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2014年4月 7日 (月)

平成13年太田市新春懇談会市長あいさつ・・平成14年太田市新春懇談会市長あいさつ

いんよう

平成14年太田市新春懇談会市長あいさつ

 

明けましておめでとうございます。

恒例になりました、新春懇談会でございますけれども、今日は600人近い皆様方にお集まりいただきまして、この場で人間と人間との交流を行っていきたいと思います。

本当にお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。

 

今までと違う世の中、それを認識する年

 

昨年のことについて、良いことを言う人は本当にいません。日本が大きな転換期にさしかかっているということは確実に言えるわけであります。「失われた10年」ということがよく言われますけれども、失われた10年どころか、21世紀に入って、全然違った世の中にこれから変わっていこうとしているのかもしれないと、むしろ、

そういう風に考えた方が、正しいんじゃないかなというふうに思うわけであります。10年を埋め合わせようと思って一所懸命努力しても、なかなか糠に釘をさすようで埋めることができない。国においても、小泉内閣が大きな改革を断行しようとしていますけれども、それによって結果として我々市民に対してどんな影響があるのか、これから我々がどんな豊かな、

幸せな生活を送ることができるようになっているのか、これを見いだすのはなかなか難しいのではないかと思います。先程申し上げたように、今までと違う世の中が日本を覆ってきている、訪れようとしてきていることをわれわれが認識しなければならないのが、今年なのではないかなというふうに感じているわけであります。内閣の支持率が高くて、これはすごいということでありますけれども、ぜひそのすごさを市民生活の中に及ぼすような、できるだけ早くそのような環境になればと思う次第です。

自立しなければならない地方

今までの国と地方の関係というのは、地方が本当に国依存型で、国に何でもやってもらわなければ生きていけないというのが地方でありました。地方自治ということばがありますけれども、自治なんてことは全くなくて、中央集権国家の中で、我々は国に従属をしている。国が「右向け右」と言えば、我々が右を向かないで、左を向いているわけにはいかない。そういう、ただ命令を受けて何かをやらなければならないというような存在であったような気もします。でも、先程申し上げましたように、今までの過去の10年と全く違う世の中に突入するという認識に立てば、われわれはきちっと自立をしていかなければならない時代であるということがいえるのではないでしょうか。今までの感覚では、これは従属をしていた。だけれども、これからは自立をする。これはもう、すごい変わり方だと私は思っているのです。このように変わっていかなければならないという意味において、市民が行政に参加するということの意義が、非常に大きくなるわけです。

私は、ずっと前からでありますけれども、市民が積極的に行政に参加する、そういう行政体をつくりたいというふうにずっと思ってきました。これができあがれば、自治というものが確立できますし、私たち地方が、地方で生きることを可能にするのではないかと、そんなふうに思ってきたわけです。

 

 市民と行政が一体感を持って

そのために何をやらなければならないのか。これは情報公開であります。いつも、いろいろなところで私は言っていますけれども、われわれが物事を隠していたら、市民と行政とが一体感など絶対に持つことはできない。

一体感を持つためには、私たちがもっているものを全て、市民の皆さん方と共有する。市民と行政とがお互いの情報を持ち合いながら、まちを作っていく。この姿勢がなければ絶対にできないわけであります。情報公開は、市民参加を促す非常に大きな武器になるという気持ちで、

太田市ではバランスシートも連結で、市民の皆さん方に提示するようにしました。今まではただ決算書を出すだけで、これを見てくださいということで終わったわけですけれども、太田市では、バランスシートを連結決算で、皆さん方に提示をしています。これは、この日本中でも、太田市くらいではないかと私は思っています。だけれども、数年後には連結でバランスシートを提示するのが、地方自治体のあたりまえの姿になるだろう、と私は思っています。

これこそ一つの新たな情報公開のやり方であります。

もうひとつやろうとしてきたのは、行政評価システムを確立したいということです。これは市民の皆さん方が考えていることを、我々が行政の中で生かしていくためのシステムであります。この行政評価システムについて、BBCO(ブロードバンドシティ太田)を使って情報収集をして、その成果を政策としていくというシステムを今、研究し、立ち上げようとしている最中であります。

国の補助金をいただく中で、このシステムを太田が確立して、太田で確立したものを全国で利用していただく。このように、太田が行政評価システム、あるいは市民満足度調査の拠点になって、全国に発信ができるという確信を持って、勉強させていただいている最中であります。これは、BBCOというADSL事業を通じて、市民の皆様方と行政とが一体感を持ち、市民の皆さん方が何を望んでいるかを、我々がダイレクトにキャッチし、それを皆さん方に予算としてフィードバックしていくという、そういうやり方であります。この行政評価システムの立ち上げというのは、非常に大変なことでありますけれども、このことはわれわれ行政体が自立していく中で、絶対に必要なものだと考えているわけであります。

「痛み」を共有する -職員数削減とNPO-

また、私どもが最も考えていかなければいけないのは、市民の皆さん方と痛みを共有するということです。痛みを市民の皆さん方に全てかぶせてしまって、行政が平気の平左で左団扇などということは、これからは絶対に許されることではない。そこで、われわれはどこから行動を始めるのかということであります。3年前のこの新春懇談会の場で、皆さん方にお約束したことが一つあります。それは我々の職員の人員削減です。

その時には、10年間で職員の1割の人員カットをお約束しました。そして3年間が経過し、残された7年間であります。これまでにも太田市は市民が参加することによって、着実に我々の人件費を減らすことができています。既に目標の約45%を達成しました。その後、これではまだゆるいのではないかという、職員の反応があって、さらに進めることができるのではないかということで、修正をいたしました。

今後10年間で172人の職員削減計画をここに宣言をいたします。172人の削減計画というのは、どのくらいの効果があるのか。今、我々の行政体の中で、借金が560億円あります。

この560億円のうち、172人の減員で、どれだけカバーすることができるかというと、450億円のカバーができるということであります。借金が多いことを悩むというのが今の時流でありますけれども、ですから借金は怖がることはない。

むしろ私は、職員を削減することによって、削減された部分はNPOによって、市民の有償ボランティアでありますけれども、このNPOの参加によって、これを埋めていくというやりかたができれば、借金のうち450億円をそのままゼロにできるというような考え方であります。

 これからの行政は、増えた借金の返済のために何かをやっているというだけでは、少しも楽しくない。しかも、それでは幸せな市民は誕生しない。やはり仕事はやらなければいけない。我々は、仕事をやるなかで市民と幸せを共有することができるというふうに思っているわけです。何もしなければ、苦しみしかそこに残らない。あるいは最後に痛みを市民に感じてもらわなければならなくなる。私は、それは良くないと思うんです。むしろ、仕事をやって、どんどん元気なまちをつくって、しかも、自分自身で吸収できる痛みは自分自身で吸収をしていって、その空いたところは市民の皆さん方に参加していただくということです。

 

 人が動くまち

今、太田市ではNPOというものを非常に強く打ち出しています。学習文化センターでは市民の皆さん方に大分参加していただけるようになりました。あるいは老人福祉センターでも、市民の皆さん方に参加していただけるようになりました。今度は何をやろうか。今度は、市民課の窓口を市民の皆さんで占領してもらう。そのくらいのことをやってみようじゃないかというのが今年の計画であります。市民が来る、そこに市民がいて、接遇をしていく。もちろん秘密事項というものがいっぱいありますから、それについては守ってもらわなければいけませんけれども、市民が市民との中で行政を運営していくという、新しい形を太田で試みていこうと、そういうふうに思っています。

4月からは市民の皆さんが市民課の窓口に立つようになります。あるいは行政センターの窓口業務に市民が立つようになります。これは画期的なことであります。私はこういうふうなかたちで、市民が参加してくれることによって、太田のまちが、人が動くまち、しかもコストが削減されて、450億円もの実質的な効果をもたらすような、人員削減を行うことができるわけです。元気なまちにしながら、しかもコストダウンができるという、そういうまちづくりを今実行しようとしているわけであります。

市民参加のもう一つの方法

またもう一つ、お金による参加もお願いしたい。市民参加というのは、人の参加、今言ったようなNPOの参加でありますけれども、もう一つはお金で参加をしていただけないかということなんです。もう税金を払っているからいいよ、ということは当然あるでしょう。でも、税金は税金でありまして、もう一つ、これはもう以前から言っておりますけれども、タンス預金を利用したいと思っているんです。タンスの中にしまったままのお金です。銀行の方には失礼ですけれども、最近、銀行もあぶないとか、どこもあぶないなんていうことが言われて、タンスの中にしまっておこうということがある。だけど、泥棒があぶないということもあります。そこで、私は以前からタンス預金を何とかしたいと考えていました。

最初に考えていたのは、ある事業に対して市民の皆さん方から出資をしていただいて、それに対して2%の利息を払おうではないかということを言ってきました。ところが、これは出資法違反になるということで、具合が悪いということであります。

具合が悪くて、おまわりさんにご厄介になるのは私も嫌ですから、出資法違反をしないようなシステムは何かないかと、過日、日本経済新聞社主催のフォーラムの席上で木村さんという総務省の審議官とたまたま隣り合わせでディスカッションする機会にお話をしてみました。地方の市民参加のシステムとして、市民にお金を出してもらえるシステムが作りたいということを言ったんです。出資法違反の話もそのフォーラムの中でしましたが、すぐにこの審議官の方が、そんなのはおかしいよと返事をくれまして、大変ありがたかったのですが、清水さん、こういう方法がありますよということで教えていただいたのが、市民参加型のミニ市場公募債というものでした。

太田市が債券を発行して、一定の利率で皆さん方に債券を買ってもらうという市民参加のやり方であります。このやり方によると、市民が自分の持っているお金を市に預けて、それによって事業を実施することができて、具体的なかたちで成果が得られるわけです。私は、韮川の行政センターとか、九合の行政センターとか、宝泉の行政センターとか、はっきりとした目的でやるのがいいのではないかと思っています。平成14年度、これを実施したいと思います。もちろん、これは、私どもがお預かりするお金であって、いただくお金ではありません。

ちゃんと金利も付けたい。1.8%位付けたいと思っています。2.0%をやりたいと思ったのですけれども、金利が非常に下がっておりまして、我々ができるぎりぎりの線は1.8%ということです。そして一口10万円で、100万円を限度として、市民の皆さん方からお金を集めようということであります。皆さん方がお金を10万円持っていたら、ぜひそのお金で市民参加をしていただいて、ぜひそういうことを多くの方々にも言っていただいて、参加をしていただければ大変ありがたいというように思います。

100万円を限度とするというのは、1.8%という有利な金利でまわすわけですから、市民の皆さん方に幅広く参加していただきたいという意思があるからであります。これが、ある特定のお金持ちだけに占められてしまうというと、これはよろしくないわけですので、市民参加型というのは、まさにそういうことであります。これもまた、新たな出発であります。大きなまちでは既にやっているところはあります。ですが、われわれのまちの規模では、全国どこにもやっているところはない。

太田市で成功して、お金をもって自立をするという道が得られるのであるならば、これも恐らく全国にどんどん広がっていく。そして国も借金をしないで済む。国は今莫大な額の借金を持っている。国の借金と一緒に地方の借金を加えると700兆円の借金を持っているということになります。国にも国の事情があって、これ以上借金ができないというような環境になってきたわけで、我々が市民の皆さんの力を利用して、皆さん方が持っているお金をより良いかたちで回すことによって、まちづくりができていくならば、国から借金をしなくても済むわけでありまして、これは、日本の経済にとって決して悪いことはないと思いますし、また、市民の皆さんにとってみれば、ただ同然でしかない金利が1.8%の金利に変わるわけでありまして、一挙両得のすごいことだというふうに、私は思うのです。平成14年度、4月から実施したいということで総務省に、今お願いをしてあるところであります。

自分たちの手で太田を誇れるまちに

おかげさまで、太田のまちは本当に元気であります。太田市には人間国宝もお二人いらっしゃって、我々の文化、ものづくりの本当の頂点に立っておられます。今日は国会議員の皆様や県議会議員の皆様にいらしていただいておりますけれども、本当に皆様方に助けていただいて、太田市が今存在しています。しかも、全国の中でも、非常に元気なまちとして注目されています。

元旦号の「日本経済新聞」でも紹介していただいて、「市長、顔が良く写っていたね」なんてことを言っていただきましたけれども、そのように紹介されるようになったんです。私たちは自信を持って、私たちのまちが良くなれば日本全体のまちが良くなるというくらいの自信を持って、前に向かって進んでいきたい。そして、皆さん方がお持ちの色々なアイデアがあれば、そのアイデアをいただいて、太田のまちの中で実験をして、日本全国に発信していく。

BBCO、ブロードバンドシティ太田はなかなか難しい事業ではありますが、行政評価のシステムをつくるとか、あるいは印鑑証明や戸籍抄本を24時間いつでも申請できるというような、いろいろな可能性があるし、全体をネットすることによってそれらができるわけです。情報社会と言われている中で、BBCOの存在は、今後必ず大きな存在になりうると思っています。しかも、普通の企業は儲かるところしかやらない。BBCOは、太田市全体をくまなく網羅して、将来、合併ということが起これば、これをさらに合併地域全体に張りめぐらすことによって、自分たちの情報を自分たちで十二分に活用することができる。そんなふうにも思っています。

元気なまちというのは、人が動くまち、NPOに代表される人間が動くまち。そしてもう一つ、お金もやはり動かなければいけない。公募債を発行することによってお金も動くまちになって、そしてまたものが動き、情報が動くそういうようなまちが元気なまち、これが太田だと私は思っています。今日お集まりの大勢の皆さん方と、一緒に手を取り合って、みんなで協力して、自分たちの手で太田を誇れるまちにして、次の世代もこの太田市に住みたいと言えるような、がっちりとした基盤をもった太田市をぜひ作りあげていきたいと、そんなふうに思っております。

 

今日お集まりの皆さん方は、太田市を支える人たちばかりであります。皆さん方にリーダーシップを十分に発揮していただいて、太田をぐんぐんと引っ張っていただき、そして日本をぐんぐんと引っ張っていただきますように、心からお願いする次第であります。非常に厳しい年であるがゆえに、お金での参加、NPOでの参加、情報での参加、物での参加、とにかく市民と行政が一体となったまちづくりを皆さん方に心からお願いいたしまして、措辞ではございますけれども、年頭に当たってのごあいさつにかえさせていただきます。今日は、大勢の皆さんにお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。

2002/04/07

平成13年太田市新春懇談会市長あいさつ

 

「未来への切符は常に白紙である。」

 「常に明るく、常に新鮮に」 明けましておめでとうございます。いつも行政を支えていただいている皆様方をお招きして、新年のご挨拶をそれぞれの方にしていただこうという、そんな思いから始めて、今回で4回目になります。いつもながら大勢の皆様方にお集まりいただきました。昨年1年間元気で働くことができた、今年も同じように、一生懸命仕事をして、社会のため地域のために皆で頑張っていこうと、そういう気持ちを一つにできればというような願いがこめられているわけです。

今朝、職員の初顔合わせがありまして、その時  に言ったのですが、やはり自分たちがわくわくとした気持ち、胸を躍らせる気持ちで仕事をやっていれば、お客様である市民の皆様方にも、当然それがわかってもらえる。ところが、仕事振りが暗いと、お客様である市民の皆様には、すぐにそれがわかってしまう。是非、わくわく胸を躍らせるような1年間にしようではないかというような話をしました。

こうして、お集まりいただいている皆様方と顔をあわせて、また今年1年間お世話になりますと同時に、胸をわくわく躍動させるような1年間にしたいものだと、そのように思っています。

「手を取り合い、前へ進もう」

私達が20世紀に忘れてきたものが、いくつかあります。その中で代表的なものは、654兆円といわれるような、そんな大きな借金を残してきたことです。これは、いずれ誰かが何とかしなければならない問題であると思います。ところが、あまりにも多額な故に、私達は全く我関せず、そんな感じでいるのですが、これはじわりじわり、すべての国民に対しておそらく降りかかってくる、大変大きな問題だと思っています。このままいつまでも続けば、日本はいずれ潰れますし、我々の後を引き継ぐ子供たちにとってこれは大変な重荷で、このために沈んでしまうかもしれません。我々の責任として、少しでも、何かをやらなければいけないのではないかということです。

これは、行政にとってみれば行政改革ということで、一言で片付けられるわけですが、この行政改革も、実をいいますとなかなか大変です。太田市では、借金を増やさないということにしました。

借金を増やさないのですから、減ることしかないわけです。ただ、あまり借金ばかり意識すると、まちの元気がなくなってしまう。だから、借金は増やさないという言葉に代えたのです。

もう一つは、人員削減を大胆に行っていくということです。

ここ2年で、41名が減りました。私達は、 10年間で150名、全体金額にして、生涯給与を  含めると約450億円というような、借金の元を取ろうというようなことを、今やっています。現在、太田市の借金は一般会計で約500億円少しでありますので、約450億円の借金棒引きで、後世に残すものはわずかになってくるというもくろみでいます。しかしながら、行政改革の究極は何かといえば、やはり合併しかないかと私は思っています。合併することによって、それぞれのまちが自分の得意技を一つのまちの中で発揮することができる。合併というのは、地域の皆さん方のご理解が得られなければなりません。

 

住民の皆様方の理解があってはじめてできることでありまして、住民投票等も考えていかなければならない課題だと思っています。そして、文化や風土、歴史、そういうものが本当に関係の深いところは、自然に一つになっていく、これが当たり前の道だと思っています。これをやらないで片方で行政改革をいい、借金が大変だといっても、地に足をつけた行政改革はできません。今日お集まりの皆様方のご協力を得て、近い将来、この地域全体を合併まで持っていき、できることならば30万都市を目指したいと思っています。

私ども行政がこんなことを何回言っても、これは、直接響くわけではありません。市民の皆様方、あるいは、ここにおいでの皆様方が、一つの意識になって、持ち上げなければできる話ではないことは、自明の理であります。

 

「『緑さわやかなまち太田』を目指して」

もう一つ私達が忘れてきたものとして、環境という問題があろうかと思います。この環境の問題というものは、我々のすぐ身近にやれることがたくさんあります。ごみを出さないということもその一つ です。今、全体的な風潮として、ごみに対してかなり厳しい目が向けられています。 例えば、出した 後の片付けとしては、「豊島(てしま)※」の問題があります。

中坊公平さんと話をしたこともありますが、この「豊島」はいわゆる環境問題の代表的な ものであるということを、中坊さんは仰っていまし た。確かに、弁護士として中坊さんは活躍するだけでなく、地域の問題として、「豊島」の問題に道 をつけました。私も、大変立派な行為をやってくださったと思っています。さて、太田市で何をやるかということですが、昨年の暮れ、議会の承認を 得て、ポイ捨て条例ができました。罰金を取ろうというようなことです。これは、市民がまちをきれいにするということと同時に、ごみについての関心を強めてもらいたいということです。

また行政では、富士重工業と新潟鉄工所のお世話になりながら、溶融炉の建設を進めております。私達が一番気になるのは、牛沢のごみが埋め立てられたところです。あれを片付けるかどうかというのが非常に問題で、金のかかることでありまして、何とか手を出さなければいけないと思いますが、うず高く盛られた灰の山、あれは、我々の大きな問題だと思います。焼却炉のそばにもかなりのごみが埋め立てられておりました。

でも、そのごみは、全部出して、これも他県ではありますが、長野県の方に持っていくことができました。   もう一つ、うず高く積まれたあの山を、何とかしなければいけません。しかし、何億円かかるのかわから ないくらいの山です。あれを見ても分かるように、 我々は豊かな思いをしましたが、そのしっぺ返しは 必ずきて、次の世代がそれを負わなければなりませ ん。負の財産と言うものが、実は残っていると言うことです。溶融炉を作り、我々が長野県に捨てていた 今までの灰を、何とか自分の中でリサイクルしたい、 あるいは再利用したい、そういうような気持ちが溶融炉に現れ、今年度中には稼動し、是非成功させたい。そのように思っております。もう一つテーマとし て、森をつくりたいと言うふうに思っております。

この太田の中に、平地林というのはそれほど見当たりません。昔は、お大尽様の屋敷の中に大きな木があり、そこに生物が飛来をしていました。しかし今は、 本当にのっぺらぼうなまちになったような感じがします。あるいは、鎮守の森も、昔はすごく大きなものでした。しかし、今は、区画整理などによって狭められてしまいました。これも事実です。

金山を中心にし て、その周辺に小鳥たちが飛ぶ姿、あるいはトンボ が動く姿、ドジョウが住むような住処、こういったもの を、太田市の各地に、私は今年度是非手がけ始め たいと思っています。この森は、太田市の片方で の、環境のシンボルとしたい。そして、緑いっぱいの 中に太田のまちを置いておく。そのような環境づくり をやっていきたいとそのように考えています。

 また、この環境の問題は教育の問題でもありまして、学校においても環境の問題はもっと深く子供たちに植え付けてほしいと、そういう希望ももっています。

 

※香川県小豆郡土庄町豊島(てしま)で、地元の産廃業者が廃油やプラスチックごみなど数十万トンを不法に投棄していた事件。1990年に発覚、過去に例を見ない大規模な不法投棄問題として世界に「豊島」の名を知らしめることになった。

「1人1人の隣に、自治体」

さて、これからの時代の中で、IT(情報技術)革命と言う言葉が多く使われております。NTTが、 ISDNに対して非常に積極的な姿勢を示してくれました。過日の日本経済新聞で、1ヶ月使い放題で1千円から3千円というのを見まして、太田市がハード面で進出することは断念しました。1千円から3千円でやられてしまいましたら、とてもかなうはずがありません。あの巨大な組織で、どうせやるなら早く我々のまちに線を引いていただきたい。そして、できるだけ早く、市民がその中に入っていってしまうこと、このことが大事だと思います。私達の自治体も、電子自治体はやはり目指さなければなりません。

今年1年間でどこまでいけるかわかりませんが、いろいろな企業の皆様方のご協力をいただきながら、電子自治体を目指したいと思っております。と同時に、その電子自治体が更に多くのサービスを市民に与えられる、あるいはビジネスとして成功するような事例も作っていきたいと、そんな気持ちを持っています。私達行政だけがうまくいけばそれでいい訳ではありません。

この中で生活する皆様が、お互いの知恵と知恵  を絞りあいながら、お互いが知恵を生かしながら、企業として成功していかなければならない。私はそう思っています。そんな意味で、行政が電子自治体化を目指すと言うことは、太田市全体をその輪の中に取り込んでしまいたいということでもあります。私達がやれることはサービスの部門とか、あるいは今後の開発の部門とか将来の方向とか、もっと細かく言えば印鑑証明や住民票、戸籍など、こういった、

いろいろな多方面にわたって可能であると思っておりまして、こういったものを中心として「ワン・トゥ・ワン」のビジネスが発展できるように、我々も協力をしていきたいと思っています。アメリカが、あっという間に財政赤字を黒字に転換しました。今は、株価がいくらか落ちていますが、でもその力でアメリカの豊かさをもう一度作り出した。日本にできないことは絶対ないと私は思っています。たまたま地方自治体であるがゆえに、そんな大それたことは考えられませんが、自分たちの中で自分たちが電子自治体を目指して、その発信基地として太田があるという風に言われるようなまちにしたいと、今思っています。

「小さな自治体、大きな力」

21世紀は、ただ20世紀から暦を一つめくっての 21世紀ではないと思っています。私達の気持ち、心の問題、いろんなことが言われています。

ですが、今ある苦難を振り払うために、小さな自治体でありますが皆様方の気持ちを全部一つにして、太田に明るい日差しを注ぎ込む。そしてそれが、日本全体に広がる。そういうことを、我々は自信を持ちながら一歩踏み出す。そういう21世紀にしたいと考えています。皆様方に協力を願うことが、非常に多くあると思います。なぜなら、行政には限界があります。しかし、市民の皆様の力は無限であります。その無限の力を、是非行政  に今後とも貸していただいて、太田の更なる発展のためにご協力をいただいて、初めて私達が胸を張ってあの世にいけると思っています。子供たちのために私達がやることそれは、いただいた財産をきちんとした形で次の世代にバトンタッチすることです。

これが、先輩に対する敬意とか、子供たちに対する私達の責任ではないでしょうか。我々は、その意識をもたなければなりません。こうして今日お集まり

いただきました皆様方と一緒に、先輩に対する敬意と共に、どういう形で子供たちにバトンタッチするか、これを、是非これから多く語り合いたいと思っております。

「そして、明日へ」

大変堅い話になって申し訳ありませんでした。

ですが、我々が今何をやるかを考えなければならない、そういう時代を迎えていることは確かです。だれだれの責任、国の責任、県の責任、誰が悪い。そういう論法は、もう我々の前から消し去らなければなりません。自分の責任で、自分が物事を解決していく。そういう責任ある市民の集合体、それが太田市であるということを、私は今、誓って、皆様方と一緒にやっていきたいと思っております。今日は、大勢の皆様方にお集まりいただきました。

この力が、私達の太田市の力であります。今後とも、私を含め、行政全般、皆様方のご協力を心からお願い申し上げ、粗辞でございますが、新春にあたってのご挨拶に代えさせていただきます。本当に今日はありがとうございました。

 2002/04/07

二○一四年四月七日(月)

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