この日本政治刷新の試みを破壊したのが、民主党内に潜んでいた米官業利権複合体勢力である。渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、安住淳、枝野幸男、玄葉光一郎の10名を悪徳10人衆と呼ぶ。増田
引用
第930号(2014年9月18日号)
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金をまいても無駄なコンクリート橋は壊れない
世界の先進国経済は私の言う「下山の哲学の時代」(成長無き時代)に従って今後も低成長又はゼロ成長が続きデフレ化は免れない。
2008年のリーマン・ショック後FRB(連邦準備理事会=アメリカの中央銀行)主導による大規模な金融緩和で株価と不動産価格が上昇したことから景気が上向いたかに見えるが2014年になると息切れとなり米国、欧州、日本の経済成長率が低下してきた。
アメリカの第1四半期は約3%のマイナス成長であったがアメリカの広範囲を襲ったハリケーン等の悪天候が原因とされた。
欧州の第2四半期のゼロ又はマイナス成長はアメリカ同様の悪天候とロシアとの制裁欧州の影響とされている。
日本の第2四半期の景気の落ち込みは4月からの消費税の為とされた。
では何も理由のない第3四半期に日米欧経済は何故停滞するのか。
私はFRBが緩和政策を本年10月に止めるのは金融政策の経済成長に対する限界を認めたからであると指摘した。
先進国経済の停滞は経済構造上の問題であって金融緩和と言う名のカンフル剤で病根を絶つことは出来ない。
最大の問題は生活水準の高度化と世代問題と言う人口問題である。先進国の耐久消費財はもうこれ以上改良の余地がないほど品質が向上している。
車も家族数だけの台数になった。世界中旅行したのでもう行くところがない。贅沢もここまで来ると限界である。生活水準の向上の見込みがなくなったら消費も投資も伸びないから経済成長は止まる。
更に日本は団魂の世代と言う「よく働きよく使う世代」が15年前から引退してしまったので経済は活力を失った。アメリカとドイツなど欧州では2014年からベビーブーマーという日本で言う団魂の世代が引退する。
金融緩和でマネーを振り撒いても経済は踊らないのである。
安倍内閣第三の矢の規制緩和による新規需要喚起にも限界がある。
残された最後のチャンスはScrap and Build(破壊による建設)しかない。
日本経済が比較的健全なのは2011年3月に東日本大震災を受けてインフラ投資が強制されたからである。
過去に行った無駄なコンクリート型公共投資で作ったインフラを災害ではなく国家事業として破壊(Scrap)するしか術が無くなってきた。
日米とも笛(緩和)を吹いて株価を上げて喜んでいる場合でない。17:18 2014/09/18
第929号(2014年9月12日号)
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(セプテンバー・イレブン・グランド・ゼロのNYからお送りします)不況に向かう欧州経済
本誌(No.928:9月5日号)「ECB(欧州中央銀行)ドラギ総裁の度重なるミステイクで」ECBの利下げとマイナス金利で銀行預金に罰金を課す政策は益々資金の活性化を阻害し銀行の不良債権化政策に他ならないと述べた。
欧州経済が今後不況に陥り日本同様デフレ経済に陥ろうとしているのは15年来日本経済がデフレ化したのと同じ理由。日本は1998年から「団魂の世代」(戦後の第一次ベビーブーマー、よく働きよく使う世代)が引退し始めた為経済が高成長から低成長に陥り年を追うごとにデフレ化が進行した。
欧州経済のデフレ化の原因を理解せず通貨増刷とマイナス金利でインフレ化出来ると考えるドラギECB総裁の愚かさは日銀の黒田総裁の上を行く。
定年年齢上限化、高齢労働者支援と保証、移民政策緩和等人口構造問題に取り組むことが先である。いずれにしても先進国は民主主義国家が多いから政府は札を刷るような安易な愚作に走り国民が嫌う増税など財政健全化は口にするだけで実行しない。現在欧州先進諸国はすべて財政悪化が続き経済成長はゼロ又はマイナスである。欧州経済をけん引してきたドイツは本年(2014年)から2022年に向けて、かつての日本同様ベビーブーマーの引退が加速する。さらに欧州の経済健全国家スイス、比較的経済成長プラス(3%)の英国、オーストリアがドイツに続く。過去5年間の平均経済成長がマイナス1.45のイタリア、マイナス01%のフランスは今後さらに成長が落ち込むことが明白になっている。
トロイカ(EU、欧州救済資金、IMF)で財政破綻を救済されたギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインなどは言うに及ばない。
アメリカはこれから暴落と言う犠牲を厭わず金融緩和政策を止め、さらに来年早々の利上げを決定しているのに、欧州は、人口構造問題は言うに及ばず経済構造改革と言う難しい問題をことごとく避け安易なゼロ金利や通貨増発で目先をごまかす政策しか採ろうとしない。
安倍内閣は消費税増税を断行、さらに第三の矢で聖域と言われてきた農業、医療、教育分野の自由化を掲げているが見せかけだけに終われば欧州同様不況は避けられない。
今回の「小冊子Vol.60」は題名を『The Great Crash is Coming(大暴落目前)』とし、ワシントンD.C.での「防衛会議」(於Capitol Hill)、次期大統領を共和党から出すための会議への参加(NY)からの生情報、又CME(シカゴ・マーカンタイル:世界最大先物市場)の有名アナリストと私の激論など掲載。
乞うご期待!
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17:19 2014/09/18
「植草一秀の『知られざる真実』」 2014/09/17
日本政治の本格再編が始動するのはこれから 第964号
2014年9月16日は民主党の命日になった。民主党は岩手県盛岡市で開催した両院議員総会で新体制を決定した。海江田万里氏は代表職にとどまり、代表代行 岡田克也氏幹事長 枝野幸男氏政調会長 福山哲郎氏国対委員長 川端達夫氏常任幹事会議長 大畠章宏氏が決定された。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-2f8e.html
代表代行 高木義明氏
両院議員総会長 直嶋正行氏は留任となった。
海江田氏は自身の続投と引き換えに、民主党を悪徳10人衆残骸と連合直系議
員による支配体制を容認する姿勢を示した。
民主党が悪徳民主と正統民主に分裂して、正統民主が主権者勢力と連携する路
線は消滅した。悪徳民主は自民党とほとんど差異がない。連合直系勢力も、米官業による日本支配を容認する勢力で、自民党の路線と差異がない。民主党は名実ともに自公勢力と同類の政治勢力に転換したわけで、いずれ消滅する流れに入った。
2009年9月に樹立された鳩山政権は、小沢氏、鳩山氏が主導した政権であり、米官業による日本政治支配の構造を根底から刷新することを基本に据えた。
そのために、普天間の辺野古移設見直し官僚の天下り利権根絶と消費税増税の封印企業団体献金の全面禁止の三つを政権公約に掲げたのである。米官業が支配する日本政治を、主権者が支配する日本政治に転換しようとした。
この日本政治刷新の試みを破壊したのが、民主党内に潜んでいた米官業利権複合体勢力である。渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、安住淳、枝野幸男、玄葉光一郎の10名を悪徳10人衆と呼ぶ。
悪徳10人衆の残骸が悪徳6人衆とも呼ばれたりしている。
この勢力が、主権者のための政治確立を阻止し、鳩山政権を破壊した。
万死に値する10人衆である。
海江田氏が代表職に位置する間に、民主党を悪徳民主と正統民主に分裂させ、
正統民主を主権者勢力と糾合させるべきであったが、すでに民主党の実権が悪
徳民主に握られており、党再生を実現できなかった。
海江田氏は代表職留任と引き換えに、党運営の実権を悪徳10人衆に明け渡す
選択をしたが、海江田氏自身が淘汰されるのは時間の問題であろう。民主党は、9月16日をもって、完全に悪徳民主党に衣替えした。新党名を悪徳民主党とするのが分かり易いと思われる。この悪徳民主党を支配するのは、悪徳10人衆残骸と悪徳労働組合連合である。
労働組合は、本来、労働者=生活者=消費者=主権者=個人の側に立つべき存在であるが、連合は違う。原発を推進し、戦争を推進し、TPPを推進し、消費税を推進し、沖縄基地建設を推進するほとんど、自民党支援団体と言ってよい存在である。
連合に加盟している労働組合のなかに、現在の連合が示す方針に賛同できない
と思われる労働組合が存在する。これらの労働組合は、連合から脱退して、主権者の側に立つ労働組合組織を新たに樹立するべきであろう。
2015年までに実施されると見られる次期総選挙まで、時間が短くなりつつ
ある。
主権者勢力の結集が急がれるが、新政党の樹立がはっきりと展望できない。原発、憲法、TPP、消費税、沖縄基地など、重大問題が山積しており、これらの問題について、主権者の側に立つ政治勢力の結集が急がれる。民主党が命日を迎えたことで、これを前提に政界再編を急ピッチで進展させなければならない。
日本政治の凋落は、要するに、小沢-鳩山政権を民主党内に潜む悪徳分子が破
壊したところから始まっている。日本が米国からの独立を果たすためには、何から何まで米国の命令通りという図式から離れることが必要だった。米国は日本のカネで辺野古に基地を造らせたいと考えているが、日本にとって、辺野古に新たに米軍基地を造らねばならぬ理由は皆無である。
普天間の危険除去が必要なら、普天間を閉鎖すればよいだけのことだ。普天間移設先を県外・国外にすることは、日本が真の独立を実現する第一歩だった。ところが、この重要案件を破壊したのは、民主党の岡田克也氏、前原誠司氏、北澤俊美氏の三名だった。
岡田克也氏は米国の命令にただひたすらひれ伏しているだけである。そして、米国が危険人物として排除しようとした小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に対する攻撃を全面的に展開した。単なる米国のエージェントであると言わざるを得ない。前原誠司氏もまったく同じ範疇に入る人物である。
海江田氏が最後のよりどころにしたのは、連合であるが、連合自体が、すでに
主権者とは遠く離れた存在になっている。どうして労働組合が、原発を推進し、
戦争を推進し、TPPを推進し、消費税大増税を推進し、沖縄の米軍基地建設を推進しなければならないのか。
これらの政策を推進する以上、連合は自民党の支援団体になるべきである。連合に加盟している労働組合は、現在の連合の基本路線を虚心坦懐に、再検証するべきである。政策を再検証するなら、連合を脱退する労働組合が続出するはずである。現在の連合は、電力、電機、自動車、鉄鋼の組合に支配されているが、これらの業界の主張は、基本的に原子力ムラの主張と変わらない。
原子力ムラは、自分たちの利益のためなら、主権者が苦しもうが、日本が破壊
されようが、おかまいなしの者たちである。
この方針に連合全体が引きずられていることがおかしい。主権者は、現在の民主党が、もはや、主権者の側には存立しえない存在になったことを知らねばならない。電力、電機、自動車、鉄鋼関係の企業に勤務する人々は、自分が属する産業の利益のためには、主権者の利益も、労働者全体の利益も関係ないと考えるのかも知れない。
そう考える人々は、連合の方針に賛同し、自民党や悪徳民主党を支持すればよいだろう。しかし、大多数の主権者は、このような狭い料簡でものごとを考えることを放棄するべきである。日本の主権者全体の利益、日本の労働者全体の利益を基軸にものごとを考えるべきである。
そう考えるなら、現在の連合と、悪徳民主党の方針には、どうしても賛同でき
ないということになるはずだ。安倍政権の暴走が拡大し、日本の未来が暗黒に覆われ始めている。その具体的根拠が、原発、憲法、TPP、消費税、沖縄基地の各方針なのである。この重大問題について、主権者の声に真摯に耳を傾け、主権者の意思を反映する政治を実現する政権を何としても樹立しなければならない。
ところが、それぞれの問題で、各種世論調査で安倍政権の方針に反対する意見
が、すべて過半数を超えているというのに、この声を正面から受け止める真正
野党が登場しない。
既得権益勢力の謀略で、正統民主が破壊され、その延長上に創出された生活の
党が不正な手段で破壊されたことが最大の原因である。
2012年12月の総選挙では、生活の党(未来の党)が、不正な手段によって、人為的に破壊された。その後遺症がいまだに続いているのである。とはいえ、現実は現在進行形で動いている。新しい主権者政党を確立しなければ、次の選挙に間に合わなくなる。こうなると、主権者が主導して、新政治勢力の創出を実現しなければならなくなる。
幸いなことに、マスメディアの大宣伝で創作された「第三極」と呼ばれる政治
勢力が、自壊作用を引き起こしている。
もともと、内容がなかったのだから、自壊するのは当たり前のことだが、この
状況を活用して、真の主権者勢力を確立してゆかねばならない。民主党は、名実ともに悪徳民主に衣替えしたわけで、この意味では、真の主権者勢力を確立する好機が到来したとも言えるわけである。
主権者の側は、現在の自公と大同小異の政治勢力がどれだけ創作されても、何
の意味もないことを知っている。主権者にとって必要なことは、主権者の側に立つ政治勢力の登場である。日本政治の本格再編はこれから始動することを、すべての主権者が認識しておかなければならない。
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著者:植草一秀(政治経済学者)
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━7:54 2014/09/18
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