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2016年1月27日 (水)

・2・地方自治無くして民主主義国家はあり得ない・84頁・

引用


引用下條村 自治体はこうやって運営する 河村市長も同意? 1/2 

effectmangt   effectmangt

https://www.youtube.com/watch?v=z8PwWydCDMQ

11:15 2016/01/29


なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか・第4章 デンマーク人が国を愛する心の原風景・平成28年1月26日・

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/4-28126-6e43.html

 16:46 2016/01/26


なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか 単行本 – 2008・2 ケンジステファンスズキ (著) 5つ星のうち 4.4 12件のカスタマーレビュー

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/20082-5-44-12-3881.html

9:36 2016/01/26 


2016年1月23日 (土)第2次世界大戦の敗北により、人心・国土とも荒廃したドイツ。その復興を担ったのが、73歳で首相に就任、14年間その座にあったアデナウアーである。戦前、ケルン市長として活躍した彼だが、ナチに迫害され引退。戦後、保守政党を率い、「復古」「反動」のレッテルを貼られながらも、常 著書に『ドイツの憂鬱』、『新生ドイツの挑戦』(丸善ライブラリー)、『あっぱれ技術大国ドイツ』、『ドイツ病に学べ』『住まなきゃわからないドイツ』『びっくり先進国ドイツ』『顔のない男・東ドイツ最強スパイの栄光と挫折』(以上、新潮社)など。

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2016/01/27314-5f56.html

14:54 2016/01/23


なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか 単行本–2008・2 ケンジステファンスズキ (著) 5つ星のうち 4.4   12件のカスタマーレビュー


世界最高レベルの社会保障制度を整え、食料もエネルギーも自活、世界でもっとも民主主義が進んでいる国、デンマーク。「共生」の政策理念の基盤となる国の歴史と国民の姿を通して、年金・雇用・貧困・格差・「愛国心」・環境・エネルギー・食料など問題の山積する日本社会を見つめ直す。  

・6・国際性は国土が狭く天然資源が無いからこそ育った・75頁・


第4章 デンマーク人が国を愛する心の原風景

・1・何百年もドイツと国境をめぐって争ってきた・77頁・


・2・地方自治無くして民主主義国家はあり得ない・84頁・


・3・何百年も国土の争奪戦が繰り返された・94頁・

・4・北欧三国の王家は親戚関係にある・99頁・

第5章 農奴が下支えした中世のデンマーク社会



第4章・84頁・ここまで16/1/27 9時3分9秒・

・2・地方自治無くして民主主義国家はあり得ない・84頁・


・中央政府になびかない国民性・

さて、1,250年頃のデンマークの人口は約80万人といわれ、各地に集落をつくって散在していました。王は各種の法律を出して国家統一を進めますが、ユトランド半島では、地方の有力豪農がその領地を統治していました。ユトランド半島に住む人々の自律性は高く、王権には服従しない地方気質が育っていきます。

中央政府は1,241年、フェン島と南北ユトランド半島に適用する「ユトランド法」、シェーランド島は「エリック・シェーランド法」、東部には「スーコンスク法」を公布、その他の地域には「教会法」などを適用して、統一国家化や地方への支配権の強化を進めていきますが、デンマーク全土をカバーする法律が公布されたのは、クリスチャン5世(在位1,670~99年)が国民の人権、宗教、通商などを定めた「クリスチャン5世のデンマーク法」(1,683年)でした(127頁参照)。

2007年1月1日からデンマークの行政システムは、国の下に5つの地方行政区(日本の県に相当する)と98の市町村が置かれる形に再編成されましたが、それ以前は13の地方行政区と271の市町村で構成されていました。このように13の県を5つの県に大幅縮小したのは、これまで県で取り扱っていた社会福祉や教育などの業務を市町村へ移管することで、住民と行政の距離を短くするという制度設計の変更に伴うものでした。84・


85頁・

デンマークではできるだけ住民に近いところで行政が行われるというベクトルが働いているようです。

今日においてもデンマーク人は中央権力に迎合しない国民性を持っています。これは、国土が半島と点在する島で構成されているという地理的な事情から、地方の独立性が高く歴史的に中央集権国家の体制が発達しなかったためと考えられています。

・王権と神権・市民権が衝突して、王が譲歩していった・


1,215年、イギリスでは「マグナ・カルタ(大憲章)」(ラテン語でマグナは偉大な、カルタは憲章、契約書の意味)が公布されています。「マグナ・カルタ」は「イギリスの憲法の土台となった文書。封建貴族たちが、ジョン王の不法な政治に抵抗して承認を強制したもの」(「広辞苑」)で、国王の権力を限定する63カ条からなる条項でした。

とくに重要な項目は、「教会が王の支配から自由であると宣言」(第1条)、「王の徴税権を制限」(第12条、王家は戦争に際して戦争協力金などの名目で税金を集めていた)、「自由市は公益の自由を持ち、自らの権限で関税を決める権限の規定」(第13条)、「議会招集の規定」(第14条)、「市民は法から裁判によらなければ、自由や生命、財産を犯されない」(第38条)、など、教会や市民に対する王権の行使を制限する性格を持った文書でした。


この「マグナ・カルタ」の条項を改めて見ると、民主主義の基本原則が織り込まれていることに気付きます。当時は、「王権神授説」あるいは「帝王神授説」と言う「君主の権力は神から授けられたものであり、人民に反抗の権利はないとする説」(広辞苑)が信じられていた時代であったため、負う(君主)の権力は絶対であり、国王は自分の思うように国を治めることができていたのでした。85・


86頁・その時代に「マグナ・カルタ」は王権の権力の制限を設け、権力行使の正当性の担保に教会・市民の承認を求めたのです。


「マグナ・カルタ」によって近代の民主主義の重要な原理である「法治主義」「議会主義」が提示されたのですが、実は、「マグナ・カルタ」の少し後に、同じような事件がデンマークでも起きています。

バルダマー・サイヤーの3番目の息子クリストファー1世(在位1,252年~59年)は、教会との権力争いが原因で暗殺されます。その王位を継承した息子のエアリック・クリッピング(在位1,259年~86年)は公開の力に屈し、戴冠式に際して国家の運営は教会の指令に基づくことを「確約」しました。


このクリッピング王が教会(市民)から確約させられた最も重要な原則は「いかなるものでも法律と判決なしに拘束すべきではない」というものでした。つまり、中央政府の王の権威と言えども「法律と判決」から自由ではないという近代法の原則の承認でした。86・


・首都コペンハーゲンに本社が無い・

この様に早くから王権と教会・市民の主張が衝突して、王権が規制されていたこと、また、半島と島で構成されている地理的条件もあって、強力な中央集権国家体制が発達しなかったデンマークには、産業界と国家との間に癒着の構造が生まれることがありませんでした。86・


87頁・

日本のように中央政府の関係者(政権政党、国家官僚など)と関連業者が親密な関係になり、例えば防衛庁の役人のトップが300回以上のゴルフ接待を受けたり、その奥さんの高級カラオケ店の遊興費まで業者に面倒を見てもらったというような、スキャンダラスな報道にはデンマークではお目にかからないのです。

業者と中央政府の役人たちとの日常生活的な密接な付き合いがありませんから、大企業でも首都コペンハーゲンに本社、本社工場を構えていません。たとえば、世界最大の風力発電機メーカーであるベスタス・ウインド・システム社も、玩具メーカーのレゴ社も、ポンプメーカーのグロンホース社も首都のコペンハーゲンに本社、工場を構えていません。それぞれ起業した地方都市に工場や事業所を持っています。


・地方都市が健全な国は、国全体が健全・


日本では大企業の多くは「東京本社」を開設していますが、純粋に企業経営を考えたら、世界で最も土地の高い場所に本社を置くのは不合理です。

そもそも東京のように一極集中の大都市は大変不合理で、不便な住環境で、人間の生赤津環境としても健康的なものではありません。東京や大阪など大都市に住む人たちのために、毎日何百台、何千台と言うトラックや鉄道で食料を供給しています。渋滞を重ねながら、膨大な人的エネルギーを使って食糧を供給することによって得られる生産性は当然マイナスです。87・


88頁・また、食糧を遠距離輸送・長距離間販売するために加工食品には、食料添加物、保存料の使用が不可欠になります。さらに大消費地に向けて大量流通する結果、売れ残った食品を目の前にして、製造業者、販売業者は材料の再加工、製造月日を付け替えて再出荷する誘惑にさいなまれます。食品偽装問題を解くカギもここら辺にありそうです。不健康な生活環境は、最終的には医療費の負担につながることを考えると、大都市集中型の国土利用は決して良い結果を生まないのです。


首都に本社を構えないことは、地方都市にとっても企業にとってもメリットがあります。土地の値上がりや通勤の渋滞が無く、国民経済の観点から見てもプラスです。日本では100万人くらいの地方都市が経済的・文化的に自立したシステムで成立していれば、人々の通勤・通学の距離はバスでせいぜい20分程度「職住接近」が実現します。それによって、労働力移動の省エネルギーが可能になり、通勤や通学のストレスも解消されます。食料の供給もいわゆる「地産地消」が実現します。


そのためには地方都市の農業を活性化、仕事を創りだすインフラ(動力用電力供給や通信回路)の整備が必要です。また、企業化が育つような教育や社会の仕組みを作る、長期的なプランが必要になります。88・


89頁・

・デンマークでは「天下り」を聞いたことが無い・

デンマークの企業が、コペンハーゲンに本社を構えないのは、雇用者の確保、不動産の確保などから経済的メリットがあるからですが、国内市場が小さいデンマークにとって、国内販売もさることながら国外販売を見出さなければならない事情もあり、コペンハーゲンを飛び越えてロンドン、パリが重要なのです。


・このような実利的な理由も考えられますが、そもそも「コペンハーゲン本社」を設ける必要が無いのです。日本の企業がこぞって東京本社を開設する理由は、政治家や官僚との連絡機関、利権調整の舞台として必要とされているように思えてなりません。


デンマークの産業界が官僚や政治家とどのように関わりを持ち、頼みごとをする度合いが日本と比較して多いのか少ないのかは判断できませんが、産業界には政治や行政とは密接な関係を持たないとする企業風土があるように思えます。また、行政や官僚は産業間の存続に関して「口を出さない」し、「出させない」仕組みになっています。

まず・1・を見てください。このデータを見ると、大半の企業が起業の運営の必要上、公共機関との接触を持っていることが分かります。89・


90頁・

調査対象293社の約9割の企業が少なくとも年一回、企業の運営の必要から公共機関と接触しており、企業の規模が大きいほど公共機関への接触が多いことが分かります。

一方、企業の政治家や官への接触の頻度については表・2・の通り、60%以上の会社で接触はほとんどなく、欧州議会議員や役人のとの接触となると80%以上の企業が「接触はほとんどしていない」と回答しています。だだし、業務に関係する関係官庁や委員会メンバー、地方自治の政治家や役人との接触は多くなっています。企業が多く接触する関係官庁や委員会のメンバー地方自治の政治家や役人との接触の理由は業界によって違いますが、とくに建設業界では、建築の許認可のために接触が多く、IT部門では一般的規制の確認のために接触が多くなっています。


デンマークの産業界と各レベルの行政機関との関係、企業と政治家や官僚との接触度合いは、程度の差があれ日本とは違いはないと思いますが、その質に大きな違いがあるように思います。確かなことは言えませんが、日本に見られる「天下り」と言う話をデンマークでは聞いたことがありません。

日本では、関連部署にいた役人を雇用することで、その役人の人脈を通じて会社の業績を上げるという手法が残っているようですが、デンマークでは聞いたことが無い企業と行政の間の風習です。


官僚が中心となって業界を指導する日本の「護送船団方式」の手法もデンマークではお目にかかったことがありません。日本の官僚が相変わらず「護送船団方式」を完全に投げ捨てないのは、国益を守るという反面、国家の指導に従う企業を優先する、そして官僚や役人が企業経営に影響を及ぼす余地を確保しておくことで「将来の就職先」つまり天下り先を囲い込んでいるように思えます。90・

91頁・下に続きます

引用2016年1月28日 (木)行政官僚と産業界との癒着は封建制度時代から引き継がれている国のかたちと・・・・・デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか 単行本–2008・2 ケンジステファンスズキ (著)

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/20082-e7ed.html

8:51 2016/01/28


 


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