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2015年3月29日 (日)

井上久男「ニュースの深層」 カテゴリーアイコン 「農業特区」に見切り? 農協不要論の「新鮮組」岡本社長が、愛知・田原市長選出馬の意味・・2015年03月28。。私が鳩山さんとクリミアを訪問した理由・高野 孟氏・ 反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本(ソフトカバー) – 2015/3/19 相川 俊英 (著) 容紹介「腸内酵素力・

引用


改革逆行国会

『週刊現代』古賀茂明「官々愕々」より

2月20日、「株式会社日本政策投資銀行法改正案」と「株式会社商工組合中央金庫法等の改正案」が国会に提出された。その前夜、ある居酒屋で経済産業省の若手官僚が、私にこう嘆いた。

「今国会での財務省と経産省の最重要案件ですからね」  「天下り。要するに天下りですよ」

日本政策投資銀行は財務省、商工中金は経産省の政策金融機関だ。建て前上は、民間の金融機関ができないことをやることになっているのだが、実際には業務が民間と重複する。また国の丸抱えなので、本来は市場で淘汰されるべき企業にまで融資ができる。その結果、税金投入が常態化するなど日本の経済構造改革を阻害してきた。おまけに官僚や族議員の利権の温床でもある。

こうした批判に応えて、小泉政権は両行の政府保有株式を全て売却し、完全民営化することにした。ちなみに、完全民営化しても、いざというときは、その都度政府が利子補給したり、緊急出資したりする仕組みさえ整えておけば、何の問題もない。

しかし、官僚と族議員たちは、リーマンショック、さらには、東日本大震災などを理由に政府が両行に随時出資できるようにするとともに、当初は「平成20年10月から5~7年後を目途」とされていた株式の完全売却期限を「平成27年4月から5~7年後を目途」と7年も先送りすることに成功していた。

政投銀も商工中金も両省にとって最重要天下り機関だ。改革のあおりを受けて、他の政府系金融機関とともに一時民間人にトップの天下りポストを明け渡してしまったが、その後、官僚に甘い安倍政権は、商工中金社長に杉山秀二元経済産業次官、日本政策金融公庫総裁に細川興一元財務次官、国際協力銀行総裁に渡辺博史元財務官を就任させた。残る政投銀も時間の問題と見られている。

しかし、官僚から見ると、これでも不安だ。何故なら、現行法のままだと、遅くとも両行は平成34年には完全民営化されてしまうからだ。

そこで、今回の法案には、政府に対して「当分の間」株式を「保有する」義務を課すと書いた。この結果、完全民営化の時期は全くわからなくなってしまった。

一方、この法案には、株式保有の必要性がなくなったら「速やかに」売却するとも書いてある。「速やかに」だから、かえって売却時期が早まるかもしれないなどという両省の言い訳を安倍政権は目をつぶって了解した。もちろん、政府が「必要だ」といい続ける限り、無期限に民営化を先送りできるから何の意味もない。

両省の事務次官にとって、天下り先確保は最優先課題だ。冒頭の経産官僚によれば、同省では、電力自由化の法案よりもこの法案の方が優先度が高いという。これほどまでに官僚の思い通りの法案が出せるとは、両省とも最初は考えていなかったかもしれない。しかし、経産省と財務省の幹部が鉄壁の協力態勢を敷けば、安倍政権も全く太刀打ちできなかった。しかも、現在の国会では与党が衆参で過半数を占めるから法案は通ったも同然。官僚側の完全勝利だ。

安倍総理は、今国会を「改革断行国会」と名づけ、施政方針演説で、「知と行は二つにして一つ」という吉田松陰の言葉を引用し、「求められていることは・・・・・・『改革の断行』であります」と声高らかに謳いあげた。

しかし、今回の民営化先送りは、改革とは正反対の動きだ。引用された吉田松陰先生もさぞかし迷惑なことだろう。安倍総理は、今国会を「改革断行国会」から「改革逆行国会」に改名すべきだ。

『週刊現代』2015年3月28日号より

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42543 9:14 2015/03/29



井上久男「ニュースの深層」 カテゴリーアイコン  「農業特区」に見切り? 農協不要論の「新鮮組」岡本社長が、愛知・田原市長選出馬の意味・・2015年03月28日(土) 井上 久男

 井上久男「ニュースの深層」著者紹介

売上高で日本最大の農協はどこかと聞かれ、農協関係者以外で答えられる人はおそらくいないだろう。正解は愛知県田原市にある「JA愛知みなみ」だ。

 

田原市は、先端に伊良湖岬がある渥美半島に位置する。温暖な気候で、ブロッコリーやキャベツなどの日本有数の産地だ。菊の栽培も盛んだ。当地の「電照菊」(温室内で電灯の光を当てながら促成栽培する菊)は社会科の教科書で紹介されたこともある。菊は葬儀で用いられることなどから年中需要がある。

 

この田原市には、トヨタ自動車本体で国内最大の田原工場もある。同社の最高級ブランド「レクサス」のマザー工場だ。

 

「農協職員のための農協は不要」が持論の市長候補

 

裕福な農家が多いことと、「トヨタ効果」によって、田原市はとても豊かな地域である。一方、裕福な田舎にありがちな排他的、保守的な土地柄でもある。筆者は、今から23年前、新聞記者としての初任地が田原市に隣接する豊橋支局だったご縁で、今でも農業関係の取材に出向くことがある。

岡本重明「新鮮組」社長

 

この保守的な土地柄で、約30年前から農協不要論を唱えてきたのが、有限会社「新鮮組」の岡本重明社長(53)だ。

 

野菜のほか大規模稲作を展開し、今ではタイやインドネシアでコシヒカリ栽培の指導もしている。

 

最近でこそ、安倍政権の農業改革によってJA全中の権限が剥奪されるなど、農協のあり方を巡って国民の注目が集まったが、こうした地域で30年近く前から農協不要論を正々堂々と唱えていたこと自体が珍しい。

 

岡本氏が唱える農協不要論のポイントは、「農家や地域の発展のための農協なら必要だが、農協職員のための農協なら不要」という点にある。

 

農協は、専業農家ではない職員の安定的な就職先として、寄らば大樹あるいは公務員的な仕事をする組織であるならば不要ということでもある。この考え方は今でも首尾一貫している。

若いころから岡本氏は、販売増とコスト管理を意識して、農協に頼らず野菜の販売先を自分で開拓し、借り入れも農協ではなく事業計画書を書いて都市銀行などから借りてきた。

 

土の改良剤やトラクターの爪など、農協・メーカー経由で買えば高いものを回避するため、自らリスクを取って海外に出向き、品質は同等で価格が安い資材を仕入れてきた。そして、それを自分が使うだけではなく販売するビジネスも手掛けてきた。

 

たとえば、花き農家が農薬の効かないウィルスに悩んでいることを知ると、欧米では使用が求められている「二酸化塩素」を輸入して2009年から販売を始めた。これは耐性菌を生まない消毒薬で、日本でも滞留性が少ないとして食品添加物として認められている。岡本氏は農水省に農薬として登録が必要な農薬ではなく、水を殺菌する資材として販売に踏み切った。病気に苦しむキク農家から高い評価を受けた。

 

営利事業だけではなく、岡本氏は自分が持つ水耕栽培の特許技術を地元で障害者を雇用しているNPOや山口県内の福祉法人に貸している。この水耕栽培で作った野菜を販売することで身障者らの自立に少しでも貢献したい考えだった。

 

 コメ1俵が「コンビニおにぎり」にもたらす付加価値

 

岡本氏の行動は、「変人農家」とみなされ、また「村の和」を乱すものとして、家族までもがいじめにあったり、岡本氏の事業を邪魔するための「嫌がらせ訴訟」なども受けてきたりしたが、最近では「岡本のやっていることは意外と正しいぞ」といった声も地元でも起こり始めていた。

 

この5、6年で大きく世の中の流れも大きく変化した。裕福な農業地帯でも資材の高騰や販売の低迷、高齢化による後継者難などによって、「棄農」が出始めた。こうした変化を背景に、密かに岡本氏に経営ノウハウを聞きにくる農協職員や農家も現れ始めたのである。

 

また、岡本氏の著書『農協との「30年戦争」』(文春新書)を読んだ菅義偉官房長官が知人を経由して、岡本氏と接触、農業改革のブレーンの一人として活用してきた。

昨年5月に国家戦略特区(農業特区)に指定された兵庫県養父市に「新鮮組」が進出する構想もある。

 

その岡本氏が4月26日に投開票される田原市長選挙に立候補することが決まった。岡本氏らしく破天荒でユニークな選挙戦略で挑んでおり、興味深い。また、この選挙戦からは、日本が抱える構造的な課題も垣間見える。詳細は後述するが、それは、「中央vs.地方」である。

 

「地方の既得権を壊したい。今回の選挙は、私の政策vs.地方の大組織だと思っています」。2月12日に立候補表明した岡本氏はこう語った。

岡本氏が表明した政策の中心には、渥美半島内に「産直広場兼バスステーション」を置くことが掲げられている。

 

これは、田原市内の個人商店や農業・漁業従事者が販売方法を幅広く選択できるために設ける施設で、イメージとしては「道の駅」のようなものだ。そして、その販売施設を巡回し、主要駅にまでつながる新たなバス網を第三セクターで構築する考えだ。販売施設で上がった収益を、バス運営の資金に充てる戦略でもある。

一見、この政策は陳腐なようにも見えるが、実は多くの課題を解決する「秘策」が含まれている。岡本氏は農業政策を語る時によく「米1俵(60㎏)から、コンビニのおにぎり何個取れるか知っていますか?」と尋ねる。

 

ほとんど答えられる人はいないが、答えは約1400個。1個100円程度で売られているので、コンビニが得る売上高は米1俵から約14万円である。これに対して米農家が1俵売って得られるのは今の相場では1万円にも満たない。この差額「13万円」の付加価値が農業以外に流れていることに注目すべき、と岡本氏は言いたいのだ。

 

渥美半島ではあさりも獲れて、あさりご飯の弁当が高く売られているが、地元以外の業者にその付加価値が流れているそうだ。そうした付加価値を地元で取り戻していくための販売施設でもある。冷凍技術が発達した現在では、お節料理でも輸出できる。

 

そうしたノウハウを生かして、地元食材を使った弁当を輸出する構想もある。岡本氏はこれを「ふるさと弁当構想」と呼び、これによって新たな雇用なども地元で創出できると見ている。

 

トヨタ依存からの構造転換も目指す

 

施設とバス網を関連付ける狙いは、地方の公共交通網の維持整備のためだ。渥美半島でも過疎化が進み、限界集落のようなところも出始めている。交通網がなければ、学生は通学できず、運転できない高齢者ら住人は買い物にも行けないので、ますます人が住まなくなる。これでは「故郷が破壊されてしまう」と岡本氏は危機感を募らせている。この危機感も市長選出馬への大きな動機となった。

 

こうした課題に対して現在の田原市政は「コンパクトシティー構想」を掲げて、街の中心部に施設などを集約して効率的な街づくりを目指す考えだ。岡本氏はこれではますます、「地方での一極集中」が進むと見る。

 

トヨタに依存する市の財政からの構造転換も岡本氏は訴える。企業誘致で地方を繁栄させる考えは時代遅れと岡本氏は考えている。グローバル経済の中で活動するトヨタの経営にはリスクが付き物。パナソニックですらサムスンなどとの競争に敗れて、行政からの補助金も受けて新たに投資して建設したばかりの大阪尼崎工場(プラズマ)や兵庫姫路工場(液晶)から撤退し、償却してしまった。

 

「田原市の財源は渥美半島にある農産物などの豊かな資源を活用して、事業を興し、自ら賄っていく考えが重要になる」と、岡本氏は訴え、国を支えながらも、国に頼らない地方自治体をつくりたい考えだ。

しかし、こうした政策に取り組もうとすると、既存のバス網を持つ地方のバス会社などが反対に出る。農家が新たな販売網を持つことに農協も協力しない。こうした企業や農協は自民党の有力支持者である。地方の既得権の多くは自民党の支持者。こうした人たちは、同じく立候補を表明している元田原市議会副議長の北野谷一樹氏や元同市教育部長の山下政良氏を推すと見られる。

 

特区「養父市」からの撤退に政府筋もあわてて

 

また、岡本氏の政策には規制緩和も必要になる。それがないと、施設での販売が難しいケースも想定される。たとえば、農家が自家製の野菜を使って屋外の窯で焼いた焼きたてのピザを売る場合、愛知県ではピザの窯は防火施設のある屋内にしか設置できない条例がある。まず、こうしたことから規制緩和しなければならないが、岡本氏によると、愛知県は前向きではないという。バス路線の新設にも許認可が必要だ。

 

前述したが、岡本氏は農業特区の養父市に進出、そこでまず「ふるさと弁当構想」を展開して、そのノウハウを田原市に持ち帰る計画だった。

 

しかし、特区に認定されたものの、当の養父市にやる気と能力がなく、まったく計画が進まない状況に追い込まれた。岡本氏は業を煮やしていったんは養父市からの撤退を検討、田原市長選挙への出馬を優先させた。慌てた政府筋から引き留められた経緯がある。

 

こうしたことからも分かるように、安倍政権の目玉政策でありながら、地方自治体はそれをやる力がなく、今のままでは中央政府による「絵に描いた餅」に終わりかねない。

 

今年1月に投開票された佐賀県知事選挙でも、安倍政権が推す規制改革などを重視している候補が、地元農協や地元自民党が支持する候補に敗れた。結局は、「安倍自民党」と地方利権は「同床異夢」であることが分かった。

 

岡本氏が考える田原市政改革も、安倍政権が進める規制緩和や、各地域で特色ある経営ができる農業の推進などともマッチしているが、佐賀県知事選挙と同様に自民党支持者であるはずの地方組織や地方の利権団体がその前に立ちはだかっている構図だ。

 

地方経済の再生、地方の自立を成し遂げていくためには、安倍政権は自助努力を怠った地方の既得権を潰すことにも注力すべではないか。岡本氏の活動から見えてきた課題だ。

8:46 2015/03/29  

山形屋ポイント


私が鳩山さんとクリミアを訪問した理由・高野 孟氏(ジャーナリスト).マル激トーク・オン・ディマンド 第729回.

「国賊!」「売国奴!」クリミアを訪問した鳩山由紀夫元首相が、メディアから罵詈雑言を浴びる激しいバッシングに遭っている。鳩山氏のクリミア訪問については実弟の鳩山邦夫氏までが「宇宙人になった」と酷評するなど、まさに日本ではフルぼっこ状態だが、何が問題だったのかと言えば、要するに「けしからん罪」ということのようだ。

日本政府はロシアによるクリミアの編入を認めていない。そのクリミアにロシアのビザを取得して入国すれば、ロシアの「力による現状変更」を追認することになり、それは中国との間に尖閣問題を抱える日本にとっても他人事では済まされない。ましてや、元首相が政府の方針に反する行動を取るとは何事か、というわけだ。

一国のリーダーの退任後の身の処し方についてはいろいろ意見もあろう。小泉純一郎元首相のように公然と政府の原発政策に反旗を翻すケースもあるだろうし、森喜朗元首相のように、政府の意を受けて、対露外交やオリンピックの招致などで政権を援護射撃する場合もあり得るだろう。アメリカのカーター元大統領も、政府とは一線を画した立場から民間外交に奔走したことで知られる。

しかし、今回の鳩山元首相のクリミア訪問には少なくとも一つ、重要かつ正当な目的があった。そして、それはその訪問自体が正しいことなのかどうかを判断するための情報を得ることだったと言っていいだろう。

クリミアの現状を知るためには、現在クリミアを実効支配するロシアが発行するビザが必要になる。しかし、ロシアのビザを取得すれば現状を追認することになるからダメだということになると、そもそも「現状」がどうなっているかを知ることが事実上不可能になってしまう。

 鳩山氏は日本で広く報道されているように、クリミアが軍事力によって強制的にロシアに編入され、クリミアの人々は自分たちの意思に反してロシアの支配下に置かれているのかどうかを、実際に現地に入り、自身の目で確かめに行ったのだということだった。

 クリミアのロシア編入に際して、ロシアの後ろ盾を受けたクリミア自治共和国政府は昨年3月にロシアへの編入を問う住民投票を実施し、97%の賛成を得た上で、自主的にロシアへの編入を決めていた。しかし、アメリカやEU諸国は、この投票にはタタール人などの少数民族が参加していなかったほか、投票に参加した人たちも、ロシア系の武装勢力の監視下に置かれていたため、真に民主的な住民投票ではなかったと主張し、その結果を認めていなかった。

 日本政府もまたアメリカに追随する形で、クリミアのロシア編入を「力による現状変更」であり国際法違反であるとの立場を取り、対露制裁に加わっていた。

 今回の鳩山氏のクリミア訪問に同行したジャーナリストの高野孟氏は、これまで日本で伝えられてきたウクライナの政変、とりわけクリミア情勢についての情報は、そのほとんどが欧米、特にアメリカの視点からの情報に限定されていると言う。それはクリミア問題では全面的にロシアが悪であり、ロシアの行為は国際社会では容認できない不法行為だという視点だ。

 しかし、実際に対露制裁に参加している国は、ウクライナに隣接し、ウクライナ情勢から直接の影響を受けるEU諸国の他、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、一部のアメリカの同盟国に限られており、世界がこぞってロシアを批判しているというわけではない。中国は無論のこと、北朝鮮問題を抱え、対米関係で日本と似たような微妙な立場にある韓国も、制裁には加わっていない。

 一方で今回日本が対露制裁に加わったことで、これまで安倍首相自らが積み上げてきたロシアとの友好関係に少なからずひびが入ったことは間違いない。クリミア情勢はこれまで日本が積み上げてきたロシアとの友好関係を危険に晒し、北方領土問題解決の機運に水を差してまで、どうしても日本が対露制裁に加わらなければならないほど緊迫した状態にあるのか。それを確認することが、鳩山氏らのクリミア訪問の目的だった。

 高野氏はそもそもクリミアは歴史的にロシアの領土であり、住民の6割近くをロシア系住民が占めていることから、拙速に行われた住民投票の正当性に多少の疑義があるとしても、クリミアがロシアに帰属すること自体は自然な流れだと考えるべきだと言う。

 むしろ、遙かに深刻なのは、もっぱらアメリカに追随する形で、思考停止をしたまま対露制裁に加わる日本の外交的スタンスと、これに何の疑問も呈さないマスメディアや日本の言論空間だ。

 ロシアとアメリカの間にはもはや冷戦時代のようなイデオロギー上の対立は存在しない。アメリカの一部、とりわけネオコンと呼ばれる原理主義的保守勢力の間では、ロシア異質論が根強いが、アメリカの対ロシア、対ウクライナ政策はむしろ経済利権、エネルギー利権の動機付けによって突き動かされている面が強いと見られる。

 そのような状況の下で、日本が単にアメリカ追随を目的に、対露政策に加わることが、日本にとって得なのか損なのか。いや、損得以前に、そもそもそのような国益判断が行われたかどうかさえ疑わしい。

 クリミア情勢に対する日本の政治的な立場には、日本なりの合理的判断があるのか。そもそも世論の中に異論や少数意見を包摂できない日本に、合理的な外交や合理的な政策判断を下すだけの成熟した民度があるのか。クリミア情勢と鳩山叩きから見えてくる日本外交の問題点や言論空間の貧困さについて、宮台真司氏に代わり司会を務めた国際政治学者の廣瀬陽子氏とジャーナリストの神保哲生が、鳩山元首相に同行してクリミアを訪問したゲストの高野孟氏と考えた。

高野 孟たかの はじめ(ジャーナリスト)

 

1944年東京都生まれ。68年早稲田大学文学部卒業。通信社、広告会社勤務などを経て75年からフリー。80年インサイダーを設立し代表兼編集長に就任。オンラインで『東京万華鏡』、『ざ・こもんず』、『THE JOURNAL』などを主 宰。サイバー大学客員教授を兼任。著書に『沖縄に海兵隊はいらない!』、『原発ゼロ社会への道程』、共著に『ウクライナ危機の実相と日露関係』など。

廣瀬 陽子ひろせ ようこ(慶應義塾大学総合政策学部准教授)

 

1972年東京都生まれ。95年慶應義塾大学総合政策学部卒業。2001年東京大学大学院博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、東京外国語大学大学院准教授、静岡県立大学国際関係学部准教授などを経て10年より現職。博士(政策・メディア)。著書に『未承認国家と覇権なき世界』、『ロシア 苦悩する大国、多極化する世界』など。

 2014年03月29日

20:17 2015/03/28  

弁護士ドットコム・


反骨の市町村 国に頼るからバカを見る 単行本(ソフトカバー)  – 2015/3/19 相川 俊英 (著) 容紹介

 アベノミクスの「地方創生」は画に描いた餅!

このままでは国土は強靭化どころか弱体化し、多くの市町村が破綻・消滅する!

出生率の低下、東京一極集中で、2040年には市町村が半減すると言われている。

これは地方自治体の多くが、中央官庁お仕着せの政策とばらまかれる補助金、すなわち「タリキ(他力)」に頼ってきたツケに他ならない。一方で、国に頼らず独自のアイディアと取り組み(「ジリキ(自力)」)で自治体の再生・活性化を成功させた「奇跡の市や村や町」がある。

過疎化から人口増に逆転させた村、シャッター商店街をよみがえらせた町……。

彼らはいかにして自分たちを守り、未来を切り開いたのか。その奇策とは!?

ローカルアベノミクスのまやかしに警鐘を鳴らす地方自治取材のスペシャリストが、地方再生の特効薬「ジリキ(自力)ノミクス」を提唱する!

「自律度」「豊かさ度」「税納付率」「投票率」ほか独自集計の市町村ランキングも多数掲載。

 お仕着せの政策とばらまかれる補助金では地方創生などできない!わが道を行く「ジリキ(自力)ノミクス」でよみがえった自治体、それぞれの奇策とは!? 単行本(ソフトカバー): 226ページ出版社: 講談社 (2015/3/19)

言語: 日本語発売日: 2015/3/19

目次

第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした(行政、住民、政治の「じゃんけん」自治体は「分譲マンション」タリキノミクスとジリキノミクス ほか)

第2章 納税者が知るべき「自律度」ランキング(独自に全市町村をランキング

「財政自律度」ランキング「住民1人当たりの借金残高」ランキング ほか)

第3章 後悔先に立たず「タリキノミクス」の落とし穴(「豊かな自治体」の顔ぶれ~「財政力指数」ランキングカネが溢れていても人が増えない~“「財政力指数」ベストワン”愛知県飛鳥村財政難から富裕村へと大変貌 ほか)

第4章 実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし(ジリキノミクスへの取り組み

村を蘇らせた「働く公務員」~“「崖っぷち型」ジリキノミクス”福島県泉崎村

「奇跡の村」の役場改角に学ぶ ほか)

第5章 「ローカル・アベノミクス」に騙されるな(これまでの公共事業ちこれからの公共事業なぜ「タリキノミクス型」が多いのか加速する土建政治の十倍返し ほか)

第6章 地方創生の特効薬とは何か(地域活性策の「失敗の歴史」地域活性化予算を虚しく消化スローガンで終わる地域活性 ほか)

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19:50 2015/03/28

 


「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない (講談社+α新書) 新書  – 2015/2/20高畑 宗明 (著) 内容紹介

 アメリカで権威ある専門家が選ぶ「ベスト・オブ・サプリメント・アワード」を2008年から6回受賞するなど、腸内細菌の研究で活躍を期待される著者、高畑宗明さん。

近年ますます、日本人の腸内環境が悪化の一途をたどっていることに、高畑さんは大きな危惧を抱いています。たとえば大腸がんの場合、1955年の死亡率が今では約10倍となり、女性は大腸がんが死亡原因の第1位(男性は第3位)。

このほか、アレルギーやアトピー、骨粗鬆症、肥満、動脈硬化、全身のがん、そしてうつや認知症と、腸と関係のある病は数知れません。そのカギを握るのが腸内細菌、善玉菌の増加イコール病気にならない体になることだと本書でわかるでしょう。つまり、善玉菌が出す「酵素」が健康の大きなカギ。

ただ、今この「酵素」の間違った情報が蔓延しています。スムージーなど酵素食品も直接酵素になるわけではないなど、具体的な指摘も記すとともに、腸内環境を整え善玉菌を増やす習慣を具体的にご紹介しています。

内容(「BOOK」データベースより) 間違った酵素健康法にだまされるな!日々の習慣で「若さと長生き」を実現しよう!アメリカで権威ある専門家が選ぶ「ベスト・オブ・サプリメント・アワード」6度受賞!酵素研究の最先端をいく著者が、「腸内酵素力」の上げ方を伝授。

新書: 192ページ出版社: 講談社 (2015/2/20)

言語: 日本語・発売日: 2015/2/20

目次

第1章 若さと健康のカギは善玉菌の「酵素」にある

第2章 がんなどの病気も腸内環境の悪化が引き金だった

第3章 腸内酵素で根本から「アンチエイジング」

第4章 うつ、ボケも腸内酵素で改善できる

第5章 あなたの腸の問題を解決! タイプ別腸診断

第6章 酵素力の上げ方がまとめてわかるQ&A

 酵素は大事…だけど正しく理解しないと意味がないんだ, 2015/2/24

「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない (講談社+α新書) (新書)  

酵素は人体で、しかも腸で圧倒的につくられる量が多い。だから酵素を飲んでも、体内の酵素が即増えるわけではない…

グリーンスムージーは、体には悪くないんですよ。便秘にもちろん効果的。

でもタンパク質を食べることと一緒だったのですって。

ショックですが、いろいろと目を覚まさせてもらった感じです。

だからこそ酵素は本当に健康に大切

そしてそのために腸内環境を整える必然性を学びました。

エセ科学にビシ!っと、書いてある側面があります。「○○を食べればすぐ解決!」という単純な解説書ではありません。でも小難しくなく、楽しく読めました。

5.0  「腸」と「酵素」を正しく理解するためのバイブル, 2015/3/1

レビュー対象商品: 「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない (講談社+α新書) (新書)

先日、1年前まで健康そのものだった知人の父親が大腸がんで突然亡くなり、腸の健康について関心を持った時に出会ったのが本書でした。

とても読みやすくて、一気に読んでしまいました。

 

腸は体の免疫細胞の内70%が集中しているとても重要な臓器とのこと。

「口は門、腸は玄関のような関係」と例えてあり納得、

玄関でしっかりセキュリティしとかないと、悪いものが入ってきちゃいますもんね。

 

「便秘」により悪玉菌が増えることで、大腸がんや過敏性腸症候群などの様々な病気の原因になっていると知り、今まで便秘を軽く考えていた自分を反省。

今後は本書を教科書にして「腸内酵素力」をしっかりと考えた食生活を心がけたいと思います。 先ほど、健康に無頓着な両親にも1冊贈りました。

 (最近流行りのグリーンスムージや酵素ドリンクで酵素を直接摂り入れても意味が無いというのは衝撃でした・・・著者の高畑博士が研究されている酵素サプリが気になります)

 

 

   レビュー対象商品: ≪町内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない (講談社+α新書) (新書)

 タイトルには「ボケもがんも」とありますが、ボケやがんだけでなく、精神的なイライラやうつ、アトピーや花粉症に至るまで、腸内環境が関係していること、その上で、腸内環境を整えることが健康で美しく生きるためには重要である、ということがとても分かり易く書かれていました。

最近話題の「酵素」がどういったもので、身体の中でどんな役割をしてるのか初めてちゃんと理解できた気がします。

きちんと科学的根拠に基づいて書かれているのにも好感が持てました。

年配の方だけでなく、子育て中のお母さんや、美容に興味のある方も、読んでおいて損はないと思います!

: 「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない (講談社+α新書) (新書)

 そんなに難しくもなく病院の待合室でサッと読めて、おもしろい本です。

20:09 2015/03/28

 


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