« デンマークという国 自然エネルギー先進国―「風のがっこう」からのレポート 単行本–2006・2 ケンジステファンスズキ (著) 食料の外国依存からの脱却を・・・膨大な市場に参入を・215頁・ 水浄化のためにバイオガスシステムの普及を・215頁・220・ | メイン | なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか 単行本 – 2008・2 ケンジステファンスズキ (著)第9章 教育の目標は「国家運営」に参加する国民をつくること169頁・4・まだ、「国定教科書」が生きている国・170頁・5・新しいものを生むには現状の否定が必要・171頁・ »

2016年2月23日 (火)

なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか 単行本 – 2008・ ケンジステファンスズキ ・第9章 教育の目標は「国家運営」に参加する国民をつくること165・デンマークのある小学校の6年生は環境教育の課題で「高速道路の建設に関する賛否」と言うテーマを取り上げました。なぜ小学6年生の環境教育で「高速道路の建設問題」を取り上げたのか、その理由は高速道路の施設によってその場所で生息していた動力物の生地を奪うという自然の破壊行為と言うマイナ


引用・170頁・まで

大崎町・混ぜればゴミ分ければ資源!住民・行政・NPO協働で進める 最新 地域再生マニュアル・・プラスチックごみの山が油田に変身

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2015/11/npo-dab6.html

https://www.town.kagoshima-osaki.lg.jp/osaki04/default.asp

13:59 2015/11/19


第9章 教育の目標は「国家運営」に参加する国民をつくること165・

平成28年2月23日 火曜日・


・1・エネルギー自給政策に国民が参加している・165頁・

2007年1月現在、デンマークは5267基、314万kWの風力発電設備が稼働しています。全電力消費量に占める風力発電の占める割合は2007年1月においては35・9%となっています。(年間平均19%)。この314このkWの風力発電によって、年間約230万㌧の石炭を節約し、一方では532万㌧の二単価炭素削減を実現しています。

デンマークが国際社会に約束した、1990年から2010年における二酸化炭素削減量は年間ベースで約1200万㌧ですが、このうちの約半分を風力発電によって削減しているのです。この風力発電の所有者は約85%は個人、または個人の出資によって設置したものです。

最近、議会や風力発電業界では2025年に向け、電力消費量の50%を風力発電によって賄うというエネルギー戦略が検討されています。このような風力発電の成長の背景にあるのは、世論の支持です。最近の世論調査によるとデンマーク人の80%は「風力発電をもっと増やすべきだ」と答え、80%以上の人たちは風力発電の電力料金が割高になっても払うと答えています。165・


166頁・

この例のようにデンマークと言う国では国民の意思が政治に直接反映するシステムが出来上がっています。「国家運営」に国民1人ひとりが参加しているという実感が持てる国になっています。こうした意識の形成に学校教育が大きな役割を果たしています。・16/2/23 15時17分


・2・環境教育の目標は行動する市民を育成すること・166頁・

デンマークのある小学校の6年生は環境教育の課題で「高速道路の建設に関する賛否」と言うテーマを取り上げました。なぜ小学6年生の環境教育で「高速道路の建設問題」を取り上げたのか、その理由は高速道路の施設によってその場所で生殖していた動力物の生地を奪うという自然の破壊行為と言うマイナス面と、高速道路ができた場合における、物流のスピードアップによる地域や産業の活性化と言うプラスの面を考えるためだと説明しています。166・


167頁・

デンマークの選挙権および被選挙権は18歳からですが、12歳頃からこのような国家運営の根本となる施策への自己の意見を確立するための準備が始まっているのです。

デンマークが環境先進国とよばれるまでに至った過程には、学校教育が重要な役割を果たしています。デンマークにおける児童の環境教育の目標は、環境教育を通し、児童が大人になった時に「環境破壊、資源の分配と利用、人口増加、動植物の絶滅問題に対し、行動力のある市民となって建国にあたる」こととされています。167・


168頁・これはデンマークの環境教育の目標に書かれている言葉です。

この「環境教育の目標」が設定された背景には、1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された環境サミットで提案された「アジェンダ21」がありました。地球環境保全のために「地球的規模で考え、地域で行動する」ことを人類の課題として提起したことに呼応してデンマークの学校では「緑の旗」運動が始まります。

1993年9月、デンマークのシェーランド島グラードサックス町のモークホイ中学校の9年生が、「環境に負担をかけない学校作り」と言う運動を始めます。この運動の目標は、子供が環境とその保全問題に自ら取り組むことで「自然界とふれあいの喜びと自然を守る知恵を身に付けること」とされ、その後「緑の旗」と名づけられた運動となっていきます。168・


169頁・

・・学校で消費する水や電気を節約し、廃棄物を削減し、学童として地球温暖化への協力を目標に掲げた「緑の旗」の運動は、その後、イギリス、オランダ、フランス、スペインなど各国に広がっていきます。そして「エコ・スクール」と呼ばれる国際名称になり現在、ヨーロッパを中心に32ヵ国に広がっています。


欧州諸国ではエコ・スクールの登録校は約1万2000校と言われ、その中で環境保全認可校として「緑の旗」を取得した学校は4000校に達します。デンマークでは、2006年現在、全国約1600校ある小中学校のうち、エコ・スクール登録校は210校、「緑の旗」を取得した格好数は188校に達しています。

この「緑の旗」運動が、その後の欧州連合諸国に二酸化炭素の削減につながったと言ったら、大げさに聞こえるかもしれませんが、多大な影響を与えたと私は考えています。169・ここまで


・3・日本の学校教育は解決策を考えさせない・169頁

・平成二十八年二月二十四日・

日本の子供たちも「地球温暖化問題」に関し、ある程度の知識や情報を学校教育の中で得ていると思います。しかし、子供たちの活動によって、地域や国の政策に影響を及ぼすことはほとんどないと思えます。なぜなら、日本の学校教育の目標がそこにはないからです。自らの意見を持ち、行動していく人格を育てていくことが教育の目標になっていないからです。

日本の教育の目的は相変わらず「最終的には大学受験」にあるように感じます。地球の温暖化問題を知っていても、そのために学習の時間、体験の時間、解決のための実際的な行動を子供たちが学校の時間の中で費やすことを、親も学校関係者も教育委員会も文部科学省もおそらく嫌っているのだと思います。196・


170頁・知識は身につけるけれど、行動力は持たない、あるいは持たせない、政治に口を出さず、自分たちの国づくりに参加できない傾向を持つ子供たちが学校教育を通して育成されているのではないでしょうか。ここまで・


 

 

 

・2・環境教育の目標は行動する市民を育成すること・166頁・

 

・3・日本の学校教育は解決策を考えさせない・169頁・

 

・4・まだ、「国定教科書」が生きている国・170頁・

 

・5・新しいものを生むには現状の否定が必要・171頁・

 

 

 

なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか 単行本 – 2008・2 ケンジステファンスズキ (著) 5つ星のうち 4.4 12件のカスタマーレビュー

 

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/20082-5-44-12-3881.html

 

9:36 2016/01/26

 

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ケンジ・ステファン・スズキ

 

旧姓、鈴木健司。S.R.A.デンマーク、「風のがっこう」代表。1944年、岩手県生まれ。1967年、青山学院大学中退後デンマークに渡り、翌年コペンハーゲン大学政治経済学部に入学。1971年から在デンマーク日本大使館に勤務し、その後農場経営をはじめる。1979年、デンマーク国籍を取得。1990年、中部ユトランド商科大学会計学部税法学科を卒業。同年、S.R.A.デンマークを設立。デンマークの風力発電機、バイオマスプラントを日本に普及させる事業を手掛ける。1997年、デンマーク・ウアンホイに「風のがっこう」を設立。環境政策などの視察でデンマークに訪れる日本人のための研修施設として運営を開始。2002年、京都府弥栄町に「風のがっこう京都」を町営の環境教育施設として開校。2004年、「風のがっこう栃木」と業務提携し、研修業務を支援。現在は、日本とデンマークを往復しながら、さまざまな事業を手掛けるほか、講演活動などを精力的におこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

登録情報 単行本: 189ページ出版社: 合同出版 (2008/02)

 

発売日: 2008/02

 

 

目次

 

まえがきにかえて・9頁・

 

 

私がデンマークに移り住んで、今年で41年目の春になります。本文にも書きましたが、デンマーク留学の目的はこの国の社会福祉政策を勉強することでした。大学4年、23歳の時でしたが、ユトランド半島の片田舎の農場にホームステイしてデンマーク語を聞きかじりながら、翌年1968年の9月、コペンハーゲン大学政治経済学部に入学しました。

 

本格的に北欧風の国家経済学を学び始めましたが、実は、短期留学の計画でした。デンマークで生活しているうちにこの国のあり方にすっかり魅了されて、12年後にはデンマーク国籍を取得することになってしまいました。今日、たくさんの学生や研究者、実務家の皆さんがこの国の社会福祉のありようを学びに訪れます。日本の国としてのあり方に欠けている何かが、この北の果ての小国にはあります。

 

デンマークの環境政策、とりわけ自然エネルギーに関しては前著「デンマークと言う国自然エネルギー先進国」(2003)に詳しく書きましたが、日本とデンマークを往復しながら、両国の実情を管見していると、国のあり方をもっと深く理解するために、歴史を振り返ってみたいと思う気持ちが募ってきました。9・

 

10頁・デンマークと言う国の成り立ちとその歴史のダイナミズム全体を叙辻することは、もちろん私の手に余るテーマですが、デンマークと言う国がなぜ、福祉国家・・・人間を大切にシステムをつくることに成功したのか、そんな国を実現した国民性はどのような形成過程をたどったのか、をまとめてみたいと思っていました。そのことが、第2の故郷である日本のあり方を考える手掛かりになうと考えたからです。

 

国家は結局、人々の集まりです。社会を形成した人々が、過去から継承した生活環境を基盤にして、それを改善しながら生活を営んでいます。今日の延長が明日であり、将来の社会は今日の生活から来た教訓を基に築かれていきます。

 

社会も国家も、繁栄と衰退、発生と滅亡を繰り返します。そのリズムや変動の要因は何なのか、その解明は歴史学の中心的な課題でしょうが、歴史家でない私は、デンマークでの生活を通じて体験したデンマークと言う国の理念・システムを手掛かりに歴史を掘り返す作業を繰り返しました。その過程で生まれたのがこの本です。

 

読者のみながんがデンマークと言う国のシステム、デンマーク人の国民性を理解する一助になれば幸いです。そして、そのことが同時に、日本と言う国のあり方を考え、現状を改善していくヒントのようなものが見つかれば望外の喜びです。

 

平成28年1月26日 火曜日・

 

 

 第1章 デンマーク・私が「理想とする国家」に近い国

 

・1・億単位の医療費も税金から給付される・11頁・

 

・2・教育費はすべて国が負担する16・

 

・3・18歳からは国は扶養義務を持つ・22頁・

 

・4・食料自給率は300%を超えている・25頁・

 

・5・エネルギー自給率は156%を達成した・26頁・

 

 

第2章 なぜ、デンマーク人は国に愛情を持つようになったか

 

 

・1・民主主義と幸福度は比例する・31頁・

 

・2・デンマーク人の事業化は国境を越えて活躍する・34頁・

 

・3・バス・タクシーの運転手が女性なのは当たり前・39頁・

 

・4・国政選挙の投票率が80%を割り込んだことが無い・40頁・

 

・5・高額の税金に対してさしたる不満が無い・46頁・

 

・6・デンマークの田舎生活は快適・50頁・

 

 

第3章 氷河とバイキングがつくった北欧の小国

 

・1・狩猟民が南の方から移動してきた・53頁・

 

・2・バルト海がデンマークの農業を育てた・58頁・

 

・3・バイキングはヨーロッパの文化を攪拌した・60頁・

 

・4・バイキングの遺伝子がデンマーク人を鼓舞する・63頁・

 

・5・国民の85%がキリスト教徒・70頁・

 

・6・国際性は国土が狭く天然資源が無いからこそ育った・75頁・

 

 

第4章 デンマーク人が国を愛する心の原風景

 

なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか・第4章 デンマーク人が国を愛する心の原風景・平成28年1月26日・

 

http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2016/01/4-28126-6e43.html

まだ

 

・1・何百年もドイツと国境をめぐって争ってきた・77頁・

 

・2・地方自治無くして民主主義国家はあり得ない・84頁・

 

・3・何百年も国土の争奪戦が繰り返された・94頁・

 

・4・北欧三国の王家は親戚関係にある・99頁・

 

第5章 農奴が下支えした中世のデンマーク社会

 

・1・デンマークを支えた穀物とニシン・103頁・

 

・2・北欧三国の連携が始まった・105頁・

 

・3・職人層が力を持ち始めた・109頁・

 

・4・中世社会の基本構造・118頁・

 

・5・宗教改革を潜り抜けたヨーロッパ社会・122頁・

 

 

第6章 神聖なる王権から国民の主権へ

 

・1・絶対王政から立憲君主国に・127頁・

 

・2・「生地帰属農民制度」の過酷・130頁・

 

・3・フレデリック6世の善性・133頁・

 

・4・近代憲法が誕生した・136頁・

 

・5・自分たちを守る仕組みとしての協同組合・140頁・

 

・1・デンマークの手工芸と産業の発展・142頁・

 

 

第7章 福祉制度をつくり出したデンマーク・福祉を考えなかった日本

 

・1・200年前の「貧困救済計画」の先進性・147頁・

 

・2・国家の倒産と社会福祉システムの崩壊・149頁・

 

・3・自治体が受け持つ3つのセイフティーネット・150頁・

 

・4・国民生活への最低限のセイフティーネット・152頁・

 

・5・日本では国民のための福祉政策が実施されたことが無い・153頁・

 

 

第8章 デンマークは「戦争」とどう闘ったか

 

・1・ドイツに占領されたデンマーク・157頁・

 

・2・ドイツ軍に抵抗した国王と若者・158頁・

 

・3・ユダヤ人を救ったデンマーク市民・161頁・

 

・4・戦争をしない決め手は食料とエネルギーの完全自給・163頁・

 

 

第9章 教育の目標は「国家運営」に参加する国民をつくること

 

・1・エネルギー自給政策に国民が参加している・165頁・

 

・2・環境教育の目標は行動する市民を育成すること・166頁・

 

・3・日本の学校教育は解決策を考えさせない・169頁・

 

・4・まだ、「国定教科書」が生きている国・170頁・

 

・5・新しいものを生むには現状の否定が必要・171頁・

 

 

第10章 借金を残さないデンマーク・つけを残す日本

 

・1・高福祉でも国家財政は黒字・173頁・

 

・2・引き継がれた悪癖・権力者の汚職文化・174頁・

 

・3・毎年借金が増えていく日本・176頁・

 

・4・納税額が少ない日本・177頁・

 

・5・米国の下請け国家になっていないか・178頁・

 

・6・故郷の里山を「産業廃棄物」の捨て場にする行政マン・179頁・

 

・7・「国民の福祉」はごく基本的な願い・182頁・

 

・8・この現状を変えていくいくつかの提案・184頁・

 

あとがきにかえて

 

資料・参考文献・

 

平成28年1月24日

 

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間違いなく考えさせられます

 

 

 

北欧の福祉モデルについて何冊か読んでみましたが,デンマーク入門ではこの本が一番かと思います。決して,専門的な本ではないのですが,今住んでいる人の目線だけでなく,日本人としての目線でも意見が述べられており,いろいろ考えさせられました。圧巻は,デンマークの歴史を説明しながら,現在の福祉政策や国民性のベースとなっている事柄を指摘しているところです。事実や実態の解説だけでなく,それらのバックグランウンドまで言及していることで,理解がぶれなくなります。

 

 

 

それにしても,デンマークの現憲法が福音ルーテル教会の支持を明言していることや,バイキング船に甲板がなかったことがドイツの繁栄につながったことや,長きに渡りデンマーク国王がノルウェー国王/スウェーデン国王を兼務していたことなど,北欧については知らないことばかりだと思い知らされますね。

 

共生社会を考えたい

 

 

 

教育の成果は個人に恩恵をもたらすばかりでなく、デンマーク社会を豊かにする国政選挙の投票率の高さ 国を愛するがために行動することその国に住む国民が「競争社会」を選ぶのか「共生社会」選ぶのかなど医療・福祉・教育制度の充実ぶり、食料・エネルギー自給率の高さ、それらを支える国民の意識について考えさせられました。

 

ただ、それらを賞賛する文章が続き、その現状や課題についてはまったく記述がないので、すべて信じていいものかという疑念も生じました。デンマークに住んでいる方のブログなどを見ると「幸福な国」に否定的な文章も散見します。この本を書かれた方は風力発電機の事業をされているそうなので、デンマークで成功された方として、またはそのセールストーク的な面もあるのかと感じました。

 

共生社会を考えたい

 

 

 

教育の成果は個人に恩恵をもたらすばかりでなく、デンマーク社会を豊かにする国政選挙の投票率の高さ 国を愛するがために行動することその国に住む国民が「競争社会」を選ぶのか「共生社会」選ぶのかなど医療・福祉・教育制度の充実ぶり、食料・エネルギー自給率の高さ、それらを支える国民の意識について考えさせられました。

 

ただ、それらを賞賛する文章が続き、その現状や課題についてはまったく記述がないので、すべて信じていいものかという疑念も生じました。デンマークに住んでいる方のブログなどを見ると「幸福な国」に否定的な文章も散見します。この本を書かれた方は風力発電機の事業をされているそうなので、デンマークで成功された方として、またはそのセールストーク的な面もあるのかと感じました。

 

間違いなく考えさせられます

 

 

 

北欧の福祉モデルについて何冊か読んでみましたが,デンマーク入門ではこの本が一番かと思います。決して,専門的な本ではないのですが,今住んでいる人の目線だけでなく,日本人としての目線でも意見が述べられており,いろいろ考えさせられました。圧巻は,デンマークの歴史を説明しながら,現在の福祉政策や国民性のベースとなっている事柄を指摘しているところです。事実や実態の解説だけでなく,それらのバックグランウンドまで言及していることで,理解がぶれなくなります。

 

 

 

それにしても,デンマークの現憲法が福音ルーテル教会の支持を明言していることや,バイキング船に甲板がなかったことがドイツの繁栄につながったことや,長きに渡りデンマーク国王がノルウェー国王/スウェーデン国王を兼務していたことなど,北欧については知らないことばかりだと思い知らされますね。

 

みんなが読めば日本人の考え方も変わるかも

 

 

 

感心したこととしては、エネルギー自給率が100%以上であること。自立した国民性であること。医療や教育費の心配がないこと。国の借金がないこと。税率が高いためみんなが政治に関心を持ち、参政していること。

 

それに比べ、日本人はすべて正反対だ。この本を読んでから、「私も国を変えるのは政治家でなく、国民ひとりひとりなんだ」と感じ、なるべく意見を発信したいと思うようになった。皆さんも、国を建て直すために、建設的な意見を出そう。なんなら、自ら立候補して、利権にしがみつく政治家を引きずり下ろそう。これからの日本がお手本にしたい国の本 日本人の幸福観を根本から変えてくれる1冊

 

投稿者21世紀のケインジアン2008年11月13日

 

世界一幸福な国ランキングNO.1の国、デンマーク。環境先進国として知られているほか、日本がとても遅れているワークライフバランスの先進国としても知られている。

 

人口540万人の人口は、北海道とほぼ同じでしかない。しかし、デンマークの歳入額は、北海道の 20倍にもなる。一人当たりのGDPは700万円といわれ、健全な黒字国家である。赤字で苦しむ日本国とはまったく違う。国も潤い、国民も経済的に豊かで幸せ感が高い国が、デンマークだ。「持続可能」というテーマで世界を見ていると、デンマークで行われてきたことが大変興味深い。日本人の幸福観を見直す観点からも是非、読んで欲しい一冊です。

 

日本も国民全体の国政への関心を高めることから始めよう

 

 

 

歴史をなぞりながら、今のデンマークを解説している。デンマークが福祉国家へ歩み始めたのは、1683年の「クリスチャン5世のデンマーク法」あたりから原型が形づくられている。

 

キリスト教を基礎とした人道主義と、民主主義を基本とした自立精神がある。

 

1、デンマーク人は建国以来ヨーロッパ全体を市場として生きて来た国民である。

 

2、その歴史的過程が今日の世界を相手に事業をする企業や個人事業家にまで継承されていること。

 

3、権限を持つものが弱者を庇護し、弱者同士が互いを守り合う「共生の国民性」は「デンマーク王国」を建国する過程で費やされた大きな犠牲が生み出したものであること。

 

国民各層が大きな犠牲を払って国を守ってきたことが「国を愛する国民性」となり、国家を守ることとは何か、を認識する国民を育成してきた。

 

それが「ゆりかごから墓場まで」国民同士で守りあう、社会福祉制度の導入につながり、今日の自然エネルギーの導入にも繋がっている。

 

 

 

食糧とエネルギーが自給率100%を越えている。教育と医療費は無料。確かに税金は高いが、政治を信頼しており国民の合意はできている。すべてが良い循環になっている。

 

投票率も高い。国防の意識も高い。国民背番号制があり脱税が難しい。行政と産業が癒着しておらず官僚の天下りがない。労働組合は企業別ではなく職種別になっている。新規採用制度や定年がない。デンマーク王室は国民から敬愛され、垣根も警備もいらないぐらいの環境を作り出している。

 

デンマーク人は自国を愛するが故に高額な納税をし、国を守るために徴兵制度を導入し、中学生から政治活動に参加する。家族の誕生日にも国旗を揚げる。国歌は賛美歌と一緒に歌われる。

 

つまり具体的な行動になって「愛国心」が現れているのだ。

 

 

 

子供は大学進学を目標とせず「教育の目的は個人が持つ能力や才能を社会のために育成すること」という教育理念がはっきりしている。

 

正誤でなく問題解決能力を伸ばす。デンマークでは歴史教育に力を入れている。

 

国家運営に参加する国民を作ることを目標としている。

 

12歳で「高速道路の建設に関する賛否」というテーマを取り上げ、自然破壊というマイナス面と、物流効率活性化というプラス面を考える。デンマークの選挙権は18歳からだが、12歳頃からこのような国家運営の根本となる施策への自己の意見を確立するための準備が始まっている。そして18歳になった時、選挙を通し国政に参加する市民としての条件を育成している。

 

日本では自分の意見を持ち行動していく人格を育てることが教育の目標になっていない。知識は身につけるけど行動力は持たない、政治に口を出させない。

 

良い大学に入ることが目標になってしまっている。

 

デンマークでは入学試験がなく、高校での成績がそのまま入学資格になる。

 

サバドーというモラトリアム期間があり、多くの若者がアルバイトをしながら様々な社会活動に参加し、のちに職に就いた時に役立てる。

 

 

 

こうして日本と比較してみると両者の違いがはっきりしてくる。デンマーク人は国との一体感や信頼感がある。親子の団らんでも政治の話をする。問題を放置することなく積極的に話し合い改善策を考える。日本では愛国心や国旗や国歌に対して複雑な思いを抱えたまま今日まで放置されている。

 

日本人は国の運営に対して参加意識が薄い。官に服従する精神が強く、「誰かが何とかしてくれる」と人任せになりがちで、政治に無関心で投票率も低い。民主主義を行使していないのだ。

 

著者は「このような社会を作った原因は国家を管理運営する人たちに「あるべき国家の理念」が欠けているため。」と語る。その通りだと思う!

 

国全体のことを考えない官僚。カネと権力しか興味のない政治家。

 

国民から権力者まで日本国民ひとり一人が、「臭い物に蓋、見て見ぬフリ、知らんぷり、自分さえ良ければいいという歪んだ個人主義」が蔓延している。こういったことが国家運営の障害になっていることは間違いないだろう。

 

確かにデンマーク人の意識の高さには見習うべきところがある!

 

日本はデンマークの制度を取り入れるにしても、まずは意識改革が先だろう。

 

日本もデンマークを参考(モデル)にして、国の設計図から構想できるはず

 

 

 

北欧がかなり高いレベルで福祉と政治への満足度を実現していることはよく知られている。この本で示されたデンマークの福祉や諸制度は人間のことを考えられて構想されて実行もされていることがよくわかる。日本で想像する以上のレベルに達しているとみな驚くに違いない。

 

 

 

著者のお孫さんの医療に関する記事を読むと痛感する。心臓の病気で手術と入院を何度も繰り返しているが医療費は無料で親が看護のための休暇をとれば収入もそれなりに補ってくれるというものだ。

 

 

 

こういう事実を挙げていくと、日本の政治かや企業をはじめとするリーダ達は人口が少ないからできたなどと逃げ腰になることが殆どだし、官僚も似たような態度だろうな。

 

 

 

日本の政治、経済力と国民福祉の関係、税金の使途など改善する際の方向性を示してくれている本です。多くの人が手にとって欲しい。

 

日本でも高福祉と強い国際競争力が実現できる?!

 

 

 

高額な税金(所得の70%、消費税率25%)で、無料の教育、無料の医療費、失業時の高保障を実現しているにもかかわらず、国家財政は黒字、世界競争力ランキングで3位(日本8位)、1人当たりのGDPは日本の1.35倍、1人当たり貿易額は日本の3倍、エネルギー自給率156%、食料自給率300%超。

 

デンマークが「なぜ、どうして」これらを実現できたかを、デンマークに生活している生活者の視点とバイキングの時代から遡って視ることによって答えを見出そうとしたのがこの本です。体系的で整理された学者の本ではないが、競争社会、格差社会と福祉・高齢者切り捨てで混迷する日本の根源とあるべき姿を考えさせてくれる本である。

 

皆に読んでほしい。

 

北欧の高福祉は何十年も前から羨望の対象として語られてきたが、そのために長い時間をかけて国づくりを行ってきたことにまず注目すべきであろう。高福祉には高負担が伴うが、それを厭わない国民に日本人はなれるのか?それともやはり日本人には「中福祉・中負担」なのか?このような語り尽くされた論議のほかに私が注目したのは、本文中にあった、自分たちの将来の生活のために、安易に隣町の安い店に走らず、少々高くても近所の店で買うというデンマーク国民の姿勢だ。これなら、中国野菜や餃子問題は起こらないであろう。自分中心の生活により自らの首を絞めている私達日本人にまねができるだろうか。

 

幸福王国と不幸王国、同じ王国でありながらなぜこんなに正反対なのか、

 

 

 

だれもが尊重される社会と誰もが尊重されない社会。のびのび社会とジミジミ(チジミとジメジメの合成)社会。よしよし社会とダメダメ社会。日本の王様はなぜ国民を幸福にしないのか。

 

日本の教育はなぜ国民を奴隷化しようとするのか。日本は一部の特権者のためにすべてが奴隷化され、幸福が犠牲にされるという状況である。民主政治ではなく脅迫政治が実態である。

 

 

 

解決策:

 

公務員の終身雇用、年功序列制を禁止すること。公募制にすること。年齢身分差別に関わる制度をすべて見直すこと。小中学校でも同じクラスにいろいろな年齢の人がいるような状態にすること。小中学校も単位制にすること。落第、飛び級は個性の尊重として認められるべきこと。

 

エネルギーと食料自給率が100%を超えるデンマーク

 

 

 

デンマークという国を日本との比較で紹介した本です。教育や福祉に対する意識の高さ、愛国心、どれも今の日本にとって見習うべきところと思いますが、デンマークという国の歴史的な背景から来るものだと言うことが、詳細に述べられています。

 

中でもうらやましいのが、エネルギーと食料自給率が100%を超えるという点です。両方とも、これから世界的な不足が問題になることは目に見えていますが、これらの問題を克服している点に、デンマークと言う国のすばらしさを感じました。

 

公務員の必読本に指定して欲しい良書です。

 

 

 

タイトルが長く、一見くどい感じを受けましたが読んでみて、まず、日本の全公務員が読むべきだと感じました。驚いたことにデンマークは世界最高レベルの社会保障制度が整っていて、食料もエネルギーも自国でまかない、かつ民主主義がもっとも進んでいる国だそうです。

 

 

 

例えば●病院の入院、治療費は無料

 

●小学校から大学までの教育費も無料

 

●大学入試もなし

 

●高等学校三年間の全ての科目の平均点数で大学と学部が決まる

 

●職業学校や大学に通学する18歳以上の国民には国庫から「奨学支援金」が支給そして、国民は福祉制度を支えるため

 

〇高額な税金を納付当たり前といえば当たり前ですがこの素晴らしい社会保障制度は制度を乱用しないという国民同士、国民と国家の信頼関係、税金が国民全体のために使われているという合意が大前提となっています。

 

(血税を湯水のように垂れ流し続ける日本とは大違いです。)

 

同じ地球上にここまで対照的な国が存在しているとは!食料自給率も300%以上、エネルギー自給率は156%超、財政は黒字。かたや、日本は900兆円の赤字を抱える借金大国です。

 

加えて年間の自殺者が毎年3万人以上、無縁死、孤独死される方々も3万人以上で美しい国どころか恐ろしい国になりつつあります。家族の責任は家長にあるように国家の責任は国のトップにあります。ぜひ、公務員、特に国会議員は何度も精読し、自らの税金の垂れ流しと事なかれ主義を猛省し、少しでも幸せな国を築いてほしいと思いました。また別の意味で、危機感と希望の両方を持つことができる素晴らしい本だと思います。

 

健全な日本社会をつくっていくための手引書楽しく読ませていただきました。

 

特に「フレデリック6世の善政」や「200年前の貧困救済計画」の先進性に驚かされました。なんて人民のことを大切に平等に考えているのでしょう。また、第2次世界大戦中、ドイツがデンマークに侵攻した時、わずか4時間で降伏し、占領を受け入れた指導者の判断もすばらしいと思います。それに比べて日本のとった行動は被害、加害を含め情けないの極みです。

 

デンマークの良さをたくさんの日本人に知ってもらって、日本をもっと改善していって欲しいと思います。その上で、本書は手引書として大いに役立つと確信しております。

 

15:10 2016/01/24

11:12 2016/02/22

 

 

 

「植草一秀の『知られざる真実』」            2016/02/21

 

 オールジャパン連帯で安倍政治を打破しよう!  第1370号

2月20日から21日にかけて社会民主党の党大会が開催された。この党大会に野党4党の党首や幹事長が出席し、野党5党連携の重要性が強調された。2月20日夕刻には「社会民主党20周年交流の夕べ」が開催された。私も招待を受けて出席させていただき、祝辞を述べさせていただく機会を賜った。安倍暴政に対して憤りの念を抱く主権者は多い。

原発、憲法、TPP、基地、格差の各問題において、主権者多数の意思に反する政策が強行されていると判断する主権者が多い。国の根幹、国民生活の根幹に関わる重大問題が、主権者多数の同意をも得ずに、独裁的に決定され、実施されている現状を、許せないものであると判断する主権者が多い。このなかで、2016年は参議院通常選挙が実施される。

衆議院総選挙が実施される可能性がある。国会は国権の最高機関であり、主権者がその意志を国政に反映させるためには、主権者の意思に沿う国会の議席構成を構築しなければならない。主権者の意思に沿う政治を実現するために、何よりも重要なイベントは選挙である。

私はスピーチの機会をいただいたので、三つのことを話させていただいた。第一は、「政治は誰のためにあるか」という問題だ。「政治は弱い立場にある者のために存在する」というのが私の考え方である。

20世紀的な判断である。世界の富の48%が世界の人口の1%の人々に握られていると言われる。かつて日本は「一億総中流」と呼ばれたが、いまでは、世界有数の格差大国になっている。このなかで、安倍政権は「強者のための政治」を熱烈推進している。大資本の利益を極大化させること。これが安倍政権の政策運営を貫く基本である。弱肉強食を推進する。

「弱きを挫(くじ)き、強きを扶(たす)く」のが安倍政権である。対論に「弱きを扶(たす)け、強きを挫く」という考え方がある。

国民が1%の富裕者と99%の下流層とに二極分化されている。「1%のための政治」ではなく「99%のための政治」が求められていると考えられる。第二は、「政党ではなく政策」である。主権者にとって重要なことは「政党」ではなく「政策」である。安倍政権の政策の基本は「戦争と弱肉強食」である。これに対峙する政策の基本は「平和と共生」である。どちらの方向を目指すのか。決定する権利を有するのは主権者である。私は「平和と共生」の政治を実現することを求める。

5つの基本問題について言えば、原発稼働、憲法破壊、TPP参加を許さない!辺野古基地、格差拡大を許さない!ことを求める。政治過程において重要であるのは、政党や政治家が公約を明示し、その公約を吟味して主権者が議員を選択すること、そして、政権を委ねられた政党と政治家は、公約を遵守する。このプロセスが何よりも重要だ。第三は、「主権者多数による決定」である。2014年12月の総選挙で、自公の与党に投票した主権者は、主権者全体の24.7%だった。

自公以外の政党の得票率は28.0%だった。

ところが、議席数は自公が68.4%、非自公が31.6%だった。主権者の4人に1人しか投票していない自公が、衆議院議席の約7割を占有し、重要政策を独裁的に決定して実行している。

非自公が3割の議席しか獲得できなかった最大の原因は、候補者の乱立にある。「安倍政治を許さない!」と思う主権者が連帯して行動すれば、必ず現状を変えることができる。主権者の25%が連帯して行動すれば、「戦争と弱肉強食」の日本政治を「平和と共生」の日本政治に変えられるのだ。これが「オールジャパン平和と共生」25%連帯運動

https://www.alljapan25.com/

の考え方である。「オールジャパン平和と共生」は3月18日(金)午後6時半より、文京シビックホールにて、参院選に向けた市民連合構築を目指す集会を開催する予定である。追って詳細を紹介したいが、1人でも多くの主権者の参集をお願いしたい。

「オールジャパン平和と共生」25%連帯運動は、昨年6月12日に、ウェブサイト上に立ち上げた運動である。その後、昨年2月と6月に「国会議員と市民の勉強会」を実施してきた、私も参画してきたグループが、「オールジャパン平和と共生」に賛同して、運動に加わることになった。

この運動の基本事項と基本理念はウェブサイトに明記している。この市民連帯運動は、安倍政権の基本政策理念である「戦争と弱肉強食」に反対し、「平和と共生」を基本理念とする政治を実現するための主権者による連帯運動である。より具体的には、原発稼働、憲法破壊、TPP参加を許さない!辺野古基地、格差拡大を許さない!の基本方針を確認し、この基本方針に賛同する主権者の連帯の輪を広げることを目指すものである。

他方、運動の形態については、基本事項に明記してきた。各種各様の市民運動の形態があるが、【オールジャパン平和と共生】においては、かみ砕いて言えば、資金集めはしない役職を置かない事務所は持たない方式で、運動の賛同者のボランタリーな、自主的な行動によって、連帯の輪を広げるというものである。集会を開催する際に、カンパをお願いするが、必要最小限の費用をそのカンパで賄う。

また、カンパ資金の使途については、ウェブサイト上に1円単位で公開もしてゆく。このような基本事項を運動を立ち上げた時点で明確にしておいた。今後もこの基本事項は遵守してゆく方針である。この点を再確認するために時間を要したため、3月18日集会の告知が遅れてしまったことをお詫びしたい。主権者にとって重要なのは政策であって政党ではない。

 

主権者が求める政策の実現を目指す。これが第一の基本である。したがって、基本として党派を問わない。選挙の際に、党派の利害がぶつかり、類似する政策公約を明示する候補者が乱立して主権者の投票が分散し、その結果として自公候補が当選してしまうことを防がねばならない。衆議院総選挙の小選挙区および参議院通常選挙の1人区においては、とくに、選挙協力、選挙共闘が重要になる。

党派の壁を超えて、選挙において、主権者が求める政策を公約として明示する候補者の当選を実現することが何よりも重要になる。超党派で対応する。これが第二の基本である。政治は主権者のためにある。そして、政治を担う中心は主権者である。これが国民主権の政治だ。したがって、望ましい政治を実現するために、主権者が主導的な役割を果たすことが求められる。

政策基軸、超党派、主権者主導で、日本政治を刷新する。「戦争と弱肉強食」の政治を「平和と共生」の政治に刷新する。これが目標である。これまでも指摘しているように、政策を基軸に考えるときに、政策があいまいな政党が散見される。政策があいまいでは、主権者は、その政党に全面的な信頼を置けない。とくに、野党の中核に位置する政党にこの傾向が強いことは問題である。しかし、本年7月の参院選においては、改憲勢力が参議院3分の2以上の議席を占有すると、いよいよ憲法改定の行動が現実化する危険が大きい。

この現実を踏まえれば、細かな問題があるにせよ、とにかく、安倍政権与党勢力、改憲勢力の伸長を食い止めなければならないのである。原発・憲法・TPP・基地・格差問題の重要性は訴え続けるが、まずは、反安倍政権の一点で共闘・連帯することが重要であると考える。32ある参院選1人区で、「安倍政治を許さない!」と考える主権者の投票を1人の候補者に集中させることができる状況を生みだすことを求め、また、誘導していかねばならない。

5:27 2016/02/22

 

 

 

経済人列伝・由利公正--財政家第一号

2010-02-17 03:17:16 | Weblog     由利公正

由利公正、キャッティフレ-ズ風に言えば、わが国最初の財政家です。日本の財政家としては、日清戦争まで、3人の人物、しかもこの3人だけがいます。由利公正、大隈重信、松方正義です。みな旧武士出身で、経済や財政に関する正式な訓練は受けていません。彼らの業績は、独学自習か、実地訓練、経験の産物です。そしてみなそれぞれに持ち味を発揮し、役目が終われば平和裏に表舞台から消えています。こう考えますと、国家の経世済民などという大事に取り組める人物とは所詮、その人に与えられた天賦の器量によるといえるかも知れません。

  由利公正、彼は文政12年(1829年)、封建制度の夜明け前、越前福井藩士の長男として生まれました。家禄は100石、馬乗りの身分です。最初の名は三岡八郎と言います。ず-と先祖は由利姓でしたが、戦国時代に故あって三岡姓に改姓しました。由利姓だった先祖は藤原秀郷の家臣であったとか言います。関東か東北の地方豪族だったのでしょう。

  公正が7歳の時父親は江戸詰めを命じられ、公正は母方の叔父に預けられます。叔父はどちらかと言うと放任主義の人で、初学は教えてくれましたが、あとはほったらかしでした。そのため当時の武士の必須教養である四書の講読は通常の藩士より、かなり遅れます。しかし公正の特徴は、文字から学ぶのではなく、何事にも工夫をこらし、自分で考えて実践して、経験から学ぶ、という態度です。天分もありましょうが、彼が置かれた環境も無視できません。かえって四書五経などという文字の塊に、没頭しなかっただけ思考は柔軟になったのかも知れません。

  少年時のある日、ぼんやりと外を見ていて、曲芸師の子供でも修練して、人のためになることを学んでいる、だが武士は学ぶといっても、何の役に立っているのだ、と自問自答し、ここから労働の大切さ体得したとも、語り伝えられています。由利公正の政治思想における労働の意味は重要です。あえて言えば彼は、スミスやリカルドと同じく労働価値説の信奉者であったと言えましょう。

  武道にも熱心でした。剣術、槍術、鉄砲術に馬術などなどに優れ、体を鍛えて、藩の恒例行事である馬揃えではいつも大活躍していました。彼の武道修練は独特で、師匠につきながらも、必ず工夫を加え、方法を改善しました。

 公正の経歴を簡単に言いますと、藩政改革、謹慎、新政府への登用、政府財政の責任者、東京府知事、後はその後、となります。

  彼24歳の時黒船が来航します。その後日本の政治状況は急展開します。それまでから多くの藩は財政窮乏に悩み、藩政改革をしますが、ペリ-来航の1853年後は、改革の速度はより激しくなります。1837年、福井の越前藩は新藩主として、田安家から養子を迎えていました。この人物が幕末の名君として名高い、松平慶永(春嶽)です。慶永は公正とほぼ同年輩になります。この慶永を中心に藩政改革、そして越前藩は親藩ですので、幕政改革も試みられます。

  当時の武家が藩政改革といえばまず軍制改革です。武士の専門は戦争請負なのですから。軍制改革には当然、武器特に銃砲軍艦の調達が必要になります。武器を買うにしても自前で造るにしても、必要なのは資本つまりお金です。当時越前藩は他の大名の例にもれず、借金で首が廻らない状況でした。慶永就封の時点ですでに、90万両の借金がありました。越前藩は30万石少しですから、大雑把に概算して約10年-15年分の借財になります。これだけの借財を抱えて、なお金食い虫の軍制改革をしなければなりません。藩全体の経済改革が必要です。それも従来のように倹約一本では、焼け石に水、になります。

  殖産興業が叫ばれます。和紙、生糸、漆器、木材、蠟などの特産品の生産が奨励されます。(第一段階)そしてそれを物産会所という機構を通じて集荷し、藩外に売りさばきます。(第二段階)さらに会所に集まる商人や農民に資金を貸し付けます。(愛三段階)この資金を紙幣で支払います。(第四段階)越前藩の経済改革では第四段階のとっかかりくらいまで行きました。紙幣、この場合は人気の悪かった藩札で一部支払います。藩札はあまり抵抗なく受け入れられたようです。この体験が公正をして維新の財政家としての重要な体験を涵養します。物産会所の首脳部は、町奉行、郡奉行、制産方頭取他武士6名と、豪商豪農代表8名からはなっていました。公正は制産方頭取です。制産とは産業産物の支配という意味もありますが、次第に生産の方に意味が移って行きました。

  物産会所は士庶協同ですから、このやり方を軍制に応用すれば農兵組織が出来上がります。事実越前藩では農兵が1200人いました。松平慶永が、幕末の政局をリ-ドできた背景には、経済改革と農兵組織への自信があります。公正は幕政改革を促進するために4000人の農兵の上京を企図し、過激派と目されて、慶永から謹慎を命じられます。

  公正の政治思想に大きな影響を与えた人物が細川家熊本藩士の横井小楠です。小楠は四書の筆頭である「大学」の中から、その修養の第一段階である「誠意」を「公正」そして「下に利する」と解釈します。さらにここから「労」の意味を引き出し、民富の増強を重視します。(注1)「由利公正」の「公正」はここから拝借してきた、とも言われます。他に公正が交わった人物としては、同藩士橋本左内と坂本竜馬がいます。

 

 (注1)この解釈を孔子や朱子が聴いたらビックリするでしょう。日本の儒学には横井小楠のように漢籍を比較的自由大胆に再解釈して自説を作る傾向があります。荻生徂徠はその代表です。日本人は儒学を尊重しましたが、儒教を信奉したわけではありません。儀礼と習慣を離れて純粋な学説のみを学べば、学風は自由になります。横井小楠のみならず、佐久間象山も吉田松陰も儒学の専門家でしたが、その思想と行動は恐ろしく大胆です。

 

  慶応3年10月徳川慶喜は大政奉還を朝廷に申し出ます。新政府が樹立されました。公正は参与になり、同年12月新政府の御用金取扱取締に任命されます。徴士でした。(注2)ここから由利財政が始まります。新政府にはお金がありません。公正は太政官札(金札)を発行します。公正の意図としては、金札は通常の通貨ではないはずでした。金札を藩や商人農民に貸し付ける、彼らはそれを資本として運用する、一定の時点で彼らは政府に金札に利子を付けて返す。こうして資金循環は良くなり、国全体の産業活動が盛んになり民富そして国富も増大するという考えです。通貨ではなく、国債でもなく、一種の財政投融資ですから、公正は金札の取扱いを、別途会計にしておきました。

 

 (注2)新政府には人材はいません。そこで諸藩の藩士を官吏に任命します。任命には二種類の方法がありました。徴士と貢士です。前者は新政府が諸藩から一本釣りで引き抜いた人材、後者は藩から推挙された身分です。前者の方が本物の官吏、後者は出向という印象があります。由利公正は徴士の第一号、つまり明治政府官吏の第一号になります。次が横井と木戸孝允です。

 

  太政官札は関西方面ではかなり順調に出回りました。大阪を中心とする、関西経済圏では銀手形の使用が常習化しており、同種の試みに慣れていたからです。しかし江戸に進駐した官軍主脳は太政官札の発行に反対します。理由は、関東は敵地で新政府への信頼がない、関東ではこのような試みに慣れていない、などです。彼らは公正の意図を理解できなかったのでしょうか?大隈重信、陸奥宗光、江藤新平、井上馨など維新の豪傑の錚々たるところが猛反対でした。特に江藤の論旨は激烈で公正と大激論になります。公正は勝ったつもりでした。ところが明治元年12月に東京で発行された金札に関する条文には「通用可致様御沙汰候事」と書かれています。「(通貨として)通用するように命令せよ」の意味です。こうして太政官札は公正の意図を離れて通貨になりました。この時点で公正の財政家としての政治的生命は断たれます。彼が推挙した人物の不正事件の責任もあります。正式には翌明治2年2月公正は会計官を辞職します。

  しかし公正の考えを離れて観察して見ますと、太政官札を通貨として使うというのも、一方法です。とにかく新政府にはお金がありません。旧幕軍討伐のみならず、しなければならない事は山ほどあります。軍備増強、官吏制度確立、教育、通信、交通などなどいくら金があっても足りません。こういう時公正が案出した太政官札は使いようによっては至極便利なものでした。ともかく金貨と兌換という触れ込みで金札をばら撒き、仕事をします。金と札の交換比率は次第に落ちます。政府は一番有利な時点で金札を発行するのですから、金札の効用の良いところだけ掠め取ります。このやり方を大胆に自信をもってしたのが、大隈重信です。彼には彼の目算があります。太政官札をばら撒いても、それで景気が良くなれば、税収が増え、金札兌換は可能になると踏みます。大隈財政下で、廃藩置県、秩禄処分、地租改正、軍備増強、官吏制度整備、鉄道開通、中小学校建築、帝国大学創立、留学生派遣、外人専門家の雇用、銀行制度創立、不平士族反乱の鎮圧などなど、金の要りそうな事の基礎は作られました。しかし西南戦争が終わってみれば景気はいいが、経常収支は大赤字になります。ここで第三の男、こわもての松方正義の登場になります。彼は太政官札をすべて収集し(没収ではありません)、それを焼却処分して、貨幣流通量を大幅に減らし、財政と貿易の収支を整備してから、銀本位制の上に日本銀行を設立し、金融と財政を分離します。(注3)

 

 (注3)この手のやり口は世界史上かなりあります。代表的なのが、フランス革命時、革命政府が発行したアビシニア紙幣、アメリカ独立戦争蜂起した13州連合が発行したいわゆる大陸紙幣、南北戦争時北部政権が発行したグリ-ンバックなどがあります。日本政府が戦争直後占領軍管理下において発行した復金手形も似ています。これらはすべて、発行されると価値を落とし、最後は紙屑同様になりますが、政府はそれで、というよりそれだからこそ、仕事ができました。金は天下の廻りもの、仕事ができりゃそれでいい、後はなんとかなるだろう、です。経済ってこんなものかも知れません。

 

 由利公正は明治4年、東京府知事に任命されています。翌年出発したけ遣米使節と共に、アメリカに渡っていたら解雇の通知が来て、以後野に降ります。公正は薩長の藩閥に属していないので、ずいぶんぞんざいに扱われました。公正は「五ケ条の御誓文」の草稿を作りました。

  野にあって公正は、越前藩の藩校教育の近代化に尽力し、米人グリフィスを福井へ招聘しています。民選議院設立建白書の運動に賛成して、自由民権運動に助力します。萬年会という勧農組織に協力します。故郷の福井で乳牛飼育を試みます。史談会会長に任命され、多くの遺訓を語ります。また日本興業銀行設立期成同盟会の運動を押し進めます。明治42年(1909年)死去、享年81歳、子爵

 

  参考文献   由利公正のすべて  新人物往来社

 

 

 

ジャンル:ウェブログ

14:32 2016/02/20

 

 

差出人: 公益財団法人どうぶつ基金

<contact@doubutukikin.or.jp>

送信日時:       2016年2月18日木曜日 23:03

宛先:   滝田 好治さま

件名:   公益財団法人どうぶつ基金です

 

公益財団法人どうぶつ基金です。いつも温かい応援をいただきありがとうございます。どうぶつ基金からのお知らせです。

◎ 阪急百貨店 阪急うめだ本店チャリティーイベントに参加

日時:2月24日~29日10時~17時

場所:9階祝祭広場阪急うめだ本店にて開催されるチャリティーイベントにどうぶつ基金が参加します!会場では、どうぶつ基金ブースを設置し、活動紹介やチャリティーグッズの販売を行います。また、トークイベントも開催されます。ぜひお誘い合わせのうえ、会場に足をお運びください。

◎さくらねこShopオープンどうぶつ基金公式さくらねこShopの商品が充実してきました。

さくらねこスマホケースや、さくらねこファイル、ポストカードなど、寄付つきグッズが豊富にそろっています。

http://doubutukikin.thebase.in/

◎ 平成28年度の「さくらねこ無料不妊手術チケット」一般枠の募集は、3月1~5日に募集を行います。(4月有効分)

平成28年度は1万頭の無料不妊手術を実施します!ぜひご協力ください。

【平成28年度さくらねこ無料不妊手術事業】

https://www.doubutukikin.or.jp/trn/campaign

※平成27年度にチケットを利用している方は、事後アンケートへの回答が必要です。まだの方は、2月末までに下記から回答をお願い申し上げます。【事後アンケート回答フォーム】

https://business.form-mailer.jp/fms/194ff37f52470

◎ gooddoで毎日応援するをポチッとしていただきありがとうございます。

一週間で10位以内に入りますと、支援金が倍の6000円になります。オス1匹、メス1匹の不妊手術ができる金額です。下記ページより「応援する」をポチッとお願いいたします。

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公益財団法人どうぶつ基金事務局

平成28年2月19日 金曜日


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