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2014年4月 7日 (月)

今頃、都道府県や、市町村などの地方自治体では、来年度(平成26年度)の予算編成作業が着々と進んでいることでしょう。

いんよう

 【地域発】自治体の予算編成の舞台裏(その1)(林和弘)投稿日: 2013年12月02日 11時08分

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今頃、都道府県や、市町村などの地方自治体では、来年度(平成26年度)の予算編成作業が着々と進んでいることでしょう。

 

いったい、どんな風に予算が作られているのか。

 

いつ、誰が、金額(お金)を決めているのか。

 

組織や職員が少ない小規模な市町村では、職員同士が、日頃から顔が見えるところで業務を行っています。ですので、予算編成過程での財政所管部署の担当者と、事業課の担当者のやりとりや、財政所管部署(通常、総務課財政班とか、企画課財政係などの名称が付けられている)の中での議論は、ガラス張り同然でしょうが、政令市や都道府県クラスの大きな組織の予算編成過程での議論は、非常に見えにくいものとなっています。

 

私はここ10年の内半分以上の期間、ある県の予算査定や行財政運営に携わってきました。

 

そこで、今後何回かに分けて、自治体職員にも見えにくい、ましてや住民は直接知ることのない自治体の予算編成の流れや、意志決定の舞台裏を「物語風」にご紹介していきたいと思います。

 

最初にお断りしておきますが、予算編成の作業やルールは、自治体によって様々です。

 

あくまでも、私が経験した(携わっていた)自治体の話ですので、「うちの町のやり方とはちょっと違う」「おかしいんじゃないの」などと思われる方もおられるかもしれませんが、よその自治体のことと割り切ってお読みください。

8月のある日

各出先事務所の総務課長や事務部長などが、部下の職員(経理担当者)とともに本庁を訪れ、事務所を所管する事業課の担当者に、来年度(翌4月から翌々年3月末まで)の予算説明(要求)をします。

 

県の出先事務所というのはあらゆる分野にわたっており、消防学校、空港、消費生活センター、美術館、陸上競技場、保健所、工業技術センター、児童相談所、家畜衛生保健所、図書館、県立学校、警察署など、様々です。

 

それぞれの事務所が、それぞれに予算要求を行う必要があり、職員人件費以外(人件費は部局全体分を、本庁が要求するので)の活動費や、事業費、施設の維持管理費などを積み上げなければなりません。

 

電気代、ガス代、水道代などの光熱水費。

コピー代、紙代、事務用品などの消耗品費。

電話代、郵便代、インターネット接続料。

公用車のガソリン代、施設や設備の保守点検料、などなど。

 

ありとあらゆるものを、1円単位で積み上げ、支出費目(節と言います)ごとに仕分けして「予算見積額調書」という名の書類にしていきます。

 

それに加え、毎年必要ではないけど、来年度はたまたま必要な経費(例えば、車の2年に1度の車検代など)や、来年度だけ必要なもの(例えば、故障した機械の修理代や、施設の修繕経費など)は「臨時経費」と呼ばれ、別途1件ごとに、書類(A4版数枚程度)を作成し、業者見積書などを添付して提出するのです。

 

 

予算要求の第一関門

 

出先事務所の予算要求側は、1円でも多く予算を獲得しようとします。

 

「なぜこの予算が必要なのか」「どんな効果があるのか」あるいは、「予算がなかったら、どれだけ困るか」説明にも、力が入ります。

 

一方、要求を受ける事業課の担当者は、必要性の確認や金額ボリュームが適正かどうかなど。少しでも件数や金額を減らそうと、丁々発止のやりとりが続きます。

 

しかし、そこで決着することは稀で、その場でさらに細かい資料の作成を要求されるか、後日、再度ヒアリングされることとなり、また同じようなやりとりが繰り返されます。そして、何度かやりとりがあって、最後にとりまとめます。

 

「他の出先事務所の要求額との調整があるので、特に臨時的な経費については全部要求するわけにはいきません」

 

「優先順位(例えば、5項目要求していたら必要ものの順番を1番~5番まで順番を付ける)を、一応教えてください」

 

「あとは主管課の経理担当者につないでみます」

 

主管課とは、保健福祉部、農林水産部、土木部といった本庁の部の中心で、部の人事や、経理、庶務や、企画を行うところです。

 

まさに、予算要求や予算配分を握っているセクション(課)です。

 

 

そして9月

 

出先事務所からの予算要求をとりまとめた事業課は、今度は、それを主管課の経理班の班長と担当者(若い職員)に説明します。

 

ただし、ここで主管課に説明される際には予算の額は削られており、出先事務所から出された要求の、2/3程度というところでしょうか。

 

さて、攻守が入れ替わり、事業課の職員はいかにその予算が必要なのかを調べます。

 

主管課側は、必要性、緊急性、予算の有効性、妥当性、そして、説明の矛盾点など、あらゆる角度から突っ込みます。いわゆる、査定作業です。

 

そして、結果的に、残るのはやっぱり、2/3程度でしょうか。

 

しかし、これで予算が固まった訳ではありません。やっと、部局の手を離れ(晴れて?)、財政当局(総務部財政課)へ提出されるわけですから。

 

<この続きは、次回に>

13:01 2014/02/05前回からの続きです。

 

【地域発】自治体の予算編成の舞台裏(その1)(林和弘) | つながる地域づくり研究所

 

前回少し説明しましたが、主管課とは、保健福祉部・商工労働部・農林水産部といった本庁の部局の中心で、部の人事や予算経理、企画など、"ヒト・モノ・カネ"の権限を握っているセクションです。

警察本部や教育委員会を含め、予算を所管(要求と執行、出先機関への配分)している部局は、私がいた自治体では、大きく分けると9つありました。

その9つすべてに主管課があり、その中に「経理班」と呼ばれる組織があり、経理班長(だいたい40歳前後の職員)以下、4~13名程度(部の大きさによって様々)の職員が予算要求、予算執行(出先事務所への予算配分・支出事務・収入事務・国庫補助申請・決算など)といった、日々の業務を行っています。

 

 

■ 10月の会議室

 

さて今日は、財政課の予算ヒアリングの日です。最初に、出先事務所から事業課に対する要求が行われてから、既に2ヶ月が経過しています。

 

場所は、その主管課の会議室。

主管課の側は経理班長、そして、その補佐役の予算担当主査(30代後半)、あとは若い職員が1~2名。

財政課の側は、財政主幹(45歳前後)と財政課の若手職員(30歳前後)の2名です。

 

ここで少し説明しておきますが、財政課のトップは、財政課長(総務省キャリア)、それを補佐する副課長(プロパーの県職員で50歳前後)がおり、その下に財政主幹(45歳前後)と呼ばれる、いわば査定官のような職員が6名おり、それぞれ部局を担当しています。

9つの部局の予算を、6名の財政主幹が受け持っており、約6000億円の予算行方は財政主幹の「赤えんぴつ」1本にかかっていると言っても過言ではありません。

さて、会議室では、予算ヒアリングが始まりました。

経理班は班長以下、全力で(必死で)来年度に必要な予算を説明します。

10万円の予算でも、数千万~数億円でも、資料を使って同じように丁寧に説明します。説明をしているのは、9月に部の中の各事業課から説明を受け、そしてやりとりし、自分が納得して財政課に要求(提出)した、たくさんの項目(事業)の予算です。攻守が入れ替わって、いかにその予算が必要なのかを説明します。朝から、夜中まで、延々と。

■ 予算要求の根拠

「なんで、この事業は必要なの」「どんな、効果があるの」など、事業の根本に関わる話から。 「この会議室の借り上げ料の積算根拠は、どこの会議室?部屋の大きさは?借りる時間の長さは?」 「このチラシの印刷だけど、紙のサイズは? なんで両面? カラー印刷必要なの?  部数の根拠は? 何処に配るの?」などと、財政主幹の細かい突っ込みにも、経理班長は1つ1つ丁寧に答えていかなければなりません。

質問に答えられなかったら、そこでバッサリ査定される訳ですから、どんな意地悪な質問にも、余裕しゃくしゃくで平然と答える。そんな能力の有無が、そのままその部局の予算付け(獲得)に影響することになってしまいます。

例えば、「DVセミナーの開催」という事業を予算要求(企画)したとします。説明資料には、名称・目的・背景・開催予定時期・場所・参加者(対象と人数など)・セミナー講師候補の氏名・簡単な式次第、そして予算要求額とその積算根拠を記載しなければなりません。

 

予算要求の積算(例)としては、

 

講師謝礼 @15,000円×2時間=30,000円(大学准教授)

講師旅費 @34,900円×1回=34,620円(東京から即日)

案内ビラ印刷 26,000円(A4版、カラー2色、片面、コート紙、5,000部)

お茶のペットボトル @150円×2本=300円

連絡調整経費(電話、郵便代)1,000円×2月分=2,000円 

 看板作成 @20,000円×1枚+@5,000円×2枚=30,000円

 消耗品@1,000円×1月=1,000円

会場使用料@26,000円(100人、3h)×1.05(サービス料)×1.05(消費税)=29,484円などまだまだありますが、こういった細かい経費を積み上げて、やっと1つの事業の予算要求額ができあがっているのです。

■ 査定の根拠

査定をする時には大切な税金の使い道を決めるわけですから、その責任は重く(小さい部局でも5~600億円の予算を持っています)、プレッシャーを感じながら仕事をしていました。

担当する部局の事業について勉強するのはもちろん、上記のような細かい積算まで、つぶさに見ていきます。

それでも絶対的な基準があるわけではなく、最後は自分の判断しかありません。住民の皆さんに恥じることのない査定をするためには、最後は「人」だと、私は思っていました。

いくら経理担当者と話しても、どうしても確信を持てない時には、現場を知っている担当者に来てもらうのです。そして、目を見ながら膝詰めで聞いていくと、間違いない、という気持ちで判断することができました。

でも。

これで、予算が付いた(決まった)訳ではありません。最後の難関、財政課長&副課長査定が残っているからです。またまた、攻守入れ替わり、戦いが繰り広げられます。

<そのあたりは、次回に>

13:12 2014/02/05

 

 

 

 

どう思う? 地方議員削減 [憲法と民意が生きる地方自治のために] [単行本]上脇博之 (著)

商品の説明内容紹介

国会や地方議会で議員を減らす政治や行政は、新自由主義的政策の強行を抑えることはできず、全国的に貧富の格差を生み出し国民に「痛み」を押し付けてきた。地方のシャッター通り商店街はその象徴だ。地方議員の定数削減について憲法の議会制民主主義の視点から検討し、最も適合的な選挙制度と議員定数のあり方を提案する。

 

 

出版社からのコメント

 

上脇博之先生の小社刊行本の第6弾! 『議員定数を削減していいの?』(2011年)の続編として、地方議員の定数削減について問題提起を行っていただきました。旅行に行き、疲弊する地方の商店街を歩いたり、「これからは道州制」といような掛け声を耳にすると、地方自治体はこれからどうなっていくのかと考えてしまいます。では、その基本となる地方議会は住民の声を反映しているのか、そのための制度的保障は確立されているのか、日本国憲法の視点で考えたいと思います。

 

 

商品の説明をすべて表示する

  

 

 

登録情報

 

単行本: 108ページ

出版社: 日本機関紙出版センター; 初版 (2014/1/31)

言語: 日本語

ISBN-10: 4889009027

ISBN-13: 978-4889009026

発売日: 2014/1/31

 

目次

 

 

はじめに

 

第1章 国民主権と国会、地方自治と地方議会

君主主権を否定して誕生した国民主権

国民主権は本来、直接民主主義

やむを得ず議会制を採用

納税額や性別に関係なく主権者全員に選挙権を保障する普通選挙

天皇主権から国民主権へ

在外日本人の選挙権保障と在日外国人の選挙権保障

選挙権と被選挙権の意味

平等選挙、自由選挙、直接選挙、秘密選挙も憲法上の原則

選挙運動の自由は人権としても保障

国民の代表機関としての国会と二院制

戦前の地方制度

首長も議員も住民の直接選挙で選任

選挙区制は何人代表者を選出するのかを現している

個人に投票する単記投票制、連記投票制、政党等に投票する比例代表制

 

第2章 地方議会の議員定数削減の歴史

1999年地方自治法改正前

1999年地方自治法改正後

都道府県議会の議員定数

市町村議会の議員定数

国政へもマイナスの影響

 

第3章 都道府県議会の選挙制度・議員定数の問題点

都道府県議会の選挙制度の問題点

兵庫県議会の場合

東京都議会の場合

大阪府議会の場合

有権者の選挙(投票)の機会を奪っている無投票当選問題

 

第4章 政令指定都市議会の選挙制度・議員定数の問題点

政令指定都市の選挙制度の問題点

大阪市議会の場合

横浜市議会の場合

名古屋市議会の場合

 

第5章 選挙制度と議員定数についての憲法論

議会の首長・行政監視機能の低下と翼賛議会の危険

議員定数削減に対する専門家の警鐘

「選挙制度についての立法裁量」論への疑問

普通選挙の採用だけでは議会制民主主義としては不十分

社会学的代表(議会を住民の縮図に)

投票前も投票後も「投票価値の平等」の保障を!

選挙区が全域の場合~非拘束式名簿式比例代表制と移譲式単記投票制

選挙区が複数の場合~定数自動決定式比例代表制と選挙区の枠を超えた移譲式単記投票制

議会の活性化にとって議員定数は多いほど良い

終戦直後と比較しても少なすぎる議員定数

2011年地方自治法改正による法定定数上限撤廃を逆手にとって

議員確保のための財源

被選挙権(立候補の自由)の保障に反する立候補制限

違憲の供託金制度

法律改正ができなければ条例で!

 

資料編

1.都道府県の各議会の選挙区数と議員数

2.政令指定都市(20市)の各議会の選挙区と議員数

6:25 2014/02/01

 

 

伊藤真オフィシャルサイト

弁護士・伊藤塾塾長 伊藤真オフィシャルサイト

伊藤真からのご挨拶

 

伊藤真 こんにちは、伊藤真です。

このサイトでは、私の活動内容をご紹介し、“伊藤真”を知っていただくと共に、私が一番大切にしている “日本国憲法の価値”を、日本はもちろん、世界じゅうの皆さんに伝えていきたいと思っています。

私は、「伊藤塾」という法律資格、公務員試験の受験指導校で塾長として、法律を教えています。司法試験合格後から30年以上、法律を教えてきました。

はじめに、私が法教育を始めるきっかけとなった「憲法13条」との出会いについてお話ししたいと思います。

 

大学生のある時、ジャーナリストをしているアメリカ人の友人に「日本の憲法で最も大切なことは何か教えてくれ」と言われました。小学生の時から、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3原則を覚えさせられて、この3つを書かないとテストでは×(誤り)でしたので、彼にこの3つだと答えました。

 

しかし、彼は、「3つもいらない、1つだけにしてくれ」としつこく言いました。この3つの言葉の順序を変えてみたり、早口で言ってみたりして私なりに

“工夫”してみましたが、彼の要求するように一言で答えることは結局できませんでした。すると彼は、「何だ、おまえ、日本の憲法で最も大切なことを一言で答えられないのか。それでよく日本人をやってられるな」とまで、私に罵声を浴びせました。そこまで言われることかなと思いましたが、彼のその一言がきっかけで、私は家に帰って、憲法に関する本を取り出して、いろいろと調べてみました。

驚いたことに、どのような憲法の本にも、憲法で最も大切なものが何か書いてありました。それが、憲法13条の「個人の尊重」です。この「個人の尊重」は、「国民主権」「人権尊重」「平和主義」の3原則の根本にあります。アメリカ人の友人のきつい一言がきっかけで一生懸命に憲法を勉強するようになったのですから、彼は私が憲法を学ぶ上での“大恩人”だったと言っていいかもしれません。

この「個人の尊重」には、「人はみな同じ」と「人は皆違う」という相反するような2つの意味があります。

人として尊重される点では人は皆同じ、すなわち、人として生きる価値がある点で人に何ら違いはないのです。また同時に、個人として尊重される、すなわち、人は皆違うのであって、誰一人同じ人がいないからこそ、人は一人ひとりかけがえのない存在なのです。

 

  もう一つ、昔の話しをしましょう。

私は中学生の頃、父の仕事の関係でドイツに住んでいました。ドイツへ向かう飛行機の中から、ちょうどヨーロッパあたりの地上を見下ろした時に、国境の線がないことに気づき、中学生だった私は大変驚きました。それまで、私が見ていた地図では国と国の間には線が引かれていましたから、実際に国境の線があるのだと思っていました。ですが、実際はなかったんです。そんなものは人間が作り出した見えない枠だったんです。

 

私は枠にとらわれる事が好きではありません。現在、世界中で様々な争いが起きていますが、争いの元は、人種、民族、宗教、国といった人間が作り出した見えない枠で囲われたもの同士の対立です。私はそんな枠にとらわれない世の中にしていきたいと思っています。

 

世界中には様々な人がいます。国や人種に関係なく、良い人もいれば、悪い人もいる。肌の色が黒い人もいれば、白い人もいる。人には一人ひとり、いろいろな人生があって、一つとして同じ人生はないのです。

 

一人ひとりを大切にする「個人の尊重」という考えが広まれば、世の中はもっと平和になる、枠にとらわれた人々の争いがなくなり、子供たちが笑って暮らせる世の中になる。そんなふうに考えています。

 

私は、この憲法のすばらしさを知り、これを広く社会に広めたいと考え、法曹を目指すことを決めました。そして “憲法の価値”を知り、その理念を実現できる法律家、行政官を育成していくために、法律の教育者となることを決めました。

 

現在は、伊藤塾の塾長としての法教育、弁護士としての訴訟活動、書籍の執筆、講演会などの活動を通して、“憲法の価値”の実現を目指しています。

こんな私の思いに共鳴してくれる方が一人でも増えたらうれしいです。

新刊書籍

自民党憲法草案にダメ出し食らわす.jpg

 

New

自民党憲法改正草案にダメ出し食らわす!

(合同出版/定価:本体 1,300円+税)

2013年7月15日発売

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憲法問題_なぜいま改憲なのか.jpg

 

New 憲法問題 なぜいま改憲なのか

(PHP研究所/定価:本体 760円+税)

2013年7月12日発売

LinkIcon詳しくはこちら

 

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New 教えて伊藤先生! 憲法改正って何?

(株式会社シーアンドアール研究所/

定価:本体 1,100円+税)

2013年7月6日発売

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憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) [単行本(ソフトカバー)] 

伊藤 真 (著)

自由や人権を守るため、主権者が為政者を縛る道具として存在する最高法規――憲法。だが、2012年4月に公表された自民党改憲案は、単なる「改憲」にとどまらず、そうした立憲主義の本質から逸脱し、平和主義や基本的人権の尊重という現在の日本国憲法の原則をも破壊しようとする「壊憲」案にほかならないのではないか。伊藤塾塾長による詳細な検証。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

 

私たちの自由や人権を守るため、主権者が為政者を縛る道具として存在する最高法規、憲法。2012年4月に公表された自民党の改憲案は、そうした立憲主義の本質から逸脱し、平和主義や基本的人権の尊重、国民主権という現在の日本国憲法の原則を壊してしまう「壊憲」案にほかならないのではないか。立憲主義を見失った改憲論議は、危うい。

登録情報

 

単行本(ソフトカバー): 64ページ出版社: 岩波書店 (2013/7/5)言語 日本語

発売日: 2013/7/5

 

目次

第1章 誰のため、何のための憲法なのか

第2章 平和主義から「戦争のできる国」へ

第3章 人権の縮小、義務の拡大

第4章 なぜ九六条を変えてはいけないか

自民党改憲案は危険です。, 2013/7/29

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

自民党の改憲案がいかにお粗末なものであるかについてよくまとまっています。立憲主義は日本国憲法を語る上で基本中の基本だと思っていましたが、自民党憲法起草委員会の事務局長でさえ、立憲主義について「学生時代の憲法講義では聴いたことがありません」と発言する始末。憲法改正を主張される前に、まず現行憲法をよく勉強されたほうがいいのではないかと思います。

5.0  現憲法は吾ら日本人一人ひとりを護る,吾らになくてはならぬ貴重なものです, 2013/8/4

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

タイトルに示すように吾が憲法は人権を国家権力から護ります.法律は国家が国民を縛るもの.憲法は国家を国民が縛るもの.作用の向きが憲法と法律は真逆です.そして国に個人の人権を守らせる仕組みを立憲主義だと,私は本書で学びました.まことに,まことに本は読むべし!--- .立憲主義,更には集団的自衛権なるもの,この2点は日本の近未来を考える上でとりわけ重要ですので,教わったことの概要を紹介します.

 

1.立憲主義

本の表紙に,立憲主義を見失った改憲論議は危うい,とあります.立憲主義を無視した改憲は,現憲法に護られている国民への背信です.自民党は改憲を目論み,憲法起草委員会を立ち上げ,草案を公表しています.その委員会の事務局長だった石崎陽輔氏は立憲主義を知らないとつぶやいたそうです.彼が立憲主義の本質を知れば,改憲の意欲を益々高めるでしょう.何故なら自民党の草案は現行憲法を,「為政者が国民を支配するための道具」に変質させているからです.要するに「国民のための憲法」から「国のための憲法」へ変えようとします.もし草案が実現すればこの国は国家主義になり,国は国民に犠牲を強いるでしょう.政府の意に背く国民は戦前の軍国社会がそうであったように,お前はそれでも日本人かと警察に難詰され,逮捕され,拷問すら受けて迫害されます.やがて軍備を拡張し,核さえ保持して近隣諸国と戰すら辞さない日本に変わっていきます.そんな日本でいいと皆さんは思いますか.

 

2. 集団的自衛権

いかめしい名前の自衛権ですが,国連憲章で認められています.だからといって現行憲法を改め,兵士をもち,つまり日本の若者を兵士に仕立て上げ,同盟国アメリカの傭兵として戦地に送り出す,そんなことでいいと思いますか.集団的自衛権は「金だけでなく血も流せ」と言うアメリカの意に添うものです.しかし,そこまでの覚悟を日本の若者やその親たちが持っているでしょうか.戦争は,どこか遠いところでやっているともの,自分には関わらない前提で日本も軍隊を持つべきだと短絡して考える日本人もいるでしょう.好戦的な政治家は自分では一兵卒として戦地に赴かず,若者に戦争に行ってこいと,ただ命令するだけ.日本は憲法第9条があるお陰で朝鮮戦争に参加しなかった.その後,アメリカが仕掛けたベトナム戦争,湾岸戦争,アフガニスタン戦争,イラク戦争に兵士を送ることもなく,そこで殺されることも,他国の人を殺すこともなかった.韓国はベトナム戦争に10万人の兵力を送り,5000人の若者を失ったと,著者は指摘しています.私は後期高齢者です.兵士に差し出す息子や孫もいません.しかし集団的自衛権を拒否します.日本の近未来に戦争を持ち込みたくないからです.現行第9条を変える前提で96条の縛りを緩和することにも反対します.自民党の改憲案は「壊憲」案だとする本書に同意します.

 

以上のほかにも国防軍をもつことのデメリットも本書にあります.近隣諸国と友好を保ってこそ日本の安寧がある.今こそそれを本気で考えるときです.とにもかくにも本書を読み,皆さん,ご自分で憲法をお考え下さい.

5.0  立憲主義とは, 2013/10/6

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

残念ながら、学校では憲法を「国の最高法規」と教えますが、いったいどういう意味なのかは教えません。憲法は国民が政府に対して守らせる法律であり、政府や国会議員や公務員が縛られる法律なのです。自民党草案はこの意識がありません。国民の義務を並べたものにしています。憲法によって縛られる対象を国民と考えているのです。この方向性の違いが本書では丁寧に解説されています。

5.0  自民党の政策を阻止しましょう, 2013/10/4

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人類の永遠の平和を希求し、日本国憲法を大切にしていきましょう。人類の宝として守らなければなりません!

5.0  勉強会に最適なテキスト, 2013/10/10

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

憲法によって国家権力に「縛り」をかけるという考え方を立憲主義と言い、この考え方は、17世紀イギリス、18世紀フランス、アメリカなどの、近代市民革命を通じて確立されたものだということを浦部法穂先生の著書から学んだ。この著書は600ページ近いボリュームがあるので、一般市民の勉強会に使うことはできない。その代わりになるものとして、「憲法は誰のもの?」を選んだ。このテキストは63ページの中で、自民党の草案が立憲主義を否定するものであることを明らかにし、さらに、現行憲法を平和主義から「戦争ができる国」へ変えるものであり、人権の縮小と義務の拡大をもたらすことを明らかにしている。さらに96条を変えてはいけない理由を説明している。勉強会のテキストとして最適であるとともに、市民が最初に読む著作としても最適である。

5.0  ぜひとも多くの方々に知ってもらいたい内容です。 2013/9/3

 

レビュー対象商品: 憲法は誰のもの?――自民党改憲案の検証 (岩波ブックレット) (単行本(ソフトカバー))

人類が長い年月をかけおびただしい血を流して勝ち取った立憲主義を否定する自民党改憲案、開いた口がふさがりません。

かっての戦争に突き進んでいったときの国民の熱狂ぶりすなわち国民が戦争を選んだことを考えるとたいへんに危険です。

多くの方がこの本の内容を把握して自らの意思決定をしてほしいと思います。

16:27 2013/11/22

 

憲法は誰のもの?.jpgNew 憲法は誰のもの?

(岩波書店 / 定価:本体 500円+税

2013年7月5日発売

LinkIcon詳しくはこちら

赤ペンチェック_憲法草案.jpg

赤ペンチェック 自民党憲法改正草案(大月書店/ 定価:本体 1,000円+税)

2013年5月31日発売

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15:56 2013/11/22

 

清き0.6票”は許せない! 一票格差訴訟の上告理由を読む (GENJINブックレット58) [単行本]  升永 英俊 (著), 久保利 英明 (著), 伊藤 真 (著), 田上 純 (著)

 

憲法では、平等選挙を保障しているが、現実には、住んでいる場所によってその投票価値は平等ではない。真の「1人1票」の実現を目指す。本書はその趣旨と考え方を平易に解説する。 <目次> プロローグ“清き0.8票”………升永英俊 第1部 私たちの主張「1人1票」の実現を!  わが国の将来を決する投票は厳格に1票の等価値が前提………久保利英明 「1人1票」は、民主主義国家の基本………伊藤 真 第2部 Q&A「1人1票」の価値とは何か………田上 純 第3部 一票の格差訴訟の上告理由を読んでみよう!

単行本: 116ページ出版社: 現代人文社 (2010/8/17)言語 日本語発売日: 2010/8/17

目次

 

プロローグ“清き0.8票”………升永英俊 第1部 私たちの主張「1人1票」の実現を!  わが国の将来を決する投票は厳格に1票の等価値が前提………久保利英明 「1人1票」は、民主主義国家の基本………伊藤 真 第2部 Q&A「1人1票」の価値とは何か………田上 純 第3部 一票の格差訴訟の上告理由を読んでみよう!

 

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法曹関係者以外は第1部と第2部だけでいいかもしれません

 一票格差訴訟について、法曹関係者以外は、第1部と第2部を読むと概略がわかると思います。法曹関係者にとっては、第3部の上告理由について、升永弁護士の書面の書き方や論理の運び方など参考になるものと思います。

3.0  自民党優位の選挙区割りがよくわかる1冊

 最初の35ページは初心者向けに「一票の格差」について分かりやすく解説しているのだが、メインの残り81ページは法曹関係者にしか読みこなせない上告文をそのまま抜粋したもの。

2色刷りやイラストの多用など、読みやすくする工夫は随所に感じられるのだが、このトピックの入門者にいきなりこのお堅い文章を読ませるのは酷である。

逆に法曹関係者には、最初の35ページは簡単すぎて読むまでもないということになり、結局読者が絞れていない本。

執筆陣からして商業主義のためのページの埋め合わせに走ったとは思わないが、ボリュームを含めて中途半端な仕上がりになってしまっている。

この問題については広く国民に啓蒙が必要だと自分でも感じているだけに、読者層を絞れていないのは残念と言わざるを得ない。

3.0  自民党優位の選挙区割りがよくわかる1冊, 2011/1/4

 

レビュー対象商品: “清き0.6票”は許せない! 一票格差訴訟の上告理由を読む (GENJINブックレット58) (単行本)

最初の35ページは初心者向けに「一票の格差」について分かりやすく解説しているのだが、メインの残り81ページは法曹関係者にしか読みこなせない上告文をそのまま抜粋したもの。

2色刷りやイラストの多用など、読みやすくする工夫は随所に感じられるのだが、このトピックの入門者にいきなりこのお堅い文章を読ませるのは酷である。

逆に法曹関係者には、最初の35ページは簡単すぎて読むまでもないということになり、結局読者が絞れていない本。

執筆陣からして商業主義のためのページの埋め合わせに走ったとは思わないが、ボリュームを含めて中途半端な仕上がりになってしまっている。

この問題については広く国民に啓蒙が必要だと自分でも感じているだけに、読者層を絞れていないのは残念と言わざるを得ない。

直接自民党を批判する文言は一切ないのだが、北海道の冷遇など、読むと自民党優位に選挙区が区割りされていることはよく分かる。

4.0  法曹関係者以外は第1部と第2部だけでいいかもしれません, 2012/2/7

レビュー対象商品: “清き0.6票”は許せない! 一票格差訴訟の上告理由を読む (GENJINブックレット58) (単行本)

 一票格差訴訟について、法曹関係者以外は、第1部と第2部を読むと概略がわかると思います。法曹関係者にとっては、第3部の上告理由について、升永弁護士の書面の書き方や論理の運び方など参考になるものと思います。 

16:09 2013/11/22

 

 

真の民主主義国家は「一人一票」で誕生する (リーダーズノート新書) [新書] 

リーダーズノート編集部 (編集)

 

内容紹介

 

速やかに「一人一票問題」を解決しない限り、日本は、5年後には世界市場の中で敗者であろう。「一人一票実現」のうねりは、もう誰にも止められない。  そして最高裁大法廷も、ついに動いた。本書は、一人一票実現運動の違憲訴訟の代理人、升永英俊弁護士、久保利英明弁護士、伊藤真弁護士らの活躍をつぶさに記録した。 寄稿者:一人一票裁判の代理人3名 升永英俊(弁護士・弁理士・TMI総合法律事務所パートナー) 久保利英明(弁護士・日比谷パーク法律事務所代表) 伊藤真(弁護士・伊藤塾塾長)

内容(「BOOK」データベースより)

09年衆院選「違憲状態」。最高裁大法廷歴史的判決。1人別枠廃止迫る。

新書: 224ページ出版社: リーダーズノート (2011/4/29)言語 日本語発売日: 2011/4/29

目次

 

1 一人一票を実現せよ! 課題=「1票の不平等」 2 最高裁「違憲状態」判決に対する各社の報道 3 「一人一票」の実現を目指す 4 「一人一票」問題をめぐる素朴な一問一答 5 一人一票訴訟から見えてくるもの 6 「一人一票」の実現にこだわる理由 7 2011年 一人一票訴訟の行方

16:22 2013/11/22

 





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