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2014年4月14日 (月)

持続可能なまちは小さく、美しい 上勝町の挑戦 [単行本] 笠松 和市(著), 佐藤 由美

引用

この方が小池百合子環境大臣に直訴したという笠松和平町長である。

☆上勝町はテレビ等で何度も取上げられたおばあちゃん達の第3セクター「はっぱ産業」も有名。

☆この第3セクター方式による町興し政策を笠松氏は「開発課長」として進めていた。

☆その中で「もくさん」という木造住宅会社の木材乾燥設備として廃熱ボイラーを検討。

☆生ごみを除去すれば焼却しながら廃熱が利用できる。そこで生ごみの単独自家処理が検討された。

☆一方1970年代から続いた野焼き、穴への直埋めに対する苦情が絶えず、火災の多発もあり、1993年にリサイクルタウンを宣言した。

☆電動生ごみ処理機の全町内への導入を図ることでごみ焼却による廃熱ボイラーの有効活用を計画。

☆更にごみの中の異物を除去するために多種分別が始まった。生ごみ堆肥化率98%になる。

☆数年して国のDXN規制が始まり廃熱ボイラーが採用不可、処理能力約1トン/日の小型炉2基を設置。

☆規制で野焼きの穴も閉鎖、更なる国の規制強化で焼却炉も停止となる。規制を満たす小型炉はない。

☆焼却も埋め立ても出来ない「雪隠詰め」の状態におちいる。 

☆その結果選択したのがが「35分類」であった。資源化先の調査と選定を進めた。(現在34分類)

☆2004年笠松町長は「資源回収に関する法律」を制定するよう当時の環境大臣小池百合子氏に直接手渡す

☆その趣旨はデポジット方式を基本とした「消費の逆ルート」(静脈物流)を確立し、ごみの出ない商品の開発に国が支援すべきとの内容だ。

☆上勝町のゼロ・ウェイストはトップダウン方式で住民運動方式ではない。

☆葉っぱ産業等が元気なためか、いくらかの不満はあっても大きな不協和音は聞えない。

http://blogs.yahoo.co.jp/h7y1m20t/19169636.html

7:39 2014/04/14


生涯現役社会のつくり方 (ソフトバンク新書) [新書]  横石 知二 (著)

内容紹介

むずかしいことじゃない。かんたんなことでもない。でも、できたし、できること。

 糸井重里氏、推薦!

人口の半分が高齢者の町で「葉っぱビジネス」を興し、どん底の過疎の町を“好期"高齢者の町に蘇生した著者が、 二十数年かけて培った生涯現役社会のつくり方のノウハウを公開。机上の空論ではない、実践者にしか語れない生きた実学!

朝起きてもやることがない。だから顔見知りが集う病院に行く。すると病院が「談話室」と化す。これが医療費増大の一面である。

こうした負の循環を断つには、高齢者が自らお金を稼ぐ「産業福祉」の仕組みづくりが必要だ。

 生きがいになる仕事があれば、健康を維持しつつ、収入も得られる。すると「年金受給者」は「納税者」となり、医療費も減少。

 老後は「明るい将来」となる。

◎後期高齢者ではない“好期"高齢者の社会を実現する具体的解決策を提示!


第1章 年金受給者から納税者に

第2章 高齢化しても医療費は少なく

第3章 高齢者は「うば捨て山」ではない

第4章 老後を将来に

第5章 認知症予備軍から数字に強い高齢者へ

第6章 高齢者とパソコン

第7章 高齢者が自立できる環境づくり

内容(「BOOK」データベースより)

 

朝起きてもやることがない。だから顔見知りが集う病院に行く。すると病院が「談話室」と化す。これが医療費増大の一面である。こうした負の循環を断つには、高齢者が自ら稼ぐ「産業福祉」の仕組みづくりが必要だ。生きがいになる仕事があれば、健康を維持しつつ収入も得られる。高齢者は納税者となり、医療費は減少。「老後」は「明るい将来」となる。人口の約半分が高齢者の町で「葉っぱビジネス」をおこし、“好期”高齢者の社会を実現した著者が、二十数年かけて培った生涯現役社会のつくり方のノウハウを公開する。

 

 

登録情報

新書: 176ページ出版社: ソフトバンククリエイティブ (2009/2/17)

発売日: 2009/2/17

 目次

はじめに

 

●第1章 年金受給者から納税者に

年金はおばあちゃんたちの宝 / おばあちゃん、葉っぱで年収1000万円 / 「年金」から「年収」へ /

年収を得るために「産業福祉」を / 出稼ぎ、下で使わない産業福祉構造 / 電気を消すと、「気」も消える / 地域資源を見直そう

 

●第2章 高齢化しても医療費は少なく

有業率は高く、医療費は少なく / 上勝町を目指せば老人医療費が2兆円減る? / やることがあれば体の痛さは消える /

「老働」が元気を生む / やることがあると健康に気を付ける / 必要とされる人間になる / 仕事はリハビリにもなる

 

●第3章 高齢者は「うば捨て山」ではない

高齢者を「うば捨て山」にしている日本 / 老人医療と介護サービスについて思うこと / 老人医療費がタダだった頃 /

高齢者には共同作業より個人作業 / お年寄りには知恵と経験がある / 元気なお年寄りは無邪気で負けず嫌い /

上勝の元気な“暴走老人"たち / 人は誰でも主役になれる

 

●第4章 老後を将来に

生涯現役の「彩」の仕事 / 夢の種をまく / 「やってみるって大事やな」 / 高齢になっても働ける環境づくり /

朝起きたときにすることがあるか / 未来が描ける福祉を / 「後期」高齢者を「好期」高齢者に / 地域の学校が大切

 

●第5章 認知症予備軍から数字に強い高齢者へ

仕事が脳を鍛える / 田舎には考える習慣がなかった / 20年前より若返った顔 / 儲けるために数字に強く、ニュースに敏感に /

仕組みづくりが出発点 / 「個」にこだわる / 大事なのは「個人」

 

●第6章 高齢者とパソコン

 パソコンが重要な葉っぱビジネス / じいさんばあさんに使えるわけがない? / おばあちゃん用パソコンの誕生 /

見たくなるパソコンの中身づくり / 上勝の「光ファイばーちゃん」 / マイクロソフト社がやって来た /

マイクロソフト社CEOからの依頼 / パソコンのキーボードは、“気ーボード" / 田舎でパソコンは最高の道具

 

●第7章 高齢者が自立できる環境づくり

選択肢がない老人福祉 / 人間を元気にする3要素 / リーダーよりもプロデューサー / よそ者が渦を巻く仕掛け /

提案「全国ばあちゃん制度」 / 高齢者の田舎暮らし促進 / コンパクトシティ構想に思うこと / 居場所づくりこそ福祉 /

高齢者が輝くことで、地域と未来が輝く

 

 おわりに

未来の指針、ここにあり。横石氏の最新エッセイ, 2009/9/27

小西昌幸 "先鋭疾風社" (徳島県北島町) - レビューをすべて見る

レビュー対象商品: 生涯現役社会のつくり方 (ソフトバンク新書) (新書)

 

■1986年、上勝町農協で、つまもの商品「彩(いろどり)」を開発し大ヒットさせ、今や世界的に知られるまでになった横石氏(第三セクター《'鰍「ろどり》代表取締役副社長)の新著。

■人口約2千人の上勝町で、彩を支えている農家は約2百軒で平均年齢は70歳超。

■年間売り上げは2億6千万なので、一人当たり平均130万円の収入だ。

■しかも身体を動かすので老人医療費も県下一低い。未来の指針、ここにあり。

5つ星のうち 5.0  職員教育用にも活用しています, 2009/7/26

レビュー対象商品: 生涯現役社会のつくり方 (ソフトバンク新書) (新書)

 

私は、地域で社会福祉事業を展開する法人の事務局に勤務するものですが、以前研修で横石社長のことを知り、現地のセミナーにも参加をさせていただき大変感銘を受けました。

ただし、それは私一人が知っていても意味がないことであるため、その後2名の職員をセミナーにさんかさせましたが、すべてのスタッフに知ってほしい事柄や私どもの日頃の活動のヒントが凝縮された書籍であると思っております。

そこで、手始めに来年度の新卒内定者7名に同書籍を配布させていただき、レポート提出活用をさせていただきました。

私が思うのに、横石社長は第二の「小倉昌男」かなって思っています。

 

5つ星のうち 5.0  考え方、見方を変えて、幸福の歯車を回した上勝町, 2013/6/15

レビュー対象商品: 生涯現役社会のつくり方 (ソフトバンク新書) (新書)

 

どん底と言ってもいい、上勝町を再生、復活させ、幸福の正のサイクルを回して、前人未到の「葉っぱ」ビジネスと高齢者の仕事を通して、元気を見出した、横石氏による、振り返りです。本書を読んでわかるのは、条件が悪く、普通に考えて、熱意も努力、創意工夫をしなくなれば、そのまま、ダメになっていく。

しかし、逆に、今あるもの、やる気、発想の転換、努力を継続すれば道は開けるということ。

社会起業家という言葉が流行っていて、ITを活用して、コミュニティを形成し、社会貢献をすることがトレンドです。

しかし、30年以上前の上勝町は、状況はまったく逆。最悪とも言える町の状況は、人々の「気持ち」を萎えさせて、そのままでは、安楽死するような状況でした。それを、いかに再生し、しかも、世界的な起業の関心を集め、同時に、マイクロソフトの協力も取り付けるまでになった経緯を詳細に語っています。本書では、産業創成にまで踏み込んで、上勝での成功のエッセンスをこの国の未来に応用するヒントの提示がなされています。

 

年寄りしかいないから。この場所、地域には、何もないから。みんな出て行って、どんどん寂れていくばかりだから。

嘆いていても、悪くなるだけ。思い込みや常識にとらわれず、とにかく、頑張ってやってみようという実話には頭が下がります。

発端が、寿司屋で偶然みた、女性が妻ものの葉っぱを、気に入ってハンカチにつつんで持ち帰ることで、横石氏にひらめきを与えたというところは、何度聞いても、読んでも、ためになります。ぼーっと生きていては、絶対に生き方に改革は怒らない証左。

5つ星のうち 5.0  現実をみつめあきらめずに取り組む, 2011/3/8

レビュー対象商品: 生涯現役社会のつくり方 (ソフトバンク新書) (新書)

 

葉っぱを売って、地域と地域のお年寄りを元気にしたことで有名な、横石知二氏の本。横石氏の考えが良く分かる、良書だと思います。なかには、「高齢で、さらに田舎の人は、あきらめの早い人が多い。

すぐに、やめようとする。何かをやってみてダメだったら、言い訳を考えて何かのせいにする。」

p123

など、厳しく聞こえる部分もありますが、このような厳しい現実があるのも、確かなことでしょう。現実から目をそらすことなく、あきらめずに取り組むことの大切さが、わかった気がします。

7:53 2014/04/14

 

持続可能なまちは小さく、美しい 上勝町の挑戦 [単行本] 笠松 和市(著), 佐藤 由美(著)   5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレ

内容紹介

 

人口2000人、高齢化率48%。グローバリゼーションに晒され、高齢化・過疎化の只中にある徳島県上勝町。全国最多の34分別でゴミの8割をリサイクル、お年寄りが木の葉を売るいろどりビジネスなど、時代を先取りするユニークな取り組みで注目を集める。地方の現状を打破し、衰退から再生への、揺るぎないまちづくりの挑戦。

内容(「BOOK」データベースより)

 

木の葉をおカネに変える葉っぱビジネス、全国最多の34分別でごみの80%をリサイクル、第3セクターによる地域資源を生かした産業おこし、住民による地域づくり運動会…人口の2倍以上の視察者が世界中から訪れる「1人あたりの視察者が世界でいちばん多い町」、次代を先取りする上勝町が次にめざすのは、世界初の持続可能な地域社会の実現!地方の疲弊を打破する、元気がでるまちづくりの全貌。

登録情報

 

単行本: 208ページ出版社:

学芸出版社 (2008/6/10)発売日: 2008/6/10

はじめに

満開の桜の祝福を受けて、この春、徳島県上勝町の子供たちが入学式を迎えました。今年の新入生は中学校で10人、小学校で13人でした。しかし、就学前の子供になると、五歳児は九人、四歳児が一七人、三歳児は十人、二歳児は六人、一歳児は九人、ゼロ歳児は七人しかいません。いずれ二学年を一学級に編成する複式学級になり、やがて閉校にでもなれば、子供を持つ家庭はこの町に住みにくくなり、過疎化と少子化にいっそう拍車がかかります。

上勝町の人々は、山に木を植え、棚田を耕しみかん畑を造成して懸命に働き、子供を育ててきました。しかし、成長した子供たちは高校、あるいは中学卒業と同時に町外に出ていかざるを得ません。一九六五(昭和四〇)年頃からこのような状態が続き、6,000人を超えていた町の人口は三分の一以下の2,000人まで減少しました。高齢化率は50%に迫り、55ある集落の30までが限界集落になっています。このまま推移すれば町そのものが限界自治体になり、いずれ消滅してしまいます。

しかし、そんな小さな町にも、「持続可能な地域社会」をつくるという大きな目標があります。この目標を実現するには、より多くの人に脳山村の実情を知っていただき、力を合わせて環境と経済が調和した持続可能な社会の実現を図らなければならないという思いから、本書の上を考えるようになりました。この本は、木材とエネルギーの生産地だった山村が経済のグローバル化によって外国産材と化石燃料の消費地になったことを明らかにし、その結果をもたらされた様々な問題を解決するために上勝町がどんな努力を続けてきたかもまとめてあります。

さらに、各地に持続可能性を取り戻す方策として「資源回収法」(仮称)と「過疎過密国土荒廃防止法」(仮称)を提案しています。

幸いなことに、希望の端緒はたくさんあります。木の葉を商品にする「いろどり農業」や、34分別によるごみの減量などが注目を浴び、毎年人口の二倍以上の視察者がこの町を訪れています。ワーキンギグホリデーや棚田オーナー制度をはじめとする交流を通じて定住者も増え、町に活気が出てきました。2006(平成18)年には全町に光ファイバー網を敷設し、この街にいながら世界の情報を受発信をし、ビジネスができる環境を整えました。昨年はマイクロソフト株式会社と「ICT(情報通信技術)を利活用した地域振興に関する覚書き」を締結し、ICTによる活性化を検討しています。

農山村を取り巻く構造的な問題は日本だけでなく、世界でも変わりがありません。上勝町の事例を通して、なぜ世界は持続不可能になったのか、どうすれば持続可能な社会を再構築できるかを考える契機にしていただければ幸いです。この町の目標である持続可能な地域社会が実現できれば、町民はもとより、世界中の人々が夢と希望を持つことができると信じています。

2008年4月

笠松和平・・

目次

1章     構想力―夢は大きな方がいい・・9頁・・

(小さな町の大きな目標・・10頁・・

失われた持続可能性を取り戻す・・16頁・・

世界に希望を示したい・・21頁・・

2章     人間力―まちづくりは人づくり・・27頁・・

(米づくりが農村景観をつくった・・28頁・・

食料貿易より食料自給を・・34頁・・

バナナがみかんを駆逐した・・40頁・・

木の葉っぱを売ろう!・・45頁・・

二億六〇〇万円産業に成長・・49頁・・

産業福祉が超高齢社会を救う・・53頁・・

起死回生のまちづくり計画・・58頁・・

地域の夢をみんなで描こう・・63頁・・

「真善美」と出会う・・68頁・・

仕事はないなら自分でつくろう・・72頁・・

持続可能な地域社会の基盤は持続可能な農業・・77頁・・

3章     環境力―すべてのごみは資源である(・・81頁・・

「ごみ処理に税金は使わない」・・82頁・・

生ごみの全量を堆肥に・・86頁・・

資源持ち込み方式の誕生・・92頁・・

ごみを介した助け合いが生まれる・・97頁・・

三四分別でごみの八〇%を再資源化・・101頁・・

処理対策ではなく発生抑制政策を・・107頁・・

エネルギーの回収よりリユース・リサイクル・・111頁・・

日本初のゼロ・ウェイスト宣言・・116頁・・

ゼロ・ウェイストアカデミーの設立・・120頁・・

資源回収法で環境産業革命を起こそう・・124頁・・

ゼロ・ウェイストはどこでもできる・・130頁・・

資源が世界から押し寄せる・・134頁・・

すべての環境問題はごみ問題である・・142頁・・

4章     自然力―森の力を生かす・・147頁・・

莚旗を掲げろ!・・148頁・・

木材は輸入できても、環境は輸入できない・152頁・・

木材も地産地消・・159頁・・

第二の燃料革命を起こす・・166頁・・

森林と農地の荒廃を食い止める・・170頁・・

みんなの森をみんなで守ろう・・175頁・・

5章     再生力―世界初!持続可能な地域をつくる・・179頁・・

住宅政策で人口が増加・・180頁・・

交流から定住へ・・185頁・・

集落再生!・・192頁・・

グローバルからローカルへ・・197頁・

持続可能な地域は小さく、美しい・・201頁・・

おわりに・・・206頁・・

平成26年4月14日

商品の概要に戻る

賑わいのある山村が日本を元気にする。 2013/1/9

レビュー対象商品: 持続可能なまちは小さく、美しい 上勝町の挑戦 (単行本)

 

こんなまちづくり(むらづくり?)があるのだ!と目からウロコが落ちる一冊です。

アタマを使うと、街も人も良い方向に変わっていけることが分かります。山村の小さな試みが日本全国に拡がり、豊かな日本になればよいなと思いました。

5つ星のうち 5.0  上勝町町長のお話, 2013/4/26

レビュー対象商品: 持続可能なまちは小さく、美しい 上勝町の挑戦 (単行本)

 

葉っぱビジネスで有名になった上勝町でおきている数々の諸問題に取り組んだ町長の挑戦した話。

5:39 2014/04/14

おわりに

206頁・初めて上勝町を訪れてから、九年が経ちました。その間、いろどり農業やゼロ・ウェイスト政策などの取材をするうちに、町職員の東ひとみさんが街の人たちの中に分けいる扉を開いてくれ、たくさんの人達と知遇を言えることができました。町長の笠松和一さんもその一人です。こうして、この本をまとめる素地が生まれました。

本の内容についての笠松さんとの話し合いは、楽しいものでした。たとえば、笠松さんがすべてのゴミを有価で回収する「資源回収法」(仮称)について説明します。これに対して私が、ゴミには排水のような液体や、排ガスのような気体もあると応じます。すとと、次に会うときには、笠松さんは資源回収法では、個体のゴミだけでなく、液体のゴミや気体のゴミも有価での回収を義務づけようというように、内容が進化していきました。

この本は当初、上勝町のまちづくりについてまとめる予定でした。しかし、笠松さんをはじめ、多くの方々から木材とみかん景気に沸く半世紀前の町の様子を聞くに連れ、豊かだったこの山村が衰退した原因を考えるようになり、グローバリゼーションの影響に言及することにしました。そのため、原稿の完成には予定より時間がかかってしまいましたが、つたないながらも、現在の檀家で私なりに考えたことをまとめることができたと思います。

原稿をまとめているうちに、わかったことがあります。それは、農業を衰退へと導いた農業基本法は私が生まれた1961(昭和36)年に制定され、農産物や林産物の輸入自由化も同じ時期に始まっていることでした。

207頁・

上勝町に起きたことは、東北の農村で生まれ育った私にとっても、いつか考えなければならない自分自身の問題だったのです。そして、そのテーマを考える舞台が、自分の故郷ではなく、上勝町になったのは、私にとって幸運だったと思います。知名度の高い自治体の事例を通して、脳山村が抱える問題を多くの人に知ってもらう機会に恵まれたからです。この本は、上勝町を襲ったグローバリゼーションの影響を、この街がどう乗り越えようとしたのかを記録していますが、農山村に寄せる大きな力はどの地域にも共通したものであり、持続可能性を再構築するために何が必要なのかを多くの人に考えていただくきっかけになることを祈っています。

上勝町の取材では、多くの方々にご協力をいただきました。特に渡辺愚風・厚子さんご夫妻、高橋信幸・小枝子さん夫妻、笠松和市・広美さん夫妻には、いつも快適な宿と心まで癒される食事をご用意いただきました。赤沢唯夫さん、城田清志さんには、上勝町の様子を伝える貴重な写真を提供していただきました。また、前作に続き、学芸出版社の宮本裕美さんには編集全般にわたって、大変お世話になりました。どの人の協力がなくとも、この本が完成することはありませんでした。ご協力くださいましたすべての方々に、心より御礼申し上げます。

2008年4月・・・佐藤由美・・

 











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