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2014年10月31日 (金)

社会的共通資本 (岩波新書) 新書 宇沢 弘文

引用

社会的共通資本 (岩波新書) 新書 宇沢 弘文   (著) 内容(「BOOK」データベースより)


http://amamioosimasanrinha.synapse-blog.jp/takita/2014/10/b-47-6ba6.html


引用・2015年5月11日 (月)公共サービスの民営化―民間活用(PPP)による地域経営新時代 単行本 – 2008・4東北産業活性化センター (編集) 内容(「BOOK」データベースより)

http://amamioosoma.synapse-blog.jp/yosiharu/2015/05/ppp-20084-book-8c2b.html

9:48 2015/10/28


ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置が「社会的共通資本」である。その考え方や役割を、経済学史のなかに位置づけ、農業、都市、医療、教育といった具体的テーマに即して明示する。混迷の現代を切り拓く展望を説く、著者の思索の結晶。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 

宇沢/弘文

1928年鳥取県に生まれる。1951年東京大学理学部数学科卒業。専攻は経済学。現在、日本学士院会員、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 新書: 239ページ出版社: 岩波書店 (2000/11/20)発売日: 2000/11/20

目次

序章 ゆたかな社会とは

第1章 社会的共通資本の考え方

第2章 農業と農村

第3章 都市を考える

第4章 学校教育を考える

第5章 社会的共通資本としての医療

第6章 社会的共通資本としての金融制度

第7章 地球環境


 

農村・都市・教育・医療・金融・環境を敷衍して。

筆者は社会的共通資本という考え方を提示し、それには自然環境系・インフラストラクチャ系・制度系の3つの種類があるという。

この本はそれぞれの分野について具体的な例をあげてその意味や意義を論じ、また社会・経済学史の中に位置づけ、そして結語としてあり方を論ずるというスタイルでこれまでの筆者の著作・文献をまとめたものである。宇沢ワールドの入門書というところか。

文は抑揚がおさえられ(ま、経済学の先生だから)平坦ではあるものの、所得再分配において無機的個人を前提し、効率性のみを論じ、公正性について考慮しなかった新古典派経済学者やモダニズムの教祖コルビジェを思想的に批判し、自説や他の優れた思索家(例えばジェイコブス)などの対案を提示する。..

古典的名著『自動車の社会的費用』にはさすがに劣る

著者は

「社会的共通資本とは、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、

豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、

人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置を意味する」としている。

それは、大気や森林などの自然環境、道路や交通機関などの社会的インフラ、教育や医療などの制度の三つの大きな範疇に分けて考えることができるとされている。

第2章ではリアルに日本の農業危機的状態が数字で補完されながら語られている。

第3章では自動車の社会てき費用の続編が少しではあるが記される。

  農村・都市・教育・医療・金融・環境を敷衍して。, 2004/2/8

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

筆者は社会的共通資本という考え方を提示し、それには自然環境系・インフラストラクチャ系・制度系の3つの種類があるという。

この本はそれぞれの分野について具体的な例をあげてその意味や意義を論じ、また社会・経済学史の中に位置づけ、そして結語としてあり方を論ずるというスタイルでこれまでの筆者の著作・文献をまとめたものである。宇沢ワールドの入門書というところか。

文は抑揚がおさえられ(ま、経済学の先生だから)平坦ではあるものの、所得再分配において無機的個人を前提し、効率性のみを論じ、公正性について考慮しなかった新古典派経済学者やモダニズムの教祖コルビジェを思想的に批判し、自説や他の優れた思索家(例えばジェイコブス)などの対案を提示する。

新古典派的な理論・演繹的アプローチによる社会資本整備についての政策体系を批判しつつ、農村について述べた第1章、都市について述べた第3章は、多くのプランナーや政策立案者は、これまでの政策の理論的背景への批判も含めて読んで欲しいし、この部分を自分なりに把握し消化することで少なくとも思想的には十分とも言えると思った。

現在長野県の総合計画審議会委員をやっている筆者の「コモンズ」による地方政策革命の理論的背景を知る上でもいいテキストである。~

「TPP反対」の経済理論的な根拠などを示す, 2011/3/5

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

首相の菅直人が「朝日」などに唆され、昨秋、突如「平成の開国」などと称して憑かれたように叫びだしたTPP(環太平洋経済連携協定)への参加問題だが、昨年の10月21日には、早くも山田正彦元農水相等によって「TPPを慎重に考える会」という超党派の勉強会が発足している。さらに、今年に入って山田代議士や久野修慈・中央大学理事長、榊原英資・青山学院大学教授等を世話人とする「TPPを考える国民会議」が2月24日に設立され、理論経済学の泰斗で当書の著者でもある宇沢弘文・東京大学名誉教授が代表世話人に就任された。

TPPに対する宇沢先生の考え方は、『TPP反対の大義』(農文協編,2010年12月)の巻頭論文「TPPは社会的共通資本を破壊する-農の営みとコモンズへの思索から」で明快に述べられており、先ずはそちらを読んでいただければ、と思う。この宇沢先生の“異議申し立て”に関して、たとえば教え子である池田信夫あたりが「宇沢弘文氏の奇怪な農本主義」と題して、「人間は年をとると幼児に返るという」などと悪態、雑言を並べ立てたりしている(2/26のブログ)。要は、「新自由主義」や「市場原理主義」などへの批判がお気に召さぬらしいのだ。

池田の当該記事では、慎重に(?)「社会的共通資本(social common capital)」への言及は避けているが、この「社会的共通資本」というものを平易に論じたのが本著であり、初版はまさに世紀の変わり目の2000年であった。「社会的共通資本」とは、大きくは自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本を指し示し、「一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置を意味する」(本書はしがき)。

こうした意想に立って、宇沢先生は当著で「農業と農村」という一章を設け、「農業という概念規定より、むしろ農の営みという考え方にもとづいて議論」(同p.47)を具体的かつ説得的に展開している。詳しい内容については本書を熟読していただくとして、一点だけ付け加えたい事がある。それは「社会的共通資本」の論理を支える政治哲学で、宇沢先生はその主柱をリベラリズムに措いている。私は、「社会的共通資本」の論理に親和性のある政治哲学として、コミュニタリアニズムの思想に立脚する方がより整合的ではないだろうか、と考えている。

経済システムを考える基本視角を与える本です, 2010/6/15

社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

別の本で医療制度についての論考をみて、もっと新しい書き物を見たいと思って買いました。

読んでみると、1970年代からの論稿を編集したもののようで、当初の期待は、かないませんでしたが、しかし、全体に、2010年の今でも、当てはまる書きものだと思いました。

特に、概論に当たる、序章と1章は、社会に不可欠な資本を、社会的共通資本と私的資本の2種に概念として分けているところとか、新古典派経済学は、分配が公正なことは暗黙の前提として議論の対象から外し、もっぱら市場均衡が効率的な資源配分をもたらすことを主張するものだ、という指摘は、大切な視点だと思います。

 

また、1章は、ソ連崩壊直後に書かれたようで、社会主義の計画経済は、個々人の内発的動機と矛盾していたのだ、という指摘は、基本的なものだと思いました。というわけで、いまなお強力な新古典派経済学について、その基本的な考え方を批判したすぐれた本だと思います。

書き損ねましたが、経済制度は何か論理的に正しいものを追及するといった仕方でなく、当該社会の文化的、自然的、倫理的な条件にふさわしいものを制度化する形で、作られるのだ、という考えが提案されています。そして、現代では、自由権を満たすだけでなく、生存権を十分に満たす形で、経済システムは形作られるべきと、語られています。

日本・世界の未来を構想する多くのヒント, 2014/5/29

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

「一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置(p.ii)」であり「制度主義の考え方を具体的なかたちで表現したもの(p.i)」でもある社会的共通資本に関する入門書。

総論に続き、農業・農村、都市、学校教育、医療、金融制度、地球環境の各論が展開される。

「日本の学校教育を、その深層に立ち入って眺めるとき……末期ガンの患者に似たものがある(p.7)」「大学という聖なる組織が、ビジネスマンという俗世界の人々によって管理され、運営される……(p.152)」など引っかかる記述もあるし、三里塚農社(p.87~)は一体どうなったのかなど疑問点もあるが、日本や世界の未来を構想するにあたって参考になることは多い。

 私が特に興味深く読んだのは、(教育や医療はともかく)いわば「資本主義の中枢」である金融制度を社会的共通資本に位置づけるところと、「社会的共通資本の管理、運営は、フィデシアリーの原則にもとづいて、信託されている(p.23)」という、社会的共通資本の担い手に関する叙述だった。また、「共有地の悲劇」への新古典派経済学的解釈への反論として、「悲劇」を生まなかった共有地に関する研究例を半ページにわたって列挙している箇所(p.82)は愉快だ。

 

 

古典的名著『自動車の社会的費用』にはさすがに劣る, 2007/6/24

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

著者は「社会的共通資本とは、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置を意味する」としている。

それは、大気や森林などの自然環境、道路や交通機関などの社会的インフラ、教育や医療などの制度の三つの大きな範疇に分けて考えることができるとされている。

第2章ではリアルに日本の農業危機的状態が数字で補完されながら語られている。

第3章では自動車の社会てき費用の続編が少しではあるが記される。

第4章では学校教育が語られるがかなり理想論に暴走しており、現実的とは思えない考えが並び、門外漢さを露呈しているとも言える。

第7章では、環境問題が語られている。

このように多彩なトピックを経済的な観点から分析している。『自動車の社会的費用』と比べてしまうと、まとまりがないとまではいかないが、トピックの内容に多少のばらつきがあり、一つのトピックが短いため、それぞれのトピックについて消化不良感を味わってしまうことは否めないものの、これまた一読の価値あり。

制度主義って何でしょう...?, 2014/10/29

社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

ソースティン・ヴェブレンの「制度主義」(Institutionalism)を推奨しているのですが、その説明があまり無く、やや残念な本でした。人間不在の"輝ける田園都市"を志向したル・コルビジェへの批判と、それを本(「アメリカ大都市の死と生」)にしたジェイン・ジェイコブズに触れているのは賛同できます。

小生の印象に残った点は以下です。

・新古典派理論は、財・人の移動の非摩擦性(malleability)を前提としているが、それが非現実的なため、推論結果も現実に合わない。Stanford大出身のフーバー大統領がこれを盲目的に推進し、大恐慌を引き起こした。

・ケインズ経済学は、新古典派理論の「希少資源の私有制」「所得分配の公平性」を否定しなかったため崩壊した。

・日本の農業基本法は、工業の効率性基準を農業にも求めていて、うまくいかない。

・自動車は都市の空間を無駄に消費し、都市の活気を低下させる。

・大学や教育は、経済界の近視眼的要求で破壊されてしまった。

・日本の医療の点数制は、看護婦や医師のサービスに対する点数が低すぎる。

共有地の悲劇を、制度主義によって、どう防ぐのかという点が、よくわかりませんでした。

宇沢弘文読書案内, 2011/2/28

社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

本書は、筆者が1972年から2000年にかけて執筆、発表した論文(ただし大半のものは70年代の仕事)に加筆、修正を施してまとめたもの。筆者の定義に従えば、表題たる「社会的共通資本social overhead capital」とは、「一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置を意味する」。

「本書では、まず社会的共通資本の考え方とその役割を説明する。そして、社会的共通資本の考え方が経済学の歴史のなかで、どのように位置づけられてきたかを考える。

さらに、社会的共通資本の重要な構成要素である自然環境、農村、都市、教育、医療、金融といった、個別的な事例を取り上げて、それぞれの果たしてきた社会的、経済的な役割を考えるとともに、社会的共通資本の目的がうまく達成でき、持続的な経済発展が可能になるためには、どのような制度的前提条件がみたされなければならないかを考えたい」。

「自己疎外」に陥らざるを得ない工業との比較の中で「農業部門では、そこに働く人々が自らの人格的同一性を維持しながら、自然のなかで自由に生きることが可能になる」とは農業に過大な夢を抱き過ぎ、とか、温暖化議論において数多の論者の例に漏れず環境ファシスト傾向が見られる、とか、個人的な経験談を一般論へと飛躍させすぎだ、とかツッコミどころは数知れずだが――もちろん賛同すべき個所も数知れず――、たぶん本書を論じるにおいて、それらを個別に列挙し、指摘することはあまり意味をなさない。というのも、本書における議論は『自動車の社会的費用』や『日本の教育を考える』といった既刊のテキストのダイジェストでしかなくて、各論的なテーマをめぐるあれこれはそれらを集中的に論じたテキストにおいて交わされるべきだ、と私は思うから。

スタンスへの賛否はどうあれ、筆者のブレなさ加減が確かめられる一冊であることは事実で、各々のトピックに対する氏の立場や価値判断を掻い摘むには適切に違いない。宇沢氏のテキストを読み進むための手引きとしては有効な一冊だ、とは思う。

ただ逆に、他のレヴューにもあるように、既に氏の本をある程度読まれているような方にとっては物足りぬとの印象を抱かせてしまうのはやむなきことと思われる。

気軽に学べる1冊, 2007/8/2

社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

コモンズとは「みんなで守っていくみんなの財産」のこと。つまり、きれいな空気とか里山とか、人があるまる憩いの場とかそういったもののことをさす。そんな、コモンズ研究の第一人者、宇沢弘文の考え方を気軽に学べる1冊。

社会的共通資本概念の提示, 2006/12/30

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

宇沢弘文である。社会的共通資本である。沢弘文と「社会的共通資本」概念は、教育や医療を考えていく際に避けて通ることが出来ない。既に読んでいることが前提となる。

本書は手軽な新書形式であるが、性格の違う幾つかの媒体(発表時期にもやや幅がある)に発表されたものの集積である。その為に、やや読みにくさががある。

宇沢の「職業的専門家」相互の批判、点検による社会からの信頼獲得との立論が、現状との乖離を感じさせるが、その解明を考えることも本書読むに際して必要な思考実験となる。 

  社会科学の必読書, 2009/11/30

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

先日機会があって宇沢弘文さんの講演を聞くことがあり、さっそくこの本を買って読みました。一昔前の資本主義か社会主義かの対立、今日の混沌たる社会状況を踏まえて、今後社会はどのようにあるべきか考える上で、読むべき本かと思います。また、経済学、社会学、政治学といった専門分野にとらわれず、社会科学という社会をその研究対象として勉強する者がその基礎的知識・概念(うまい言葉がありませんが)として読んでおくべき本かと思います。

後半に行くにしたがって個別化しすぎでは…, 2004/9/20

社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

社会的共通資本とは自然・インフラ・制度を包括する社会共有的性格を保有する資本を指し、既存の経済制度の矛盾が拡大する中、その根本的矛盾を正すものとして機能させていくべき持続的かつ生活権を含んだ概念のようだ。

この、社会的共通資本の説明をしている第一章はとても読み応えがあり、抽象的な社会的共通資本という言葉をなんとなく理解することが出来た。また、第二章は「農」に焦点を当てていて、「基本法農政」などと対比させながら、どうやって「社会的共通資本」の考えを生かし、農業再生、農村の豊かさを取り戻していくか、というベクトルにそって話を進めていて、筋が通っていて分かりやすかった。

ただ、第三章以降、「社会的共通資本」という概念が分散されてしまっている気がして、理解していくうえで、どうベクトルを定めたらいいのかがわからなくなってしまった。

第三章は「都市」に焦点を当てているのだが、内容は、ほぼ「クルマ社会」の話、都市理論の話に終始する。

第四章は教育なのだが、基本的に外国の例を述べていく。「社会的共通資本」は地域性を含む概念だと説明があった気がするが、日本を中心に対比的に述べないと説明として整合性がないのではないか。その後医療・金融・環境について述べるが、やはり「社会的共通資本」を理解するうえで最善のベクトルでの議論ではなかった気がする。最初、これが、社会的共通資本か、概念として導入するには素晴らしい、では、この概念的なものをどう導入していくのだろうか?と思った状態から進ませてもらえず、逆に社会的共通資本の認識も希薄になってしまった。かなり新書にしては難しい内容で、私の知識不足も大きく影響しているものと思いますので、少し差し引いたものとして参考にしてくれればと思います。特にこの著者が偉大な学者さんであるのは間違いないですから。

文章が平易でない, 2013/12/24

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

文章が平易でないので理解しにくいところが結構あった。わかりやすく書いて欲しい。

読むべき本・・・でも・・・, 2003/10/16

: 社会的共通資本 (岩波新書) (新書)

環境経済のテキストなどを読むと、ほぼ必ずといっていいほど参照される「社会的共通資本」という概念についての簡単かつ明瞭な解説書。普通のインフラの概念を自然や制度にまで拡張する。新古典派に対する批判や、コモンズの悲劇の非現実性についても触れられており、確かに勉強になる。また、車社会への批判などにもある程度共感する。でもね、教育のところなんかはすごく戦後民主主義くさいお説教に見えて、いやになる。また、全体的に言うと、文章はすごく平坦な感じ。私は、合わない。とはいえ、豊かな生活ってなんだろう? などと考えるときには役に立つ。

9:22 2014/10/31

社会資本

社会資本(しゃかいしほん)とは、主として次の2つの意味で使われる。

1.社会学における社会関係資本(social capital、仏: capital social) - ソーシャル・キャピタルの項を参照

2.経済学における社会共通資本(social overhead capital; SOC) - インフラストラクチャーの項を参照

「社会資本」という言葉はもともと俗語であった。それに類する概念を考えていた者も19世紀頃からいたと言われるが、それを掘り下げたのがアメリカのジェームズ・コールマン、フランスのピエール・ブルデューといった社会学者であり、アメリカの政治学者、ロバート・パットナムがイタリア社会の絆にこの名前を名づけたことで、広く知られるようになったとも言われる。なお、日本語としての社会資本は、電気や水道、ガスなどの社会的なインフラストラクチャーを意味する概念として定着しており、人間関係のつながりなどソフトな意味での社会的な資本としては、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)として理解されている。

 

 

 

目次  [非表示]

1 社会学における社会資本

2 経済学における社会資本

3 社会資本整備 3.1 社会資本整備重点計画

3.2 社会資本整備総合交付金

3.3 社会資本整備事業特別会計

 

4 参考文献

5 関連項目

 

 

社会学における社会資本[編集]

 

社会資本とは、社会的ネットワークにおける人間関係のことを指す。社会の信頼関係、ネットワークといった人間の協調行動が活発化し、社会の効率性が高まることで人々がもつ信頼関係や人間関係をあらわしている。ピエール・ブルデューは文化資本、経済資本に対置する資本として位置づけ、三者相互の互換性を指摘した。ネットワーク分析においては、個人の持つネットワークを社会(的)資本と呼ぶことも有力である。

 

経済学における社会資本[編集]

 

経済学における社会資本は、企業・個人の双方の経済活動が円滑に進められるために作られる基盤のこと。これは社会学用語で社会関係資本ともよばれる。国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設でインフラストラクチャーに相当する。その分野は道路・港湾・住宅・公園・緑地・工業用地・上下水道・公営住宅や病院学校等多岐に渡る。公共の福祉のための施設であるが、これらについては民間で供給することが難しく、民間が事業として成立しにくいため政府や公共が重要な供給主体となることが予想される。そのため、政府や公共機関が確保し建設、管理を行う。経済成長のための基盤であるが、一部の社会資本は、財政構造改革推進等により民活型社会資本整備としてPFI手法が導入されている。もともと、アメリカの経済学者、アルバート・ハーシュマンが社会的間接資本として定義した。日本ではハーシュマンを批判的に検討した宮本憲一の研究が有名。

 

社会資本整備[編集]

 

現在では社会資本の整備に関して、社会資本整備重点計画法(平成15年法律第20号)に基づいた、社会資本整備事業を重点的、効果的かつ効率的に推進するために策定する社会資本整備重点計画がある。

 

社会資本整備重点計画[編集]

 

社会資本整備事業について、重点的、効果的かつ効率的に推進するために策定する計画で、対象は各種インフラ施設(道路、交通安全施設、鉄道、空港、港湾、航路標識、公園・緑地、下水道、河川、砂防、地すべり、急傾斜地、海岸など)及びこれら施設の整備事業と一体となってその効果を増大させるため実施される事務または事業となっている。計画期間は5箇年で計画期間中にどのような視点に立ち、どのような事業・施策に重点を置くのかといった方向性を明確に示しておくものである。

 

社会資本整備総合交付金[編集]

 

地方公共団体はまた社会資本整備総合交付金により事業を実施しようとする場合、社会資本総合整備計画を作成し国土交通大臣に提出とともに、これを公表することとしている。これは活力創出基盤整備、水の安全・安心基盤整備、市街地整備、地域住宅支援といった政策目的を実現するために、作成した社会資本総合整備計画に基づき、目標実現のため基幹的な社会資本整備事業のほか、関連する社会資本整備やソフト事業を総合的・一体的に整備・支援するための交付金である。国土交通省所管で地方公共団体向けに個別補助金を一つの交付金に原則一括し、地方公共団体にとって自由度が高く、創意工夫を活かせる総合的な交付金として創設した。

 

これには、

1.基幹事業(社会資本総合整備計画の目標を実現するために交付金事業者が実施する基幹的な事業)

2.関連社会資本整備事業(社会資本総合整備計画の目標を実現するため、基幹事業と一体的に実施する事業)

3.効果促進事業(社会資本総合整備計画の目標を実現するため、基幹事業と一体となってその効果を一層高めるために必要な事業等)

 

がある。

 

社会資本整備事業特別会計[編集]

 

社会資本整備総合交付金は行政改革推進法の方針に従い、特別会計法に基づき、平成20年度からは一体管理するために一般会計からの繰入金、地方公共団体等からの負担金などを主な財源として、治水、道路・港湾・空港整備、都市開発資金の貸し付けといった社会資本整備関係事業等の会計を包括統合されてできたもので、つまり治水や道路整備などの公共事業を行うために、それまでは治水特別会計(昭和35年設置)、道路整備特別会計(昭和33年設置)、港湾整備特別会計(昭和36年設置)、空港整備特別会計(昭和45年設置)、都市開発資金融通特別会計(昭和41年設置)といった5つの特別会計で個別に対応していた。

参考文献[編集]

宮本憲一『社会資本論』(有斐閣、1967年)

9:23 2014/10/31


社会的共通資本・エバーノート・タブレット

本  社 〒398-


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