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2014年4月

2014年4月 1日 (火)

ここに平成24年第1回龍郷町議会定例会が開催されるにあたり、平成24年度の町政運営について、私の所信の一端を申し上げ議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。


龍郷町徳田康光町長殿

田雲線の道路わきの草刈りをお願いします・世界遺産・国定公園になる奄美大島は・町民を交えて奇麗な龍郷町にしなければなりません。亜熱帯の奇麗で美しい龍郷町は日本の遺産になります。

 着物の大和のところは・いつも草刈りをなさっていますが・どういうことなのでしょうか・

どうか龍郷町の最高の責任者である徳田康光町長は町民にこういうことだと語りかけてください・行政職員だけでは何事もできません・町民を信じて町長みずからが説明をしてください。

  鹿児島県大島郡龍郷町大勝3113-1

滝田 好治

0997-69-3195

平成27年8月19日 水曜日

  龍郷町徳田康光町長殿

鹿児島県・奄美大島・行政が出資をするということは・原資は税金ですので、民主社会では、情報を公開していくべきだと思います。

 奄美空港ビル株式会社の配当金・取締役の手当などを詳細に龍郷町民に示してください・

・伊藤雄一郎・朝山奄美市長・徳田康光・・県や奄美市などが出資する奄美空港ターミナルビル会社

 鹿児島県大島郡龍郷町大勝3113-1滝田 好治

0997-69-3195

平成27年8月19日 水曜日/2015,8,27,teisei


引用


平成24年度施政方針

「はじめに」 ここに平成24年第1回龍郷町議会定例会が開催されるにあたり、平成24年度の町政運営について、私の所信の一端を申し上げ議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。


私が町長に就任して早や2年が過ぎました。この間、議会をはじめ町民の皆様のご理解により私の選挙公約である保健福祉センターのサウナ風呂の再開や70歳以上の町内間バス乗車無料化、龍北中・龍南中へのスクールバスの運行、75歳以上サウナ風呂の無料化などを実現することができました。第1次産業の振興につきましても引き続き関係機関と連携を図りながら積極的に取り組んで参りたいと思います。

さて、日本経済の動向をみますと、東日本の大震災の影響、円高、そして欧州の金融危機などにより厳しい状況が続いております。更に、野田総理は昨年11月に我が国の農業の根幹に関わる環太平洋連携協定への交渉参加を表明し、今年2月には米国と初めての事前協議を行いました。国民生活に与える影響をきちんと示さない中での交渉参加は到底納得できるものではありません。今後も政府に対し慎重な対応を行うよう関係機関とともに求めて参ります。


このように危機的な世界経済、財政状況の中ではありますが、国の予算編成の動向なども見極めながら計画的で堅実な財政運営を基調として、第1次産業の振興は勿論、観光の振興などに取り組んで参ります。特に、災害復旧を、最優先と考えております。

「現状と町政に臨む基本方針」まず、一昨年に続いて、昨年9月に奄美北部を中心とした豪雨災害があり、本町では1名の尊い命が犠牲となりました。ご冥福を心からお祈りするとともに、被災者の皆様方に改めてお見舞い申し上げます。

この豪雨により町内のいたるところで河川の氾濫や土砂崩れが発生し、家屋の全半壊・床上・床下浸水、そして農地への土砂の流入など甚大な被害を受けたことはご承知のとおりであります。


一方、被害に見舞われた集落では、消防団をはじめ町民の皆様一人一人がお互いを思いやり迅速に的確に行動したことが、人的被害の拡大を最小限に防げたものと思います。今回の豪雨災害におきましても地域の結びつきの強さを目の当たりにし、その思いに感動したところであります。


この災害に対しボランテイアの皆様による懸命な復旧作業をはじめ町内や全国各地から救援物資や義援金が寄せられ、被災された方々にとって物心両面の支えとなりました。改めて関係者の皆様にお礼を申し上げます。今回の災害でも、様々な災害を想定した防災対策の重要性を再認識したところであります。


国勢調査の確定結果では、他の自治体で軒並み人口が減少する中で龍郷町は県内43市町村で人口増加率が1位となり、町にとっては将来に希望を抱かせる大変すばらしいことであります。今後とも子育て支援や定住促進などの施策を積極的に進めて参りたいと思います。


観光振興や地域振興に期待されている世界自然遺産への登録を視野に入れ、国立公園指定に向けた取組みを関係機関と連携を図りながら推進致します。

地域間交流といたしまして、物産展などで交流の深い熊本県菊池市と友好都市の提携に努め、継続した物産展の交流や小中学生の交流・文化の交流などにより、地域の活性化に繋げていきたいと思います。


 本年2月7日に立地協定した、株式会社アーダンのシルク化粧品工場が手広地区へ進出することにより、雇用創出や養蚕業などの復活で、本町の活性化に大きく寄与するものと期待をしているところであります。

 このような中、24年度の主な事業として老朽化している嘉渡生活館の建設、消防自動車の購入、たい肥散布機の購入、イノシシ被害対策事業、新規就農者支援助成事業、新規雇用助成金事業、観光誘致助成金事業、手広集落での公営住宅の建設、戸口小教員住宅の建設、町中央公民館の建て替えに伴う基本設計の委託などを計画しています。


 特に昨年の豪雨で被災した道路・河川・農地などの災害復旧を最優先にして、早急に全力で取り組んで参りたいと思います。

 続きまして第4次龍郷町総合振興計画に掲げる六つのまちづくりの柱ごとに、主要施策についてご説明申し上げます。

 

 

 

「産業の振興」

 はじめに、地域資源・特性を生かし、地域の活性化となる産業づくりについて申し上げます。

 本町は、亜熱帯性の温暖な気候、広大な海域や森林資源に恵まれており、これらの自然環境・資源を活用した、農林水産業の振興を引続き展開して参ります。

 農業につきましては、農家の高齢化や担い手の確保、耕作放棄地の解消など生産基盤の整備が緊急の課題となっておりますが、地域の特徴を生かした安心・安全な農産物を安定的に生産できる農業を目指し、魅力を感じる産業にしなければなりません。

 そのために、地域営農支援事業として、嘉渡営農生産グループが目標としている「作業応援体制の確立」を定着させ、地域の活性化を図り、本町においての地域営農のモデル地区として位置付けて参りたいと思います。

また、農地の確保を図るため耕作放棄地を年次的に解消し、関係機関と連携して農地利用集積円滑化事業による利用権設定等を促進し、経営規模の拡大を図るとともに、新規就農者支援事業を実施し後継者の育成・確保を図って参ります。

 生産面では、まず、基幹作物である「サトウキビ」について申し上げますと、気象災害に加え特殊病害虫の発生、イノシシ被害等による生産意欲の低下が懸念されているところですが、諸事業を活用しての薬剤の助成・イノシシ防護柵の設置、更に、農業の基本である土づくりの助成を行い、優良種苗の導入、春植え・株出しを推進し、収穫面積の拡大を図るとともに、機械化による労働力の軽減を図り、農家の所得向上に繋げて参ります。

 次に、タンカン、パッション、マンゴーなどの果樹については、昨年から本島内の市町村により建設が進められております、奄美大島選果場が来期稼働する事から、有利販売によるタンカンのブランド化に向けての取り組みを推進し、農家の生産意欲・品質向上に繋げて参ります。

 次に、野菜について申し上げますと、近年、かぼちゃ、田芋、マコモ、ショウガなどの栽培への取組みがみられ、換金作物としの定着が図られてきているところです。また、営農部会等を充実し、組織的活動を展開するとともに関係機関と連携しながら、講習会や技術指導等を行い、本町の奨励作物としての普及と、さらなる栽培面積の拡大を図る取組みをして参ります。

 次に、畜産については、引き続き優良牛保留対策事業を推進し、優良系統牛の導入に努め、計画的な飼育頭数の増頭と経営規模の拡大を図って参ります。また、畜産部会を頻繁に開催して情報を共有し、経営技術の向上と粗飼料生産基盤の拡大を図り、粗飼料の自給率を高めるなど経営安定に向けた取組みを、関係機関と連携のうえ展開して参ります。

 次に林業については、森林のもつ経済的機能や公益的機能の維持・増進を図るため、今後も継続して育成複層林事業等を進めるとともに奄美大島北部にも被害が拡大しつつある松くい虫の駆除や防除事業を進めて参ります。

 水産業については、漁獲量の減少や魚価の低迷等漁業者を取巻く環境は極めて厳しい状況にありますが、引き続き離島漁業再生支援事業により漁業者の主体的・自発的な活動を促進し、離島漁業の振興に努めます。又、サンゴ礁保全対策事業を実施しオニヒトデの駆除に努めるとともに、漁協と連携しながらサンゴの養殖試験をすすめ将来にわたり良好な漁場環境の保全・保護や観光と連動した水産業の振興に取り組んで参ります。

 次に活力ある商工業の振興につきましては、地域の総合経済団体として商工会の育成・強化を図り、経営支援や創業人材の育成等を促進します。又、大島紬の振興につきましては、引き続き関係機関と協力しながら、販路の拡大や西陣など他産地とのコラボレーションの展開、消費者ニーズにマッチした新たな商品の調査研究をすすめるとともに、「龍郷柄」・「秋名バラ」を積極的に宣伝するなど大島紬の薫りを感じられるまちとして伝統産業の再生に努めて参ります。

 また、特産品の振興につきましては、各種物産展への参加や菊池市との物産交流など販路の拡大に努めるとともに、引き続き島育ち産業館において直販所の設置や日曜朝市を開催し、ものづくりによる地域おこしに努めます。

 次に魅力ある観光の振興につきましては、奄美群島は豊かな自然や伝統文化など多くの優れた観光資源に恵まれており、これらの地域特性を活用した「あまみシマ博覧会」を開催するとともに、奄美群島観光物産協会などと広域的な連携を図りながら観光の推進に取り組んで参ります。又、手広海岸で行われる国際プロサーフィン大会を継続的に支援するとともに、本町の観光アピールと宿泊客の増加を図るための助成事業を実施します。

 

 

「福祉の充実」

 次に、健やかで、安心して生活できるくらしづくりについて申し上げます。

 本年度も、子育て支援の一環として、昨年に引き続き放課後児童健全育成事業を実施し、子どもたちの健全育成を図り、保護者の皆さんが安心して子育てが出来る環境づくりを目指します。乳幼児医療につきましては、医療費助成の対象年齢を就学前まで行い、自己負担分を助成し医療費を無料とすることで、乳幼児の健康増進と若者の定住促進の充実を図り、本町で住んでよかったと思える町づくりに努めて参ります。

町民の健康づくりにつきましては、生きがいを持って豊かな人生を過ごすために生涯にわたって健康を維持すること、すなわち、健康寿命を伸ばすことが重要だと考えております。生活習慣の改善によって健康を増進し、疾病を予防する「一次予防」に重点を置いた保健指導を積極的に進め、特定健診やがん検診など受診率の向上や健康づくりに対する町民意識の啓発に努め、青壮年期からの健康保持、増進を図ります。又、健診率向上のために地域におけるサポーターとして健診声掛け隊の育成に努めます。

 新たに策定される高齢者福祉、介護保険事業計画に基づき、施策が予防活動へとシフトしていく中、地域包括支援センターを中心に介護予防として「元気はつらつ教室」更に、閉じこもり予防、生きがいづくり、健康づくりを兼ねた地域サロンとして「どうくさや会」を町内の各集落で開催するなど地域支援事業の推進を積極的に行い、介護予防と自立支援を図り介護保険事業の適正な運営に努めます。

高齢者福祉につきましては、町内間の高齢者バス無料化、75歳以上の高齢者の福祉センター入浴無料化、肺炎球菌予防接種助成、在宅介護人手当支給、配食サービスなど引き続き実施し、住み慣れた地域で元気で生きがいをもって暮らせるまちづくりに努めて参ります。

 また、高齢者の自主的な活動を促進し、地域づくりの大切な担い手として活動して頂けるように老人クラブへの助成を行います。又、高齢者など要援護者を地域で支え、安心して暮らすことができるよう地域見守り隊の組織づくりを各集落で行い、安心安全な町づくりを進めていきます。

 障がい者福祉につきましては、障がい者自立支援法に基づく各種施策を着実に実施し、自立した日常生活や社会生活ができるように支援して参ります。

 子育て支援の観点から、唯一がんをワクチンで予防できる子宮けいがん予防ワクチンの接種助成を、中学生を中心とした年齢に対し実施します。又、乳幼児を対象とした髄膜炎等を予防するヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの接種助成も行います。

 また、本町は、乳幼児の虫歯病率が高いことから、保育士、保護者への歯科教育を行い、虫歯予防を図ります。

 

 

「生活環境の整備」

 快適でゆとりある生活環境の整備を進めるため、町民生活に欠かすことの出来ない、衛生的で安定した水の供給は必要不可欠であります。

そのため現在進めています、荒波地区簡易水道統合事業を継続して行い、又「加世間又・浦地区」間の水道未普及地域の解消を図るため排水管の敷設(ふせつ)整備を進めて参ります。

 大量消費型社会の中で、ゴミ種類の多様化と排出量も年々増加傾向にあり、資源の「循環型社会」構造へ転換していくため、町民の協力をお願いし、徹底したゴミの分別と資源ごみの有効活用を図ると共にゴミの減量化に努めて参ります。

また、合併処理浄化槽による生活排水処理事業を継続し進め、生活環境・公共用水域の水質保全を図って参ります。

更に、地球温暖化に対する二酸化炭素の排出規制が叫ばれている中、温室効果ガスの排出量の消費節減に努め、地球温暖化対策実行計画に基づき公共施設における温室効果ガスの排出量の削減に力を入れます。

本町は、近年国道58号線沿いにおいて事業所の進出をはじめ個人並びに民間活力による住宅の建設が進められています。この現象は、これからも続くものと考えられる事から、自然環境と調和の取れた生活環境基盤のインフラ整備をより充実し、住みたくなるような町づくりを推進致します。

道路の整備につきましては、幹線道路である国道58号線の整備により、奄美市名瀬や笠利方面からの渋滞解消を図ることができました。町道については、地方道路交付金事業により、広域道路として浦~赤尾木線、観光地へのアクセス道路として本茶~安木屋場線を継続して整備を行います。特に昨年の豪雨災害で被害を受けた県管理の道路・河川等について大島支庁など関係機関と連携を図りながら早期復旧に向けて取組んで参ります。

円林道についても、今年度、路線の測量設計を委託し、平成25年度一部着工いたします。

また、町総合振興計画に基づいて、その他の道路も随時改良舗装整備を行い、安心・安全な道路や生活環境を図ることにしております。

 河川の整備については、幾里地区の山田川河川改修を本年度も引き続き実施して参ります。

公営住宅の整備については、手広地区に低所得者向けの6世帯の集合住宅を建設致します。

次に、地籍調査事業については、町土の有効利用を図るためには、どうしても地籍調査は欠かすことのできない事業でありますので、関係機関に対し引き続き事業費拡大の要請活動を行い、早期完了に向け努力して参ります。

 消防、防災対策については、風水害等の気象災害や地震、津波及び火災の災害から地域住民の安全を確保するため、「ハザードマップ」を策定し、「自助・互助・協助」の考えのもと、地域住民が主体となり関係機関と一体となって災害に強いまちづくりに向け取り組んで参ります。又、年々増加する救急出動や高度化する救急業務に対応するため、これまでに5名の救急救命士を養成して参りました。救命士と救急隊との訓練を重ね、本町の救命率の向上に努めて参ります。

 地域住民の安心・安全を確保するため、防災教育や防災訓練の実施、自主防災組織の育成・充実に努め、龍郷消防分署並びに消防団と連携した出動体制の強化を図り、今後とも町民の生命、財産の保護に全力をあげて取り組んで参ります。

 交通安全対策については、交通事故のない住みよい町をめざし、交通ルールとマナーの実践を習慣づけるため、警察など関係機関と連携し、交通安全教室等の啓発活動に努めて参ります。

 防犯対策については、地域安全週間等における啓発活動を推進すると共に、関係団体と連携し防犯意識の高揚を図り犯罪のない安心・安全なまちづくりを推進します。

 

 

「教育・文化の振興」

 次に、歴史と文化が薫り、豊かな心で創造性を育む教育・文化づくりについて申し上げます。

教育においても、平成24年度から、新学習指導要領が全面実施されることになり、新しい時代に対応した教育の内容やシステムを求める改革が進められております。

そのような中、本町と致しましては平成24年度町教育行政重点施策に基づき、町民の皆様の御理解と御協力を頂きながら次の時代を担う子どもたちの育成をはじめ、教育、文化、スポーツ活動等を積極的に進めて参ります。

その推進にあたっては学校・家庭・地域社会がそれぞれの役割を十分果たしながら一層の協力と連携のもと、体験活動を通じて幼児期からの「心の教育」の充実に努めるとともに基礎、基本の確かな定着や個性の伸張を図り、自ら学び自ら考える力や豊かな人間性、健康な体力気力などの「生きる力」を備えた児童生徒の育成が必要であります。また、環境教育については博物学士講座などを継続し、実施して参ります。

 本年度は、戸口小学校教員宿舎、龍郷・龍瀬小学校体育館大規模改造、中央公民館基本設計、教育面においては、小学校新学習指導要領により、これまでの先行実践をベースにした、英語教育の一層の充実を図って参ります。

 また、障がいのある児童生徒等の教育指導の充実を図るため、特別支援学級の設置や「特別支援教育支援員」や、「スクールソーシャルワーカー」を配置し、障がいに応じた教育の充実に取り組んで参ります。

 学校給食の実施については、安全性の高い調和の取れた食材の選択に配慮し、地場産品を生かした献立の工夫や地産地消の推進のため各関係機関の協力を頂き、地産地消体制を整備し安全で高品質の学校給食づくりと食育の推進に努めて参ります。

 また、小・中学生のスポーツ及び文化、学習面を支援し、「知・徳・体」の調和に富んだ、感性豊かで気力に充ちた子どもを育成するために本年度も「輝く龍郷っ子」事業を継続して参ります。

 生涯学習については、中央公民館を中心とした各種講座等の尚一層の充実を図り、幼児から高齢者まで広く町民が学習参加できる場を提供し、町民のニーズに対応した生涯学習の更なる充実に努めて参ります。

 文化の振興につきましては、町民が芸術文化に触れる機会を拡充し、これまで培われてきた伝統文化の若い世代への継承、普及に努めて参ります。

 スポーツ活動の振興は、町民が今日の長寿社会を心身共に健康で、幸せに生きる上で極めて重要な役割を果たすものであります。第52回大島地区体育大会では、それぞれの競技において前回大会以上の成績をおさめ5種目の競技で団体優勝を果たし、町民に勇気と感動を与えたことは記憶に新しいところであります。今後とも関係団体と競技力の向上を図ると共にスポーツを通して町民の親睦と健康増進に努めて参ります。

 

 

「地域社会の構築」

 集落によっては過疎、高齢化していく中で、集落住民が暮らしやすい集落環境づくりと町民本位の行政執行を目的に、ほとんどの集落で活性化委員会を組織して頂きました。その中で集落の課題や展望などを話し合うことで町民が町政への関心を高め、気軽に町づくりへ参加できやすい体制づくりに努めています。町と致しましては集落の活性化委員会で話しあわれた貴重な要望や提言等を受け、その実現に向けて努力しているところであります。

 また、集落活性化委員会や各種団体の要請に応じて各地域に出向いて町民の皆様の生の声をお聞きする機会もつくっていきたいと思います。

地域情報通信基盤整備推進交付金事業により町内全域で光ファイバーケーブルを接続し、住民がインターネット等、各種サービスを受けられるよう情報通信網の整備を図ったところであります。今後は多様な情報通信システムを、年次的に整備をして、町の活性化に繋げていきたいと思います。

 人権教育については教育委員会などと連携を図りながら人権教育の啓発促進に努めて参ります。

 男女共同参画社会については男女共同参画基本計画の策定へ向け協議を重ねて参ります。

(健全で効率的な行財政の運営)

 健全で効率的な行財政の運営につきましては、龍郷町行政改革実施計画に基づき、町民の目線に立った事務事業のあり方や業務の進め方を工夫し、より効率的・効果的なサービスを実現するために、組織ぐるみで取り組んで参ります。

 町税については、「公平負担の原則」に基づいた税収の確保が重要となっているところでありますが、長期にわたる景気低迷もあり、税の滞納額は依然として減らない状況にあります。このような状況の中で、住民サービスの基幹的な財源である地方税を着実に確保し、税の公平性を図るうえからも引き続き県と町が連携した徴収体制の強化に取り組んで参ります。

「むすび」 以上、平成24年度の町政運営に対する所信と施策の概要について申し述べました。国は深刻な財政状況の中で平成24年度予算編成においては、「東日本大震災からの復興」、「経済分野のフロンティアの開拓」、「分厚い中間層の復活」、「農林漁業の再生」、「エネルギー環境政策の再設計」の五つの重点分野を中心に、日本再生に全力で取り組んでいくとしています。

 本町としても、今日の厳しい難局を乗り越えていくためには、議会をはじめ町民の皆様とともにお互いに知恵を出し合いながら行政運営を進めていかなければなりません。

町民の皆様が「龍郷町に住んでよかった、龍郷町がふるさとでよかった」と実感できるような町づくりに向け、住民生活に密着した事業や施策に重点的、計画的に予算編成をいたしました。

その結果、一般会計の当初予算は47億2,438万7千円となり前年度比4.8パーセントの減額予算となっております。

特別会計の当初予算額が6特別会計で21億7,568万円となり、前年度比0.02パーセントの増額予算となっています。

具体的な内容につきましては、予算審議を通してご説明申し上げることとしておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

以上で議会の皆様並びに町民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、平成24年度の施政方針といたします。

12:14 2012/04/25


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2014年4月 7日 (月)

下條村自立(律)宣言~ 村民との協働による村づくりと、村民一人ひとりの顔が見え体温が感じられる行政を目指して ~

引用


3回に及ぶ地区懇談会を経て平成16年2月に20歳以上の全村民3,279人を対象に実施したアンケート調査の結果、下條村が今のまま自立(律)していくことに賛成する人が2,110人(73.6%)と大勢を占めました。
この結果を重く受け止め、平成16年2月26日に開催された「合併研究委員会」において、全会一致で自立(律)宣言が採択されました。

 

http://www.vill-shimojo.jp/

下條村自立(律)宣言~ 村民との協働による村づくりと、村民一人ひとりの顔が見え体温が感じられる行政を目指して ~

国は「三位一体の改革」によって地方交付税と補助金を大幅に削減し、地方へ財源移譲して、地方分権の推進と地方の自立を目指しています。

そのためには、市町村合併によって自治体規模を大きくし、行財政基盤を強化することが最も近道であると考えています。

しかし、「変革期における市町村のあり方研究会」の報告にありました様に飯田下伊那地域は、全国でも稀に見る合併しても効果が出にくい地域であります。

下條村としても合併研究委員会において検討を重ねた結果、ここ10年来の徹底した行財政改革と資材支給や合併浄化槽等の村民参加の促進によって、仮に地方交付税が4割削減されてもゆるぎない財務体質となっており、自律的な自治体構造が既に完成しているという認識に至りました。

 

3回の地区懇談会を経て、本年2月に、20歳以上の全ての村民3,279人を対象にアンケート調査を実施したところ、2,865人(回答率87.37%)の方からご回答をいただき、自立(律)に賛成が2,110人(73.6%)、反対が110人(3.8%)とほとんどの方が自立(律)を望まれているという結果が得られました。

 この結果を重く受け止め、本日この合併研究委員会において、下條村としては現在のまま自立(律)でいくよう全会一致で決定されましたことを、村民の皆様にご報告申し上げます。

 村民の皆様が自立(律)に村の未来を託していることに改めて身が引き締まるとともに、右肩下がりの社会経済情勢の中にあって自立(律)の道を歩むことは資料でお示しした様に、今まで以上のご協力をいただかなければなりません。

今後は新しい地方自治確立の大きなうねりの中、広域連携等による行政効率化を模索しながら、村民の皆様の更なるご理解とご協力によって、より住みやすい魅力ある村づくりに邁進して参る覚悟でございます。

 

           

   
   

                                                                                                             

   
   

 平成16年 2月26日

     下條村長  伊 藤 喜 平 

平成26年4月7日

4/7/2014


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やっと舞い戻ってくることができました。やっとではありますが、全体の得票数の半分以上の票をいただいたと言うことは、嬉しく思っております。選挙は直接市民の声を聴くことができる、4年に一度のチャンスであります。普段、自分自身がいろいろな所で話を聴いてはおりますが、やはり一部の人の声であったかも知れません。大きな声を出せない人たちが、投票に加わって自分たちの過去の仕事振りに対して正当な評価をしていただく、自分自身大変大きな反省点があると言うことと、もう一つはやはり私たちのやっていることを市民に充分に理解をしてもら

引用


太田市太田市

市長発言集

平成26年度施政並びに財政方針(要旨)

平成26年度予算編成方針

太田市は、東京から100km圏内にあり、群馬県の東南部に位置しています。市のほぼ中心にはまちのシンボル「金山(かなやま)」とそれに連なる八王子丘陵が北西に走るほか、東には渡良瀬川のせせらぎ、西には肥沃な新田の大地、南には雄大な坂東太郎利根川の流れ、そして北には日光連山を望むことができます。気候は比較的温暖で、水と緑に恵まれた土地柄です。

国内で大きな災害がありました。そしてその影響は今でも私たちの生活に影を落としています。また、経済状況も回復の兆しがみられるものの、先行きが不透明な昨今です。こんな時代だからこそ私たち行政はそれぞれの役割に応じた働きをしなければなりません。

本市においては、「人と自然にやさしい、笑顔で暮らせるまち太田」を将来の都市像として掲げ、様々な施策を実行中です。市民の誰もがお互いを思いやり、いきいきと元気に暮らせる社会をつくるため、「人にやさしい」まちづくりをおこなっています。また、次世代の子どもたちに豊かな自然を伝えることができるよう、循環型社会の構築や緑豊かで美しい生活空間の形成をめざし、「自然にやさしい」まちづくりをおこなっています。

地方にできることは限られていますが、これからも全国のお手本となるような行革を継続し、子どもたち、障がい者や高齢者、そして誰もが「笑顔で暮らせるまち」をつくるため全力投球していきます。    しみずまさよし 

9:06 2014/04/07

 

平成17年12月28日(水) 仕事納め式

  合併年が終わり、私たちが進むべき方向は・・・ 

今年は合併という最大の我々のテーマがありました。

職員皆様のお力によって、合併というかたちだけはできた年であります。来年からはいよいよ「合併とは何なのか」という事を考えて行動に移す年に入ります。

そこで、わたしは(自分自身の反省も含めての事でありますけども)私たちの頭の中の構造についてお話ししたいと思います。

私が一番感じているのは、私たちの頭の中が動き出すときに「何々が終わったら、つぎに俺の出番かな」とか、例えば人生を語る場合でも、「こういったような雑用をみんな済ませてから、自分はいよいよ行動に移そうかな、自分の人生が始まるんだ、自分の仕事が始まるんだ」と考えがちであります。これは誰しもがそうだと思いますが、しかしながら、そういった考え方「何々が終わったら」とか「誰々が何々をしたら」だとか『理屈づけ』というのが、実を言いますと私たちの行動をものすごく邪魔しているというケースが非常に多いんです。

私もゴルフをやったりしますけど、よく「何々があったなら」とか「今日は何々が悪かったから」とか、いつもあるんですけど、現実問題としてそこに『理屈づけ』が存在するわけであります。そういったことを理由に私たちの生きていく、あるいは動いていく道を決定してはいけないんじゃないかな・・ちょっとわかりにくいしゃべり方で申し訳ないのですが、そのようなことを暮れにきて考えました。

私たちは市民からいろいろな不満をもらいます。それは現実の問題として常に受け止めなければいけない・・そんな風に思うんです。今回の合併で市民のみんなが等しく「やあ素晴らしい町に合併できてよかったな」と思っているとは限りません。みんなたぶんいろんな意味で不満を持っている方々がほとんどではないでしょうか。でもそのほとんどであるということを私達は現実の問題として受け止めながら仕事をしていくことが非常に大事であると思います。「このテーマがなくなれば、太田はこんなに良くなるんだよ・・」そうではなくて、その現実に起こっているそのことを私達は受け止めながら自分たちの行動を開始することが非常に大事だということを思っています。

仕事納め式   仕事納め式   「市民の目線」が私たちの基本である

 

すべての市民の悩みや、市民が大変に思っていることを私達がもっと広く受け止めようじゃありませんか。そしてその受け止めたことを、私達は来年からまさに実行に移していく。「予算がないからできない」と言ってはいけないわけです。予算がなければそれなりに工夫をして、自分たちが市民サービスに心がける。「何々があるから我々は何ができないんだ」そういう考え方はもう捨てなければいけないと私は思います。何々がないからこそ、私達は仕事に励む、もっと質の高いサービスを展開する、そういった気持ちになるということが非常に大事だと思っています。

今年度は本当にいろいろありました。そして職員も旧太田市の、旧新田町の、あるいは旧尾島の、旧藪塚本町のみんなが、今度は同じ太田市の中でサービス展開を行っていくわけであります。今年はいろんなことがあったかもしれないけども、でもそのことは理由にならない。私達は我々の目標である市民サービスの質を高くし、量を拡大し、そして市民の付託に答えていく、そういう気持ちでがんばってほしいと思います。

一年間、本当にご苦労様でした。いろんなテーマがありました。でもそのテーマは私達が乗り越えるために私達の前に科せられている、そんな風に考えていただきたいと思っております。今日は仕事納め式であります。一年間、我々がやって来たことを反省し、来年に生かすための一日にしたいと思っております。

皆さん方がこれからも健康で新しい年を迎え、そして笑顔でまた来年、一年間送れるように心から祈念をいたします。

本当に懸命な頑張りに心から感謝を申し上げまして納め式のご挨拶にさせていただきます。ありがとうございました。

9:04 2014/04/07


平成17年4月18日(月) 市長就任式   市民の立場、その本質を意識しよう


やっと舞い戻ってくることができました。やっとではありますが、全体の得票数の半分以上の票をいただいたと言うことは、嬉しく思っております。選挙は直接市民の声を聴くことができる、4年に一度のチャンスであります。普段、自分自身がいろいろな所で話を聴いてはおりますが、やはり一部の人の声であったかも知れません。大きな声を出せない人たちが、投票に加わって自分たちの過去の仕事振りに対して正当な評価をしていただく、自分自身大変大きな反省点があると言うことと、もう一つはやはり私たちのやっていることを市民に充分に理解をしてもらっていないというような反省点もあるように思います。

具体的にいろいろな話をしたいわけですが、皆さん方に是非お願いがございます。我々がいつも考えていること、我々はいつも市民の立場で物事を考えているというふうに思っておりますが、ある意味、それは錯覚であるかも知れません。私たちがいつも考えている市民の立場というものと、市民が考えている市民の立場というものは、大変なギャップがありまして、その差が市民の満足度を高めることに、なかなかつながっていかないというように思います。現実に具体的な形で言うと、例えば障害者の政策については、障害者の立場にたっていろいろな施策を実施しておりますが、自分自身が本当に障害者になっているわけではありませんので、障害者の立場にたつということは、どれだけ難しいことか分かりません。或いは母子家庭の問題や父子家庭の問題、これらにつきましても立場にたつということは非常に難しい。私たちはそのことを原点において、市民参加ということ、そして市民の意見を聴くということの必要性を今回の選挙で痛切に感じました。

元気、そして信頼の中で

これからは地方自治体が主導権を握って国を創っていくというような意気込みがなければいけないと思っております。今回の合併によって、私たちの改革が進むわけでありますが、自分のすぐそばには市民の皆さんがいること、そして市民の皆さん方の立場には立てないけれども、可能な限り声を聴き続けて、市民の満足度を高められるような行政政策を行うこと、このことが地方自治体のあるべき姿である、我々が元気になって、そして我々がしっかりとやって国を支えるという気概で新しいまちづくりに頑張っていこうと思っております。

また4年間、皆さんにお世話になるわけでありますが、是非力を合わせて、新太田市がもっともっと発展するように、全国からも高い評価を続けられるようにお願いいたします。本当に皆さん方の日頃のご苦労に対して、心からお礼申し上げるとともに、これからも手を握り有って、信頼の中で仕事をさせていただくこと心からお願い申し上げましてご挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。

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太田市役所

〒373-8718 群馬県太田市浜町2番35号 電話:0276-47-1111(代表)FAX:0276-47-1888(代表)

開庁時間:午前8時30分~午後5時15分

http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0010hisho/h170401.html

8:56 2014/04/07


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私は「ひとり二役」とよく言います。評論家はどうとでも言えますが、実践している者にとって「ひとり二役」というのは努力のいるものです。でも、慣れればなんでもないものです。

引用

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2002年3月20日(水)発行
-------------------<清水市長メッセージ>-------------------
■メルマガ・ミニ講演会【第3回】
―私は「ひとり二役」とよく言います。
評論家はどうとでも言えますが、実践している者にとって「ひとり二役」というのは努力のいるものです。でも、慣れればなんでもないものです。
私のまちには助役がいません。「不自由ではないですか」と言われることもありますが、ちっともそうは感じません。私だけでなく、各部長も自立心が高まっているようです。
例えば予算です。「市長査定」なんていうのがあって、2~3日間缶詰になって鉛筆をなめたものです。今では2~3時間、総務部長から説明を受けて終わってしまいます。さびしいといえばさびしい話ですが、各部長が私の考えていることを具体化してくれるのですから文句のいいようがないんですね。査定というのは各部から出された予算案を切ることのようですが、私は上積み専門で切るということはしません。
予算を自分たちの責任でつくるようになったのです。けっこう無理しているのだとは思いますが、「切られたから仕事ができない」なんて泣き言は聞かれなくなりました。
これからは命令されて動くことからチームで動くことにしたいですね。そのことの方が仕事への責任とか流動化とか、つまり「ひとり二役」ができやすくなるように思えます。
うちの収入役は助役のいるまちの収入役の2倍は働いています。収入役という役職はどちらかというと暇ですよ。タバコ吸ったり、お茶飲んだり、おしゃべりしたり、その合間をぬってはんこを押している。私は見ているわけではありませんので定かではありませんが、いずれにせよ暇そうです。うちの収入役は何でも屋です。人事のことは彼におまかせです。
税金の取り立ても彼の仕事です。職員が総出でまちの中の清掃をしていますが、そのリーダーもやってくれています。とにかく忙しそうです。「ひとり二役」をやっています。
私も収入役も、教育長も水道事業管理者も運転手を兼務しています。議長も自分で運転しています。遠くまではともかく、近所の町へ行くことくらいなんでもないですよ。当選する前日までは自分で運転していたんですから。
「ひとり二役」は意識の問題ですね。
職員採用試験の1次試験はディベートです。一般的には1次試験は筆記です。私は勉強ができるというのと、職員としての適性があるかというのは違うような気がしていたんです。勉強ができる集団が組織を活性化させて、お客様に満足してもらえるサービスを提供できるかを考えてみました。
国鉄はどうでしたか、JRになって税金なしでやっていけるようになったですよね。電電公社だってNTTになってすごく大きく発展していった。頭のいい人だけの集団からフレキシブルな頭脳がはいってきたからです。ベンチャーなんかそんなに頭のいいやつばかりではありません。微分積分ができれば…、などというのはあまり意味がないんですね。
ディベートの試験官は課長が中心になって行います。彼らの部下になるわけですから自分で責任をもってもらおうということです。
1次の合格者が決まると、つぎに筆記試験です。合計点でほぼ採用が決まります。シンプルな採用方法に満足しています。
私の責任の半分は課長に転嫁できるわけです。課長の意識は変わらざるをえません。毎朝8時半から庁内放送で行政改革やISOについて3分間スピーチをやっていますが、彼らの話を聞いていると責任感や士気はずいぶんとあがってきているように思われます。

次回は、「市民の『ニーズ』というもの」についてです。ご期待ください。

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メルマガ・ミニ講演会の第2回目をお届けします。

地方交付税というのがあります。貧しそうなまちには国からたくさんのお金がきます。そのまちは概して借金は少なめです。豊かそうなまちは国からお金がきません。

借金で首が回らない状態のまちが多いように思います。貧しそうなまちの方が財政は健全といわれることになります。

これ変だと思いません? 市民が汗を流して働くまちはきびしい財政状況にあるのですから。

地方交付税のあり方がそもそも限界になってきたということです。なのに、税制改革といってもなかなか変えることにはなりません。貧しそうなまちから出てくる国会議員さんが力を持っているからです。人口集中地域(都会とその近郊)から出てくる議員さんはいつ落とされるかわからない。人より牛の数が多い地域の議員さんは落ちる心配がない。ベテラン議員としてふるさとを守るわけです。

たとえば、地方交付税の算定基礎に「道路」がありますが、車が走ろうと走るまいと道路は道路という考え方で国は交付税を配ります。山の中のまちと私のまちでは道路の通行量がまったく違うのに、なぜ格差をつけないの?と言いたくなるのです。

デフレのなかで改革するのは大変です。お金がない時代だからケチる方法を考えるということもありますが、改革というのはケチることが目的ではありません。新しい価値をつくるためにやるわけです。ですから、インフレ気味とか安定した経済成長とか、そういった経済環境のほうがやりやすいでしょうね。

借金が国と地方で660兆円あるといわれています。デフレの1%は6兆6000億円になります。その分の穴埋めをしなければならず、新たな価値をつくるとなればマイナスからのスタートになるわけで大変な仕事になります。これは余ほどの覚悟とドンチャン騒ぎを覚悟してやらなければできません。

逆にインフレ気味で1%物価が上がればプラス6兆6000億円からですから改革はやりやすいわけです。

不良債権がいくらあるのか見当もつかない状態で構造改革をやるのはずいぶんつらい話だと思います。処理が遅れれば遅れるほど不良債権がやたらと増えてくるのですから、小泉さんも頭が痛いでしょうね。

ダイエーはひどいものです。マイカルと同じようにダイエーだってつぶれて不思議はありません。でも銀行が共倒れしてしまったら大変ということでしょう、5,200億円の金融支援をするといいます。今期の赤字が3,300億円というのですから…。まあ、たいしたものです。同じような企業が出てきたら、さらに銀行へ資本注入でしょう。国の財政もぶっ壊れてしまいます。

経済の底はどこなのか、どこまで我慢をしたらいいのか、できるだけ早く国民に示してほしいものです。660兆円の借金をどうするという議論は当面の問題ではないですね。

借金を増やさないということと、10年間で172名の人員削減。

私がやろうとしていることはこの二つだけです。景気が低迷しているなかで借金を減らそうとすると「元気のないまち」になってしまいます。市がやろうとしている事業で国や県の補助金にからむものは積極的に受け入れています。もちろん、借金返済の元金の範囲内です。

「公共事業は悪」という人がいますが私は賛成できません。東北のある町に行ったら、そこにはものすごくでかい港湾がありました。

船はめったに着かず、あじの釣り場になっていました。あれはダメです。あれは税金の無駄使いです。あれと公園や下水道をいっしょにしてしまうのではいけませんね。

職員ですが、3年間で56名減りました。団塊の世代にはごっそり抜けて、ということは退職金が一気にふくらむことになりますが、世代間のバラツキを心配していたんです。でも、職員が自発的に退職していってくれています。頭が下がります。年間20名のペースになるわけですから。これからは定年者と新規採用のバランスだけで目標達成ができます。

172名というのはどういうことか、計算してみました。35年のスパンで考えると430億円になるんですね。単年度でも10億円になります。先ほど言いましたように、ケチることが行革ではありません。サービスが落ちては元も子もないわけです。そのために、「ISO9001」の認証を取得し、さらに「ISO14001」認証取得に向けた取り組みをしているわけです。そして、市民の満足度(CS)チェックと行政評価システムを確立しようとしています。

コスト削減と行政サービスを上げることを同時にやろうというのです。

次回は、「ひとり二役」と職員採用試験について。ご期待ください。


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おおたメールマガジン     創刊号

いんよう

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■ おおたメールマガジン     創刊号          ■

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 2001年8月1日(水)発刊・・・・・・<おしながき>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【清水市長メッセージ】

●負けた選挙【市からのお知らせ】●近隣レジャープール利用券の無料配布

●ぐんま県民カレッジ受講生募集

●第12回中学校演劇祭・同美術部作品展開催

【編集後記】●市長室IT推進課

------------------<清水市長メッセージ>--------------------

●負けた選挙

「自分がよければそれでいい」

こんなこというと利己的でイヤな奴といわれるだろうが、選挙はこれしかないのである。自民党で二人でているから、二人を当選させたいというのは第三者の考え。ご当人はそんなことこれっぽっちも思っていない。それどころか、仲間は最大のライバルなのだ。民主党などは眼中にない。相手にしていないのだ。

利己的のかたまりが立候補者であり、その責任者。そうでなければ選挙には勝てない。

「A候補は当選圏内に入った。もうだいじょうぶ。だから、私に入れて」こんな誘いに乗ったら、まあ落選が待っているということになる。「当選」を予測できる人なんかいるはずはない。「山本一太さんが36万、吉川真由美さんが22万票。3万票分けてやれば自民党で二人当選できたのに」なんてことは選挙にはないのである。

一度落選したことがある。時期が悪かった。相手も悪かった。あの頃は、『改革』なんて言葉を出すと「おまえはどこの政党にいるのか」という声が返ってきた。今とはまったく違っていた。

「自民党が変わらなければいけない。このままでは国民にあきれられる。党本部に強く申し入れてくれ」金丸さんが事件を起こしたときのことだ。若いくせにけっこう理屈っぽく言ったものだから、イヤがられる存在だったにちがいない。

県連の役員さんも自民党の体質の古さには気づいていた。かといって、役員がそろって党本部に文句を言いにいくわけにもいかなかった。それはそうだ。県議には古い体質をもった長老がいるし、福田、中曽根の牙城だ。若手の一部が騒いだところで、「痛い」とか「かゆい」とか言うわけにもいかなかったのである。私も若かったから、「なんでそんなことができないのだ」と不満ブツブツだった。

そんな折、細川さんが日本新党を立ち上げた。金丸さんは当時の自民党そのもの。細川さんがやけに新鮮に見えた。心はおどった。「一度、細川さんに会ってみよう」泉岳寺に事務所があった。仲間のO県議を誘った。「行くだけでいい。いっしょにやろうなどとは言わない。付き合ってくれ」彼はイヤイヤながら、だったと思うがついてきてくれた。細川さんと会って、すっかりその気になってしまった。どんな話をしたのかは覚えていないが、「改革に力を貸さなければ男ではない」とだけは思った。勝てるか負けるかの計算はなかった。「政治を変えなければ…」だけであった。

帰りの新幹線でO県議に言われた。「その気になっているようだが、じっくり考えた方がいいのじゃないか」そんな雰囲気があることを、なぜか新聞記者はキャッチしていた。議員会館に着くとすぐにインタビューである。

「細川さんにお会いしてきたそうですが、(衆議院選)やるんですか」顔がほてってしまうくらいその気になっていたので、仲間の忠告を忘れてしまっていた。インタビューだって受けることなどめったになかった。各新聞社が私を取り囲む。なかなか気分のよいものなのだ。ついつい口をすべらせてしまった。

「あの人となら一緒にやってもいいと思った。日本は変革をするべき時だと思う」実は、本気でやろうと思っていたわけではない。先輩のM県議にも相談して…、それから後援会のみなさんに相談して…、それから、それから、と思いながらインタビューの快感に舞いあがっていたのだ。

翌日の新聞を見て驚いた。顔写真入りで「衆議院選に出馬」である。「気持ちは分かるが、止めた方がいい。勝てるはずがない。相手が悪い」という声ばかりである。私も内心そう思った。迷った。

「しかし」である。「新聞にあんなに大きく、トップ記事で出てしまった。ここで引っ込んだら男ではない」そう思ったのである。たいした男でもないのに「…なら男ではない」を心の中でくり返し、自分を納得させてきた。新聞記事は自尊心と虚栄心を完全にくすぐった。

自民党を離れた。一人、小さな部屋に移った。ひとりぼっちが嫌いな自分にとって、それはそれはさびしいものだった。でも、後に引き返す勇気はなかった。完敗であった。力不足であったことを強く感じた。応援してくれた々に心から詫びた。

選挙は「世のため人のため」と思いこむことだけでは勝てない。相手だってそう思っている。「やろうか、やるまいか」迷った選挙も勝てない。迷っていることを投票する人はちゃんと見抜く。むかしは「出たい人より出したい人」というのが選挙だった。今は、「出たい人」でなければ当選はしない。しかも、出ることを決めたら、少なくとも選挙中は利己的でなければならない。利他的であったら必ず負ける。「自分のため、自分の支持者のため」それだけを考えて戦わなければならない。相手のことを思いやる気持ちは当選してからのこと。

参議院選挙を見ていて、負けた選挙を思い出した。なぜか、負けた選挙が克明に頭に浮かんできた。

-------------------<市からのお知らせ>---------------------

●近隣レジャープール利用券を無料配布中

10:09 2014/04/07

 

 

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■ おおたメールマガジン      VOL. 6          ■

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                  2001年9月4日(水)発刊

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【清水市長メッセージ】 ●黒塗り運転手つきは来賓の常識?

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●黒塗り運転手つきは来賓の常識?

「もうそろそろ出かけないと(間に合いませんよ)…。(みっともないから)私が運転していきますよ」( )内のことは秘書課長の顔に書いてあったことです。県戦没者追悼式に出席するには「そろそろ出かけてください」ということです。どこかに出かけるときは必ずといっていいくらい、こんな会話になります。私がつくったルールがそうしているのです。「市長運転手はいらない」というものです。市内や近隣を走るのはそれほど抵抗がなくなりました。私が運転していないことの方が変になってきました。ブルーのスバルを見れば、「市長がきたよ」という合図になっています。

ところが、市町村長のみなさんの集まりだったり、市長会だったりするときが悩ましいわけです。私はそんなことには少しもこだわりはありませんが、秘書課長にとっては世間体ということが気にかかるわけです。「みっともない」、そういうことでしょう。それだけではなく、「人身事故でも起こしたらどうするんですか」ということにもなります。「わがままな市長で困ったものです」彼は腹の中でそう思っているにちがいありません。私が逆の立場だったら、もちろんそう思います。この日ですか。もちろん自分で運転していきました。

北関東自動車道は前橋を近づけました。高速道路は時間が正確です。これがいいですね。会場である群馬アリーナには開始時間の30分も前に着きました。いくらかスピードを出しすぎたかもしれませんが快適でした。やはり、運転してもらうより運転した方が気持ちいいですね。普段、スピード感を味わうことなどなかなかできませんから…。

ところが、群馬アリーナに着いていつもと違うことに出会ったのです。駐車場に入ろうとしたところ、棒?をもった若者が2人、車の前に立ちはだかったのです。「ここに入ってはだめです。今日は追悼式です」私のネクタイを見てもらえ、遊びに来たのか追悼式に来たのか分かるとおもうのだけど…。「追悼式にきたんですよ、私も。駐車場はこの先ですよね」「失礼しました。駐車場ですか。向こうです。戻っていただいて、左に曲がれば案内人がいますから…。来賓の方が来られましたので早く動いてください」「あのう…」「あっちです。つかえますので急いでください」右手に持った棒?を回転させて、Uターンを促した。振り返ると、黒塗り運転手つきの車が入ってきたのです。私も、いつもなら来賓であったはずなのに。しょぼくれながら入ってきた道を引き返しました。

駐車はできましたので、別に不満はありませんでしたが…、なんと言ったらいいのか。とにかく『変』でした。俺たちはいつものこと。そんなことで『変だ』などというのは偉くなったのと違うか」と叱られそうですが、そう思ったのです。

黒塗り運転手つき、というのは水戸黄門の「この紋所が見えないのか」なのですね。でも、自分で運転することは止めません。たまには例外もありますが。その例外が昨日でした。佐野市の毛塚市長さんのご葬儀が斎場で行われました。いつもおだやかな毛塚市長さんとの悲しいお別れでした。「佐野の斎場は一本道で混みますよ。ご葬儀に間に合わなくなったら失礼です」 その通りでした。佐野市内から渋滞で、駐車場も満車でした。

毛塚市長さんの顔をじっと見つめ、「ありがとうございました。お世話になりました」と言葉にし、焼香させていただきました。

「ゴミ焼却場が決まらなくて…、頭が痛いです」と悩んでおられました。ダイオキシンで改修か新設をしなければならない。改修は無理なので新設することになったようですが、候補地の反対にあっているとのことでした。きっと、そのことを悩みながら入院されたのではないでしょうか。市長というのは必ず何か悩みをもっているものです。 心からご冥福をお祈りします。

--------------------<市からのお知らせ>--------------------

9:40 2014/04/07

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 <<<<< おおたメールマガジン >>>>>       Vol. 31

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                  2002年3月6日(水)発行~~~~~-<清水市長メッセージ>-------------------

■メルマガ・ミニ講演会【1/4】

「いろいろな勉強会によばれてお話をする機会がある」というと、「どういうことを話しているの?」とよく聞かれます。私もその場によって話すことがちがうので、「これこれしかじか」という説明ができないのがつらいところです。いつもお話ししていることを、昨年、上越市で開催された新潟県主催の「にいがたまちづくり学会」という勉強会での講演をもとにまとめてみました。

 4回シリーズでお届けします。

行政改革をしなければいけない最大の理由は、「市民は今住んでいるまちにこれからも住む」ということです。旅に出て、「空気はきれいだし水も豊かだ。いいまちだなあ」と言ったって、「じゃあ、そこに住もう」と荷物をまとめてクロネコヤマトというわけにはいきません。

ライオンが気にいらなかったら花王にすればいい。ダイエーの品揃えが飽きたらイオンに行けばいいわけですが、「まちを移る」というのは、そうは簡単にいかないものです。職場が変わったりすれば仕方なしに「まちを移る」ということはありますが、そのまちに不満があったにしても、それが理由でとなり町に引っ越すなんてことはめったにないでしょう。

市民にとって代わりのまちはないのです。ですから、まちづくりを日々改革して「住めば都」にしなければいけないのです。

「まちを変える」には拮抗した二派があるとむずかしいですね。

政争のなかで「まちを変える」など、根の生えた改革などできにくい。足の引っ張り合いは改革には敵になることもあります。リーダーが弱体基盤の上にある場合は「無難にいこうということになったりします。改革などやらない方が長期政権になる例は自治体にはあるでしょう。政争がはげしいことは「変える」ことを遅らせます。

市民にとっては、はた迷惑な話になるということです。

私が市長になったのがハプニングであったのです。ですから、私が初登庁するまでに1か月ちかくありましたから、その間役所の中では人事のことでざわついていたようです。「だれがどこに飛ばされるか」ということです。

私も腹の中は平静ではなかったですね。「市長選に出る」と新聞に出たとたん、とたんにですよ、役所は冷たくなった。役所に行っても部長クラスには無視されましたね。どこにいっても相手にされない。ひどいものでした。

でも、報復的な人事をやったら「まちを変える」なんてことはできない。そう思って、いっさいそんな人事はやらなかった。それが良かったですね。

市長が代わったとたんに総務部長が老人ホームに飛ばされたり、前市長にうけが良かったばかりに冷たい仕打ちにあったりしている。

こんなまちもあるそうです。私はそういうのを断っていかねばと思ってきました。

「まちを変える。役所を変える」なんて、職員にとってみれば余分なことです。今までが一番いいんです。朝、ちゃんと遅れないで始業時間に役所に入って、夕方、終業のベルが鳴るか鳴らないうちに役所を飛び出せばいいわけです。給料は変わらないわけですから。

行革というのは「それを変える」ことから始めるのです。お互いに協力し、信頼しあえる環境にならなければうまいこといくはずがありません。

 

次回は、「借金を増やさないことと職員数の削減」、地方交付税制度について。ご期待ください。

--------------------<市からのお知らせ>--------------------

9:41 2014/04/07

1.IT戦略ビジョンへの考え方

1-1.まちづくりの視点

1-2.自治体経営の理念

1-3.目標及び計画年度

1-4.アクションプラン

1.IT戦略ビジョンへの考え方

1990年代における我が国の経済政策及び財政運営は、バブル経済の崩壊以降、失われた10年と称されるようにタイムリーな施策が打ち出されなかったことから、危機的状況に直面しており、株安・円安・土地安という窮状を呈するに至っている。

このような状況下、我が国の国民生活は閉塞感が充満し、その影響は、構造改革の痛みでもある企業倒産やリストラを引き起こすとともに雇用不安をも惹起している。

さらに、医療・年金制度の歪みや老後不安など、今日的課題として看過できない多くの病巣が表面化するに至り、山積する行政需要に相反して税収の落ち込みが続くという抜き差しならない状況下での抜本的な見直しが求められてきている。

本市においても、地域経済の停滞による失業率の増加や可処分所得の伸び悩み、低金利時代での先行き不透明感など、将来への不安が顕在化しており、行政の責務として未来への道筋と不安要因を払拭する政策を打ち出す必要に迫られている。

また、行財政運営においても、膨張した市債の縮減と人件費の抑制を図ることにより、効率的な自治体の確立と多様化する行政需要に適確に応えるための体制整備を行い、市町村合併に向けて都市の個性を主張する中で、財政運営の健全化を積極的に進めることが肝要と思われる。

そこで、本市では、地域の活性化と新たなコミュニティの醸成を念頭に置いた中で、自治体内部における業務の効率化と、そのためにはかくあるべきという組織の構築を図る上でのコンセプトとして、スピーディ・双方向・汎用性を考慮した結果、その活路を『IT』に求めることとし、その具体的な整備プランを『IT戦略ビジョン』としてまとめることとしたものである。なお、策定にあたっては、以下の事項に意を注いだ。

1-1.まちづくりの視点

本市の人口動態を見ると、1990年代半ばまでは地域経済の成長にも支えられ、流出入の動きは激しいものの堅調な伸びを示してきたが、近年の出生率の低下や核家族化の進行、景気の低迷等により、90年代後半からは微増にとどまるなど増加傾向にも陰りが見え始めてきている。

また、モータリゼーションや国際化の進展により地域のボーダーレス化に拍車がかかり、従来の地縁・血縁による繋がりではない新たなコミュニティ関係が求められてきている。

さらに、製造業中心の産業構造は、企業のグローバルな展開にいち早く反応し、空洞化という現実に直面するに至り、いわゆる系列化(グループ化)という護送船団から生き残りをかけた異業種・コラボレーション戦略へのシフトが顕著になりつつある。一方、変動する社会ニーズに順応しきれない人たちや地域産業が顕在化しているのも実態である。

このため、地域に暮らす市民一人ひとりが、来るべき情報社会において「豊かさが実感できるライフスタイル」を享受し、その源泉をもたらす産業が地域を活性化させるためにも、本ビジョンがIT活用について有効かつ弾力的に対応可能な指針となることを期待するものである。

1-2.自治体経営の理念

前述のまちづくりについては、自治体に課せられた「最小の経費にして最大の効果をあげる」という使命を遂行するため、行政組織として計画、実施、成果の検証から革新に至るシステムが健全に機能しなければならない。しかし、時-として組織は、自己防衛に走るという内部矛盾を抱えており、事なかれ主義に陥りやすいこともまた現実である。

このことから、この行政体に潜む二律背反する思想に対しては、市民の目線や公平・公正・透明性を基軸にデータや組織をマネジメントできる判断能力とそれを可能ならしめる環境及び職員の質が強く求められている。

幸いにして本市では、品質管理を求めたISO9001の認証を既に取得済みであり、引き続き環境への取り組みとしてISO14001も今年度中に取得する予定であり、さらに住民満足度を反映させる行政評価システムや財務の健全化を判断するバランスシートなども導入し、これらの情報を公開することでガラス張りの行政運営を目指しているところである。

これらの各要素を行動指針としてまとめたものが「太田市経営方針」であり、

    ①市民の目線による行政運営

    ②市民満足度を向上させる質の高い行政サービス

    ③経営資源(ひと・もの・かね・とき)の有効活用

    ④成果の検証と改善

を4本の柱としている。

本ビジョンでは、単にITを装備することで事務の効率化や経費削減を目指すものではなく、組織機構や業務プロセス、さらには職員の姿勢や意識を変革することで、名実ともに電子自治体を標榜できる第一歩を踏み出すものであり、より高次元の自治体経営を目指すものである。

1-3.目標及び計画年度

わが国は、2001年1月に決定された「e-Japan戦略」によれば、2003年度までに全地方公共団体を総合行政ネットワークで接続し、行政内部の電子化を構築するほか、2005年までに超高速アクセスが可能な世界最高水準のインターネット網の整備を促進することを目標に掲げている。

一方、本市では、1998年の新庁舎竣工にあわせて現在の情報環境が整備されたが、現行システムの更新時期が2003年度に集中しており、さらに本市のまちづくりの指針である第5次総合計画が2005年度に終了することから、これらのタイミングを勘案する必要がある。

そこで、本ビジョンでは、本市の第一期情報戦略の目標年度を第6次総合計画がスタートする2006年度とし、2002年度から向こう5年間を計画年度とするものである。

なお、IT環境はラットイヤーとも言われるように技術革新がめまぐるしい分野であり、そのベクトル、速度が予知不能であることから、本市の行財政事情も考慮してフレキシブルな対応が図られるよう毎年度のローリングを行うものとする。

1-4.アクションプラン

本市では、平成12年10月に「太田まるごとITタウン構想」(後述)を定めており、その具現化のための方策として、太田市と民間企業5社による第三セクター「㈱ブロードバンドシティ太田」(BBCO)を平成13年4月に設立し、加入者系にDSLを利用した地域イントラネットを構築し、「太田市版情報ハイウェー」の整備に努めてきたところである。

そこで、この情報インフラを活用してIT装備都市を築くため、前述の2つのカテゴリーである

    ①地域の活性化と新たなコミュニティの醸成

    ②自治体内部における業務の効率化とあるべき組織の構築

を推進するべく、次の4つの委員会を設置した。

    ・ネットワーク委員会

    ・e-太田委員会

    ・活用促進委員会

    ・HP検討委員会

なお、この4つの委員会については、本地域における情報環境を考慮した結果、既存のインフラを有効活用することによる経済的・地域的な発展を目指す中で、迅速・高品質・透明性の保たれる電子自治体を構築し、あわせてその実効を確保するため、リテラシーの向上とともに情報アクセスの双方向機能を高めることが課題であるとのことから、職員による検討部会を設置したものである。

本アクションプランでは、この職員による検討経過をもとに、市民ヒアリングやアンケートを加味し、現状における課題の洗い出しを行った上で今後の方向性をまとめたものであり、より具体化させるために個別事項ごとに抽出して年次計画を明らかにしようとするものである。

4/14/2002 10:37 PM

2/21/2013 9:24:33 AM

9:42 2014/04/07

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メルマガ・ミニ講演会の第2回目をお届けします。

地方交付税というのがあります。貧しそうなまちには国からたくさんのお金がきます。そのまちは概して借金は少なめです。豊かそうなまちは国からお金がきません。

借金で首が回らない状態のまちが多いように思います。貧しそうなまちの方が財政は健全といわれることになります。

これ変だと思いません? 市民が汗を流して働くまちはきびしい財政状況にあるのですから。

地方交付税のあり方がそもそも限界になってきたということです。なのに、税制改革といってもなかなか変えることにはなりません。貧しそうなまちから出てくる国会議員さんが力を持っているからです。人口集中地域(都会とその近郊)から出てくる議員さんはいつ落とされるかわからない。人より牛の数が多い地域の議員さんは落ちる心配がない。ベテラン議員としてふるさとを守るわけです。

たとえば、地方交付税の算定基礎に「道路」がありますが、車が走ろうと走るまいと道路は道路という考え方で国は交付税を配ります。山の中のまちと私のまちでは道路の通行量がまったく違うのに、なぜ格差をつけないの?と言いたくなるのです。

デフレのなかで改革するのは大変です。お金がない時代だからケチる方法を考えるということもありますが、改革というのはケチることが目的ではありません。新しい価値をつくるためにやるわけです。ですから、インフレ気味とか安定した経済成長とか、そういった経済環境のほうがやりやすいでしょうね。

借金が国と地方で660兆円あるといわれています。デフレの1%は6兆6000億円になります。その分の穴埋めをしなければならず、新たな価値をつくるとなればマイナスからのスタートになるわけで大変な仕事になります。これは余ほどの覚悟とドンチャン騒ぎを覚悟してやらなければできません。

逆にインフレ気味で1%物価が上がればプラス6兆6000億円からですから改革はやりやすいわけです。

不良債権がいくらあるのか見当もつかない状態で構造改革をやるのはずいぶんつらい話だと思います。処理が遅れれば遅れるほど不良債権がやたらと増えてくるのですから、小泉さんも頭が痛いでしょうね。

ダイエーはひどいものです。マイカルと同じようにダイエーだってつぶれて不思議はありません。でも銀行が共倒れしてしまったら大変ということでしょう、5,200億円の金融支援をするといいます。今期の赤字が3,300億円というのですから…。まあ、たいしたものです。同じような企業が出てきたら、さらに銀行へ資本注入でしょう。国の財政もぶっ壊れてしまいます。

経済の底はどこなのか、どこまで我慢をしたらいいのか、できるだけ早く国民に示してほしいものです。660兆円の借金をどうするという議論は当面の問題ではないですね。

借金を増やさないということと、10年間で172名の人員削減。

私がやろうとしていることはこの二つだけです。景気が低迷しているなかで借金を減らそうとすると「元気のないまち」になってしまいます。市がやろうとしている事業で国や県の補助金にからむものは積極的に受け入れています。もちろん、借金返済の元金の範囲内です。

「公共事業は悪」という人がいますが私は賛成できません。東北のある町に行ったら、そこにはものすごくでかい港湾がありました。

船はめったに着かず、あじの釣り場になっていました。あれはダメです。あれは税金の無駄使いです。あれと公園や下水道をいっしょにしてしまうのではいけませんね。

職員ですが、3年間で56名減りました。団塊の世代にはごっそり抜けて、ということは退職金が一気にふくらむことになりますが、世代間のバラツキを心配していたんです。でも、職員が自発的に退職していってくれています。頭が下がります。年間20名のペースになるわけですから。これからは定年者と新規採用のバランスだけで目標達成ができます。

172名というのはどういうことか、計算してみました。35年のスパンで考えると430億円になるんですね。単年度でも10億円になります。先ほど言いましたように、ケチることが行革ではありません。サービスが落ちては元も子もないわけです。そのために、「ISO9001」の認証を取得し、さらに「ISO14001」認証取得に向けた取り組みをしているわけです。そして、市民の満足度(CS)チェックと行政評価システムを確立しようとしています。

コスト削減と行政サービスを上げることを同時にやろうというのです。

次回は、「ひとり二役」と職員採用試験について。ご期待ください。

 

--------------------<市からのお知らせ>--------------------

■国民年金保険料の納付方法などが4月から変わります!

 ●保険料納付書は、国から直接送られます

現在、市役所から納付書が送付されていますが、4月分の納付書からは国(社会保険庁)から送付されます。

●保険料を納める窓口が広がります4月からは、市役所窓口で保険料を納めることができなくなります。その代わり、従来の指定金融機関や郵便局だけでなく、全国の銀行、郵便局、農協、信用金庫、信用組合、労働金庫などで納められるようになります。

●第3号被保険者の届け出方法が変わりますこれまで第3号被保険者の届け出は、本人が市役所に届け出をしていましたが、4月からは、配偶者の勤務している事業所から扶養の手続きと一緒に、社会保険事務所に届け出をすることになります。

※第3号被保険者

厚生年金や共済組合などの被用者年金制度の加入者に扶養されている配偶者で、20歳以上60歳未満の人●「半額免除制度」が新設されますこれまでの全額免除制度に加え、保険料の半額を納めていく半額免除制度が新設されます。これには一定の所得基準があり、市役所窓口で申請を行い、社会保険事務所で承認されると保険料の半額が免除されます。

 ◎問い合わせ  保険年金課(TEL.47-1941)国民年金係へ

---------------<編集後記>------------------------

『暑さ寒さも彼岸まで』とよく言いますが、最近本当に暖かくなってきましたね。膨らんだ桜の芽や球根から真直ぐに伸びるチューリップの若葉を見かけると、すぐそこまで春が来ているなぁと感じます。春生まれの私としては、特に待ち遠しく心安らぐ季節なのです。とは言っても、最近花粉症予備軍であることが判明し、喜んでばかりもいられなくなりました。ショックです!止まらないくしゃみに鼻水、目のかゆみも大変ですよね。花粉症の方には、辛く長いこの季節、少しでも快適に過ごしていただきたいと心から思う今日この頃です。         (ち)

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■編集/発行 太田市 市長室 IT推進課

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4/7/2014 9:19:45 AM

9:20 2014/04/07


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平成13年太田市新春懇談会市長あいさつ・・平成14年太田市新春懇談会市長あいさつ

いんよう

平成14年太田市新春懇談会市長あいさつ

 

明けましておめでとうございます。

恒例になりました、新春懇談会でございますけれども、今日は600人近い皆様方にお集まりいただきまして、この場で人間と人間との交流を行っていきたいと思います。

本当にお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。

 

今までと違う世の中、それを認識する年

 

昨年のことについて、良いことを言う人は本当にいません。日本が大きな転換期にさしかかっているということは確実に言えるわけであります。「失われた10年」ということがよく言われますけれども、失われた10年どころか、21世紀に入って、全然違った世の中にこれから変わっていこうとしているのかもしれないと、むしろ、

そういう風に考えた方が、正しいんじゃないかなというふうに思うわけであります。10年を埋め合わせようと思って一所懸命努力しても、なかなか糠に釘をさすようで埋めることができない。国においても、小泉内閣が大きな改革を断行しようとしていますけれども、それによって結果として我々市民に対してどんな影響があるのか、これから我々がどんな豊かな、

幸せな生活を送ることができるようになっているのか、これを見いだすのはなかなか難しいのではないかと思います。先程申し上げたように、今までと違う世の中が日本を覆ってきている、訪れようとしてきていることをわれわれが認識しなければならないのが、今年なのではないかなというふうに感じているわけであります。内閣の支持率が高くて、これはすごいということでありますけれども、ぜひそのすごさを市民生活の中に及ぼすような、できるだけ早くそのような環境になればと思う次第です。

自立しなければならない地方

今までの国と地方の関係というのは、地方が本当に国依存型で、国に何でもやってもらわなければ生きていけないというのが地方でありました。地方自治ということばがありますけれども、自治なんてことは全くなくて、中央集権国家の中で、我々は国に従属をしている。国が「右向け右」と言えば、我々が右を向かないで、左を向いているわけにはいかない。そういう、ただ命令を受けて何かをやらなければならないというような存在であったような気もします。でも、先程申し上げましたように、今までの過去の10年と全く違う世の中に突入するという認識に立てば、われわれはきちっと自立をしていかなければならない時代であるということがいえるのではないでしょうか。今までの感覚では、これは従属をしていた。だけれども、これからは自立をする。これはもう、すごい変わり方だと私は思っているのです。このように変わっていかなければならないという意味において、市民が行政に参加するということの意義が、非常に大きくなるわけです。

私は、ずっと前からでありますけれども、市民が積極的に行政に参加する、そういう行政体をつくりたいというふうにずっと思ってきました。これができあがれば、自治というものが確立できますし、私たち地方が、地方で生きることを可能にするのではないかと、そんなふうに思ってきたわけです。

 

 市民と行政が一体感を持って

そのために何をやらなければならないのか。これは情報公開であります。いつも、いろいろなところで私は言っていますけれども、われわれが物事を隠していたら、市民と行政とが一体感など絶対に持つことはできない。

一体感を持つためには、私たちがもっているものを全て、市民の皆さん方と共有する。市民と行政とがお互いの情報を持ち合いながら、まちを作っていく。この姿勢がなければ絶対にできないわけであります。情報公開は、市民参加を促す非常に大きな武器になるという気持ちで、

太田市ではバランスシートも連結で、市民の皆さん方に提示するようにしました。今まではただ決算書を出すだけで、これを見てくださいということで終わったわけですけれども、太田市では、バランスシートを連結決算で、皆さん方に提示をしています。これは、この日本中でも、太田市くらいではないかと私は思っています。だけれども、数年後には連結でバランスシートを提示するのが、地方自治体のあたりまえの姿になるだろう、と私は思っています。

これこそ一つの新たな情報公開のやり方であります。

もうひとつやろうとしてきたのは、行政評価システムを確立したいということです。これは市民の皆さん方が考えていることを、我々が行政の中で生かしていくためのシステムであります。この行政評価システムについて、BBCO(ブロードバンドシティ太田)を使って情報収集をして、その成果を政策としていくというシステムを今、研究し、立ち上げようとしている最中であります。

国の補助金をいただく中で、このシステムを太田が確立して、太田で確立したものを全国で利用していただく。このように、太田が行政評価システム、あるいは市民満足度調査の拠点になって、全国に発信ができるという確信を持って、勉強させていただいている最中であります。これは、BBCOというADSL事業を通じて、市民の皆様方と行政とが一体感を持ち、市民の皆さん方が何を望んでいるかを、我々がダイレクトにキャッチし、それを皆さん方に予算としてフィードバックしていくという、そういうやり方であります。この行政評価システムの立ち上げというのは、非常に大変なことでありますけれども、このことはわれわれ行政体が自立していく中で、絶対に必要なものだと考えているわけであります。

「痛み」を共有する -職員数削減とNPO-

また、私どもが最も考えていかなければいけないのは、市民の皆さん方と痛みを共有するということです。痛みを市民の皆さん方に全てかぶせてしまって、行政が平気の平左で左団扇などということは、これからは絶対に許されることではない。そこで、われわれはどこから行動を始めるのかということであります。3年前のこの新春懇談会の場で、皆さん方にお約束したことが一つあります。それは我々の職員の人員削減です。

その時には、10年間で職員の1割の人員カットをお約束しました。そして3年間が経過し、残された7年間であります。これまでにも太田市は市民が参加することによって、着実に我々の人件費を減らすことができています。既に目標の約45%を達成しました。その後、これではまだゆるいのではないかという、職員の反応があって、さらに進めることができるのではないかということで、修正をいたしました。

今後10年間で172人の職員削減計画をここに宣言をいたします。172人の削減計画というのは、どのくらいの効果があるのか。今、我々の行政体の中で、借金が560億円あります。

この560億円のうち、172人の減員で、どれだけカバーすることができるかというと、450億円のカバーができるということであります。借金が多いことを悩むというのが今の時流でありますけれども、ですから借金は怖がることはない。

むしろ私は、職員を削減することによって、削減された部分はNPOによって、市民の有償ボランティアでありますけれども、このNPOの参加によって、これを埋めていくというやりかたができれば、借金のうち450億円をそのままゼロにできるというような考え方であります。

 これからの行政は、増えた借金の返済のために何かをやっているというだけでは、少しも楽しくない。しかも、それでは幸せな市民は誕生しない。やはり仕事はやらなければいけない。我々は、仕事をやるなかで市民と幸せを共有することができるというふうに思っているわけです。何もしなければ、苦しみしかそこに残らない。あるいは最後に痛みを市民に感じてもらわなければならなくなる。私は、それは良くないと思うんです。むしろ、仕事をやって、どんどん元気なまちをつくって、しかも、自分自身で吸収できる痛みは自分自身で吸収をしていって、その空いたところは市民の皆さん方に参加していただくということです。

 

 人が動くまち

今、太田市ではNPOというものを非常に強く打ち出しています。学習文化センターでは市民の皆さん方に大分参加していただけるようになりました。あるいは老人福祉センターでも、市民の皆さん方に参加していただけるようになりました。今度は何をやろうか。今度は、市民課の窓口を市民の皆さんで占領してもらう。そのくらいのことをやってみようじゃないかというのが今年の計画であります。市民が来る、そこに市民がいて、接遇をしていく。もちろん秘密事項というものがいっぱいありますから、それについては守ってもらわなければいけませんけれども、市民が市民との中で行政を運営していくという、新しい形を太田で試みていこうと、そういうふうに思っています。

4月からは市民の皆さんが市民課の窓口に立つようになります。あるいは行政センターの窓口業務に市民が立つようになります。これは画期的なことであります。私はこういうふうなかたちで、市民が参加してくれることによって、太田のまちが、人が動くまち、しかもコストが削減されて、450億円もの実質的な効果をもたらすような、人員削減を行うことができるわけです。元気なまちにしながら、しかもコストダウンができるという、そういうまちづくりを今実行しようとしているわけであります。

市民参加のもう一つの方法

またもう一つ、お金による参加もお願いしたい。市民参加というのは、人の参加、今言ったようなNPOの参加でありますけれども、もう一つはお金で参加をしていただけないかということなんです。もう税金を払っているからいいよ、ということは当然あるでしょう。でも、税金は税金でありまして、もう一つ、これはもう以前から言っておりますけれども、タンス預金を利用したいと思っているんです。タンスの中にしまったままのお金です。銀行の方には失礼ですけれども、最近、銀行もあぶないとか、どこもあぶないなんていうことが言われて、タンスの中にしまっておこうということがある。だけど、泥棒があぶないということもあります。そこで、私は以前からタンス預金を何とかしたいと考えていました。

最初に考えていたのは、ある事業に対して市民の皆さん方から出資をしていただいて、それに対して2%の利息を払おうではないかということを言ってきました。ところが、これは出資法違反になるということで、具合が悪いということであります。

具合が悪くて、おまわりさんにご厄介になるのは私も嫌ですから、出資法違反をしないようなシステムは何かないかと、過日、日本経済新聞社主催のフォーラムの席上で木村さんという総務省の審議官とたまたま隣り合わせでディスカッションする機会にお話をしてみました。地方の市民参加のシステムとして、市民にお金を出してもらえるシステムが作りたいということを言ったんです。出資法違反の話もそのフォーラムの中でしましたが、すぐにこの審議官の方が、そんなのはおかしいよと返事をくれまして、大変ありがたかったのですが、清水さん、こういう方法がありますよということで教えていただいたのが、市民参加型のミニ市場公募債というものでした。

太田市が債券を発行して、一定の利率で皆さん方に債券を買ってもらうという市民参加のやり方であります。このやり方によると、市民が自分の持っているお金を市に預けて、それによって事業を実施することができて、具体的なかたちで成果が得られるわけです。私は、韮川の行政センターとか、九合の行政センターとか、宝泉の行政センターとか、はっきりとした目的でやるのがいいのではないかと思っています。平成14年度、これを実施したいと思います。もちろん、これは、私どもがお預かりするお金であって、いただくお金ではありません。

ちゃんと金利も付けたい。1.8%位付けたいと思っています。2.0%をやりたいと思ったのですけれども、金利が非常に下がっておりまして、我々ができるぎりぎりの線は1.8%ということです。そして一口10万円で、100万円を限度として、市民の皆さん方からお金を集めようということであります。皆さん方がお金を10万円持っていたら、ぜひそのお金で市民参加をしていただいて、ぜひそういうことを多くの方々にも言っていただいて、参加をしていただければ大変ありがたいというように思います。

100万円を限度とするというのは、1.8%という有利な金利でまわすわけですから、市民の皆さん方に幅広く参加していただきたいという意思があるからであります。これが、ある特定のお金持ちだけに占められてしまうというと、これはよろしくないわけですので、市民参加型というのは、まさにそういうことであります。これもまた、新たな出発であります。大きなまちでは既にやっているところはあります。ですが、われわれのまちの規模では、全国どこにもやっているところはない。

太田市で成功して、お金をもって自立をするという道が得られるのであるならば、これも恐らく全国にどんどん広がっていく。そして国も借金をしないで済む。国は今莫大な額の借金を持っている。国の借金と一緒に地方の借金を加えると700兆円の借金を持っているということになります。国にも国の事情があって、これ以上借金ができないというような環境になってきたわけで、我々が市民の皆さんの力を利用して、皆さん方が持っているお金をより良いかたちで回すことによって、まちづくりができていくならば、国から借金をしなくても済むわけでありまして、これは、日本の経済にとって決して悪いことはないと思いますし、また、市民の皆さんにとってみれば、ただ同然でしかない金利が1.8%の金利に変わるわけでありまして、一挙両得のすごいことだというふうに、私は思うのです。平成14年度、4月から実施したいということで総務省に、今お願いをしてあるところであります。

自分たちの手で太田を誇れるまちに

おかげさまで、太田のまちは本当に元気であります。太田市には人間国宝もお二人いらっしゃって、我々の文化、ものづくりの本当の頂点に立っておられます。今日は国会議員の皆様や県議会議員の皆様にいらしていただいておりますけれども、本当に皆様方に助けていただいて、太田市が今存在しています。しかも、全国の中でも、非常に元気なまちとして注目されています。

元旦号の「日本経済新聞」でも紹介していただいて、「市長、顔が良く写っていたね」なんてことを言っていただきましたけれども、そのように紹介されるようになったんです。私たちは自信を持って、私たちのまちが良くなれば日本全体のまちが良くなるというくらいの自信を持って、前に向かって進んでいきたい。そして、皆さん方がお持ちの色々なアイデアがあれば、そのアイデアをいただいて、太田のまちの中で実験をして、日本全国に発信していく。

BBCO、ブロードバンドシティ太田はなかなか難しい事業ではありますが、行政評価のシステムをつくるとか、あるいは印鑑証明や戸籍抄本を24時間いつでも申請できるというような、いろいろな可能性があるし、全体をネットすることによってそれらができるわけです。情報社会と言われている中で、BBCOの存在は、今後必ず大きな存在になりうると思っています。しかも、普通の企業は儲かるところしかやらない。BBCOは、太田市全体をくまなく網羅して、将来、合併ということが起これば、これをさらに合併地域全体に張りめぐらすことによって、自分たちの情報を自分たちで十二分に活用することができる。そんなふうにも思っています。

元気なまちというのは、人が動くまち、NPOに代表される人間が動くまち。そしてもう一つ、お金もやはり動かなければいけない。公募債を発行することによってお金も動くまちになって、そしてまたものが動き、情報が動くそういうようなまちが元気なまち、これが太田だと私は思っています。今日お集まりの大勢の皆さん方と、一緒に手を取り合って、みんなで協力して、自分たちの手で太田を誇れるまちにして、次の世代もこの太田市に住みたいと言えるような、がっちりとした基盤をもった太田市をぜひ作りあげていきたいと、そんなふうに思っております。

 

今日お集まりの皆さん方は、太田市を支える人たちばかりであります。皆さん方にリーダーシップを十分に発揮していただいて、太田をぐんぐんと引っ張っていただき、そして日本をぐんぐんと引っ張っていただきますように、心からお願いする次第であります。非常に厳しい年であるがゆえに、お金での参加、NPOでの参加、情報での参加、物での参加、とにかく市民と行政が一体となったまちづくりを皆さん方に心からお願いいたしまして、措辞ではございますけれども、年頭に当たってのごあいさつにかえさせていただきます。今日は、大勢の皆さんにお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。

2002/04/07

平成13年太田市新春懇談会市長あいさつ

 

「未来への切符は常に白紙である。」

 「常に明るく、常に新鮮に」 明けましておめでとうございます。いつも行政を支えていただいている皆様方をお招きして、新年のご挨拶をそれぞれの方にしていただこうという、そんな思いから始めて、今回で4回目になります。いつもながら大勢の皆様方にお集まりいただきました。昨年1年間元気で働くことができた、今年も同じように、一生懸命仕事をして、社会のため地域のために皆で頑張っていこうと、そういう気持ちを一つにできればというような願いがこめられているわけです。

今朝、職員の初顔合わせがありまして、その時  に言ったのですが、やはり自分たちがわくわくとした気持ち、胸を躍らせる気持ちで仕事をやっていれば、お客様である市民の皆様方にも、当然それがわかってもらえる。ところが、仕事振りが暗いと、お客様である市民の皆様には、すぐにそれがわかってしまう。是非、わくわく胸を躍らせるような1年間にしようではないかというような話をしました。

こうして、お集まりいただいている皆様方と顔をあわせて、また今年1年間お世話になりますと同時に、胸をわくわく躍動させるような1年間にしたいものだと、そのように思っています。

「手を取り合い、前へ進もう」

私達が20世紀に忘れてきたものが、いくつかあります。その中で代表的なものは、654兆円といわれるような、そんな大きな借金を残してきたことです。これは、いずれ誰かが何とかしなければならない問題であると思います。ところが、あまりにも多額な故に、私達は全く我関せず、そんな感じでいるのですが、これはじわりじわり、すべての国民に対しておそらく降りかかってくる、大変大きな問題だと思っています。このままいつまでも続けば、日本はいずれ潰れますし、我々の後を引き継ぐ子供たちにとってこれは大変な重荷で、このために沈んでしまうかもしれません。我々の責任として、少しでも、何かをやらなければいけないのではないかということです。

これは、行政にとってみれば行政改革ということで、一言で片付けられるわけですが、この行政改革も、実をいいますとなかなか大変です。太田市では、借金を増やさないということにしました。

借金を増やさないのですから、減ることしかないわけです。ただ、あまり借金ばかり意識すると、まちの元気がなくなってしまう。だから、借金は増やさないという言葉に代えたのです。

もう一つは、人員削減を大胆に行っていくということです。

ここ2年で、41名が減りました。私達は、 10年間で150名、全体金額にして、生涯給与を  含めると約450億円というような、借金の元を取ろうというようなことを、今やっています。現在、太田市の借金は一般会計で約500億円少しでありますので、約450億円の借金棒引きで、後世に残すものはわずかになってくるというもくろみでいます。しかしながら、行政改革の究極は何かといえば、やはり合併しかないかと私は思っています。合併することによって、それぞれのまちが自分の得意技を一つのまちの中で発揮することができる。合併というのは、地域の皆さん方のご理解が得られなければなりません。

 

住民の皆様方の理解があってはじめてできることでありまして、住民投票等も考えていかなければならない課題だと思っています。そして、文化や風土、歴史、そういうものが本当に関係の深いところは、自然に一つになっていく、これが当たり前の道だと思っています。これをやらないで片方で行政改革をいい、借金が大変だといっても、地に足をつけた行政改革はできません。今日お集まりの皆様方のご協力を得て、近い将来、この地域全体を合併まで持っていき、できることならば30万都市を目指したいと思っています。

私ども行政がこんなことを何回言っても、これは、直接響くわけではありません。市民の皆様方、あるいは、ここにおいでの皆様方が、一つの意識になって、持ち上げなければできる話ではないことは、自明の理であります。

 

「『緑さわやかなまち太田』を目指して」

もう一つ私達が忘れてきたものとして、環境という問題があろうかと思います。この環境の問題というものは、我々のすぐ身近にやれることがたくさんあります。ごみを出さないということもその一つ です。今、全体的な風潮として、ごみに対してかなり厳しい目が向けられています。 例えば、出した 後の片付けとしては、「豊島(てしま)※」の問題があります。

中坊公平さんと話をしたこともありますが、この「豊島」はいわゆる環境問題の代表的な ものであるということを、中坊さんは仰っていまし た。確かに、弁護士として中坊さんは活躍するだけでなく、地域の問題として、「豊島」の問題に道 をつけました。私も、大変立派な行為をやってくださったと思っています。さて、太田市で何をやるかということですが、昨年の暮れ、議会の承認を 得て、ポイ捨て条例ができました。罰金を取ろうというようなことです。これは、市民がまちをきれいにするということと同時に、ごみについての関心を強めてもらいたいということです。

また行政では、富士重工業と新潟鉄工所のお世話になりながら、溶融炉の建設を進めております。私達が一番気になるのは、牛沢のごみが埋め立てられたところです。あれを片付けるかどうかというのが非常に問題で、金のかかることでありまして、何とか手を出さなければいけないと思いますが、うず高く盛られた灰の山、あれは、我々の大きな問題だと思います。焼却炉のそばにもかなりのごみが埋め立てられておりました。

でも、そのごみは、全部出して、これも他県ではありますが、長野県の方に持っていくことができました。   もう一つ、うず高く積まれたあの山を、何とかしなければいけません。しかし、何億円かかるのかわから ないくらいの山です。あれを見ても分かるように、 我々は豊かな思いをしましたが、そのしっぺ返しは 必ずきて、次の世代がそれを負わなければなりませ ん。負の財産と言うものが、実は残っていると言うことです。溶融炉を作り、我々が長野県に捨てていた 今までの灰を、何とか自分の中でリサイクルしたい、 あるいは再利用したい、そういうような気持ちが溶融炉に現れ、今年度中には稼動し、是非成功させたい。そのように思っております。もう一つテーマとし て、森をつくりたいと言うふうに思っております。

この太田の中に、平地林というのはそれほど見当たりません。昔は、お大尽様の屋敷の中に大きな木があり、そこに生物が飛来をしていました。しかし今は、 本当にのっぺらぼうなまちになったような感じがします。あるいは、鎮守の森も、昔はすごく大きなものでした。しかし、今は、区画整理などによって狭められてしまいました。これも事実です。

金山を中心にし て、その周辺に小鳥たちが飛ぶ姿、あるいはトンボ が動く姿、ドジョウが住むような住処、こういったもの を、太田市の各地に、私は今年度是非手がけ始め たいと思っています。この森は、太田市の片方で の、環境のシンボルとしたい。そして、緑いっぱいの 中に太田のまちを置いておく。そのような環境づくり をやっていきたいとそのように考えています。

 また、この環境の問題は教育の問題でもありまして、学校においても環境の問題はもっと深く子供たちに植え付けてほしいと、そういう希望ももっています。

 

※香川県小豆郡土庄町豊島(てしま)で、地元の産廃業者が廃油やプラスチックごみなど数十万トンを不法に投棄していた事件。1990年に発覚、過去に例を見ない大規模な不法投棄問題として世界に「豊島」の名を知らしめることになった。

「1人1人の隣に、自治体」

さて、これからの時代の中で、IT(情報技術)革命と言う言葉が多く使われております。NTTが、 ISDNに対して非常に積極的な姿勢を示してくれました。過日の日本経済新聞で、1ヶ月使い放題で1千円から3千円というのを見まして、太田市がハード面で進出することは断念しました。1千円から3千円でやられてしまいましたら、とてもかなうはずがありません。あの巨大な組織で、どうせやるなら早く我々のまちに線を引いていただきたい。そして、できるだけ早く、市民がその中に入っていってしまうこと、このことが大事だと思います。私達の自治体も、電子自治体はやはり目指さなければなりません。

今年1年間でどこまでいけるかわかりませんが、いろいろな企業の皆様方のご協力をいただきながら、電子自治体を目指したいと思っております。と同時に、その電子自治体が更に多くのサービスを市民に与えられる、あるいはビジネスとして成功するような事例も作っていきたいと、そんな気持ちを持っています。私達行政だけがうまくいけばそれでいい訳ではありません。

この中で生活する皆様が、お互いの知恵と知恵  を絞りあいながら、お互いが知恵を生かしながら、企業として成功していかなければならない。私はそう思っています。そんな意味で、行政が電子自治体化を目指すと言うことは、太田市全体をその輪の中に取り込んでしまいたいということでもあります。私達がやれることはサービスの部門とか、あるいは今後の開発の部門とか将来の方向とか、もっと細かく言えば印鑑証明や住民票、戸籍など、こういった、

いろいろな多方面にわたって可能であると思っておりまして、こういったものを中心として「ワン・トゥ・ワン」のビジネスが発展できるように、我々も協力をしていきたいと思っています。アメリカが、あっという間に財政赤字を黒字に転換しました。今は、株価がいくらか落ちていますが、でもその力でアメリカの豊かさをもう一度作り出した。日本にできないことは絶対ないと私は思っています。たまたま地方自治体であるがゆえに、そんな大それたことは考えられませんが、自分たちの中で自分たちが電子自治体を目指して、その発信基地として太田があるという風に言われるようなまちにしたいと、今思っています。

「小さな自治体、大きな力」

21世紀は、ただ20世紀から暦を一つめくっての 21世紀ではないと思っています。私達の気持ち、心の問題、いろんなことが言われています。

ですが、今ある苦難を振り払うために、小さな自治体でありますが皆様方の気持ちを全部一つにして、太田に明るい日差しを注ぎ込む。そしてそれが、日本全体に広がる。そういうことを、我々は自信を持ちながら一歩踏み出す。そういう21世紀にしたいと考えています。皆様方に協力を願うことが、非常に多くあると思います。なぜなら、行政には限界があります。しかし、市民の皆様の力は無限であります。その無限の力を、是非行政  に今後とも貸していただいて、太田の更なる発展のためにご協力をいただいて、初めて私達が胸を張ってあの世にいけると思っています。子供たちのために私達がやることそれは、いただいた財産をきちんとした形で次の世代にバトンタッチすることです。

これが、先輩に対する敬意とか、子供たちに対する私達の責任ではないでしょうか。我々は、その意識をもたなければなりません。こうして今日お集まり

いただきました皆様方と一緒に、先輩に対する敬意と共に、どういう形で子供たちにバトンタッチするか、これを、是非これから多く語り合いたいと思っております。

「そして、明日へ」

大変堅い話になって申し訳ありませんでした。

ですが、我々が今何をやるかを考えなければならない、そういう時代を迎えていることは確かです。だれだれの責任、国の責任、県の責任、誰が悪い。そういう論法は、もう我々の前から消し去らなければなりません。自分の責任で、自分が物事を解決していく。そういう責任ある市民の集合体、それが太田市であるということを、私は今、誓って、皆様方と一緒にやっていきたいと思っております。今日は、大勢の皆様方にお集まりいただきました。

この力が、私達の太田市の力であります。今後とも、私を含め、行政全般、皆様方のご協力を心からお願い申し上げ、粗辞でございますが、新春にあたってのご挨拶に代えさせていただきます。本当に今日はありがとうございました。

 2002/04/07

二○一四年四月七日(月)

二○一四年四月七日(月)


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今頃、都道府県や、市町村などの地方自治体では、来年度(平成26年度)の予算編成作業が着々と進んでいることでしょう。

いんよう

 【地域発】自治体の予算編成の舞台裏(その1)(林和弘)投稿日: 2013年12月02日 11時08分

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今頃、都道府県や、市町村などの地方自治体では、来年度(平成26年度)の予算編成作業が着々と進んでいることでしょう。

 

いったい、どんな風に予算が作られているのか。

 

いつ、誰が、金額(お金)を決めているのか。

 

組織や職員が少ない小規模な市町村では、職員同士が、日頃から顔が見えるところで業務を行っています。ですので、予算編成過程での財政所管部署の担当者と、事業課の担当者のやりとりや、財政所管部署(通常、総務課財政班とか、企画課財政係などの名称が付けられている)の中での議論は、ガラス張り同然でしょうが、政令市や都道府県クラスの大きな組織の予算編成過程での議論は、非常に見えにくいものとなっています。

 

私はここ10年の内半分以上の期間、ある県の予算査定や行財政運営に携わってきました。

 

そこで、今後何回かに分けて、自治体職員にも見えにくい、ましてや住民は直接知ることのない自治体の予算編成の流れや、意志決定の舞台裏を「物語風」にご紹介していきたいと思います。

 

最初にお断りしておきますが、予算編成の作業やルールは、自治体によって様々です。

 

あくまでも、私が経験した(携わっていた)自治体の話ですので、「うちの町のやり方とはちょっと違う」「おかしいんじゃないの」などと思われる方もおられるかもしれませんが、よその自治体のことと割り切ってお読みください。

8月のある日

各出先事務所の総務課長や事務部長などが、部下の職員(経理担当者)とともに本庁を訪れ、事務所を所管する事業課の担当者に、来年度(翌4月から翌々年3月末まで)の予算説明(要求)をします。

 

県の出先事務所というのはあらゆる分野にわたっており、消防学校、空港、消費生活センター、美術館、陸上競技場、保健所、工業技術センター、児童相談所、家畜衛生保健所、図書館、県立学校、警察署など、様々です。

 

それぞれの事務所が、それぞれに予算要求を行う必要があり、職員人件費以外(人件費は部局全体分を、本庁が要求するので)の活動費や、事業費、施設の維持管理費などを積み上げなければなりません。

 

電気代、ガス代、水道代などの光熱水費。

コピー代、紙代、事務用品などの消耗品費。

電話代、郵便代、インターネット接続料。

公用車のガソリン代、施設や設備の保守点検料、などなど。

 

ありとあらゆるものを、1円単位で積み上げ、支出費目(節と言います)ごとに仕分けして「予算見積額調書」という名の書類にしていきます。

 

それに加え、毎年必要ではないけど、来年度はたまたま必要な経費(例えば、車の2年に1度の車検代など)や、来年度だけ必要なもの(例えば、故障した機械の修理代や、施設の修繕経費など)は「臨時経費」と呼ばれ、別途1件ごとに、書類(A4版数枚程度)を作成し、業者見積書などを添付して提出するのです。

 

 

予算要求の第一関門

 

出先事務所の予算要求側は、1円でも多く予算を獲得しようとします。

 

「なぜこの予算が必要なのか」「どんな効果があるのか」あるいは、「予算がなかったら、どれだけ困るか」説明にも、力が入ります。

 

一方、要求を受ける事業課の担当者は、必要性の確認や金額ボリュームが適正かどうかなど。少しでも件数や金額を減らそうと、丁々発止のやりとりが続きます。

 

しかし、そこで決着することは稀で、その場でさらに細かい資料の作成を要求されるか、後日、再度ヒアリングされることとなり、また同じようなやりとりが繰り返されます。そして、何度かやりとりがあって、最後にとりまとめます。

 

「他の出先事務所の要求額との調整があるので、特に臨時的な経費については全部要求するわけにはいきません」

 

「優先順位(例えば、5項目要求していたら必要ものの順番を1番~5番まで順番を付ける)を、一応教えてください」

 

「あとは主管課の経理担当者につないでみます」

 

主管課とは、保健福祉部、農林水産部、土木部といった本庁の部の中心で、部の人事や、経理、庶務や、企画を行うところです。

 

まさに、予算要求や予算配分を握っているセクション(課)です。

 

 

そして9月

 

出先事務所からの予算要求をとりまとめた事業課は、今度は、それを主管課の経理班の班長と担当者(若い職員)に説明します。

 

ただし、ここで主管課に説明される際には予算の額は削られており、出先事務所から出された要求の、2/3程度というところでしょうか。

 

さて、攻守が入れ替わり、事業課の職員はいかにその予算が必要なのかを調べます。

 

主管課側は、必要性、緊急性、予算の有効性、妥当性、そして、説明の矛盾点など、あらゆる角度から突っ込みます。いわゆる、査定作業です。

 

そして、結果的に、残るのはやっぱり、2/3程度でしょうか。

 

しかし、これで予算が固まった訳ではありません。やっと、部局の手を離れ(晴れて?)、財政当局(総務部財政課)へ提出されるわけですから。

 

<この続きは、次回に>

13:01 2014/02/05前回からの続きです。

 

【地域発】自治体の予算編成の舞台裏(その1)(林和弘) | つながる地域づくり研究所

 

前回少し説明しましたが、主管課とは、保健福祉部・商工労働部・農林水産部といった本庁の部局の中心で、部の人事や予算経理、企画など、"ヒト・モノ・カネ"の権限を握っているセクションです。

警察本部や教育委員会を含め、予算を所管(要求と執行、出先機関への配分)している部局は、私がいた自治体では、大きく分けると9つありました。

その9つすべてに主管課があり、その中に「経理班」と呼ばれる組織があり、経理班長(だいたい40歳前後の職員)以下、4~13名程度(部の大きさによって様々)の職員が予算要求、予算執行(出先事務所への予算配分・支出事務・収入事務・国庫補助申請・決算など)といった、日々の業務を行っています。

 

 

■ 10月の会議室

 

さて今日は、財政課の予算ヒアリングの日です。最初に、出先事務所から事業課に対する要求が行われてから、既に2ヶ月が経過しています。

 

場所は、その主管課の会議室。

主管課の側は経理班長、そして、その補佐役の予算担当主査(30代後半)、あとは若い職員が1~2名。

財政課の側は、財政主幹(45歳前後)と財政課の若手職員(30歳前後)の2名です。

 

ここで少し説明しておきますが、財政課のトップは、財政課長(総務省キャリア)、それを補佐する副課長(プロパーの県職員で50歳前後)がおり、その下に財政主幹(45歳前後)と呼ばれる、いわば査定官のような職員が6名おり、それぞれ部局を担当しています。

9つの部局の予算を、6名の財政主幹が受け持っており、約6000億円の予算行方は財政主幹の「赤えんぴつ」1本にかかっていると言っても過言ではありません。

さて、会議室では、予算ヒアリングが始まりました。

経理班は班長以下、全力で(必死で)来年度に必要な予算を説明します。

10万円の予算でも、数千万~数億円でも、資料を使って同じように丁寧に説明します。説明をしているのは、9月に部の中の各事業課から説明を受け、そしてやりとりし、自分が納得して財政課に要求(提出)した、たくさんの項目(事業)の予算です。攻守が入れ替わって、いかにその予算が必要なのかを説明します。朝から、夜中まで、延々と。

■ 予算要求の根拠

「なんで、この事業は必要なの」「どんな、効果があるの」など、事業の根本に関わる話から。 「この会議室の借り上げ料の積算根拠は、どこの会議室?部屋の大きさは?借りる時間の長さは?」 「このチラシの印刷だけど、紙のサイズは? なんで両面? カラー印刷必要なの?  部数の根拠は? 何処に配るの?」などと、財政主幹の細かい突っ込みにも、経理班長は1つ1つ丁寧に答えていかなければなりません。

質問に答えられなかったら、そこでバッサリ査定される訳ですから、どんな意地悪な質問にも、余裕しゃくしゃくで平然と答える。そんな能力の有無が、そのままその部局の予算付け(獲得)に影響することになってしまいます。

例えば、「DVセミナーの開催」という事業を予算要求(企画)したとします。説明資料には、名称・目的・背景・開催予定時期・場所・参加者(対象と人数など)・セミナー講師候補の氏名・簡単な式次第、そして予算要求額とその積算根拠を記載しなければなりません。

 

予算要求の積算(例)としては、

 

講師謝礼 @15,000円×2時間=30,000円(大学准教授)

講師旅費 @34,900円×1回=34,620円(東京から即日)

案内ビラ印刷 26,000円(A4版、カラー2色、片面、コート紙、5,000部)

お茶のペットボトル @150円×2本=300円

連絡調整経費(電話、郵便代)1,000円×2月分=2,000円 

 看板作成 @20,000円×1枚+@5,000円×2枚=30,000円

 消耗品@1,000円×1月=1,000円

会場使用料@26,000円(100人、3h)×1.05(サービス料)×1.05(消費税)=29,484円などまだまだありますが、こういった細かい経費を積み上げて、やっと1つの事業の予算要求額ができあがっているのです。

■ 査定の根拠

査定をする時には大切な税金の使い道を決めるわけですから、その責任は重く(小さい部局でも5~600億円の予算を持っています)、プレッシャーを感じながら仕事をしていました。

担当する部局の事業について勉強するのはもちろん、上記のような細かい積算まで、つぶさに見ていきます。

それでも絶対的な基準があるわけではなく、最後は自分の判断しかありません。住民の皆さんに恥じることのない査定をするためには、最後は「人」だと、私は思っていました。

いくら経理担当者と話しても、どうしても確信を持てない時には、現場を知っている担当者に来てもらうのです。そして、目を見ながら膝詰めで聞いていくと、間違いない、という気持ちで判断することができました。

でも。

これで、予算が付いた(決まった)訳ではありません。最後の難関、財政課長&副課長査定が残っているからです。またまた、攻守入れ替わり、戦いが繰り広げられます。

<そのあたりは、次回に>

13:12 2014/02/05

 

 

 

 

どう思う? 地方議員削減 [憲法と民意が生きる地方自治のために] [単行本]上脇博之 (著)

商品の説明内容紹介

国会や地方議会で議員を減らす政治や行政は、新自由主義的政策の強行を抑えることはできず、全国的に貧富の格差を生み出し国民に「痛み」を押し付けてきた。地方のシャッター通り商店街はその象徴だ。地方議員の定数削減について憲法の議会制民主主義の視点から検討し、最も適合的な選挙制度と議員定数のあり方を提案する。

 

 

出版社からのコメント

 

上脇博之先生の小社刊行本の第6弾! 『議員定数を削減していいの?』(2011年)の続編として、地方議員の定数削減について問題提起を行っていただきました。旅行に行き、疲弊する地方の商店街を歩いたり、「これからは道州制」といような掛け声を耳にすると、地方自治体はこれからどうなっていくのかと考えてしまいます。では、その基本となる地方議会は住民の声を反映しているのか、そのための制度的保障は確立されているのか、日本国憲法の視点で考えたいと思います。

 

 

商品の説明をすべて表示する

  

 

 

登録情報

 

単行本: 108ページ

出版社: 日本機関紙出版センター; 初版 (2014/1/31)

言語: 日本語

ISBN-10: 4889009027

ISBN-13: 978-4889009026

発売日: 2014/1/31

 

目次

 

 

はじめに

 

第1章 国民主権と国会、地方自治と地方議会

君主主権を否定して誕生した国民主権

国民主権は本来、直接民主主義

やむを得ず議会制を採用

納税額や性別に関係なく主権者全員に選挙権を保障する普通選挙

天皇主権から国民主権へ

在外日本人の選挙権保障と在日外国人の選挙権保障

選挙権と被選挙権の意味

平等選挙、自由選挙、直接選挙、秘密選挙も憲法上の原則

選挙運動の自由は人権としても保障

国民の代表機関としての国会と二院制

戦前の地方制度

首長も議員も住民の直接選挙で選任

選挙区制は何人代表者を選出するのかを現している

個人に投票する単記投票制、連記投票制、政党等に投票する比例代表制

 

第2章 地方議会の議員定数削減の歴史

1999年地方自治法改正前

1999年地方自治法改正後

都道府県議会の議員定数

市町村議会の議員定数

国政へもマイナスの影響

 

第3章 都道府県議会の選挙制度・議員定数の問題点

都道府県議会の選挙制度の問題点

兵庫県議会の場合

東京都議会の場合

大阪府議会の場合

有権者の選挙(投票)の機会を奪っている無投票当選問題

 

第4章 政令指定都市議会の選挙制度・議員定数の問題点

政令指定都市の選挙制度の問題点

大阪市議会の場合

横浜市議会の場合

名古屋市議会の場合

 

第5章 選挙制度と議員定数についての憲法論

議会の首長・行政監視機能の低下と翼賛議会の危険

議員定数削減に対する専門家の警鐘

「選挙制度についての立法裁量」論への疑問

普通選挙の採用だけでは議会制民主主義としては不十分

社会学的代表(議会を住民の縮図に)

投票前も投票後も「投票価値の平等」の保障を!

選挙区が全域の場合~非拘束式名簿式比例代表制と移譲式単記投票制

選挙区が複数の場合~定数自動決定式比例代表制と選挙区の枠を超えた移譲式単記投票制

議会の活性化にとって議員定数は多いほど良い

終戦直後と比較しても少なすぎる議員定数

2011年地方自治法改正による法定定数上限撤廃を逆手にとって

議員確保のための財源

被選挙権(立候補の自由)の保障に反する立候補制限

違憲の供託金制度

法律改正ができなければ条例で!

 

資料編

1.都道府県の各議会の選挙区数と議員数

2.政令指定都市(20市)の各議会の選挙区と議員数

6:25 2014/02/01

 

 

伊藤真オフィシャルサイト

弁護士・伊藤塾塾長 伊藤真オフィシャルサイト

伊藤真からのご挨拶

 

伊藤真 こんにちは、伊藤真です。

このサイトでは、私の活動内容をご紹介し、“伊藤真”を知っていただくと共に、私が一番大切にしている “日本国憲法の価値”を、日本はもちろん、世界じゅうの皆さんに伝えていきたいと思っています。

私は、「伊藤塾」という法律資格、公務員試験の受験指導校で塾長として、法律を教えています。司法試験合格後から30年以上、法律を教えてきました。

はじめに、私が法教育を始めるきっかけとなった「憲法13条」との出会いについてお話ししたいと思います。

 

大学生のある時、ジャーナリストをしているアメリカ人の友人に「日本の憲法で最も大切なことは何か教えてくれ」と言われました。小学生の時から、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3原則を覚えさせられて、この3つを書かないとテストでは×(誤り)でしたので、彼にこの3つだと答えました。

 

しかし、彼は、「3つもいらない、1つだけにしてくれ」としつこく言いました。この3つの言葉の順序を変えてみたり、早口で言ってみたりして私なりに

“工夫”してみましたが、彼の要求するように一言で答えることは結局できませんでした。すると彼は、「何だ、おまえ、日本の憲法で最も大切なことを一言で答えられないのか。それでよく日本人をやってられるな」とまで、私に罵声を浴びせました。そこまで言われることかなと思いましたが、彼のその一言がきっかけで、私は家に帰って、憲法に関する本を取り出して、いろいろと調べてみました。

驚いたことに、どのような憲法の本にも、憲法で最も大切なものが何か書いてありました。それが、憲法13条の「個人の尊重」です。この「個人の尊重」は、「国民主権」「人権尊重」「平和主義」の3原則の根本にあります。アメリカ人の友人のきつい一言がきっかけで一生懸命に憲法を勉強するようになったのですから、彼は私が憲法を学ぶ上での“大恩人”だったと言っていいかもしれません。

この「個人の尊重」には、「人はみな同じ」と「人は皆違う」という相反するような2つの意味があります。

人として尊重される点では人は皆同じ、すなわち、人として生きる価値がある点で人に何ら違いはないのです。また同時に、個人として尊重される、すなわち、人は皆違うのであって、誰一人同じ人がいないからこそ、人は一人ひとりかけがえのない存在なのです。

 

  もう一つ、昔の話しをしましょう。

私は中学生の頃、父の仕事の関係でドイツに住んでいました。ドイツへ向かう飛行機の中から、ちょうどヨーロッパあたりの地上を見下ろした時に、国境の線がないことに気づき、中学生だった私は大変驚きました。それまで、私が見ていた地図では国と国の間には線が引かれていましたから、実際に国境の線があるのだと思っていました。ですが、実際はなかったんです。そんなものは人間が作り出した見えない枠だったんです。

 

私は枠にとらわれる事が好きではありません。現在、世界中で様々な争いが起きていますが、争いの元は、人種、民族、宗教、国といった人間が作り出した見えない枠で囲われたもの同士の対立です。私はそんな枠にとらわれない世の中にしていきたいと思っています。

 

世界中には様々な人がいます。国や人種に関係なく、良い人もいれば、悪い人もいる。肌の色が黒い人もいれば、白い人もいる。人には一人ひとり、いろいろな人生があって、一つとして同じ人生はないのです。

 

一人ひとりを大切にする「個人の尊重」という考えが広まれば、世の中はもっと平和になる、枠にとらわれた人々の争いがなくなり、子供たちが笑って暮らせる世の中になる。そんなふうに考えています。

 

私は、この憲法のすばらしさを知り、これを広く社会に広めたいと考え、法曹を目指すことを決めました。そして “憲法の価値”を知り、その理念を実現できる法律家、行政官を育成していくために、法律の教育者となることを決めました。

 

現在は、伊藤塾の塾長としての法教育、弁護士としての訴訟活動、書籍の執筆、講演会などの活動を通して、“憲法の価値”の実現を目指しています。

こんな私の思いに共鳴してくれる方が一人でも増えたらうれしいです。

新刊書籍

自民党憲法草案にダメ出し食らわす.jpg

 

New

自民党憲法改正草案にダメ出し食らわす!

(合同出版/定価:本体 1,300円+税)

2013年7月15日発売

LinkIcon詳しくはこちら

 

憲法問題_なぜいま改憲なのか.jpg

 

New 憲法問題 なぜいま改憲なのか

(PHP研究所/定価:本体 760円+税)

2013年7月12日発売

LinkIcon詳しくはこちら

 

憲法って何?.jpg

 

New 教えて伊藤先生! 憲法改正って何?

(株式会社シーアンドアール研究所/

定価:本体 1,100円+税)

2013年7月6日発売

LinkIcon詳しくはこちら

 

憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) [単行本(ソフトカバー)] 

伊藤 真 (著)

自由や人権を守るため、主権者が為政者を縛る道具として存在する最高法規――憲法。だが、2012年4月に公表された自民党改憲案は、単なる「改憲」にとどまらず、そうした立憲主義の本質から逸脱し、平和主義や基本的人権の尊重という現在の日本国憲法の原則をも破壊しようとする「壊憲」案にほかならないのではないか。伊藤塾塾長による詳細な検証。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

私たちの自由や人権を守るため、主権者が為政者を縛る道具として存在する最高法規、憲法。2012年4月に公表された自民党の改憲案は、そうした立憲主義の本質から逸脱し、平和主義や基本的人権の尊重、国民主権という現在の日本国憲法の原則を壊してしまう「壊憲」案にほかならないのではないか。立憲主義を見失った改憲論議は、危うい。

登録情報

 

単行本(ソフトカバー): 64ページ出版社: 岩波書店 (2013/7/5)言語 日本語

発売日: 2013/7/5

 

目次

第1章 誰のため、何のための憲法なのか

第2章 平和主義から「戦争のできる国」へ

第3章 人権の縮小、義務の拡大

第4章 なぜ九六条を変えてはいけないか

自民党改憲案は危険です。, 2013/7/29

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

自民党の改憲案がいかにお粗末なものであるかについてよくまとまっています。立憲主義は日本国憲法を語る上で基本中の基本だと思っていましたが、自民党憲法起草委員会の事務局長でさえ、立憲主義について「学生時代の憲法講義では聴いたことがありません」と発言する始末。憲法改正を主張される前に、まず現行憲法をよく勉強されたほうがいいのではないかと思います。

5.0  現憲法は吾ら日本人一人ひとりを護る,吾らになくてはならぬ貴重なものです, 2013/8/4

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

タイトルに示すように吾が憲法は人権を国家権力から護ります.法律は国家が国民を縛るもの.憲法は国家を国民が縛るもの.作用の向きが憲法と法律は真逆です.そして国に個人の人権を守らせる仕組みを立憲主義だと,私は本書で学びました.まことに,まことに本は読むべし!--- .立憲主義,更には集団的自衛権なるもの,この2点は日本の近未来を考える上でとりわけ重要ですので,教わったことの概要を紹介します.

 

1.立憲主義

本の表紙に,立憲主義を見失った改憲論議は危うい,とあります.立憲主義を無視した改憲は,現憲法に護られている国民への背信です.自民党は改憲を目論み,憲法起草委員会を立ち上げ,草案を公表しています.その委員会の事務局長だった石崎陽輔氏は立憲主義を知らないとつぶやいたそうです.彼が立憲主義の本質を知れば,改憲の意欲を益々高めるでしょう.何故なら自民党の草案は現行憲法を,「為政者が国民を支配するための道具」に変質させているからです.要するに「国民のための憲法」から「国のための憲法」へ変えようとします.もし草案が実現すればこの国は国家主義になり,国は国民に犠牲を強いるでしょう.政府の意に背く国民は戦前の軍国社会がそうであったように,お前はそれでも日本人かと警察に難詰され,逮捕され,拷問すら受けて迫害されます.やがて軍備を拡張し,核さえ保持して近隣諸国と戰すら辞さない日本に変わっていきます.そんな日本でいいと皆さんは思いますか.

 

2. 集団的自衛権

いかめしい名前の自衛権ですが,国連憲章で認められています.だからといって現行憲法を改め,兵士をもち,つまり日本の若者を兵士に仕立て上げ,同盟国アメリカの傭兵として戦地に送り出す,そんなことでいいと思いますか.集団的自衛権は「金だけでなく血も流せ」と言うアメリカの意に添うものです.しかし,そこまでの覚悟を日本の若者やその親たちが持っているでしょうか.戦争は,どこか遠いところでやっているともの,自分には関わらない前提で日本も軍隊を持つべきだと短絡して考える日本人もいるでしょう.好戦的な政治家は自分では一兵卒として戦地に赴かず,若者に戦争に行ってこいと,ただ命令するだけ.日本は憲法第9条があるお陰で朝鮮戦争に参加しなかった.その後,アメリカが仕掛けたベトナム戦争,湾岸戦争,アフガニスタン戦争,イラク戦争に兵士を送ることもなく,そこで殺されることも,他国の人を殺すこともなかった.韓国はベトナム戦争に10万人の兵力を送り,5000人の若者を失ったと,著者は指摘しています.私は後期高齢者です.兵士に差し出す息子や孫もいません.しかし集団的自衛権を拒否します.日本の近未来に戦争を持ち込みたくないからです.現行第9条を変える前提で96条の縛りを緩和することにも反対します.自民党の改憲案は「壊憲」案だとする本書に同意します.

 

以上のほかにも国防軍をもつことのデメリットも本書にあります.近隣諸国と友好を保ってこそ日本の安寧がある.今こそそれを本気で考えるときです.とにもかくにも本書を読み,皆さん,ご自分で憲法をお考え下さい.

5.0  立憲主義とは, 2013/10/6

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

残念ながら、学校では憲法を「国の最高法規」と教えますが、いったいどういう意味なのかは教えません。憲法は国民が政府に対して守らせる法律であり、政府や国会議員や公務員が縛られる法律なのです。自民党草案はこの意識がありません。国民の義務を並べたものにしています。憲法によって縛られる対象を国民と考えているのです。この方向性の違いが本書では丁寧に解説されています。

5.0  自民党の政策を阻止しましょう, 2013/10/4

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

人類の永遠の平和を希求し、日本国憲法を大切にしていきましょう。人類の宝として守らなければなりません!

5.0  勉強会に最適なテキスト, 2013/10/10

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

憲法によって国家権力に「縛り」をかけるという考え方を立憲主義と言い、この考え方は、17世紀イギリス、18世紀フランス、アメリカなどの、近代市民革命を通じて確立されたものだということを浦部法穂先生の著書から学んだ。この著書は600ページ近いボリュームがあるので、一般市民の勉強会に使うことはできない。その代わりになるものとして、「憲法は誰のもの?」を選んだ。このテキストは63ページの中で、自民党の草案が立憲主義を否定するものであることを明らかにし、さらに、現行憲法を平和主義から「戦争ができる国」へ変えるものであり、人権の縮小と義務の拡大をもたらすことを明らかにしている。さらに96条を変えてはいけない理由を説明している。勉強会のテキストとして最適であるとともに、市民が最初に読む著作としても最適である。

5.0  ぜひとも多くの方々に知ってもらいたい内容です。 2013/9/3

 

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

人類が長い年月をかけおびただしい血を流して勝ち取った立憲主義を否定する自民党改憲案、開いた口がふさがりません。

かっての戦争に突き進んでいったときの国民の熱狂ぶりすなわち国民が戦争を選んだことを考えるとたいへんに危険です。

多くの方がこの本の内容を把握して自らの意思決定をしてほしいと思います。

16:27 2013/11/22

 

憲法は誰のもの?.jpgNew 憲法は誰のもの?

(岩波書店 / 定価:本体 500円+税

2013年7月5日発売

LinkIcon詳しくはこちら

赤ペンチェック_憲法草案.jpg

赤ペンチェック 自民党憲法改正草案(大月書店/ 定価:本体 1,000円+税)

2013年5月31日発売

LinkIcon詳しくはこちら

 

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15:56 2013/11/22

 

清き0.6票”は許せない! 一票格差訴訟の上告理由を読む (GENJINブックレット58) [単行本]  升永 英俊 (著), 久保利 英明 (著), 伊藤 真 (著), 田上 純 (著)

 

憲法では、平等選挙を保障しているが、現実には、住んでいる場所によってその投票価値は平等ではない。真の「1人1票」の実現を目指す。本書はその趣旨と考え方を平易に解説する。 <目次> プロローグ“清き0.8票”………升永英俊 第1部 私たちの主張「1人1票」の実現を!  わが国の将来を決する投票は厳格に1票の等価値が前提………久保利英明 「1人1票」は、民主主義国家の基本………伊藤 真 第2部 Q&A「1人1票」の価値とは何か………田上 純 第3部 一票の格差訴訟の上告理由を読んでみよう!

単行本: 116ページ出版社: 現代人文社 (2010/8/17)言語 日本語発売日: 2010/8/17

目次

 

プロローグ“清き0.8票”………升永英俊 第1部 私たちの主張「1人1票」の実現を!  わが国の将来を決する投票は厳格に1票の等価値が前提………久保利英明 「1人1票」は、民主主義国家の基本………伊藤 真 第2部 Q&A「1人1票」の価値とは何か………田上 純 第3部 一票の格差訴訟の上告理由を読んでみよう!

 

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法曹関係者以外は第1部と第2部だけでいいかもしれません

 一票格差訴訟について、法曹関係者以外は、第1部と第2部を読むと概略がわかると思います。法曹関係者にとっては、第3部の上告理由について、升永弁護士の書面の書き方や論理の運び方など参考になるものと思います。

3.0  自民党優位の選挙区割りがよくわかる1冊

 最初の35ページは初心者向けに「一票の格差」について分かりやすく解説しているのだが、メインの残り81ページは法曹関係者にしか読みこなせない上告文をそのまま抜粋したもの。

2色刷りやイラストの多用など、読みやすくする工夫は随所に感じられるのだが、このトピックの入門者にいきなりこのお堅い文章を読ませるのは酷である。

逆に法曹関係者には、最初の35ページは簡単すぎて読むまでもないということになり、結局読者が絞れていない本。

執筆陣からして商業主義のためのページの埋め合わせに走ったとは思わないが、ボリュームを含めて中途半端な仕上がりになってしまっている。

この問題については広く国民に啓蒙が必要だと自分でも感じているだけに、読者層を絞れていないのは残念と言わざるを得ない。

3.0  自民党優位の選挙区割りがよくわかる1冊, 2011/1/4

 

レビュー対象商品: “清き0.6票”は許せない! 一票格差訴訟の上告理由を読む (GENJINブックレット58) (単行本)

最初の35ページは初心者向けに「一票の格差」について分かりやすく解説しているのだが、メインの残り81ページは法曹関係者にしか読みこなせない上告文をそのまま抜粋したもの。

2色刷りやイラストの多用など、読みやすくする工夫は随所に感じられるのだが、このトピックの入門者にいきなりこのお堅い文章を読ませるのは酷である。

逆に法曹関係者には、最初の35ページは簡単すぎて読むまでもないということになり、結局読者が絞れていない本。

執筆陣からして商業主義のためのページの埋め合わせに走ったとは思わないが、ボリュームを含めて中途半端な仕上がりになってしまっている。

この問題については広く国民に啓蒙が必要だと自分でも感じているだけに、読者層を絞れていないのは残念と言わざるを得ない。

直接自民党を批判する文言は一切ないのだが、北海道の冷遇など、読むと自民党優位に選挙区が区割りされていることはよく分かる。

4.0  法曹関係者以外は第1部と第2部だけでいいかもしれません, 2012/2/7

レビュー対象商品: “清き0.6票”は許せない! 一票格差訴訟の上告理由を読む (GENJINブックレット58) (単行本)

 一票格差訴訟について、法曹関係者以外は、第1部と第2部を読むと概略がわかると思います。法曹関係者にとっては、第3部の上告理由について、升永弁護士の書面の書き方や論理の運び方など参考になるものと思います。 

16:09 2013/11/22

 

 

真の民主主義国家は「一人一票」で誕生する (リーダーズノート新書) [新書] 

リーダーズノート編集部 (編集)

 

内容紹介

 

速やかに「一人一票問題」を解決しない限り、日本は、5年後には世界市場の中で敗者であろう。「一人一票実現」のうねりは、もう誰にも止められない。  そして最高裁大法廷も、ついに動いた。本書は、一人一票実現運動の違憲訴訟の代理人、升永英俊弁護士、久保利英明弁護士、伊藤真弁護士らの活躍をつぶさに記録した。 寄稿者:一人一票裁判の代理人3名 升永英俊(弁護士・弁理士・TMI総合法律事務所パートナー) 久保利英明(弁護士・日比谷パーク法律事務所代表) 伊藤真(弁護士・伊藤塾塾長)

内容(「BOOK」データベースより)

09年衆院選「違憲状態」。最高裁大法廷歴史的判決。1人別枠廃止迫る。

新書: 224ページ出版社: リーダーズノート (2011/4/29)言語 日本語発売日: 2011/4/29

目次

 

1 一人一票を実現せよ! 課題=「1票の不平等」 2 最高裁「違憲状態」判決に対する各社の報道 3 「一人一票」の実現を目指す 4 「一人一票」問題をめぐる素朴な一問一答 5 一人一票訴訟から見えてくるもの 6 「一人一票」の実現にこだわる理由 7 2011年 一人一票訴訟の行方

16:22 2013/11/22

 


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2014年4月10日 (木)

里山資本主義・・・第3章 グローバル経済からの奴隷解放―費用と人手をかけた田舎の商売の成功・・


引用

里山資本主義

http://www.town.suo-oshima.lg.jp/

第3章 グローバル経済からの奴隷解放―費用と人手をかけた田舎の商売の成功・・

費用と人手をかけた田舎の商売の成功・・NHK広島取材班・井上泰介、夜久氏・155頁、14/4/7 11時20分33秒

過疎の町こそ21世紀のフロンティアになっている・

本書ではここまで、田舎に踏みとどまって、地域の資源を見出し、地域循環型の経済を生み出している人々を紹介してきた。ところが、時代の流れは今や逆転し、大企業を見限って、過疎の地域へ飛び込む若者たちが増えている。それも優秀な若者が、である。ここからは、そんな新たな潮流についてみていきたい。

そんな町の一つが山口県南東部、瀬戸内海に浮かぶ、周防大島だ。周防大島は、数ある瀬戸内海の島々で三番目に大きな島。全般的に山岳起伏の傾斜地で6百メートル級の山々が連なり、海岸に沿って多少の丘陵地が広がる程度で、大半を山地が占めている。

156頁、

その一方で、作物の生育にこれほど恵まれた環境はないのではないかとも思える温暖な気候を持っている。年間の日照時間は国内トップレベル、年間平均気温は15・5度。島では昔から、そんな傾斜地と温暖な気候を利用した柑橘類が盛んであった。瀬戸内の海は、いわば、日本の地中海である。

しかし、高度経済成長期、日本はこうした島々の活かし方を間違え、大量生産・大量消費のシステムに組み込もうとしてきた。国は1961年、農業生産の増大・合理化を目指して「農業基本法」を策定。みかんを、お金になる作物として、「選択的拡大」の対象に指定、大規模化を推奨した。それは、この島で長く続いてきた、少量多品種による自給自足的な農業を破壊、誰もがみかんを栽培するようになった。しかしみかんの需要は国が期待したほど伸びなかった。

そこに追い打ちをかけたのが、オレンジやグレープフルーツの輸入自由化。みかんの過剰生産が問題となり、農家はジュースや缶詰などの加工用に振り向けざるを得なくなっていった。しかし加工用のみかんは生食用の10分の1以下の値段で買い叩かれ、みかん農家の多くが、経営を成り立たせることができなくなった。

結果は明白だった。島の産業に将来を見出せなくなった若者たちは、次々としまを後にしていったのだ。日当たりのよい急斜面を利用したみかん栽培は、畑をぐるりと回るだけでも多大な労力を伴う。若者がいなくなった段々畑は次々と荒地へと変わっていった。

157頁、そして、いつしか周防大島は、人口における65歳以上の割合を示す高齢化率が46・7%(2012年)。日本で最も高齢化率が高い自治体の一つとなったのである。

ところが、この10年余りでにわかに変化が見られるようになった。半世紀以上にわたって続いてきた社会増加数(転入者数から転出者数を引いたもの)の減少が、とうとう止まったのだ。もちろん、高齢化が進み、そもそも出て行く若者が減ったのも一つの要因であるが、近年、しまに移住する人が増えているというのである。

もともと周防大島に縁がなかった人がやってくるIターン、一旦島を出て行ったものの、年を経て戻ってくるUターンなど、形は様々だが、今、瀬戸内の島々が「里山資本主義」によって、若者たちにとってのフロンティアとして生まれ変わろうとしている。

158頁、

大手電力会社から「島のジャム屋」さんへ

これから紹介する松嶋匡史さんは、周防大島でも先進的な成功事例といっていいだろう。松嶋さんがこの過疎の島で挑戦しているのは、カフェを併設したジャム屋さん。「瀬戸内ジャムズガーデン」だ。

海に面した、フランスのおしゃれなカフェを連想させる建物と、床や柱に木をふんだんに利用した、暖かみのある内装。そして、カフェスペースには、木のテーブルを三つ。そこに座れば、大きな窓から目の前の瀬戸内海に島々がぽっこり浮かぶ、多島美を楽しむことができる。

いくらおしゃれとはいえ、山口市からも広島市からも離れたへんぴな場所に客は来るのだろうか、と週末に訪ねてみれば、目の前の駐車場は車でいっぱい。家族連れやカップルなど、たくさんのお客さんで賑わう。みんなのお目当ては、四季折々の手作りジャム。春はイチゴにサクランボ。夏はブルーベリー。秋はいちじく。そして冬はみかんやリンゴ。風味付けも、バニラ、シナモン、ラム、紅茶、チョコレートなどなど。レパートリーはなんと100種類以上。「あれもこれも」と好奇心を刺激されながら、オリジナルのジャムを味見し、買うことができる。

159頁、ほどよい甘さにほっこり。流れる時間はゆったり。子供も大人もみんなが笑顔になれる空間だ。

もともと京都出身の松嶋さん。2006年、勤めていた電力会社を辞めてIターン、東京から周防大島にやってきて店を開いた。

きっかけは2001年、新婚旅行で訪れたパリのジャム屋さんだった。妻の智秋さんがアクセサリーショップに入っているあいだの時間つぶしにふと隣にあったコンフィリュール(フランス語で「ジャム」専門店を覗いたところ、色とりどりの瓶入りジャムが並んでいた。

その美しさに取り憑かれたように見入ること一時間。とっくにアクセサリーを見終わり、呆れる智秋さんに、「お土産だから」と30個ほど買って帰った。帰国後、松嶋さんは暴挙に出る。なんと、そのほとんどの封を切り、自分で食べ比べをしてしまったのである。それで完全に火がついた。突然、「ジャム屋を始めたい」と言い出した。もちろん、智秋さんはあいた口がふさがらない。電力会社という最も安定しているはずの会社に勤めている人と結婚した途端、成功するかどうかも分からないジャム屋を開くといいうのだから。しかし、松嶋さんは諦めなかった。説得には三ヶ月を費やしたという。それで智秋さんもようやく折れた。

「当然、三ヶ月くらいはスルーしていましたよ。耳元で「ジャム、ジャム」とか言っていても、作ったことないし料理もしないし、何を言っているんだ、みたいな感じで。詐欺っていうか、ただの妄想っていうか、独り言っていうか、そういうふうに受け止めていました」

160頁、

私たちと智秋さんのやり取りを横で聞いていた松嶋さん、にやりと笑った。「まさしく妄想といえば妄想ですね。でも、そういうところから革命は起こるんですよ」

ジャムの作り方を一から独学する傍ら、次に関門となったのが店の立地だった。当初はおしゃれなお店を経営するなら、当然、消費地に近い都市部がいいと思っていた。それこそ、出身地・京都なら観光客のお土産になると。ところが、話を聞きつけた妻の父親であり、周防大島で店を開いてもらいないか」。先に述べた通り、周防大島は、若者の島外への流出に苦しみ、町としても若い力を必要をしていたのである。

妻の智秋さんは、夫は流石に引き受けないだろうと考えていた。ところが、松嶋さんはあっさり引き受けた。決め手になったのが、原料となる果樹がすぐ身近にあることだった。生産地のど真ん中でジャム作りをしてみるのも悪くないと思ったのである。

そこから、松嶋さんの逆転の発想が次々と生まれた。まず、店を建てる場所探し。松嶋さんが選んだのは、便利な国道沿いではなく、静かな海辺だった。これには、場所探しに付き合った義父も驚いた。「ここにずっと住んでいる人間にとっては、海があって当たり前だし、他の場所でも海は見えるわけですからね。ここが特別の場所だと誰も思わないんです」

161頁、

自分も地域も利益を上げるジャム作り・・・

松嶋さんはジャムを買ってくれたお客さんに、あるリーフレットを手渡すことにしている。そこには、「過疎高齢化が進む島で小さなジャム屋が思うこと」と題して松嶋さんの思いが綴られている。

・・・今の時代に求められているのは、地域の価値に気付き、その地域に根ざしt活動を展開することではないでしょうかその土地でできた農作物を使い、田舎では田舎でしかできない事業を行うことが理想のスタイルであると思います。それが地域を復興させ、お年寄りを元気づけ、若者を呼び戻す切り札になるはずです。土地と作り手の魂が感じられるジャムづくり。これこそが私たちの目指しているジャム作りなのです。

162頁、

まさに、大量生産・大量消費すステムとの決別宣言である。経済成長のために、地域を安価な労働力や安価な労働力や安価な原材料の供給地と見るのではなく、地域に利益が還元される形で物作りを行う。ただし、そのために自分たちが犠牲になる必要もない。自分たちも、ちゃんと利益をあげる。その仕組みを松嶋さんは一生懸命考えた。

まず、松嶋さんはしまを回りながら、生産者と交流を深めた。都会にいては絶対にわからない、ジャムづくりのヒントを農家から直接仕入れるためである。

そんな松嶋さんの知恵袋の一人となっているのが、祖父の代からみかんを作り続けている山本幸三さん。10月の早生から翌5月以降に旬を迎える夏津海という品種まで、10種類以上のみかんを作り分けるだけでなく、みかん以外にもレモンやネーブル、ポンカンなど、多様な柑橘類を手がける、柑橘作りの名人である。山本さんの生産技術を学びたいと、本場・ヨーロッパからも視察がやってくるほどだ。

松嶋さんはそんな山本さんたち、地元の柑橘農家おの会話の中から、新しいジャムのアイディアを次々と得ていった。その一つが青みかんジャム。原料となるのは、生では酸っぱくてとても食べられない、熟す前の青みかんだ。虫を寄せ付けないほどの強烈な香りがあることを教えられ、新しいジャムが生まれた。

163頁、平成26年4月8日

ヒントをくれるのは柑橘農家ばかりではない。周防大島には、東和金時という品種のサツマイモが昔からひっそりと栽培されていることを知った。有名な徳島の「鳴門金時」と同じ品種でありながら、それほどの知名度を得られなかった、隠れた特産だった。

松嶋さんは、これの何とかジャムにできないか、試行錯誤を重ねた。一番の難問は、サツマイモはジャムにすると、出来立ては美味しいのだが、覚めるとイマイチということだった。そこで逆転の発想。「焼きジャム」という新たなジャンルを開発した。パンを焼いてからジャムを塗るのではなく、ジャムを塗ってからジャムごとパンを焼いて食べるのだ。すると、熱々のさつまいもの甘い香りが口いっぱいに広がる。冬の定番のジャムとなった。

「都市部でジャムを作ろうとすると、こういういろいろなアイディアは生まれてこない。地元の方と接するからこそできるジャム作り、ビジネスなんだと思います」

そんな風に自らの取り組みを評価する松嶋さん。もちろん、その探究心と発想力があってこその賜物であるのは間違いない。

一方の山本さんたち果樹農家にとって、作物に新たな価値を見出す松嶋さんはありがたい存在となった。

「我々は生産者ですから、加工まで一歩踏み込むのは難しいところがあった。島にいる多くの農家、みんなそうですよ。生産は得意だけど加工・販売は苦手。だから、ノウハウを持っている人がしまに来てくれたのは強みだと思います」

164頁、

・・・売れる秘密は「原料を高く買う」「人手をかける」・・・

どうすれば、農家に利益を還元することができるのか。松嶋さんは、原料となる果物高い価格で買い取ることにした。みかんも、1キロ100円以上で買っている。これまで大きさや形が規格外の加工用のみかんは、そのほとんどがジュースの原料として1キロ10円と、安く買い叩かれてきた。だから、100円という数字は、山本さんにとっても驚きだった。「社会では原料は安いものだという概念がありますから、10円とか、そのぐらいしか支払わない。松嶋さんが1キロ100円で原料を買うのは、非常に高い単価。

でもそれは、私たちがいろんなものをかけて作った時、まさに、それぐらい欲しいな、という単価でした」

そうして仕入れた原材料からジャム作りも松嶋さん流だ。まず、松嶋さんは、均一な味を求めない。一瓶一瓶味や風味が違って当然なのだ。それが、数え切れないほどの試行錯誤の結果たどり着いた決論だ。

ジャム作りでは、徹底的に手作りにこだわっている。機械に頼らず、人手をかけた方が消費者にアピールできることももちろんあるが、そのほうが地元の雇用につながるのだ。

165頁、

ジャム工房を覗くと、地元の農家の奥さんたちが、原料を切ったり、皮をむいたり、煮込んだり、楽しそうにジャムを作っている。若者の姿も見える。周防大島にIターンしてきたが、すぐには収入が安定しないため、アルバイトしているのだという。そうした人たちが22人も働いている。

もちろん、原材料や人件費が上がれば、商品の値段は高くなる。松嶋さんが販売するジャムの値段は、155gの瓶入りで700円前後。大手メーカーの大量生産品に比べると格段に高い。しかし、少量多品種、画一化されていない個性豊かな味。そして何より、周防大島という素晴らしい環境で顔の見える人たちによって作られていることが、飛ぶように売れ続ける秘密となっている。

「我々にできることはなんだろう、とこの島に来てから考えるようになりました。単純に自分のところの利益を最大化するのがいい話でなくて、地域全体が最適化されることで、自分たちにも利益が回ってくるのです。だからこそ、地域をまず改善していく取り組みをしたいと考えています」

166頁、

・・・しまを目指す若者が増えている・・・

周防大島で活躍する若者は、松嶋さんだけではない。20代から40代の若い力が、次から次へと島の眠れる宝を掘り起こし、新たなビジネスに結びつけている。

福岡で調理師をしていた20代の笠原さんは、周防大島へ戻った後、果樹の多い島では良質の蜂蜜が採れると考え、養蜂業へ転身した。養蜂から瓶詰めまで家族だけで行い、道の駅など、目の届く範囲だけで販売する徹底した小規模経営の方針をとり、利益を順調に伸ばしている。

40代の山崎さんは18歳の時に周防大島を離れ、広島・フランス・東京でリュリ人の腕を磨いた後、Uターン。島内外で常に満員御礼の人気レストランを複数経営している。皮がと食べられる無農薬のみかんを使ったみかん鍋も開発。しまの新たな特産に育てようとしている。

まだまだ、いる。30代の新村さんは、広島の食品加工会社で働いていたが、結婚を機に島に帰り、実家の水産加工会社を継ぐ。2010年、松嶋さんに出会い、今まではいりこ(煮干し)に適さないと廃棄してきた、大きすぎるイワシをオイルサーディンにするアイディアを得て、販売を開始した。海外産のオイルサーディンが多い中、純国産のオイルサーディンはじわじわと人気が広がり、生産が追いつかない状態である。

167頁、

都会から過疎地へ。そうした動きは全国に広がっている、と見るのが東京・渋谷に本拠を置き、長年、若者の起業をサポートしてきたNPO法人「ETIC」である。

ETIC.では、年に数回、「日本全国!地域仕掛け人市」を開いてきた。地域に入って起業などにチャレンジしたいという若者と、受け入れ団体のマッチングイベントである。2011年秋、私たちが取材に訪れた時、都内の会場には220人が詰めかけ、活気に溢れていた。ほとんどが、就職活動中の大学生や転職を考える若者だった。

「北海道から来ました!」。若者たちを前に北海道から沖縄まで、全国からやってきた22団体の、UターンやIターンで起業した先輩たちが地域で働くことの魅力を熱弁する。

なかでも、離島からやってきた団体が暑い。「横溝正史の「獄門島」のモデルになった島です」と紹介しているのは、岡山県笠岡諸島にある六島。町長が主導し、トヨタやソニーで働いていた若者たちが協力して、今やすっかり地域復活の象徴となっている島根県、隠岐諸島の海士町も来ていた。島は本土から離れている分、地域社会も完結していて、里山資本主義を実践するのにはちょうどいい環境なのだ。

周防大島からは、ジャムズガーデンの松嶋さんとその盟友・大野さんが駆けつけていた。大野さんは、Uターン組。広島の高校、大阪の大学、そして東京で社会人と11年間島を離れたあと、地元に戻り、地域興しのリーダーとして活躍してきた。

168頁、

周防大島のブースで、二人からジャム屋の成功体験を聞いた、二人組の大学二年の女性は口々に褒め称えていた。

「ああいう島があること自体知らなくて、すごい素敵だなと思いました。島では社会が出来ていつというか、外に頼らずに自分たちでやるところがいいですね。いいな、行きたいな!と思いました」

「自分がやりたいことができそうな雰囲気ですね。皆さんサラリーマンのように疲れてなくて、楽しそうに話をされていますから。自分、自分じゃなくて、地域、地域って思ったら、もっとやれることがあるんじゃないかな」

ETIC,代表理事の宮城さんは、トレンドを次のようにう分析する。

「ここ数年、非常に動きが目立ってきています。どの企業でも欲しいような人材が、平気で会社を辞めて地域に入ることがあちこちで起こり始めているんです。立派ないい会社に勤めて、高い給料をいただいているような人が、年収が半分、三分の一になることもいとわず、地域に戻りたい、地域で仕事をしたいと。このなかには、そんな人がいらっしゃる」

このNPOの法人が、企業を考える若者を対象に行った意識調査では、いま、若者たちの五人に一人が、農業や漁業といった「一次産業」に挑戦したいと考えているという。かつて、企業の花形だった「IT産業」の二倍以上である。

169頁、

「物質的豊かさや、情報という面での豊かさに対して、飽和感があるのだろうと思います。五感でリアリティを感じられるといった面白みを求めているのではないでしょうか。リアリティの最たるものは、人間の絆であるとか、人情みたいなものでしょう。また、自然と触れ合って仕事をしていくことも、非常に魅力なのだと思います」

・・・「ニューノーマル」が時代を変える・・・

14/4/10 6時44分6秒・

172頁、

・・・田舎には田舎の発展の仕方がある!・・・

過疎と高齢化が進んだ地域。そこにはアイディアさえあれば、とっておきの宝物がまだまだ眠っている。リスクも少ない。土地代や人件費など、元手もほとんどかからないため、スタートから多額の借金を抱える必要もなければ、もちろん、生産過剰による在庫を心配する必要もないのだから。そしてなにより、若者が帰ってきた。それだけで地域の人たちから感謝される。「地域」は今や、若者たちを惹きつける新たな就職先である。

しかし、いくら若者が過疎地を目指すとなっても、そこは見知らぬ土地。困難も多い。田舎にはよそ者に対し警戒心を持つ風潮も残っていて、残念ながら、ときにトラブルに発展することもある。

173頁、

周防大島では、受け入れ態勢のさらなる拡充を目指す動きが次々に立ち上がっている。松嶋さんたちは、Iターン、Uターンの若者たちによるネットワークを結成。「島暮らす」と名付けた。まず、島の情報を起業希望者に提供し、便宜を図る。時には、地元の人との仲立ちも行う。さらに、既に成功している会社へのインターン事業を行ったり、起業してからの安定収入のためにアルバイト先を提供したりする。先人たちが切り開いた道。それに続く人たちが同じ様な壁にぶち当たることなく、スムーズに島に定着して欲しい。こうした活動には、松嶋さんたちのそんな願いが込められている。

こうした若者たちの動きに、自治体も答えた。2011年4月、若い起業家に事業用のスペースを貸し出す、いわゆるチャレンジショップを始めた。都市部の商店街などではよく見られるようになった取り組みだが、過疎の島にあるのは珍しい。2~3坪という少々手狭な敷地ながら、賃料は月一万円。しかも、年間28万人が訪れる「道の駅」の目の前にあるだけあって、集客力は抜群。蜂蜜を販売する笠原さんも、ここに店を出し、リピーターを増やしている。

周防大島町長の椎木さんにも話を聞いた。

174頁、

「私は行政のなかにいる人間ですが、一番不足しているのは、やる気があってもアイディアが薄い点。自分でも反省しているのですが、外のまったく違うタイプの方々のアイディアをいただけたら、もっと面白いものができるのではないかと期待しています」

2012年4月からは、島内のあちこちに増えていた空き家を、移住を希望する人に破格の家賃で貸し出す取り組みも始めている。これも各地で始まっている取り組みではあるが、多くは行政が単独で行っているケースが多く、若者がなかなか情報にアクセスしづらい。ところが、周防大島では、「島くらす」と連携し、情報共有を図ることで効率よく借りてが見つけられる。

加速する周防大島の取り組み。椎木町長は、かつて、島でも大企業誘致などに取り組み、失敗した経験を反省する。

「都会と同じように考えて発展させるのは無理があると思うんですね。私たち田舎は、田舎のような発展、地域にあった幸せ度、発展を考えなければいけないと思います」

私たちが松嶋さんたちを取材した番組が放送されたのは、2012年3月。放送後、松嶋さんの元には、その理念に感銘を受けた人々による訪問や便りが相次いだ。

山口県岩国市から来たという50代の男性は、店に入ってくるなり「会いたかったよ!ありがとう!」と松嶋さんに握手を求めたという。聞けば、東京に就職した息子が都会暮らしや仕事に馴染めず、田舎に帰ってきたものの「以下か暮らしは面白くない」と、就職活動もせず閉じこもっていた。

175頁、

それがたまたま見た番組に感動し、何回も繰り返して見ているうちに、ついには田舎には田舎の素晴らしさがあり、田舎で頑張ることの意義を感じたのだという。就職活動にも前向きに取り組むようになったそうだ。

他にも、2年ほど鬱病で休職していた女性から、放送を見て、再び就職活動を始める決心がついたという頼りが来るなど、松嶋さん自身も勇気づけられるような話が続々と届けられている。

・・・地域の赤字は「エネルギー」と「モノ」の購入代金・・・

平成26年4月10日 木曜日

 

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2014年4月11日 (金)

龍郷町長・・龍郷町空き家情報登録制度要綱

引用

誰もが笑顔が出る龍郷町になるには?!

 

徳田龍郷町長殿

 

田雲線の未舗装の下り坂凸凹がひどくなっております・ご視察の上に補修をお願いします、坂のところは舗装をしていただきたいと思っております。

 

アマシン事業の忘れものです・この田雲線の田雲側の一部は道ではないし・これは重要な道路は現在は無いと言える・・この地点は奄美大島の中心に当り・アマシン事業で早急に検討・海岸線は国の土地を利用して・橋梁結び・小湊まで直線で結べば・奄美大島一の景観となり・リゾートホテルなどをつくる絶好の土地に代わります・奄美大島の人口を将来に10万人規模にする予定を建てて計画をする。

利点

例えば・学校・病院・などの統廃合で税金の削減・スーパー・などに約・南北100キロを移動が自由になれば高齢者も買い物病院など・に自由に行くことによって生き甲斐が生まれて健康になれます。

奄美大島・道路網は一部を除いて・完備しているのに・公共交通のバス路線をアマシンで育てて来ていなかった・運賃が高くて・ダイヤが利用者で決められなかったのです・移動の自由が保障されるバスの料金も市町村に必需品なので・私どもが・協同組合方式で利用者にも組合費負担・定期発行で利用者増が見込めるし・安心して利用出来る公共交通に・路線のダイヤも選べるようにする・・・農業・畜産・漁業・林業などに外部の人の移住も役に立つ・必要な大切な道路ネットワークです・バス会社も自由に競争原理を導入して・・

社会資本の充実をしないのはいけないことです・・経済的な自立をうたっているアマシンの精神に反すると考えます・大切な経済的な損失です・前町長の菊田氏の時代から・登記が回らないからできないと・言われて来ています・どうかルートを海岸線などに移して陸橋方式で計画を・奄美群島広域組合の事業となると考えます。

 

大島郡龍郷町大勝3113-1・

滝田 好治

平成26年5月15日 木曜日

 

 

 

誰もが笑顔が出る龍郷町になるには?!

 

徳田龍郷町長殿

 

次は・・・龍郷町で今までに・道をつくり・・利用度は?!龍郷町の利用できる土地の基本台帳をつくる・・

 

 

拝啓

愛する龍郷町の発展のために・龍郷町が・持っている・使える土地の一覧表を提供して・町民全員で考えましょう・道路をつくり・土地が道路に面しているから価値があります、ぜひとも徳田町長の力強い指導力で開示してくださるようにお願いいたします。政府の補助金を当てにしていては経済的自立は永久にできません・・この国税も我々が苦しい中から納めた税金なのです・税金の使い道を民を交えて・考えてください。

 

チャンス到来・・LCCも飛んでくるのはいいですが・龍郷町としては受け皿としての道の駅・美味しい地場の食事が・レストラン・カプセルホテルなど・・農家民宿などを研究して民の活力を使う以外に道はないのです。

 

有能な町長は地域で産業を生産活動を起こして・雇用を増やして町民の生活を安定させてください。

 

大島郡龍郷町大勝3113-1

滝田好治

平成26年5月15日 木曜日

平成26年4月10日 木曜日

敬具



ご意見箱いけんばこ・・町では、迅速じんそくで的確てきかくに各事業かくじぎょうを推進すいしんしていくために、町政ちょうせいに対する皆さんみなさんの意見いけんや提案ていあんについては、所管課しょかんかに直接ちょくせつ寄せよせていただきたいと考えかんがえております。

いただいた意見いけんは、皆さんみなさんの貴重きちょうなな声として所管課しょかんかを中心ちゅうしんに関係かんけい各課かくかも交えて検討けんとうするとともに、建設的けんせつてきな提案ていあん等については、町政ちょうせいに反映はんえいさせるよう努めつとめます。

回答かいとうは原則げんそく、所管課しょかんかから行いおこないますが、町政ちょうせいに直接ちょくせつ関係かんけいのない提案ていあんや営利えいり目的もくてきの提案ていあん等、内容ないようによっては回答かいとうしかねる場合ばあいがあります。

なお、町政ちょうせい全般的ぜんぱんてきな意見いけん等は、総務そうむ企画課きかくかにお寄せおよせください。

 

以下いかのフォームに必要ひつよう事項じこうを入力にゅうりょくの上、「確認かくにんする」ボタンを押しおしてください。

•個人こじんや団体だんたいを誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうするような内容ないようのメールについてはお断りおことわりします。

•営利えいり目的もくてきによる宣伝せんでんまたはこれに類するものについてはお断りおことわりします。

•回答かいとうについては、2週間しゅうかんほどの日どのひ数をいただきます。

•お寄せおよせいただいたご意見ごいけん等は、ホームページ上で要旨ようしを公表こうひょうさせていただくことがあることをご了承ごりょうしょうください。

(氏名しめい等本人ほんにんが特定とくていされるような情報じょうほうは掲載けいさいしません。)

8:55 2014/02/13

 

 

龍郷町告知第23号

龍郷町空き家情報登録制度要綱を次のように定めた。

平成23年12月1日

龍郷町長・・龍郷町空き家情報登録制度要綱

(趣旨)

第1条・この要綱は龍郷町における空き家の有効活用と定住促進による地域の活性化を図るため、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条・この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1)空き家情報登録制度とは、龍郷町内に存する空き家の登録を通して、空き家利用希望者に対し、情報提供を行うことを言う。

(2)所有者とは、当該空き家に係わる所有権又は賃貸もしくは売却を行うことが出来る権利を有するものをいう。

(3)情報提供とは、空き家に関する情報で、空き家利用希望者に対して有用なものを提供するとともに、空き家の当登録情報を龍郷町ホームページに掲載し周知することを言う。

(適用上の注意)

第3条・この要綱は、空き家情報登録制度以外による空家の取引を規制するものではないものとする。

(空家の登録申込等)

第4条・空き家情報登録制度による空家に関する登録を受けようとする所有者等(以下「申込者」という。)は、龍郷町空き家情報登録申込書・・に誓約書

を添えて町長に提出しなければならない。但し、あっせん及び仲介等を目的とした空家に関する登録はできないこととする。

2・町長は、前項の規定による登録の申し込みがあったときは、その内容等を確認の上、龍郷町空き家情報として町ホームページで公開しなければならない。(空き家情報の登録抹消)

第5条・当該空き家に係わる所有権その他の権利に移動があったとき、又は当該空き家の情報公開を止めたい場合は、その旨を龍郷町役場企画財政課に連絡し、空き家情報登録申込書に記載された内容の変更、又は抹消をしなければならない。

(空き家利用希望者の登録申込)

第6条・空き家利用を希望するものは、龍郷町空き家利用希望申し込み書に誓約書を添えて、町長へ提出しなければならない。

(情報提供等)

第7条・町長は空き家の登録情報を龍郷町ホームページ等に掲載し周知をするとともに、空き家登録者及び空き家利用希望者に対して、有用な情報を提供するものとする。

2・町長は、空き家登録者及び空き家利用者希望者に対して、空き家に関する交渉並びに賃貸借契約及び売買い契約については、直接これに関与しない。

3・契約等に関する一切のトラブル等については、当事者間で解決するものとする。

(個人情報の保護)

第8条・第4条第1項及び第6条の規定による登録においての個人情報の取り扱いについては、龍郷町個人保護条例(平成17年龍郷町条例第1号)に定めるところによる。

(その他)

第9条この要綱に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

附則

この告示は、平成23年12月1日から施行する。

平成26年2月13日


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馬路村について・馬路で遊ぶ・馬路村の楽しみ方

引用

馬路村について・馬路で遊ぶ・馬路村の楽しみ方

千本山森林鉄道インクライン曲げわっぱ体験馬路村の穴場四季のみどころグルメ宿泊施設お買い物ちょっと昔の話。かれこれ 10 年になる。ゆずと木工芸品を全国へ届けたいと熱い想いを持つ村の職員に電話が入る。

「あのさぁー、東京の東急百貨店で馬路村フェアーかなんかやってみない?」

「ゆずや元気な村で有名やけんど、木工芸品やエコアスも知ってもらわんと話がはじまらんしねぇ・・・。」

「どう?」

エコアスの木のおさらでご縁をいただいた東京の白田さん(いいものプロジェクト)からだ・・・。しかし、なぜ馬路村フェアーの誘いが? 

それは、村の企画を職員といつも一緒に手伝っているプランナーやデザイナーが、酒を飲めば、「あー東京でイベントやりたいなあー、バァーンとごっくん飲んで天然鮎やウナギや、村のおばちゃんの柚子寿司も食わせてみたいにゃあー・・・」と宴会の度に言いよった。 しかし、こんな小さな村じゃ無理かもしれんけんど・・・あぁ、ダメ元で白田さんに言うちょってみろか!!という話。 

 

それがなんと、東急が貸してくれそうな!との事・・・わぉー・・・。

企画会議は何度も行われた。これまでの催事は県内の小さなものだったし、あちこちの集まりやった。ところが今回は村の単独や・・・・。まずは農協のゆず製品を中心に木工芸品、エコアスの木のうちわ、木のおさら(この時はまだモナッカ、木のカバンは開発されてなかった)天然木のテーブルや家具まで持ち込むことにしました。

馬路村やき、森があって、安田川が流れて・・・。おいおい、ほんまにビルの中でそんな事ができるがあーやろうか?と・・・。

まあ、「ごっくん」飲んでおばちゃんのゆず寿司をつくってできたら天然鮎も食わしたいし、ん―――、天然のうな丼もあったら、倒れるばあうまいき、喜ぶろうねぇ・・・。しかし、鮎のほうはなんとかなるけんど。天然のウナギはなかなか捕れんぞ!!

 

その時に、ある職員がポツリと、ワシがウナギは捕ってくる。天然のウナギは引き受けたと。そして企画は進んだ。

ゆず寿司の名人のおばちゃん達は、新しい服を買い東京に土佐の地酒がないと寝れんと、酒まで持参した。その頃、馬路村農協には少しはお客さんがいたので農協の協力で「東京の吉祥寺の東急でイベントやります」とハガキで案内を出したところ、オープンと共にどっさりの人が「がんばりよー」と応援にかけつけてくれました。これには東急もビックリ!!僕らもうれしくてびっくりでほんまにありがたいなぁ・・・とやる気が倍増しました。

そして、後々にこのイベントは次の日、また次の日と村中の人々が東京にやって来て、東京の関係者の間では馬路村は本気でやりよると伝説のように話してくれます。

 

ある時に村長が言った。なかなか、お金はいっぱい使うが、売り上げはそんなにたくさんじゃないねぇ・・・。

そこで、企画チームから飛び出した案が、「僕らは田舎から東京の人に馬路村の夏休みを楽しんでもらおうという企画です。売り上げは確かにたいした事がないけんど、基本は村のファンになってくれる人が1人、2人と増える事や。村長、特別村民制度という特別なファンの住民を募集しましょう。」

「ふーーーーん・・特別村民ねぇ・・・」

「で、その住民票を村長に配ってほしいがよ。村長から渡してもらったらうれしいろうねぇ・・・」

「んーー・・わかった。ワシもがんばるか・・・」

「で、その特別村民は、どんな特典があるがぁーぞ?」

「えっ・・・特典か・・・」 「特典ねぇ・・・」 「考えてなかったがか・・・よ」「イカン、ここまでいうたら何か考え出さねば!」 で、ひらめいたのが、「村長、特別村民はやっぱり特別やき、馬路村へ来てくれたら、村長室で村長と一緒にごっくん馬路村が飲める!!というがぁでどうぜよ!!」

「アホなことを、そんなんでわざわざ人が来るかよ。こんな山奥まで・・・」 が、なんと、今までに 864 人が訪ねてくれている。

(平成 25 年 7 月 25 日現在)

僕らの村は小さい。小さいけんど小さいなりに、に仕事をつくり、自然を楽しみ、山村で暮らしてゆくことを決意して若者はこの村で生き、子供を育てる。   

この村の仕事は限られる。この村の仕事を支えてくれるのは、実は村のファンである。モノを作る事は、どの村でもできる。イヤ、かえってモノは溢れている。モノではなく、モノの村の暮らし方や考え方を届ける。これが、馬路村流の仕事の仕方かもしれない。

私達は、この村が好きだ。つまりファンなくては仕事がつくれないのである。人口は 1000 人を切った。ほんとうに小さな村です。しかし、僕らはこの村を応援してくれるみんなの思いに感謝し、その思いに希望と勇気が湧いてくる。僕らと村のファンに希望がある。

特別村民募集!!

特別に会員になって何かをしようと思っているわけじゃなく、小さな馬路村を気にかけていて下さい。そして、気が向いたら、声を掛けて下さい。

僕らは、これから特別村民の皆さんと一緒になって、例えば夏は鮎をとったり、川原で宴会をしたりゆず祭りへ参加してもらったり青年団と運動会をやったり、おばちゃんのゆず寿司教室やったりと、田舎ならでは、馬路ならではの楽しみや体験を一緒にできたらいいなあーと思っています。

かまんかったら、特別村民に登録しちゃって下さい。また、登録してもろうたら、馬路村特別村民証と馬路村応援団員証をお送りさせてもらいます。

あっ、村長室では、ごっくん冷えてます。

ありがとうございます。

馬路村特別村民申し込み

http://www.umajimura.jp/about_sp_old.html

7:36 2014/04/11

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