損得を比較すれば、圧倒的に損失が大きい事は計算上、明らかです。それを踏まえ、小泉首相は関係閣僚に「農産物畜産物だけをいつまでも聖域扱いするわけにはいかない。メキシコとの FTA合意に努力するように」という指示を出しています。これをメディアの受け売りで「丸投げ」などと批判する傾向がありますが、これは「大統領制」と「議員内閣制」の違いを理解していない証拠です。

さらに問題の焦点は、念頭に置くべきは「日本の農業畜産業」であるのか、あるいは「日本の農家畜産家」であるのかです。政治家とは、選挙(民意)を怖れなければなりません。ここで、産業としての日本の農業畜産業を育成発展させるのであれば「海外産品との競争に耐えうる産業として育成する事」が王道です。しかし選挙を怖れると、保護する対象が有権者としての「日本の農家畜産家」となってしまい「海外からの輸入にとにかく反対」という事になってしまうのです。

農家畜産家の利益を代表する政治家の反対により FTAの締結交渉に手間取っている事を安易に批判する人は、自ら先頭にたち、農業畜産業に従事する国民に対し

 - 海外産品の流入による打撃より、工業製品の輸出における不都合による打撃の方が大きい

 - 申し訳ないが日本のトータルでの国益のため、路頭に迷ってください

と言ってきかせる努力をしているとでも言うのですか?

ここで小泉首相が「やかましい、トータルで見ればメキシコとの FTAは圧倒的に日本の国益だ」として勝手に締結を決めたら(意見としては正しくとも)それは「独裁」です。そして農家畜産家が地元の政治家に輸入制限の緩和撤廃に反対するよう陳情している以上、やはり改革を阻んでいるのは国民だという事です。「我々はどうなっても良い。日本全体の国益のため、メキシコとの FTA締結を急いで下さい」「それに反対しようとする政治家には投票しない事によって落選させます」と言えば、政治家は大慌てで動き出すと思います。

  • 官僚の天下り     

「税金を無駄遣いし、官僚に天下り先を作らせる事」に対する批判もあります。ごもっともです。それについても、政府は事務次官ら中央省庁幹部経験者の特殊法人、独立行政法人トップへの天下りを全体のポスト数の半数以下に抑える方針をを打ち出しています。

2004. 3/13日現在、特殊法人は45、独立行政法人は95あります。政府はこれら法人の業務の効率化、スリム化を促進する観点から、経営感覚を持つ民間人の積極登用も図るとし、トップに限らず官僚OBの役員就任に関しても、半数以下を維持するとしています。安易な「手緩い」という批判が聞こえてきそうですが、これは立法府たる国会によって法案として審議採決され、可決されない限り「目標値」にすぎません。法的根拠も無しに、各省庁や法人に協力を強いたら「独裁」なのです。

それと、これはやはり言っておくべきと思いますが、日本はなんだかんだ言ってもチャンスの国です。猛勉強して東大法学部を卒業し、中央省庁のキャリアとなり「自分こそが天下りポストをゲットする立場になる事」だってできるのです。自分の資質や努力の不足ゆえに妬んでいると後ろ指をさされたくなければ、チャレンジしてみるというのもありでしょう。

Appendix. 盧武鉉大統領の弾劾訴追案成立

韓国国会にて、大統領選挙の不法資金などを理由に野党が提出した盧武鉉大統領の弾劾訴追案ですが、在籍議員271人の2/3超の賛成が必要であったのが、与党ウリ党を除く議員195人が投票し、193人が賛成、2人が反対により可決成立しました。韓国憲政史上初の出来事であり、大統領権限は憲法裁判所による弾劾審査が終わるまで停止となるそうです。4/15日予定の総選挙を前に北朝鮮問題や景気低迷などなどの外交、内政に与える影響は極めて大きく、国政の混乱は必至との事です。憲法裁判所は180日以内に判断を下すが、裁判官9人中6人の賛成で大統領は罷免となるそうです。

盧武鉉大統領については日本に喩えれば「反米反日ナショナリズムの高揚を受け、社民党党首が首相になってしまった」という所でしょう。全く、民主主義とは衆愚政治であり「主権在民」も善し悪しです。最近、領土問題となっている竹島の切手を発行したり、日本による併合時代に親日的だった人を調査しようという法案も可決成立していますが、個人的には「内政の混乱から

10/26/2004 9:01:15 AM

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「田中角栄を葬ったのは誰か」シンポジウム「田中角栄」(全編)視聴回数 6,765 回・2016/07/26 に公開■シンポジウム「田中角栄」■期日:平成28年7月26日(火)5時開場 5時30分開演・場所:憲政記念館講堂

主催:日本一新の会・(株)K&Kプレス・ゲストスピーカー小沢一郎(衆議院議員)石井 一(元自治大臣)「冤罪」(田中角栄とロッキード事件の真相)著者

大下英治(政治評論家)・パネラー佐高 信(評論家)早野 透(元朝日新聞記者)平野貞夫(元参議院議員)「田中角栄を葬ったのは誰か」著者植草一秀(経済学者)

https://youtu.be/-azD53mPWi8

6:19 2016/11/18


(公式)植草一秀氏(政治経済学者)「安倍政治の本質とブレイクスルーの方策」 チャンネル登録364 ・視聴回数 10,622 回・2016/06/03 に公開・第14回世界友愛フォーラム(主催:東アジア共同体研究所)に政治経済学者の植草一秀氏をお招きし、講演していただきました。

https://youtu.be/AYaIEPu5vTk

4:45 2016/11/18


反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本 – 2015・3・19 相川 俊英 (著) 内容紹介

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/04/post-e46e.html


http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/04/post-e46e.html

11/21/2016


まえがき

・アベノミクスでは地方創生はできない・1頁・

日本の政治は戦後一貫して、「国土の均衡ある発展」を金看板に掲げてきた。地域住民の生活向上を目指し、全国津々浦々でインフラ整備を進めてきたのである。

巨額の税金が投じられることになったが、そのおかげで生活基盤の地域差は少なくなり、日本どこに住んでいても一定の利便性を享受できるようになった。国指導で進められた公共事業の成果と言える。

しかし、ハード面での「国土の均衡ある発展」が進展すると同時に、東京など大都市部に富と人が集まるようになっていった。一方で地方からの人口流出が加速し、過疎地域が生まれ広がっていった。地方の衰退である。

国は税金を投入することで地方の疲弊を抑えようとした。ハード事業を中心とする手厚い支援である。地方の側も国の支援を望み、頼みとした。それは単に財政面だけではなく、政策面においてもだ。地域の実情を横に置いたまま、国が一方的に提示する政策をそのまま採用し続けていた。自分たちで創意工夫する努力を怠るようになっていったのである。


商品の説明をすべて表示する 単行本(ソフトカバー): 226ページ

出版社: 講談社 (2015/3/19)言語: 日本語発売日: 2015/3/19


目次


第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・


・行政、住民、政治の「じゃんけん」・16・

政治や行政への不満や不信が日本中を覆いつくすようになって、すでに久しい。

自分たちの思いを汲み取らずに動く政治や行政に怒り、嘆き、それどころか関心を失っていく人たちが後を絶たない。自分とは関係ないものだと政治や行政にそっぽを向いてしまうのだ。

だが、この世の中に政治や行政と無関係に生きられる人など存在しない。人間誰もが社会的な存在であるからだ。政治や行政の影響から逃れることはできない。それは、関心のあるなしとは別次元の話である。

そもそも我々住民にとって政治や行政とはいかなるもので、「行政、住民、政治」はどのような関係性にあるのだろうか。


この三者を「じゃんけん」に関係に置き換えて説明する人がいる。誰もが知っているグー(石)チョキ(ハサミ)、パー(紙)のじゃんけんである。

パーは政治家で、このパーに勝るチョキが住民だ。選挙によってパーの政治家をただの人に変えることができるからだ。チョキには勝てない政治家もグーの役人にはめっぽう強い。16・


17頁・16/11/19 11時25分・

だが、政治家にからっきし弱い役人も住民には強気だ。上から目線で住民を見下ろし、いんぎん-ぶれい慇懃無礼に接する役人がなんと多いことか。

こうした実態から住民と政治家、役人の抑制均衡関係をわかりやすく「じゃんけん」に例えているわけだ。それは、この三者を三つ巴の関係と捉えているからだ。

その三つ巴の関係が、現在、非常に歪んでしまっている。

・最大の原因はチョキ(住民)にある。ハサミが小さくなり、しかも、開きが悪く、切れ味が著しく低下してしまっている。チョキの機能が落ちるにつれ、パー(政治家)は弛緩してしまい、どんどん劣化していった。チョキに切られるという不安や恐れが薄れ、切磋琢磨する必要がなくなってしまったからだ。

・その結果、パー(政治家)はどんどん小粒化・劣悪化していき、実質的にグー(役人)の一人勝ちになっていった。これが政治(政治家)と行政(役人)、住民の三者による「じゃんけん」関係の歪んだ現状である。

だが、政治と行政、住民の関係を「じゃんけん」関係と捉えるのは、そもそも大きな間違いだ。本質的にはそういう関係ではなく、また、そうであってもならない。17頁・16/11/20 5時16分・


18頁・三者の関係を理解する上で最大のキーポイントとなるのが、「税金」だ。

税金とは何か。

「我々や我々の子や孫が生活をしていく中で、さまざまな社会的な課題を抱えることになる。そうした社会的な課題を解決するために、皆であらかじめ出し合う金」が、税金である。

その税金の集め方と使い方、さらには生活していく上での様々なルールを作るのが、政治だ。つまり、政治が、税金を使って解決すべき社会的課題か否かの判断を下すのである。

もちろんそれが税金を使うべき社会的な課題かどうかの判断基準は一定でなく、時代や社会状況、地域によって変わる。

・重要なのは、税金を支払っている人たちの合意や納得に基づく決定であるか否かである。

・税金が決定した税金の集め方、使い方に則って実務をとり行うのが、行政(役人)だ。つまり、本来は政治(政治家)が行政(役人)をコントロールしなければならない。

では、その政治の担い手は誰か。日本社会は主権在民となっている。つまり、われわれ一人ひとりの有権者が政治の担い手であり、税金の集め方と使い方、そして社会のルールづくりの主役なのだ。

ところが、残念ながら現実はそうなってはいない。先ほど説明したように、ゆがんだ形での「じゃんけん」関係が形成され、グー(役人)の一人勝ちとなっているのが実態である。18・


16/11/21 0時53分・


・自治体は「分譲マンション」・19頁・


本来の住民と政治(政治家)、行政(役人)の三者の姿を例えるならば、「じゃんけん」関係ではなく「分譲マンション型」関係というべきだろう。

分譲マンションの場合、区分所有権を持つ住民らが管理組合を組織する。そして、自分たちの中から役員を選び、管理組合のトップ(理事長)を選ぶ。

・管理組合はマンションの維持管理や保守、修繕などについて議論し、方針を決める。実務は管理組合ではなく、委託された管理組合が行う。この管理会社が、行政つまり役所に当たる。管理などにかかる経費の原資は区分所有者が支払う管理費で、これが税金に当たる。

・マンション管理組合の役員会に当たるのが議会で、理事長は国政ならば内閣総理大臣、地方自治体ならば首長ということになる。国政の場合、選挙で選ばれた管理組合の役員の中から総理大臣を選ぶが、地方自治体の場合は役員選挙とは別に、管理組合トップの選挙を行うことになっている。二元代表制である。

マンション管理組合の理事長の役割は、住民の代表として管理会社をマネージメントすることだ。管理や点検、修繕などの方針や予算などを取りまとめ、管理組合の役員会や総会に諮るのは建前となっている。19・


20頁・平成28年11月21日

実際のマンションの場合、そこに居住していない(区分所有していない)人が理事長になることはあり得ないが、地方自治体の首長は住民以外の人でも選挙に当選すればなれる。

・その点を除けば、マンションの管理組合と地方自治体の構造はきわめてよく似ている。

・ところが、実情を見ると、区分所有者の多くがマンション全体の管理に関心を払わず、役員会が機能していないケースが多い。理知場や役員のなり手がなかなか現れず、居住環境の維持や改善は自分たちの日常の問題にもかかわらず、総会に出席しない住民さえ少なくない。なかには管理費を滞納する居住者まで現れる。

こうなると管理組合は機能を充分に発揮できなくなり、理事長も単なるお飾りになってしまう。いつの間にか、委託先の管理会社の社員が実質的な理事長になってしまうのである。つまり、行政(役人)がすべてを取り仕切ることになる。

先ほど紹介した歪んだ「じゃんけん」関係でグー(役人)が一人勝ちになるというのは、こういうことを指している。

では、管理会社への丸投げが進むとどうなるか。居住者の要望や都合よりも管理会社の都合が優先されることになりがちだ。20・


21頁・例えば、マンションの駐輪場を広くしたいといった居住者の生活実感に根ざした要望よりも、事業費の大きくて業者にとって「うまみ」のある外壁の塗り替え工事などが優先されたりする。毎月の管理費が高くなり、その割には、本来居住者が望んでいるような住環境の維持や改善が一向に進まぬ事態となるのである。

ではなぜ、管理会社への丸投げが行われてしまうのか。

マンション居住者には「管理することはめんどくさい」「暇はない」「余裕はない」「カネは払っているのだから、誰かに任せたい」という思いがある。

自治体における「お任せ民主主義」というのが、まさしくこれである。21・


平成28年11月21日・ここまで・

第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし・


・ジリキノミクスへの取り組み・98頁・


村を蘇らせた「働く公務員」~“「崖っぷち型」ジリキノミクス”福島県泉崎村・100頁・平成28年11月18日

「短くても半年、それも2人ずつ何とか受け入れて頂けないでしょうか?」

「職員を減らしているので増えるのは困ります。無理です」

「そこを何とかお願いします。・東北の下條村・を目指したいのです。受け入れて頂けるまで何日も寝泊まりする覚悟で参りました」


2,010年2月のある日のことだった。2人の男性が応接間で向かい合い、こんなやりとりを続けていた。長野県下條村の村役場の応接室だった。

懇願されて困り果てた表情を見せるのは、下條村の伊藤喜平村長。

・一方、要求が受け入れられるまでテコでも動かないと悲壮感を漂わせていたのが、福島県泉崎村の久保木正大村長だ。前年11月に就任したばかりの新人村長だった。直線距離で数百キロメートルも離れた福島から、不退転の決意で訪ねてきたのである。

それは、泉崎村の職員を下条村役場で長期研修させたいという異例の申し入れだった。

市町村職員が県や国、研究機関などに研修目的で出向する事例はよくあることだが、村の職員が他県の村で長期研修をするというのは聞いたことがない。短期日程での視察で済ますのが、通例でもあるからだ。100・

101頁・実は、泉崎村の久保木村長は、自らが村議会運営委員だった時に下條村を視察し、様々な取り組みの説明を下條村の担当者から受けて、深く感銘した体験を持っていた。


・人口4,000人ほどの小さな山村に過ぎない下條村は、行政関係者の間から「奇跡の村」と呼ばれていた。財政改革を徹底し、全国のトップクラスの健全財政を運営していたからだ。


下條村の「財政力指数」(必要経費を税収で賄える割合)はわずか「0・221」と低いが、実質公債比率(一般財源に占める借金返済額の割合)はマイナス五・四%出、なんと全国ベスト3位。実質公債比率がマイナスを記録しているのは、交付財措置付きの借金を繰り上げ償還していることによる。


経常収支比率(一般財源に占める義務的経費の割合)は65・1%と6年連続で6割台を維持。また、村の実質的な借金残高が約一億一四〇〇万円に対し、基金残高は約六〇億円にも上っていた。一般会計の歳出額が約二四億二〇〇〇万円ほどなので、その2年半分に相当する(いずれも2,013年度決算)。101・

102頁・16/11/18 7時41分・ 


・「奇跡の村」の役場改角に学ぶ・102頁・

無駄をトコトン省き、仕事の効率化を追求し続けた下條村の伊藤村長の手腕は、確かに注目に値する。

・伊藤村長は1,992年の村長就任直後から、役場職員の意識改革に乗り出した。当時としては常識外れとも言える職員の民間企業への研修など、役場改革を断行した。ピーク時に五九人いた職員を37人にまで減らし、「少数精鋭」に変えた。「お役所仕事」を一掃し、職員を働くプロ集団に育て上げたのである。

コウした役場の奮闘ぶりに、住民たちも呼応した。村が提案した建設資材支給事業を受け入れ、小規模の道路や農道、水路の施工を住民自らが行うようになったのだ。

また、下條村は下水道を合併浄化槽に一本化する決断を下していた。国から手厚い補助が出る公共下水や農業集落排水事業よりも、トータルコストが少なくて済むと判断したからだ。実際、その通りの結果となった。

・下條村は一連の財政改革によって捻出した財源を、少子化対策などに充てた。子育て世代専用の村営住宅の建設や子供の医療費無料かなどである。こうして山間部に広がる小さな下條村が、全国有数の高い出生率を誇る自治体となったのである。102・


103頁・応接室でのやりとりがしばらく続いた。何度も頭を下げる泉崎村の久保木村長に根負けし、下條村の伊藤村長がとうとう「1人ずつなら・・・」と受け入れを承諾した。

こうして2,010年4月から、福島県の小さな村から長野県のより小さな村への職員派遣が実施されることになった。研修は1名ずつ、半年間ごととなった。

それにしてもなぜ、泉崎村の久保木村長はこれほどまでにこだわったのか。村の悲惨な財政状況がその背景にあった。

先述の通り、北海道夕張市が2,007年3月、国の管理下で再建を進める「財政再建団体」となった。環境事業に失敗し、巨額の負債を抱えていたことが表面化したのである。夕張市の突然の財政破綻に住民のみならず全国民が驚愕し、日本中に夕張ショックが広がった。自治体財政の危うい実態に関心が集まるようになり、誰もが「我が町の財政は大丈夫か」と不安を抱くようになった。

実は、日本中が夕張ショックに見舞われる数年前に、別の自治体がすでに財政破綻していた。夕張市のような全国的な知名度を持つ自治体ではなく、どこにでもあるような地味な小規模自治体であったため、大きな話題になることはなかった。その破綻自治体というのが、他でもない福島県泉崎村だった。103・


104頁・16/11/18 8時14分・

・イケイケ路線でがけっぷちに・104頁・平成28年11月18日・

福島県泉崎村は白河市に隣接する小さな農村で、人口約6,600人。福島県南部の一寒村に過ぎなかったが、東北新幹線の開業で村を取り巻く環境は大きく変貌した。

・1,982年に新白河駅が開設され、新幹線新駅に隣接する泉崎村はバラ色の夢を描くようになった。1,991年には東北新幹線の東京乗り入れが実現市、村は沸きに沸いた。「我が村が東京への通勤圏になった」と喜んだのである。

・実際、泉崎村が1,984年から造成をはじめた住宅用分譲地(430区画)は完売し、その後も村役場に問い合わせの電話が殺到した。当時の村長は豪腕で知られた人物だった。「日本一豊かな村に」を公約に掲げ、イケイケの拡大路線を貫いた。新たな住宅用分譲地や工業団地の造成、さらには大規模公園墓地の造成まで目いっぱい手を広げた。

・しかしその時すでにバブル経済は崩壊していた。泉崎村のイケイケ路線は完全に裏目に出てしまったのである。進出予定企業が相次いで注視を宣言し、新たな住宅用分譲地も売れたのは180区画のうちわずか12区画だった。


土地の販売代金で造成工事費などを支払うという計画が完全に破綻し、村早く六八億円もの負債を抱えてしまった。104・


105頁・これは当時の村の標準財政規模(約二四億六七〇〇万円)の約二・8倍に当たる途方もない額で、泉崎村はにっちもさっちもいかない状況となった。

・この事実が明らかになる前に豪腕村長が突然辞任し、村は大騒ぎとなった。


2,000年2月に村長選挙が実施された。結果は前村長の後援会青年部長だった小林日出夫氏の当選となった。対立候補とわずか46票差という大激戦だった。

村内で建築業を営む小林氏は、行政経験はもちろん議員経験もゼロ。泉崎村の財政破綻の詳細について、知るよしもなかった。後援会幹部として後継候補の擁立に奔走したが、財政破綻の事実を知る役場幹部は逃げ回り、自らが出馬せざるを得なくなったのである。105・

平成28年11月18日ここまで


・国に頼らぬ自主再建の道・105頁・


小林新村長は村の財政状況の説明を聞き、初めて耳にした財政破綻の事実に言葉を失った。

・しかし新村長は、直ちにその事実を村民に公表した。地区ごとに住民説明会を開催し、村の窮状を村民に知らせて協力を求めたのである。


・そして、議会で議論を重ねた末に、国の管理下に入る財政再建団体ではなく、村債の発行が出来なくなる自主再建の道をあえて選ぶことにした。


・夕張市のように財政再建団体になれば、行政サービスは否応なく最低水準に落ちる。そうなれば工業用地や住宅用地も売れなくなり、村民の負担が増えることになる。105・


106頁・苦しくとも自主再建の道を選び、粘り強く土地を売っていくほうが良策だと判断したのである。

・小林村長は福島県に日参し、県の財政支援を取り付けた。県から低利の融資を受け、負債の大部分を占めた農協からの高利の貸し付けの返済に充てたのである。

村は2,000年度に「自主的財政再建計画」を策定し、人件費や各種補助金のカットと言った歳出削減に乗り出した。借金が出来ないので単独事業は原則として行わず、ちょっとした道路の補修などは役場職員が対応することにした。

・また、分譲地の販売促進による歳入確保にも全力をあげた。住宅用分譲地の販売価格を下げ、すでに買った人にはその差額を返金した。また、村の分譲地を購入して住宅を新築した人を対象とした「ゆったり通勤奨励金」を新設した。村内の対象となる分譲地から村外に電車通勤する場合、三〇〇万円を限度に補助金を交付する大胆な策だった。

・泉崎村は、宣伝活動にも必死に取り組んだ。小林村長を先頭に、議員や職員、住民が東京の銀座で分譲地の宣伝ビラを配って歩いた。大型バスで村を案内する「現地無料招待会」などを開き、村民自らがソバを打って参加者をもてなしたりもした。

・アイデアマンだった小林村長は、2,007年に泉崎村から約200キロメートル離れた東京・銀座まで歩く「財政再建行脚」を行った。分譲地のPRを狙ってのことだ。106・


107頁・16/11/18 9時9分・翌2,008年も2回目を実施し、12月27日に泉崎村の自宅を出発して大晦日にゴールの銀座にたどり着いた。

・こうした村を挙げての販売活動が評判を呼び、分譲地が売れ出した。負債の山は少しずつ小さくなっていった。

ところが、泉崎村は思いもしなかった悲劇に見舞われる。2,009年9月、必死に財政再建に取り組んでいた小林村長が急死したのである。

107・平成28年11月18日・


「少数精鋭」役場の仕事ぶり・107・

・リーダーを突然、失うことになった村は再び大騒ぎとなった。急遽、村長選が行われることになり、2,009年11月に久保木正大氏が新村長に就任した。

先に紹介したやり取りは、そのわずか3ヶ月後のことだった。

「以前から役場のスリム化が急務と考えていましたが、職員数を削る話ですので、どうしても職員に抵抗感があります。下條村は考えられないような数の職員で、実際に仕事をしっかりこなしています。どうやって仕事をこなしているのか、生で実態を見せて貰い、うちの職員に学ばせた地と考えていました」

・こう語る泉崎村の久保木村長は、素早い行動力と粘りを発揮し、下條村から受け入れ承諾を引き出したのである。107・


108頁・久保木村長は、派遣する職員を40代の課長補佐クラスから自ら選び出し、業務命令で半年間ずつ送り込んだ。その第1号となる職員が下条村役場に単身でやってきたのは、2,010年4月だった。

・最初はものすごく緊張しました。役場の廊下を歩いている時も体がふわふわしている感じがしました」

こう振り返るのは、この研修職員第1号となった泉崎村の星雅之さんだ。少ない人数で仕事をしっかりこなす下条村役場の組織体制や配置、使途との仕方などに着目した。


・職員一人ひとりが実によく働き、一人二役や三役をしていること。仕事をする上での横のつながりが強く、職員が各課をまたいで働いていることなど、星さんにとって驚きの連続だった。

また、下條村は4つの課(泉崎村は当時11課)しかなく、業務の割り振りと配置も独特だった。星さんは、それが住民サイドに立って作り上げられたものだと実感した。

星さんはいろいろな地域活動にも参加させて貰った。そこで目にしたのは地域のまとまりや結びつきの強さだった。

・そして、飲み会の席で地元の人が漏らしたこんな言葉に、強い衝撃を受けたという。

「俺たちは自分たちが副村長になったつもりで村をよくしようとしているんだ」108・


109頁・16/11/18 15時5分・


険しいゴール・109頁・

下條村研修の半年はあっという間に過ぎた。泉崎村に戻った星さんは、全職員お前で研修方向を行い、後任者にバトンタッチした。

泉崎村職員の下條村研修は、2,014年9月末まで続いた。半年間の研修を体験した職員は9人に上った。

・泉崎村は2,013年10月25日、土地造成事業の失敗で抱えた巨額な負債の完済を果たすことが出来た。13年間に及ぶ自主再建の険しい道のゴールに、やっとの事でたどり着いたのである。

・久保木村長は、「ようやく他所並みになりました。過去のつまずきを反省材料にして、健全財政を貫いてきたい」と語る。

歳出削減を続けてきた泉崎村は職員採用を抑え、新規採油は13年間でわずか3人。久保木村長の就任時(2,009年)に91人いた職員が、現在(2,014年)は70人に減少している。村は少数精鋭路線を確立させるため、2,014年4月に役場組織の大改革に踏み切った。一一あったかを下條村と同じように4課に再編し、係長を亡くしてグループ長に変えたのである。

職員が自分の仕事だけをするのではなく、職員全体で仕事に取り組み組織にしようというものだ。109・


110頁・役場全体を下條村のような「働く公務員集団」に磨き上げようという、不退転の決意の表れである。

絶体絶命の危機に直面した場合、事態を打開するには必死に努力するしかない。歯を食いしばってひたすら頑張るのみである。そんな苦境の時ほどリーダーの良し悪しが鍵となる。

・陣頭に立ち、熱意をほとばしらせて取り組む人物を選び抜くことが重要だ。泉崎村は小林さんと久保木さんという2人のリーダーを選び、住民と職員が一丸となって行財政改革の努力を愚直までに重ねた。

・逃げずに真摯に進めてきたことが、負の遺産との決別に繋がったと言える。

問題は、状況が好転してからもその姿勢を貫けるかどうかではないか。


福島県泉崎村

・「財政自律度」ベスト438位・

・「住民1人当たりの借金残高」ワースト650位・

・「税の納付率」ワースト172位・

・「自治体選挙における投票率」・

村長選挙68・09%(2,013年10月13日)ベスト447位・

村会議員選挙79・43%(2,011年9月18日)ベスト323位・

・「豊かさ度(財政力指数)」ベスト614位・111頁・


平成28年11月18日 金曜日


地方の光となった図書館~「退路断ち切りがた」ジリキノミクス」福島県矢祭町・111頁・

全国でいち早く「合併しない宣言」112頁・

世にも珍しい住民手作り図書館・113頁・

冷ややかだった専門家も認めた・117頁・

「子供司書制度」で心の教育・118頁・

・自治体が抱える時限爆弾~「伝統・風土型」ジリキノミクス」神奈川県秦野市・120・

・ハコモノメタボを筋肉質に改善・123頁・

・地域資源を生かし切る~「先人の教え尊守型」ジリキスト」島根県雲南市・125頁・

・地域を育てていく使命・127頁・

・自力で開発するオリジナル商品・129頁・

・「クラゲで世界一」~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト」山形県鶴岡市・131頁・

反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本(ソフトカバー)  – 2015/3/19

 

相川 俊英 (著) 内容紹介

 

アベノミクスの「地方創生」は画に描いた餅!

このままでは国土は強靭化どころか弱体化し、多くの市町村が破綻・消滅する!

出生率の低下、東京一極集中で、2040年には市町村が半減すると言われている。

これは地方自治体の多くが、中央官庁お仕着せの政策とばらまかれる補助金、すなわち「タリキ(他力)」に頼ってきたツケに他ならない。一方で、国に頼らず独自のアイディアと取り組み(「ジリキ(自力)」)で自治体の再生・活性化を成功させた「奇跡の市や村や町」がある。

過疎化から人口増に逆転させた村、シャッター商店街をよみがえらせた町……。

彼らはいかにして自分たちを守り、未来を切り開いたのか。その奇策とは!?

ローカルアベノミクスのまやかしに警鐘を鳴らす地方自治取材のスペシャリストが、地方再生の特効薬「ジリキ(自力)ノミクス」を提唱する!

「自律度」「豊かさ度」「税納付率」「投票率」ほか独自集計の市町村ランキングも多数掲載。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

お仕着せの政策とばらまかれる補助金では地方創生などできない!わが道を行く「ジリキ(自力)ノミクス」でよみがえった自治体、それぞれの奇策とは!?

 

 

商品の説明をすべて表示する 単行本(ソフトカバー): 226ページ

出版社: 講談社 (2015/3/19)言語: 日本語発売日: 2015/3/19

目次

第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした・

(行政、住民、政治の「じゃんけん」・16・

・自治体は「分譲マンション」・19頁・

・タリキノミクスとジリキノミクス・21頁・

グーの上にカスミとベイ・24頁・

客(住民)を客とも思わぬ体質・27頁・

「水は足りている」のに作るダム~「公共事業の迷走」宮崎県川南町・29頁・

改修の要望がいつの間にか新設に・30頁・

「新たな水はいらない」農家ばかり・32頁・

「ジリキノミクス」5つのメリット・34頁・

第2章 納税者が知るべき「自律度」ランキング

・独自に全市町村をランキング・38頁・

「財政自律度」ランキング・39頁・

「住民1人当たりの借金残高」ランキング・42頁・

「税の納付率」ランキング・43・

「自治体選挙における投票率」ランキング・45・

第3章 後悔先に立たず「タリキノミクス」の落とし穴

「豊かな自治体」の顔ぶれ~「財政力指数」ランキング・64頁・

カネが溢れていても人が増えない~“「財政力指数」ベストワン”愛知県飛鳥村・67頁・

財政難から富裕村へと大変貌・69頁・

カネがあっても人を呼び込めない・70頁・

「タリキノミクス」自治体の4分類・73頁・

富裕自治体からの転落~「あぐら型」タリキノミクス」神奈川県南足柄市・75頁・

企業からの税収頼みの危なさ・78頁・

「橋本ポピュリズム論」の誤解「放蕩型」タリキノミクス」大阪市・81頁・

大阪市民の厚遇とハコモノ充実度・82頁・

教育環境の劣悪化で学力・体力低迷・84頁・

とどまった既得権の洗い流し・86頁・

コンパクト化が再生の鍵~「過保護感覚マヒ型」「タリキノミクス」北海道夕張市・88頁・

ハコモノづくりの打ち出の小槌・91・

第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし・

・ジリキノミクスへの取り組み・98頁・

村を蘇らせた「働く公務員」~“「崖っぷち型」ジリキノミクス”福島県泉崎村・100頁・

・「奇跡の村」の役場改角に学ぶ・102頁・

・イケイケ路線でがけっぷちに・104頁・

国に頼らぬ自主再建の道・105頁・

「少数精鋭」役場の仕事ぶり・107・

険しいゴール・109頁・

地方の光となった図書館~「退路断ち切りがた」ジリキノミクス」福島県矢祭町・111頁・

全国でいち早く「合併しない宣言」112頁・

世にも珍しい住民手作り図書館・113頁・

冷ややかだった専門家も認めた・117頁・

「子供司書制度」で心の教育・118頁・

・自治体が抱える時限爆弾~「伝統・風土型」ジリキノミクス」神奈川県秦野市・120・

・ハコモノメタボを筋肉質に改善・123頁・

・地域資源を生かし切る~「先人の教え尊守型」ジリキスト」島根県雲南市・125頁・

・地域を育てていく使命・127頁・

・自力で開発するオリジナル商品・129頁・

・「クラゲで世界一」~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト」山形県鶴岡市・131頁・

・不名誉な称号「落ちこぼれ水族館」133頁・

・オセロゲームのような大逆転劇・134頁・

・住民主導バス路線開設~「ひらめき・目から鱗型」ジリキスト千葉県印西市・137頁・

・利用者本位のバス事業・139頁・

・シャッター商店町の起死回生策~「試行錯誤型」ジリキスト・愛知県岡崎市・142頁・

・豊富な専門知識とおもてなしの心・144頁・

・「三方よし」の発想・146頁・

芸術家やIT企業家が続々移住~「人材集約型」ジリキスト」徳島県神山町・149頁・

・日本の田舎をステキに変える!・150頁・

・ユニークな移住支援活動・153頁・

第5章 「ローカル・アベノミクス」に騙されるな

・これまでの公共事業とこれからの公共事業・158頁・

・なぜ「タリキノミクス型」が多いのか・160頁・


・加速する土建政治の十倍返し・162頁・

「忘れられたダム事業」の復活~「タリキノミクス型公共事業」熊本県・164・

・亡霊「立野ダム事業」・166頁・

・二の次にされた白河河川改修・168頁・

・身の丈事業と驚くべき村民力~「ジリキノミクス型公共事業」長野県下条村・170頁・

・住民が村道や水路を整備・補修・171頁・

・下水道ではなく合併浄化槽を選択・172頁・

・国策による負の連鎖「土砂災害」・175・

・スギ・ヒノキの人工林が山を壊した・176頁・

・ダムは森林再生にはつながらない・179頁・

・力技だけでは土砂災害に勝てない~「森林再生」ジリキスト」神奈川県相模原市・180頁・


第6章 地方創生の特効薬とは何か・

・地域活性策の「失敗の歴史」・186頁・

・地域活性化予算を虚しく消化・188・

・スローガンで終わる地域活性・189頁・

・大合併でばらまいた毒まんじゅう・191頁・

・地方創生の見本「四万十ドラマ」~「清流と森」ジリキスト」高知県四万十町・192頁・

・ローカル・ローテク・ローインパクト・194頁・

・国策に従わずに守り続けた広葉樹林・196頁・

・循環経済で「地元の創り直し」・198頁・

・疲弊地方の再生拠点「郷の駅」・200頁・

・カネ・ヒト・モノの連結決算・201・

・真の地方創生を示した若き実業家・~「地元創り直し」ジリキスト」徳島県美波町・203頁・

・「半X半IT」で業績拡大・204頁・

・「ソトとナカ」の交流・206頁・

「ジリキノミクス」の3本の矢・208頁・

・あとがき・・「地域主権」と「住民自治」への道・213頁・

平成27年4月2日

8:14 2015/04/02・反骨の市町村・

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