« 自治体をどう変えるか (ちくま新書) 佐々木 信夫 (著) 第1章 変化する行政環境・地方自治は、住民の幸せと魅力ある地域をつくることが狙いだ。これからは国の指導で地方自治を営むのではなく、自前の政策をつくり、地域をつくっていく時代である。18頁・ | メイン | 公共財の典型的な例としては政府による外交や国防がしばしば挙げられる。国民の内の特定の集団が政府の外交政策や国防の利益を受けないように排除することが困難であり、また、集団を排除しなくてもそれによって追加的な費用が発生しないことが多い。 »

2015年10月20日 (火)

大村智氏の偉業を私が伝えることなどまったく不可能なのだが、これだけは自信を持って言えることがある。プロローグの一番最初の写真、大村氏に救われた大勢の子供たちの飛び抜けるような純粋無垢な笑顔に囲まれて、笑いながらピースサインをカメラに向ける大村氏。その写真に、大村氏の魅力がすべて詰まっている。読了後、いつまでも気持ちの良い余韻に包まれる素晴らしい名著であった。アフリカの風土病を退治して特許料250億円を受け取った学者物語

引用

人生に美を添えて 単行本  – 2015・20大村 智 (著),    小杉小二郎 (イラスト)   2件のカスタマーレビュー

内容紹介

2015年ノーベル生理学・医学賞受賞! 2014年日本人初のカナダ・ガードナー国際保険賞を受賞した世界的科学者による、美術品、画家たちとの滋味溢れる交友録。月刊「美術の窓」の連載「アートと世界」をフルカラーで単行本化!

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

「美」は心の栄養―世界的科学者による美術品、画家たちとの滋味溢れる交友録。

単行本: 186ページ出版社: 生活の友社; 四六判版 (2015/7/20)

言語: 日本語発売日: 2015/7/20

目次

ヒーリング・アートの先駆け荻太郎先生からの贈りもの温泉と窯巡り

海外の美術館巡り

忘れ得ぬ人々―王森然先生を巡って山梨県立美術館の誕生秘話片岡球子さんの思い出海外で活躍する女子美大の卒業生たち追憶の女流画家たち

彫刻家とのご縁―桑原巨守からジュリアーノ・ヴァンジまで韮崎大村美術館誕生多田美波先生との邂逅亀高文子と朱葉(ポインセチア)

女流画家協会と三岸節子森田元子と入江一子の生き方思い出深い女流画家たち―嶋田しづ、郷倉和子、佐野ぬい畏敬の堀文子と羽ばたく女子美大の若手作家たち

 

すごい人ですね

ノーベル賞を受賞するのだからすごい人なんでしょうがこの本を読んでつくづくすごい人なんだと感心いたしました恥ずかしながら報道を見るまで知らなかった偉人世界的科学者の顔だけでなく美術に関しても素晴らしい方でしたこの本で違う一面の大村智氏を知ることができました

「人のまねをしない、人のまねをしていたら人をこえることができない」そのためには研ぎ澄まされた感性が必要とされる

投稿者クマ殿堂入りベスト10レビュアー2015年10月11日

大村氏は芸術にも造詣が深く、2007年故郷の山梨県韮崎市に「韮崎大村美術館」を開館した。40年以上にわたる収集活動により彫刻や絵画など約2000点を収蔵している。特に女流画家の充実ぶりは注目に値し、上村松園、小倉遊亀、片岡球子、三岸節子など特色ある展示内容となっている。

翌年、「今の自分があるのは故郷のおかげ、地域に恩返ししたい」と市に美術館を寄贈した。また同年、三岸節子美術館では大村さん収集の作品を集めた企画展が開催された。担当者は「作家を親のように温かい目で見守っていた」と当時を振り返る。

その他にもNPO法人青木繁「海の幸」会の理事長を務め、明治時代の画家、青木繁の代表作「海の幸」を描いた民家の保存活動に力を注いでいる。同事務局員は「多忙なのに声をかけると都合をつけて快く来てくれる」と大村氏の人柄を讃えている。

4:24 2015/10/20

 

大村智 - 2億人を病魔から守った化学者 単行本  – 2012・2・9 馬場 錬成 (著)  10件のカスタマーレビュー

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

 

馬場/錬成

1940年東京都生まれ。東京理科大学理学部卒業後、読売新聞社入社。編集局社会部、科学部、解説部を経て1994年から論説委員。2000年11月に退職後、東京理科大学知財専門職大学院(MIP)教授、早稲田大学客員教授、特定非営利活動法人21世紀構想研究会理事長、文部科学省・科学技術政策研究所客員研究官、産学官連携戦略展開事業推進委員会委員、学佼給食における衛生管理の改善に関する調査研究協力者会議委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

単行本: 293ページ出版社: 中央公論新社 (2012/2/9)発売日: 2012/2/9

目次

自然と親しんだ小学生時代

スポーツに明け暮れた青春時代

高校教師から研究者に転身

北里研究所に入所して鍛えられる

アメリカの大学での研究生活

企業から研究費を導入して研究室を運営

エバーメクチンの発見

大村研究室の独立採算制

研究経営に取り組む

活発な研究活動と外国での評価

北里研究所メディカルセンター病院の建設

北里研究所とコッホ研究所

科学と芸術の共通性から女子美術大学の理事長へ

人材育成で社会貢献する大村研究室の活動

中央公論新社グッドジョブ 大村さんの事を知って良かった

投稿者本が好き2012年5月27日

 

不明にして大村氏を知らなかったが、この本を読んで、知る事が出来て、幸せです.山梨大学教育学部を出て、夜間高校の教師となり、そこから研究者となり、オンコセルカ症の特効薬イベルメクチンの元を開発し、この難病に苦しんでいた2億人の人々を絶望の淵から救った.凄い人です.しかも、それに止まらず、美術館まで建ててしまう。美術館のような病院も建ててしまう。それも、淡々として成し遂げてしまう。化け物のような人です。良い意味での化け物です。

もっと、知られて良い人です.著者は、細かいところまで、調べて、読みやすく書いている.名著だと思いました.いやー、面白かったです.おすすめです.特に、科学者、医師、薬剤研究を目指す人、薬学者、化学者、科学に興味がある人(若い人には特に)必読です.中央公論新社は本当に良い仕事をしたと思います。

 

ノーベル賞をとって欲しいが本人は多分無頓着であろう.2億人を助けている事実は大きい.人類の幸福に役立っているのは明白である.是非、受賞して欲しい。

2015/10/05 21:00追記

ノーベル賞受賞の報道を見た。見ている人は見ている。ノーベル賞委員会は偉い!

大村智 2億人を病魔から救った化学者

済みません。まだ目を通していません。でも多分感動する書籍だと思っています。

中央公論新社グッドジョブ 大村さんの事を知って良かった投稿者本が好きベスト500レビュアー2012年5月27日

不明にして大村氏を知らなかったが、この本を読んで、知る事が出来て、幸せです.山梨大学教育学部を出て、夜間高校の教師となり、そこから研究者となり、オンコセルカ症の特効薬イベルメクチンの元を開発し、この難病に苦しんでいた2億人の人々を絶望の淵から救った.凄い人です.しかも、それに止まらず、美術館まで建ててしまう、美術館のような病院も建ててしまう。それも、淡々として成し遂げてしまう。化け物のような人です。良い意味での化け物です。

もっと、知られて良い人です.著者は、細かいところまで、調べて、読みやすく書いている.名著だと思いました.いやー、面白かったです.おすすめです.特に、科学者、医師、薬剤研究を目指す人、薬学者、化学者、科学に興味がある人(若い人には特に)必読です.中央公論新社は本当に良い仕事をしたと思います。

ノーベル賞をとって欲しいが本人は多分無頓着であろう.2億人を助けている事実は大きい.人類の幸福に役立っているのは明白である.是非、受賞して欲しい。2015/10/05 21:00追記

ノーベル賞受賞の報道を見た。見ている人は見ている。ノーベル賞委員会は偉い!

2億人を病魔から救った科学者投稿者砂漠の旅人2014年8月17日

おもわずタイトル買いしてしまった本書。なんというシンプルで清々しく硬派な書名だろうか。期待してページを開くと、プロローグで最初に目に飛び込んできたのは、沢山の子供たちの笑顔に囲まれた大村氏が真ん中で笑いながらピースサインをしている写真だ。たった一枚の、この思わず見とれてしまう素敵な写真だけで、本書は読者の心を掴むことに見事に成功している。

本書の主人公である大村智氏は、夜間学校の教師から一念発起し研究者となり、オンコセルカ症(河川盲目症)やリンパ系フィラリア症などの熱帯病の撲滅に挑んでいる科学者である。

 

オンコセルカ症は、フィラリア線虫の回旋糸状虫による感染症であり、アフリカの熱帯地域及びサハラ以南において最も良くみられる。イエメン、メキシコ南部、グアテマラ、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ブラジルなど中南米にかけても発生地があるという。

感染させるのはハエより小さいブユである。ブユの成虫はハエの4分の1ほどの小さな虫で、蚊やアブと同じようにメスだけが吸血する。アフリカの赤道直下の河川流域には、ブユが生息している場所が至るところにあり、ブユに刺されてミクロフィラリアにうつされると、これが皮膚や眼の中に侵入してきて失明する。1987年、メルク社のメクチザンの投与が始まる頃までは、世界で年間数万人がこの病気で失明していた。成虫は、皮下にできた小結節の中で最高15年も生き続けるという。

大村が静岡県伊東市川奈の土中から分離した放線菌が産生する化学物質は「エバーメクチン」と名付けられ、このエバーメクチンは最初、動物に寄生する寄生虫を退治してくれる物質であることが分かった。さらにより効率のいい薬剤として開発するため、メルク社と大村研究室の共同研究からエバーメクチンの分子構造の一部を変えて改良した誘導体(化学物質)をいくつか開発した。この中で動物、人間の双方に棲みつく寄生虫に効く化学物質を「イベルメクチン」と名付けた。まずエバーメクチンを発見し、より効能のある実用薬へ改良する段階でイベルメクチンが開発されたのだ。

大村がアメリカから帰国した後にスタートした北里研究室は、さまざまな方法で分離した微生物の性質とその微生物がどのような物質を作っているのかをあらかじめ調べることから着手した。特異的な化学物質を作っている菌類を見つけ出してメルク社に送り、同社で動物実験で評価するという手順で進められた。静岡県伊東市川奈のゴルフ場近くから採取した土壌が研究室に持ち込まれ、スクリーニングが始まる。すると、未知の放線菌が発見される。その名は「ストレプトミセス・アベルメクチニウス」。そしてこの放線菌が抗寄生虫作用をする物質を作っていることを発見する。大村とメルク社の研究グループは、この微生物から抽出して単離した化学物質を「エバーメクチン」と名付け、メルク社は家畜の寄生虫に効果があるかどうかを調べるため動物実験に取り掛かる。

 

一般的に放牧されている牛の胃や腸の中には寄生虫が多い時に5万匹以上も生息している場合があるという。投与した結果を見るとエバーメクチンは確かに効力があり、さらに実験を繰り返し、ついに最も効力がある化学物質を発見し「イベルメクチン」と名付ける。このイベルメクチンはまさに魔法の薬で、たった1回の投与で牛からは99.6%もの寄生虫が姿を消したという。さらに副作用、安全性などをクリアして完成させたのがヒト用イベルメクチン「メクチザン」、オンコセルカ症の治療薬となる。このメクチザンは年1回の投与で虫を駆除でき、2億人近くの人がオンコセルカ症から守られ、年間4万人以上を失明の恐怖から救っているといわれている。

その上、いまだ耐性寄生虫が出現していないという。WHOによると、2020年には撲滅されると推定されている。

この他、リンパ系フィラリア病と呼ばれる病気がある。いわゆる象皮病である。なんと、この疾病にもイベルメクチンと他の薬剤との併用で予防と治療が可能で、1億2000万人が感染しているといわれているが、この病気も2020年には撲滅できるという。

 

大村とメルク社は改めてイベルメクチンのロイヤリティに関するライセンス契約について話し合う。メルク社は、最初に発見した放線菌の菌株を3億円で売ってくれと言い出してきた。一時金による決着である。しかし、大村はそれを蹴る。北里研究会の理事会に伝えると、理事会は一時金をもらったほうがいいという意見だった。しかし大村は反対し、売上高によって支払ってもらうロイヤリティ契約を主張する。結果、このロイヤリティ契約によって北里研究所には200億円以上のロイヤリティ収入を手に入れることになる。もしも理事会の意見に従っていたら悪夢を見るハメになっていた、まさに手に汗握るお話である。

大村氏の略歴を知ると、生きる気力、熱情が身体の隅々まで行き渡ってくるのを感じる。夜間高校の教師時代、通学してくる生徒たちは昼間は働き夜は寝る間を惜しんで勉強に励む。大村はその時、自分はもっと何かをしなければ済まないという気持ちになったという。胸の奥から湧き上がるようなエネルギーを感じ、心の中で燻っていた勉強に対する憧憬が確たる決断となって大村の心の中で燃え上がり、それから語学習得に励み、東京理科大学の大学院に進学し、昼は大学で猛勉強、夜は高校の教師という、脳内のドーパミンが一気に放出するような、気持ちの良いストイックな生活を送っている。

 

大村は芸術に対する造詣も深く、「21世紀には科学や技術も大事だが、心を大事にする時代にしなければならない」との考えから埼玉県北本市に美術館とコンサートホールのある北里研究所メディカルセンター病院を建設する。思わず「文系と理系の交差点」という有名な実業家のことばを思い出す。

 大村智氏の偉業を私が伝えることなどまったく不可能なのだが、これだけは自信を持って言えることがある。プロローグの一番最初の写真、大村氏に救われた大勢の子供たちの飛び抜けるような純粋無垢な笑顔に囲まれて、笑いながらピースサインをカメラに向ける大村氏。その写真に、大村氏の魅力がすべて詰まっている。読了後、いつまでも気持ちの良い余韻に包まれる素晴らしい名著であった。アフリカの風土病を退治して特許料250億円を受け取った学者物語

投稿者北信五岳2012年2月15日

米製薬企業メルク社との国際的な産学連携で250億円の特許料を得られらた大村智先生の人生物語。

ノーベル賞級の化学者で、アフリカの風土病を治したので、平成の野口英世とも言える。その研究人生が、事実に基づき、克明に描かれている。筆者が読売新聞の元論説委員だけあって、文章も平易で読みやすい。 学者は自分で研究費を探せ、 国際的な視野を持て(英語で論文を書け)「産学連携の大村方式」「研究を経営する」 など、具体的な教訓も多く含まれ、国際的な活躍をめざす研究者や産学連携関係者に一読をお勧めします。

卓越した化学者の伝記

恥ずかしながら、いままで大村智さんのことを知らなかった。大村さんは寄生虫を殺す革新的な薬を開発した方であり、世界的にはよく知られている。

しかしながら現代日本では、寄生虫とは一般的に関わることがなくなってしまったため、あまり知られていないのだろう。このような化学者を紹介してくれた本書に感謝を申し上げる。

研究と芸術を経営する実学の科学者の話投稿者普通の人々2012年9月9日

 

天然物化学とはいろいろな細菌が作る化学物質を大量に集めて、化学構造式を決めたり、生物への作用を調べたりする学問。伝記の科学者、大村博士はその分野の世界的な第一人者の一人。大村博士が見つけた化合物は、アフリカで蔓延する風土病の特効薬として多くの命を救っているという。正直言って、この本を読むまで全く知らなかった。大村博士は超一流の研究者であることに留まらず北里研究所を経営する立場を長く勤めた。本書ではあまり言及されていないが大村博士の周りには優秀な人材が多く集まったに違いない。大村博士は研究だけではなく、美術への造詣が深いことをこの本を読んではじめて知った。その造詣を単に趣味にとどめるのではなく、絵のある病院の建設に結びつけた着想と行動力には感嘆するばかり。研究も芸術も、知識を人に役立つようにするにはどうしたら良いか、ということを真摯に考え続けてきた大村博士の人となりが伝わってきた。まさに実学の科学者、そして草の根の科学者。何よりもすごいのは、伝記としてそれなりの厚さの1冊の本になるくらい、若いときから行ってきた活動が連続的であること。サイエンス研究の社会貢献と言う言葉を人々が口にするずっと以前から、科学者として、人のためになることを実行してきた大村博士の言動を知るきっかけになる本でした。このような大村博士でも「あとがき」を読むと、あまり新聞や雑誌で取り上げられたことがないようであったのが不思議。しかし最近、文化功労者に選出されたという報道があり、大村博士の真価が正しく評価されたのだとしたら大変嬉しく思う。

産学協同から理想の病院まで

今こそ切実に読まれるべき本だと思う。産学協同の先駆的業績を残し、アフリカへの多大な医療貢献を成し遂げた大村智さん。きちんとした研究には相応の対価が必要であり、それが新たな開発へつながる好例。

精力的な研究者である大村さんが、味わった哀歓も沁みる一冊。芸術を取り入れた病院の経営にも乗り出した実態については、じっくりと本書を呼んでほしい。

壮絶な研究者であり経営者であり、今後もこのような方が現れる事で日本の力が維持されるのでしょう。

決してエリート研究者としてのスタートでは無かった大村さんが、その人柄と熱心さで廻りを巻き込みながら、しかし裏切られながらも、諦めず基礎研究と臨床開発と経営者としての才覚を発揮されていく歴史は凄まじいほどのパワーを感じさせられました。普通は2、3日で読み干すのですが一気に1日で読みきってしまうほどスピード感がありました。細菌研究者のみならず、理系を目指す高校生にこの夏にぜひ読んでもらいたい。

ノーベル財団の目は節穴ではない

 

科学分野のノーベル賞と言えば、人間の知性の最高峰を極めた人の賞であり、

京大、東大などの特別な大学をで、その中でも特別優秀な人の賞とのイメージがあった。しかし、2015年ノーベル医学生理学賞受賞のニュースの際、大村先生は、定時制高校の教員を勤めているなかから一念発起し、大学院に進み研究者になったこと、多数の人や動物を難病から救った業績の大きさもさることながら得た特許料の殆どを自分以外のことに使った人、という紹介がありその人となりに興味をもった。

 

私と同様の興味をもった人は多かったと見えて、アマゾンで注文してから届くまでに日数を要した。ノーベル賞を取る前に書かれた本なので、内容もことさら誇張された部分もなく届いたその日のうちに抵抗なく最後まで読めた。

 

読後の感想としては、ノーベル賞をとったこともすごいが、賞はあくまでも大村先生の誠実で壮大ないきざまの一部であるように思えた。

 

英語で論文を書くことを早くから自分に課してきたことから、仕事を認められて米国に留学する機会をえたこと。留学先で超一流の人たちと接しその輪がどんどん広がっていったこと。

研究者としてスタートを切る母体となった北里研究所の要請に応じて、米国での好環境を振り切って帰国。研究室を維持し、歴史ある研究所を研究機関として維持するために莫大な赤字経営を立て直すため財務のことを一から勉強しなおされたこと。

北里研究所メディカルセンター病院を埼玉県北本市に建設したときの用地確保のいきさつや、できあがった病院が一流の画家の作品でかざられ、訪れる患者に安らぎを提供できるよう配慮されていることなど、科学者としての一本芯の通った理念と、それを支えとして新しいことを次々に行う行動力と、目の前の困難さにひとつひとつ妥協なく立ち向かって解決して行く強靱な意志力とにはただただ敬服するばかりである。

 

日本が誇りとすべき国際的科学者のお一人であることは間違いない。

ノーベル財団の目は節穴ではないということだ。

美術館を建設するなどその方面にも造詣が深い

「1970年代、日本で産学の連携がまだ珍しかった頃、海外企業と契約を結び、

めざましい実績を上げ、多くの人々を病気から解放した。それが今回のノーベル賞に繋がった。研究者として超一流、法人経営者、教育者としても超一流なのが大村博士のすごいところ」と馬場氏は評する。

河川盲目症(オンコセルカ症)はブユが媒体となって線虫の幼虫、フィラリアに感染し人に盲目をひきおこす病気で、特効薬イベルメクチンは少量を一回投与するだけでフィラリアの幼虫を駆除できることから、WHOは年間三億人の人々に投与し、2020年にはこの病気は撲滅すると予測されている。

この特効薬の発見・開発にあたって、静岡県の川奈ゴルフ場近くの土壌から採取した微生物が産出する化学物質をメルク社と共同開発、メルク社は動物寄生虫を劇的に退治する抗生物質の開発に成功した。

大村智 2億人を病魔から救った化学者

投稿者木下房男2013年1月6日

済みません。まだ目を通していません。でも多分感動する書籍だと思っています。

4:26 2015/10/20



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