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2014年3月31日 (月)

日本で初めて樹木粉砕機を作って37年!(株)カルイの粉砕機は、枝処理の重労働を軽減するだけでなく、粉砕チップは肥料になります。実演デモのお申込はお気軽に!

引用

日本で初めて樹木粉砕機を作って37年!(株)カルイの粉砕機は、枝処理の重労働を軽減するだけでなく、粉砕チップは肥料になります。実演デモのお申込はお気軽に!

http://funsaiki.com/voice/voice-06#v01

http://funsaiki.com/voice/voice-01#v01

http://funsaiki.com/items/hnk-62/

 

あづま果樹園の紹介

あづま果樹園は、福島県福島市飯坂町にある観光果樹園。
  生産直売のほか、もぎ取りも行なっています。
  取り扱っている果物は、さくらんぼ・桃・ぶどう・梨・りんご。
  7ヘクタールの作付面積を有しています。
  周りには多くの観光果樹園が立ち並ぶ中、主にバスツアーの観光客で賑わいます。
  多い時には一日1,000人ものお客さまが訪れることも。
  従業員数は、正社員5名、パート11名。

-現在、カルイの粉砕機をどのように使っていますか。

剪定した果樹の枝葉の粉砕に使っています。切った枝は、乾かしたり、もっと細かくしたりすることなくそのまま粉砕できるから、ラクです。枝の量は、多い時で一日5反分くらい出るときもあります。

剪定で出た枝木の処理に困っていたところ、粉砕機をオススメされる

-粉砕機を導入する前のお話をお伺いします。以前はこのような剪定で出た枝はどう処理していましたか。

消防に許可を取れば野焼きで処分することができたので、野焼きで処分していました。ですが、2011年の東日本大震災以降は野焼きが禁止されてしまい…。処理に困り、地元の農機販売店に相談しました。

-そこでカルイの粉砕機を勧められたのですか。

はい。
ですが、粉砕機の購入を検討し始めた頃は、今のコンパクトな機械ではなくて大型重機の購入を考えていました。機械そのものが大きければ、粉砕できる枝も太いものが可能になりますから。剪定した枝を一箇所に集めておけば、重機でグワッと掴んでそのまま粉砕用の大型重機に移動できるのがラクそうなイメージもありました。小型の機械だと、手作業で枝を機械に詰めていくのは面倒くさそう、と思っていたところもあります。
でも、販売店の方に「小型でも、大型重機と変わらない機能の粉砕機があるよ」と教えていただき、紹介されたのがカルイの粉砕機でした。その後、デモ実演を見せてもらいました。

デモ実演を見て、小型粉砕機へのイメージが変わる

デモ実演を見たときの感想を教えて下さい。

小型機械なのに太い枝も粉砕機出るから、すごい!と驚きましね。大体、直径が12~13cmくらいの枝でしょうか。(※)その時見たものは乾燥した木の粉砕だったんですけど、粉砕スピードも速かったです。後々購入して分かりますが、生木だと柔らかいのでもっと速いです。
粉砕した後のチップも、想像以上に細かったのが印象的でした。
このくらいの細かさなら、畑に撒いてもいいなと。

(※)吾妻様からご購入いただいたKDC-1300Bは、最大粉砕径が130mmです。 ¥1、407.000円


 
7ヘクタールもの敷地からは、大量の余分な枝木が出ます


 
デモ運転を見てから小型粉砕機へのイメージが変わったとお話してくださった吾妻様

作業効率が向上-3日かかっていた作業が1日で終わるように

実際にカルイの粉砕機を使ってみて、いかがですか。

粉砕のスピードが速いから、作業スピードも上がりました。一人が剪定して、もう一人が同時にその枝葉を粉砕していると、粉砕機のほうが速くて手持ち無沙汰になってしまうくらい。今は、先に剪定を始めてから時間差で粉砕を始めるようにしています。作業時間は3倍くらい速くなりましたよ!たとえば、ここからここまでの果樹の枝を剪定して、枝も処理しようとする。粉砕機を導入する以前は3日かかっていた作業量だとしたら、今では1日でできちゃいます。
なんでこんなに速いんですか?(笑)投入してからの送り込みが速いんですかね。枝を投入した後の引き込み力は本当に強いですよね。
あとは、何より太い枝が粉砕できることですね。野焼きしていた頃は、太い枝は細くしてから燃やしていたのですが、今は太いものもそのまま粉砕しています。労力が減りましたね。

大型重機の導入を考えていた頃の、「小型機械は作業効率が悪い」というイメージはなくなりました。

カルイ粉砕機のいいところ

吾妻さんから見た、カルイ粉砕機のいいところを教えて下さい。

一つ目は、機体が低重心だから安定しているところ。平らなところはもちろん、傾斜のあるところでも安定して稼働します。

二つ目は、粉砕スピードが速いから作業が効率的になるところ。これは先程述べたとおりです。野焼きしていた頃と比べて、労力が減りました。

三つ目は、粉砕した後のチップも敷材として再利用できるところ。今は、果樹のもぎ取りにいらっしゃったお客さまが足を踏み入れる、果樹園の畑にチップを撒いています。雨が降っても、土じゃないのでドロドロになりにくいからお客さまも歩きやすいし。雑草おさえとして防草の役割も果たしてくれます。

粉砕したチップは、ブロアーから運搬車に直接排出します。運搬車で現場まで運び、ザーッと撒くだけなんで、手間もないです。

                                                                     
 
チップは、敷地内に撒いて再活用しています

    
 
運搬車にチップを直接排出すれば、運搬も楽ちん

同業者の方で、カルイの製品の導入を迷っている方がいたとしたら、どのようにアドバイスをしますか。

カルイの粉砕機をオススメしますよ。周りにも果樹園がたくさんあるので、他の粉砕機を使っている同業者の話もよく聞いたり、実際に見せてもらったりもしますが…自分が見てきた中で、カルイの粉砕機が一番いいんじゃないですか。私がカルイの粉砕機を使っているのを見て、「ウチもこの粉砕機がよかったな~」と言う方もいましたし。

だから、粉砕機がほしいならカルイを選んでおけば間違いないと思います。

カルイへの今後の期待とメッセージ

最後に、カルイへの今後の期待とメッセージをお願いします。

もう少し、粉砕音が静かになればいいかな?(笑)

最初は小型機械を疑っていたところもあったけど、欲しかった性能と働きはすべてクリアしていますので満足です。これからもいい製品、期待しています。

    
 
同業者の中でも、カルイの粉砕機の評判が高いそうです

    
 
小型でも期待通りの働きをしてくれたカルイの粉砕機

吾妻様、お忙しい中取材にご協力いただき誠にありがとうございました。


取材日時:2013年7月
※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。

制作:ハンズバリュー

製品紹介

DraCom ドラコン KDC-1300B



KDC-1300B/KDC-1300

 

平成26年1月7日

 

技術開発課の鈴木さん、渋江さんに新製品KSC-1300Bチプスターの開発秘話をお伺いしました。
(写真左:渋江さん 写真右:鈴木さん)

目次

      
  1. 新製品開発のきっかけは、粉砕機市場での“没個性化”でした
  2.   
  3. 没個性化を脱し、「ハンマー型粉砕機」への原点回帰
  4.   
  5. はじめは否定的だった社内の空気を一変させたゼロ号機
  6.   
  7. 開発の苦労点―一つの機能を伸ばすか、全てのバランスが良い製品に仕上げるか
  8.   
  9. 完成した粉砕機の性能は、満点。満点が出せなきゃ、お客様に対して失礼!
  10.   
  11. お客様へのメッセージ

新製品開発のきっかけは、粉砕機市場での製品の“没個性化”でした

新製品KSC-1300Bチプスターを開発したきっかけを教えてください。

まずは粉砕機の歴史を簡単にご説明します。樹木の粉砕機を30年ほど前に開発して以来、一部の果樹農家さんを相手に細々と粉砕機を売っていました。果樹農家さんは、樹木の剪定が必須です。剪定した枝葉の処理のために粉砕機を使っていらっしゃいます。このころは多くの農家さんが粉砕機には頼らず、自分たちで野焼きをして枝葉を処分していました。

しかし、10年くらい前に環境面の配慮から野焼きが禁止になったのをきっかけに、粉砕機の需要が高まりました。当社以外のメーカーも続々と粉砕機の開発を始め、市場が活発化しました。競争も激しくなっていく中で、当社が作った粉砕機が没個性化していくのを感じたのです。そこで、これではいかんと思い、元々カルイの粉砕機が持つ特徴を打ち出した製品を作ろうと決めました。

没個性化といいますと、どのような点でしょうか。

市場が活発化して、いろんなメーカーが粉砕機を作るようになると、ある傾向が業界内で流行します。例えば、元々粉砕機はハンマーで樹木を叩いて粉々にするタイプのものが主流でしたが、現在はナイフで切削(せっさく)して樹木を細かくするタイプのものが流行ってるんです。ナイフ式の方が、ハンマーより効率が良いですから。当社も、元はハンマー式の粉砕機から始まったのですが、ナイフ式の粉砕のみを開発していた時期もありました。ただ、ナイフ式はハンマー式と比べてずっと繊細なんです。ナイフで粉砕するわけですから、その刃の切れ味が一番大事です。粉砕するものの中にちょっとした金属片や石ころがまぎれていたら、刃こぼれしてしまいます。切れ味を維持するためにメンテナンスもマメに行わなくてはいけません。一方、ハンマー式は、ハンマーで叩いて粉砕するので、多少の異物にはびくともしません。

作業効率がいいナイフ式が、市場だけでなく社内でも流行っていましたが、はたして、粉砕機がこんなに繊細なものであっていいのかという疑問がありました。粉砕機は農業の現場で使うもの。粉砕する樹木に多少石ころがまざっていても、問題なく使えるくらいのラフさを持っていないと。多少雑に扱っても壊れない機械であるべきだろうと思いました。同時に、この点がカルイの製品の特徴でもあると私たちは考えています。

没個性化を脱し、「ハンマー型粉砕機」への原点回帰

なるほど。なぜ「ナイフ一辺倒ではいけない」と思い至りましたか?

あるお客様からの声がきっかけです。6,7年前に、当社で爆発的に売れた製品がありました。ハンマー式のM10という粉砕機なんですけど、これが本当によく売れまして。私たちは“伝説の名機”と呼んでいます(笑)今でもM10を使って下さっているお客様もいます。ただ、やはり一、二世代前の製品なので、新しい製品と比べると多少粉砕速度が劣る。M10を愛用していただいたお客様から「M10をバージョンアップさせたような機械はないのか」という声をいただきました。しかし、その頃は当社ではナイフ式の製品しか造っていませんでした。

そこで、はっと気づいたのです。周りの流行に乗って、効率のみを追い求めるあまり、ナイフ式一辺倒になっていたのではないかと。効率が良いナイフ式ももちろん大事ですが、それだけではない。お客様は他のことも望んでおられることに、そこで気づかされました。

このようなお客様の声を受けて、技術開発課の2人で「ナイフ式に寄り道をせずに、ハンマーM10がそのまま最新の技術を搭載して進化していったらどうなったんだろう…」と考え始め、開発に踏み込もうと思いました。3年くらい前の話ですね。

    
 
爆発的に売れたハンマー式”伝説の名機”M10

    
  ”
効率が良い”と粉砕機の主流を占めた4ナイフ式

始めは否定的だった社内の空気を一変させたゼロ号機

業界で「効率が良いのはナイフ式」という空気が蔓延している中、ハンマー式への回帰に対して社内の反応はいかがでしたか。

やはりみんな否定的で、批判の方が多かったですよ。「誰が欲しがるのか?」といった声もありました。その頃は、ハンマー式というと「(粉砕速度が)遅い、うるさい、太い枝が粉砕できない」と業界の中で定説のように言われていたので。

しかし、技術開発課の私たちには自信がありました。機械的な話でいうと、ハンマー式の方が理に適っている部分が多いんです。具体的な例を挙げるとあまりにも専門的になってしまうので省きますが、ナイフ式は速度と安全性を追い求めるあまり、多少物理的な法則にさからって無理をしていた部分もあったのです。そういったところを排除して、今持てる技術でM10を進化させたらいい機械になることはゼロ号機を作る前からわかっていました。そして、話だけでは社内の反応がイマイチだということも、わかってました(笑)。だから、話だけでハンマー式への原点回帰を説き伏せようとはせずに、まずはゼロ号機を動かしてみんなを驚かせようとしました。
そして実際ゼロ号機を動かしてみたら、批判的だった社内の空気は変わりましたね。ナイフ式と同じとまではいかなくても、ハンマー式でも早く、細かく粉砕できるのだとわかってもらえました。

粉砕機は、農家の人の使い方も考えて、多少異物が入っても石ころが入っても水がかかっても、そうそう壊れないものが一番です。機械のスタンスとしては、速いけど繊細なレーシングカーではなくて、乱雑に乗りこなせる4WDのジープみたいなのがいいんです。

そうして、ゼロ号機から開発に開発を重ねて、いまのKDC-1300Bができあがりました。ゼロ号機を含めると、5台は試作機を作りましたかね。期間も2年近くかかりました。

    
 
ゼロ号機を含め5台試作機を作って開発しました。

    
 
ゼロ号機から日々開発を重ね2年近くかかりました。

開発の苦労点―一つの機能を伸ばすか、全てのバランスが良い製品に仕上げるか

なにか、開発の中で苦労した点や失敗した点はありましたか?

KSC-1300Bはブロアー(注:粉砕物を排出する長い管のような部分。これがあると、ただ一か所に粉砕物を排出するだけでなく、好きな角度に調節して排出できます。袋を取り付けることもできます。)とスクリーン(注:粉砕物の細かさを調節する網。)が両方ついているという特徴があります。当社の今までの製品は、(他社さんのものでも、)ブロアーかスクリーン、どちらかしか装備されていなかったので。両方装備されたやつは無いじゃん!と。盲点でしたね。それを実用的な面で両立させる点が苦労したところです。コストもかけすぎる機体自体の値段があがってしまいますから。量産するためにある程度簡単に作れて、強度も耐久性もあって、お客様の求める機能がついていて、値段も高すぎず…このような点のバランスを取る必要がありました。

あとは、最新機種ということで粉砕できる樹木の最大直径も一番大きくなっています。直径130mmまでOKです。ですが、実はここだけの話、試作機の段階ではもうちょっと大きい直径のものも粉砕機できていました。せっかく大きいものも粉砕できるのだから、そこを推していこうという意見と、大きさは多少のバージョンアップに抑えて、他の面でもバランスが良いものにしようという意見で分かれたことがありました。

その結果、粉砕可能な最大直径を追い求めすぎるよりは、機械自体がコンパクトだったり、コストが安かったりと、全体的なバランスが良い方を優先することに決まりました。実際に使うのは農家さんですから。ある程度細い枝も太い枝もコンスタントに粉砕できて、かつ安全性が高いものが使う人にとって大事だろうという結論に至り、今のものに落ちつきました。

    
 
好きな角度に粉砕物を排出するブロア―です。

    
 
粉砕物の細かさ調整ができるスクリーンです。

両方が装備されている製品は従来製品ではありませんでした。
  値段と機能のバランスがむずかしかったとのこと。

反対に、「これがよかった!」という成功要因はありますか?

成功要因ねぇ。やっぱりゼロ号機がちゃんと動いたことですかね。あれで社員の反応が変わりましたから。みんながハンマー式のものに対して抱いていた懸念を逆手にとって、そこを克服できる機械を見せればいい。「おやっ、これは今までのハンマー式とは違うぞ」と思わせたかったので、演出にはこだわりました。

蔓延してしまっているある傾向を覆すのは大変なことだと思いますが、ちょっとプレゼンテーションに工夫を凝らせば、新しい風穴があけられるのではと思います。

機械の性能は、満点。満点が出せなきゃ、お客様に対して失礼!

今回の新製品開発を通して、ご自分の評価はいかがでしたか。

開発した機械の性能に対してであれば、満点としか言いようがありません。満点と言える製品を世に送らなくては、購入していただいたお客様に失礼ですから。コスト面など限られた条件もありましたが、その中ではベストを尽くしたと自負しています。

    
 
開発した粉砕機をわが子のように見つめるお二人。

    
 
満点としか言いようのない自信作です。

お客様へのメッセージ

それでは、最後にお客様へのメッセージをお願いいたします。

お客様の声は非常に大事です。ですが、お客様1人1人が欲しい!と思う製品をすべて反映することはできません。できるだけ多くのお客様が「欲しい!」「いいな!」と思える道具を作りたいです。機械は道具ですよ。お客様が使いやすいのが一番です。

鈴木さん、渋江さん、
お忙しい中ご協力ありがとうございました

1/7/2014 5:45:21 PM

社長紹介

高橋和成社長。2000年に株式会社カルイの4代目として代表取締役に就任。千葉の大学を卒業後、首都圏のある会社で4年間勤務する。その後山形に戻り、カルイに入社。製造現場や営業の仕事に携わった後、代表取締役に就任する。

カルイ 社是

当社は、農業機械・産業機械を開発、製造、販売している。

自然の力を認め、この偉大なる恵みを感謝しながらこの力に我々の智慧を加えて更に効率化、高度化できないかを開発の基本とする。

環境の保全だけでは、この自然は保全不可能であり、自然環境の浄化を最終目的として開発にあたり、顧客本位の製品作りが経営の基本である。

「顧客本位」とは、お客様の"本当に求めているもの"に応えること

貴社の社是は、「顧客本位の製品作りが経営の基本である」と締めくくられています。
社長は「顧客本位」をどうお考えですか。

(社長)お客様の"本当に求めているもの"に応えることだと思います。私たちのような製造業は、作り手が「きっとこういう製品を望んでいるはずだ」といった思い込みに陥りやすいのです。「お客様の声を聞くことを大事にしています」と言っても、つい生産の効率化やコストの軽減を追い求めてしまい、お客様の声を無視してしまうことはよくある話です。そのような過ちを犯さず、確実にお客様の声を聞いて、製品に反映していくことを目指しています。

その、「お客様の声」はどのように集めていらっしゃるのですか。

(社長)当社の営業マンは、日々の営業や展示会などでお客様と接する機会はたくさんあります。そこで直接聞いたお客様の声を、社内の日報や会議などで社内に共有し、開発会議などに持ち込まれます。

お客様の声は千差万別。だけど、それぞれに満足していただきたい。

とはいえ、お客様の声をすべて反映することは難しいですよね。

(社長)はい、お客様の声は千差万別です。できることと、どうしてもできないことというのは生まれてしまいます。

当社では粉砕機を製造しています。粉砕機と一口に言っても、お客様が実際に粉砕するものは種々様々です。いろんな要望をお客様からいただきますが、Aという農家さんがこうしてほしいと思う要望に応えたら、その機能がBという農家さんには邪魔になるかもしれません。お客様の要望を網羅しすべて反映することは難しいでのす。

それでも、お客様の声を反映したい。例えば、A様とB様とC様の要望を照らし合わせて、三人が共通に思っていることは最低限反映しなくてはいけないと思っています。共通項以外を切り捨てるわけではありません。お客様がそれぞれに満足していただけるように、努力していきます。

    
 
頂いたお客様の声を会議にて共有し、話し合います。

    
 
全ては難しいが、最低限お客様の声を反映したいです。

お客様に対し「できること」を増やすため―まだまだ情報不足。お客様の生の声を聞きたい。

できることとできないことは、どのように選定されていますか。

(社長)やはり、技術的・コスト的・時間的にできないことはあります。良い機能をばんばんつけても、機体自体のコストが上がってしまったら意味がないですし。

ただ、できないからといって「できない」と頭ごなしに否定するのではなく、
「試してみましたが、ここを改善すると、○○という不具合が起きてしまいます。」というようにお客様にきっちりできない旨の説明を伝えることは必ず行っています。

「できること」を増やすためにどういうことをお考えですか。

(社長)会社全体の力を向上させていきたいです。そのためにはまずは、もっともっとお客様の声を集める事ですね。まだまだ情報が足りていないと思います。営業による聞き取りをアップさせていきたいです。

それと、自分たちが「これが良い」と思っていることとお客様が「良い」と思っていることにギャップがあるという問題点があります。例えば、お客様が粉砕機に何を求めているか。粉砕機にはナイフで粉砕する切削式のものと、ハンマーで粉砕する破砕式のものがあります。

最近は、粉砕効率が良いナイフ式のものがお客様からは人気です。ですが、ナイフ式は繊細で、砂利などを枝と一緒に放り込むのはご法度です。ナイフが切れない状態では作業性が悪いので、ナイフの管理はこまめに行わないといけません。ハンマー式は、ナイフ式に比べると効率は劣りますが、多少の砂利などの異物にもびくともせず粉砕します。ハンマー式にも良い所があるのですが、今はナイフ式が流行っていますので、なんとなくナイフ式の方が良いだろうと思って購入してしまう方もいます。

このようなお客様と私たちのギャップを埋めるためにも、お客様の声が大事になってきます。どんどん集めていきたいと思います。

(社長)粉砕機を「こんなもんだろう」と思い購入してしまうお客様もいらっしゃいます。当社は製造を行っていて、販売は小売店に委託しています。何度も申し上げましたように、お客様が粉砕するものは樹木や貝殻、竹など様々です。

実際にお客様が粉砕したいものが購入しようとしている粉砕機で粉砕できるのかを、よく検討してほしい。粉砕機は安い買い物ではないです。せっかく買っていただくのだから、後悔してほしくない。実演をおこなっている理由はこれです。ちょっとでも「あれ?」と思うことがあればいつでも気軽に尋ねてください。

    
 
人気のナイフ式。繊細でメンテナンスが頻繁に必要。

    
 
ハンマー式。効率は劣るが砂利などにびくともしない。

人気のナイフ式のみ製造・販売するのではなく、お客様の声をどんどん集め反映した製品開発をしていきたい。

自然の恩恵あってこそのメーカー。自然と共存した製品開発を

これから、どういった考えのもと社是を守っていこうとお考えですか。

(社長)顧客本位の経営については述べたとおりです。社是で、「自然の力を認め、この偉大なる恵みを感謝しながらこの力に我々の智慧を加えて更に効率化、高度化できないかを開発の基本とする。」という部分があります。自然の力を認め、壊さないように努力しないことにはその力の恩恵も受けられないと思います。

例えば、さくらんぼの凍霜害があります。凍霜害とは、さくらんぼの花が咲く4月に霜が降り、さくらんぼの実が生らなくなってしまう農作物の被害のことです。これの対策として、さくらんぼ農家さんはかつて古タイヤを燃やして大気をあっため、霜が降りるのを防いでいました。霜が降りるのは朝方ですから、作業は夜通し付きっきりで行われます。古タイヤを燃やしているから、大気汚染にもなる。農家の方の負担と、大気汚染を減らすために、静岡の茶畑で使われている防霜ファンと、地表を濡らして降霜を防ぐための散水システムを開発したこともあります。

このような、自然と共存していけて環境を壊さない製品を開発していきたいと思います。

これからは、行政と協力し合い、より地元密着を進めていきたい

最後に、今までの自身を振り返っての評価とこれからの展望を教えてください。

(社長)なにかを達成した!ということはまず無いです。あれをやればよかった、これをすればよかった、という後悔があります。まだまだ精進していかなくてはいけません。

これからの展望としては、今まであまり携わらなかった、行政を交えての経営を行っていきたいと思います。例えば、山形県では、県内の農家さんが求める機械が開発できるよう、県内の製造業とマッチングを行っております。山形県は「果樹王国」と称するほど果樹栽培が盛んな地域ですが、実は、農家さんへ粉砕機の普及はさほど多くありません。山形だけではなく、東北地方全体がそうですね。ですから、地元の方々により粉砕機を知ってもらうために尽力したいです。地元の方相手ですと、よりお客様と接する時間が増えますから、お客様の声も集まりやすいと思いますし。一つの手段として、地元密着をより深めることを考えています。

    
 
県と協力して地元密着を深めることを考えています。

    
 
お客様に対し嘘をつかないメーカーでありたいです。

お客様へのメッセージ―
お客様に対して、嘘をつかない正直なメーカーでいたい

お客様へのメッセージをお願いします。

(社長)お客様に対して、嘘をつかない、正直なメーカーでありたいと思います。

製造の過程で、Aということを優先するとBということを犠牲にしてしまうことがあります。すると、Bを優先してほしかったお客様は「なぜBをしないんだ」と思い、誤解が生まれてしまうかもしれません。こうこうこういうわけで、Aを優先しました。ときちんと説明したうえで商売をするメーカーでありたい。これからも精進してまいりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

高橋社長、お忙しい中ご協力ありがとうございました。

制作:ハンズバリュー

平成26年2月22日





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