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2014年5月

2014年5月 5日 (月)

市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 [単行本] 佐々木 実 (著)

引用

変わった世界 変わらない日本 (講談社現代新書) [新書]野口 悠紀雄 (著)

内容紹介

過去30年の間に国際経済を取り巻く環境は激変しました。しかしながら、日本経済は、円安頼みの輸出立国モデルに固執した結果、長期にわたる低迷を余儀なくされました。猛スピードで変化した世界経済に立ち後れた日本に対して、いち早く金融自由化に取り組んだイギリス経済は劇的な復活を遂げ、IT化に成功したアメリカは歴史に残る黄金期を迎えています。かつて「欧州の最貧国」といわれたアイルランドは、世界経済の変貌にいち早く対応し、「ケルトの虎」と呼ばれるまでに急成長しています。はたして周回遅れの感もある日本に、挽回の余地はあるのでしょうか。残念ながら、アベノミクスは、株価の底上げには成功したものの、円安誘導の輸出立国モデルに固執しており、古い産業構造を温存することを躍起になっています。野口悠紀雄氏は、アベノミクスの金看板である、インフレ目標と異次元金融緩和は、目標も手段も間違っており、国民にカタストロフをもたらす可能性が高いと、厳しく批判しています。これからの日本経済を待ち受けているものはなにか? 経済学の第一人者 野口悠紀雄氏の鋭い分析がふんだんに盛り込まれた作品です。

内容(「BOOK」データベースより)

世界はこんなに変わった!日本はなにも変わらない!アベノミクスでは日本は浮上しない。日本経済を復活させる唯一の解決策とはなにか。

新書: 288ページ出版社: 講談社 (2014/4/18)発売日: 2014/4/18

目次

序 始まりは80年代

第1章 経済思想が大転換した

必然だったソ連崩壊サッチャーとレーガンの経済改革市場経済以外はありえない石油価格の安定とインフレなき成長

第2章 IT革命と市場型経済の復活 新しい技術 ITの登場アメリカ経済の復活イギリスの大変貌:脱工業化と金融立国

90年代、アイルランドの驚異的な経済成長

第3章 中国が工業化に成功した

改革開放が軌道に新しい企業が台頭する巨大EMSというバケモノ 中国経済の矛盾

第4章 取り残された日本は円安のぬるま湯に不良債権の処理に追われた日本の90年代大規模介入で円安に垂直対水平

第5章 100年に一度の金融危機 アメリカ住宅バブル金融危機の進展投資銀行モデルとその破綻アメリカ経常赤字の拡大円安バブル

第6章 リーマンショック後の世界 GDPがマイナス10%減中国の経済対策と不動産バブルアメリカの金融緩和策 ユーロ危機 米中というG2の時代

第7章.日本経済が抱える深刻な問題 下落する賃金貿易赤字、脱原発、海外移転デフレが問題なのか? 消費税増税で財政再建できるか?社会保障の見直しこそ最重要

 

第8章 アベノミクスは答にならない 空回りする異次元金融緩和 動かない実体経済円安は日本人を貧しくする目標も手段も間違っている

第9章.日本の成長に本当に必要なこと何をやってはいけないか?何が必要か?

政府に依存するのは間違い人材開国による新しい成長に向けて

保守とは問題の先送りでしかない テレビによって「アベノミクス」という言葉が一人歩きしていますが、本当にみんな内容がわかってんのかな、と疑問を感じることがあります。(「集団的自衛権」もそうですが)

この本で野口はアベノミクスが効果的でないと批判します。その理由を、1980年代からの世界経済の変化をたどりながら、広い視野で説明してくれます。

 

現状のアベノミクスは、日銀にお札をじゃんじゃん刷らせて(量的緩和)、円安と株価の上昇をもたらしています。(野口によると円安は別の要因であるようですが)しかし、それが実体経済の改善につながるかというと、非常に難しいと野口はいうのです。

5つ星のうち 1.0  結論はありきたり

結論は、サービス産業を発展させ、高齢者の需要を開拓し、高等教育を充実させ、外国人労働者を積極的に受け入れるということ。ずっと前からいわれている。これですこし経済成長ができたとしても、国民生活や国土、安全は守られるのだろうか。

5つ星のうち 4.0  保守とは問題の先送りでしかない, 2014/4/24

レビュー対象商品: 変わった世界 変わらない日本 (講談社現代新書) (新書)

テレビによって「アベノミクス」という言葉が一人歩きしていますが、本当にみんな内容がわかってんのかな、と疑問を感じることがあります。(「集団的自衛権」もそうですが)この本で野口はアベノミクスが効果的でないと批判します。その理由を、1980年代からの世界経済の変化をたどりながら、広い視野で説明してくれます。

現状のアベノミクスは、日銀にお札をじゃんじゃん刷らせて(量的緩和)、円安と株価の上昇をもたらしています。(野口によると円安は別の要因であるようですが)

しかし、それが実体経済の改善につながるかというと、非常に難しいと野口はいうのです。

90年代以降、世界経済は流動性の高い英米型が優位となった上に、中国の製造業が台頭してきたことで、かつての日本型経済が通用しなくなっている、つまり、世界経済の変化に日本が対応できていないことが、長期にわたる経済不振の理由だというのが野口の見方です。

日本は変化に対応して産業の基本構造を変えるべきであるのに、保守的な発想でそれを避け続け、安易な(痛みの少ない)金融政策(アベノミクス)で一時しのぎを続けています。

野口の主張には目新しいものは全くありませんでしたが、これは悪いという意味ではなく、当たり前のことを言っていて納得できたということです。たとえば、野口は量的緩和がマネタリーベース(日銀が発行したお金の総額)を増加させても、マネーストック(実際に経済活動で動いている金額)を増やさないため、実体経済の改善に役立たないと説明しますが、このような量的緩和批判は、かつて自民党の塩崎恭久が日銀の量的緩和を批判したときに、僕が耳にした説明と同じです。

(ちなみに、塩崎は第1次安倍晋三内閣の官房長官で、安倍と同期だったため「お友達内閣」と揶揄されましたね。その塩崎が批判したことを安倍がやっているのは皮肉です)野口は日本がモノづくりで復活するのは不可能だといいます。

だとしたら、変化への対応をやり過ごし、製造業を圧迫する中国を悪とみなして、問題の本質をごまかす、という保守の発想が理解しやすくなります。

保守的で現状を否認する量的緩和だけではなく、野口が言うような、「痛みを伴う」経済的な構造改革が行えるかどうかで、安倍の経済政策を評価するべきでしょう。

5つ星のうち 1.0  結論はありきたり, 2014/5/2

レビュー対象商品: 変わった世界 変わらない日本 (講談社現代新書) (新書)

結論は、サービス産業を発展させ、高齢者の需要を開拓し、高等教育を充実させ、外国人労働者を積極的に受け入れるということ。ずっと前からいわれている。これですこし経済成長ができたとしても、国民生活や国土、安全は守られるのだろうか。

17:18 2014/05/05

 


 

竹中平蔵氏の正体  佐々木 実

http://gekkan-nippon.com/?p=5372

7月 7th, 2013 by 月刊日本編集部. 

佐々木実氏の著作

労働分野の規制改革を進める竹中平蔵氏

―― 竹中平蔵氏の実像に迫った、佐々木さんの『市場と権力』(講談社)は、新自由主義がいかにしてわが国に導入されてきたかを考える上で、示唆に富むものだ。

佐々木 竹中氏は、一月二十三日に開かれた産業競争力会議初会合で、「成長戦略に打ち出の小槌はなく、企業に自由を与え、体質を筋肉質にしていくような規制改革が成長戦略の一丁目一番地」だと語った。その翌日、安倍首相は竹中の発言をそっくりそのままなぞるような口ぶりで規制改革の必要性を唱えている。安倍首相と竹中氏の近さを象徴する場面だった。

小泉政権時代に大きな役割を果たした竹中氏は、その後様々な批判を浴び、民主党政権時代には一旦過去の人となったかに見えた。ところが、それでも生き残り、安倍首相にとりたてられ、いまや新自由主義イデオローグの第一人者となっている。

―― いま産業競争力会議や規制改革会議で、解雇規制の緩和など労働分野の規制改革が論じられているが、ここには露骨な利益誘導があるのではないか。

小泉政権は、労働分野の規制改革を断行して、人材ビジネス市場の拡大をもたらしたが、小泉政権が幕を下ろした後、竹中氏は人材派遣会社パソナグループの創業者である南部靖之氏から同グループ特別顧問として迎えられた。そして、二〇〇九年には取締役会長に就いている。

佐々木 竹中氏が労働分野の規制改革に意欲を持ち続けていることは間違いない。彼は、楽天会長兼社長の三木谷浩史氏との対談(『文藝春秋』四月号)で、「労働市場にも、健全な競争がないわけです。日本の正社員は世界で最も守られていますが、これは、一九七九年に東京高裁が出した特異な判例があるためです」と語っている。

―― パソナグループ会長が、労働分野の規制改革を論じること自体がおかしいのではないか。

佐々木 まったくおかしな話だ。ところが、大手メディアは利権問題を引き起こしかねない事実をとりあげようとしないばかりか、竹中氏の肩書として「慶應義塾大学教授」としか書かない。本来、「パソナグループ会長」という肩書も併記すべきだ。産業競争力会議や規制改革会議は議論の内容の是非を論じる前に、構成メンバーが経営者や経済学者に偏り過ぎていることを問題にしないといけない。

―― アメリカでは、「リボルビングドア」(回転ドア)と呼ばれる通り、民間・政府間の交流人事の名のもとに、一部のエリートが政府、大企業、学界の役職を回し合い、一部の勢力の「お手盛り」で国家を運営しているように見える。

佐々木 アメリカ社会における経済学者たちと金融業界の癒着を描いたドキュメンタリー映画『インサイド・ジョブ』(チャールズ・ファーガソン監督、二〇一〇年)がアカデミー賞を受賞して話題となった。日本はアメリカ社会の病理ともいえる「リボルビングドア」をさらに歪曲した恰好で真似ようとしているようにみえる。

  ビジネスの論理に偏ることなく、国民生活全体の立場に立って正論を唱える政治家がいなくなってしまっていることも大きな問題だ。

17:12 2014/05/05


市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 [単行本] 佐々木 実 (著)

内容紹介

 

第45回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品!

第12回新潮ドキュメント賞受賞作品!

 

「構造改革」「規制改革」という錦の御旗のもと、いったい何が繰り広げられてきたのか? その中心にはいつも、竹中平蔵というひとりの「経済学者」の存在があった。

 

“外圧”を使ってこの国を歪めるのは誰か? 郵政民営化など構造改革路線を推し進めた政治家・官僚・学者たちは、日本をどのような国に変えてしまったのか?8年におよぶ丹念な取材からあぶり出された事実から描ききった、渾身のノンフィクション。

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

経済学者、国会議員、企業経営者の顔を使い分け、“外圧”を利用して郵政民営化など「改革」路線を推し進めた竹中平蔵がつぎに狙うものは!?8年におよぶ丹念な取材があぶり出す渾身の社会派ノンフィクション。

 

単行本: 338ページ出版社: 講談社 (2013/5/9)発売日: 2013/5/9

 

目次

はじめに 「改革」のメンター

第1章 和歌山から東京へ

第2章 不意の転機

第3章 アメリカに学ぶ

第4章 仮面の野望

第5章 アメリカの友人

第6章 スケープゴート

第7章 郵政民営化

第8章 インサイド・ジョブ

おわりに ホモ・エコノミカスたちの「改革」

ウォームハートを忘れた経済学者の軌跡

ジャーナリストの佐々木氏による周到な文献調査などで描かれた、日本の権力中枢で活躍した「経済学者」竹中平蔵氏のこれまでの軌跡を示す。

 

経済学者とはいえ、学問的良心とは関係なく、アメリカの意向に忠実な姿があらためて明らかになった。

 

日米構造協議時では、アメリカの主張にそって、日本をバブルに落とし込んだ公共事業430兆円の過大な公共投資計画を正当化していたのにもかかわらず、道路・橋などの劣化が見通せたはずの小泉政権下では徹底した公共投資の削減に旗をふった。

 

また、金融担当大臣の際の、木村剛を使った不透明な政策決定や、派遣業のパソナの役員をしながら、個別企業の利益誘導を疑わせるような労働法制の規制緩和を声高に主張する。

5つ星のうち 3.0  日本における「悪人」の一類型

こんな重厚なルポが掲載されていたのですね。知りませんでした。相当な時間と労力をかけ、竹中氏の幼年時代から現在までが相当な深さで探られていきます。和歌山での青年時代、そして上京、就職などにかかわる様々な興味深いディテールがさりげなく提示されていきます。これらの竹中前史にかかわるディテールは、想像をたくましくすれば、いくらでも話を様々な方向へ展開することが可能ですが、著者は禁欲的にその前でとどまります。どのエピソードも様々なストーリーの展開を可能とするものです。

後半はその奇妙な生態と動きが日本の変貌と共に完膚なきまで解明されていきます。そこで明らかにされるのは、1970年代というブレトンウッヅ以後の時代に社会に放り出された、田舎の何のコネもない、しかし世俗的な権力欲だけは人並み以上だった一青年の生き様です。

5つ星のうち 5.0  ウォームハートを忘れた経済学者の軌跡, 2013/5/25

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

ジャーナリストの佐々木氏による周到な文献調査などで描かれた、日本の権力中枢で活躍した「経済学者」竹中平蔵氏のこれまでの軌跡を示す。経済学者とはいえ、学問的良心とは関係なく、アメリカの意向に忠実な姿があらためて明らかになった。

 

日米構造協議時では、アメリカの主張にそって、日本をバブルに落とし込んだ公共事業430兆円の過大な公共投資計画を正当化していたのにもかかわらず、道路・橋などの劣化が見通せたはずの小泉政権下では徹底した公共投資の削減に旗をふった。また、金融担当大臣の際の、木村剛を使った不透明な政策決定や、派遣業のパソナの役員をしながら、個別企業の利益誘導を疑わせるような労働法制の規制緩和を声高に主張する。

本来経済学という学問自体は、特段、金儲けには役に立たないはずが、権力と結びついたことにより、利益を生むことになった。

ウォームハートを忘れた経済学者の問題点を鮮やかにしめす快作だ。

5つ星のうち 5.0  学者の仮面を被った鬼畜, 2014/1/19

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

竹中平蔵という名前を初めて聞いたのは何時だったろう。あの「鬼平犯科帳」を連想させる剛直で古めかしい名前と、それに似合わぬ童顔でソフトな語り口、そして都会的かつスマートなイメージの「慶応」の教授であるというプロフィールに強い印象を受けた。

その後、小渕内閣の「経済戦略会議」で中央政界にも重要な位置を占め、小泉内閣ではついに閣僚に登用された。

しかし、その頃からこの人には疑惑或いはスキャンダルがついて回ることになる。本書は、それらの疑惑について関係者への詳細な取材に基づいて検証を行っている。まぁこうした上昇志向の塊で、他人を踏み台にしてのし上がる輩はいつの時代にもいるのだが、竹中の始末に負えないところは「学者」の仮面を被っていることだ。何となく憎めない童顔も手伝って、大衆は簡単に騙されてしまうのである。

「考えない総理」小泉純一郎という存在もこの男にとって、強い後ろ盾となった。この二人によってその後の日本が辿った結果を見ると、本当に痛ましい。小泉が人気絶頂の頃、テレビの街頭インタビューで中年の主婦が「小泉さんのためなら痛みにも耐えます!」とはしゃいでいた姿が筆者には忘れられない。「B層」と名付けられたこの人たちを騙すことなど、竹中にとって赤子の手をねじるようなものだったろう。

政権交代によって、一旦表舞台から消えたかに見えた彼がまたぞろ復活してきたのを見ると、絶望的になる。

加えて、都知事選で「反原発」を掲げてはしゃぐ小泉を持ち上げるマスコミと大衆。

もうあの二人が表舞台に立つ世の中はコリゴリだ。みんなはそう思っていないのだろうか。

それにしても、こういうレポートが掲載される論壇誌が殆どなくなってしまったのは寂しい限りだ。

5つ星のうち 5.0  黒い立志伝、最高だ, 2013/5/26

探偵デプロ (東京都) - レビューをすべて見る

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

小泉構造改革を推し進めた竹中平蔵氏を多岐にわたる取材で描いた黒い立志伝。「改革」を推し進める過程での「仕掛け」や「振り付け」のダイナミックさや巧妙さに驚嘆する反面、その裏に描かれた「私心」には憎悪さえ覚える。竹中氏や構造改革への評価は横においても、読み物、エンタテイメントとして十分面白い。それがまたさまざまな人をひきつけ動かしてきた氏の魅力の顕れなのだろう。

5つ星のうち 5.0  権力中枢の無力と経済学の科学性, 2014/2/12

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

佐々木実氏による、小泉政権において「構造改革」「規制改革」に辣腕を振るったとの印象のある竹中平蔵氏の成育歴、学問的業績、そして何よりも権力中枢に近づく手法とそこで行った様々な行動を綿密な取材と関係者の証言から描く一冊です。

 竹中氏が自我に目覚めた頃よりの人生の軌跡、殊にアメリカの政界とシンクタンク・学者知識人(財界)の「回転ドア」システムを目のあたりにし、ワシントンと永田町を結ぶ「人材」としての基礎を作り、博士号・教授としての地位を手に入れ、小泉時代という舞台を得て、成したことが事実に基づき抑えた筆で描かれる。

 読後に持つ感想は、「成功したホリエモン」との印象であり、経済学界周辺の科学性と無関係に見える人間模様の日本的風景と、さらには政治家ことに最高権力者を伺う位置にあるであろう人々の脇の甘さ、決して飛び抜けたものを持っていないと感じられる竹中平蔵氏に「なぜ、ここまで許したのか」が解けない。

決して無能ではない官僚組織が、なぜ竹中氏に易々と対抗力・抵抗力を失ったのか?「族議員」とある種恐れられた議員集団がなぜ無力化したのか?である。

社会の空気が、「構造改革」「規制改革」を称賛し、テレビ話術のあるお茶の間経済学者を持ち上げ、冷静さを失った時代の一幕が描かれている。

著者は、ジョセフ・E・スティグリッツの師である経済学者・宇沢弘文氏を登場させることで、竹中氏の人柄と経済学者としての業績に止めを刺すことを、意図している様だ。

「構造改革」「規制改革」を、己とその周辺の個人財産の形成に利用した手法への批判は、個々の事例に付いて、各々一冊の解明本が必要であり、この著者であれば可能であろう。行間からは、大阪大学経済部を卒業し経済学を修めた者として、日本経済新聞社にいた者の無念が伝わる様だ。

5つ星のうち 5.0  不純な人士達の筆頭, 2013/6/17

JAZZファン "JAZZ初心者" (東京都江東区) - レビューをすべて見る

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

本書の元となったのは、月刊現代2005年12月号に前編、2006年1月号に中編が発表された佐々木実氏のノンフィクション『竹中平蔵 仮面の野望』。

同作が発表された当時は、小泉人気が絶頂の頃である。当時は、小泉本人やその政権を批判する人は少数派であり、場合によっては、抵抗勢力とみなされる状況にあった時期である。未だに小泉を賛美する者、部分的には批判しつつも全体としては好意的に捉える者が大勢を占めている中で、大々的に問題として取り上げられてはいないが、小泉政権及びそれに関係する勢力から敵視された人物が、直接的、間接的な圧力を加えられ、職を失ったり、罪を被せられて社会的に抹殺されたりするなど、言論弾圧にも等しいことが水面下で行われていた時期である。

 

そういった中で、佐々木実氏の『竹中平蔵 仮面の野望』が発表された訳である。内容はと言えば、小泉政権に於いて、新自由主義的価値観に基づく経済政策を推し進めた中心人物である竹中平蔵の実態を白日の下に晒す極めて刺激的なものであった。それも単なる下ネタ的なものではなく、綿密且つ渾身の取材から得た事実関係に基づき、竹中平蔵という人物の実態を世に問う内容であった為に非常に衝撃を受けたのを憶えている。

 

後編が発表されることなかったのは、あまりにも核心に迫る内容であり、これが伝播し、人口に膾炙されると問題視される恐れがあると、小泉政権及びそれに関係する勢力が慮んばかってのことと考えていたが、何とかこれが完成形となって刊行されたことは、非常に悦ばしいことである。

 

本書が契機となって、竹中平蔵という人物の不純さ、いかがわしさというものを出来るだけ多くの人に認識されることを期待したい。

5つ星のうち 3.0  日本における「悪人」の一類型, 2013/6/15

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

こんな重厚なルポが掲載されていたのですね。知りませんでした。相当な時間と労力をかけ、竹中氏の幼年時代から現在までが相当な深さで探られていきます。和歌山での青年時代、そして上京、就職などにかかわる様々な興味深いディテールがさりげなく提示されていきます。これらの竹中前史にかかわるディテールは、想像をたくましくすれば、いくらでも話を様々な方向へ展開することが可能ですが、著者は禁欲的にその前でとどまります。どのエピソードも様々なストーリーの展開を可能とするものです。

後半はその奇妙な生態と動きが日本の変貌と共に完膚なきまで解明されていきます。そこで明らかにされるのは、1970年代というブレトンウッヅ以後の時代に社会に放り出された、田舎の何のコネもない、しかし世俗的な権力欲だけは人並み以上だった一青年の生き様です。

アメリカとのかかわり、大蔵省でのコネづくり、様々な日本固有の仕組みへの実務責任者としての関わり、強烈な節税への意識、ここに示されるのは、東京出身の典型的な日本のエスタブリッシュメントとは明確に異なる軌跡です。

案外、規制緩和や新自由主義なんて当人にとってはどうでもいい話なのかもしれません。彼がキャリアを形成した時代は、ただそのイデオロギーがアメリカによって日本に強制されたため、一番の勝ち馬に乗ったというだけなのかもしれません。一番興味深いのは、この権力欲と隠された破壊願望の源ですが、この部分は青年時代のエピソードの羅列だけで、深められることはありません。この部分の解明は、ノン・フィクションではなく、小説(宴のあと (新潮文庫)などの別な形のジャンルの方がより効果的なのかもしれません。

5つ星のうち 5.0  デモに参加している人々にとっては必読の書, 2013/12/19

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (Kindle版)

読んでいて、思わずため息が出るほどの力作である。竹中平蔵という大きな力を持った人間を徹底的に追究した作品だけに、新聞やテレビなどの大メディアなどではなかなか取り上げられにくそうだが、このような作品が「新潮ドキュメント賞」を受賞して光を浴びたことは非常に喜ばしい。

本書のすごい点を挙げていくとキリがないが、ひとつだけ指摘しておきたい。それは、官邸前や国会周辺でデモなどに参加している人たちにとっては、これは必読の書だということだ。

21世紀の日本で、デモが抗議行動として一般化する兆しを見せ始めたのは、小泉純一郎&竹中平蔵の「構造改革」により、格差・貧困問題が顕在化してきたあたりからだろうか。その政策が立案され実現されるまでの経過が、本書には驚くほど克明に描かれている。

つまり「敵」が誰なのか――それが明確に示されている、ということだ。

ごくごく大雑把にまとめてしまえば、アメリカの意向を受け、竹中(およびその周辺)がシナリオを描いていた、ということになる。そして「アメリカの意向」とは、すなわちアメリカ政府の周辺に群がる経済学者やシンクタンクの意向ということである。この作品では、それら黒幕の人名や組織名も次々と実名で登場してくる。

ちなみに、竹中がその活動の手本としてきたのが、このように政策決定に影響力を持つアメリカの経済学者たちの姿だった。

リーマンショックの後、アメリカの経済学者たちは、金融業界と癒着して、会社役員として高額の報酬を得ていたり、ヘッジファンドから莫大な額の顧問料を受け取っていたりしたことが明らかにされている。同様に、竹中自身とその周辺の人々(オリックス宮内義彦などが代表的存在)も、「構造改革」が進んでいく過程で生まれた利益をしっかりと分け合っていたという。

5つ星のうち 5.0  あぶり出された改革利権の構図, 2013/7/27

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

立花隆の「田中角栄金脈研究」が大きな反響を呼んだとき、大手紙の記者たちは「あんなことは自分たちはとっくに知っていた」とうそぶいた逸話がある。

本書を読了した時に、この話を思い出した。

本書で次々と挙げられる竹中をめぐるエピソードはいずれもすでに一度は耳にしたり、目にふれたことのあることばかりだ。しかし、これらをひとつにつなぎ合わせ、大きな絵を描くことで、竹中氏をめぐる疑惑、不正、構造改革利権を食い物にしたのではないかとの構図が浮かび上がる。

国民に対する背信行為であり、本来なら、それこそ特捜検察が動き出すか、国会などで追及されなければならない性質のものも含まれていると思う。しかし、それがなされず、大マスコミも断片的な報道に終始しているのはなぜか。第二次安倍政権の下で彼が復権しようとしている現在、一人でも多くの人に読まれるべき本である。

5つ星のうち 5.0  「金と権力」に憑かれた「経済学者」の肖像, 2014/1/9

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

竹中平蔵という人物が、「学者」の仮面を最大限利用しながら、いかにして金と権力にありついたかを丁寧に追いかけたノンフィクションである。至極まじめな本ではあるが、おぞましさをこらえながら、ようやく読了した。「学者」時代から金と権力の臭いに敏感に鼻を利かせ、金脈・権力脈に取り入る様子は、「そこまでやるか!」と妙に感心した。まさに、「学者が金と権力にありつく方法、教えます!」を地で行く生き様である。

竹中の幼少期から学生までのエピソードも、この人物の本性を覗わせるが、本領を発揮するのは、一橋大学を卒業し、日本開発銀行に入行してからである。「金と権力」を嗅ぎ分ける能力は本格的に強化され、政治家にパイプを持つ経済学者に取り入っていく。知る人ぞ知るの有名なエピソードは、共同研究の成果を相手の了解を得ることなく独り占めし、あたかも自分の成果であるかのように単独で著書を刊行したことだろう。上司であった宇沢弘文氏や同僚を呆れかえらせたこのエピソードは、竹中にとって「学問」が「金と権力」を得るための手段に過ぎないことを雄弁に物語っている。

 

竹中が「金と権力」の強力な臭いを嗅ぎ付けたのはアメリカ留学や出張であり、アメリカの政権に通じた経済学者と人脈を築いたのがきっかけのようだ。帰国後、森政権時代から、政界進出への機会を覗っていた竹中は、小泉政権において「金と権力」の強力な手蔓を入手する。「構造改革」「規制緩和」「不良債権処理」「郵政民営化」などが最大限生かされた。国会で、民主党議員から、竹中とアメリカ政権中枢との不透明な情報交換を指摘され、慌てふためいたことが、竹中の背景をすべて物語っている。「改革」を錦の御旗に、国民の財産をアメリカに叩き売るこの「経済学者」(もどき)こそ、真の売国奴と呼ぶべきであろう。

本書で描き尽くされたおぞましいこの人物が、安倍政権で「復活」を遂げた。暗澹とせざるを得ないが、本書のように、この人物が何者であるかを世の中に広くしらめることこそが何よりも重要だろう。

5つ星のうち 5.0  【俺の手の中で踊ってくれればそれでよい】, 2013/5/29

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

規制を緩和したからではなく、むしろ改革が不十分だから従業員の解雇が厳しく、結果として非正規が増えてしまった。同一労働、同一条件を正規・非正規の間で設けることができれば、企業は人を雇いやすくなる。柔軟な雇用ルールにして雇用機会を増やすべきだろう。と彼は主張しているかのようだ。

普通の人が語っても、インパクトが出ないようなことでも、竹中平蔵が語ると途端に「色身」を帯び始める。決して弁論に長けた学者ではない。発せられる言葉の分にもつかみにくいことがままある。だが、不思議と彼の口から発せられる言葉を、なぜか「そうあるべきもの」だとして受け入れてしまう。竹中を見ていると、第三者を惹き付けるには弁論術を身につけるよりも、雄弁術を身につけることの方が重要なのかもしれない。竹中が口にする論の多くは、海外の著名な学者が考案したものが多い。古くはケインズ・ハイエク論争を経た後のフリードマンの思想にべったりと浸っている。彼が目指すのは市場のレッセフェール。国を思ってレッセフェールを支持・提案するのか、はたまた私欲を満たすためにレッセフェールを望むのかは定かではない。

 

国の経済情勢を変えるためならば、手段を選ばない。日本の銀行を窮地に追いやるような制度を持ち込み、同時に外資が参入しやすい仕組みを設ける。周到に組み立てられたロジックに陶酔され、それがどのような結果をもたらすのかまで思考が回らなくなってしまう。表向きには「風当たりの良い」仮面をかぶっているため、マイナスのポイントをイメージするのが難しい。だが、彼の施策の一つ一つを分析し、背後でどのような動きがあったのかをつぶさに見ていくと、竹中の「用意周到」「徹頭徹尾」ぶりに、教学と嘆息の声を漏らすはずだ。同時に「嫌悪」の念を抱く人もいるだろう。たとえば、小泉政権時代の郵政民営化の真意はどこにあるか。表面は「職員の無駄を省き、一般企業と同程度の効率的な組織体制に変革させる」といいつつ、真意は巨額の郵政資本を市場に流通させることにあった。

もちろん、その背後には外資の影がちらつく。ハゲタカに餌をあげる代わりに、何かを約束させているかは本人のみ知るところだ。根回しの達人、竹中平蔵の生き様をとくとご覧あれ。

著者にとっては悔いの残る仕事だったのではないか?, 2013/12/1

 

 

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

最初に言っておくけど、これはとても面白い、読ませる本で、多くの読者を得ることを願う。ただこの本を一読者の立場から、竹中平蔵批判として読めば十分に意義ある内容だと思うのだが、著者の立場から見ると、もしかすると書いていて苦しかったんじゃないかと疑わせる面がある。

著者はあとがきで、次のように言っている。「ひとりの人物に焦点をあてて彼の人生を描き切るのが人物評伝なのだとしたら、私が取り組んでいるのは別種のものなのかもしれない。(中略)いま冷静にふりかえれば、私は、竹中平蔵氏を通じて、“あるもの”を突きとめようとしていたような気がする」(p328)この“あるもの”は、結局この本の中で明確な言葉に置き換えられることなく終わるのだが、なぜだろう。

しかし実際にこの本を読んでみれば、その“あるもの”が何か、概ねの見当はつく。

まずヒントとして、同じくあとがきの中に、誘われて宇沢弘文主宰の勉強会に参加して「私は驚いた。“あるもの”をこれほど深く探求している人を見たことがなかった」(p328)という件りがある。そして本文中、最終章にあたる「おわりに ホモ・エコノミカスたちの革命」で、1971年1月4日付の日経に掲載された、近代経済学的思考方法に疑義を呈する宇沢の文章からの引用を冒頭に掲げ、著者は「価値判断」の問題を提起している。

人によっては宇沢弘文という名前を聞いた瞬間に、ほとんどパブロフの犬のように「ああ、近経批判ね」と呟くだろう。だから著者の議論の展開は常套的なものなのだが、だからと言ってどうでもいい問題だということにはならない。遡れば、例えばウェーバーが目的合理性と価値合理性の区分によって指し示そうとしたものに関わるし、アレントの『イェルサレムのアイヒマン』と接続していくような問題だ。

もし以上の推測が正しいなら、私はこの本が根本的な矛盾を抱えていると思う。だって、少なくとも本書に描かれた「竹中平蔵」はマクナマラでもアイヒマンでもなく、もっとずっと卑小な何かだから。宇沢が原理的に考えようとしていたのに対し、本書の「竹中平蔵」は原理的な思考者ではなく、いわば心理的な、あるいは精神分析の対象になるような存在だから。宇沢はマクナマラの言葉に衝撃を受けたかもしれないが、「竹中平蔵」に対しては単に軽蔑のまなざしを向けるだけだろう。実際、竹中のことなど思い出したくもないといった宇沢の様子が、p59に拾いあげられている。

再びあとがきに戻れば、上に引いた宇沢との出会いの頃、著者は本書の「方法論に確信がもてないまま迷走ぎみに取材を続けていた」(p328)と述べている。おそらく著者は、竹中平蔵という存在を考えることの延長線上に“あるもの”を問う契機があると見込んで、この仕事に着手したのだと思う。しかしいずれかの時点で、そこに“あるもの”は姿を現さないということに、心の片隅で気づいたのではないか。しかし、それを意識化してしまえば、この仕事を続けることができなくなるかもしれない。

いや、著者が意図的にそのことを隠蔽したというのではなく、もしかすると間違った道に入り込んでしまったのではないかという不安と焦りを抱えながらも、何とかそのまま突っ切って目標地点まで辿り着こうと、「確信がもてないまま迷走ぎみに取材を続けていた」というのが実情だろう。

憶測に憶測を重ねるが、おそらく著者は本の出来上がった今もまだ、自分が目標地点に辿り着いたのかどうか、確信の持てない状態でいるだろう。何か違うような気がする。しかし近傍にいるようにも思う。その迷いが、著者に“あるもの”の明確化を妨げているのだと、私は考える。

因みに、もし大学入試か何かで「著者が言う“あるもの“を一語に置き換えなさい」という問題が出たら、私は思い切って以下のように答えようと思う。

   [ ニヒリズム ]

5つ星のうち 5.0  ある経済学者 その生態に関する一考察, 2013/6/5

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そもそも経済学者が想定する人間像が卑しい。自己の利益を最大限にすべく人は動くのだそうだ。人はなるべく豊かになりたいと思っている。だから損得勘定で行動する。確かにそんな人間もいるでしょう。竹中は経済学が想定する人間像を自ら体現している。体現とはすなわち哲学であり、彼の言説が妙な説得力をもってせまってくる理由はそこにあるのではないかと感じました。郵政民営化を推し進めたかった小泉には、そんな彼の政策(自由化)が頼もしく映ったに違いありません。歪んだ人間観の人物が権力の座に着くとどうなるか。本書はその姿を浮き彫りにすることで、日本の政治が抱えた問題点も明らかにしています。お勧めの一冊です。

5つ星のうち 5.0  現代で最低、最悪の人間竹中平蔵, 2014/2/21

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

このような人間を取り込んだ小泉共々何故罰せられないのか?手法(小泉をちらつかせる(武部元幹事長も同様)、顔と喋り方も武器、彼の話の内容はどこか異常、違和感を感じる。私は理系(工学部)竹中より一歳年長)は単純なのだけれども、最大の効果が上げられる。著者は丹念に調査され、労力に敬意を表する。

5つ星のうち 5.0  平成26年度大宅壮一ノンフィクション賞受賞作, 2014/4/19

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (Kindle版)

 

大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したこと知り一読。縁のある興銀の設備投資研究所長を務めた下村治を思い出し(沢木耕太郎「危機の宰相」)、その対照が興味深かった。倫理を喪った政策家の行状と、刹那主義化した改革路線の退廃現象を活写して興味深かった。このような輩が跳梁跋扈することを許す政治およびジャーナリズムの退廃を憂う。

5つ星のうち 4.0  ピカレスクロマン, 2013/10/3

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竹中さんの人となりは、全く興味なかったけど、とっちゃんぼうやみたいな見た目に反して上昇志向の塊みたいなひとらしい。 政界や経済界で成り上がる様は、ピカレスクものみたいで結構面白い(^^) ただ、国家の経済を語る人が、せこい「節税」しちゃダメだろwww。

5つ星のうち 5.0  刊行のタイミングは残念だが丹念な調査がみてとれる, 2013/6/3

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

竹中氏の過去の行動をどう評価するか、好きか嫌いか、どんな人物評なのか……

そうした点について著者と同じかどうはさておき(親竹中なのか、反竹中なのか)、本書は、学者として、政治家としてユニークな存在である竹中平蔵の人物像に丹念な調査でしっかりと迫った、価値の高い記録に仕上がっている。

過去の竹中氏の報道、企画記事にはだいたい目を通してきたつもりだったが、それでも初めて知ったこともあり、(失礼ながら)感心させられた。安倍政権になって中枢で登用されていれば本書ももっと広く評価されたであろうに、その点は(仕方ないこととはいえ)残念。

5つ星のうち 5.0  素晴らしいです!, 2014/3/30

 

 

 

By

本読み太郎 (東京) - レビューをすべて見る

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

 

よくここまで調べたなあと思います。記述も正確性と客観性に徹し、思い込みなどで筆がすべったようなところはありません。こういう本に出会えるのは5年に1度でしょうか。

5つ星のうち 5.0  これ程の大著に些かの瑕瑾あり 誠に惜しい, 2013/9/25

戦死者に哀悼を "戦中派" (東京都荒川区) - レビューをすべて見る

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (Kindle版) 本書p.227 左から3行目に 福田赳夫は大蔵事務次官まで上り詰めたとありますが福田は主計局長時代に昭電疑獄に連座の疑いをかけられ 辞任しその後政治家に転身しました これ程の大著に些かの瑕で 誠に惜しい 夢男

5つ星のうち 1.0  大学教授, 2014/1/13

レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)

権力者に取り入り、市場を混乱させた責任は大きい。実務の経験も無い男が「したり顔に」机の上で空想した怪しげな理論を振り回して、社会を混乱させた。

15:12 2014/05/05

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2014年5月 9日 (金)

弊社製品の油化機は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンの3種類のプラスチックに限りまして油化可能です。廃プラスチックはクリーンおよびドライにしていただくことが必要です。

引用

2014年2月17日月曜日 9:19件名:     RE: 問い合わせ 

おかげ様で、世界各国から多数のお問い合わせをいただいております。

弊社製品の油化機は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンの3種類のプラスチックに限りまして油化可能です。廃プラスチックはクリーンおよびドライにしていただくことが必要です。

 弊社ホームページから、詳しい情報を得ることができます。

http://blest.co.jp/

http://www.youtube.com/watch?v=R-Lg_kvLaAM

価格に関しましては、下記のとおりです。 (工場渡し価格・消費税抜き)

お客様の廃プラスチックに合わせて、破砕機、粉砕機、コンベアなど周辺機器をご提案しております。価格は油化装置本体価格となります。

卓上型油化装置Be-h:1,060,000円

連続式油化装置NVG-200:14,200,000円

御質問、ご要望等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。よろしくお願いいたします。株式会社 ブレスト       営業部  青山 実

      〒254-0014  神奈川県平塚市四之宮7-3-1

   Tel:0463-51-5604  Fax:0463-51-5607

   E-mail:aoyama@blest.co.jp

   URL:http://www.blest.co.jp

前略

鹿児島県大島郡龍郷町大勝に住む・高齢者ですが・奄美大島の海岸に大量に打ち上げられる、プラスチックを油に戻す・に資源の無駄を省けると考えていました。装置の詳しい資料と・価格などをお知らせ願いですか。

鹿児島県大島郡龍郷町大勝3113-1

滝田 好治

takita@po.synapse.ne.jp

草々

平成26年2月19日

環境省 > 地球環境・国際環境協力 > ECO-CSR JAPAN > 企業の活動事例 > 技術開発よりむしろ、分別という文化を伝えることが真の社会貢献につながると考えています技術開発よりむしろ、分別という文化を伝えることが真の社会貢献につながると考えていますブレスト株式会社ブレストプラスチック油化装置の開発・販売事業自然界では分解されず、焼却すれば1kgあたり約3kgのCO2を排出するプラスチックごみの処理は、今日の世界が直面する課題のひとつだ。そうした中、プラスチックを石油に変える装置を開発する日本のベンチャー企業に世界の熱い注目が寄せられている。

同社の取り組みを紹介した、国連大学が発行するWebマガジンの記事は330万件のアクセスを記録。YouTubeに転載された同記事のビデオブリーフへのアクセス数も、250万件を突破――。神奈川県平塚市に本社を構える、社員数9名のベンチャー企業は、なぜこれほどの注目を集めるに至ったのか。その背後には、技術開発だけに留まらない、地道な取り組みがあった。

同社代表取締役の伊東昭典氏と営業部長の滝沢 誠氏に話をうかがった。

 

目の前で実際に廃プラが石油に戻るところを興味深く見つめるマーシャル諸島共和国の子どもたち

目指したのは、だれもが操作できる油化装置だった

Q プラスチック油化に取り組んだきっかけを教えてください。

伊東●プラスチック油化の原理は、そう複雑なものではありません。プラスチックを加熱すると液化し、さらに熱を加えれば気化します。そのガスを水で冷やせば石油が回収できるのです。そのため日本のテクノロジーを生かせば、プラスチックは簡単に石油に変えられるはずだと考えたことが、この事業に取り組むきっかけでした。

ご存知の通り、日本はエネルギー資源に乏しい国です。しかしプラスチック油化が実用化できれば、ごみの山は油田に変わるのです。

 

株式会社ブレストの設立は2001年。翌年には取り組みがNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)助成事業に採択されるなど、事業は順調に滑り出したかに見えた。だが、伊東氏はすぐに大きな壁に突き当たることになった。

 

伊東●私たちの取り組みは当初、先行メーカーが開発した既存技術の実用化を目指すという方向で始まりました。しかし、どの装置も満足に動かないんですよ。

装置を動かすには、特別な前処理をしたプラスチックを用意し、特別な技術を持つエンジニアが何人もそこに張り付くことが必要でした。これでは実用化はほど遠いなあ、というのが正直な思いでした。

 

当時すでに国内では、大型のプラスチック油化プラントの稼動が開始されていた。だが装置が大型化すれば、プラスチックごみの回収・分別コストや収集・運搬車両が排出するCO2も増加する。

そうした中、同社が目指したのは、コミュニティ単位で完結型のシステム構築が可能な小型装置の開発だった。

 

伊東●トラックで大量のプラスチックごみを集め、それを分別・油化するという考え方には、やはり限界があります。むしろ小型装置を使い、プラスチックごみが出る現場で、油化する方が効率がいいのです。

しかしそれを実現するには、だれもが簡単に運転できる装置を開発する必要がありました。そこから私たちの苦難の道が始まったわけです。

 

今日、同社製のプラスチック油化装置は、完全に電子制御化され、運転はタッチパネルによる対話形式で行われる。また火力を使わず、高圧を掛けずに油化するため、誰でも安全に運転することが可能だ。装置は現在、各地の工場や一部のリサイクル事業者によって導入され、稼動が始まっている。だがそれが社会全体に広がるには、技術とは別の大きな課題があった。

技術だけでは解決しない。問題の真の難しさはそこにあった

Q 油化技術の実用化に向けた、最大の課題はどこにあったのでしょう?

伊東●どうやってごみを分別するか、という問題に尽きます。

私たちの装置が油化できるプラスチックは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)の3種類。これらは国内で生産されるプラスチックの約6割を占めていますが、油化をスムーズに行うには、「プラスチックごみ」をさらに分別する必要があるのです。

一般家庭から排出されるプラスチックごみの大部分は容器・包装材。その第一の目的は、商品の保護や店頭での販売促進で、リサイクルという観点は必ずしも重視されていません。そのため、分別には、大きな労力が必要になります。そのコストを考えると、プラスチックの油化は経済的にとても成り立たないのが現実だったのです。

プラスチック油化を前提とした分別が、市民一人ひとりに文化として定着しない限り、その実用化は難しい――。それが伊東氏の結論だった。

その実現に向けて開始したのは、子どもたちを対象とした啓発活動だった。

同社製の装置は、1kgのプラスチックごみから約1リットルの石油を回収する。子どもたちが収集し、分別したプラスチックごみをその目の前で石油に変えることで、分別に対する理解を得ようと考えたのだ。ちなみにプラスチック油化を目的とした分別を、伊東氏は「目的分別」と呼ぶ。

新居浜市で開催されたにいはまこども環境サミットでの油化実験風景

Q 子どもたちを対象に啓発活動を行おうと考えた理由を教えてください。

伊東●創業してまもなく、「プラスチックが石油から出来ていることを子どもたちに教えてほしい」という依頼が、あるリサイクル事業組合からありました。その組合は当時、「キャップ100個を集めれば、トイレットペーパー1個と交換する」というキャンペーンを小学校で行い、大成功を収めていました。その話を聞き、「そうか、子どもたちを啓発すれば、その親も巻き込んだ大きな運動になるのか」と気づいたのです。

また、教育現場に油化装置を受け入れてもらうことで、当時取りざたされていた装置の安全性に関する懸念を払拭したいという狙いもありました。

恥ずかしい話ですが、当初は、なんとか自社の装置を売りこみたいという思いがすべてでしたね。

 

伊東氏が初めて子どもたちの前に立った場所は、自身の子どもが通う小学校だった。

当時のエピソードの一つに、こんな話がある。

ある日、いつものようにプラスチック油化の実演を行う伊東氏に、ある子どもがこんな質問をした。「でもプラスチックが石油から作られるなら、なぜプラスチックは石油の匂いがしないんですか?」。その質問に、彼は立ち往生してしまう。

伊東●匂いはその成分が気化することではじめて感じられます。しかし、分子が固定化されたプラスチックの場合、その成分は気化しない――。それを子どもが理解できるように説明できなければならなかったのです。

私が、ごみ問題や環境問題について真剣に勉強するようになったのは、それからのことでした。むしろ私の方が、子どもたちに育てられたのです。

また、子どもたちは問題の本質を的確に受け止めます。先日も、ある子どもから、こんな手紙が届いたところです。

――私一人が始めても意味がないと思っていました。でも、この授業を受けて私一人が変わることの大切さを知りました。

こういう手紙を読むと、これまで自分がしてきたことが間違いではなかったことを実感しますよね。

 

伊東氏は今も、廃プラスチックは石油に戻るという「目的分別」を伝えるために全国の小中学校を中心に高校や大学でも環境教育を行い、「スクール油田」構想を広めている。 その「スクール油田」構想の影響を大きく受けた「エコパーティ(主催:学校法人松本学園)」というグループが油化装置、蒸留機、発電機を積んだ大型トラックと共にネパールの学校や東北の震災地を駆け巡り続けている。 その活動を「スクール油田キャラバン」と呼ぶ。

目的分別によって学校は油田に変わる――。そんな思いを込めた命名だ。

スクール油田キャラバン車:破砕機、油化装置、蒸留機、発電機を搭載しインド、ネパールを旅し、今は東北の被災地や学校を巡っています。

Q ベンチャー企業がこのような社会貢献活動を行う上で、難しさはありましたか?

伊東●当初はやはり、「なにかものを売りに来るの?」という受け取られ方が大部分でしたね。そのため活動母体となるNPO「スクール油田」を設立しています。

また最初は自腹を切って行っていましたが、やはりそれでは活動は継続できません。今は、実費分だけは予算化してくれるように各校にお願いしています。

活動を通して多くの支援者に出会えたことも、取り組みを続けられた理由の一つ。IAAF世界陸上2007大阪のIAAFグリーンプロジェクトに採用され、会場で使われる食器等の容器類は全て油化できる素材で作り、それらの廃プラスチックを会場でその場で石油に戻し発電機を稼働させるという「スタジアム油田」構想を実現させた。そしてこの活動が2011年春に実施した「エコパーティ」によるネパールでのスクール油田キャラバン活動にもつながっています。

プラごみ問題は万国共通。それならば解決法も同じでは

Q 海外での活動はどのようにして始まったのですか?

伊東●マーシャル諸島共和国の大統領から外務省に届いた手紙がきっかけとなり、2007年にマーシャル諸島共和国を訪問し大統領以下学校の児童たちにも「スクール油田」構想を説明し「目的分別」を伝え、マーシャルに油化装置を寄付し、海外青年協力隊とともに啓発活動を行ったことがそのはじまりです。

南太平洋に浮かぶ島々からなる同国の平均海抜は3m。温暖化による水没が危惧されているだけに、地球環境問題に対する意識はきわめて高いものがあります。その一方で同国は、プラスチックごみ処理を巡る問題にも直面していました。

燃やせばCO2が発生する上、地理的条件を考えると廃棄場所の確保も難しいのが実情だったからです。そうしたなか、同国が注目したのが日本のプラスチック油化技術でした。

実はその際、現地事情に詳しい人から「目的分別なんて国内でも難しいのに、海外ではとても無理だよ」とアドバイスされたという。

伊東●プラマーク制度に相当するものがないなど、国内では考えられない困難があったのも事実です。

しかし海外であっても、プラスチックごみが石油に変わる様子を実際に目にすることで、その人の意識が大きく変わることに違いはありません。

石油の価値を考えれば、日本のような豊かな国よりも貧しい国の方が「目的分別」は定着化しやすいかもしれません。

Q YouTubeに投稿された国連大学のビデオブリーフに対するコメント等を読むと、今日プラスチック油化装置は世界的な注目を集めていることが分かります。海外への進出は、早い段階から視野にあったのでしょうか?

伊東●社会貢献の一環としての活動は比較的早い段階から行ってきたつもりですが、事業としての進出は、さほど意識していませんでした。それだけに、国連大学の記事への反響の大きさには本当に驚かされました。

 

滝沢●海外からの問い合わせが急増したのは、国連大学がレポートを発表して1年以上が過ぎた2010年8月のことでした。それまで、海外からの問い合わせは平均すると週3~5件に過ぎませんでしたが、ある日を境に海外から毎日数十件ものEメールが届くようになったのです。

実は当初は、国連大学に問い合わせても、その理由は分かりませんでした。

調べると、国連大学のビデオブリーフがYouTubeに投稿され、そこにアクセスが集中していることが判明しました。それがさらに世界中の人々のブログに転載されることで、知らぬ間に、私たちの装置が世界中に知られるようになっていたのです。

それ以来、2011年10月までに海外から届いたEメールの合計は約1万5000通。大部分がビジネスの引き合いでした。

Q 海外での啓発活動に難しさを感じたことはありますか?

伊東●特にはないですね。

私はこれまで、アラスカから赤道直下まで、さまざまな国のごみ捨て場を見てきましたが、その風景は驚くほどよく似ているのです。さまざまなごみが分解される中で、プラスチックだけが分解されずに残ることがその理由です。

そうした姿は、最貧国と呼ばれる国々でも同じです。なぜなら、外国から輸入される商品の大部分はプラスチック包装されているからです。

私が訪ねた国の一つである西アフリカのベナン共和国は、一人当たりGNIが750ドル(2009年、世界銀行調べ)という貧しい国です。そこには、川に捨てられたプラスチックごみの山と隣り合わせで暮らす人々の姿がありました。

生活ごみを川に捨てるという古くから続く生活の中に、突然プラスチック製の容器や包装材が入り込んだことで、このような光景が生まれたのです。

プラスチックごみを巡る問題は万国共通です。それならば、解決法もまた万国共通であるはずです。

西アフリカのベナン共和国に於いて:川の両岸にはゴミが積み上げられ、これが海洋に流れ出て漂着ゴミとなります。

 

Q 海外での事業展開に向けた、今後の課題を教えてください。

 

伊東●発展途上国の人々に受け入れてもらうためにも、販売価格をより安くする必要があると考えています。だれもが操作できる装置を、今度は、だれもが手に入れられるようにしたいのです。

実際、昨年夏以来、海外から数多くの問い合わせがありましたが、大部分は価格表を送った段階で話が終わっています。

実は、この課題を乗り越えるめどはすでに立っています。現在開発中の第3世代機では、装置の大幅な簡素化が実現しています。それが製品化されることで、販売価格は従来の半値近くになる見込みです。

注文を受けると設計図を送り、製造は各国で行う――。それが同社が描く、将来的なビジネスモデルだ。それが実現すれば、プラスチック油化は世界中のあらゆる場所で一気に進むのかもしれない。

なお2011年現在、同社の装置は約20カ国に導入され、すでに米国、カナダ、ギリシャ、オランダ、インドにおいて販売代理店が決定している。

伊東●もうひとつの目標は、「目的分別」という言葉を世界の共通語にすることですね。

技術だけでは、プラスチックごみ問題は解決しません。技術の開発や装置の販売ではなく、目的分別という文化を世界に広げることが最大の社会貢献であると考えています。

諦めないこと。それが成功への唯一の道だった

Q 冒頭で触れられた通り、プラスチック油化の原理自体は、そう複雑なものではありません。また取り組みを開始した当初、すでに先行ランナーが存在しました。そうした中、なぜ成功を収めることができたのでしょう?

伊東●満足に利益をあげていない事業を成功というのは心苦しいのですが、それは「諦めなかった」という一言に尽きるでしょう。この10年間、資金調達も含めて、苦労の連続でした。でも諦めたら、そこですべてが終わってしまうんです。

Q 現在、環境ビジネスに取り組んでいる方、あるいはこれからチャレンジしようと考える方にアドバイスするなら?

伊東●「継続は力なり」としかいいようがありません。

そのためには、人々の理解を得る努力が必要です。事業を続けたいなら、なによりも一人でも多くの応援者を作ることです。

自分一人でできることには限りがありますが、チームを作れれば、思いもしないことが可能になります。そういう意味では、経営者にとって一番大切なのは“かわいげ”かもしれませんね。

Q かわいげ、ですか?

伊東●こう見えて、私は今でも開発に協力してくれている大学の先生や、資金面で協力してくれる皆さんには本当に甘えっぱなしなんですよ。逆に、自分の仕事を自慢するようになったら終わりでしょうね。おそらくこれも万国共通だと思いますよ。また、ベンチャー企業の場合、マスメディアに取り上げてもらう努力も必要です。それはベンチャー企業に欠ける社会的な信用を補ってくれますから。

Q これまでの取り組みを自分で採点するなら、100点満点で何点をつけますか?

伊東●10年間、自分の能力以上のことを続けられたという意味で、120点をつけたいと思います。

多くの仲間たちと出会い、新しいビジネス分野を創造し、それに対し世界の人が喝采を送ってくれた――。この10年間、私にはすばらしい奇跡が起き続けているんですよ。

参考

株式会社ブレストエコパーティー「地球環境文化交流協会」

★取り組みのヒント存の技術に満足することなく、誰もが運転できる装置の開発に取り組み続けた。

•       技術だけでは問題は解決しないという視点から、啓発活動に地道に取り組み続けた。

•       困難に直面しても、諦めずに事業を続けた。

環境省地球環境局国際連携課国際協力室

http://www.env.go.jp/earth/coop/eco-csrjapan/blest.html

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13057

4:28 2014/05/09

おかげ様で、世界各国から多数のお問い合わせをいただいております。

弊社製品の油化機は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンの3種類のプラスチックに限りまして油化可能です。廃プラスチックはクリーンおよびドライにしていただくことが必要です。

http://blest.co.jp/

http://www.youtube.com/watch?v=R-Lg_kvLaAM

平成26年5月9日

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2014年5月11日 (日)

持続可能なまちは小さく、美しい 上勝町の挑戦 [単行本]笠松 和市(著), 佐藤 由美(著)

引用

徳田龍郷町町長様・世界に尊敬される・・龍郷町を目指しましょう・

 

持続可能なまちは小さく、美しい 上勝町の挑戦 [単行本]笠松 和市(著), 佐藤 由美(著)

124頁・資源回収法で環境産業革命を起こそう・・

これまで国は、容器包装、家電、建設、食品、自動車、パソコンなど各種リサイクル法を制定し、一般廃棄物の約90%、産業廃棄物の約85%減量・有効利用の対象にしました。それにもかかわらず、ゴミは無くならず、ポイ捨てや不法投棄も後を絶ちません。ごみに資源としての価値がなく、いくら捨てても税金で処理されるので、捨てる方が得だからです。

そのため、日本中どこに行っても、ポイ捨てされたゴミで溢れています。富士山は不法投棄でされたごみのせいで世界遺産に登録することができず、市町村は不法投棄を監視するため監視カメラを設置し、ごみを撤去し、処理するために税金を投入しています。

ボランティアの活動分野で最も多いのは、海や川、公園などのごみ拾いです。全国各地でクリーンアップ・キャンペーンが行われ、集めた散乱ごみの量を競い合っていますが、その集められたごみも市町村が処理しています。しかし、私たちはいつまでもごみを拾い続けなければならないのでしょうか。ごみ拾いに注ぐ情熱とエネルギーを、最初からごみを出さないようにする発生抑制に振り向けるべき時期が来ていると、私は思います。

良心に痛みさえ感じず、誰にも見つかならければ、ゴミを分別して集積所に出すよりも・ポイ捨てしたほうが楽、つまり得をする仕組みがある限り、いつまでたってもごみはなくなりません。

125頁・

しかし、見つかれば罪に問われます。不法投棄に対する刑は、個人では五年以下の懲役、1000万円以下の罰金ですが、法人の場合は一億円以下の罰金が課せられます。ごみを捨てた本人が犯罪者として刑に服するだけならまだしも、家族や親族も心痛を味わいます。警察も裁判所も税金で運営されていますから、それだけ税金の支出も増えます。

このように、現在の法律は悪いことをした方が得をする悪法だから、どんどん悪いことが起こります。ごみをなくすためには、ごみを価値の有るもにし、善いことをしたら得をする制度に変え、環境意識の高い人だけでなく、誰もが良いことをするしくみに転換しなければなりません。そんなことができるのかと思う人もいるでしょう。しかし、企業に資源の回収を義務付ける「資源回収法」という、たった一つの法律あれば、それが実現できるのです。

びんとビールと缶ビールを例に説明しましょう。

ビール瓶は酒屋さんに持っていけば五円で回収されるので、ゴミにはなりません。

126頁・

商品の流通と逆ルートをたどってビール会社に回収され、再利用されます。市町村の負担、つまり住民の負担は一円もありません。これに対してアルミ缶は有価で回収されないので、ごみになります。市町村が資源ごみとして分別収集し、リサイクルするにしても、回収や保管の費用は税金でまかなわれます。

このビール瓶のように、企業が有価で回収するしくみをすべての商品に適応すればいいのです。ビンの蓋はごみになりますが、これも一円で回収すれば、ビトンと同じルートをたどって再資源化されるようになり、市町村はゴミ処理をする必要がなくなります。

タバコの吸殻のような小さなゴミも、一本10円で回収すれば、ポイ捨てはなくなります。たとえ20本入りの一箱が500円に値上がりしたとしても、吸殻を20本貯めておけば200円になりますから、300円を足せば新しいタバコを買うことができます。路上からは吸殻が消え、放火についで火災原因の二位を占めるタバコの不始末による火災は激減し、家財を失って路頭に迷う人も少なくなります。

消防署の出動回数が減り、現場検証や捜査を行う警察の仕事も減ります。火災が減少するので、火災保険の掛金も安くなるでしょう。

タバコ会社には吸殻の山のように集まってきますから、商品開発の段階でゴミにならないアイディアが生み出されるでしょう。たとえば、回収した吸殻は遠心分離機でタバコとフィルターに分け、タバコをメタン発酵させてバイオガスを生産し、その残滓は堆肥にし、抽出したニコチンは薬品に、分離したフィルターは建築用の壁材にするなど、さまざまな利用法が開発されるでしょう。

127頁・平成26年5月9日

すべての資源が有効に生かされ、機械メーカーをはじめとする関連産業が花咲、雇用も創出されます。

このように、タバコを一つを例にしても、資源回収法というたった一つの法律があるだけで、善いことが次から次へと起きます。ゴミはなくなり、資源が生かされ、日本発の日本発の環境産業革命が起き、世界中に広まります。地球環境は改善され、人々は健康を取り戻し、心豊かになり、幸せな人が増えます。

黙っていても真善美が達成されのです。そんな明るい未来を考えるのだけで楽しくなるのは、私だけでしょうか。

 

また自動車リサイクル法では、リサイクル費用を新車の時に前払いしていますが、もし廃車時に五万円を払う後払いにすれば、持っていかないと損をしますから、不法投棄をする人はいなくなります。それさえ面倒とい言う人が不法投棄したとしても、廃車を拾って五万円を手にする人が現れます。市町村は不法投棄されたゴミを税金で処理していますが、一台五万円になるなら税金で廃車を集めても損をすることはありません。

タンスを占領する衣服も、例えばアパレルメーカーが一キロ100円で回収すれば、眠っている古い衣服が有効に利用され、家がスッキリと片付きます。現在は古布の九割が焼却処理されていますが、回収された衣料は古着として、古布として、あるいは繊維として再利用されます。

128頁・大量に集まれば、綿や羊毛などの天然資源に石油由来の化学繊維を混ぜた合成繊維も、分離して再利用する技術が開発されるでしょう。家庭に目むる古着が生かされるようになれば土地を収奪する綿花の栽培面積は縮小され、開発途上国ではより多くの農地を食糧生産に充てることができます。

私は、使用済みのカレンダーやポスターの裏面にパソコンで印刷された名刺を使っています。再生紙で名刺をつくる人が増えていますが、紙を再使用する方が、古紙の回収や再生紙の生産のために消費されるエネルギーを節減することができるからです。同じように、コピー紙を再生するには多大なエネルギーが必要ですが、印刷したコピー用紙からインクを回収し、コピー用紙を白紙に戻す、いわばコピー用紙をクリーニングする機会が発明されるとどうなるでしょう。古紙を回収し、再生紙を生産するエネルギーを大きく削減することができます。そのうえ、コピー用紙もインクも、何回も再利用できるようになるのですから、日本のみならず世界中の事務所が競って導入し、コピー用紙やインクは不足分だけいを購入すればよくなります。

紙もインクも不足分だけを製造するようになり、製紙原料であるチップの輸入を大きく削減することができ、世界の森林破壊に歯止めをかけ、地球温暖化を防ぐことができます。

資源回収法では、生産者は不要になった製品、つまりゴミを有価で回収するよう義務付けられ、資源を有価で回収できない製品の製造と販売は禁止されます。すると、ある企業が定価の10%で回収すると発表すると、我社では15%を払うという企業が出てきて、企業間の競争が生まれます。

この競争を通じてどんどん善い知恵が生まれ、新しい商品が開発されるようになります。

129頁・平成26年5月11日・

企業は回収と再資源化のコスト削減するため、できるだけ寿命の長い製品を開発するようになります。そうなると、商品を販売するよりも、コピー機やパソコンのようなリースや、自動車ののようなレンタルを増やすでしょう。消費者は商品を購入するのではなく、商品の持つ機能にお金を払うようになり、企業は商品を生産するより、修理や部品の交換などからより多くの利益を上げるようになります。

 

国・県・市町村は、ゴミ処理に年間2兆円の財源を、善い製品を開発し、回収した製品を再利用するための研究開発に振り向けます。世界中から提案を募り、

その中から優秀なアイディアを選び、実証することに税金を投入するのです。そうすれば、日本には世界中から善い知恵が集まり、その知恵を生かして善い製品を作る企業は多くの消費者に支持されるでしょう。こうして、日本発の環境産業革命が起こります。

日本は世界でも最高水準の技術で、大量生産・大量消費・大量廃棄を続けています。そして、今や中国やインドなどの大国がより安い人件費で、より安く、品質も良い商品を大量生産するようになっています。その動きは加速度的にはやまり、これまでとは比較にならないほどのゴミが発生するでしょう。

日本のようにそのゴミを焼却し、埋め立てることを何十年、何百年と続ければ、地球環境は取り返しのつかない打撃を受けます。したがって、ものを作れば作るほどゴミが増え、焼却や埋め立てで処理をする現在のゴミ対策を根本から変えなければなりません。

130頁・平成26年5月11日 日曜日・

私たちは、いつか解決をしなければならない問題を先送りし、未来の世代が享受すべき資源を浪費し、環境を破壊し続けています。しかし、気球環境が回復不可能になるまで手をこまねているのではなく、被害を最小限に食い止め、未来の子供たちに美しい地球を手渡せるよう、一日も早く資源回収法を制定し、世界に先駆けて生産と消費のあり方を変えるべきです。

 

ゼロ・ウェイストはどこでもできる・・人口約2000人の小さな町だから34分別ができると、上勝町は特異な例外のように言われることがあります。多くの場合、それはゴミ問題に真剣に取り組まない口実に使われています。しかし、どんな規模の都市であっても小さな地区から構成されています。上勝町だかできるというのであれば、人口2000人規模に分割しさえすれば、どんな大都市でも80%の再資源化が実現できることになります。それに、世界が初めてゼロ・ウェイスト宣言をしたオーストラリアの首都、キャンベラの人口は約31万人です。人口規模は言い訳になりません。

 

131頁・人口の多い都市では、全世帯が一ヶ所にゴミを持ち込むわけではありません。ゴミは小さな地区に分けて収集をしているはずです。この地区ごとの集積所を、資源の持ち込めるところに変えればいいのです。上勝町のような資源持ち込み方式にする場合、人口密度の高い都市の方が持ち込み所までの距離は短くなり、より容易に取り組めるはずです。交通弱者の存在を根拠に資源持ち込み方式に反対を唱える人には、例外として交通手段を用意するなどの対応策を用意すればいいでしょう。

5/11/2014 6:04:15 AM

 

 

132頁・反対する人がいるということは、自分の意見を伝える、願ってもないチャンスが与えられること。

139頁・高度経済成長期に入るまでは、暮らしに必要なほとんどのものは町内、あるいは周辺の町や村で生産されたものでまかなっていました。エネルギーでさえも自給していました。豊富な森林エネルギー資源でもあり、済は大阪などの大消費地にも出荷されていました。数多くの水車が設置され、精米や製粉、線香作りの動力として利用されていました。

140頁・現代の工業社会は、化石燃料が大量にしかも安く手に入るようになって初めて可能になりました。石油文明は上勝町のような山村にも大きな影響を及ぼしました。まず大量生産された石油製品が街に流入することによって、町内の産業は大きな打撃を受けました。木材は新建材になり、絹や麺のどの天然繊維はポリエステルやアクリルなどの化学繊維になり、喜矢武でできた日用品もプラスチック製品になり、輸入食料品や外材までもが押し寄せてきました。

141頁・エネルギー分野にも同様の変化が起きました。薪や炭はプロパンガスになり、暖房は電気こたつや灯油ストーブになり、牛や馬などの濃厚用の家畜はガソリンや軽油を燃料とする農業機械にかわりました。町内の暮らしには石油製品と化石燃料が入り込み、化石燃料がなくては生活が成り立たなくなりました。

本来は町民の幸せのために使うべき税金がゴミ処理のために浪費されています。

142頁・すべての環境問題はゴミ問題である・・

ゴミ、大気汚染、水質汚濁、有害物質、環境ホルモン、地球温暖化、生物多様性など、環境問題は多岐にわたり、それぞれがまるで何の関連もない個別の問題として扱われ、別々の対策が取られています。しかし、すべての環境問題はゴミ問題と言っても過言ではありません。

私たちはゴミを固形の廃棄物だけだと思い込み、ゴミを燃やして形をなくすことだけを考えてきました。しかし、ゴミの形態は個体だけではありません。排水は「液体のゴミ」であり、排ガスは「気体のゴミ」です。

143頁・例えば水俣病は、メチル水銀を含む排水という「液体ゴミ」を垂れ流すことによって引き起こされました。車の燃料であるガソリンやディーゼルを燃焼させると、浮遊粒子状物質、二酸化酸素、二酸化窒素、二酸化硫黄をはじめとする「気体のゴミ」が排出されます。原子力発電所は放射性廃棄物という、気体、液体、個体のゴミを発生させます。

144頁・私たちは、自分で払った税金を使って環境を汚染し、自分の健康を破壊しているということに気づくべきです。

これ以上の環境破壊と健康被害を防ぐためには、ゴミの問題から生産と消費のあり方を規定しなければなりません。その最良のモデルが自然です。自然はゴミを出しません。正確には、自然界のあらゆるゴミは、分解や吸収などを通して自然の中で循環しています。私たちがこの自然の循環に習い、自然界に存在しないものを利用しなければ、有害なゴミを出さず、環境を破壊せずに済みます。つまり、製品の原料としても、エネルギー源としても、化石燃料やウランなどの有害な地下資源に頼らず、地上で育まれる生物資源だけを使い、自然エネルギーを利用して生きる知恵を開発すべきなのです。

145頁・

資源回収法は、生産者に気体のゴミや液体のゴミも有価で回収する義務を負わせます。

147頁・自然力・・森の力を活かす・・

148頁・筵旗を掲げろ!・・

日本の森は今、歴史上、最大の危機に見舞われています。この危機は、熱帯雨林などのように木を切りすぎることではなく、木を切らなすぎることによって引き起こされました。木を切らない、いや伐ることができないというのは、日本の歴史が始まって以来の異常事態です。外国産材の輸入が国産材の価格を暴落させ、林業を衰退させ、森林を荒廃させ、山林を疲弊させています。存亡の危機に追い込まれた山村の人々は筵旗を掲げ、大挙して国会議事堂に押し寄せなければならない・・それほど事態は深刻です。

148頁・

林業と農業、そして日々の暮らしは離れがたく結びついていました。森林が与えてくれる資源は、木材だけではありません。屋根材になるかわや杉皮の他、エネルギーになるマキ炭、農地にまく堆肥、家畜の飼料、ザルや籠などの材料になるつた、山菜やきのこ、木ノ実などの食料や薬草、猪や鹿を始めとする動物など、数え切れないほどの恵があります。

森林鉄道は民間企業によって建設され、林道に付け替える1967(昭和42)年まで、年間75立方メートルの木材と二万俵の木炭を運んでいました。

151頁・安価な外国産材の流入によって木材の価格は暴落し、

152頁・木材は輸入できても、環境は輸入できない・

戦争は最大の環境破壊と言われますが、各地で強制伐採を強行し、日本の森林を著しく荒廃させました。

154頁・原料全体に占める国産材の割合は4%とに。日本の総面積に占める森林の割合は67%と、フィンランド、スウェーデンに次いで世界で三番目に高く、国内の需要を上回る1億立方メートルもの資源が成長しています。

158頁・

2004年、日本列島に上陸した台風は10個に達し、このうち五個が四国を通過しました。四国に上陸する台風の数は年平均0・6個に過ぎず、最多の記録さえ年間三個だったのに、この年だけで5個の台風が上陸したのです。上勝町は年間降水量は例年の二倍を超え、熱帯雨林並みの589ミリに達しました。

徳島県内では山林の土砂災害と河川の氾濫による水害が多発しました。隣接する那賀町では、一日の降水量が1317ミリと日本の日降水量記録を更新し、杉の人工林に覆われた山腹が崩壊した上、土石流が民家を流し去り、道路や橋などのインフラを破壊しました。

160頁・

企画室長だった私は、町で初めての町営住宅と福原地区の集会所の建設を担当することになり、この二つの施設で町産材を使うことにしました。ところが、これを町産材利用の突破口にしたいと意気込んでいた私は、必要な木材が集まらず、後期が遅れることにイライラさせられることになりました。

161頁・山林所有者も製材所も小規模のため、木材を安定供給するのが難しいうえ、複雑な流通経路が国産材の価格を押し上げていました。輸出国では日本の住宅市場向けに人工乾燥を行い、ミリ単位で製材した木材を輸出してくるというのに、国内の小規模な製材所は人工乾燥施設を持たないため、国産在嵌がりや狂いが出ると、建築現場で敬遠されるようになっていったのです。

163頁・

壁や床になるパネルは、厚さ一寸の杉板の側面に凹凸をつける本実加工したものを何枚も重ねて作ります。杉板は狂いが出ないように人工乾燥をさせますが、もともと空気の含有量が多く軟らかい為、湿度の増減に伴って伸縮する性質があります。家を建てた後も、長雨が続けば湿度を吸収し膨らみ、晴天が続けば乾燥して縮むのです。これが調湿効果を発揮するゆえんです。そのため、本実加工のほぞを刻むときには、湿度の変化に応じて板が移動できるようにしなければなりません。

しかも、同じ一枚の杉板でも年輪の幅によって伸縮の度合いが違い、施工後にわずかな狂いが生じてしまうので、ほぞの大きさを決めるのに苦労しました。さらに、外壁パネルを何枚も製作し、徳島県林業総合技術センターで耐震実験を行い、在来工法やツーバイフォー工法と同等の強度が得られることを確認した後、モデル住宅を建設し、ノウハウを蓄積していきました。こうして開発されたのが、上勝産の杉を使った「KKパネル住宅」です。

KKパネル住宅は、人坪当たりの木材使用量が1~2・2立方メートルと、一般の木造住宅より多くの木材を使います。そのため調湿・断熱に優れ、シックハウス症候群をひこ起こす心配もなく、木の香りがして住み心地がいいと高い評価を得ています。その上、メンテナンスしだいでは100年でも200年でも持つ長寿命住宅でもあります。

166頁・

日本が世界中から林産物を輸入する過程では、多大なエネルギイーが消費されています。日本のウッド・マイレージは3844億立方メートル・キロメートルと、アメリカの4・5倍、ドイツの21倍にもなります輸送に伴う環境負荷を軽減するためには、各地で地域材の活用を進めることが求められているのです。

・・第二の燃料革命を起こす・・

林業が衰退した主因の一つは、薪炭から化石燃料に転換した「燃料革命」によってエネルギー需要が低下、

167頁・

上勝町はエネルギー利用を探り始めました。そして、2004(平成16)年から二年をかけて、月ヶ谷温泉にオーストリア製の木質チップボイラーを導入しました。月ヶ谷温泉は弘法大師が発見したと伝えられる町内唯一の温泉で、街が建設した宿泊施設を第三セクターの「株式会社かみかついっきゅう」が運営しています。

それまで月ヶ谷温泉では、14・5度の冷泉を重油ボイラーで加熱していましたが、チップボイラーの導入により、冷泉の加温に加え、館内すべての給湯と一部の暖房を木質チップでまかなえるようになりました。

平成26年4月17日

間伐されている4%に、外国産材と化石燃料の消費地になってしまった。

平成26年4月17日

168頁・年間約14万4百リットルのA重油木質バイオマスに転換する、毎年567トンの二酸化炭素を削減でき。地産地消、中東から上勝町まで石油を運エルギー節約、月ヶ瀬温泉の燃料費は約1,100万から750万円に節減され。

169頁・自然エネルギーを推進しようとしない国に迎合して、日本企業が利用機器の開発を怠ったために、上勝町ではオーストリアからチップボイターを輸入しなければなりませんでした。初期投資には、合計1億3200万円がかかりました。環境省の補助事業を活用したため、町の負担は3分の1ですみました。

木質燃料は、上勝町の山で育った木のチップより、小松島港に輸入される海外のチップの方が安いのです。

170頁・

木質バイオマス利用を真に地球温暖化防止につなげるためには、利用機器の初期投資軽減するとともに、国際間の貿易で消費される燃料にも課税することによって、薪ストーブに、年間約1600リットルの灯油を節減できました。

・・・森林との農地の荒廃を食い止める・・

171頁・

上勝町のような山村では、森林と農地はお互いにつながり合っているので、一体として管理しなければなりません。

私が子供の頃は、少し雨が降っただけですぐに川の水が濁り、水嵩が増すということはありませんでした。森林には洪水を防ぎ、渇水を緩和する保水力があります。森林に降った雨はまず木々の葉に受け止められ、幹を伝わって林床に達し、時間をかけて地下に浸透します。

林地からゆっくりと浸透した水は棚田を潤した後、再び地中を旅し、やがて革へと流れ込み、海へと注ぎます。ところが、林床が砂漠のように裸地化した森林では、土壌表面が露出し、雨は地中に浸透する前に表土を侵食し、地表流となって一気に流れ落ちてしまいます。保水力を失った森林は、渇水期に農業用水を供給することができなくなります。

2007(平成19)年の冬は異常な少雨だったため、深刻な渇水になりました。そのため、棚田オーナーを受け入れている樫原集落では、春を迎えても棚田に水を張ることができませんでした。

谷水を工面するなどしてなんとかオーナー田の田植えだけを終え、自分たちの棚田の田植えは梅雨入りを待って行いました。渇水の直接の主因は冬にほとんど雪が降らなかったことにあります。しかし、水不足を深刻化させた遠因は、棚田の周辺にある森林の手入れが行き届かないために保水力が失われ、活水を緩和する機能が失われていることにあります。

かつては飲料水や農業用水を確保するため、集落や農地の周辺にある森林の手入れが行き届かないために保水力が失われ、渇水を緩和する機能が失われていることにあります。

172頁・

石油文明の到来とともに、有機堆肥は化学肥料に、茅は瓦やトタンに、薪炭は化石燃料に代替され、雑木林の価値が低下したこともその背景にあります。こうした杉林の手入れが、木材価格の下落によってできなくなったのです。

上勝町の総面積の90%は急傾斜地の森林と農地であり、適正に管理するには科学的知識と熟練技術が必要なのです。2002(平成14)年、上勝町は、森林と農地のこれ以上の荒廃を防がなければならないという決意から、役場内にプロジェクトチームを編成し、森林と農地を適正に管理するための方策を検討し始めました。国産材が再生可能な価格で売れさえすれば、生産活動を通して森林を適性に管理することができます。

173頁・

そして、町が単独でも早急に対策を講じるべきであるという認識から、翌03(平成15)年の3月議会に「森林農地適性管理条例」と「森林のうち適正管理基金条例」を提出しました。翌年4月に交付・施行されたこの制度の仕組みは、町が一般会計から毎年1000万円以上を「森林農地適正管理基金」に積み立て、第三セクター「もくさん」

が雇用する「森林農地適性管理士」の給与の半額を拠出して森林と農地を管理するというものです。

平成26年5月11日

龍郷町大勝3113-1

滝田 好治

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全国から注目を集める徳島県勝浦郡上勝町は、2003年 9月に「ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします」という「ゼロ・ウェスト(ごみゼロ)宣言」を出して一躍有名になりました。

いんよう

 

http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun3/sun46-8753.htm

新しい公共事業 臨時職員募集

http://www.kamikatsu.jp/docs/2011080100052/

17:06 2014/03/18

ごみっと・SUN46号

徳島県・上勝町・資源化率85%! ごみゼロへの挑戦

JR徳島駅から車で南西に約1時間。山林に囲まれた人口2,200人足らずの過疎の町に、2003年度、194団体2,103名もの人が足を運びました。

全国から注目を集める徳島県勝浦郡上勝町は、2003年 9月に「ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします」という「ゼロ・ウェスト(ごみゼロ)宣言」を出して一躍有名になりました。

四国で一番小さな町で進む“ごみゼロへの挑戦”をレポートします。

ごみ収集車が走らない町

上勝町にはごみの収集車が走っていません。

町民の大半はごみや資源を車で町の中心部にある「日比ヶ谷(ひびがや)ごみステーション」に運び込みます。

車を持たない高齢者世帯などは持ち込むことが難しいため、助け合いが生まれています。

まだごみが野焼されていた頃、廃食油から石鹸を作る活動をしていた中山多与子さんは、講演会でダイオキシンの話を聞き、自宅周辺でごみを燃やす町民に不安を覚えました。

そこで、町の広報を使って「ごみを運ぶ人と運んでもらう人」を募ったところ、前者は74件、後者は54件の応募があり、さっそく「利再来上勝(リサイクルかみかつ)」というグループを作ってごみ運びを始めました。「自分が運ぶ時に近所の1人か2人に声を掛けるという無理のないやり方で、皆さん続けています。

私も農協の集金のついでに、行った先のお宅のごみも運んでいます」と中山さん。

また、中塚地区ではそこに住む17戸でまとめて、月1度、第4日曜日に運んでいます。

当初、元職員で現在教育長を務める高橋伸幸さんが1年の試行期間で「やってみよう」と持ちかけました。交代制で3戸(3人)1組、2戸は車のある家、残る1戸も同乗してステーションでの分別を手伝います。

第4日曜日、朝7時から8時、コンテナを置いたミニゴミステーションには、車や、高齢者が手押し車などでごみを運んで来ます。可燃ごみも月1回では厳しいと思いますが、高橋さんは「1回で足りなければ増やすことも考えるが、3年半経った今も間に合っている」と話します。

「ステーションに行くことでみんなの分別の意識も向上した。月に1度でもお年寄りの様子が分るし、他の人と話す機会もできた」。

ごみの搬送だけに止まらない集落での交流という大きな収穫をもたらしました。

町は、ごみにお金をかけないことを基本に、あとに出てくる上勝自慢の「34分別」が揺らぐとして、収集することは考えていませんが、何も問題がないのでしょうか。まちづくり推進課の星場眞人課長は「若い人など10%位は分別が徹底できていない」と話します。

物理的に運搬が無理な町民だけではなく、一部ですが、ごみを持ち込む仕組みへの反感もあるようです。

秋本恵一町議はかって「ごみ収集は町の仕事ではないか」という質問を出しています。

近隣市に住む子どもが上勝町に里帰りをした際に実家のごみを持ち帰り、問題になったという苦情も聞いているそうです。

「分別などに全く異論はないが、改善する余地はないか」と疑問を投げかけます。

また、町ではごみの運搬を無料では頼みにくい人のために、入会金1000円、1回4袋525円を払ってシルバー人材センターに運んでもらうという試みを始めましたが、思うように進んでいません。

町民が持ち込んで34種類に分別

 

「日比ヶ谷ごみステーション」は、入り口の大きな看板と小屋の壁面に掲げた「2020年までにごみゼロに」と書かれた赤い旗が目印です。

屋根を覆っただけの自転車置き場のようなところに、コンテナが並んでいます。

コンテナの上にはごみの種類ごとに、番号と資源の名前を書いた紙が貼ってあります。(下表参照)

1 アルミ缶

2 スチール缶

3 スプレー缶

4 金属製キャップ

5 透明瓶

6 茶色の瓶

7 その他の瓶

8 リサイクル瓶

9 ガラス類  10 乾電池

11 蛍光灯(原型)

12 蛍光灯(壊れたもの)

13 鏡、体温計

14 電球

15 発泡スチロール類

16 古布

17 紙パック

18 ダンボール     19 新聞、折込チラシ

20 雑誌、コピー用紙

21 割り箸

22 ペットボトル

23 ペットボトルのふた

24 ライター

25 布団・じゅうたんなど

26 紙おむつ・ナプキン

27 廃食油  28 プラスチック製包装容器

29 どうしても燃やさなければ

   ならないもの

30 廃タイヤ・バッテリー

31 粗大ごみ

32 家電製品

33 生ごみ

34 農業用廃ビニール・農薬瓶

資源の名前と一緒に、例えば「金属製のキャップ」ならば…「リサイクルされてまた建築資材に。リサイクル品でつくると65%のエネルギー節約、大気汚染物質85%減少」など、資源の行先とリサイクルによる効果が記されて、町民の分別への理解を深めています。

34(2001年開始当初は35)種類の分別は熊本県水俣市の26を抜き全国最多です。

 

持ち込む時間は年末年始を除き、毎日午前7時半から午後2時までとなっています。

2名の職員が交代で分別の世話をするほか、コンテナに溜まった缶類を機械でつぶしたり、紙類を束ねたり、白色トレイを溶かしたり、さまざまな作業もこなします。

圧縮された缶類は他では見たことがないほどきれいな仕上がりです。

おばあちゃんと孫娘の二人連れがやってきました。つぶした紙箱を紐で束ねる女の子に、見かねた職員が手ほどきをします。ここは絶好の環境学習の場であり、町民と行政、町民同士のコミュニケーションの場になっています。

壁に掲げたパネルを見て…「あれ?」。

「実質44種類」と書いてあります。実は、町民が勝手に分別を増やしているのです。

割り箸、かまぼこ板、ヨーグルトのカップ、トレットペーパーの芯まで、別の箱が用意してあります。ちょっと行き過ぎと思わないでもありませんが、職員は町民の熱心さに目を細めています。

小屋の裏手には何やら細長い箱が…。ふたを開けると、長短2種類の使用済み蛍光管が寸分のすきもなく収まっていました。

感動するほどの見事な出来栄えです。通りを隔てた木工所から端材をもらって、手先の器用なお年寄りが作ったものだそうです。

「増殖する分別箱」といい「特製の蛍光管入れ」といい、ステーションは善意の町民に支えられています。

85%の資源化と山口県へのごみ輸送

別棟には可燃ごみの圧縮機が置いてあります。「どうしても燃やさなければいけないもの(可燃ごみ)」が入った45リットル入りの袋は機械で圧縮します。

そのため、紙おむつとナプキンまで分けざるを得ません。

平たく圧縮された袋は月2回、運送会社が受取り、JRのコンテナで山口県福栄村に運ばれます。民間会社の焼却施設で燃やされ、最終処分は同じ山口県の小野田市にある民間の処分場です。

四国には一般廃棄物の処理業者がなく、県内の他の市町村も同じ業者に委託をしています。

20033年9月に上勝町が出したゼロ・ウェスト宣言の前文には、町がおかれたごみ事情が詳しく載っています。

上勝町は小松市ほか周辺5町村とともに、東部Ⅰブロックごみ処理広域協議会を作っていますが、大型ごみ処理施設はまだ建設の目途も建っていません。

経費の面と資源回収が進めば焼却能力が余るとの理由で、参加には否定的です。

さらに、徳島県と市ほか16市町村で進める処分場計画も同じく分担金の面で疑問を投げかけています。

今のところ、山口県へのごみの搬送は止むに止まれぬ選択なのでしょう。

ほぼ全量の生ゴミを堆肥化

さて、生ごみはどうしているのでしょうか。

19911年から補助を行なっていた屋外用のコンポスト容器を合わせた普及率は98%、町のほぼ全量の生ごみが堆肥化されています。

処理機とコンポスターを併用するところも多く、約800世帯のうち500世帯は兼業農家なので堆肥の使い道に悩む必要はありません。

また町内の飲食店、生鮮食料品店など6店は「めばえ生ゴミ組合」を作り、1997年からステーションの別棟に設置した大型の業務用処理機で、事業活動で出る生ごみを堆肥にしています。

組合員は処理機専用の鍵を持っていて24時間いつでも投入ができます。

生ごみは投入前に重さを計ってノートに記録し、2人1組で当番を組み毎月1、10、20日に堆肥を取り出して袋に詰めます。

1回120~130キログラム、多い時は200キログラムできるという堆肥は、知合いに声を掛け、

その日に取りに来てもらいます。

水分調整に使うチップは町の木工所から安く分けてもらうので、月々3,000円の組合費で十分に賄えるそうです。

まとめ役の中岡祺量さんは「魚のアラやワタ、野菜くずなどをほぼ毎日持っていきます。

いつでも生ごみを出せるので臭いの心配がないし、これからも続けたい」と話します。

燃やすごみと経費は激減

町のごみ処理量は、焼却ごみは焼却炉を廃炉(後述)にして34分別が始まった2000年から激減しています。

2000年度の約150tが翌2001年には半分の約70tに減少しました。

逆に資源ごみは1998年の約165tから、2003年には約272tまで毎年増え続けています。

1人あたりのごみの年間排出量は150㎏。1日に換算すると、410gで、全国平均約1㎏の半分以下です。

そのうち80%が資源化されています。

「家庭で堆肥化している生ごみを入れると、資源化率は85~90%になるはず」(星場課長)。

全国平均約15%をはるかに上回る驚異的な数字です。

一方、焼却・埋め立てにかかる費用は2003年度約2000万円(うち県外処理料は450万円)、リサイクル費用は470万円。

もし、分別をしないで全量を委託していたら、推計で約5000万円もかかっていたそうです。

多種類分別による資源化で処理費用は4割以下で収まっています。

2004年度28億8900万円という一般財源における処理費の節減は、ごみを運び込んで分別する町民に対し、大いに説得力を持っています。

ゼロ・ウェスト前史

今でこそ「ごみゼロ」宣言で有名になった上勝町にも、紆余曲折の歴史があります。

現在、ごみや資源を運び込んでいるステーションの場所に、1970年当時は大きな穴が掘られ、町民はごみを持ち込んでは燃やしていました。

24時間投入可能の、いわば公共の「野焼き場」です。黒煙がたなびいて周辺住民の苦情は絶えず、1998年10月に穴を閉鎖し、同年に0.9tの超小型焼却炉を2基設置しました。

しかし、ダイオキシン類対策特別措置法が2000年1月に施行されたのを機に、炉は閉鎖されました。

まだ撤去されずに置いてある炉はどう見てもダルマストーブをそのまま大きくしたような、ただ燃やすだけで排ガス除去装置も何も付いていないシンプルなものです。

とは言え、燃やせば灰が出てきます。 町はとりあえず紙など燃やすごみを減らそうと、引取り先を探して奔走しました。

1997年から容器包装リサイクル法の運用が始まったのを機に、びん・缶などの容器を中心に分別を開始、まもなく19分別に、さらに乾電池、食品トレイと次々に分別を増やして25分別になりました。

一方で、93年に実施したごみの排出量調査の結果、ごみ量の3割を占める生ごみの削減を検討。95年にある電機メーカーが開発中だった生ごみ処理機のモニターとして協力し、その後大量に引き受けることを条件に、12万円の処理機を半値に交渉して見事に成立。

全国で初めて生ごみ処理機に補助金をつけ、1世帯あたり自己負担1万円で提供しました。

環境大臣に発生抑制の提案

ごみゼロ推進のもうひとつの柱は、ごみを出さない仕組みづくりです。

笠松和市町長はかって企画室長時代に「上勝町リサイクルタウン計画」を策定しています。

行政マン時代に培ったごみへの情熱は、町長(2001年から)になった今もハンパではありません。

ゼロ・ウェスト宣言は、「国及び徳島県に対して、拡大生産者責任の徹底などの法律や条例の改正、生産者に対して2020年を目標に再処理経費を商品に内部化して負担、再資源化が容易な製品への切り替え」などを求めています。

さらに2004年に2020年にごみゼロを目標にした「資源回収に関する法律(仮称)」の制定について「要望」を小池百合子環境大臣に手渡しました。

主旨は「…2020年を目標に、それ以降すべての商品について、消費者が不要になった場合、製造~販売~消費の流れと逆ルートで、製造者に消費者から有価で回収することを義務づけ、

違反者には罰則を科し、有価回収できない商品の製造販売を禁止する法律を速やかに制定されたい」というものです。

約85%の資源化率を達成した今、この先2020年までに、どのようにごみを減らすのか、まちづくり推進課の東ひとみさんは「商店などの事業者に働きかけて、リターナブルびんなどのごみにならないようなものや包材の少ないものを売るようにしていきたい」と話し、やはり矛先は流通・製造段階に向かっています。

また、ゼロ・ウェスト社会を担う人づくりやごみの出ない商品づくりを目指して、昨年12月に「ゼロ・ウェストアカデミー」を立ち上げました。

まちづくり推進課の若手・松岡夏子さんを事務局に、利再来上勝の中山さんほか町民10名がメンバーです。

第一弾として、環境省委託「環境と経済の好循環のまちづくりモデル事業」として、分別箱のアイデア募集なども行ないました。

ごみ細分別に始まった上勝のごみゼロへの挑戦は第2ステップを迎えているようです。

小さな町の挑戦にエールを

ごみの話から脱線しますが、上勝では地域の活性化のため、第3セクターによる雇用確保に力を入れています。

なかでも、ごみ以上に上勝を有名にしたのが「彩=いろどり」です。和食などにあしらって季節を演出する紅葉、南天などの葉っぱや梅、桜などの花をつまものと言いますが、上勝町では「彩」と名づけてJAを通じて出荷し、全国の料亭などに届けています。

シェアは全国の8割、年間の販売高は2億5千万円にも上ります。町民は「狸がだまして、葉っぱをお金に変える」と屈託がありません。

働き手はほとんどが女性で高齢者が多く、80歳を超す女性が年収1000万円を稼ぐなど、「彩」はテレビでも度々紹介されています。孫に家を建ててあげた、10年かかって育つ苗木を植えた、誕生日に地下足袋をもらった、と高齢者とは思えぬ元気な話には事欠きません。

山林面積86%という固有の自然環境を活かした産業が町を支え、高齢者を元気にしています。

収集しないごみ処理同様、第3セクターによる産業興しの経済力も見事です。

昔懐かしい雰囲気がいっぱいの旭商店街にある亀井商店は見学者が必ず立ち寄る名所で、軒下にはゼロ・ウェストの赤い旗が揺れています。裏手は店主の亀井さんが整えた「ミニ・ゴミステーション」で、トレイ、缶、びん、プラスチックなど、各々の箱に分かれ、一目でわかるようになっています。

集落で助け合いながらごみを運ぶ高橋さんは、中塚地区に住む方々と昨年の夏にホタルの鑑賞会を開きました。

雄淵(おんぶち)の滝は見事な景観ですが、整備されていない道では素通りされてしまうため、

「町が募った集落の再生に手を挙げた。都会の人が寄って自然体験ができるようにしていきたい」と話します。

上勝町は過疎と高齢化が同時進行で進む町とは思えないほど元気でした。小さな町の大きな挑戦に心からエールを送りたい。

ごみ・環境ビジョン21理事 服部美佐子

16:30 2014/03/18

 

 

3/18/2014

ゴミステーションの管理

 

上勝町では、資源化できる物を素材ごとに分けており、分別数は、なんと34。

それだけ資源化できる物があるということになります。

その収集拠点である日比ヶ谷ゴミステーションでは、町民の方々が分別しやすい環境を心がけています

http://www.zwa.jp/about/activity/01.html

15:53 2014/03/18

 http://www.zwa.jp/

http://www.zwa.jp/about/whats_zw/

3/18/2014

 

 

不要品交換場所「くるくるショップ」の設置

くるくるショップとは、20063月に上勝町の日比ヶ谷ゴミステーション内に設置された不用品交換場所です。その管理・運営はNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーが行っています。

これは、上勝町の2020年までにゴミをゼロにするという宣言に則ったもので、くるくるショップはリユースの拠点となる役割を担っています。

①仕組み

町民がゴミを持ってくるついでに、家庭で不用になったものを持ってきます。それを、持ってきた人またはゼロ・ウェイストアカデミーのスタッフがショップ内にディスプレイします。品物の持ち込みは町民に限定していますが、引き取りは町内外問わず、必要とする人たちすべてを対象としており、無料(カンパ制)で提供しています。

 ②利用状況

 

現在、くるくるショップでは、利用状況の調査を実施しており、8月の間に70㎏の品物が町民によって持ち込まれました。また、50㎏ほどが無料(カンパ制)で引き取られています。ばらつきはあるものの月に40㎏~50㎏の品物が町民によって持ち込まれ、月に30㎏~40㎏ほどが無料(カンパ制)で引き取られています。

この事業は、ゼロ・ウェイストを実現するのに重要かつユニークな取り組みとして、新聞・テレビ等のメディアでも頻繁に取り上げられています。海外から視察に来られた方たちには、普段リユースされにくい日本人形や和風の置物・小物が好評で、多数持ち帰られました。

 

「くるくるショップ」ができるまで

 

くるくるショップは上勝小学校5年生の子どもたちの協力を得て、実現させることができました。「くるくるショップ」という名前も、子どもたちがつけたものです。

こいのぼりをリメイクする子どもたち

20054月から、ゼロ・ウェイストアカデミーは月に1回程度、上勝小学校の5年生の総合学習の授業で環境学習を行いました。その中で、子どもたちは、日本のごみ問題と上勝町のゼロ・ウェイストについて学び、町内の日比ヶ谷ゴミステーションの見学やリユース体験をした上で、自分たちにできることは何かを考えていました。

そのころ、ゼロ・ウェイストアカデミーでは、34分別の傍らでまだまだ使えるのに置き場所がないため焼却・埋め立てゴミとして捨てられていくものを何とかできないかと思案していました。

現在のくるくるショップ

バークレーのリサイクルショップの様子

そこで参考にしたのが、ゼロ・ウェイストを推進するカリフォルニア州バークレーの大規模なリサイクルショップです。ここでは生活の中にある全ての物が品物になり、「リサイクルだけでは解決にならない」を実践した場所でした。このショップのシステムをゴミステーション内に設置させようと考え、子どもたちに協力を持ちかけたところ、快諾してくれました。それから、それまで分別に充てていたスペースを掃除するところから始まり、町民から持ち寄せられた衣類や食器、棚、机などをきれいに磨き、品物として並べていきました。

 

この活動を通して、子どもたちは、それまでゴミとしか捉えていなかったものも磨き、ディスプレイすることで、新たに必要品となることを学びました。

そして、200610月には環境省のエコ・コミュニティ事業の選定を受け、くるくるショップのさらなる発展とリユースの推進が図られています。

http://report.zwa.jp/?cid=2

16:19 2014/03/18

5/11/2014 6:37:18 AM

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2014年5月12日 (月)

ビジネス新大陸の歩き方・台18回「新・生態系」企業研究第6弾!・ドイツの最強群を支える地方分権「州」の競争力・大前研一著

引用

ビジネス新大陸の歩き方・台18回「新・生態系」企業研究第6弾!・ドイツの最強群を支える地方分権「州」の競争力・大前研一著

前回まで、シリコンバレーを中心とするアメリカ西海岸の新しい「生態系8エコシステム」企業群」や、今後拡大していきそうな生態系について述べてきた。しかし、シリコンバレーの生態系が成長・繁栄しているのはアメリカに世界中から優秀な人材を吸い寄せる移民政策や企業家を様々な面から支援するシステムがあるからで、そういうものが全くない今の日本では、シリコンバレー的な生態系は生まれない。

 

そんな日本が参考にすべき国として筆頭に挙げられるのが、ドイツである。そして、ドイツ企業の強さは、ドイツの国と経済に支えられている。シリコンバレーなき国・日本は、今後どこに針路「しん‐ろ 【針路】船舶・航空機などの進む方向。コース。「南に―をとる」「―を外れる」2 目ざす方向。進路。「党の―」とるべきなのか」?

それを考えるため、今秋、私が主宰する企業経営者ネットワーク「向研会」のめんがー約70人とともにドイツを視察してきた。

ドイツに行ってみて、日本との際立った違いを痛感した点は大きく三つある。

一つ目は、国家の「統治機構」だ。連邦国家ドイツは、13の州とベルリン、ハンブルク、ブレーメンの3都市州を合わせた16の州で構成されている。いわばアメリカと同じ合衆国(合衆国)である。

そして、各州が強力な自治権を有し、立法・行政・司法の3権はもちろん、徴税権も持っている。企業誘致をはじめとする産業政策も、国と関係なく、それぞれの州が独自に展開している。実際、今回視察した各州の関係者は「邪魔者はベルリン(中央政府)だ。何か問題があったら、我々はブリュッセル(EU)と交渉する」と異口同音に話していた。ドイツの州は国家を超えてヨーロッパ全体、さらには世界中のマーケットを相手にしているのだ。そのため、州ごとに独自の産業や企業が発達し、高い競争力を誇っているのである。

 

地方分権の起源は敗戦後の占領政策

 

では、なぜ同じ第二次大戦の敗戦国でありながら、中央集権の日本とは180度異なる地方分権の統治機構がドイツにできたのか?シンクタンクでマーストリヒト条約制定などに携わったヴェルナー・ヴァイデンヴェルト教授の話によると、敗戦後の占領軍(進駐軍)の統治政策の違いが挙げられる。

 

つまり、ドイツでは占領軍がナチスを再興させないために中央集権を徹底的に忌避し、州が強い力を持つ地方分権の憲法を作ったのである。その後58回、時代の変化に合わせて憲法を改正しているが、地方分権の根幹は全く変えていない。

 

一方、日本の場合はGHQ(連合国最高司令官総司令部)がお粗末だったため、何が日本の本質的な問題点だったのかということついての洞察が全くなかった。だから、二度と武力を紛争解決の手段として使いません、といった表面的な表現しかないし、統治機構に関しては「地方政府」という概念は不在である。

しかも、ドイツの占領軍にはアメリカに亡命したユダヤ系ドイツ人が多く、憲法をドイツ語ですんなり起草できたが、日本の占領軍は日本人通訳を介して起草し、その通訳がかなり勝手な推測(たとえば天皇制を廃止すると統治不能になる、など)で解説したと思われる。

このため、最初はGHQは天皇の戦争責任を断罪しよとしていたのに、結局、現行の昭和憲法(日本国憲法)も天皇が統治権を総攬する絶対君主制を規定した明治憲法(大日本帝国憲法)を踏襲し、第1章に「天皇」を持ってきてしまった。しかも、第8章の「地方自治」では「地方公共団体」などという地方自治・地方政府とは程遠い概念の言葉まで出てくる。

 

つまり、江戸時代から続いている悪しき中央集権が全体主義に至ったという洞察のないまま、文章に何となくアメリカ的な民主主義の匂いをちりばめて中央集権システムを維持したのが昭和憲法なのである。

今、自民党は憲法改正草案を発表している。しかし、その中身は第1章が「天皇」のままになっているのをはじめ(私自身は、天皇は憲法に書くのではなく、自然法で2000年続いたのだから、そのままで護持できるという意見だ)、第8章の「地方公共団体」を「地方自治体」に言い換えるなど、昭和憲法の字句修正程度のものでしかない。

ドイツに比べてみれば、日本が停滞・低迷している原因は中央集権の統治機構にあることは明々白々なのに、その基本認識が欠如しているのだ。

ただ、日本の急速な戦後復興と高度経済成長の局面では、中央集権が功を奏した面もある。しかし、ドイツも地方分権の連邦国家で日本と遜色のない復興と成長を成し遂げ、今はドイツ経済のほうが好調を持続しているのだから、日本もある程度の成長を遂げた時点で地方分権にシフトすべきだったと私は思う。

企業経営の視点から見て、日本よりドイツの憲法・統治機能のほうがよかったと思われる理由は何か?

 

一つは、企業が簡単に国境を越えられるということだ。日本の場合、地方は国がコーディネートしなければ何もできないが、ドイツの場合は各州に外務大臣や産業大臣がいて、企業のグローバルな活動を州が全面的に支援しているのだ。

もう一つ、ドイツが優れている点は、16の州が国際化、産業誘致、教育レベルなどのあらゆる面で互いに熾烈な競争を繰り広げていることだ。

 

国が助けてくれないから自分たちで他の州との差別化を図り、戦略的な思考で産業政策を展開している。地方自治体が中央の予算の分捕り合戦に終始している日本とは異なり、州が富の創出や企業のグローバル化の推進役になっているわけだ。

たとえば今回、バイエルン州では産業大臣に会ってプレゼンテーションを聞いたが、日本の地方自治体に比べると格段にレベルが高かった。バイエルン州には、航空宇宙・防衛のエアバス・グループ、自動車のBMWとアウディ、保険のアリアンツ、製造コングロマリットのシーメンス、スポーツ用品のアディダスとプーマ、バス・トラック・機械のMANなど、世界に名だたる超優良企業がひしめき合い、国とは関係なく自由にグローバルなビジネスを展開している。

また、バイエルン州からドイツ企業約100社が日本に進出し、日本企業も約330社がバイエルン州に進出している。バイエルン州と日本の公益額は年間約7000億円に達し、同州にとって日本は最も大切な国に一つになっている・・・。

要するに、ドイツは州が国から完全に自立し、地元企業を後押しすることで繁栄しているのだ。残る二つのドイツと日本の違いについては、次号で詳述する。

平成25年12月8日

平成26年5月12日

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何だ自民党が統治ができていないことなんだ?!・・・・5/12/2014・社説・金子衆院議員に望む・・・人口減少、雇用確保対策を・・・

引用

5/12/2014・社説・金子衆院議員に望む・・・人口減少、雇用確保対策を・・・

 

昨年の参院選後初の国政選挙として注目された衆院鹿児島2区補欠選挙で初当選した自民新人の金子マスオ氏(67)が8日、国会に初登院した。補選は、公明党の推薦を受けた金子氏が6万6360票を(得票率52・6%)を獲得、野党4党推した打越アカシ氏に2万票以上の差をつけた。

金子氏の勝因の一つに奄美群島での「貯金」が挙げられる。奄美12市町村の有権者数は2区全体の33・9%に過ぎないが、投票者数が45・7%を占めており、地板となる奄美群島で3万票以上も引き離したからだ。強力な集票力を発揮してきた徳洲会票の取り込み、野党共闘の乱れといった敵失も見逃せない。

 

選挙戦で金子氏は、これからは奄美群島の将来像を描きながら奄振交付金の充実や高齢者福祉、医療、産業振興策、子育て、教育などの選挙公約を示したが、まずは二つの仕事に本腰を入れて取り組んで欲しい。

第一に働き盛りの人口が減る中、地域の活力を取り戻して欲しい。

県統計家によると、奄美12市町村の推計人口と世帯数(4月1日現在)11万1697人、5万142世帯。前回衆院選が行われた2012年12月より4044人、1143世帯も減少している。

同年の年齢別推計人口調査では、労働力の中心となる15~64歳の「生産年齢人口」が56%、0~14歳の「ネンショウ人口」は14・7%、65歳以上の人は29%を超えており、総人口の4人に1人が高齢者となっている。

少子高齢化が進んでいることが示されているが、人口は地域力の基盤だ。人口流失を減らすためには、保育サービスの充実や若年層の呼び戻し、学卒者の受け皿作りや移住促進、U・Iターン就職を支援するための企業情報の発信などといった対策を講じて欲しい。

次に若い人達が希望をモテる雇用環境を整備し欲しい。

奄美群島が日本復帰したのは61年前の1953年。翌年から始まった特別法に基づく奄振事業で、道路や学校、港湾、水道、公共施設など社会基盤が整備された。注ぎ込まれた補助金は2兆3千億円を超える。それでも1人あたり郡民所得(2011年度)は203万6千円で、国民所得の7割程度だ。

奄美群島は基幹産業の大島紬が衰退する中、依然として回復の見通しが立たない。

円高や景気低迷などから本土での雇用環境が悪化。非正規労働者も増加し、所得減少につながっているようだ。

庶民は節約しながら家計をやりくりし、高齢者は年金の減額などで厳しい生活を強いられている。

低所得書の増加は島内消費を冷え込ませ、景気の冷え込みという悪循環を生むだろう。仕事の創出と賃金の底上げを図るためには現実を直視し、将来を担う若者が安定的に働き続けることができる環境づくりを急いで欲しい。

島の人々の願いは、夢と希望に満ちた豊かな奄美群島だ。

 

14/5/12 9時1分29秒

何だ自民党が統治ができていないことなんだ?!

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龍郷町長選挙に立候補した宇都宮英之と申します。 選挙への公約PR活動の一環として、新聞やビラの配布、ハガキ等が一般的 に公職選挙法で認められていますが、ネット活用も先日4月19日より改正 適用されました。 投

いんよう

差出人:       総務企画課自治広報係

<koho@town.tatsugo.lg.jp>

送信日時:     2014年2月12日水曜日 13:49

宛先:  takita@po.synapse.ne.jp

件名:  ご意見箱へのお問い合わせについて

 

滝田 好治 様

 

 

日頃より町政運営にご協力を賜り、ありがとうございます。

早速ですが、お問い合わせをいただきました標記の件について回答いたします。

駐在員の仕事を記録した文書を公開してほしいとのことですが、以下、本町の条例から抜粋いたします。(同条例は役場にて閲覧できます)

 

○龍郷町駐在員規程(昭和46年4月1日制定)

第8条 駐在員は、町長の権限に属する事務並びに法令、又は条例に基づく本町行政機関の事務を補助するため、おおむね次の事務を行なう。

(1) 徴税協力に関すること。

(2) 広報関係その他印刷物及び文書送達並びに周知に関すること。

(3) 風水害その他災害の被害調査及び報告に関すること。

(4) 町行政事務に関する連絡、伝達、周知及び調査報告に関すること。

(5) その他本町行政事務の円滑な遂行を図るために必要な事項に関すること。

 

以上の事務を円滑に行うため、役場職員を交えた「駐在員会」を月1回開いております。また、駐在員のみで意見を交換する「区長会」も同様に開催しております。

各集落で活動される駐在員の事務内容にご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

***************************************************

 鹿児島県 龍郷町役場

 総務企画課  長谷場 涼太郎

 〒894-0192

 鹿児島県大島郡龍郷町浦110番地

 TEL 0997-62-3111(内線115)

 FAX 0997-62-2535

 E-mail:koho@town.tatsugo.lg.jp

 ホームページ:http://www.town.tatsugo.lg.jp/

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龍郷町長選挙に向けた私の公約の考え方

10月20日に予定される龍郷町長選挙に立候補した宇都宮英之と申します。 選挙への公約PR活動の一環として、新聞やビラの配布、ハガキ等が一般的 に公職選挙法で認められていますが、ネット活用も先日4月19日より改正 適用されました。 投票の際に立候補者を選ぶ参考になれば幸いと思います。 (15日~19日公開)

世界自然遺産に向けたこの時期こそ将来への基礎作り

2013年10月15日

 

龍郷町長選挙運動期間は10月15日から19日までの5日間です。

 (投票日は10月20日)

初日15日は台風26号の強い影響が懸念されます。不慣れな候補者にとってはあっという間の一週間になるでしょう。雨降って地固まれ・・・と願わずにはいれません。でもこの4年間がそのまま成り行きで過ぎてしまい、国立公園になり世界遺産に向けた時間が過ぎてしまえば、現在と変わらない体制で世界遺産を迎えることになるかもしれません。変化の激しい時勢も気が付けば取り残された龍郷町がそこに残るそんな心配は余計なことなのでしょうか。

今こそアイデアや意見を出し合って将来の準備をしなくてはいけないそういう時期になっているとも思えるのです。

ご精読ありがとうございました。皆様の心身ともに安心、安定と継続的なご繁栄を祈念いたします。

 龍郷町長選挙候補者 宇都宮英之 62-5683(℡、ファックス)              

生活困窮感の結や協力を使った改善 2013年10月15日

世の中の急激な変化は離島の小さな町にいても大きなうねりになって届く予感(実感?)がするほどです。消費税の増税、物価の高騰(気象変化による野菜など)、TPPによるサトウキビの輸入増加、保険料や年金などの低減化、デフレ脱却・・・東日本大震災や毎年起こる天災などでの復旧事業、東京オリンピックなどでの都会集中投資など。

うがった見方をすれば全体の為に部分(地方)が切り捨てられる政策のようにも見えます。小さな町は小さな町なりに自分たちを守る工夫をしなさい、とも取れる全体の流れのようです。つまり工夫のない町は困りごとも慢性化し、工夫が当たれば成功事例として脚光が当たる?でしょうか。小さな町の小さな集落にはたいてい小さな学校や小売店があります。

そして少子高齢化の真っただ中にあって児童数の減少による学校の統廃合、小売店の閉店などでさらに静かな集落はさらに静かになっていきます。静かだけなら落ち着いていていいのでしょうが、働き手が少ないために廃屋や草薮が増えたりします。

この負の連鎖を断ち切って正の連鎖に切り替える工夫がこれからは必要になるのです。今までにない発想や行動力が求められ、日本中ではあちこちでその胎動さえ聞こえるようです。

根本的な対策は人口増加+出産数の増加(労働者人口の増加)ですが、急に向きは変われません。ではどうすればいいでしょうか?この集落に住みたい、この町に住みたいと思う理由は様々でしょうが、必要要件は大きく2つあります。

 一つは安心の住宅環境ともう一つは安定した雇用環境です。安心と安定の上に初めて定住があって、その先に自然保護や文化の継承ができるのだと思います。

住居はコンクリート集合住宅から古民家まで多彩にありますが、少なくて選べないのは雇用機会です。

いろんなキッカケで産業全体は盛り上がったり沈滞化したりします。公共事業も理論的にはカンフル剤になったり、慣れてしまうと効かなくなったりします。

でもよくするためには何かのキッカケは欲しいところです。

奄美では奄美振興基金(あましん)が恒常的に投与されてきた歴史がありますが、昨今の流れでハードからソフトへの転換が期待されているようです。ある程度は自立への傾向(努力)を表現することが望まれるわけです。集落内で地産地消が始まり、お金や物の循環があって個人や集落からの流出が小さくなれたら・・・少しずつ可能性はでてくるでしょう。 今は困ってる方から出る方が多いようですね。

かといってもヒト物金の流動の活性化は基本的には必要不可欠です。ぜひ観光などでの活性化を牽引力として、全体活性化に向かいながら無駄な流出は最小限に守るそんなイメージが理想に近いのかもしれません。

今回政策提案した「道の駅たつごう」や「町民スタンプ」もそういう狙いの提案です。町内で買い物したらスタンプを押してもらい、スタンプが貯まれば商品割引や町民サービスが受けられる商工会議所や商店の協力は不可欠ですが、多くの方や組織の協力がなければ成立しません。

もしできれば町内購買量がある程度増えて、消費者の方も割安感が少しでもできると思います。大規模小売店のような割安感までいけるかどうかは協力者全体の考え方次第になるかと思います。

 本当に小さな町の小さな循環で高齢者の方や子ども家庭に手助けができたら良いなと思うわけです。小さな離島の町にはそれなりの魅力があり、住みたい方も多く居られます。そんな方々の期待や夢を少しでもかなえられたら、と思います。 龍郷町長選挙候補者 宇都宮英之 62-5683(℡、ファックス)      

 

世界自然遺産の準備や自然保護と公共事業のバランス 2013年10月15日

いろいろな方から質問が多いのもさすがにこのジャンルです。

①国立公園になるかもしれないが、世界自然遺産にはやっぱり、ならんだろう・・・

②世界自然遺産になれば何がどうなるの?③何かいいことあるの?私はこう答えることが多いです。

①には・・・クロウサギなどの希少動植物は〇合格ですが、県や市町村の体制や我々一般の盛り上がりが△といわれています。

②には・・・管理は国立公園として行われるので、県の管理から環境省(国)の管理区域になります。管理ゾーンは5段階に分けられその上位2段階のエリアだけが世界自然遺産に推薦されることになります。つまり生態保護が優先される山中や活用するための場所が明確に分けられるようになります。それ以外の場所は生活圏として今まで通りの生活や農業などの作業ができるわけです。(ゾーンによる)

③には・・・世界中に奄美大島を宣伝することになります。自然豊かな島、独特の文化や雰囲気が残された場所として国や県が宣伝してくれるようになります。

または国を代表する保護地域を維持するためにいろいろな事業展開が予測されるでしょう。

*日本には4ヶ所の自然遺産があってそれぞれの課題を抱えているようです。 知床には主に冬期の交通の便やヒグマなどが人間社会に出てきてしまい、生活環境の安全維持と生態保護の両立に苦慮しています。公共交通機関も少なく観光産業も知床半島へは奥入ることはできない為、苦戦しています。白神山地はブナ林の保護の為に登録した経歴があり、観光は後追いで構成されたために観光産業の活性化が課題のまま経過中です。

小笠原諸島はアクセスがおがさわら丸という連絡船だけなので観光客の急激な増加はありません。しかし生態保護の観点では環境省+東京都レンジャーの活躍で有効な状況が続いています。鹿児島県には屋久島がありますが、公共交通機関も多くあり縄文杉を筆頭に古木や巨木は来島者の努力と天候条件では多くの人に楽しめる配慮もされています。(世界自然遺産20周年を迎えています)

*さて奄美群島の国立公園化に伴い、奄美/琉球諸島が世界遺産になる場合はどうでしょうか。

交通機関は空路、海路、陸路(バスやタクシー)ともに多くありますが各島々の距離が遠いため大変ですが、クロウサギをメインとした奄美大島とヤンバルクイナをメインとした沖縄本島、イリオモテヤマネコの西表島と分散生息と小動物であるために見せ方が重要な要素(または課題)になることが予測されます。

各島もエリアを絞って世界自然遺産に推薦するでしょうが、そこに至るアクセス道路や島全体の雰囲気も評価されるのが世界遺産というものだと思います。(地方行政、開発事業やゴミの問題、教育などもおそらく含む)つまり世界自然遺産を目指すことがキッカケになって島全体の行政の在り方や考え方を見直すことになることが重要です。

*振り返って龍郷町を見てみましょう。

長雲峠から本茶峠付近の希少動植物は充分に合格(たぶん)ですが、道路の環境整備と動植物保護の共存は試行錯誤中でありこれからの持続可能で組織的な対応が期待されるところです。

外来動植物の駆除なども個人レベルよりは行政での対応が望まれるところです。

(哺乳動物は環境省対応中)今後は個別にやったりボランティア団体に頼ったりするだけでなく、行政の理解と組織的な関与が持続可能な維持体制を構築できる大きな要因になると思います。(観光公園課などの新設と市町村間の綿密な連携)

*公共事業について 一言で言っても災害復旧のような早期原状復帰が望まれる内容と計画的な集落の下水側溝工事、環境に影響がある河川や港湾工事、希少植物の誤伐採の可能性がある環境整備事業など多肢にわたります。港湾や河川工事も環境対応型土木工法も最近では多くなりましたが、コスト的には高いため町村単位の工事には負担が多くなりかねません。工事内容の層別での分類や内容の細かい見直し、環境アドバイザーなどの工事前確認などが今後は必要と思われます。

ぜひ国立公園から世界自然遺産まで、各市町村との連携を密に取りながら進めていければと思います。子供たちが高校を出て広い社会に進んだ時に故郷を聞かれるでしょう。「今度 世界自然遺産になった奄美大島が私の故郷です」 胸をはって言える日が近いことが期待されます。

  龍郷町長選挙候補者 宇都宮英之 62-5683(℡、ファックス)

 

政策提案 既存施設+新規施設  大きな提案 2013年10月15日

基本的な政策提案(公約)へ向けた考え方を書いてみます。

まずは既存施設の活用や新規施設の建設や役割の見直しによる産業活性化の話です。

既存施設は「島育ち産業館」・・・島の特産品などの開発や産業の育成のための施設 課題は特産品などの製造は行っているものの、販売も行うがいろんな課題があって来場が少ないことや活用している団体が少ないなどの問題が解決できないままになっています。つまり昔造った施設が生かされていません。町内の数少ない?箱もの行政のシンボルみたいな施設になっています。

新しい提案は農水産品の一次処理(洗浄や加工)と保存(冷凍や冷蔵)、付加価値植物などの種苗保存や生産、特産品の開発などです。

新規施設は「道の駅 たつごう」(仮称)・・・老朽化した中央公民館の改修工事予定施設課題は公民館や博物館機能は必要だが、それだけだと活用頻度が少なく町内全体からの必要性からは新規投資しにくい事業として進めにくいテーマとなっています。思い切って公民館は施設の一部として、島育ち産業館との役割分担を見直し、製造開発の島育ち産業館、販売広報の道の駅たつごうとして生まれ変わることを期待するところです。

複合施設として一階は販売、広報の道の駅機能、二階は公民館、文化や自然の博物館機能、屋上は災害時の避難場所として、通常時は展望所として活用されるところです。

 

さて・・・農水産品の一次処理ができるとして、加工する材料がなければいけませんね。各集落にはそれぞれの田や畑、海産物が採れる浜があります。時期になれば多くの農水産品があるのですが、小規模分散型の生産地になります。それを集荷する機能も島育ち産業館には求められると思います。さらに各集落には得意な生産物があるのです。

 農産物でも水田だったり果樹だったり畑だったりします。全体の生産品目と生産量の推定をして必要量の算出も重要でしょう。また、消費する側の観光ホテルや個人消費者との連携も柔軟に対応していかなくては残り物や品不足による困りごとになる恐れもあります。

おそらく、生産地(集落)-集荷(島育ち)-販売(道の駅)-消費(観光ホテル)の連携(協力)が柔軟に機能し始めればいいのですが、お互いの連携がうまくいくには何年かかるかもしれません。農産品も自然災害などで生産数が落ちる場合もあるので、塩害や大雨などの防災も重要になってくることと思います。つまり・・・どこか一か所の改善ではなく、全体の役割を見直して柔軟に機能する組織を構築することが大切になります。

またタイミングは世界自然遺産などでの観光客の急増に合わせた組織や体制の熟成になるでしょう。新規施設もあり箱物にならないようにするには人材の確保が重要になります。

いろんな角度から見て、今から準備しても早すぎることにはならないと私には思えるテーマになります。

道の駅は国土交通省の事業展開として駐車場やアクセス道路の整備などが行えます。施設本体は地方自治体や事業者の負担施設になりますが、奄美振興基金に中央公民館改修事業として予算登録されています。

仏作って魂入れず?ではなく施設を構築するときに重要なことは人材登用や体制組織作りです。またさあ作りました。明日から動かしてください。・・ではなく習熟、慣熟期間は必要になります。雇用機会拡大とヒト作りがやっぱり重要なキーポイントになるわけです。

 龍郷町長選挙候補者 宇都宮英之 62-5683(℡、ファックス)  

 

龍郷町長選挙に向けて (基本的な考え方) はじめに 2013年10月15日

みなさん うがみんしょうら 龍郷町長選挙候補者の うつのみや英之 (宇都宮英之)と申します。

2013年10月20日の投票日に向けて、私にとっては生まれて初めての選挙の準備の秋になりました。今回のブログによる公開は15日の公示から19日の夕方までの選挙運動期間に限られます。質問事項はコメントで確認できますが、選挙期間が短く後援会(お手伝いの方)も最少人数しかいない為返信や公開はできないことをご了承願います。(コメントやファックスでの連絡は受けられますが、メールアドレスや個人名が必要です)これを読んでいただいた方々が投票時に参考としていただければ幸いに思います。

 ≪今日はまず始めに基本的な考え方を書いてみました≫

今回の町長選挙について思うこと・・

・奄美大島は群島復帰60周年を迎え国立公園や世界自然遺産登録を目前にしていますが、希少動植物の保護や観察、公開だけではなく全体の産業の低迷からの脱却が長年の課題だといわれています。

・山中や海岸のゴミや道路の投機ゴミも昔よりは減ったのか、それでも目につく場所では多く残っています。

景観や動植物を広く世界に公開し、私たちの子孫まで大切に引き継ぐ自然や文化の活かし方(見せ方)をこの数年で作り上げていかなくてはいけません。

・また長年の産業の低迷化(雇用機会の減少)から若い方の都会への転身やその後の帰郷の際、受け皿となる雇用機会が少なく都会に残らざるを得ない状況は続いていると思います。

・長年続いてきた奄美振興基金も公共工事(ハードからソフトへ)も自立を促すような取組さえも伺える雰囲気でいろんな新しい動きはあるものの大きな流れにはなり切れていないところかなと思います。

・あと数年で観光客の方々が急に増える可能性がありますが、観光業だけでなく一次産業や二次、三次産業の全体で作る受け入れ態勢を整えるには時間の余裕はそう多くはない、とは感じております。

・一般住民の思う不安感は災害時の対応や増税や物価高、農産品の天災などによる被害など多肢にわたり、心の安らぎにも余裕が無くなってきているのではないか、と思います。

・・・・この4年間は将来の龍郷町の基礎を作る重要な時期になるということです。

限られた資金と時間で少しでも将来の安心、安全を作り上げるには・・・

 ・今までにない新しいアイデアや行動が必要になります。(先見と柔軟な発想)

・工事や作業も環境保護に配慮した仕組みが必要にります。(環境配慮型公共事業)

・雇用の確保には全体の総合力を高める必要があります。(力を合わせること)

・生態や環境は壊してしまえば子孫に伝えることはできません。 (自然や文化は宝もの)

・高齢者のご意見は重要ですが、若い方や女性の意見も当然必要になります。      (みんなの夢をかなえる)

・意識改革や組織改革は短期間で行われる必要があります。                 (公平な町民目線)

・国立公園は世界自然遺産の要件であるように、世界遺産は地域活性化の起爆剤になってほしいところです。

・3~4年で自然保護と全体活性化の基礎作りをするには全員で待ったなしの盛り上がりが必要です。

・若い方や女性のご意見には重要なヒントがあります。(言いやすい雰囲気)

*解りやすくてより具体的な提案が求められるタイミングがすぐそこに来ます。

・・新しいチャレンジが必要になります。 この後は政策提案について書いてみます。

  龍郷町長選挙候補者 宇都宮英之 62-5683(℡、ファックス)

utsunomiya.hideyuki@silk.plala.or.jp 注意(匿名メール不可)

*公職選挙法によりメール等は記録に残りますのでご注意願います。

< 2013年10月 >

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龍郷町長選挙に向けて (基本的な考え方) はじめに (10/15)

2013年10月

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10/16/2013

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2014年5月15日 (木)

スイスと日本 国を守るということ -「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ [単行本]松村 劭(著)

引用

スイスと日本 国を守るということ -「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ [単行本]松村 劭(著)

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

 

松村/劭 米国国防省認可法人デュピュイ戦略研究所・東アジア代表。国際戦略研究所(IISS)会員。防衛大学校卒業。陸上自衛隊指揮幕僚大学卒業。インド国防参謀大学留学。陸上自衛隊で西部方面総監部防衛部長などを歴任。自主退職後、日立製作所で戦車技師として勤務。1994年より著述活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

単行本: 200ページ出版社: 祥伝社 (2005/12)発売日: 2005/12

 

目次

序章 現地で見た素顔のスイス

第1章 「永世中立」と「民間防衛」:スイスが守ってきた二つの国是―スイス人は誰一人として「非武装中立」が平和に繋がるとは考えていない・・23・

1・大国のエゴに巻き込まれないための「苦肉の策」「国連」を信用しなかったスイス人・・・24・・

スイスが使い分ける「二枚舌」・・27・・

2・マッカーサー「日本は太平洋のスイスになれ!」の真意・・日本が自国の軍隊を持たなかった理由・・29・・

原発をめぐるスイスの秘密協定・・31・・

3・「非武装中立」を国是としなかった理由・・メロス人が死に変えて残した教訓・・34・・

4・大国のご都合主義から始まった「永世中立」・・フランスの属国として、踏みにじられた国土・・38・・

かろうじて守られた「中立」・・41・・

5・複眼思考のスイス、単眼思考の日本・・「戦争放棄」も「二枚舌」が生み出した虚妄・・44・・

「二枚舌」の構造を見破ったスイス人・・47・・

「平和に対する罪」の呪縛から抜け出せない日本人・・50・・

政府と国連、どちらを信用するか・・53・・

6・スイス政府発行「民間防衛」の驚くべき内容・・政府の「統制・制限」を当然のごとく受け入れる・・56・・

7・「民間防衛」の裏側にある現実・・民間人が犠牲になった第二次世界大戦・・59・・

スイス流、「国を守るということ」・・62・・

スイスの「パン」はなぜ美味くないのか・・64・・

第2章 スイスの国防観、日本の自衛観―日本は、いまのスイスより安全か?・・・1・国民投票による新しい選択・・国連加盟ようやく決めたスイス人の計算・・68・・

それでもなおEUを疑う・・70・・

世界を驚かせた「PKO」参加の切実な理由・・73・・

2・変化するスイス・何も変わらない日本・・異常な日本の対外政策・・76・・

徹底したスイスの「国防作戦計画」・・78・・

半世紀も前の「国防方針」を変えようとしない日本・・81・・

いまの自衛隊では、他国の侵略を抑止できない・・84・・

「独立国」スイスと「平和願望国家]日本・・86・・

「もしスイスがEUに加入したら?」・・89・・

3・「持てる国」と「持たざる国」の相克・・第二次世界大戦の火種となった米・英・仏「経済ブロック圏」・・92・・

脅威があれば、野心はなくとも、戦争は起こる・・95・・

第3章 スイス人が具現化した真の民主主義―封建主義と闘って勝ち得た国民主体の政治・・

1・スイス建国と愛国心・・最強の支配者ハプスブルク家を打ち破る・・102・・「向かい傷に誇りあり」ザンクト・ヤコプの尖塔・・105・・

シャルル突進公野心を折ったスイス歩兵戦術・・108・・

2・成熟した「住民集会」から生まれる「本物の民主制」・・「村長の立場になって」考える村人たち・・112・・

正しい「多数決」の原理・・115・・

「和の精神」ほど非民主的なものはない!・・117・・

3・「対外政策」が政争の具になる時、国は滅ぶ・・スイスの国益を討議する「全州議会」・・120・・

第4章 したたかなスイス人―戦略的地勢から生み出された国民性・・

1・大陸の中央に閉じ込められた祖先・・「ガリア戦記」に描かれたヘルヴェチア人・・124・・

なぜスイス人は、スイス語を持たないのか・・127・・

2・大陸国家スイスの戦略的地勢・・「島国」から「海洋国家」になった日本・・130・・

山がちの地形と豊かな水を活かすスイス人・・131・・

3・最強の「傭兵」の誕生・・槍一本で欧州を稼ぎ回る・・134頁・

スイスの歩兵力」・・136・・

にもかかわらず、国家として戦略を持てなかったスイス人・・139・・

戦争のやり方が変わってきた16世紀・・141・・

スイス傭兵は、国の名を汚さないために腕を磨く・・144・・

4・隣国の戦争で儲ける・・日本とスイスの「停滞という後退」・・146・・

飯の種になった「中立」・・148・・

5・孤立しても持ち耐えられる国・・「危機を真ん中に挟んだサンドウィッチ」・・153・・

スイスは、ヒットラーの二つの要求にどう答えたか・・155・・

新しい空軍の時代を迎え撃つ・・157・・

スイス軍が開発した「マウンテン・バイク」・・159・・

6・「中立政策」に不可欠の、本音と建前・・「中立」は「鎖国」ではない・・162・・

貧乏人は来るな・・164・・

第5章 「海洋国家」と「大陸国家」…それぞれの「国防線」―「国防線」のない国・日本・・

1・「海洋国家」の特性を忘れての失敗・・中国大陸を狙うアメリカの牙・・168・・

2・日本の「戦略的地勢」とは・・日本の生存と切り離せない「台湾」・・173・・

南シナ海に中国潜水艦が出没する理由・・175・・

日本が「壜の蓋論」から脱却する日・・177・・

「共益性のある」戦争・・180・・

3・「国防線」とは何か?・・大原則・「国防線」は国境の外に置くこと・・182・・

ローマ時代にあったスイス「民間防衛」の原点・・185・・

日本は、中国の「国防線」の内側に含まれている・・187・・

日本に照準を合わせる中国の核ミサイル・・189・・

4・「海洋国家」に必須の国家戦略・・島国とって最大の脅威とは?・・191・・

日本の「国防線」はどこにあるか・・193・・

日本の「民間防衛」を考える・・194・・

5・国民が国家に望む基本的条件・・スイスに影響を与えたイギリスの戦争哲学・・196・・

スイス人が生んだ戦争学「戦争提要」・・198・・

平成26年2月25日

中立を貫くには, 2008/1/28

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レビュー対象商品: スイスと日本 国を守るということ -「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ (単行本)

スイスといえば「永世中立国」で平和な(戦争に加担しない)国というのが、多くの日本人のイメージかもしれません。

本書を読めばそのイメージがいっぺんに覆されます。

中立を守るということは、「どちらの側にもつかない=どちらからも攻められる可能性がある」ということなのです。「どちらの味方もしないから、どちらからも攻められることはないだろう」という楽観的なことではないのです。

スイスは今までの歴史から、そのことを実感として感じ、国民一人ひとりの意識から、常に有事に備えているということが本書を読むとわかります。

 

現在の日本はそのような「いざとなったらどうするの」という議論すら出来ない状態になってます。

スイス並みにやれとまでは言いませんが、せめて有事にはどうするのか、他国から攻撃されたらどうするのかの議論ぐらいまともにやってもらいたいという気にさせられます。

終戦前後、満州や樺太、北方領土が旧ソ連の進行によってどのような状況になったかをもう一度考え直してもらいたい。「無防備都市宣言」や「憲法改正反対」など理想を訴えるのもいいですが、もう少し現実的な方向を考えていった方がいいのではないかなと思います。本書を読んで、改めて「国を守る」ということを考えさせられました。

5つ星のうち 5.0  戦争は何故なくならない? なくならないならどうやって国を守る?, 2008/9/9

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↑の質問に答えられる人がどれほどいるだろうか? その答えをこの本は初心者にもわかりやすく答えてくれる。主に他の国の歴史も参考にしながら強国に囲まれたスイスの歴史とスイス人のリアリズムが書かれているのだが、それは政治から日常生活に至るまでとても参考になる内容だと感じました。

 

この本を読んで一番良かったとおもうのは、「歴史から学び、未来を予想し、対応策を考えて、実行する」ということがいかに重要かということを教えてもらったことです。

 

「仲良くして、お互いに利益を分け合う仲なら大丈夫」

「アメリカがバックにいるのに自衛隊なんていらない」

「中国や北朝鮮が日本を攻めることはない」

「いや、日本は甘すぎるのではないか?」

「軍事費なんて金をドブに捨てているようなものだ」

「そもそもどうして戦争なんて始めるんだ?」

そう思っている方には、是非この本をお勧めしたい。この本が言っていることが全てではないと思うが、決して無駄ではないことは間違いないでしょう(無駄だと感じたならばその方は歴史や政治や戦争を良く知る人なのでしょう)。

「軍事力ほど儲からないものはない。しかし、軍事力がなければ、もっと儲からない」

この本の中の一節です。日本には侵攻される理由がたくさんあるようです・・・。

5つ星のうち 5.0  平和とは?, 2007/1/18

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日々世界では内戦や戦争がおこり,また公開されているだけでも頻繁に軍事演習が行われています.

ニュースで伝わる話もどこか別世界のことで,気にもとまらないのではないでしょうか.

本書は,平和というか平穏は当たり前だと平和ボケしている日本人に警鐘をならす一冊.

永世中立国のスイスの歴史的背景からの考えをもとに日本の国防を考える内容です.

著者が自衛隊出身の方で軍事より?の偏りが危惧されましたが,至って正論を主張していると感じました.

国を守るための境界は国境ではだめな理由など,よくよく考えると当たり前ですが普段気にもしていない重大な誤りを指摘しているので,読む価値があります.というか,中国の動きを考えると,絶対に読む必要のある書籍です.核武装などの話のかなり前に本書ようなの議論をするべきでしょう.日本のようにそれぞれが自分の都合で主張し,すぐに徒党を組むのとは対照的に,みなが国の存続を念頭に考え議論をするスイスの民主主義のあり方は本書がいいように書き過ぎていたとしても理想とするところでしょう.

国防以上に興味深い話でした.日本国民がぜひ本書を読み,これをふまえて議論を重ねられることを望みます.

5つ星のうち 5.0  憲法改正に必要な教材, 2005/12/25

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憲法改正も軌道に乗りかけている。静かに何かが動いている。そんな時に憲法改正に必要な素材が提供されているように思われる。それは政治家だけではなく、国民全てに与えられた教材のように思われる。スイスの実体を知ることは良いことだ。この世はきれい事だけではないことが、スイスを知ることで日本が見えるのではないだろうか。飾のない文章が、日本の未来を議論するダイヤの原石になっていると私は思える。

5つ星のうち 4.0  国防の観点から政治の在り方を鋭く問う, 2012/2/18

レビュー対象商品: スイスと日本 国を守るということ -「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ (単行本) 私が本書を手に取った動機はスイスのことを少しでも知りたかったからだが、この期待には十分応えてくれた。スイスの歴史がその戦史を中心に整理されており、スイスが掲げる「中立」政策の背景にある思想について理解が深まった。

翻って本書メインは、日本の国防をめぐって著者が鳴らす警鐘。いずれも至極真っ当なものに聞こえ、現在日本の外交・国防を預かる立場の人々からこれらに対する反論を是非とも聞いてみたい。国防の観点から政治の在り方を鋭く問う内容だと感じた。

日本の憲法第9条が掲げる理想は立派だ。しかしこれを金科玉条のように考え、現実を無視した平和願望を政治に持ち込もうとする人々は、著者の「理想の現実こそが政治だと誤解しているのではないか」という根本的かつ鋭い問いにどう答えるだろうか。意見は色々あって良いが、最悪の事態を想定する必要がある安全保障問題にあっては、現実を踏まえた責任ある言動を願いたい。

 

本書が強く訴える「国防線は国境の外にある」という考えは、中国や北朝鮮を対岸に持つ私達が今一度頭に叩き込んでおくべきものと思う。北朝鮮が日本海へミサイルを威嚇発射した時、イスラエルの友人が「何も対応しないというのは信じられない。イスラエルなら攻撃とみなして即反撃に出る。実際に攻撃されてから反撃するのは国防ではない」と断固とした口調で述べていたのを思い出す。

国防問題から一歩離れて、本書が提示する「あるべき民主制」の原理原則-(1)まず、全員の考えが違うことは当然と理解し、満場一致を求めない(だから根回しも、党議拘束も、村八分もしない)。(2)一人一人に全員の利益に立って考えることを要求する。(3)そして、多数決原理を厳格に適用して結論を得、個々人の意見に関わらず決定事項への貢献を求める-が大変興味深かった。政治に限らず、あらゆる組織運営に活かされるべき原理原則ではないだろうか。

6:44 2014/02/25

5/15/2014

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月間日本・市場原理主義の終焉・植草一秀著・平成26年5月15日・・35頁・

引用

2008年11月・月間日本・市場原理主義の終焉・植草一秀著・平成26年5月15日・・35頁・

道路公団を民営化すれば、不透明な慣行が野放しになる。また、民営化しても道路建設計画は不変とされた。高速道路料金は高水準に放置されるのだから、道路会社にとって状況はパラダイスに変化する。道路保有会社が外国資本に買い占められれば、国民の道路資産が外国資本の所有物に転化する。道路公団民営化も「売国政策」の一環である疑いが濃厚だ。

「官の改革」は極めて重要だが、小泉政権が実行した「改革」は、「改革」の名に値するものではなかった。郵政、道路、住宅公庫、のいずれもが、特定の利害関係者に対する利益供与の政策だった。

「改革」の言葉を唱えれば「正義」の響きがこだまする。「改革」の名を借りた利権付与が実態だった。

私は日本最大の構造問題が、財務省を中核とする「官僚主権構造」だと考える。「韓流主権構造」とは、、官僚機構が意思決定の実権を握り、2、国民の幸福を追求せずに、官僚機構の利益増大を追求し、3、政治がこの現状を「温存」することだ。

日本国憲法に、「公務員は全体の奉仕者である」との条文があるが、現在の第一種国家公務員制度は、大日本帝国憲法時代の「統治者としての官僚」の色彩を色濃く残している。また、「お上と民の精神構造」は、江戸時代に日本国民に定着して、現在まで行き続けてきた感が強い。私はこれを、「1600年体制」と表現している。

与党は重要な政策立案、立法作業を官僚機構に丸投げしている。官僚機構は政策立案、立法作業を丸投げされることで、政策決定の実権を握る。

36頁・平成26年5月15日 木曜日

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2014年5月17日 (土)

「政党法」制定の必要性について1、活発化する政党論・2017.12.9.

引用・

構想日本の政党解説?


2013年8月30日「政党法」制定の必要性について1、活発化する政党論・・・今日、政党に関する議論が活発化しています。また、政党の民主的運営や活動内容などを規制する「政党法」を制定すべきという提言も、経済同友会やシンクタンク、学識者グループなどから行われています。

この背景には、主に次の三つのことが挙げられます。

第一に、民主党政権の経験から、政党のガバナンス(統治能力)の問題が取り上げられるようになってきたことがあります。民主党政権下では,党の決定事項に従わないグループが常時異議申し立てを行い、最終的に離党して党勢を大きく減退させ、政策決定過程を混乱させたという経過がありました。政権党における「統合性」とは何か、という問題提起がなされているのです。

 第二は、選挙制度の特徴から生じる事情です。現在の衆参の選挙制度は、候補者個人間の競争から「政党間の競争」に重点を置く形で制度設計されており、実体的にも、候補者選びや党公認のプロセス、選挙資金の配分を含め、政党の機能・権限が一段と強まっています。そうした中で、党の決定プロセスに国会議員の資質・能力がどのように生かされるのか、党全体の目標と議員・議員グループの目標が異なる場合にどのような調整が必要か、そして議会での議決の際の党議拘束はどうあるべき、といったような政党と国会議員との関係に関わる問題があらためて問われているのです。

 

第三は、近年の国政選挙では特定の政党が絶対多数を獲得して政権運営を担うことが多く、政党の綱領や政権公約(マニフェスト)が政権の政策決定に絶大な影響を与え、政党が実質的には公的機関の役割を果たしているという現状があります。さらに、政党には国庫から助成金も出ており、法的には任意団体に近い扱いがなされており、このような実態のもとで、政党にも一定の公的規制が必要ではないかという議論が高まっているわけです。

 

以上、三つの背景を挙げましたが、政治学における政党研究が活発化し、政党法制定の動きが出ているのは、皮肉にも民主党の政権の失敗が契機になっているのです。ここで政党のガバナンスの課題を論じ、さらに政党法の制定を含めて、政党を中心にした議会制民主主義の運営システムをより高度化させていけば、民主党にとっても党内改革を大胆に進めることができ、将来における政権復帰の可能性も出てくるものと考えます。

2、民主党のガバナンスの問題

 

 民主党政権が失敗した要因の一つが、政党ガバナンスの問題であったことは、様々な検証から明らかにされています。具体的には、次のようなことが指摘されています。

①結党過程から議員間のイデオロギーの多様性(保守主義、新自由主義、社民リベラル主義、市民主義、平和主義など)が存在し、本格的な党綱領もできなく、ともすれば組織の遠心力が働く性格について、これを克服する体制がとれなかったこと。

 

②小選挙区制度で再選をめざす議員個人の考えと、民主党の方針・政策に乖離が生じた場合(消費税やTPPなど)、それを調整する仕組みや強力なリーダーシップ、派閥による議員の統制、あるいは党内の暗黙のルールなどがなかったこと。

 

③党のマニフェスト策定プロセスの問題に見られたように、党内の意見集約のやり方、党議拘束を含め決定された事項に従うルールなど、基本的な組織運営のノウハウ・ルールが整備されていなかったこと。

 

④野党時代を含め、人事権の行使を含めた官僚組織の活用の仕方の問題、マニフェストの財源問題で見られたように基本的な政策情報の収集能力の問題など、内外の組織を動かす経験が不足していたこと。

 

⑤与党時代は、党代表=総理大臣のもとで、内閣支持率や政党支持率の低下を一つの契機として代表を交代させるパターンが続き、強力なトップリーダーを育てていくシステムがなかったこと。

以上に挙げた民主党における党内ガバナンスの未熟さや未整備が、党勢と政権維持能力の減退を招き、3年余で政権を失うことになりました。とくに、政権下における政策(マニフェスト)の変更、あるいはマニフェストが確実に実行されないことは、マスコミや野党の最大の攻撃目標になったわけですが、政権政党にとって最も重要な文書であるマニフェストの変更に関する規定がなかったことは致命傷となりました。増税という国論を二分する政策課題に関し、民主党内部に党分裂さえも辞さないグループが存在したとは言え、党内ガバナンスが機能していれば、党分裂は避けられたかも知れません。

3、政党の法的な位置づけ

我が国の政党活動に関わる法律は、テーマ毎にばらばらに制定されています。

具体的には、「政党助成法」「政治資金規正法」「公職選挙法」「政党交付金を受ける政党に関する法人格付与に関する法律」の四つで、政党運営全般について定めた法律はありません。

敢えて、政党について目的などを規定しているのは、四つ目の「法人格付与法」です。その第一条は、「議会制民主政治における政党等の機能及び社会的責務の重要性にかんがみ、政党が財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務を運営することに資するため、政党交付金を受ける政党等に法律上の能力を与え、政党の健全な発達の促進を図り、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする」としています。

この法律は、政党が政党交付金を受けるためには、法人格を取得しなければならないことを規定しているのですが、基本的には、一定の要件を満たせば政党を社団や財団などの「公益法人」と擬制して、助成金支給の根拠を持たせたというだけのものです。

一方、親の法律である「政党助成法」は、「議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、国が政党に対し政党交付金による助成を行うこと」としているだけですが、その助成金は、国民一人あたり年間250円の負担となっていること、あるいは政党が日本の政治の進路に直接影響を与えている現状を考えれば、意思決定プロセス、機関運営、綱領・マニフェスト決定方法、選挙に関する候補者選定、事業計画、予算管理など、一般の公益法人と同様の基本事項について一定の基準を定めるべきだと考えます。

4、歴史的経験から制定されたドイツの「政党法」

 

欧米諸国や韓国では、政党のガバナンスを意識した政党法が制定されていますが、もっとも整備されているのはドイツです。ドイツは、ファシズムを生み出した過去の歴史から、政治の展開における政党の持つ役割と問題点を学び、戦後、民主的な政党運営が行われるよう、政党を明確に位置づけ、その健全な発展を目指すための「政党法」を1967年に制定しました。

 

なお、1949年に制定された「ドイツ連邦共和国基本法」でも、第21条で「政党」の位置づけがなされています。この条項はナチスの台頭を許したワイマール体制の反省から政党禁止要件を主として規定したものですが、一方で、次のように政党の目的・機能、活動規制の基準なども明記しています。

第21条 [政党]

(1) 政党は、国民の政治的意思形成に協力する。その設立は自由である。政党の内部秩序は、民主主義の諸原則に適合していなければならない。政党は、その資金の出所および使途について、ならびにその財産について、公的に報告しなければならない。

(2) 政党で、その目的または党員の行動が自由で民主的な基本秩序を侵害もしくは除去し、または、ドイツ連邦共和国の存立を危うくすることを目指すものは、違憲である。違憲の問題については、連邦憲法裁判所が決定する。

「ドイツ政党法」は、この「基本法」の条文をベースに、政党について次のように、より具体的に規定しています。

第1条[ 政党の憲法上の地位および任務]

(1) 政党は、自由にして民主的な基本秩序の憲法上不可欠な構成要素である。政党は、国民の政治的意思形成への自由で継続的な参加をもって、基本法により政党に課せられ、基本法により保障された公的使命を遂行するものとする。

 

(2) 政党は、特に、世論の形成に影響を及ぼし、政治教育を振興し、かつ、深化させ、市民の政治的活動への積極的参加を推進し、公的責任を担う有能な市民を育成し、候補者の推薦を通じて連邦、州および市町村の選挙に参加し、議会及び政府における政治的発展に影響を及ぼし、その努力によって策定した政治的目標を国家的意志形成の過程に導入し、国民と国家機関との間の不断で活力のある結合の為に意を用いることにより、公的生活のあらゆる領域における国民の政治的意思形成に協力するものとする。

 

(3) 政党は、その目標を政治的綱領において規定するものとする。

 

(4) 政党は、基本法および本法によって自らに義務づけられた任務に関して、その手段を排他的に行使するものとする。

このように、ドイツ政党法は、政党など政治結社は議会制民主主義のもとではある種危険なものであるが、国として政党の民主的な運営について基準を設け一定の規制をしていけば国民的な意思決定においてプラスになるものである、という認識に立っています。そして、実際にドイツでは、キリスト教民主同盟(CDU)と社会民主党(SPD)の二大政党が少数政党などとの連立を組みながら政権交代を繰り返し、政権政党としての役割・機能を十分に果たしてきたわけです。

5、政党法制定の主張とその特徴

近年の我が国の政党政治の諸経験を踏まえ、政党法制定を求める動きが活発化していますが、いくつかの提言から、政党のガバナンス、運営のあり方について考えてみます。

(1)経済同友会の提言

政党法の制定を求める提言活動で最も先頭を走っているのは、経済団体の「経済同友会」です。なぜ、この種の提言が政治そのものの世界からではなく、財界から出されてきたのかという疑問もありますが、基本的には、経済同友会は民主党政権の経験から、政党政治における「政党力」の底上げによって、国会運営の停滞や政府の政策決定・政策遂行の機能不全を防げるのではないか、という純粋な政治的心情にもとづいて提言をしているものと思います。

この「政党力」に関しては、その要件として次の五つを掲げています。

 ●確立した政治理念・政治ビジョンと明確な国の将来ビションの形成力

 ●客観的かつ謙虚に民意を吸収する能力

●全体最適かつ時間軸をも考慮した政策選択能力

●社会の課題の発掘能力と実行力

●党としての統率力と団結力

経済同友会の提言は、この政党力の底上げをはかるために、主として政党法に規定する事項を9項目提示しています。

①党綱領の制定と公開

綱領の策定・改定は、党の最高議決機関(大会など)で議決するという手続きの必要性を明記する。 

②支部設置数の制限

自民党の党支部は7259支部(2013.1.1現在、民主党は569支部)にも及び、企業・団体献金の受け皿となっている。政治資金規正法の本来の趣旨は献金禁止となっており、この趣旨から支部数に上限を設けるべき。

③マニフェストに盛り込むべき事項、策定手順の規定・公開

マニフェストは有権者が容易に比較でき、また実現可能性が求められることから、形式、盛り込むべき事項をある程度、統一化・標準化すべき。

④政権獲得後のマニフェスト修正に必要な手続き

世の中の変化によりマニフェストの修正もあり得るので、修正の度合いに応じた手続きを予め定めておくことが必要。 

⑤代表選挙のあり方、与党党首の任期

党毎に代表選挙のやり方が違っており、投票資格、党員票のポイントなどは一定程度、統一化する必要がある。また、外国人党員の投票を禁止すべき。代表の任期は、常識的に考えれば、衆議院議員と同様に「4年」とすべき。

⑥政党助成金の支給対象・管理のあり方、使途の公開

政党助成金は政策立案のための経費に限定するなど使途制限をかける。但し、落選者への「雇用責任」として、落選中の候補者に生活費を支給できるようにする。

⑦連立協議のあり方

連立政権が一般的になっていることから、連立マニフェストの策定を義務づける。

⑧候補者選定・比例代表名簿の順位付け過程の透明化

どの政党においても、候補者選定・公認や比例名簿の順位付けのプロセスは明解に公表されておらず、一定の公的なルールを課して透明化すべき。また、候補者選定における予備選挙、公募制、世襲議員の同一選挙区での立候補 制限なども規定する。

⑨倫理規定

各党とも、反党的行為に対する除籍・除名処分が行われているが、疑義が残っているような案件については、政党共通に説明義務、意義申し立ての機会の保証などをルール化すべき。また党議拘束に従わなかった場合の処分については、懲戒の権限・責任の明確化、決定プロセスの透明化、異議申し立て手続きの保障などを法制化する。

(2)「構想日本」の提言 

一方、政策シンクタンクの「構想日本」は、議院内閣制における内閣機能の強化、政党の政策立案能力の強化の視点から、政党法の制定の提言を行っています。

以下、「経済同友会」と重複しない部分を中心に、主な項目を掲げます。

①マニフェストは各党共通の「公約フォーマット」で作成する。

②与党はマニフェストの進捗度を半年毎に発表する。

③マニフェスト策定に必要な官庁の情報は国会の秘密会を利用して与党と一定規模以上の野党に開示する。野党には、国会調査局の利用を優先させる。

④政党助成金の目的の半分は政党の政策立案援助にあり、その配分は議員数による単純比例ではなく、半分は均等配分する。

⑤内閣と与党の二重権力構造を解消し内閣機能を高めるために、与党幹部の入閣を義務づける。また与党の政策検討機関の責任者(部会長)は対応する省庁の副大臣を兼務する。

⑥与党の一般議員と官僚との接触を制限する。

⑦党首・幹部・監査委員会などの重要機関の設置を義務づけ、その役割と責任を党則で規定する。

⑧党支部は、行政単位毎に一つに制限し、また国会議員と支部長の兼務を禁止し、国・地方の議員による支部の私物化を排除する。

⑨政党は党員のみならず、有権者に対しても大きな政治責任を負っていることから、政党に年一回の「有権者総会」の開催、ならびに地域では定期的な報告会の開催を義務づけ、活動状況と資金の収支を有権者に開示させる。

以上、「政党法」制定に関する経済同友会と構想日本の提言を紹介しましたが、これらの内容で構成される「政党法」や関連法をもって、一挙に政党力が強まり、議会制民主主義のもとで政党政治が機能的に運営されることにはならないでしょう。しかし、民主党政権の下で明白になった政党のガバナンスのあり方が大きく問われている今日、他に有効な施策がない中で、各方面から提言されている政党法制定要求を政界としてもきちんと受け止め、政党の改革に真摯に取り組んでいくことが重要だと考えます。

5:59 2014/05/17

 

 

 

 

ドイツの政党

ドイツの政党(ドイツのせいとう)では、中央ヨーロッパに位置するドイツ連邦共和国における政党制について取り上げる。

2 主な政党 2.1 連邦議会に議席を有している政党

2.2 州議会にのみ議席を有している主な政党

2.3 その他

3 沿革 3.1 第二次世界大戦後

4 政党法制

ドイツ連邦共和国基本法の第21条で「政党は、国民の政治的意思形成に協力する[1]」として法的地位が与えられており、政党設立の自由が明記されているが、政党の内部秩序は「民主主義の諸原則に適合していなければならない[1]」と明記されている。もしその政党の目的や党員の行動が自由民主主義の秩序を侵害或いは破壊するものであったり、ドイツ連邦共和国の存立を揺るがすものであった場合、連邦憲法裁判所の審査によって違憲の判断が下される(戦う民主主義)。

主な政党[編集]連邦議会に議席を有している政党[編集]色は各党のシンボルカラー。

■ドイツキリスト教民主同盟 (CDU) - 社会民主党と並ぶドイツの二大政党。中道右派の保守主義、キリスト教民主主義政党。2005年から政権与党。ワイマール共和国時代におけるカトリック政党である中央党の流れを汲む。

■ドイツ社会民主党 (SPD) - 中道左派、社会民主主義政党。19世紀からの伝統を持つ二大政党の一角。

■バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU) - バイエルン州の保守政党、地域政党。CDUとは統一会派を組んで活動している。なおCDUはバイエルンでは活動していない。ワイマール共和国時代におけるバイエルンの地域政党であるバイエルン人民党の流れを汲む。

■同盟90/緑の党 (B90/Grünen) - 環境主義政党緑の党と旧東ドイツの民主化運動家政党同盟90が合併して成立。1998年から2005年までSPDと連立政権(赤緑連合)を組んでいた。

■左翼党 (Die Linke) - かつての東ドイツの支配政党ドイツ社会主義統一党の後身である民主社会党(PDS)が「左翼党-民主社会党」へ改称のうえ、離党した SPD 左派と2005年に政党連合「左翼党」を結成し、さらに2007年には政党連合を統一政党へと発展させ左翼党となった。

州議会にのみ議席を有している主な政党[編集]

■自由民主党 (FDP) - 自由主義を掲げる中道政党。1949年以来長らく連邦議会のキャスティングボートを握る存在として、CDU/CSUないしはSPDと連立を組んで政権に参加し、2009年からCDU/CSUとの政権与党であった。しかし、2013年の連邦議会選挙で惨敗し、連邦議会の全議席を失った。

ドイツ国家民主党(NPD) 極右・白人至上主義政党

ドイツ海賊党 インターネット上の自由を掲げる。2011年のベルリン州議会選挙で初めて議席を獲得。

民主人民党 バーデン=ヴュルテンベルク州における自由民主党の支部に相当する地域政党。

南シュレースヴィヒ選挙人同盟 シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州のデンマーク系住民の利益を代表する地域政党。

その他[編集]

ドイツのための選択肢(AfD) - 2013年に結成された、ドイツのユーロ圏離脱を掲げる右派政党。2013年の連邦議会選挙では議席を獲得しなかったものの、得票率4.7%と議席獲得に必要な5%に近い票を得ている。

沿革[編集]

[icon] この節の加筆が望まれています。

第二次世界大戦後[編集]

戦後の西ドイツ~統一ドイツの政党制は、戦前とは逆に少数政党の乱立防止と議会政治の安定を図るために導入された議席阻止条項(5%三議席条項[2][3])の効果もあり、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)[4]、中道左派の社会民主党(SPD)の二大勢力と中道の自由民主党(FDP)による三党制(三大政党制)が半ば強引にもしばらく続いてきた。西ドイツ建国初期には極右のドイツ党、社会主義帝国党、左翼のドイツ共産党(KPD)なども存在したがドイツ党は分裂し、社会主義帝国党、ドイツ共産党は連邦憲法裁判所の審査によって違憲の判断が下され解散した。

旧ソ連占領地区でも当初は他の地域と同様キリスト教民主同盟(CDU)、ドイツ自由民主党(LDPD)、ドイツ社会民主党、ドイツ共産党が結成(SPD・KPDは復活)されたが、SPDはソ連によってKPDに半強制的に併合されドイツ社会主義統一党(SED)となり、1949年に建国されたドイツ民主共和国(東ドイツ)ではSEDが支配政党として国家を指導することとなった。CDU、LDPDはSEDに対して批判的な幹部が追放された結果SEDがCDUとLDPDの支持層を分断するために設立したドイツ民主農民党(DBD)とドイツ国民民主党(NDPD 国家民主党とも)と共にSEDの衛星政党と化した。1989年の東欧革命による民主化まで5党による形だけの複数政党制(ヘゲモニー政党制、実態はSEDの一党独裁制)が続いた。

 

西ドイツでは1983年の連邦議会選挙で環境保護政党の緑の党(Grünen)が得票5%の議席阻止条項を突破して議会進出を果たしたことで三党制が崩れ、四党制となった。東ドイツでは1989年の民主化後CDU、LDPDなどは衛星政党の座を脱し、SPDも再建されたほか、多くの政党が設立され、それらの多くは統一後旧西ドイツの政党と合併した。Grünenも同盟90(B90)と合併して同盟90/緑の党(B90/Grünen)となった。1990年のドイツ再統一後、SEDの後継政党である民主社会党(PDS)も参入し、2005年と2009年の連邦議会選挙でPDSの後継政党である左翼党(Linke)が躍進したことで五党制が定着した。

 

2013年の連邦議会選挙ではFDPが議席を失い四党制に戻ったが、情勢は混沌としており先が読めない状況にある。キリスト教的価値観を重視するCDU・CSU、知性を重視するSPD、SPDに飽き足らず左翼勢力を糾合したLinke、Linkeとは別の意味でSPDに飽き足らず脱物質主義を掲げるB90/Grünen、新自由主義を掲げるFDPという看板政策が主要政党には存在したが、この新自由主義が有権者の大顰蹙を買う形となった。新自由主義は理論としては筋が通っているが、理論で割り切れない社会との折り合いをどうするかという問題があり、ベルンド・ウルリッヒは2012年1月5日付ディー・ツァイト誌2号の「FDPの危機・・・私たちはFDPを必要とするか?」でFDPは必要なくなったと断定している。

 

政党法制[編集]

 

政党を国民の政治的意思形成に協力するものと規定するドイツ連邦共和国基本法第21条に基づき、政党法が1967年に制定されている。政党概念について第2条で「継続的または長期にわたって連邦または州の領域のために政治的意思形成に影響を及ぼし、かつ、ドイツ連邦議会又は州議会における国民代表に協力しようとする市民の団体であって、事実関係の全貌、とりわけその組織の範囲及び堅固性、党員の数及び公的社会への進出によって、その目標設定の真摯さが充分に保障されたもの」と規定している[5]。

 

政党組織については第6条から第16条にかけて詳細な規定が置かれている。まず第6条で政党は成文の党則及び綱領を有することを明記している。そして党機関として全党及びその政党を構成する地域支部レベルで党員集会(代表者集会をもって代えることも可)と理事会を設置することを第8条で義務づけている[6][7]。なお党員集会又は代表者集会は最低でも2年に1回は開催しなければならない[8]。党員の権利については第10条で明記されており、党員は平等の表決権を有し、いつでも離党することができる[9]。

政党に対する国庫補助は第18条で規定されており、直近の連邦議会選挙あるいは欧州議会選挙において政党名簿に投ぜられた得票が0.5%以上、州議会選挙では0.5%以上を得た政党に対して支給される[10]。

[icon] この節の加筆が望まれています。

(第21条 政党)。ドイツ連邦共和国基本法三カ国語(独・日・英)対訳 

2.^ 連邦議会選挙において比例配分の議席を得るためには、第2投票(政党名簿への投票)で有効投票総数の5%以上を得るか、若しくは第1投票(選挙区候補者への投票)において三議席以上を獲得、このいずれかを満たす必要がある。

3.^ 議席阻止条項は1949年選挙の時点では、一つ以上の州において5%以上の得票を得るか、選挙区で一議席を獲得した政党に限って比例配分を受けられる規定となっていた。その後、1953年の選挙で5%条項が全国単位に改められ、1956年の選挙から選挙区議席も一議席から三議席以上へと改められたことで阻止条項が厳格化された。そのため少数政党にとっては議席獲得の要件がより厳しくなった。

4.^ 連邦議会ではCDUとCSUは共同会派を構成している。CSUはバイエルン州でのみ活動する地域政党で、選挙において姉妹政党であるCDUは同州では候補者名簿を立てない。

5.^ 政党法第2条「政党の概念」

6.^ 政党法第6条「党則及び綱領」

7.^ 政党法第8条「機関」

8.^ 政党法第9条「党員集会および代表者集会」(党大会、総会)

9.^ 政党法第10条「党員の権利」

10.^ 政党法第18条 国家的資金手当の原則および額

参考文献[編集]ドイツの実情:政党。ドイツの実情

政党に関する法律(政党法)岡野加穂留『世界の議会 ヨーロッパ(1)』ぎょうせい仲井斌『もうひとつのドイツ』朝日新聞社、1983年

メアリー・フルブルック(芝健介訳)『二つのドイツ 1945-1990』岩波書店 ヨーロッパ史入門 2009年

永井清彦。南塚信吾・NHK取材班『社会主義の20世紀 第1巻』日本放送出版協会 1990年

三浦元博・山崎博康『東欧革命-権力の内側で何が起きたか-』(岩波新書 1992年)ドイツの政党ドイツの旗

連邦議会に議席を有している政党

キリスト教民主同盟(CDU) - キリスト教社会同盟(CSU) - ドイツ社会民主党(SPD) - 左翼党(Linke) - 同盟90/緑の党(Grünen)

連邦議会または州議会に議 席を有したことがある政党

ドイツ党 - ドイツ海賊党 - 中央党 - ドイツ共産党 (DKP) - 新フォーラム - ドイツ社会同盟 - バイエルン民族党 - ドイツ国家民主党 - 共和党 - ドイツ民族同盟 (DVU) - 南シュレースヴィヒ選挙人同盟 - 自由な有権者 - 自由民主党(FDP) - 民主人民党 連邦議会・州議会のいずれにも議席を有したことがない政党 ドイツ家族党 - ドイツ無政府主義ポゴ党 - ドイツのための選択肢

歴史的政党(ドイツ再統一以後のもの)労働と社会的公正のための選挙オルタナティブ(WASG)

(旧東ドイツ発祥) ドイツ社会主義統一党(SED) - 民主社会党(PDS) - ドイツキリスト教民主同盟 (東ドイツ)(CDU(DDR)) - ドイツ自由民主党(LDPD) - ドイツ民主農民党(DBD) - ドイツ国家民主党 (東ドイツ)(NDPD) - 東ドイツ緑の党 - 民主主義の出発 - ドイツ・フォーラム党 - 民主主義を今 - 平和と人権イニシアティヴ - 同盟90(政党連合)

(連邦憲法裁判所により結社禁止となったもの) ドイツ共産党 (KPD) - 社会主義帝国党

(ヴァイマル共和国以前。 一部現存するものも含む)

国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)(NSDAP、国家社会主義自由運動、大ドイツ民族共同体、ドイツ労働者党を名乗っていた時期あり) - ドイツ社会民主党(SPD、多数派社会民主党と訳される場合あり) - ドイツ独立社会民主党(USPD) - 中央党 - ドイツ国家人民党(DNVP) - ドイツ人民党(DVP) - ドイツ民主党(DDP) - バイエルン人民党(BVP) - ドイツ中産階級帝国党 (WP) - ドイツ民族自由党(DVFP) - 鉄兜団 - 国民自由党 - ドイツ社会主義労働者党 - ザクセン人民党

6:01 2014/05/17

 

政党法 とは - コトバンク - kotobank

kotobank.jp/word/政党法

百科事典マイペディア 政党法の用語解説 - 政党の資格要件を明確にし,政党に法人格を与えて,国家が政党の認知を行うための法律。憲法に政党の規定がないため自民党単独政権時代に法制化が検討されたが,〈結社の自由〉(集会結社の自由)との関連で [PDF]

「政党法」の制定を目指して - 経済同友会

www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2013/pdf/130517a_02.pdf

2013/05/17 - だが現状、「政党法」に対する認識は、当の政党サイドはもちろん、一般国民・有権者、そしてマスコ. ミや学者等を ... の政党のガバナンスの問題を、より具体的な事例を挙げ、分かりやすく整理することで、まずは「政党法」. 制定の必要性の認識

Q9 政党法は必要? - nifty

homepage3.nifty.com/kenpofaq/kokkai/q9.htm

Q9 政党法は必要? 今の政治は信頼できないと考える国民は多いことでしょう。その原因の最大理由の一つには、政党への不信感があることでしょう。つまり、政治不信は政党不信でもあるのです。これは確かに一般論としては妥当している認識でしょう。

政党法

www.geocities.co.jp/WallStreet/9133/seitouhou.html

第1条(目的)この法律は、政党が国民の政治的意思形成に参加するのに必要な組織を確保し、政党の民主的の組織及び活動を保障することにより民主政治の健全な発展に寄与することを目的とする。<改正80・11・25>. 第2条(定義)この法律で政党とは、国民

政党 - Wikipedia

ja.wikipedia.org/wiki/政党

政党(せいとう)とは、共通の政治的目的を持つ者によって組織される団体である。18世紀のイギリス下院議員エドマンド・バークによれば名誉や徳目による結合であり、私利私欲に基づく人間集団(徒党)ではないとしている。

ドイツの政党 - Wikipedia

ja.wikipedia.org/wiki/ドイツの政党

ドイツの政党(ドイツのせいとう)では、中央ヨーロッパに位置するドイツ連邦共和国における政党制について取り上げる。 .... 政党を国民の政治的意思形成に協力するものと規定するドイツ連邦共和国基本法第21条に基づき、政党法が1967年に制定されている。

「政党法」制定の必要性について - 政策レポート-加藤としゆき ...

kato-toshiyuki.com/policy/post-109.html

2013/08/30 - 1、活発化する政党論. 今日、政党に関する議論が活発化しています。また、政党の民主的運営や活動内容などを規制する「政党法」を制定すべきという提言も、経済同友会やシンクタンク、学識者グループなどから行われています。 この背景に [PDF]

「政党法」制定の提言 - 構想日本

www.kosonippon.org/temp/seitouhou090806_release_shousai.pdf

そこで構想日本は、「政党の自己統治能力(ガバナンス)」を向上させるために、「政党法」の制定. 及び関連法の改正を提言します。政党の再生と「政治の再建」。この視点で各党のマニフェストを読. んでみてください。来たる総選挙に向けて、この問題を国民レベル比例代表選出議員の政党間移動問題 ~「政党名義の議席所有

blogos.com/article/77291/

2014/01/05 - ... 政党法の検討に入った。比例代表で当選した国会議員の新党への移動を規制する案などが有力」(5日付日本経済新聞 「自民、政党法を検討」)自民党は、比例代表で当選した議員の新党への移動を規制することを検討しているようです。

「維新」も既存政党もガバナンスなき日本 今こそ政党法制度を ...

wedge.ismedia.jp/articles/-/2297

2012/10/23 - 新党「日本維新の会」が発足し、主導権をめぐる綱引きが表面化している。混乱は新党だけではなく、既存政党でも日常的に発生している。政治の堕落の根治療法は選挙制度改革でも「ねじれ」解消でもなく、法律で政党にガバナンス確立を

政党法に関連する検索キーワード

6:03 2014/05/17

百科事典マイペディア 政党法の用語解説 - 政党の資格要件を明確にし,政党に法人格を与えて,国家が政党の認知を行うための法律。憲法に政党の規定がないため自民党単独政権時代に法制化が検討されたが,〈結社の自由〉(集会結社の自由)との関連で [PDF]

「政党法」の制定を目指して - 経済同友会

www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2013/pdf/130517a_02.pdf

http://archive.mag2.com/0000083496/index.html

3/16/2014

5/17/2014


政党法 【せいとうほう】政党の資格要件を明確にし,政党に法人格を与えて,国家が政党の認知を行うための法律。憲法に政党の規定がないため自民党単独政権時代に法制化が検討されたが,〈結社の自由〉(集会結社の自由)との関連で反対論が強く,制定が見送られてきた。

※本文は出典元の用語解説の一部を掲載しています。  Q9 政党法は必要?

今の政治は信頼できないと考える国民は多いことでしょう。その原因の最大理由の一つには、政党への不信感があることでしょう。つまり、政治不信は政党不信でもあるのです。これは確かに一般論としては妥当している認識でしょう。

 

しかし、この認識をさらに一歩進めて、政党に対して法的な規制を加えて、各政党に党内民主主義等を法的に要求する必要があるとして、政党法(あるいは政党基本法)を制定すべきであると主張する人たちがいます。このような主張に賛成すべきなのでしょうか。

 

全国の憲法研究者のほとんどは、これは結社の自由の保障(憲法第21条)の点でも、議会制民主主義の活性化の点でも、逆に作用する可能性が高いと考えています。

 

政党法を制定するといった場合、しばしばその代表的内容として党内民主主義が要求されることになりますが、憲法が国会に要求する民主的手続きとは異なり、党内民主主義の内容は、一義的ではありません。

 

例えば、党首選挙を行うことが民主的であるかといえば、必ずしもそうであると言い切れません。一見するとそのように言えるかもしれませんが、実際に党首選挙を行なっている政党の選挙実態を見ると、架空の党員をでっち上げ、金権選挙を繰り広げ、派閥抗争を行なっており、政策選挙が行われているわけではありません。ここに問題があるからといって、法律を介入させ、例えば、党首選挙における選挙違反を処罰するとなると、結社の自由は政党には保障されなくなってしまいます。

 

また、政党が国会で自分たちに関する法律を作るとなると、どうしても、多数派の肯定あるいは許容する内容になってしまいます。先の党内民主主義であって、党首選挙を行なう自民党の考える民主主義観からすると、共産党が考える民主集中制は問題があると結論づけられかねません。その上、旧西ドイツで行われてきたように、現体制に反対する政党が国家権力によって禁止され、解散させられ、その財産が没収されたりする危険性もあります。

ですから、政党法の制定は、政党にとっては結社の自由が保障されないことになるでしょう。

 

議会制民主主義の点で見ても政党法の制定には問題があります。議会内多数派が少数派を弾圧するために政党法が利用されることになれば、自由な議論・政策論争を通じて、政権交代が行なわれることを阻害することになるでしょう。そうなると、議会制民主主義は活性化するどころか、死滅してしまうことでしょう。

ですから、政党法の制定は現実の政治を考えれば理想的な政党法それ自体が非現実的であり、「百害あって一利なし」なのです。

政党に対する不満は、究極的には、国民の監視を通じて、つまり、選挙における投票行動をはじめとして政党の命運を決する場面で国民が自ら勇気ある行動を選択しなければ、決して解消されません(Q10)。安易に法律に頼ってしまえば、国民は自分の首を絞めることになりまねません。

 

また、政党不信の最大理由の一つには、1994年の「政治改革」が挙げられます。政治腐敗の防止という点では「政治改革」は明らかに失敗でした。小選挙区本位の選挙制度への「改革」(Q3)と政党助成の導入(Q4)によって、政党はますます国民から遊離した存在になってしまいました。

日本国憲法の立場に基づいて、小選挙区制本位の選挙制度を改め、政党助成法を廃止するなど、政治改革を抜本的にやり直さなければ、政党不信、政治不信は国民の間から無くならないでしょう(政治改革オンブズパーソンの結成趣意書をご参照ください)。(上脇博之)

5:50 2014/05/17

 

概説

政治において政策や主張に共通点のある者同士が集まって、意見の集約と統一された政策の形成を図り、政策の実現に向けての活動として、政権を担当もしくは目標とし、議会の運営の基本単位になるなどを行う組織または団体のことを指す。

政党の数や権力との関係による分類には、複数政党制、一党制(一党独裁制、ヘゲモニー政党制)などがある。

政党は法律的には結社の自由があれば自由に結成できる。しかし多くの近代国家では各種の政治レベル(連邦国家、国家連合、国家、地方自治体など)での法律上の要件(政党要件)を満たした場合は、法的にも政党としての資格や保護を受けられる。逆に複数政党制を採用していない場合、政府が特定の政党を禁止するなどにより、非合法状態の政党も存在する。

また政権に参加している政党を与党(よとう)、政権に参加していない政党を野党(やとう)と呼ぶ。これは上述の各種の政治レベルで存在するため、国政上の与党が地方議会での与党とは限らない。

政党の成立[編集]

近代政党の起源

1.議会が存在しなかったり選挙権が制限されていた国で、政治体制の改革や革命を企てた政治結社にある。

2.初期の議会にあり、議会運営のための派閥が一時的なものから恒久的な組織に発達した。

議員である有力者が議会運営のために作った名望家政党(幹部政党)が初期の政党である。普通選挙の採用にともない増加した選挙民との結合が困難になると、議会外に多くの党員を持つ大衆政党が出現した。

名望家政党と大衆政党の二つは、上記の政党の二つの起源と重なっている。新しい大衆政党の挑戦を受けて、以前の名望家政党も大衆政党に脱皮した。保守主義、自由主義の政党が名望家政党の形態をとることが多く、社会民主主義、共産主義の政党が大衆政党の形態をとることが多かった(各国の政党の流れに関しては政党の歴史において)。

現代の政党[編集]

マスメディアの発達によって著名な政治家・党の意見が直接選挙民に届くようになったため、党組織の役割は低下し、大衆政党もふるわなくなった。人々の関心が国政の長たる首相・大統領とそれら公職への候補個人に集中することで、政党の力はさらに低下したとする観測がある。他にも様々な政党衰退論がある。

だが、政党衰退に導くような現象が社会に浸透して数十年が経過した現在でも、理論的には起きるはずの選挙結果の流動化が起こっていない。先進民主主義国の多数の政党システムは大きな変化なしに推移している。このことを、社会基盤を失った政党が、ただ選挙市場で既得権をもった独占者として生き延びているとして説明するのが、カルテル政党論である。

 

政党の法制化と法律上の政党[編集]

 

世論と法律の政党に対する態度は、政党に対する反感、政党の容認、政党の法制化へと移り変わってきた。

政党の法制化への重要な一歩は、20世紀初めに比例代表制の導入で踏み出された。この制度は、政党の存在を立候補の前提としている[2]。

ついで20世紀後半に、政治資金の規制や助成の制度が、政党の内部運営にまで踏み込む法制化をもたらした。法制化には、政党活動の奨励と政党に対する国家干渉の両面がある。制度の先鞭をつけたドイツで、この状態は政党国家モデルとして研究された。政党による国家支配は(たとえば国民の意思より政党の意思が優越するというような意味で)単純に実現しているわけではない。しかし、法制化の恩恵を既成政党に限ることで、新興政党の挑戦を国家の力で妨げる側面はある。

 

日本における政党[編集]

日本の旗日本の統治機構

天皇日本国憲法国民(主権者)

日本の選挙日本の政党 日本国政府行政

内閣(第2次安倍内閣) 内閣総理大臣国務大臣副大臣 - 大臣政務官行政機関

立法国会 - 国会議員(一覧) 衆議院(衆議院議員一覧)参議院(参議院議員一覧)司法裁判所 - 裁判官 - 裁判員 最高裁判所 (最高裁判所長官、最高裁判所裁判官)下級裁判所

地方自治普通地方公共団体 (都道府県、市町村)特別地方公共団体 (特別区、一部事務組合、広域連合、財産区) 地方議会 - 地方議会議員首長(都道府県知事、市町村長)

法律上の要件[編集]

現在の日本では、公職選挙法・政治資金規正法・政党助成法・政党法人格付与法でそれぞれ似ているが微妙に異なる要件を定めている。すなわち、「政治団体のうち、所属する国会議員(衆議院議員又は参議院議員)を5人以上有するものであるか、近い国政選挙[3]で全国を通して2%以上の得票(選挙区・比例代表区いずれか)を得たもの」[4][5]を政党と定めている。

かといって、小政党・地方政党が法律に従って現実の政党概念や政党分析、政党システム分析から追放されるわけではない。しかし、こと国政選挙に関していえば、政党とその他の政治団体・無所属候補の扱いの差は大きい。

たとえば、法律で認められたポスター・ビラ枚数や選挙カーの台数など、公職選挙法上の政党には候補者とは別枠で数が認められているなどである。その他にも、政党以外の候補は 以下の点で法律上圧倒的に不利な条件で選挙運動を強いられている。

総選挙及び衆議院・参議院議員補欠選挙では選挙区で政見放送に出演できない

総選挙で比例区の重複立候補が認められていない政党は比例区に1人からでも候補を立てられるが、政治団体は衆院では定数の10分の2以上、参院では10人以上(選挙区と含めて)候補を立てなければならない企業(法人)からの政治献金を受け取ることができない(政党以外の政治団体は、個人献金のみ受け取れる)比例区の選挙において、政党は既存政党と同一・類似の略称が使用できるが、政治団体は既存政党と同一・類似の略称は使用できない。

2005年(平成17年)の第44回総選挙後、選挙無効の訴訟が起こされた。この訴訟で原告は、一票の格差の他、公職選挙法における政党候補と非政党候補の格差は憲法14条1項の法の下の平等に反し違憲であると主張した。しかし、東京高裁で原告は全面敗訴。2007年(平成19年)6月13日、最高裁判所大法廷(島田仁郎裁判長)は12対3で原告の上告を棄却し、高裁判決が確定した(2005年衆院選合憲判決)[6]。判決では、「政党は、議会制民主主義を支える不可欠の要素であって、国民の政治意思を形成する最も有力な媒体である」から、非政党候補との格差は「合理的理由に基づくと認められる差異」の範囲内であるとした。また、衆議院小選挙区における政見放送の非政党候補の締め出しについては、「選挙制度を政策本位、政党本位のものとするという合理性を有する立法目的によるもの」と判断した。

 

その他、政治資金規正法上の政党に該当すると団体献金が受けられるようになる等の点で差異があり、政党助成法上の政党になれば政党法人格付与法に基づき法人格の取得が可能になり[7]、国から政党交付金が受けられるようになるなど、他の政治団体と異なる扱いがなされている。

 

日本の政党[編集詳細は「日本の政党一覧」を参照

 

その他[編集]同一政党所属者過半数禁止規定議会で同意又は指名の対象となっている政府関連役職の一部については、定数の一定数以上が同一政党に所属してはならないとする規定がある。例として以下の役職がある。国家公務員(定数の半数以上)

人事官、国家公安委員会委員、公安審査委員会委員長及び委員、中央更生保護審査会委員、中央労働委員会公益委員、中央選挙管理会委員、政治資金適正化委員会委員、地方公務員(定数の半数以上)

人事委員会委員、公平委員会委員、教育委員会委員地方公務員(2人以上)

選挙管理委員、選挙管理補充員その他(定数12人中5人以上)

日本放送協会経営委員政党役員等禁止規定

公務員等の一部の役職については、政党役員等を兼ねることができないとする規定がある。例として以下の職がある。

「政党の役員、政治的顧問、これらと同様な政治的影響力をもつ政党員(任命前から5年間に就任していた場合を含む)」を禁止規定とする役職

人事官「政党の役員だった者(任命前から1年間に就任していた場合を含む)」を禁止規定とする役職

日本放送協会経営委員「政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、これらと同様な役割をもつ構成員」を禁止規定とする役職

裁判官、検察官、国家公務員一般職、国会職員、外務公務員、裁判所職員「政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員」を禁止規定とする役職

自衛隊員[8]「政党その他の政治団体の役員」を禁止規定とする役職

国地方係争処理委員会委員、中央更生保護審査会委員「政党その他の政治的団体の役員」を禁止規定とする役職

国家公安委員会委員、会計検査院情報公開・個人情報保護審査会委員、再就職等監視委員会委員、会計検査院情報公開・個人情報保護審査会委員、中央労働委員会公益委員、原子力委員会委員、土地鑑定委員会委員、公害等調整委員会委員長及び委員、運輸安全委員会委員長及び委員、公害健康被害補償不服審査会委員、電気通信紛争処理委員会委員、証券取引等監視委員会委員長及び委員、国家公務員倫理審査会会長及び委員、運輸審議会委員、宇宙開発委員会委員長及び委員、情報公開・個人情報保護審査会委員、食品安全委員会委員、公益認定等委員会委員、総合科学技術会議民間議員、特定独立行政法人役員、日本銀行役員、都道府県公害審査会委員、都道府県公安委員会委員、教育委員会委員、特定地方独立行政法人役員「政党の役員」を禁止規定とする役職

国家公務員共済組合連合会役員、沖縄振興開発金融公庫役員、外務人事審議会委員

5:54 2014/05/17


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